説明

照明器具

【課題】直管ランプの位置に応じて簡単に取り付けられて直管ランプを確実に保持できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、反射板18と、反射板18に設けられて直管ランプ19を支持する一対のソケット13と、反射板18に取り付けられる取付部29と、直管ランプ19を握着するばね部30と、取付部29およびばね部30を連結する柔軟性を有する連結部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管ランプを装備する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、台座板の中央部に取付孔を設け、台座板の端にアームを設け、アームの先端に筒状の保持部を設け、保持部にベルトを挿通し、ベルトの両端に接続部を設けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、台座板が器具本体にねじ止めされ、アームの保持部に保持されているベルトが直管ランプに巻き付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−7011号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、直管ランプを機械的に固定するために直管ランプの落下を確実に防ぐことができ、地震の際に多い天井からの落下物による負傷等を軽減できる。
ところが、特許文献1は、アームが可撓性を有さないために、直管ランプに対応する位置にベルトを配置させることができない。
また、特許文献1は、ベルトを直管ランプに巻きつけなければならないために、作業性が良好ではない。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、直管ランプの位置に応じて簡単に取り付けられて直管ランプを確実に保持できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、反射板と、前記反射板に設けられて直管ランプを支持する一対のソケットと、前記反射板に取り付けられる取付部と、前記直管ランプを握着するばね部と、前記取付部および前記ばね部を連結する柔軟性を有する連結部とを備える。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記取付部が前記反射板に設けられた取付孔に取り付けられる。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記ばね部が環状である。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記取付部、前記ばね部および前記連結部が導電性を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、直管ランプの位置に応じて簡単に取り付けられて直管ランプを確実に保持できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め下方から視た分解斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の取付時の斜め下方から視た外観斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の側面から視た垂直断面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の正面から視た垂直断面図
【図5】本発明に係る第2実施形態の照明器具の斜め下方から視た分解斜視図
【図6】本発明に係る第3実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の取付前の斜め下方から視た外観斜視図
【図7】本発明に係る第3実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の取付後の斜め下方から視た外観斜視図
【図8】本発明に係る第4実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の斜め下方から視た外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、天井面1に既に設置されている既存反射板11の一端部にソケット台12を介して取り付けられている一対の給電側のソケット13を備える。
また、照明器具10は、既存反射板11の他端部にソケット台14を介して取り付けられている一対の接地側のソケット15と、既存反射板11に取り付けられている電源ユニット16と、電源ユニット16の近傍に配置されている電源端子台17とを備える。
電源端子台17には、天井面1から引き込まれる電源線5が電気的に接続されるとともに電源ユニット16が電気的に接続され、電源ユニット16に給電側のソケット13および接地側のソケット15が電気的に接続される。
【0013】
そして、照明器具10は、既存反射板11に下方から被される反射板18と、一対の給電側のソケット13および一対の接地側のソケット15に機械的および電気的に接続される一対の直管型LEDランプ19とを備える。
さらに、照明器具10は、反射板18に取り付けられる複数のランプ落下防止部材20を備える。
照明器具10は、既存反射板11に反射板18を新たに取り付けて使用するリニューアルタイプである。
【0014】
既存反射板11は、天井面1から下方に向けて突出されている取付ボルト2にボルト孔21が挿通された後に座金3を介してナット4がねじ込まれることにより、天井面1にあらかじめ設置されている。
反射板18は、厚みの薄い板部材により成形されており、床面側に反射面22を有し、既存反射板11内に収容される。
反射板18は、給電側のソケット13および接地側のソケット15を挿通させるための切欠き状の二対のソケット挿通孔23を有する。
【0015】
直管型LEDランプ19は、断面がほぼ円形のガラス管24の一端部の口金25に、給電側のソケット13に電気的に接続される給電側の口金ピン26を有する。
直管型LEDランプ19は、ガラス管24の他端部の口金27に、接地側のソケット15に電気的に接続される接地側の口金ピン28を有する。
直管型LEDランプ19は、ガラス管24内に、複数の不図示のLEDを長手方向に封止させた不図示のLED基板を有する不図示のLEDユニットを内蔵している。
【0016】
直管型LEDランプ19は、給電側のソケット13から給電された直流電流が給電側の口金ピン26から接地側の口金ピン28を通じて接地側のソケット15に流れる。
そして、直管型LEDランプ19は、LED基板に有する不図示のプリント回路に直流電流が供給されてLEDが発光される。
直管型LEDランプ19は、被照射対象に向けた照射範囲が全周に対して1/2ないし2/3である。
【0017】
図2に示すように、ランプ落下防止部材20は、環状の板形状に形成された取付部29と、直管型LEDランプ19を握着するC字形状に形成されたばね部30と、取付部29とばね部30とを連結する連結部31とを備える。
また、ランプ落下防止部材20は、取付部29に挿通されて反射板18にねじ込まれる取付部材32を備える。取付部材32は、ねじ込みボルトやスタッドボルトが適用される。
