説明

照明器具

【課題】器具本体と反射板を確実に接触導通できる照明器具を提供する。
【解決手段】アース接地される本体部110を有する器具本体と、この器具本体に取り付けられるとき、本体部110に対して略垂直となる一辺を有する反射板被係止穴221が形成される反射板と、反射板被係止穴221の一辺に反射板の外郭から内側に向かって傾斜を付けて形成される舌部222と、器具本体に設けられ、反射板被係止穴221に嵌合して反射板を係止する受け部を有し、舌部222が受け部に接触して、本体部110と反射板とを電気的に接続する反射板取付爪120を備えたので、反射板を反射板取付爪120に取り付けるとき、舌部222が受け部と接触して、反射板を反射板取付爪120に係止するとともに反射板と器具本体とを電気的に接続させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具の器具本体に形成された取付部に反射板を取り付けた際に、反射板を確実に接地する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具の器具本体に形成された嵌合穴に反射板取付金具の爪部を挿入する際、この爪部のエッジで嵌合穴の縁部の塗装を削り、反射板取付金具を器具本体に取り付けるとともに電気的に接続し、嵌合穴から外部に突出した爪部を折り曲げて器具本体に固定するものがある(例えば、特許文献1。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−172968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、反射板取付金具に形成された爪部を照明器具の器具本体に形成された嵌合穴に挿入後、爪部を折り曲げて反射板取付金具を器具本体に接触させ、固定するという工程が必要であった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、反射板を照明器具の器具本体に設けられた係止部に係止するとき、反射板の被係止穴に形成された舌部が係止部に接触し、この舌部の弾性変形により係止部を固定するとともに、係止部との接触状態を保ち続けることで確実に反射板と器具本体とを接触導通し、器具本体を通して反射板をアース接地することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、照明器具の器具本体に設けられた反射板取付部に嵌合する反射板の側面に設けられた被係止穴の一辺に、反射板の外郭から内側に向かって傾斜を付けて舌部を形成し、この反射板を反射板取付部に取り付けるとき、この舌部は反射板取付部の係止部を押し当てられて弾性変形し、被係止穴が反射板取付部の係止部に嵌合されると、舌部が弾性力により係止部に接触し続け、反射板と器具本体とを電気的に接続させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照明器具の器具本体に設けられた反射板取付部に反射板を取り付けるとき、反射板の側面に設けられた反射板被係止穴の一辺に、反射板の外郭から内側に向かって傾斜を付けて形成された舌部が、反射板取付部の係止部と接触して、反射板を反射板取付部に係止するとともに反射板と器具本体とを電気的に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1の照明器具を示す斜視図である。
【図2】図1の照明器具から反射板を外した状態を示す分解斜視図である。
【図3】図1の照明器具のA−A断面を示すA−A断面図である。
【図4】図1の照明器具の一部を示す断面斜視図である。
【図5】図1の照明器具のB部を反射板の内側から見たときの部分拡大斜視図である。
【図6】図2の照明器具のC部を拡大した部分拡大図である。
【図7】図2の照明器具のD部を拡大した部分拡大図である。
【図8】図2の照明器具の電源端子台を示す斜視図である。
【図9】図2の照明器具のE部を拡大した部分拡大図である。
【図10】図2の照明器具のC部およびD部を示す部分拡大図である。
【図11】図2の照明器具の要部を模式的に示す模式図である。
【図12】図3の照明器具のF部を拡大した部分拡大断面図である。
【図13】図12の照明器具のM−M断面を示すM−M断面図である。
【図14】実施の形態1の他の照明器具の要部を模式的に示す模式図である。
【図15】実施の形態1の他の照明器具の舌部を示す部分拡大図である。
【図16】実施の形態2の反射板被係止穴と舌部を示す斜視図である。
【図17】図16の舌部を示す正面図および上視図である。
【図18】図16に示す反射板被係止穴に反射板取付爪が挿入された状態を示す斜視図である。
【図19】実施の形態3の器具本体と反射板を示す模式図である。
【図20】実施の形態4の器具本体と反射板を示す模式図である。
【図21】実施の形態5の器具本体と反射板を示す模式図である。
【図22】実施の形態6の器具本体と反射板を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の照明器具を示す斜視図、図2は、図1の照明器具から反射板を外した状態を示す分解斜視図、図2(a)は、図1の照明器具の発光面側から見た分解斜視図、図2(b)は、図2(a)の照明器具を反対側から見た分解斜視図、図3は、図1の照明器具のA−A断面を示すA−A断面図である。
【0010】
照明器具1000は、外郭を形成し天井などに取り付けられて設置される箱状の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる反射板200と、器具本体100に取り付けられ直管形蛍光ランプ(図示しない)が装着されるランプソケット300と、器具本体100に取り付けられる電源端子台400と、器具本体100に取り付けられる点灯装置500と、から構成される。
【0011】
