説明

照明装置、携帯端末、その制御方法、及び制御プログラム

【課題】バッテリの省電力化を図りつつ、携帯端末の照明対象物の視認性を安定的に確保すること。
【解決手段】照明装置10は、携帯端末100に設けられ、発光する蓄光部材と、携帯端末100の周囲の照度を検出する照度検出手段と、照度検出手段により周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、電源から供給される電力を用いて、携帯端末100の照明を行う照明手段と、蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された蓄光特性データと、照度検出手段により検出された周囲の照度と、時間計測手段により計測された時間と、に基づいて、蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、照度検出手段により検出された周囲の照度と、蓄光度合算出手段により算出された蓄光度合と、に基づいて、照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光する蓄光部材と、電源から供給される電力を用いて照明を行うバックライトと、を備える照明装置、携帯端末、その制御方法、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄光部材による発光を利用して、バッテリの省電力化を図った携帯端末の開発が行われている。例えば、照明による消費電力を抑えるために、照度センサを使用して周囲が明るいところではライトをオフ状態にし、暗いところではオン状態にする携帯端末が知られている。当該携帯端末において、暗い場所でライトが常にオン状態となるためバッテリの電力を無駄に消費することとなり、キー操作部を蓄光部材により照射した場合でも、暗い場所で一定時間が経過すると蓄光部材が発光しなくなるため、キー操作部の視認性が低下するという問題が生じている。
【0003】
上述の問題を解決すべく、蓄光部材の光チャージ量を計算し、必要に応じて表示部を点灯駆動して蓄光部材に対する光チャージを行う折畳式携帯端末が知られている(特許文献1参照)。また、ライトが点灯してから所定時間経過した場合に消灯させ、キー操作部を蓄光部材により照射させる携帯端末が知られている(特許文献2参照)。さらに、キー操作部に対向する表示部を発光させることによって、蓄光部材に光を蓄えさせる折畳式携帯端末が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−156892号公報
【特許文献2】特開2008−236630号公報
【特許文献3】特開2010−108772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び3に示す折畳式携帯端末においては、蓄光部材に光を蓄えるために特別に表示部を点灯させるため、この表示部の点灯により必要以上にバッテリの電力が消費される可能性がある。また、上記特許文献2に示す携帯端末においては、ライトを点灯してからの経過時間に応じて蓄光部材による照射を行うため、蓄光部材の特性によって、蓄光部材の照射が不十分となる虞がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、バッテリの省電力化を図りつつ、携帯端末の照明対象物の視認性を安定的に確保できる照明装置、携帯端末、その制御方法、及び制御プログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、携帯端末に設けられ、発光する蓄光部材と、前記携帯端末の周囲の照度を検出する照度検出手段と、前記照度検出手段により前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、電源から供給される電力を用いて、前記携帯端末の照明を行う照明手段と、前記蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記蓄光特性データと、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記時間計測手段により計測された前記時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合と、に基づいて、前記照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする照明装置である。
【0008】
他方、上記目的を達成するための本発明の一態様は、キー操作部又は表示部に設けられ発光して、前記キー操作部又は表示部の照明を行う蓄光部材と、周囲の照度を検出する照度検出手段と、前記照度検出手段により前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、電源から供給される電力を用いて、照明を行う照明手段と、前記蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記蓄光特性データと、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記時間計測手段により計測された前記時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合と、に基づいて、前記照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする携帯端末であってもよい。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、前記携帯端末の周囲の照度を検出するステップと、前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測するステップと、電源から供給される電力を用いて、前記携帯端末の照明を行うステップと、当該携帯端末に設けられた蓄光部材の特性を含む蓄光特性データと、前記検出された周囲の照度と、前記計測された時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出するステップと、前記検出された周囲の照度と、前記算出された蓄光度合と、に基づいて、前記照明を制御するステップと、を含む、ことを特徴とする照明装置の制御方法であってもよい。
【0010】
さらに、上記目的を達成するための本発明の一態様は、携帯端末の周囲の照度を検出しているときの時間を計測する処理と、前記携帯端末に設けられた蓄光部材の特性を含む蓄光特性データと、前記検出された周囲の照度と、前記計測された時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する処理と、前記周囲の照度と、前記算出された蓄光度合と、に基づいて、電源から供給される電力を用いて前記携帯端末の照明を制御する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする照明装置の制御プログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バッテリの省電力化を図りつつ、携帯端末の照明対象物の視認性を安定的に確保できる照明装置、携帯端末、その制御方法、及び制御プログラムを提供することを主たる目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る携帯端末の概略的な構成を示す図である。
