照明装置、特に高圧メタルハライドランプ
【課題】本発明の目的は、従来技術の問題を最小化し、望ましい照明品質を維持し、信頼性及び耐久性を向上させた照明装置、特に高圧メタルハライドランプを提供することである。
【解決手段】本発明は照明装置、特に高圧メタルハライドランプに関し、本体材料、フリット材料、ベース材料の材料組み合わせが、
a. フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、ランプベースの材料の熱膨張係数(CTEbase)及び本体の材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、
又は、
b. フリットの材料(CTEfrit)が、ランプベースの材料の熱膨張係数(CTEbase)及び本体の材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
上記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも本体材料、フリット材料、ベース材料の接合面について行われる。
【解決手段】本発明は照明装置、特に高圧メタルハライドランプに関し、本体材料、フリット材料、ベース材料の材料組み合わせが、
a. フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、ランプベースの材料の熱膨張係数(CTEbase)及び本体の材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、
又は、
b. フリットの材料(CTEfrit)が、ランプベースの材料の熱膨張係数(CTEbase)及び本体の材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
上記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも本体材料、フリット材料、ベース材料の接合面について行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、特に高圧メタルハライドランプに関する。
【背景技術】
【0002】
市場において、使用する光源の均等な品質に対するエンドユーザーの興味はますます高まっている。高圧メタルハライドランプは、白色光品質の高い強力な光を逐一選択的に発光する光源であることから、様々な照明分野で注目を集めている。高圧メタルハライドランプは、従来のハロゲンランプと比較して効率的かつコスト節約的である。
【0003】
一般に、高圧メタルハライドランプは、1つ又は複数のメタルハライド、Hg、希ガス充填物を気密的に含有した第1本体内に、セラミック又は石英から成る放電容器又はバーナーを備えている。このような放電バーナーは、例えば特許文献1、特許文献2に記載されている。第2本体は、特にバルブ形状である第1本体を囲み、実際の発光ユニットである第1本体を熱的に囲い込み、及び/又は、破損や有害な放射、特に紫外線放射からユーザーを保護する作用を有する。端部が開放されたままの第2本体が、電気絶縁性材料から成るランプベースに固定され、更に、2つの電流供給部材又はピンがランプベース又はその内部に据え付けられている。
【0004】
多くの場合、第1本体と第2本体の間の空間は、熱隔離を行うために真空になっている。そのため、ランプ内部には、上記空間を真空にするための管が設けられている。
【0005】
このような高圧メタルハライドランプのバーナーは、1000℃又はそれ以上の温度で動作する。それ故に、又、要素の数に従って、第2本体(外部本体)における温度は300〜850℃となる。したがって、高圧メタルハライドランプの製造に使用する材料及び方法は非常に厳しい条件が要求される。
【0006】
現在のバルブ作製工程によれば、発光ユニットの周囲に摘みガラス(pinch glass)が配置され、ベースとバルブが固定される。使用する材料として、例えばバルブには石英(例えばシリカガラス)、ピン及び管には伝導性材料がある。一般に、ランプベースは石英である。従来知られている組み立て方法では、通常、次の方法を採用する:(1)フレーム封着−高温炎を使用して、ランプベースの周囲のガラスバルブを封着する;(2)直接封着−融剤又は取り付け媒体を使用せずに、バルブをランプベースに封着する;(3)半田封着−ガラスフリットを使用して封着する。
【0007】
従来の高圧メタルハライドランプの重大な問題は、放電容器又はバーナーのワット数及び形状、並びにランプベースと外部第2本体又はバルブとの結合ゾーンの長さによって左右されるランプの寸法である。
【0008】
そのため、特許文献1では、高圧メタルハライドランプは、外部本体が石英ガラス、硬質ガラス、軟質ガラスから成ることが記述されているが、これについての詳細な説明はない。ランプベースは石英ガラス、硬質ガラス、軟質ガラス、又は、セラミック材料、望ましくは焼結した本体、望ましくはガラス、ガラスセラミック、又はセラミック本体から成る。高圧メタルハライドランプは、外部エンベロープ又は本体が、(ガラス)フリットのエナメルによってランプベースに固定されていることを特徴とする。このエナメルは、事前に成形したリング形状で提供されることが望ましい。フリットリングを使用することで、高圧メタルハライドランプの製造を単純化することができるため、ベースの厚さによって決定される溶解ゾーンが最小限に縮小される。しかし、特許文献1では、このようなフリットリングの材料についての詳細な記載はない。
【0009】
特許文献3では合成ランプ製品について説明しており、この場合、ランプは、中空で熱膨張係数が低いプレフォームされたガラスセラミックエンベロープと、放射線を伝播する膨張率の低いプレフォームされたシリカガラス窓とで構成されており、これらの両方は、相互に適合する、25×10−7を超えない低い熱膨張係数を有する。エンベロープと窓は、本質的に78から80モル%のSiO2、8から12モル%のAl2O3、10から15モル%のCu2Oから成る、封着ガラスを含むガラス状の銅によって結合されている。そのため、説明されているランプの構造及び構成は、本発明とは対極に位置する。
【0010】
【特許文献1】国際公開第WO2004/077490号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO2005/033802号パンフレット
【特許文献3】米国特許第3451579号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10348466号明細書
【特許文献5】国際公開第WO2005/066088号パンフレット