図4は、図1の照明器具の一部を示す断面斜視図、図4(a)は、図1の照明器具のA−A断面を示す断面斜視図、図4(b)は、図4(a)の照明器具のG部を拡大した拡大断面斜視図、図5は、図1の照明器具のB部を反射板の内側から見たときの部分拡大斜視図、図6は、図2の照明器具のC部を拡大した部分拡大図である。
【0012】
器具本体100は、本体部110と、この本体部110から切り起こされ、L字状に折り曲げられて形成される4つの反射板取付爪120(以下、反射板取付部120ともいう。)と、本体部110の長手方向の両端に形成される2つの本体端部130と、底面の短手方向の両端に形成される2つの本体側部140から構成される。
【0013】
なお、本実施の形態では、器具本体100は、塗装済みの金属製の平板(プレコート鋼板ともいう。)を用いる場合について説明する。したがって、切り出しや穴開けによって生じた切断面を除く表面は、塗装により絶縁性を有している。
【0014】
本体部110は、反射板取付爪120が切り起こされるときに形成される角穴111と、アース接地穴112と、電源端子台400、点灯装置500が取り付けられるネジ穴などが形成される。
【0015】
角穴111は、反射板取付爪120が切り起こされるときに生じる折り曲げ部111aを有する。
【0016】
アース接地穴112は、丸穴形状にくり抜かれた開口穴である。
【0017】
反射板取付爪120は、本体部110から切り起こされる切り起こし部121と、この切り起こし部121から折り曲げられて形成する受け部122(以下、係止部122ともいう。)と、を有する。
【0018】
この反射板取付爪120は、2個が一対をなすように本体部110の長手方向の両端寄りに設けられ、それぞれ一対の反射板取付爪120の受け部122は、互いに向かいあっている。
【0019】
受け部122は、台形状の板材である。この受け部122の外形形状は、それぞれ切り起こし部121から先端に向かって中央方向に傾斜する2つの側部122aと、この側部122aから曲線(R形状)を描く2つのエッジ部122bと、この2つのエッジ部122bを結ぶ端部122cからなる。
【0020】
本体端部130は、本体部110の両端に取り付けられ、ランプソケット300が取り付けられる取付穴(図示しない。)を有する。
【0021】
本体側部140は、本体部110から折り曲げられて斜めに傾斜する側部反射板141を有する。
【0022】
反射板200は、V字状に折り曲げられて形成される2つの反射面210と、この反射面210の端部が折り曲げられて形成する反射板側面部220と、この反射板側面部220の端部がR形状に折り曲げられて形成する折り曲げ部230から構成される。
【0023】
なお、本実施の形態では、反射板200は、白色に塗装されたプレコート鋼板を用いる場合について説明する。したがって、切り出しや穴開けによって生じた切断面を除く表面は、塗装により絶縁性を有している。また、本実施の形態における反射板200は、反射面210によって、直管形蛍光ランプが発する光を反射するほか、器具本体100の反射板取付爪120に取り付けられたとき、反射面210によって、電源線などの配線、電源端子台400及び点灯装置500などを覆い、照明器具1000が天井などに設置された際に、外部から見えないようにする機能も有している。
【0024】
2つの反射面210は、板金が山部を形成するように折り曲げられて形成する。そのため、短手方向に作業者が摘むと、2つの反射面210を繋ぐ山部を中心に弾性変形する。
【0025】
反射板側面部220は、反射板200が器具本体100に取り付けた際に本体部110に対して垂直になるように、反射面210から折り曲げて形成され、4つの四角形状の反射板被係止穴221と、この反射板被係止穴221から切り起こされて形成する舌部222を有する。
【0026】
図7は、図2の照明器具の反射板のD部を拡大した部分拡大図、図7(a)は、図2(a)の反射板のD部を内側から見た斜視図、図7(b)は、図2(a)の反射板のD部をX軸方向から見た正面図、図7(c)は、図2(c)の反射板のD部をY軸方向から見た上視図である。
【0027】
反射板被係止穴221は、反射板200が器具本体100に取り付けられたとき、本体部110に対してほぼ垂直となる2つの側辺221aと、この2つの側辺221aの上端(反射面210とは対向する側)を繋ぐ上辺221b、2つの側辺221aの下端(反射面210側)を繋ぐ下辺221cからなる。
【0028】
反射板被係止穴221は、反射板200を正面から見た(反射板200のV字状に折り曲げられた山部を正視した)とき、長辺側に2箇所づつ設けられている。それぞれの反射板被係止穴221の具体的な配置は、V字形状に折り曲げられた反射板200の長手方向の中心線に対して線対称に2箇所、また短手方向の中心線に対して線対称に2箇所となっている。
【0029】
2つの舌部222は、反射板被係止穴221を形成する切り出し或いは型抜きする際に同時に加工され、反射板被係止穴221の2つの側辺221aからそれぞれ突出するように設けられ、さらに、反射板200の内側方向、かつ斜め方向に折り曲げられて形成される。
【0030】
この舌部222は、反射板側面部220の外郭面側の表面222aと、この表面222aの周枠である3つの辺(表面222aの端辺222bと、表面222aの両側の側辺222c)からなる。
【0031】
折り曲げ部230は、R形状に折り曲げられて形成されている。これは、作業者が反射板200を触れるときに、反射板側面部220の切断面を直接手で触れないようにしているものである。本実施の形態では、反射板200に折り曲げ部230を有する場合について説明するが、折り曲げ部230の形状は他の形状であってもよいし、折り曲げ部230を形成しなくてもよい。
【0032】
ランプソケット300は、詳細は図示しないが、外郭にソケット本体310と一体的に形成された2つのソケット被取付部320を有する。
【0033】
ソケット本体310は、直管形蛍光ランプの口金部が挿入され、直管形蛍光ランプを保持する。
【0034】