【図3】メモリに記憶された蓄光特性データの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る照明装置による制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係る照明装置による制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る照明装置の概略的な構成を示すブロック図である。本実施形態1に係る照明装置10は、携帯端末100に設けられたキー操作部11と、制御装置12と、照度センサ13と、蓄光塗料部14と、キーバックライト15と、ディスプレイバックライト16と、バッテリ17と、を備えている。
【0014】
携帯端末100は、例えば、折畳み式、スライド式などの携帯電話機100である(図2)。携帯端末は、例えば、アンテナ101、無線部102、携帯本体103、音声等が出力されるレシーバ104、液晶や有機ELなどからなる表示部105、音声等が入力されるマイク106、キー操作入力が行われるキー操作部11、などから構成されている。なお、本実施形態1に係る携帯電話機100は、通常の携帯電話機が有する構成及び機能を有しているが周知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0015】
キー操作部11には、押圧操作が可能な複数の操作キー(数字キー、文字キー、ファンクションキーなど)が設けられている。無線部102は、制御装置12による制御の下、アンテナ101を介して外部の基地局と音声信号、制御信号及びデータ信号等の各種信号を送受信する。
【0016】
照度センサ13は、照度検出手段の一具体例であり、例えば、携帯電話機100の携帯本体103に設けられており、フォトダイオードなどから構成されている。照度センサ13は、所定周期で、携帯電話機100周囲の照度を検出する。照度センサ13は、制御装置12に接続されており、検出した携帯端末100周囲の照度を制御装置12に対して出力する。
【0017】
蓄光塗料部14は、蓄光部材の一具体例であり、周囲光により励起され、一定時間、発光する塗料であり、キー操作部11の前面に形成されている。
【0018】
キーバックライト15は、照明手段の一具体例であり、バッテリ(電源)17から供給される電力を用いて発光し、キー操作部11の照明を行う。キーバックライト15は、バッテリ17の省電力化を目的として、例えば、LED(Light Emitting Diode)などが用いられている。キーバックライト15は制御部12に接続されており、制御部12からの制御信号に応じて、オン状態となり照明を開始し、あるいは、オフ状態となり照明を停止する。
【0019】
制御装置12は、時間を計測する時間計測部121と、蓄光塗料部14の蓄光材料の特性を含む蓄光特性データを記憶するメモリ122と、蓄光塗料部14に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出部123と、キーバックライト15のオン状態及びオフ状態に制御する制御部124と、を有している。
【0020】
時間計測部121は、時間計測手段の一具体例であり、照度センサ13により周囲の照度を検出しているときの時間を計測する。なお、時間計測部121は、照度センサ13が照度の検出を行う所定周期(測定間隔)に基づいて上記時間を算出してもよい。
【0021】
メモリ122は、記憶手段の一具体例であり、例えば、後述のRAMなどにより構成されている。メモリ122は、例えば、図3に示すような蓄光特性データを記憶する。蓄光特性データは、周囲の照度毎の、経過時間に対する蓄光塗料部14の蓄光度合の変化を示すデータである。これは、周囲の照度によって、蓄光塗料部14に蓄光できる蓄光度合の最大値や変化量が異なり、例えば、周囲の照度が低いと蓄光されずに蓄光度合が減少する場合もある。このため、照度0〜100[lx]、・・・、1000〜2000[lx]、2000〜3000[lx]というように、周囲の照度毎に蓄光特性データを有している。
【0022】
また、使用する蓄光塗料に応じた蓄光特性データをメモリ122に保存することで、任意の蓄光塗料に対しても適用でき、コストを考慮した材料選択や、携帯端末100の携帯本体103の色に合わせた材料の色を選択することもできる。
【0023】
蓄光度合算出部123は、蓄光度合算出手段の一具体例であり、メモリ122に記憶された蓄光特性データと、照度センサ13により検出された周囲の照度と、時間計測部121により計測された時間と、に基づいて、蓄光塗料部14の蓄光度合を算出する。蓄光度合算出部123は、算出した蓄光度合を制御部124及びメモリ122に出力する。
【0024】
より具体的に、蓄光度合算出部123は、照度センサ13により検出された周囲の照度に対応する蓄光特性データを選択し(図3)、選択した蓄光特性データの変化グラフと、時間計測部121により計測された時間とに基づいて、蓄光塗料部14の蓄光度合を算出する。蓄光度合算出部123は、算出した蓄光塗料部14の蓄光度合を制御部124及びメモリ122に対して出力する。なお、蓄光度合算出部123は、照度センサ13が周囲の照度を検出する毎、すなわち、所定周期毎に、蓄光度合を算出する。
【0025】
制御部124は、制御手段の一具体例であり、照度センサ13により検出された周囲の照度と、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合と、に基づいて、キーバックライト15の照明をオン状態又はオフ状態に制御する。
【0026】
例えば、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であり、かつ蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下の場合に、周囲が暗く、かつ、蓄光塗料部14による発光が不十分と判断し、キーバックライト15の照明をオン状態に制御する。これにより、周囲の照度が低く、かつ蓄光塗料部14による照明が不十分な場合でも、キーバックライトを点灯させることで、キー操作部11に対するユーザの視認性は確実に維持される。
【0027】
一方、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であり、かつ蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値より大きい場合に、周囲が暗く、かつ、蓄光塗料部14による発光が十分であると判断し、キーバックライト15の照明をオフ状態に制御する。これにより、周囲の照度が低い場合でも、蓄光塗料部14の発光によりキー操作部11に対するユーザの視認性を確保しつつ、キーバックライト15を消灯することでバッテリ17の電力消費を効果的に抑制できる。