【特許文献6】独国特許出願公開第19938807号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第19938808号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第19938811号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第10118260号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、上述の問題を最小化し、望ましい照明品質を維持し、信頼性及び耐久性を向上させた照明装置、特に高圧メタルハライドランプを提供することである。更に、単純な製造工程が提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的は、照明装置、特に高圧メタルハライドランプによって解決され、この高圧メタルハライドランプは:
− 発光ユニットと;
− 上記発光ユニットを包囲する、望ましくはバルブ形状である本体と;
− 少なくとも2つの電流源又はピンを備えたランプベース
とを備え、
上記ランプベースは、フリット材料を介し、気密状態にて上記本体と接続されており、上記本体の本体材料、上記フリット材料、上記ランプベースのベース材料の材料組み合わせが、
a. 上記フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、上記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び上記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、又は、
b. 上記フリット材料(CTEfrit)が、上記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び上記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
上記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも上記本体材料、上記フリット材料、上記ベース材料の接合面について行われる、ことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
驚くことに、照明装置、特に高圧メタルハライドランプの材料の組み合わせは、使用中のその信頼性及び耐久性を向上させると同時に、特に高圧メタルハライドランプに伴う未解決の問題を解決するように選択できることがわかっている。高圧メタルハライドランプでは、上述のランプ本体は、発光ユニットを具備した第1又は内部本体を包囲する、第2又は外部本体であることが望ましい。
【0014】
高圧メタルハライドランプ以外にも、照明装置が放熱体(望ましくは白熱電球若しくはハロゲンライト)、放電ランプ、又はメタルハライド放電ランプである態様も実施可能である。例えば照明装置が放熱体の場合、その1次発光が、不活性ガス、特にクリプトン、アルゴン、キセノン又はハライドによって包囲されたタングステン金属又はタングステン合金製コイルを加熱することによって生じるものであり、また動作時における放熱体内のガス圧力が最大で25バールであるのが望ましい。
【0015】
また、照明装置が放電ランプの場合、放電ランプが放電空間を備え、前記放電空間が、水銀及び/又は希土類金属イオン及び/又はキセノンのような放電用物質で充填されていることを特徴とする。なお、前記放電空間は放電本体を備えており、前記本体には、前記放電プロセスの紫外線比率、特に水銀の紫外線比率を可視光に変換する蛍光層が内部に設けられ、また充填ガスが内部に充填され、前記充填ガスは最大で200バール又はそれ以上の圧力を有するのが望ましい。
【0016】
また、照明装置がメタルハライド放電ランプの場合、バーナーシステムを設けた内部バルブを備えるのが望ましい。
【0017】
したがって、フリット、ランプベース、本体の材料は、熱膨張係数を考慮してそれぞれ選択される、又は相互に調整される。そのため、特に高圧メタルハライドランプにおいて、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるよう、本体の材料及びランプベースの材料の両方の熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion:CTE)と一致する(実施形態a)、又は両方の材料のCTEに橋渡す(実施形態b)フリット材料の補助により、ランプベースをランプ本体に取り付けることができる。
【0018】
このような形で、CTEが、長い動作時間にかけて所望の気密封着及び封入を提供する。通常、約0から約10ppm/Kの範囲の熱膨張係数α20/300が選択される。
【0019】
本発明の実施形態aによれば、ランプベースの材料のCTE、ランプ本体の材料のCTE、フリットの材料のCTEは同一であってよく、例えば、本体/フリット/ベースの材料全てに膨張ゼロの材料を選択してもよい。使用する3つの材料全てのCTE値が同一である場合、CTEbody=CTEbase=CTEfritとなる。しかし、多くの場合、選択した材料のCTEは本質的に同一であるか、又は非常に類似している。全てのCTE値が本質的に同一又は非常に類似している場合、CTEbody〜CTEbase〜CTEfritとなる(すなわち本発明において「〜」と表記した場合、本質的に同一又は非常に類似する、を意味する)。本発明の範疇の中では、「一致する」「本質的に同一」又は「非常に類似する」という用語は、CTE値の選択が、ある一つの材料について所定のCTE値が選択されることから始まり、次にこれに応じて、他の材料が以下のように選択されることを意味するものとする。例えば、前記ある一つの材料についてのCTE値の±1ppm/K、望ましくはCTE値の±0.8ppm/K、より望ましくはCTE値の±0.5ppm/K、最も望ましくはCTE値の±0.25ppm/Kであり、特にCTE値の±0.1ppm/Kであることである。例えば:ランプベースの材料の所与のCTEが4.7ppm/Kの場合、本体及びフリットの材料のCTEは、3.7から5.7ppm/Kの範囲(所与のCTE値±1ppm/K)、望ましくは4.2から5.2ppm/Kの範囲(所与のCTE値±0.5ppm/K)から選択されることとなる。
【0020】
本発明の実施形態bによれば、フリット材料は、一方のランプベース材料のCTEと、他方のランプ本体材料のCTEとの間をとるように調整できる。すなわち、ランプベース材料の熱膨張係数と、ランプ本体の熱膨張係数が例えばCTEbody<又は>CTEbaseのように異なるため、フリット材料の存在により、異なる熱膨張係数間のバランスが平準化される。望ましくは、フリット材料は、本体材料とベース材料熱膨張係数内の或る熱膨張係数を示し、及び/又は、フリット材料は適切な厚さ約Dにて提供される。本体材料/ベース材料の熱膨張係数の差異は、望ましくは2ppm/K以下、より望ましくは1.5ppm/K、最も望ましくは1ppm/Kである。例えば:CTEbody<CTEbaseが成立する。このとき、CTEfrit≦CTEbase、CTEfrit≧CTEbodyである。すなわち、前記差異はフリット材料により平準化される。
