説明

照明情報ユニット

【課題】技術的な装置や機器のための、特に視野角のいかんにかかわらず昼夜読み取り可能な乗り物の付属品のための情報ユニットを製造することである。
【解決手段】情報ユニットの視覚可能な表示要素6は、透明な及び/又は着色された透明な拡散板が、透明な及び/又は着色された透明なプラスチック複合物4に挿入された、少なくとも1つの光拡散プラスチック要素18を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、技術的な装置や機器のための照明情報ユニットに関し、特に乗り物に適した照明情報ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような情報ユニットは、例えば自動車分野等、様々な具体例において知られている。ここで、それは、光信号プロバイダやそれと同様の方法により、乗り物や車載物の操作条件に関して増大しているデータ量を運転者に示す問題である。
【0003】
例えば、リアウィンドウのヒータがスイッチオン状態であることについてのデータや、アンチブロッキングシステム、座席ヒータ、又はESPがアクティブであるか否かについての情報や、運転ライト及び/又は下向きビーム、フォグライト、又はリアフォグランプ等の様々な外部照明ユニットのスイッチ状態についての情報は、ディスプレイの形態で表現される。
【0004】
安全の観点から、乗り物の製造業者は、このように表現された情報が日中も夜間も良好に認識可能であることを要求する。特に、安全性と快適性とを確保するために、大きなコントラストシャープネスをともなう視野角のいかんにかかわらず、最大範囲への表示が容易に読み取られる必要がある。
【0005】
例えば、ダイオードは、既知のディスプレイの光源として用いられる。このダイオードからの光は、照明される表面を増加させると同時に放射角度を増加させるために光ビームを拡大する散乱レンズに入射される。続いて、拡大した光ビームは、ハウジングの内面に入射される。その結果、ハウジングには、外側に不透明な塗料が提供される。レーザによって製造された陥凹部は、リアウィンドウのヒータ、ABSブレーキシステム、又は文字等のように例えばシンボル型を有する塗料に含まれている。続いて、拡大された光ビームがこれらの陥凹部を通過するため、所望のシンボルや所望の文字が明るくみえる。しかしながら、この種の表示にみられる欠点は、一方では光学的な空間制限のために、散乱レンズによるビームの拡大が不十分にのみ可能であるという事実である。ビームの偏向角度の欠点は、これに起因して生じ、したがって、外へ向かう放射角度が不十分な程度まで増加するのみである。このため、表示が、光源の外へ向かう放射方向に対して本質的に平行な視野角範囲において、何ら問題もなく単に観察者によって認識される、という問題が生じる。表示は、この視野角範囲外では読み取られないであろう。これは、特に、例えばESPのスイッチオン状態等のように安全に関連したデータの表示について、安全性の妥協に通じることになる。
【0006】
視野角が小さすぎるという問題を軽減するために、ディスプレイのハウジングと散乱レンズとの間に配設される散乱プレートを追加することによって上述した構成を補うことが提案されている。散乱レンズによって拡大された光ビームは、散乱プレートにおける多重散乱により、この散乱プレートの寄与をともなって直接光放射から拡散光放射への最大範囲に変換される。このようにして、所望の視野角に拡大することが実現されるが、しかしながら、その構成には、一連の欠点がある。一方、ディスプレイの設計について、ビーム拡大のための複雑な構成に起因して、その設計自由度が制限されるため、開発コストが非常に大きくなることは欠点である。他方では、最小の構成サイズは、必要なコンポーネント数によって決まり、低減しないかもしれない。数個のコンポーネントが必要であるため、製造や開発の際に、製造コストのさらなる増加を導く慣用さを厳守しなければならない。流れに沿って配設された散乱レンズと散乱プレートとの組み合わせを利用することのさらなる欠点は、日光をともなう非照明状態において、陥凹したシンボルや文字が塗料面に対して所望のコントラストを有していないという事実にあり、何ら照明が作用していないものの、塗料色に依存して、それらは、適切・明確に知覚できないか、まるでそれらがスイッチオン状態になっているかのようにみえてしまうか、スイッチオフ状態とされるようにみえてしまうかとなる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、技術的な装置や機器についての照明情報ユニットを明示することであり、特に、乗り物に適し、視野角にかかわらず昼夜読み取り可能であり、特に安価に製造される照明情報ユニットを明示することである。
