説明

照明柱用交通監視情報収集装置

【課題】照明柱を選ばず使用できる照明柱用交通監視情報収集装置とする。
【解決手段】外箱の中に自由に動け、かつ動かされた姿勢を保持できる機構を備えた支持体を設け、その支持体にカメラ若しくは超音波ホーン又はカメラ及び超音波ホーンを設置し、それらカメラのレンズやホーンの先は前記外箱に穿設してある開口部から外部にのぞけるように設置すると共に、灯具の腹側に取り付けることとなるこの外箱のために、灯具のライト光の直射を除け得る遮光板を外箱の適宜箇所に設置した。

【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、交通流等の交通情報を得るための照明柱用交通監視情報収集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路には照明柱が立っている。照明柱にはハイウェー型の灯具を取り付けた長円型のテーパーポールが知られている。また、最近では、予算の削減と照度を従前程度に確保できるということで、パズーと呼ばれる灯具を取り付けた直線型のテーパーポールが投入され始めている。この他にも折れ線型、円弧型等各種仕様化された形があり、どれも道路に設置されている。
【0003】
これらの照明柱を交通監視システムに生かせれば、ただ道路を照らすだけ価値をもっと高めることができる。
【0004】
本考案は各種仕様化された照明柱に設置して道路(1車線、複数車線)を監視できる照明柱用交通監視情報収集装置を提供することを目的とする。
【0005】
照明柱にはベース板があり、基礎の上に立っている。基礎の設計はポールが転倒しない土木基礎計算の上に成り立っているだけでなく、道路に対する照明柱の灯具アームの向きや灯具取付方向(マーキングに合わせて灯具を照明柱の先端アダプターにセットして方向を合わせる)が計画されている。
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
【0006】
道路を照らせる照明柱は絶好のロケーションにあり、交通情報の測定にも絶好のロケーションにあると言える。本考案は電源までひいてあるこの照明柱を利用して有用な交通情報を得ようとするものである。課題は各種仕様化(高さ、灯具アームの出幅等)されている照明柱を選ばず使用できる照明柱用交通監視情報収集装置とする点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本考案は、外箱の中に自由に動け、かつ動かされた姿勢を保持できる機構を備えた支持体を設け、その支持体にカメラ若しくは超音波ホーン又はカメラ及び超音波ホーンを設置し、それらカメラのレンズやホーンの先は前記外箱に穿設してある開口部から外部にのぞけるように設置することを最も主要な特徴とする。
【考案の効果】
【0008】
本考案の照明柱用交通監視情報収集装置は、カメラ・超音波部のみを照明柱用の灯具に取り付けるため、既存の照明柱に取り付けられ、交通情報測定専用のポールを立てる必要がないので新設予算を削減できる。
夜間は照明が点くため昼夜共にカラー画像を得ることができる(通常夜間は白黒画像となっている)。
カメラや超音波を駆動させたり、これらから得た信号を処理する主装置は、本考案装置の外箱内部に収納することもでき、また、照明柱の下側に配置することもできる。下側に配置した場合、カメラと主装置は有線などで結び、主装置からカメラ等を電気的に調整したり、信号及び画像出力端子を設けることもできる。
等間隔の照明柱に本考案の装置を取り付けることにより、長距離に亘ってネットワークが構成でき、渋滞情報として活用できる。
この照明柱用交通監視情報収集装置から得られる情報を処理するシステムは既に存在(国際出願番号PCT/JP03/09616)するので、本考案のように小型で簡単な構造の情報収集装置と成し得る。
景観を損なうことなく、且つ自然な形で測定出来、ドライバーに不快感を与えない。
【考案を実施するための最良の形態】
【0009】
吊りかごの底に対向する一対の出隅をそれぞれフィレットさせて曲面にする。その曲面部分に衝止できるアジャストボルトを、外箱と吊りかごの間に介在させる。吊りかごに回転モーメントを付与するスプリングを外箱と吊りかごの間に関係を持たせて介在させる。吊りかごの中にカメラユニットや超音波ホーンを設置した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本考案装置の1実施例の斜視図であって、1は外箱、2は吊りかご、3はアジャストボルト、4はカメラ、5は超音波ホーン、6は支持アングル、7はピン、8はスプリングである。
【0011】
図2の1〜8は図1と同じである。図1において、吊りかご2はスプリング8によって回転モーメントを与えられ、ピン7を中心にしてA方向に回転する力が働いている。アジャストボルト3はその回転モーメントの力を止めるものであり、このボルトの先端を吊りかご2に形成させている曲面に衝止させることで、吊りかご2は図1の姿勢は保っている。吊りかご2の底には中央と両サイドに開口があり、中央の開口にはカメラ4が、両サイドの開口には超音波ホーン5がそれぞれセットされている。
図2において、吊りかご2はピン7を中心にして矢印の方向に振り子運動できるものである。図2は吊りかご2をある角度まで振り子運動させて、その姿勢をアジャストボルト3で固定した状態を図示している。アジャストボルト3は外に出ているつまみを回して、ボルトの出し入れができる。
【0012】
図3の9は灯具(パズー型)であり、10はポール(直線型)であり、11は本考案装置であり、12は遮光板である。図4の13は灯具(ハイウェー型)、14はポール(長円型)の灯具アーム、11は本考案装置であり、12は遮光板である。
遮光板12を備えた本考案装置11は、照明柱の灯具の腹側に取り付けビス等で固定したり、本考案装置を内蔵した灯具を商品化して使用するものである。
【0013】
図5でポール(直線型)10に灯具(パズー型)9を設置している照明柱と道路の関係を図示した。本考案装置11の吊りかご2を所定の角度にセットすることで、ポールの仕様を選ぶことなく道路上の情報をくまなく得ることができる。
図6でポール(長円型)14に灯具(ハイウェー型)13を設置している照明柱と道路の関係を図示した。本考案装置11の吊りかご2を所定の角度にセットすることで、ポールの仕様を選ぶことなく道路上の情報をくまなく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案装置の斜視図である。
【図2】本考案装置の斜視図である。
【図3】ポール、灯具及び本考案装置の関係を示す立面図である。
【図4】ポール、灯具及び本考案装置の関係を示す立面図である。
【図5】照明柱、道路及び本考案装置の関係を示す立面図である。
【図6】照明柱、道路及び本考案装置の関係を示す立面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 外箱
2 吊りかご
3 アジャストボルト
4 カメラ
5 超音波ホーン
6 支持アングル
7 ピン
8 スプリング
9 灯具
10 ポール(直線型)
11 本考案装置
12 遮光板
13 灯具(ハイウェー型)
14 ポール(長円型)
15 主装置

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
外箱の中に自由に動け、かつ動かされた姿勢を保持できる機構を備えた支持体を設け、その支持体にカメラ若しくは超音波ホーン又はカメラ及び超音波ホーンを設置し、それらカメラのレンズやホーンの先は前記外箱に穿設してある開口部から外部にのぞけるように設置すると共に、灯具の腹側に取り付けることとなるこの外箱のために、灯具のライト光の直射を除け得る遮光板を外箱の適宜箇所に設置したことを特徴とする照明柱用交通監視情報収集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】実用新案登録第3105574号(U3105574)
【登録日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【発行日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【考案の名称】照明柱用交通監視情報収集装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2004−3708(U2004−3708)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【出願人】(592208091)シグマー電機工業株式会社 (8)