ソケット被取付部320は、ソケット本体310の両側の側面に1箇所ずつ設けられており、その先端が球体の突起となっている。このソケット被取付部320が、本体端部130の取付穴に挿入され、ランプソケット300が本体端部130に固定される。
【0035】
図8は、図2の照明器具の電源端子台を示す斜視図、図8(a)は、電源端子台の正面側から見た斜視図、図8(b)は、電源端子台の背面側から見た斜視図、図9は、図2の照明器具のE部を拡大した部分拡大図である。
【0036】
電源端子台400は、外部から引き込まれる電源線およびアース線が取り付けられる電源線挿入部410およびアース線挿入部420と、外部に突出する接地金具430と、点灯装置500と接続される電線が取り付けられる電線挿入部440と、本体部110の取付穴に係合する3つの取付爪450から構成される。
【0037】
接地金具430は、2つの三角形状の接触片431を有する。接触片431は、電源端子台400の底面に対して略垂直方向の垂直辺431aと、同じく電源端子台400の底面に対して斜め方向のテーパー辺431bを有する。2つの接触片431は、互いの垂直辺431aを向かい合わせて、電源端子台400の底面から突出し、電源端子台400が本体部110に取り付けられるとき、テーパー辺431bが本体部110のアース接続穴112の内壁に接触(アース接地穴112の内壁が塗装されている場合は、テーパー辺431bがこの塗装を剥離する。)し、接地金具430と本体部110は導通し、本体部110をアース接地する。
【0038】
点灯装置500は、詳細は図示しないが、ベースケース510と、このベースケース510に収納され、光源の点灯回路を構成する電気部品が実装されたプリント配線基板520と、ベースケース510に取り付けられ、プリント配線基板520をカバーするケースカバー530から構成される。この点灯装置500は、ベースケース510、プリント配線基板520およびケースカバー530をアース接地させるために、本体部110に取り付けられる際に、点灯装置500を本体部110に固定するネジなどを介して導電させる場合があるが、詳細説明は省略する。
【0039】
次に、反射板取付爪120と、舌部222の大きさ(距離関係)について説明する。
図10は、図2の照明器具のB部およびC部を示す部分拡大図、図10(a)は、図2の照明器具のC部(反射板取付爪)を示す部分拡大図、図10(b)は、図2の照明器具のD部(反射板被係止穴、舌部)を示す部分拡大図、図11は、図2の照明器具の要部を模式的に示す模式図、図11(a)は、図2の照明器具の器具本体と反射板取付爪を示す模式図、図11(b)は、図2の照明器具の反射板と舌部を示す模式図である。
【0040】
まず、反射板取付爪120の受け部122の大きさ、角度をそれぞれ次のように定義する。
折り曲げ部111aと側部122aとの角度を角度α、受け部122の一方の側部122aとエッジ部122bの境界と、他方の側部122aとエッジ部122bの境界との間の距離を長さa、折り曲げ部111aの側面同士の距離を長さb、折り曲げ部111aから側部122aとエッジ部122bの境界の間の距離(折り曲げ部111aに対して垂直方向の距離)を長さcとする。
【0041】
次に、反射板被係止穴221および舌部222の大きさ、角度をそれぞれ次のように定義する。
2つの舌部222が、反射板被係止穴221から折り曲げられる角度を角度β、2つの舌部222の折り曲げ辺222dの間の距離を長さd、2つの舌部222の端部(端辺222b)の間の距離を長さe、対面する表面222a同士の距離が長さaとなる点と反射板側面部220の外郭との間の距離(係止穴外郭に対する垂直方向の距離)を長さfとする。
【0042】
また、対面する反射板取付爪120同士の距離(本体部110の短手方向の切り起こし部121までの距離)を長さg、反射板被係止穴221同士の距離(反射板200の短手方向の幅)を長さhとする。
このとき、それぞれの角度、距離の関係は、
角度β<角度α
長さe<長さa<長さb≦長さd
長さf<長さc
となる。
【0043】
つまり、2つの舌部222は、反射板被係止穴221を反射板取付爪120に嵌め込むときの嵌合方向に対して逆ハの字形状に形成されており、反射板被係止穴221の中心に向かって2つの舌部222同士の間隔が狭くなるよう角度βの傾斜が付けられている。また、舌部222同士の端部の間隔(長さe)よりも、エッジ部122b同士の幅(長さa)が狭いので、反射板取付爪120が、反射板被係止穴221に嵌め込まれた際、反射板取付爪120の縁部に形成されたエッジ部122bが舌部222に確実に接触する形状となっている。
【0044】
次に、器具本体100に反射板200を取り付ける工程について説明する。
図12は、図3の照明器具のF部を拡大した部分拡大断面図、図12(a)は、反射板を器具本体に取り付ける前の状態を示す部分拡大断面図、図12(b)は、反射板を器具本体に取り付ける過程の状態を示す部分拡大断面図、図12(c)は、反射板を器具本体に取り付けた状態を示す部分拡大断面図である。
図13は、図12の照明器具のM−M断面を示すM−M断面図、図13(a)〜図13(c)は、それぞれ図12(a)〜図12(c)の照明器具のM−M断面に対応するM−M断面図である。
【0045】
まず、天井に取り付けられた器具本体100に反射板取付爪120の端部側の水平方向の位置に、反射板200の短手方向の一方側の反射板被係止穴221(舌部222)を合わせ、反射板200を反射板取付爪120に向かってスライド(図12の矢印L方向)させていく(図12(a)、図13(a))。
【0046】
さらに、反射板200をスライドさせると、反射板取付爪120が反射板被係止穴221に嵌め込まれていき、反射板取付爪120のエッジ部122bが舌部222の表面222aに接触(図12(b)、図13(b))する。
【0047】
この状態から、さらに反射板被係止穴221を反射板取付爪120に嵌め込む(図12(c)、図13(c))とき、反射板被係止穴221に形成された舌部222の表面222aが反射板取付爪120の縁部のエッジ部122bに擦りつけられ、表面222aをコーティングしていた塗膜を剥離していく。