【0008】
本発明によれば、情報ユニットの視覚可能な表示要素が、透明散乱体が透明プラスチック塊体に埋め込まれた少なくとも1つの光散乱プラスチック要素からなるので、この目的は達成される。
【0009】
これを介して、表示要素自体における散乱により、光源から放射された光の拡大を実現する。このように、技術水準があるケースのように、散乱レンズも別々の散乱ディスクも必要としない。むしろ、この機能は、表示要素を構成する材料において既に統合されている。この理由から、表示要素における光散乱により、ユーザに面しているスペースが半分で、いかなる視野角でも読み取ることができる表示要素に有利な結果を得る。情報ユニットの設計は、安価でフレキシブルな方法で有利に行われる。特に、いかなる最小寸法も考慮に入れる必要はない。操作や車両内備品のフィッティングに関する様々なデータを表示するための、陸上、水中、空中での乗り物における本発明による情報ユニットのアプリケーションは、特に有効である。本発明による情報ユニットのアプリケーションはまた、テレビやビデオ装置等の家電機器の表示パネルや、一般の全ての家庭用機器に好適である。
【0010】
特に散乱プラスチック要素を用いた本発明による情報ユニットのさらなる利点は、表面に対する垂線についての視野角が大きい場合でさえも、昼夜ともに認識度が良好であることである。
【0011】
本発明の特に望ましい設計によれば、ポリカーボネートのグループから透明プラスチック塊体が選択される。ポリカーボネートには、射出成形及び/又は押し出し法、及びプラスチックの熱可塑形成のための全ての特別な方法に関して、特定の望ましい材料特性を有する、という利点がある。特に、高温の安定性と同様に低温における衝撃値は有効である。さらに、ポリカーボネートには、射出成形法に関して特に適切な処理温度がある。ポリカーボネートの機械的及び熱的な安定性は、陸上、水中、空中での乗り物のハウジング部分に関する材料として使用するにあたって特に有効である。透明プラスチック塊体としてのポリカーボネートの使用にともない、埋め込まれた透明散乱体の重量成分が0.0001から10%であり、散乱体が約0.1μmから5μm、望ましくは2.5μmのサイズを有するように、散乱特性に関して特に有効であることが示された。さらに、放射角度に関して光の最適な均質化を達成するために、例えば1つのサイズについてガウス分布等、散乱体のサイズが狭い分布関数であるならば望ましい。さらに、例えばガウス分布等の狭い分布関数でバイモーダル又はマルチモーダルを有する散乱体の混合は、特に十分適切になるように示された。さらに、包含物が本質的に球状を有する場合には、特に良好な散乱特性が得られる。散乱体をポリカーボネートに混合すると、特に、既知の処理のふるまい及び体積収縮と同様にポリカーボネートの所望の機械的特性が保有されることが、驚くべきことに確認された。その結果、ポリカーボネートの機械的特性は、散乱体の混合物により、有効であり、否定的な影響を及ぼさない。
【0012】
本発明による情報ユニットのさらなる構成として、例えばレーザ加工を介して製造される陥凹部を含むカバー層とともに光散乱プラスチック要素が提供される。これを介して、カバー層が不透明である限り、陥凹部のターゲットとされた方法でのみ、表示要素を出て散乱体内で散乱した光に有利な結果を得る。他方、日光設計に関して、明るい内部色の使用の結果として、暗いシンボルに対して有効に高いコントラスト比が生じる。特に、塗料の塗布は、カバー層として適切である。代わりに、上述した陥凹部に対応した表面に関する領域に、カバー層とともに光散乱プラスチック要素が提供されるだけであるならば、上述した有利な特性をまた保有してもよい。これを介して、表示要素の外部でなく、陥凹部でのターゲットとされた方法でのみ出射して散乱体内で散乱した光に有利な結果を得る。このように、コントラストに関して変換した情報を表現してもよい。このように、表示要素は、有効な高いコントラスト値に対応して、日光によってカバー層や塗料層の明るい背景に対して暗くみえる。光源によって放射された光エネルギは、ポリカーボネート内の散乱体での散乱を介して、吸収なしで合計として残り、直接光放射に関して拡散光放射に変換されるだけである。