【0028】
また、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度より高い場合に、周囲が明るいと判断し、キーバックライト15の照明をオフ状態に制御する。これにより、周囲の照度が高く明るい場合に、キーバックライト15を消灯させることで、バッテリ17の電力消費を効果的に抑制できる。なお、上記所定照度及び所定値は、例えば、後述の制御装置12のROMやRAMに予め設定されている。
【0029】
制御装置12は、例えば、演算処理、制御処理等と行うCPU(Central Processing Unit)(不図示)と、CPUによって実行される演算プログラム、制御プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)(不図示)と、処理データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)(不図示)と、を有するマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。また、これらCPU、ROM、及びRAMは、データバス等によって相互に接続されている。
【0030】
次に、本発明の実施の形態1に係る照明装置10の制御方法について詳細に説明する。図4は、本実施の形態に係る照明装置による制御処理フローの一例を示すフローチャートである。図4に制御処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0031】
照度センサ13は携帯端末100の周囲の照度を検出し(ステップS101)、検出した周囲の照度を制御装置12の蓄光度合算出部123及び制御部124に対して出力する。
【0032】
蓄光度合算出部123は、メモリ122に記憶された蓄光特性データと、照度センサ13により検出された周囲の照度と、時間計測部121により計測された時間と、に基づいて、蓄光塗料部14の蓄光度合を算出し(ステップS102)、算出した蓄光度合を制御部124に対して出力する。
【0033】
制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であるか否かを判断する(ステップS103)。
【0034】
制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であると判断したとき(ステップS103のYES)、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS104)。一方、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下でないと判断したとき(ステップS103のNO)、キーバックライト15の照明をオフ状態に制御し(ステップS105)、本制御処理を終了する。
【0035】
制御部124は、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下であると判断したとき(ステップS104のYES)、キーバックライト15の照明をオン状態に制御し(ステップS106)、本制御処理を終了する。
【0036】
一方、制御部124は、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下でないと判断したとき(ステップS104のNO)、キーバックライト15の照明をオフ状態に制御し(ステップS105)、本制御処理を終了する。
【0037】
以上、本実施の形態1に係る照明装置10において、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であり、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下であると判断したとき、キーバックライト15の照明をオン状態に制御する。これにより、周囲の照度が低く、かつ蓄光塗料部14による照明が不十分である場合でも、キーバックライト15を点灯させ、ユーザの視認性を確実に維持することができる。
【0038】
一方、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であり、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下でないと判断したとき、キーバックライト15の照明をオフ状態に制御する。これにより、周囲の照度が低い場合でも、蓄光塗料部14の発光によりユーザの視認性を確保しつつ、キーバックライト15を消灯させバッテリ17の消費電力を抑えることができる。すなわち、バッテリ17の省電力化を図りつつ、携帯端末100の照明対象物の視認性を安定的に確保できる
【0039】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る照明装置10は、蓄光塗料部14が携帯本体103の表示部105に形成されている点で、上記実施の形態1に係る照明装置10と相違する。ディスプレイバックライト16は、照明手段の一具体例であり、表示部105に内蔵されており、バッテリ17から供給される電力を用いて発光し、表示部105の表示画面の照明を行う。ディスプレイバックライト16は、キーバックライト18と同様に、例えば、LEDなどが用いられている。また、ディスプレイバックライト16は制御部12に接続されており、制御部12からの制御信号に応じて、オン状態となり照明を開始し、あるいは、オフ状態となり照明を停止する。
【0040】
本実施の形態2に係る照明装置10によれば、ディスプレイバックライト16によるバッテリ17の消費電力を効果的に抑制することができる。なお、本実施の形態2に係る照明装置10においては、照度センサ13を表示部105近傍に設け、上記実施の形態1に係る照明装置10においては、照度センサ13をキー操作部11近傍に設けるようにしてもよい。
【0041】
以下、本発明の実施の形態2に係る照明装置10の制御方法について詳細に説明する。照度センサ13は携帯端末100の周囲の照度を検出し(ステップS201)、検出した周囲の照度を制御装置12の蓄光度合算出部123及び制御部124に対して出力する。
【0042】
蓄光度合算出部123は、メモリ122に記憶された蓄光特性データと、照度センサ13により検出された周囲の照度と、時間計測部121により計測された時間と、に基づいて、蓄光塗料部14の蓄光度合を算出し(ステップS202)、算出した蓄光度合を制御部124に対して出力する。
【0043】
制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であるか否かを判断する(ステップS203)。
【0044】