【0048】
つまり、反射板取付爪120が反射板被係止穴221に長さeだけ挿入されると、受け部122のR部と側部122aとの境界同士の距離が長さaであるので、反射板被係止穴221の外郭から表面222aまでの距離(長さf)の部分に、側部122aとエッジ部122bとの境界部分が接する。さらに、反射板取付爪120を反射板被係止穴221に挿入すると、エッジ部122bが表面222aに接した状態で、長さc−長さfのストローク分、反射板取付爪120が反射板被係止穴221に挿入されるので、エッジ部122bが表面222aの塗装膜を剥離させることができる。
【0049】
したがって、表面222aの塗膜で覆われていた金属部が一部剥き出しになり、エッジ部122bの金属部と接触し導通するとともに、反射板側面部220が反射板取付爪120の側部122aに押し付けられ、エッジ部122bと舌部222は、物理的、電気的に接触した状態となる。
【0050】
次に、反射板200の短手方向の他方側の反射板被係止穴221を反射板取付爪120に取り付けるが、一方側の反射板被係止穴221を反射板取付爪120を取り付ける際に行う反射板200をスライドさせる工程が、V字形状に形成される反射板200を内側方向に狭めた状態から広げる工程に置き換わるものの、反射板被係止穴221を反射板取付爪120に取り付ける工程は同じため、説明を省略する。
【0051】
反射板200を器具本体100に取り付ける工程を纏めると以下のようになる。
2つの舌部222は反射板200の外郭から内側に向けて逆ハの字形状に角度αを付けて傾いており、反射板200の内側方向が狭く、外郭方向が広くなっている。
そのため、反射板取付爪120が反射板被係止穴221に嵌り込み始めた段階では、反射板取付爪120の縁部のエッジ部122bが舌部222の表面222aに接触していないが、ある程度の位置まで反射板取付爪120が嵌り込んだ段階から、エッジ部122bが表面222aと接触し、エッジ部122が表面222aの接触面を擦り始める。そして、反射板取付爪120のエッジ部122bが舌部222の表面222aの塗装を削って剥離し、反射板取付爪120が反射板被係止穴221に完全に嵌り込むと、エッジ部122bの金属部と表面222aを覆っていた塗膜を剥離された剥き出しの金属部が接触し導通する。これにより、器具本体100と反射板200を接触導通させるとともに、反射板側面部220が両側を反射板取付爪120の側部122aに挟み込まれ、固定されることで反射板200が器具本体100へ取り付けられる。
【0052】
このとき、反射板200が係止されている反射板取付爪120の側部122aを反射板側面部222が反射板200の内側から外側へ広がろうとする弾性力により押し込んでおり、反射板取付爪120との接触性をより高めている。同時に、図13(c)に示すように、反射板取付爪120からN方向に舌部222を押す力を受け、舌部222が元の形状に戻ろうとするN方向と逆向きに働く弾性力と釣り合って反射板取付爪120が固定される。この反射板取付爪120のエッジ部122bに、舌部222の弾性力によって表面222aの剥き出しの金属部が触れ続けることで、反射板200と器具本体100がより確実に接触導通される。また、反射板取付爪120の受け部122が反射板被係止穴221の上辺221bを下から支えることによって、より確実に反射板200を器具本体100に固定している。
【0053】
なお、反射板200の短手方向の幅が、この反射板200の反射板側面部220を両側から挟み込んで固定する2つの反射板取付爪120の切り起こし部121の距離よりも狭いか同じ長さであれば、反射板200自身の弾性力によって切り起こし部121を押す力が作用し、反射板200を反射板取付爪120により確実に固定できる。
【0054】
また、舌部222は、反射板取付爪120のエッジ部122bに対してN方向の逆向きに弾性力が働き、反射板取付爪120の両側に舌部222の端部(角部)が引っ掛かるので反射板200が器具本体100から離れ難くなる。
【0055】
本実施の形態によれば、反射板200を器具本体100に取り付けるとともに、反射板200の反射板被係止穴221に形成された舌部222が器具本体100に設けられた反射板取付爪120に接触して擦られることにより、舌部222の表面222aの塗膜が剥離され、剥き出しになった金属部分が反射板取付爪120の縁部のエッジ122bの金属部と接触し、反射板200を器具本体100を通してアース接地することができる。
【0056】
さらに、反射板被係止穴221の対向する側辺221aに形成された2つの舌部222が、反射板200を係止している反射板取付爪120の縁部のエッジ部122bを弾性力により両側から均等に押さえるので、舌部222と反射板取付爪120の接触導通を保ってガタ付かず、反射板200を確実にアース接地することができる。また、これにより照明器具1000が外部から振動を受けた場合(例えば、気密性の高い居室で扉の開け閉めを行ったときに発生する居室内の気圧変化による天井材の揺れや、振動を伴う工事や地震による建物自体の揺れなどが起因して、照明器具が受ける振動)においても反射板200を器具本体100に確実に固定することができる。
【0057】
なお、本実施の形態において、反射板取付爪120は切り出し、型抜きなどにより器具本体100に一体的に形成されているが、別部品として器具本体100の本体部110に取り付ける構造としてもよい。
【0058】
なお、本実施の形態において、2つの舌部222が反射板取付爪120を両側から挟みこむように形成しているが、このように舌部222を形成することによって、反射板200を反射板取付爪120に取り付けるとき、反射板取付爪120の縁部のエッジ部122bが2つの舌部222の表面222aにほぼ同時に接触して、2つの表面222aの塗膜をほぼ同じ力で削ることができる。
【0059】