【0013】
本発明の代替の構成として、カバー層は、暗色の効果を有する。このように、先行するセクションにて説明した手順に類似して、表示要素とカバー層又は塗料層との間で、特に低コントラストを有効に達成してもよい。これは、日中及び非照明状態における表示が、本質的には一様に暗くみえて、陥凹したシンボル及び/又は文字が認識不可能であるという事実に通じる。これらは、光源をスイッチオン状態にしたときのみ有効に認識可能である。
【0014】
プラスチック要素が操作要素と一体化されるならば、特にコンパクトな構造上の方法が結果として生じる。例えば、情報ユニットは、ディスプレイとしてボタン内に一体化されてもよく、ボタンのスイッチ状態を光学的に表示してもよい。
【0015】
プラスチック要素自体が既に操作要素として設計されているならば、さらにコンパクトな構造上の方法を得る。このように、有利に、ボタンのスイッチ機能と同様に、光散乱の機能や所望の情報の表示機能は、全て、1つのコンポーネントに統一されるため、例えば追加の散乱ディスクの使用が排除される。これにより、ポリカーボネートは、低温における衝撃の強さ及び耐熱性に関して有利であるため、ボタンがポリカーボネートからなるのであれば特に有利であり、特に自動車分野のアプリケーションにとって有利である。
【0016】
本発明の1つの特別な設計は、組み合わせ機器やこの中のディスプレイとして設計される情報ユニットを予測する。このように、安全性に関して特に関連しているタコメータ情報に関して、これが視野角のいかんにかかわらず読み取られることが確実となる。
【0017】
光散乱プラスチック要素が、情報ユニット内で光ディストリビュータ及び/又は導光体として設計されるという点で、本発明の1つの変形例が特徴付けられる。特に光源としてLEDを使用し、導光体としてプラスチック要素を使用することにより、これらは、それらの数に応じて減少し、情報ユニット単位でコスト削減に有利に通じる。その結果、ディスプレイが全表面にわたって一様に照明されるため、散乱によって放射された光の均質化が、個々のLEDの位置が外部から認識可能でないような方法で達成されるという事実を利用する。単一のLEDによって照明された表面は、光散乱プラスチック要素のために本質的にはディスプレイの完全表面に及び、光は、このようにしてディスプレイ全体に有利に分配される。このように、ディスプレイのいくつかの位置が1つのLEDのみを用いて照明される。この具体例はまた、任意の空間的方向に続く光源の多次元導光体として適している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】固有光散乱特性及びLEDを用いた本発明によるボタンの図である。
【図2】本発明によるディスプレイユニットを機能させる方法の概略図である。
【図3】本発明によるディスプレイユニットの導光特性を示す概略図である。
【図4】従来技術によるディスプレイを示す概略図である。
【図5】複雑化してコスト高な方法によって改良された従来技術によるディスプレイを示す概略図である。
【図6】本発明による多次元導光体の平面図である。
【図7】図6に示す本発明による多次元導光体の側面図である。
【図8】本発明による多次元導光体の具体例を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の望ましい具体例を、より詳細に図面を介して説明する。
【0020】
まず、図4に、従来技術に対応するディスプレイユニットを概略的に示す。ディスプレイユニットは、光ダイオード1と、光ダイオードハウジング2と、散乱レンズ3と、ディスプレイハウジング4とからなる。ディスプレイハウジング4は、不透明な塗料層5によってコーティングされている。不透明な塗料層5は、ディスプレイハウジング4のハウジング外側7が解放される度に陥凹部6を有する。陥凹部6によって解放されたハウジング外側7の領域は、不透明な塗料層5の背景に対して平面図8における視覚可能なシンボルを形成する。さらに図4から推論されるように、光ダイオード1から放射された光放射10は、本質的には集束され、したがって、光ダイオードハウジング2に取り付けられた散乱レンズ3に殆ど入射される。散乱レンズ3によって僅かに拡大された光放射11は、光放射10よりもいくらか大きい偏向角度を有し、ディスプレイハウジング4に入射される。僅かに拡大している光放射は、光軸12の向きでの観察者13の視野上で、塗料層5の陥凹部6によって形成されたシンボル9を通過してディスプレイから出射する。観察者14が(通じて)照明するシンボル9を認識することができないように、拡大された光放射11は、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野上に入射されない。