制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下であると判断したとき(ステップS203のYES)、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS204)。一方、制御部124は、照度センサ13により検出された周囲の照度が所定照度以下でないと判断したとき(ステップS203のNO)、ディスプレイバックライト16の照明をオフ状態に制御し(ステップS205)、本制御処理を終了する。
【0045】
制御部124は、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下であると判断したとき(ステップS204のYES)、ディスプレイバックライト16の照明をオン状態に制御し(ステップS206)、本制御処理を終了する。
【0046】
一方、制御部124は、蓄光度合算出部123により算出された蓄光塗料部14の蓄光度合が所定値以下でないと判断したとき(ステップS204のNO)、ディスプレイバックライト16の照明をオフ状態に制御し(ステップS205)、本制御処理を終了する。
なお、上記実施の形態1と本実施の形態2とを組み合わせて、キー操作部11及び表示部105に蓄光塗料部14を設け、キーバックライト15及びディスプレイバックライト16の消費電力を抑制するように構成してもよい。
本実施の形態2において、他の構成は上記実施の形態1と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0047】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態において、キー操作部11に蓄光塗料部14を設けキーバックライト15の消費電力を抑制し、或いは、表示部105に蓄光塗料部14を設けディスプレイバックライト16の消費電力を抑制しているが、これに限らず、携帯端末100の任意の照明部位に蓄光塗料部14を設けそのバックライトの消費電力を抑制してもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、図4又は図5に示す処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0049】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0050】
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0051】
さらに、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)
携帯端末に設けられ、発光する蓄光部材と、
前記携帯端末の周囲の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段により前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、
電源から供給される電力を用いて、前記携帯端末の照明を行う照明手段と、
前記蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記蓄光特性データと、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記時間計測手段により計測された前記時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合と、に基づいて、前記照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする照明装置。
(付記2)
(付記1)記載の照明装置であって、
前記制御手段は、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度が所定照度以下であり、かつ前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合が所定値以下の場合に、前記照明手段の照明をオン状態に制御し、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度が所定照度以下であり、かつ前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合が所定値より大きい場合に、前記照明手段の照明をオフ状態に制御し、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度が所定照度より高い場合に、前記照明手段の照明をオフ状態に制御する、
ことを特徴とする照明装置。
(付記3)
(付記1)又は(付記2)記載の照明装置であって、
前記蓄光部材は、前記携帯端末のキー操作部又は表示部に塗布された蓄光塗料である、ことを特徴とする照明装置。
(付記4)
(付記1)乃至(付記3)のうちいずれかに記載の照明装置であって、
前記蓄光特性データは、前記周囲の照度毎の、経過時間に対する前記蓄光部材の蓄光度合の変化を示すデータである、ことを特徴とする照明装置。
(付記5)
(付記1)乃至(付記4)のうちいずれかに記載の照明装置であって、
前記照明手段は、前記携帯端末のキー操作部の照明を行うキーバックライト、又は表示部の照明を行うディスプレイバックライトである、ことを特徴とする照明装置。
(付記6)
(付記1)乃至(付記5)のうちいずれかに記載の照明装置であって、
前記照明手段は、LED(Light Emitting Diode)である、ことを特徴とする照明装置。
(付記7)
キー操作部又は表示部に設けられ発光して、前記キー操作部又は表示部の照明を行う蓄光部材と、
周囲の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段により前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、
電源から供給される電力を用いて、照明を行う照明手段と、
前記蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記蓄光特性データと、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記時間計測手段により計測された前記時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合と、に基づいて、前記照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする携帯端末。
(付記8)
前記携帯端末の周囲の照度を検出するステップと、
前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測するステップと、
電源から供給される電力を用いて、前記携帯端末の照明を行うステップと、
当該携帯端末に設けられた蓄光部材の特性を含む蓄光特性データと、前記検出された周囲の照度と、前記計測された時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出するステップと、
前記検出された周囲の照度と、前記算出された蓄光度合と、に基づいて、前記照明を制御するステップと、を含む、ことを特徴とする照明装置の制御方法。