【0021】
接着又は接合温度を調節できることにより、使用するフリット材料は、上述の値よりも高い値、又は低い値を有することができる。
【0022】
上述の条件を考慮した場合にのみ、本発明の目的を達成することができる。
【0023】
システムのランプ本体/フリット/ランプベースの封着は、気密性を有し、望ましくはT≧350℃、より望ましくはT≧450℃の温度において安定していれば十分である。
【0024】
ランプベース材料は、この技術分野での使用に適する限り、制限されることはない。このような材料は、電気伝導性材料であっても、絶縁性材料であってよい。例えば、コバール、42合金、窒化アルミニウム等のような金属材料又はセラミック材料を使用することができる。ランプベースはプレート状であることが望ましい。
【0025】
ランプに内在する、ピン、排出管又は供給管のような、電流供給部又は接触部材も制限されないが、これらは、例えばコバール、42合金のようなランプベース材料と合った標準金属で形成することができる。更に、ランプベースの材料と、ピン(1本又はそれ以上)及び管(1本又はそれ以上)の材料は、当然ながらガラス/金属封着のような標準的な封着方法によって処理されるのに適したものでなければならない。本発明によれば、電流供給部又はピンは、上に発光ユニットを取り付けることができる伝導性媒体又は電極である。本発明のさらなる実施形態では、ランプベース材料は、その伝導時に、それ自体が1個の電極として機能することができ、ベースから隔離され、気密封着されていないピンは1本のみ必要とされる。
【0026】
気密封着されており、ランプベースから隔離されている上述の電気接触ピンは、ガラス/金属封着のような従来技術を用いて封着される。伝導ピン/電極に適切なクリープ抵抗を持たせるために、ガラス封着のような封着部の直径を計算することが可能である。
【0027】
又、ベース材料は、内部の大気を排出するために、又は封着後にランプ本体又はバルブ内にガスを充填するために、封じ込められた少なくとも1本(2本以上ある場合にはそれも含む)の管を備えているのが望ましい。この管は、必要な作業の実施が完了した後に、摘み切る、又は溶切することができる。更に、管はベース内の単なる穴に置き換えることもでき、この穴はボール取り付け方法やガラスの半田付けを含む同様の技術を用いて溶接することも可能である。
【0028】
フリット材料は、ガラス又は金属材料の中から選択でき、又、特に、環境を考慮して鉛フリーのものが望ましい。フリット材料は、(第2)本体又は封入バルブ内に含まれるいずれのガス(反応性大気)によっても攻撃されない不働態材料であってよい。フリット材料は、望ましくはガラス又はガラスセラミックが主成分の無機材料である。フリット材料の例は、例えば熱膨張係数を低下させることができる充填剤を含んだ鉛ホウ酸塩複合ガラスのようなガラス材料である。さらなる例として、鉛フリーのビスマス−亜鉛−ホウ酸塩(lead free Bi−Zn−Borate)複合ガラスが挙げられる。
【0029】
更に、フリット材料は、例えば、バルブの動作温度にかけて気密封着を維持するために、500℃を超えるガラス転移温度を持った耐高温性であることも考えられる。
【0030】
フリット材料として使用する金属材料には、銅−銀−パラジウム合金又は金−錫合金のような一般に知られている金属が使用可能である。
【0031】
フリット材料の形状は特に制限されていないが、接着対象である本体及びベースの形状並びにそれらとの接合表面に適合する形状であることが望ましい。したがって、開始段階のフリット材料に応じて、非常に限定された接合ゾーン及び溶融範囲を使用することが可能である。フリット材料は、開始段階ではリング状であってよい。
【0032】
更に、本体又はバルブの形状も特に限定されず、通常、ベース材料とフリット材料の組み合わせ部分と一致する、又は橋渡すことができる種々のガラス又はガラスセラミックから選択されるものを含有する、若しくはこれらで構成される。
【0033】
接着する材料のタイプ及び寸法は、本体/フリット/ベースの封着を形成するために、同一又は異なる材料の様々な組み合わせを選択することを考慮に入れて行われる。本発明によれば、接着又は接合される適切な材料は、その熱膨張係数CTE(単位:ppm/K)に応じて選択され、前記材料はタイプ毎に分類することができる。上述のCTE値に関する条件が満たされている限りは、同一又は異なるタイプの材料を組み合わせることができる。
【0034】
a) タイプ1 熱膨張係数が低い、又はゼロである材料;0≦CTE20/300≦1.3ppm/K;
b) タイプ1gr 勾配を有する材料(傾斜機能材料);0≦CTE20/300≦5ppm/Kであり、後者の接着又は接合面の膨張率は、例えばゼロのように低い;
c) タイプ2 1.3≦CTE20/300≦3.5ppm/Kの範囲の膨張率を有する材料;
d) タイプ3 3.5≦CTE20/300≦5.5ppm/Kの範囲の膨張率を有する材料;
e) タイプ3gr 勾配を有する材料(傾斜機能材料);5≧CTE20/300≧0ppm/Kであり、後者の接着又は接合面の膨張率は、CTE20/300〜4.0ppm/Kのように高い;
f) タイプ4 5.5≦CTE20/300≦9ppm/Kの範囲の材料。
【0035】
CTE〜0ppm/Kの熱膨張係数を有する材料には、例えば、Robax(登録商標)又はZerodur(登録商標)(Schott AG、Mainzの登録商標)のような高温型石英混合結晶の主結晶相を持った透明なリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックが挙げられる。
【0036】
CTE〜0.5ppm/Kの材料には、ケイ酸ガラスSiO2がある。
【0037】
〜1.0ppm/Kの熱膨張係数を有する材料は、例えば、キータイト混合結晶の主結晶相を持った半透明なリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックが挙げられる。
【0038】
1grと分類される材料には、例えば部分的にセラミックであるリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックがある。これらの材料は、ガラスセラミックの環状外部及び半径方向内方にグリーンガラスを有する構造を持つ、局所的にセラミックであるリチウムアルミシリケートLASガラスセラミックである。上記材料は、タイプ1grの勾配を有する。このような材料は以下の組成を有し得る(表中の数値は酸化物ベースによる質量%である):
【表1】
【0039】