【0021】
図5に、従来技術の1つの変形例による一体化ディスプレイユニットをともなうボタン15を示す。光ダイオード1は、光放射10を出射するものとして認識される。光放射10は、散乱レンズ3に入射される。散乱レンズ3によって拡大された光放射11は、さらに、ボタン散乱ディスク16を通過する。拡大された光放射11は、ボタン散乱ディスク16内での多重散乱によって拡散光放射17に変換される。拡散光放射17は、不透明な塗料層5が提供されたボタン15に入射される。拡散光放射17は、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野上と同様に、光軸12の向きでの観察者13の視野上でも、平面図8のシンボル9としての塗料層5における陥凹部6を通過する。その結果、拡散光放射17のために、平面図のシンボル9は、光軸12の向きでの観察者13の視野と、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野とで、同じ範囲まで認識される。しかしながら、これには、ボタン散乱ディスク16と散乱レンズ3との相互作用が必要であり、これらのコンポーネントは、互いに一定の距離に配設されなければならない。これに起因して、この構造は複雑でコスト高となる。
【0022】
図1に、本発明によるディスプレイユニットを示す。ここでも、有向の光放射10を放射する光ダイオード1が認識される。光軸12に平行な方向に放射された光放射10は、直接、ディスプレイハウジング4に入射される。ディスプレイハウジング4は、透明散乱体18が埋め込まれたポリカーボネートからなる。ハウジング外側7は、不透明な塗料層5で被覆されており、塗料層5は、明色を有し、平面図8においてシンボル9を形成する陥凹部6が位置している。ディスプレイハウジング4の内部において光放射10は、透明散乱体18の多重散乱によって拡散光放射17に変換される。拡散光放射17は、光軸12の向きでの観察者13の視野上、及び、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野上で、塗料層5に設けられて平面図においてシンボル9を形成する陥凹部6を通過する。
【0023】
その結果、拡散光放射17のために、平面図8のシンボル9は、光軸12の向きでの観察者13の視野と、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野とにより、同じ範囲まで有利に認識される。その結果、驚くべきことに、この有利な効果は、散乱レンズ3、ボタン散乱ディスク16、及びディスプレイハウジング4の機能を充足した単に1つのコンポーネントで達成される。
【0024】
図1における光ダイオード1がスイッチオン状態でないならば、平面図8において、塗料層5に設けられた陥凹部6によって表されたシンボル9は、コントラスト比のために本質的には暗くみえる。このため、日光21が入射され、光ダイオード1がスイッチオフ状態である場合におけるシンボル9は、明るい塗料層5に対して着色されたコントラストをなしてみえる。
【0025】
これにより、日光があったとしても、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野と同様に、光軸12の向きでの観察者13の視野によっても、同じ範囲までシンボルを認識することができることに成功する。
【0026】
本発明によれば、ハウジング外側7は、不透明な塗料層5で被覆されていてもよく、塗料層5は、暗色を有し、平面図8においてシンボル9を形成する陥凹部6が位置している。この場合にも、ディスプレイハウジング4の内部に放射された光放射10は、透明散乱体18の多重散乱によって拡散光放射17に変換される。拡散光放射17は、再度、光軸12の向きでの観察者13の視野上、及び、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野上で、塗料層5に設けられて平面図8においてシンボル9を形成する陥凹部6を通過する。
【0027】
