説明

照明器具

【課題】簡単な構造であってコスト面で有利にできる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、ソケット溝31を有する一対のソケット12,13と、一対のソケット12,13のソケット溝31に取り付けられる直管ランプ14とを備え、直管ランプ14が、筒部18の長手方向両端部にそれぞれ設けられた一対の口金19,20と、各口金19,20のうちの少なくとも一方における端面に設けられた複数のピン21と、を有するとともに、各ピン21の配列方向と各LEDユニット25の光軸方向とが直交し、ソケット溝31が、ソケット取付面に対して平行な線に沿って配置された状態でピン21が挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを有する直管型LEDランプを光源として天井面等に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の発光素子からなる光源を保護管体内に固定する一対の封止体を有し、封止体の両端面側に設けられたピンを有する口金を備えた直管型LEDランプを装備する照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、封止体と口金との間に、口金に対する封止体の取り付け位置を調節する照明方向の調節部材が設けられており、調節部材が封止体に対して回動自在に構成される。
特許文献1は、調節部材を介して口金に対する封止体の取り付け位置を調整することにより、封止体の回転に伴って光源の方向が変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−212162号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、ソケットがどのような向きに取り付けられていても、目的の方向を正しく照らすことができる。
しかし、特許文献1は、光源の方向を変更させるに際し、口金を所定の方向に回動させた後に、直管型LEDランプのランプ本体を所望の方向に向ける動作を行う。
従って、特許文献1は、複雑な構造になってコスト面で不利になる。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構造であってコスト面で有利にできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体の両端に取り付けられ、ソケット溝を有する一対のソケットと、前記一対のソケットの前記ソケット溝に取り付けられる直管ランプとを備え、前記直管ランプが、透光性を有する筒部に収容され、かつ、前記筒部の長手方向に沿って配列された複数のLEDユニットと、筒部の長手方向両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記各口金のうちの少なくとも一方における端面に設けられた複数のピンと、を有するとともに、各ピンの配列方向と前記各LEDユニットの光軸方向とが直交し、前記ソケット溝が、ソケット取付面に対して平行な線に沿って配置された状態で前記ピンが挿入される。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記直管ランプが前記LEDユニットの光軸方向を下方に向けて配置されており、前記器具本体が、前記直管ランプの前記LEDユニットの光軸方向とは反対側に反射板を備える。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記直管ランプが前記LEDユニットの光軸方向を上方に向けて配置されており、前記器具本体が、前記直管ランプの前記LEDユニットの光軸方向と同方向側に反射板を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具によれば、簡単な構造であってコスト面で有利にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の分解斜視図
【図2】本発明に係る一実施形態の照明器具のソケットと直管型LEDランプの給電側ピンとの組み付けを説明する外観斜視図
【図3】本発明に係る一実施形態の照明器具の取付面への取付後の一部破断側面図
【図4】本発明に係る一実施形態の照明器具の変形例の取付面への取付後の一部破断側面図
【図5】本発明に係る一実施形態の照明器具の他の変形例の取付面への取付後の一部破断側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10は、器具本体11と、器具本体11の一端部に取り付けられた給電側ソケット12と、器具本体11の他端部に取り付けられた接地側ソケット13とを備える。
また、照明器具10は、給電側ソケット12と接地側ソケット13とに電気的に接続されて機械的に取り付けられる直管型LEDランプ14を備える。
そして、照明器具10は、直管型LEDランプ14の側方に配置されて器具本体11に取り付けられる主反射板15を備える。
照明器具10は、壁面等の取付面(図3参照)90に設置されるベースライトである。
【0012】
器具本体11は、金属製板部材を折曲することにより側方を開口させて成形されている。