また、反射板200を反射板取付爪120に取り付けた後、舌部222が反射板取付爪120のエッジ部122bを両側から挟み込んで同じ力で均等に押さえるので、表面222aとエッジ部122bの接触面の密着性を高めることができ、外部からの振動に強くなり、より確実に接触導通することができる。
【0060】
また、通常、反射板被係止穴221を、例えばプレス加工する際に、切り落とされてしまう部分があるが、折り曲げ辺222dから舌部222の外郭形状を残すようにプレス加工などを行うことにより、舌部222を形成する加工工程を少なくすることができるとともに、廃材を削減できる。
【0061】
なお、本実施の形態の反射板取付爪120の縁部のエッジ部122bは塗装が剥離されているが、塗装が剥離されていなくてもよい。その場合、反射板被係止穴221が反射板取付爪120に嵌め込まれた際の接触により、エッジ部122bと舌部222の表面222aの塗装を互いに剥離し、接触部の下の金属部を剥き出しにする。このとき、反射板取付爪120のエッジ部122bの先端を尖らせると、互いが接触する接触部分の塗装を剥離し易くなる。
【0062】
また、本実施の形態では、4つの反射板被係止穴221にそれぞれ2つの舌部222を設ける場合について説明したが、反射板被係止穴221と舌部222との電気的な接触が一か所できていれば、反射板200をアース接地することができるので、図14(図11に相当する器具本体と反射板の模式図)に示すように、少なくとも1つの反射板被係止穴221に2つの舌部222を設ければよい。
【0063】
また、本実施の形態では、反射板被係止穴221から傾斜させて舌部222を形成する場合を説明したが、図15(図7(c)に相当する部分拡大図)に示すように、舌部222’を反射板被係止穴221の中央側に膨らむように丸みを帯びる(曲面を形成する)形状としてもよい。この場合、エッジ部122bの曲面と、舌部222’の表面222a’の曲面の凸面同士が接触するので、塗膜に対するエッジ部122bの接触角度が接線方向に近づくため、エッジ部122bは、表面222a’の塗膜を剥離し易くなる。
【0064】
また、本実施の形態では、反射板取付爪120(エッジ部122b)が舌部222(表面222a)の塗装膜を剥離して、反射板取付爪120と舌部222が電気的に接続される場合について説明したが、反射板取付爪120(エッジ部122b)が舌部222の端辺222bの角部に接触させるようにしても、エッジ部122bが端辺222bの角部の塗装膜を剥離させることができるので、反射板取付爪120と舌部222を電気的に接続させることができる。
【0065】
また、本実施の形態では、器具本体100および反射板200にプレコート鋼板を用いる場合について説明したが、プレス加工を行った後に塗装する後塗装(アフターコート)処理を行ってもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、直管形蛍光ランプを光源とした場合について説明しているが、光源は直管形LEDランプや有機EL等でもよい。
【0067】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1の舌部の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態1と同様な構成については同符号を付し説明を省略する。
【0068】
図16は、本実施の形態の反射板被係止穴と舌部を示す斜視図、図17は、図16の舌部を示す図であり、図17(a)は、図16の舌部の正面図、図17(b)は、図16の舌部の上方から見たときの上視図、図18は、図16に示す反射板被係止穴に反射板取付爪が挿入された状態を示す斜視図である。
【0069】
照明器具1000aは、外郭を形成し天井などに取り付けられて設置される箱状の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる反射板200aと、器具本体100に取り付けられ直管形蛍光ランプ(図示しない)が装着されるランプソケット300と、器具本体100に取り付けられる電源端子台400と、器具本体100に取り付けられる点灯装置500と、から構成される。
【0070】
反射板200aは、V字状に折り曲げられて形成される2つの反射面210と、この反射面210の端部が折り曲げられて形成する反射板側面部220aと、この反射板側面部220aの端部がR形状に折り曲げられて形成する折り曲げ部230から構成される。
【0071】
反射板側面部220aは、4つの四角形状の反射板被係止穴221と、この反射板被係止穴221から切り起こされて形成する舌部223を有する。
【0072】
2つの舌部223は、反射板被係止穴221を形成する切り出し或いは型抜きする際に同時に加工され、反射板被係止穴221の2つの側辺221aからそれぞれ突出するように設けられ、さらに、反射板200aの内側方向、かつ斜め方向に折り曲げられて形成される。
【0073】
この舌部223は、反射板側面部220aの外郭面側の表面222aと、この表面222aの周枠である3つの辺(表面222aの端辺222eと、表面222aの両側の側辺222c)からなる。
【0074】
端辺222eは、ほぼ中央からV字状に切り込まれた切欠部222fを有する。本実施の形態では、切欠部222fの形状がV字状である場合について説明するが、凹状やU字状であっても構わない。
【0075】
なお、器具本体100に反射板200aを取り付ける工程は、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0076】
反射板200aは、器具本体100に取り付けられたとき、舌部223の切欠部222fが、反射板取付爪120のエッジ部122bに接触する。
【0077】
したがって、切欠部222fがエッジ部122bに物理的、電気的に接触することによって、実施の形態1と同様に、反射板200を器具本体100に導通させて、アース接地することができる。
【0078】
実施の形態3.