(付記9)
携帯端末の周囲の照度を検出しているときの時間を計測する処理と、
前記携帯端末に設けられた蓄光部材の特性を含む蓄光特性データと、前記検出された周囲の照度と、前記計測された時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する処理と、
前記周囲の照度と、前記算出された蓄光度合と、に基づいて、電源から供給される電力を用いて前記携帯端末の照明を制御する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする照明装置の制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、携帯電話機などの携帯端末の消費電力を抑え、使用時間を延ばすことができる照明装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 照明装置
11 キー操作部
12 制御装置
13 照度センサ
14 蓄光塗料部
15 キーバックライト
16 ディスプレイバックライト
17 バッテリ
100 携帯端末
121 時間計測部
122 メモリ
123 蓄光度合算出部
124 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末に設けられ、発光する蓄光部材と、
前記携帯端末の周囲の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段により前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、
電源から供給される電力を用いて、前記携帯端末の照明を行う照明手段と、
前記蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記蓄光特性データと、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記時間計測手段により計測された前記時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合と、に基づいて、前記照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置であって、
前記制御手段は、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度が所定照度以下であり、かつ前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合が所定値以下の場合に、前記照明手段の照明をオン状態に制御し、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度が所定照度以下であり、かつ前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合が所定値より大きい場合に、前記照明手段の照明をオフ状態に制御し、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度が所定照度より高い場合に、前記照明手段の照明をオフ状態に制御する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の照明装置であって、
前記蓄光部材は、前記携帯端末のキー操作部又は表示部に塗布された蓄光塗料である、ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の照明装置であって、
前記蓄光特性データは、前記周囲の照度毎の、経過時間に対する前記蓄光部材の蓄光度合の変化を示すデータである、ことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の照明装置であって、
前記照明手段は、前記携帯端末のキー操作部の照明を行うキーバックライト、又は表示部の照明を行うディスプレイバックライトである、ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の照明装置であって、
前記照明手段は、LED(Light Emitting Diode)である、ことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
キー操作部又は表示部に設けられ発光して、前記キー操作部又は表示部の照明を行う蓄光部材と、
周囲の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段により前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測する時間計測手段と、
電源から供給される電力を用いて、照明を行う照明手段と、
前記蓄光部材の特性を含む蓄光特性データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記蓄光特性データと、前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記時間計測手段により計測された前記時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する蓄光度合算出手段と、
前記照度検出手段により検出された前記周囲の照度と、前記蓄光度合算出手段により算出された前記蓄光度合と、に基づいて、前記照明手段の照明を制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
前記携帯端末の周囲の照度を検出するステップと、
前記周囲の照度を検出しているときの時間を計測するステップと、
電源から供給される電力を用いて、前記携帯端末の照明を行うステップと、
当該携帯端末に設けられた蓄光部材の特性を含む蓄光特性データと、前記検出された周囲の照度と、前記計測された時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出するステップと、
前記検出された周囲の照度と、前記算出された蓄光度合と、に基づいて、前記照明を制御するステップと、を含む、ことを特徴とする照明装置の制御方法。
【請求項9】
携帯端末の周囲の照度を検出しているときの時間を計測する処理と、
前記携帯端末に設けられた蓄光部材の特性を含む蓄光特性データと、前記検出された周囲の照度と、前記計測された時間と、に基づいて、前記蓄光部材に蓄積された蓄光量の度合いを示す蓄光度合を算出する処理と、
前記周囲の照度と、前記算出された蓄光度合と、に基づいて、電源から供給される電力を用いて前記携帯端末の照明を制御する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする照明装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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