タイプ2の材料、すなわち1.3≦CTE20/300≦3.5ppm/Kの範囲の膨張率を有する材料として、以下の表(表中の数値は酸化物ベースによる質量%である)に挙げる、出願人(Schott AG)のタイプ8228、8229、8230の転移ガラスが使用可能である(特許文献4参考)。
【表2】
【0040】
更に、以下の近似組成を有するDURAN8330も使用可能な材料(CTE=3.3ppm/K)である:
【表3】
【0041】
上述のガラス8228、8229、8230、8330は、約80から90質量%のSiO2、約0から15質量%のB2O3、約0から10質量%のAl2O3、及び5%質量未満のR2Oの範囲のガラス組成から成り、この場合、B2O3とAl2O3の合計容量は約7から20%であり、Rは、Li、Na、K、Rb、Csから成るグループのアルカリ金属である。
【0042】
CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する材料(タイプ3)の例は以下に示すことができる:
a) Fe−Ni−Co合金、例えば、“コバール”又は42合金としても知られる、CRS Holdings Inc.,より市販のVacon11(登録商標)の合金。望ましくは合金(例えばコバール、42合金)の組成に従って、3.5から5.5ppm/Kの熱膨張係数を有するFe−Ni−Co合金;
b) 約5.2ppm/KのCTEを有するモリブデン又はドープしたモリブデン;
c) 約4.4ppm/KのCTEを有するタングステン又はドープしたタングステン;
d) 例えば、以下の表に記す近似組成(質量%)を有するSCHOTTのガラス8253のような硬質ガラス:
【表4】
e) ホウケイ酸ガラス;例えば〜4.3ppm/KのCTE20/300を有するSUPRAX8488、又は〜5.0ppm/KのCTE20/300を有するガラス8250;
f) 3.5から5.0ppm/KのCTEを有するリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックタイプのROBAX(登録商標)又はZerodur(登録商標)(非セラミック)の初期ガラス(starting glass);
g) 以下の組成(酸化物を基準として質量%で表す)を有するマグネシウムアルミシリケート(MAS)ガラスセラミック:
【表5】
また、0から4質量%の通常用いられる精錬剤、例えばSnO2、CeO2、SO4、Cl、As2O3、Sb2O3も同様に使用しうる。
【0043】
タイプ3grの材料は、0から4ppm/Kの間で、局所的に異なった膨張係数CTE20/300の勾配を持つ材料(傾斜機能材料)が含まれる。このような材料は、例えば出発材料から、簡便なプロセス制御を用いて製造することができるが、この場合、出発材料は、例えばLASタイプのガラスセラミックであってよい。末端がグリーンガラス領域である、局所にセラミックを有する管状材料の一例は、特許文献5より知られている。
【0044】
5.5から9.0ppm/KのCTE20/300の膨張率を有する材料の例は以下を含む(タイプ4):
a) Al2O3セラミック;
6≦CTE20/300≦8ppm/K;
b) リチウムデシリケートの主結晶相を有するリチウムアルミシリケートガラスセラミック;
約9.0ppm/KのCTE20/300;
c) 銅覆Ni−Feワイヤ;
軸方向に8.5ppm/KのCTE20/300;
d) YAGセラミック;
約8ppm/KのCTE20/300。
【0045】
気密封着システムは、上述のグループのうちの1つのタイプの材料、又は異なるタイプの材料から選択した材料によって可能となる。以下に示す、ランプ本体材料/ランプベース材料の材料組み合わせが好ましく、したがって、フリットの材料は、選択した本体材料/ベース材料を考慮して選択されたガラス材料であることが望ましい。フリット材料は、例えば、任意で充填剤を追加した鉛−ホウ酸塩複合ガラス、鉛フリーのビスマス−亜鉛−ホウ酸塩複合ガラス、又はリン酸を主成分としたガラスから選択できる。以下の例では、更に望ましい材料の組み合わせについて説明する。
【0046】
上述の材料タイプから選択される、ランプ本体材料/フリット材料/ランプベース材料の望ましい材料組み合わせとしては、以下のものが適用可能である:
【0047】
実施形態a:
− タイプ1の材料/タイプ1の材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ1grの材料/タイプ1grの材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ2の材料/タイプ2の材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ3grの材料/タイプ3grの材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ3の材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
MASガラスセラミック/コバール又は42合金;
硬質ガラス/コバール又は42合金;
硬質ガラス/硬質ガラス;
ホウケイ酸ガラス、例えばSchottタイプのガラス8488(SUPRAX)/42合金又はコバール;
ホウケイ酸ガラス、例えばSchottタイプのガラス8488(SUPRAX)/ホウケイ酸ガラス、例えばタイプ8250のガラス;
− タイプ4の材料/タイプ4の材料(ランプ本体/ランプベース)
【0048】
実施形態b:
− タイプ1grの材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
局所的にセラミックであるLASガラスセラミック/42合金又はコバール;
− タイプ3の材料/タイプ1grの材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ1grの材料/タイプ1の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
高温型石英混合結晶の主結晶相を持った、部分的にセラミックであるLASガラスセラミック/LASガラスセラミック;
− タイプ3grの材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
部分的にセラミックであるLASガラスセラミック/42合金又はコバール;
− タイプ1の材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
高温型石英混合結晶の主結晶相を持った透明なLAS/コバール、42合金;
高温型石英混合結晶の主結晶相を持った、部分的にセラミックであるLASガラスセラミック/LASガラスセラミック。
【0049】
以上のようにある特定の材料の組み合わせが提供され、それにより、望ましいランプベース材料、フリット材料、第2本体材料が選択され、更に改良された特徴を備えた照明装置、特に、高圧メタルハライドランプを提供することが可能となる。
【0050】