本実施の形態は、実施の形態1の反射板被係止穴に設ける舌部を減らす場合の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同符号を付し説明を省略する。
【0079】
図19は、実施の形態3の器具本体と反射板を示す模式図であり、図19(a)は、器具本体の模式図、図19(b)は、反射板の模式図である。
【0080】
照明器具1000bは、外郭を形成し天井などに取り付けられて設置される箱状の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる反射板200bと、器具本体100に取り付けられ直管形蛍光ランプ(図示しない)が装着されるランプソケット300と、器具本体100に取り付けられる電源端子台400と、器具本体100に取り付けられる点灯装置500と、から構成される。
【0081】
反射板200bは、V字状に折り曲げられて形成される2つの反射面210と、この反射面210の端部が折り曲げられて形成する反射板側面部220bと、この反射板側面部220bの端部がR形状に折り曲げられて形成する折り曲げ部230から構成される。
【0082】
反射板側面部220bは、4つの四角形状の反射板被係止穴221と、この4つの反射板被係止穴221からそれぞれ切り起こされて形成する1つの舌部222を有する。
【0083】
反射板被係止穴221は、反射板200bが器具本体100に取り付けられたとき、本体部110に対してほぼ垂直となる2つの側辺221aと、この2つの側辺221aの上端(反射面210とは対向する側)を繋ぐ上辺221b、2つの側辺221aの下端(反射面210側)を繋ぐ下辺221cからなる。
【0084】
舌部222は、反射板被係止穴221のうち、反射板220bの長手方向端部側の側辺221aから折り曲げられて形成される。
したがって、反射板200bの短手方向の一辺側に設けられる2つの反射板被係止穴221の舌部222の表面222aは、互いに対向するようになっている。
【0085】
次に、反射板被係止穴221同士の距離と、舌部222と、反射板取付爪120の大きさ(距離関係)について説明する。
【0086】
まず、器具本体100の長手方向に配置される一対の反射板取付爪120の間の距離をそれぞれ次のように定義する。
【0087】
2つの反射板取付爪120の器具本体100の長手方向の端部側までの距離を長さi、器具本体100の長手方向の端部側のエッジ部122bと側部122aとの境界同士を結ぶ線の距離を長さjとする。
【0088】
次に、反射板被係止穴221の長手方向の距離と、反射板200bの一方側にある2つの反射板被係止穴221の間の距離を、次のように定義する。
【0089】
反射板被係止穴221の折り曲げ辺222dから他方の側辺221aまでの距離を長さk、舌部222の端部(端辺222b)から他方の側辺221aまでの距離を長さl、反射板被係止穴221同士の折り曲げ辺222dの間の距離を長さm、2つの舌部222の端部の間の距離を長さnとする。
【0090】
このとき、それぞれの角度、距離の関係は、
角度α<角度β・・・(条件1)
長さn<長さj<長さi≦長さm・・・(条件2)
となる。
【0091】
この条件1と条件2を満たすとき、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0092】
また、本実施の形態では、反射板200bの短手方向の両側に舌部222を有する場合について説明したが、反射板200bの短手方向の一方側に一対の舌部222を有するようにしても同様の作用効果が得られる。
【0093】
なお、器具本体100に反射板200bを取り付ける工程は、実施の形態1と同様のため、説明を省略説明した。
【0094】
また、本実施の形態は、実施の形態2に記載の照明器具から舌部223の個数を減らした場合にも適用できる。
【0095】
実施の形態4.