拡散光放射17のために、暗い塗料層5の場合には、シンボル9は、光軸12の向きでの観察者13の視野と、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野とで、同じ範囲まで有利に認識される。
【0028】
コントラストがあるならば、暗い塗料層であり、図1における光ダイオード1がスイッチオン状態でない場合には、平面図8において、塗料層5に設けられた陥凹部6によって表されたシンボル9は、光ダイオード1によって照明されず、塗料層5と陥凹部6との間の低コントラスト比のために本質的には認識可能ではない。その結果、日光21が入射されるとともに光ダイオード1がスイッチオフ状態である場合におけるシンボル9は、このため、暗い塗料層5に対するいかなるコントラストにおいても殆どみえない。シンボル9は、実際に、日光21及びスイッチオン状態でない光ダイオード1をともなっては認識可能ではない。
【0029】
このように、各場合において、互いに逆の2つの状態が、スイッチオン状態又はスイッチオフ状態の光ダイオード1をともなって暗い又は明るい塗料層5の組み合わせの適切な選択を介して、日中又は夜間によって達成される。その結果、例えば、日光21及びスイッチオフ状態の光ダイオードを用いたとき、シンボル9が特に良好に認識可能であるか又は実際に認識可能でないかを望むかどうかに応じて、塗料層は、暗い(スイッチオフ状態の光ダイオード1を用いたときシンボル9と塗料層5との間のコントラストが小さい)又は明るい(スイッチオフ状態の光ダイオード1を用いたときシンボル9と塗料層5との間のコントラストが大きい)が選択されるべきである。
【0030】
図2に、本発明のさらなる構成の1つの具体例を示す。同図において認められるように、光ダイオード1は、ディスプレイと一体化されてボタン15の内部に位置している。光ダイオード1は、光放射10を放射する。放射された光放射10は、本質的に、方向付けられ、ディスプレイハウジング4の内側面に入射される。ディスプレイハウジング4は、透明散乱体18が埋め込まれたポリカーボネートからなる。ハウジング外側7は、不透明な塗料層5で被覆されており、塗料層5は、平面図8においてシンボル9を形成する陥凹部6が位置している。ディスプレイハウジング4の内部において所定の方向に放射された光放射10は、透明散乱体18の多重散乱によって拡散光放射17に変換される。拡散光放射17は、光軸12の向きでの観察者13の視野上、及び、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野上で、塗料層5に設けられて平面図8においてシンボル9を形成する陥凹部6を通過する。
【0031】
拡散光放射17のために、平面図8におけるシンボル9は、光軸12の向きでの観察者13の視野と、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野とで、同じ範囲まで有利に認識される。これにより、ディスプレイユニットが同時に形成されて配設され、それは、ボタン15自体を形成する。その結果、驚くべきことに、この有利な効果は、散乱レンズ3、ボタン散乱ディスク16、ディスプレイハウジング4、及び追加のボタン15の機能を充足した単に1つのコンポーネントで達成される。
【0032】
図2におけるボタン15の光ダイオード1がスイッチオン状態でないならば、平面図8において、塗料層5に設けられた陥凹部6によって表されたシンボル9は、外部から入射される日光21の散乱のために本質的には暗くみえる。日光21が入射されるとともに光ダイオード1がスイッチオフ状態である場合におけるシンボル9は、このため、明るい塗料層5に対して着色されたコントラストをなしてみえる。
【0033】
これにより、日光があったとしても、光軸12に対して約45°の角度にある観察者14の視野と同様に、光軸12の向きでの観察者13の視野によっても、同じ範囲までシンボルを認識することができることに成功する。
【0034】
最後に、図3に、本発明によるさらなる有利な具体例を模式的に示す。図3において認められるように、光ダイオード1から放射された光放射10は、本質的に、方向付けられ、プレート20に入射される。プレート20は、透明散乱体18が埋め込まれたポリカーボネートからなる。プレート20の内部において光放射10は、透明散乱体18の多重散乱によって拡散光放射17に変換される。拡散光放射17は、広範な領域にわたってプレート20の完全な外表面から出射する。その結果、拡散光放射17は、放射された光放射10の断面よりもかなり大きく拡大する。このように、狭い領域に放射された光放射10を用いて、透過的に着色された透明散乱体18が埋め込まれることによって透過的に着色されたポリカーボネートからなるプレート20の照明により、光は、放射された光放射の断面の数倍に拡大される。