本発明の照明装置又は高圧メタルハライドランプは、従来技術におけるあらゆる周知の方法に従って製造することができる。
【0051】
ランプ本体とランプベースの間に緊密で安定した接着又は接合を得るためには、フリット材料を半田材料として使用し、接合又は半田付け方法を実施することができ、この場合、これらの構成要素は、拡散効果によって結合される。フリット材料の溶融温度は前述の他の材料の溶融温度よりも低く、望ましくは約200から700℃である。鉄−ニッケル合金(コバール、42合金)を含んだベースを使用することで、フリット材料の溶融温度は600℃、理想的には500℃を超えない。
【0052】
この接合又は半田付け方法は以下の工程によって実現できる:
a) 例えば加熱器のような熱による方法、
b) 短波赤外線照射、
c) レーザー溶融、
d) 高周波加熱。
【0053】
b)によれば、溶融は光学的方法で実施される。光学的加熱は、ガラスを非常に短時間で溶融する利点を有し、この加熱は、表面の加熱及び熱伝達によってではなく、その内容物が直接加熱されることで起こる。したがって、厚いサンプルの場合に、熱によって応力及び引張が誘発されることを防止できる。
【0054】
従来技術では、短波赤外線照射について説明されているが、フリット材料と、ランプ本体及びランプベースの接着又は接合には関連しては記載されていない。例えば、特許文献6ないし9を挙げることができるが、これらの開示は参照として用いられる。
【0055】
しかしながら、本発明はランプ本体又はバルブをランプベース材料と接合する別の方法も提供しており、これによれば、本体材料の底部は、例えば金、銀、その他のような適切な材料でメタライズされ、ランプベースはニッケル、及び/又は金のような材料でめっきされており、銅−銀−パラジウム合金、金−錫合金、その他の標準の金属半田により結合がなされる。また、さらなる封着方法を、短波IR照射、レーザー、その他を使用して、上述のとおり実施することができる。
【0056】
更に、従来知られている任意の封着方法を採用してもよい。しかしながら、後になってから微調整を行うステップを省くために、ランプベースの形状は、ランプ本体又はバルブを少なくとも1つの電流源又はピンに対して同心であることが望ましい。フリット又は金属半田は、例えば塗布、プレフォームのような方法によって付着させることができる。ランプ本体又はバルブを、取り付け方法により加圧条件下若しくは加圧せずにランプベース上に置き、その後、不活性雰囲気内(例えば窒素)若しくは真空内のいずれかにおいて封着することができる。
【0057】
本発明の利点は以下の通り多様である:
ランプ本体、ランプベース、フリット材料の熱膨張係数を考慮して金属の組み合わせを選択することで、高圧メタルハライドランプのような照明装置の使用中の信頼性、安全性、耐久性が著しく向上する。
【0058】
目的に合った材料の選択又は調整を行うことにより、常温で、又は高温・高圧条件の下での使用が求められた場合には、それに対して最適なランプが得られる。これにより、破損や、動作中に欠陥が進行する傾向が発生しにくくなる。動作時に使用される別の材料の変形によって機械的な応力又は引張は発生せず、使用時の漏洩の危険が最低限に抑えられるか、排除される。
【0059】
フリット材料の形状は特に制限されず、結合する本体及びベースの形状及び接合面に適合する望ましい形状に調節することができる。そのため、開始条件におけるフリット材料に応じて、接着又は接合ゾーン、溶融範囲を狭くすることが可能となる。
【0060】
更に、本発明に係るプロセスによれば、ランプベース内に封着された伝導ピンが中心に封着されており、このピンに発光ユニットが取り付けられている場合には、発光ユニットを第2本体又はバルブ内の中心に常に置くことができるため、プロセス時間が短縮される。
【0061】
本発明では、コスト節約のために組み立て品の部品数を減らすことができ、最終的な組み立て品は、事前に組み立てたランプベース、取り付け媒体、(第2)本体又はバルブによって構成される。そのため、ハウジングに「差し込みピン」タイプの連結を形成する必要性が完全に排除される。ランプベース上に差し込みピンタイプの形状を形成することによって、部品数を減らし、最終的な組み立て品のサイズを縮小することもできる。
【0062】
実施例
次に、以上で説明した本発明を、様々な他の実施形態に従った実施例によって例証し、当業者が本発明を本願明細書から明瞭に理解できるようにする。しかしながら、これらの実施例は単に例証を目的としたものであり、本発明を限定するものとして考慮されるべきではないことを明言する。
【0063】
実施形態a
本発明の1つの実施形態によれば、ランプ本体材料、ベース材料、フリット材料の熱膨張係数が相互に関連して調整され、この場合、CTEbody=CTEbase=CTEfrit、又はCTEbody〜CTEbase〜CTEfritとなる。
【0064】
以下で、本体材料及びベース材料の組み合わせを詳細に説明するが、本技術分野の当業者は、これに応じてフリット材料を選択することができる。
以下の材料の組み合わせは、少なくとも材料の接着又は接合範囲に使用できる。
【実施例1】
【0065】
− 本体又はベースの材料は、4から0ppm/KのCTEを有するタイプ3grの材料から選択でき、そこにおいて、〜4のCTEを有するゾーンは材料の接着又は接合範囲内に位置し、他方の材料(本体又はベース材料)はCTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有するタイプ3の材料である。
【実施例2】
【0066】
− バルブ及びベースの材料は、CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有するタイプ3の材料から選択できる。
本体及びベース材料組み合わせの具体例は以下のとおりである:
a) (実施例1に対し)部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
b) (実施例2に対し)MASガラスセラミックを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
c) (実施例2に対し)硬質ガラスを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
d) (実施例2に対し)例えばSchottタイプのガラス8488のようなホウケイ酸ガラスを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し、;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
【0067】
例えば、少なくとも材料の接着又は接合範囲に、以下の材料の組み合わせを使用できる。以下の実施形態は、熱膨張係数が相互に等しい、又は非常に近似している材料の例を示す(実施形態a):
【実施例3】