本実施の形態は、実施の形態3の反射板被係止穴に設ける舌部をさらに減らす場合の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態3と同様の構成については同符号を付し説明を省略する。
【0096】
図20は、本実施の形態の器具本体と反射板を示す模式図であり、図20(a)は、器具本体の模式図、図20(b)は、反射板の模式図である。
【0097】
照明器具1000cは、外郭を形成し天井などに取り付けられて設置される箱状の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる反射板200cと、器具本体100に取り付けられ直管形蛍光ランプ(図示しない)が装着されるランプソケット300と、器具本体100に取り付けられる電源端子台400と、器具本体100に取り付けられる点灯装置500と、から構成される。
【0098】
反射板200cは、V字状に折り曲げられて形成される2つの反射面210と、この反射面210の端部が折り曲げられて形成する反射板側面部220c、220dと、この反射板側面部220c、220dの端部がR形状に折り曲げられて形成する折り曲げ部230から構成される。
【0099】
反射板側面部220cは、2つの四角形状の反射板被係止穴221と、2つの反射板被係止穴221のいずれか一方、かつ、反射板220cの長手方向端部側から切り起こされて形成する1つの舌部222を有する。
【0100】
反射板側面部220dは、2つの四角形状の反射板被係止穴221を有する。
【0101】
次に、反射板側面部220cの反射板被係止穴221同士の距離と、舌部222と、反射板取付爪120の大きさ(距離関係)について説明する。
【0102】
反射板200cの一方側(反射板側面部220c)にある2つの反射板被係止穴221の間の距離を、次のように定義する。
【0103】
反射板200cの長手方向の一方側の反射板被係止穴221の折り曲げ辺222dから、他方側の反射板被係止穴221の反射板200cの端部側の側辺221aまでの距離を長さp、舌部222の端辺222bから他方側の反射板被係止穴221の反射板200cの端部側の側辺221aまでの距離を長さq(反射板200cの長手方向と平行な仮想線の長さ)とする。
【0104】
このとき、それぞれの角度、距離の関係は、
角度α<角度β・・・(条件1)
長さq<長さj<長さi≦長さp・・・(条件3)
長さl<長さb≦長さk・・・(条件4)
となる。
【0105】
この条件1および条件3を満たすか、条件1および条件4を満たすとき、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0106】
なお、器具本体100に反射板200cを取り付ける工程は、実施の形態1と同様のため、説明を省略説明した。
【0107】
また、本実施の形態は、実施の形態2に記載の照明器具から舌部223の個数を減らした場合にも適用できる。
【0108】
実施の形態5.
本実施の形態は、実施の形態1の反射板被係止穴に設ける舌部を減らす場合の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同符号を付し説明を省略する。
【0109】
図21は、本実施の形態の器具本体と反射板を示す模式図であり、図21(a)は、器具本体の模式図、図21(b)は、反射板の模式図である。
【0110】
照明器具1000dは、外郭を形成し天井などに取り付けられて設置される箱状の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる反射板200dと、器具本体100に取り付けられ直管形蛍光ランプ(図示しない)が装着されるランプソケット300と、器具本体100に取り付けられる電源端子台400と、器具本体100に取り付けられる点灯装置500と、から構成される。
【0111】
反射板200dは、V字状に折り曲げられて形成される2つの反射面210と、この反射面210の端部が折り曲げられて形成する反射板側面部220eと、この反射板側面部220eの端部がR形状に折り曲げられて形成する折り曲げ部230から構成される。
【0112】
反射板側面部220eは、2つの四角形状の反射板被係止穴221と、この2つの反射板被係止穴221からそれぞれ切り起こされて形成する1つの舌部222を有する。
【0113】
舌部222は、反射板被係止穴221のうち、反射板200dの長手方向の中央側の側辺221aから折り曲げられて形成される。
したがって、反射板200dの短手方向の一辺側に設けられる2つの反射板被係止穴221の舌部222の表面222aは、互いに相反する方向に面しているため、裏面側が対向するようになっている。
【0114】
次に、反射板被係止穴221同士の距離と、舌部222と、反射板取付爪120の大きさ(距離関係)について説明する。
【0115】
まず、反射板取付爪120の受け部122の大きさ、角度、器具本体100の長手方向に配置される一対の反射板取付爪120の間の距離をそれぞれ次のように定義する。
【0116】
2つの反射板取付爪120の器具本体100の長手方向の中央側の側部122a同士の距離を長さs、器具本体100の長手方向の中央側のエッジ部122bと側部122aの境界同士を結ぶ線の距離を長さrとする。
【0117】
次に、反射板被係止穴221の長手方向の距離と、反射板220dの一方側の反射板側面部220eにある2つの反射板被係止穴221の間の距離を、次のように定義する。
【0118】
反射板被係止穴221の側辺221a(折り曲げ辺222d)から、他方の反射板被係止穴221の側辺221a(折り曲げ辺222d)までの距離を長さt、それぞれの反射板被係止穴221に設けられる舌部222の端辺222b同士を結ぶ距離を長さuとする。
【0119】
このとき、それぞれの角度、距離の関係は、
角度α<角度β・・・(条件1)
長さt≦長さs<長さu<長さr・・・(条件5)
となる。
【0120】
この条件1と条件5を満たすとき、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の作用効果をえることができる。
【0121】
また、本実施の形態では、反射板200dの短手方向の両側に舌部222を有する場合について説明したが、反射板200dの短手方向の一方側に一対の舌部222を有するようにしても同様の作用効果が得られる。
【0122】
なお、器具本体100に反射板200dを取り付ける工程は、実施の形態1と同様のため、説明を省略説明した。
【0123】
また、本実施の形態は、実施の形態2に記載の照明器具から舌部223の個数を減らした場合にも適用できる。
【0124】
実施の形態6.