器具本体11は、内側の側部に、電源端子台16と、電源ブロック17とを取り付けている。
電源端子台16には、不図示の外部配線が接続されるとともに、同じく不図示の器具配線が電源ブロック17に接続される。電源ブロック17は、同じく不図示の器具配線を通じて給電側ソケット12および接地側ソケット13に接続される。
【0013】
直管型LEDランプ14は、断面が略円形状であって透光性を有する筒部であるガラス管18の長手方向の一端部に第1口金19を有し、ガラス管18の長手方向の他端部に第2口金20を有する。
そして、直管型LEDランプ14は、第1口金19の端面に複数の給電側ピン21を有し、第2口金20の端面に単一の接地側ピン22を有する。
なお、給電側ピン21および接地側ピン22の数は、図示した2本の給電側ピン21および1本の接地側ピン22に限定されず、内部回路に応じて適宜設定される。
【0014】
直管型LEDランプ14は、ガラス管18内に、複数のLED23がガラス管18の軸方向に封止されたLED基板24を有する複数のLEDユニット25を内蔵している。
複数のLEDユニット25は、コ字形状に形成されてLED基板24に固定されたヒートシンク26を含む。
ここで、LEDユニット25のLED23は、その光軸方向Xが、給電側ピン21の配列方向Yに直交して配置されている。
【0015】
直管型LEDランプ14は、給電側ソケット12から給電された直流電流が給電側ピン21から接地側ピン22を通じて接地側ソケット13に流れることにより、LED基板24に有する不図示のプリント回路に直流電流が供給されてLED23が発光される。
【0016】
主反射板15は、器具本体11と同様に、金属製板部材により形成されており、下面が反射機能を有する白色や乳白色に塗装されている。
主反射板15は、両端部に、給電側ソケット12および接地側ソケット13を挿入させるための給電側ソケット逃部27および接地側ソケット逃部28を有する。
【0017】
次に、給電側ソケット12および接地側ソケット13について詳細に説明する。
なお、給電側ソケット12および接地側ソケット13は、同一構造を有するために、ここでは、接地側ソケット13の説明は省略する。
図2に示すように、給電側ソケット12は、器具本体11に取り付けられるソケット本体29と、このソケット本体29とは独立していてソケット本体29に回動可能に取り付けられるピン保持部30とを備えている。
ソケット本体29は、例えば非導電部材である樹脂製であって、内部に直管型LEDランプ14の給電側ピン21に電気的に接触する不図示の複数のピン受端子を収容している。ピン受端子は、電源ブロック17に電気的に接続される。
【0018】
ピン保持部30は、ソケット本体29と同様の樹脂製であって、直管型LEDランプ14の給電側ピン21を挿入させるためのソケット溝31を径方向に有する。
給電側ソケット12は、ピン保持部30のソケット溝31が、ソケット取付面である主反射板15の面に対して平行な線に沿って配置された状態で給電側ピン21が挿入される。
そして、給電側ソケット12は、ピン保持部30のソケット溝31がソケット取付面に対して90度で直交する位置まで、ピン保持部30がソケット本体29に対して回動可能である。
【0019】
次に、給電側ソケット12に対する直管型LEDランプ14の取り付け手順について説明する。
図3に示すように、給電側ピン21が垂直方向(図2参照)を向けられた直管型LEDランプ14が給電側ソケット12に下方から進行されていく。
このとき、給電側ソケット12は、ピン保持部30のソケット溝31が、ソケット取付面に対して平行な線に沿って配置された状態(図2参照)にある。
そして、直管型LEDランプ14の給電側ピン21が給電側ソケット12のピン保持部30のソケット溝31に挿入される。
このとき、直管型LEDランプ14の給電側ピン21は、給電側ソケット12のピン保持部30のソケット溝31に挿入されただけであってピン受端子に接触してない。
【0020】
次に、直管型LEDランプ14が、図3中の時計回転方向に押圧回動される。直管型LEDランプ14が図3中の時計回転方向に押圧回動されることにより、ピン保持部30のソケット溝31が給電側ピン21に押圧回動される。
そして、ピン保持部30のソケット溝31が図3中の時計回転方向に90度回動されることにより、給電側ピン21がピン受端子に接触して、ピン保持部30の回動が完了される。
【0021】
これにより、給電側ピン21の配列方向Yに直交して配置されているLEDユニット25のLED23は、その光軸方向Xが下方に向くことになる。
従って、直管型LEDランプ14は、給電側ソケット12に下方から挿入されて90度回動される簡単な動作だけで、床面に向けた配光範囲A10の配光特性を設定できる。
【0022】
次に、照明器具10の変形例について説明する。
図4に示すように、本変形例は、器具本体11の上方に副反射板41を取り付けている。副反射板41は、直管型LEDランプ14の上方を覆うように上方に凸の湾曲形状であって、器具本体11の長さ寸法に同等の長さ寸法を有する。
本変形例は、給電側ピン21が垂直方向を向けられた直管型LEDランプ14が給電側ソケット12に下方から進行されていき、直管型LEDランプ14が、図4中の時計回転方向に押圧回動される。