【0035】
その結果、透過的に着色されたポリカーボネートのプレート20は光を分配し、光ディストリビュータとして機能する。この配置を用いて、単一の光ダイオード1の光は、例えば数個の空間的に分散された表示シンボル9を照明するのに有利に且つ驚くべきことに適用される。さらに、この配置を用いて、例えば、全ての空間的な3方向に無限に形成された表面による被覆が1つ又は少数の光ダイオード1を用いて照明されてもよい。これは、例えば開放しているドアについて他の交通関係者が警告されるような、車両のドアに取り付けられた警告灯等の安全機能に適用して特に興味深いものであり、望ましくは乗り物の運転者のための操作快適性が増加するのがよい。
【0036】
光ダイオード1は、図6及び図7において認識されるように、導光体22の照明用に配設される。導光体22は、透過的に着色された透明散乱体18が埋め込まれた、透過的に着色されたポリカーボネートからなる。光ダイオード1によって放射された光は、透過的に着色されたポリカーボネートからなる導光体22内の、透過的に着色された透明散乱体18での多重散乱により、4つのボタン15に導光される。拡散光放射17は、導光体22の端部で出射し、広範な領域にわたってボタン15に入射される。有利には、4つのボタン15は、この配置により、各場合において、1つの同じ光ダイオード1を用いて広範な領域にわたって照明される。その結果、導光は、特に図6において認められるように水平方向と、特に図7において認められるように垂直方向とで達成される。このように、多次元の導光体は、驚くべきことに提案され、例えばいくつかの空間的に分配された表示シンボル9が照明される。
【0037】
最後に、図8に、乗り物の座席ヒータに関する状態表示としての本発明による情報ユニットの1つの設計を模式的に示す。これは、同図(a)における平面図で認識される。その結果、座席のシンボル9は、不透明な塗料層5における陥凹部6により、状態ディスプレイの右側セクションに表される。座席ヒートセグメントについての状態ディスプレイとしての矩形の陥凹部6は、左側セクション23において認識される。同図(a)の状態ディスプレイを通過する部分である同図(b)において、本質的に有向の光放射10を放射する、さらなる光ダイオード1が認識される。その結果、個々の光ダイオード1は、状態ディスプレイの左側セクション23における各陥凹部6に割り当てられる。これらは、不透明な離隔壁24により、光学的に互いに離隔される。状態ディスプレイの左側セクション23における各光ダイオード1によって本質的に有向の光放射10は、状態ディスプレイの左側セクション23の各陥凹部6に別個に割り当てられた導光体22に入射する。導光体22は、透過的に着色された透明散乱体18が埋め込まれることによって透過的に着色されたポリカーボネートからなる。各場合における導光体22の出口は、座席ヒータについての状態ディスプレイの陥凹部6の1つに到達している。その結果、有向の光放射10は、本質的には光ダイオード1に割り当てられた導光体22を入れるだけであるので、状態ディスプレイのシンボルは、それぞれ、専ら各陥凹部に割り当てられた光ダイオード1から放射される光によって選択的に照明される。拡散光放射17は、各導光体22内の透明散乱体18で生じる光放射10の多重散乱により、各導光体22の上端から出射する。このように、各陥凹部6は、別個に選択的にオン状態又はオフ状態に切り替えられ、各陥凹部6の完全な表面は、本質的には所定の方向に放射された光放射10の断面よりも大きいものの、この表面の照明は同時に可能である。
【0038】
これに対して、状態ディスプレイの右側セクション25に配設された光ダイオード1による、このセクションにおける有向の光放射10は、透過的に着色された透明散乱体18が埋め込まれることによって透過的に着色されたポリカーボネートからなるディスプレイハウジング4に入射される。そこで、光放射10は、透明散乱体18で散乱することによって拡散光放射17に変換される。単一の光ダイオード1についての拡散光放射17は、不透明な塗料層5における陥凹部6によって状態ディスプレイの右側セクション25に表される座席のシンボル9を完全に照明する。したがって、本発明によれば、単一の光ダイオードのみを用いて、右側セクションにおいて、いくつかの陥凹部6によって構成された座席のシンボル9を完全に照明することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 光ダイオード