【0068】
− 4から0ppm/KのCTEの範囲で勾配を有するランプ本体又はベースの材料と、CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(本体又はベース);
【実施例4】
【0069】
CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有するランプ本体及びベース材料;
ベース及び本体材料の組み合わせの具体例は次のとおりである:
a) 部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
b) MASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
【0070】
実施形態b
本発明の以下の実施形態は、異なる膨張係数を有する材料、例えば、上述のとおり分類されたタイプが異なる材料から選択された材料の使用を示す。ランプベース材料及びランプ本体材料のそれぞれの熱膨張係数は、例えばCTEbody<CTEbaseのように異なるため、フリット材料は、異なる熱膨張係数間のバランスを平準化するものであるのが望ましい。またフリット材料は、ランプバルブ及びベース材料の熱膨張係数内の熱膨張係数を示し、及び/又は、フリット材料が適切な厚さDであるのが望ましい。
【0071】
接着又は接合温度を調整することで、上述の値よりも高い又は低い値のフリット材料を使用することが可能となる。熱膨張係数の差異は1ppm/Kを越えないことが望ましい。
【実施例5】
【0072】
− 熱膨張率がゼロ、又は0≦CTE≦1.3ppm/Kと低いランプ本体又はベースの材料と、CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する他方のベース又は本体の材料の組み合わせ。
【実施例6】
【0073】
− 4から0ppm/KのCTEの範囲で勾配を有する(接着又は接合部位において高い膨張率)本体又はベースの材料と、CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(本体又はベース材料)の組み合わせ。
【実施例7】
【0074】
− CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する本体及びベースの材料;
本体/ベース材料の組み合わせの具体例は以下のとおりである:
a) 部分的にセラミックであるLASガラスセラミック、又は高温型石英混合結晶相を有するLASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
b) MASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
c) 例えばSchottタイプ8253のような硬質ガラスを、本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
d) 例えばSchottタイプ8488(SUPRAX)のようなホウケイ酸ガラスを、本体材料へ適用し;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
e) 例えばSCHOTTタイプ8253のような硬質ガラスをランプ本体及びベース材料へ適用する組み合わせ。
f) ホウケイ酸ガラスをランプ本体及びベース材料へ適用(例えばSchottタイプ8488(SUPRAX)の本体材料)し;
ガラスタイプ8250をベース材料へ適用する組み合わせ。
【0075】
通常、フリット材料は、熱膨張係数を低下させる充填剤を追加した鉛−ホウ酸複合ガラスであってよい。更に、膨張率を適合させた鉛フリーのビスマス−亜鉛−ホウ酸複合ガラス、又はリン酸が主成分のガラスを使用してもよい。
【0076】
特に、次の性質を有するフリット材料を使用することができる:フリット材料A(CTE20/300が〜4.4ppm/K;Tgが〜325℃;Tjoiningが〜440℃)、又は、フリット材料B(CTE20/300が〜5.6ppm/K;Tgが〜445℃;Tjoiningが540から570℃)。
【0077】
以下の実施形態によれば、熱膨張係数が異なる材料を使用できる。この差異は、フリット材料によって平準化される。CTEbody≦CTEbaseのとき、CTEfrit≦CTEbody、及びCTEfrit≧CTEbulbである。
以下の材料の組み合わせを使用することができる:
【実施例8】
【0078】
− 4から0ppm/Kの範囲でCTEの勾配を有するランプ本体又はベースの材料、及びCTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(ベース又は本体)。
特定の材料の組み合わせは以下のとおりである:
− 部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、ランプ本体へ適用し;
42合金を、ベース材料に適用する組み合わせ。
更に、以下の材料の組み合わせを使用することもできる:
【実施例9】
【0079】
− 4から0ppm/Kの範囲でCTEの勾配を有するランプベース又は本体材料と、CTE=0から1.3ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(本体又はベース)との組み合わせ。
【0080】
特定の材料の組み合わせの例は以下のとおりである:
− 高温型石英を混合した結晶を含んだ、部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、本体材料に適用し;
LASガラスセラミックを、ベース材料に適用する組み合わせ。
【0081】
次に、以上説明した本発明を、様々な実施形態に従った図面によって例証し、当業者が本発明を本願明細書から明瞭に理解できるようにする。しかし、これらの例は単に例証を目的としたものであり、したがって、本発明を制限するものとして考慮されるべきではない点を明言する。
【0082】
図1においては、フリットリング30を介してランプベース20に接続された第2本体又はバルブ10を示す。第2本体10は、発光ユニットを備えた第1本体(図示せず)を包囲している。第1本体と第2本体10の間の空間は真空であることが望ましい。当然、図1に示す形状(geometry)は、図示されるような第2本体又はバルブ10の形状に限定されるものではなく、当業者に周知のあらゆる形状の使用が可能である。第2本体10に求められる厚さは、設計された第2本体又はバルブ10の内圧と動作温度の必要条件に基づいて計算することができる。
【0083】
通常、第2本体又はバルブ10は、ベースとフリット材料の組み合わせと合うような形で、様々なガラス材料から選択されるガラスにより構成される。ランプベース材料20は、例えば42合金、窒化アルミニウムその他といった、金属又はセラミック材料のような電気伝導性又は絶縁性の材料から選択される。図1では、ランプベース10はプレート状である。