【0023】
ピン保持部30のソケット溝31が図4中の時計回転方向に90度回動されることにより、給電側ピン21の配列方向Yに直交して配置されているLEDユニット25のLED23は、その光軸方向Xが下方に向くことになる。
このとき、LEDユニット25のLED23から上方へ向けて出射された光成分は、LEDユニット23の光軸方向(下方)とは反対側に設けられた副反射板41により下方へ向けて反射することになる。
従って、本変形例は、副反射板41により集光された配光範囲A11の配光特性を設定できる。
【0024】
次に、照明器具10の他の変形例について説明する。
図5に示すように、本変形例は、器具本体11の上方に副反射板51を取り付けている。副反射板51は、直管型LEDランプ14の上方を覆うように上方に凸の湾曲形状であって、器具本体11の長さ寸法に同等の長さ寸法を有する。
本変形例は、給電側ピン21が垂直方向を向けられた直管型LEDランプ14が給電側ソケット12に上方から進行されていき、直管型LEDランプ14が、図5中の時計回転方向に押圧回動される。
【0025】
ピン保持部30のソケット溝31が図5中の時計回転方向に90度回動されることにより、給電側ピン21の配列方向Yに直交して配置されているLEDユニット25のLED23は、その光軸方向Xが上方に向くことになる。
このとき、LEDユニット25のLED23から上方へ向けて出射された光成分は、LEDユニット25の光軸方向(上方)と同方向側に設けられた副反射板51により下方へ向けて反射することになる。
従って、本変形例は、副反射板51により斜め方向に反射された配光範囲A12の配光特性を設定できる。
【0026】
以上、説明した本発明に係る一実施形態の照明器具10によれば、ピン保持部30のソケット溝31がソケット取付面に対して平行な線に沿って配置された状態にあるときに、直管型LEDランプ14の給電側ピン21がソケット溝31に挿入される。
そして、照明器具10によれば、直管型LEDランプ14が90度回動される簡単な動作だけで給電側ソケット12に装着されて床面に向けた配光範囲A10の配光特性を設定できるので、簡単な構造であってコスト面で有利にできる。
【0027】
また、照明器具10によれば、LEDユニット25のLED23から上方へ向けて出射された光成分が副反射板41により下方へ向けて反射される。
従って、照明器具10によれば、副反射板41により集光された配光範囲A11の配光特性を設定できる。
【0028】
そして、照明器具10によれば、LEDユニット25のLED23が光軸方向Xを上方に向けて配置され、LEDユニット25のLED23から上方へ向けて出射された光成分が副反射板51により下方へ向けて反射される。
従って、照明器具10によれば、副反射板51により斜め方向に反射された配光範囲A12の配光特性を設定できる。
【0029】
なお、本発明の照明器具において器具本体、主反射板、電源端子台、電源ブロック等は、前述した一実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 照明器具
11 器具本体
12 給電側ソケット
13 接地側ソケット
14 直管型LEDランプ
18 ガラス管(筒部)
19 第1口金(口金)
20 第2口金(口金)
21 給電側ピン(ピン)
25 LEDユニット
31 ソケット溝
41,51 副反射板(反射板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体の両端に取り付けられ、ソケット溝を有する一対のソケットと、
前記一対のソケットの前記ソケット溝に取り付けられる直管ランプとを備え、
前記直管ランプが、
透光性を有する筒部に収容され、かつ、前記筒部の長手方向に沿って配列された複数のLEDユニットと、
筒部の長手方向両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、
前記各口金のうちの少なくとも一方における端面に設けられた複数のピンと、を有するとともに、各ピンの配列方向と前記各LEDユニットの光軸方向とが直交し、
前記ソケット溝が、ソケット取付面に対して平行な線に沿って配置された状態で前記ピンが挿入される照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記直管ランプが前記LEDユニットの光軸方向を下方に向けて配置されており、前記器具本体が、前記直管ランプの前記LEDユニットの光軸方向とは反対側に反射板を備える照明器具。
【請求項3】
請求項1に記載の照明器具において、
前記直管ランプが前記LEDユニットの光軸方向を上方に向けて配置されており、前記器具本体が、前記直管ランプの前記LEDユニットの光軸方向と同方向側に反射板を備える照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−69434(P2013−69434A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205436(P2011−205436)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】