2 光ダイオードハウジング
3 散乱レンズ
4 ディスプレイハウジング
5 塗料層
6 陥凹部
7 ハウジング外側
8 平面図
9 シンボル
10 光放射
11 拡大された光放射
12 光軸
13,14 観察者
15 ボタン
16 ボタン散乱ディスク
17 拡散光放射
18 透明散乱体
20 プレート
21 日光
22 導光体
23 左側セクション
24 離隔壁
25 右側セクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に乗り物に適した技術的な装置又は機器のための照明情報ユニットであって、
透明散乱体(18)が透明プラスチック塊体に埋め込まれた少なくとも1つの光散乱プラスチック要素からなる当該照明情報ユニットの視覚可能な表示要素(4)を備え、
上記視覚可能な表示要素(4)の内部において光放射が上記透明散乱体(18)の多重散乱によって拡散光放射に変換され、
上記光散乱プラスチック要素は、カバー層(5)とともに提供され、
上記カバー層(5)は、明色或いは暗色を有し、
前記透明散乱体(18)のサイズは、ガウス分布等の狭い分布関数でバイモーダル又はマルチモーダルを有する混合であること
を特徴とする照明情報ユニット。
【請求項2】
上記透明プラスチック塊体及び/又は上記透明散乱体(18)は、透過的に着色されていること
を特徴とする請求項1記載の照明情報ユニット。
【請求項3】
上記透明プラスチック塊体は、ポリカーボネートのグループ、及び/又は、耐火及び/又は耐高温ポリカーボネートのグループから選択されること
を特徴とする請求項1記載の照明情報ユニット。
【請求項4】
上記光散乱プラスチック要素は、カバー層(5)とともに提供され、上記カバー層(5)は、レーザ加工を介して製造される陥凹部(6)を含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項記載の照明情報ユニット。
【請求項5】
上記光散乱プラスチック要素は、操作要素(15)と一体化されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項記載の照明情報ユニット。
【請求項6】
上記光散乱プラスチック要素は、操作要素(15)として設計されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項記載の照明情報ユニット。
【請求項7】
上記光散乱プラスチック要素は、当該照明情報ユニット内で光ディストリビュータ(20)として設計されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項記載の照明情報ユニット。
【請求項8】
乗り物及び/又は家電機器に用いられるために全ての空間的な3方向に形成された表示要素が形成されたカバーとして設計されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項記載の照明情報ユニット。
【請求項9】
特に開放された乗り物のドアに関する警告灯として設計され、操作性が向上されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項記載の照明情報ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−47095(P2013−47095A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230483(P2012−230483)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2007−505486(P2007−505486)の分割
【原出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(503102412)アルビス プラスチック ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】