【0084】
フリット材料30は、例えば、第2本体又は封入バルブ10内の反応性ガス雰囲気によって攻撃されることのない、ガラス、ガラスセラミック、金属、特に不働態材料から選択できる。
【0085】
第2本体若しくはバルブ10、フリット30、及びランプベース20の材料のCTEは、本発明に従って、つまり、これらCTEがほぼ同値となるように、又は、フリット材料30の材料が、他の両方の材料の間で材料のCTEのバランスをとり又は補正して、第2本体20の材料とランプベース10の材料の間を橋渡すように、選択される。これにより、ランプ1の動作温度において気密封着が維持され、さらなる応力の発生が防止される。
【0086】
図2では、本発明による照明装置、特に高圧メタルハライドランプの底部の略断面図を以下のとおりに示している(図1と同一の参照番号は同一の部品を意味する);
【0087】
例えば42合金から成り、本実施形態に従って4.6ppm/KのCTEを有するランプベース20は、プラトー部分を設けて設計されており、このプラトー部分は、第2本体10又はそれを包囲するバルブ(図示せず)を封着する。このランプベース材料20には、特にコバールから成り、気密封着を形成するために、図1に示すように、例えばガラスプレフォームでランプベース20内に封着された2本のピン40.1、40.2が設けられている。必要なガスを流入、排出させるために、第2本体又はバルブ10の中心に、例えばコバールから成る管50が設けられていることが望ましい。この管50は、半田材料、例えば銅−銀−パラジウム合金の半田材料によって封着することができる。この組み立て品全体の封着範囲及び接合部分は完全に気密状態にある。
【0088】
例えば、図1に示すように、第2本体又はバルブ10は、上述のとおりの組成と4.7ppm/KのCTE値とを有する、硬質ガラスのようなガラスで作成することができる。必要とされるガラスの厚さは、設計された第2本体及びバルブ10の、必要とされる内圧と動作温度に基づいて計算することができる。
【0089】
例えばガラス製の第2本体10又はバルブを、例えば金属製のランプベース20に封着するための、例えばガラス製のフリット材料30としては、SchottソルダーガラスG018−225が使用可能である。Schottソルダーガラスは、例えば、42合金にも適合する5ppm/KのCTEである鉛を含有するガラスである。このガラスから、ベースプラトーの周囲に一致するようその直径と同程度の内径を有するプレフォームを作成することができる。
【0090】
フィラメント(図示せず)のような、必要となる発光ユニットが搭載され、2つの電極(図示せず)が取り付けられると、第2本体又はバルブ10を、事前に設置したフリットリング30(図示せず)上に、ランプベース20の上から取り付けることができ、その後、適切な封着形状で封着することで、安定した封着を得ることができる。発光ユニットの酸化を防止するために、窒素のような不活性雰囲気内で組み立て品を封着することが重要である。封着が完了したら、第2本体又はバルブ10及びランプベース20によって形成されている封入部に必要なガスを充填し、管50を摘み切ることで、組み立て品が完成し、照明用途のための完全な密封がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による照明装置の上方部分の3次元略図を示す。
【図2】本発明による照明装置の底部の略断面図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、特に高圧メタルハライドランプに関する。
【背景技術】
【0002】
市場において、使用する光源の均等な品質に対するエンドユーザーの興味はますます高まっている。高圧メタルハライドランプは、白色光品質の高い強力な光を逐一選択的に発光する光源であることから、様々な照明分野で注目を集めている。高圧メタルハライドランプは、従来のハロゲンランプと比較して効率的かつコスト節約的である。
【0003】
一般に、高圧メタルハライドランプは、1つ又は複数のメタルハライド、Hg、希ガス充填物を気密的に含有した第1本体内に、セラミック又は石英から成る放電容器又はバーナーを備えている。このような放電バーナーは、例えば特許文献1、特許文献2に記載されている。第2本体は、特にバルブ形状である第1本体を囲み、実際の発光ユニットである第1本体を熱的に囲い込み、及び/又は、破損や有害な放射、特に紫外線放射からユーザーを保護する作用を有する。端部が開放されたままの第2本体が、電気絶縁性材料から成るランプベースに固定され、更に、2つの電流供給部材又はピンがランプベース又はその内部に据え付けられている。
【0004】
多くの場合、第1本体と第2本体の間の空間は、熱隔離を行うために真空になっている。そのため、ランプ内部には、上記空間を真空にするための管が設けられている。
【0005】
このような高圧メタルハライドランプのバーナーは、1000℃又はそれ以上の温度で動作する。それ故に、又、要素の数に従って、第2本体(外部本体)における温度は300〜850℃となる。したがって、高圧メタルハライドランプの製造に使用する材料及び方法は非常に厳しい条件が要求される。
【0006】
現在のバルブ作製工程によれば、発光ユニットの周囲に摘みガラス(pinch glass)が配置され、ベースとバルブが固定される。使用する材料として、例えばバルブには石英(例えばシリカガラス)、ピン及び管には伝導性材料がある。一般に、ランプベースは石英である。従来知られている組み立て方法では、通常、次の方法を採用する:(1)フレーム封着−高温炎を使用して、ランプベースの周囲のガラスバルブを封着する;(2)直接封着−融剤又は取り付け媒体を使用せずに、バルブをランプベースに封着する;(3)半田封着−ガラスフリットを使用して封着する。
【0007】
従来の高圧メタルハライドランプの重大な問題は、放電容器又はバーナーのワット数及び形状、並びにランプベースと外部第2本体又はバルブとの結合ゾーンの長さによって左右されるランプの寸法である。
【0008】
そのため、特許文献1では、高圧メタルハライドランプは、外部本体が石英ガラス、硬質ガラス、軟質ガラスから成ることが記述されているが、これについての詳細な説明はない。ランプベースは石英ガラス、硬質ガラス、軟質ガラス、又は、セラミック材料、望ましくは焼結した本体、望ましくはガラス、ガラスセラミック、又はセラミック本体から成る。高圧メタルハライドランプは、外部エンベロープ又は本体が、(ガラス)フリットのエナメルによってランプベースに固定されていることを特徴とする。このエナメルは、事前に成形したリング形状で提供されることが望ましい。フリットリングを使用することで、高圧メタルハライドランプの製造を単純化することができるため、ベースの厚さによって決定される溶解ゾーンが最小限に縮小される。しかし、特許文献1では、このようなフリットリングの材料についての詳細な記載はない。