本実施の形態は、実施の形態5の反射板被係止穴に設ける舌部をさらに減らす場合の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態5と同様の構成については同符号を付し説明を省略する。
【0125】
図22は、本実施の形態の器具本体と反射板を示す模式図であり、図22(a)は、器具本体の模式図、図22(b)は、反射板の模式図である。
【0126】
照明器具1000eは、外郭を形成し天井などに取り付けられて設置される箱状の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる反射板200eと、器具本体100に取り付けられ直管形蛍光ランプ(図示しない)が装着されるランプソケット300と、器具本体100に取り付けられる電源端子台400と、器具本体100に取り付けられる点灯装置500と、から構成される。
【0127】
反射板200eは、V字状に折り曲げられて形成される2つの反射面210と、この反射面210の端部が折り曲げられて形成する反射板側面部220d、220fと、この反射板側面部220d、220fの端部がR形状に折り曲げられて形成する折り曲げ部230から構成される。
【0128】
反射板側面部220fは、2つの四角形状の反射板被係止穴221と、2つの反射板被係止穴221のいずれか一方、かつ、反射板200eの長手方向中央側から切り起こされて形成する1つの舌部222を有する。
【0129】
次に、反射板被係止穴221同士の距離と、舌部222と、反射板取付爪120の大きさ(距離関係)について説明する。
【0130】
まず、器具本体100の長手方向に配置される一対の反射板取付爪120の間の距離をように定義する。
【0131】
受け部122の一方(器具本体100の長手方向の端部側)の側部122aとエッジ部122bとの境界と、受け部122の一方(器具本体100の長手方向の端部側)との距離を長さv、受け部122の一方(器具本体100の長手方向の端部側)の側部122aとエッジ部122bの境界と、受け部122の他方(器具本体100の長手方向の端部側)との距離を長さaaとする。
【0132】
次に、反射板被係止穴221の長手方向の距離と、反射板200eの反射板側面部200fにある2つの反射板被係止穴221の間の距離を、次のように定義する。
【0133】
一方の反射板被係止穴221の折り曲げ辺222dから他方の反射板被係止穴221(舌部222がない反射板被係止穴221)の側辺221a(反射板200eの長手方向の中央側)までの距離を長さw、舌部222の端辺222bから、他方の反射板被係止穴221の側辺221a(反射板200eの長手方向の中央側)までの距離を長さxとする。
【0134】
次に、反射板被係止穴221の大きさを次のように定義する。
舌部222の折り曲げ辺222dと、他方の側辺221aの間の距離を長さy、舌部222の端辺222bから他方の側辺221aの間の距離を長さzとする。
【0135】
このとき、それぞれの角度、距離の関係は、
角度α<角度β・・・(条件1)
長さs≦長さw<長さx<長さv・・・(条件6)
長さz<長さaa<長さb≦長さy・・・(条件7)
となる。
【0136】
この条件1および条件6を満たすときか、条件1および条件7を満たすとき、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0137】
なお、器具本体100に反射板200を取り付ける工程は、実施の形態1と同様のため、説明を省略説明した。
【0138】
また、本実施の形態は、実施の形態2に記載の照明器具から舌部223の個数を減らした場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0139】
1000、1000a、1000b、1000c、1000d、1000e 照明器具、100 器具本体、110 本体部、111 角穴、111a 折り曲げ部、112 アース接地穴、120 反射板取付爪、121 切り起こし部、122 受け部、122a 側部、122b エッジ部、122c 端部、130 本体端部、140 本体側部、141 側部反射板、200、200a、200b、200c、200d、200e 反射板、210 反射面、220、220a、220b、220c、220d、220e、220f 反射板側面部、221 反射板被係止穴、221a 側辺、221b 上辺、221c 下辺、222、222’、223 舌部、222a、222a’ 表面、222b、222e 端辺、222c 側辺、222d 折り曲げ辺、222f 切欠部、230 折り曲げ部、300 ランプソケット、310 ソケット本体、320 ソケット被取付部、400 電源端子台、410 電源線挿入部、420 アース線挿入部、430 接地金具、431 接触片、431a 垂直辺、431b テーパー辺、440 電線挿入部、450 取付爪、500 点灯装置、510 ベースケース、520 プリント配線基板、530 ケースカバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アース接地される本体部を有する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられるとき、前記本体部に対して略垂直となる一辺を有する反射板被係止穴が形成される反射板と、
前記反射板被係止穴の前記一辺に前記反射板の外郭から内側に向かって傾斜を付けて形成される舌部と、
前記器具本体に設けられ、前記反射板被係止穴に嵌合して前記反射板を係止する係止部を有し、前記反射板が前記器具本体に取り付けられるとき、前記舌部が前記係止部に接触して、前記本体部と前記反射板とを電気的に接続する反射板取付部と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
アース接地される本体部を有する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられるとき、前記本体部に対して略垂直となる二辺を有する反射板被係止穴が形成される反射板と、
前記反射板被係止穴の前記二辺からそれぞれ前記反射板の外郭から内側に向かって傾斜を付けて形成される2つの舌部と、
前記器具本体に設けられ、前記反射板被係止穴に嵌合して前記反射板を係止する係止部を有し、前記反射板が前記器具本体に取り付けられるとき、それぞれの前記舌部が前記係止部を挟み込むように接触して、前記本体部と前記反射板とを電気的に接続する反射板取付部と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項3】
前記舌部又は前記反射板取付部の少なくともいずれか一方が塗装されており、前記反射板が前記器具本体に取り付けられるとき、前記舌部が前記係止部に接触することにより、この接触部分における前記塗装を剥離することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記係止部が台形状に形成され、前記台形状の長辺と斜辺の成す角度が、前記舌部が傾斜する傾斜角よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の照明器具。
【請求項5】
前記反射板取付部がL字形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の照明器具。
【請求項6】
前記舌部は、前記反射板被係止穴の中心方向の端部に切欠部を形成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の照明器具。
【請求項7】
前記反射板が前記器具本体に取り付けられるとき、前記係止部が前記切欠部に接触し、前記反射板被係止穴に固定されることを特徴とする請求項6に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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