取付部29は、導電性を有する金属製部材により成形されている。ばね部30は、取付部29と同様に、導電性を有する金属製部材により成形されている。
連結部31は、柔軟性を有し、取付部29およびばね部30と同様に、導電性を有する金属製部材により成形されている。
従って、ランプ落下防止部材20は、直管型LEDランプ19の接地回路を、ばね部30から連結部31および取付部29を通じて反射板18に形成できる。
ばね部30は、弾性反発力を有する金属材料によりC字形状に形成されるのに代えて、直管型LEDランプ19に縛り付けられるインシュロック形状も可能である。
【0018】
次に、ランプ落下防止部材20の取付手順について説明する。
まず、既存反射板11の給電側のソケット13および接地側のソケット15に反射板18のソケット挿通孔23を外挿させながら、既存反射板11に反射板18が組み付けられる。
そして、給電側のソケット13および接地側のソケット15に装着される一対の直管型LEDランプ19に対応する反射板18の位置に取付部29を配置した後に、取付部29に挿通された取付部材32が反射板18にねじ込まれる。
【0019】
図3および図4に示すように、ランプ落下防止部材20は、取付部29に挿通されて反射板18にねじ込まれた取付部材32が直管型LEDランプ19と反射板18との間において、直管型LEDランプ19に干渉しない位置に配置される。
そして、ランプ落下防止部材20は、ばね部30が直管型LEDランプ19の周面に取り付けられ、ばね部30が取り付けられている直管型LEDランプ19が給電側のソケット13および接地側のソケット15に装着されることになる。
【0020】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、取付部29が直管型LEDランプ19に応じた反射板18の位置に取り付けられることにより、連結部31に連結されたばね部30が直管型LEDランプ19を握着する。
そのため、照明器具10によれば、従来のものと比べて、柔軟性を有する連結部31を介してばね部30を直管型LEDランプ19に応じた位置に配置できる。
また、照明器具10によれば、従来のもののように、ベルトを直管ランプに巻きつける必要がないために、直管型LEDランプ19を簡単に握着できる。
従って、照明器具10によれば、直管型LEDランプ19の位置に応じて簡単に取り付けられて直管型LEDランプ19を確実に保持できる。
【0021】
また、照明器具10によれば、取付部29、ばね部30および連結部31が導電性を有するために、直管型LEDランプ19の接地回路を、ばね部30から連結部31および取付部29を通じて反射板18に形成できる。
従って、照明器具10によれば、直管型LEDランプ19に確実な接地回路を形成でき、静電気等に対処できる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0023】
図5に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具40は、複数の取付孔42を有する反射板41が適用され、反射板41の取付孔42に取付部29に挿通された取付部材32がねじ込まれる。
取付孔42は、通常、取付部材32を使って反射板41を不図示の器具本体等に取り付けるために用いられるものであり、これら取付孔42をランプ落下防止部材20の取り付けに併用する。
【0024】
照明器具40によれば、取付部29に挿通された取付部材32が反射板41に既に設けられている取付孔42にねじ込まれるために、取付部材32のねじ込みに係る作業を飛躍的に簡単にできる。
【0025】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図6に示すように、本発明に係る第3実施形態の照明器具50は、四角形の板形状に形成された取付部52を有するランプ落下防止部材51が適用される。ランプ落下防止部材51は、取付部52にラッチ挿通孔53を有する。
【0026】
ランプ落下防止部材51は、反射板18への取り付けにあたり、取付部52のラッチ挿通孔53を、反射板18に有するラッチ部材54に挿通させる。
図7に示すように、ランプ落下防止部材51は、取付部52のラッチ挿通孔53にラッチ部材54が挿通された後に、ラッチ部材54がほぼ90度回動されることにより、ラッチ部材54が取付部52に係止されて固定される。
【0027】
第3実施形態の照明器具50によれば、ラッチ部材54を回すだけで取付部52を反射板18に取り付けできるので、取付作業性を飛躍的に向上できる。
【0028】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図8に示すように、本発明に係る第4実施形態の照明器具60は、取付部29に連結部31を介して環状のばね部62を備えるランプ落下防止部材61が適用される。
【0029】
ランプ落下防止部材61は、反射板18への取り付けにあたり、取付部29に挿通された取付部材32が反射板18にねじ込まれた後に、ばね部62が直管型LEDランプ19の周面に外挿される。
そして、ばね部62が取り付けられている直管型LEDランプ19が給電側のソケット13および接地側のソケット15に装着される。
【0030】
照明器具60によれば、環状のばね部62を備えるランプ落下防止部材61が適用される。
従って、照明器具60によれば、直管型LEDランプ19に取り付けられたばね部62から、直管型LEDランプ19が容易に外れないために、直管型LEDランプ19の保持力を増大できる。
【0031】
なお、本発明の照明器具においてソケット台,電源ユニット,電源端子台,直管型LEDランプ等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0032】
10,40,50,60 照明器具
13,15 ソケット
18,41 反射板
19 直管型LEDランプ(直管ランプ)
29,52 取付部
30,62 ばね部
31 連結部
42 取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板と、
前記反射板に設けられて直管ランプを支持する一対のソケットと、
前記反射板に取り付けられる取付部と、
前記直管ランプを握着するばね部と、
前記取付部および前記ばね部を連結する柔軟性を有する連結部とを備える照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記取付部が前記反射板に設けられた取付孔に取り付けられる照明器具。
【請求項3】
請求項2に記載の照明器具において、
前記ばね部が環状である照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記取付部、前記ばね部および前記連結部が導電性を有する照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−26062(P2013−26062A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160672(P2011−160672)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】