【0009】
特許文献3では合成ランプ製品について説明しており、この場合、ランプは、中空で熱膨張係数が低いプレフォームされたガラスセラミックエンベロープと、放射線を伝播する膨張率の低いプレフォームされたシリカガラス窓とで構成されており、これらの両方は、相互に適合する、25×10−7を超えない低い熱膨張係数を有する。エンベロープと窓は、本質的に78から80モル%のSiO2、8から12モル%のAl2O3、10から15モル%のCu2Oから成る、封着ガラスを含むガラス状の銅によって結合されている。そのため、説明されているランプの構造及び構成は、本発明とは対極に位置する。
【0010】
【特許文献1】国際公開第WO2004/077490号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO2005/033802号パンフレット
【特許文献3】米国特許第3451579号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10348466号明細書
【特許文献5】国際公開第WO2005/066088号パンフレット
【特許文献6】独国特許出願公開第19938807号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第19938808号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第19938811号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第10118260号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、上述の問題を最小化し、望ましい照明品質を維持し、信頼性及び耐久性を向上させた照明装置、特に高圧メタルハライドランプを提供することである。更に、単純な製造工程が提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的は、照明装置、特に高圧メタルハライドランプによって解決され、この高圧メタルハライドランプは:
− 発光ユニットと;
− 上記発光ユニットを包囲する、望ましくはバルブ形状である本体と;
− 少なくとも2つの電流源又はピンを備えたランプベース
とを備え、
上記ランプベースは、フリット材料を介し、気密状態にて上記本体と接続されており、上記本体の本体材料、上記フリット材料、上記ランプベースのベース材料の材料組み合わせが、
a. 上記フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、上記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び上記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、又は、
b. 上記フリット材料(CTEfrit)が、上記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び上記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
上記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも上記本体材料、上記フリット材料、上記ベース材料の接合面について行われる、ことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
驚くことに、照明装置、特に高圧メタルハライドランプの材料の組み合わせは、使用中のその信頼性及び耐久性を向上させると同時に、特に高圧メタルハライドランプに伴う未解決の問題を解決するように選択できることがわかっている。高圧メタルハライドランプでは、上述のランプ本体は、発光ユニットを具備した第1又は内部本体を包囲する、第2又は外部本体であることが望ましい。
【0014】
高圧メタルハライドランプ以外にも、照明装置が放熱体(望ましくは白熱電球若しくはハロゲンライト)、放電ランプ、又はメタルハライド放電ランプである態様も実施可能である。例えば照明装置が放熱体の場合、その1次発光が、不活性ガス、特にクリプトン、アルゴン、キセノン又はハライドによって包囲されたタングステン金属又はタングステン合金製コイルを加熱することによって生じるものであり、また動作時における放熱体内のガス圧力が最大で25バールであるのが望ましい。
【0015】
また、照明装置が放電ランプの場合、放電ランプが放電空間を備え、前記放電空間が、水銀及び/又は希土類金属イオン及び/又はキセノンのような放電用物質で充填されていることを特徴とする。なお、前記放電空間は放電本体を備えており、前記本体には、前記放電プロセスの紫外線比率、特に水銀の紫外線比率を可視光に変換する蛍光層が内部に設けられ、また充填ガスが内部に充填され、前記充填ガスは最大で200バール又はそれ以上の圧力を有するのが望ましい。
【0016】
また、照明装置がメタルハライド放電ランプの場合、バーナーシステムを設けた内部バルブを備えるのが望ましい。
【0017】
したがって、フリット、ランプベース、本体の材料は、熱膨張係数を考慮してそれぞれ選択される、又は相互に調整される。そのため、特に高圧メタルハライドランプにおいて、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるよう、本体の材料及びランプベースの材料の両方の熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion:CTE)と一致する(実施形態a)、又は両方の材料のCTEに橋渡す(実施形態b)フリット材料の補助により、ランプベースをランプ本体に取り付けることができる。
【0018】
このような形で、CTEが、長い動作時間にかけて所望の気密封着及び封入を提供する。通常、約0から約10ppm/Kの範囲の熱膨張係数α20/300が選択される。
【0019】
本発明の実施形態aによれば、ランプベースの材料のCTE、ランプ本体の材料のCTE、フリットの材料のCTEは同一であってよく、例えば、本体/フリット/ベースの材料全てに膨張ゼロの材料を選択してもよい。使用する3つの材料全てのCTE値が同一である場合、CTEbody=CTEbase=CTEfritとなる。しかし、多くの場合、選択した材料のCTEは本質的に同一であるか、又は非常に類似している。全てのCTE値が本質的に同一又は非常に類似している場合、CTEbody〜CTEbase〜CTEfritとなる(すなわち本発明において「〜」と表記した場合、本質的に同一又は非常に類似する、を意味する)。本発明の範疇の中では、「一致する」「本質的に同一」又は「非常に類似する」という用語は、CTE値の選択が、ある一つの材料について所定のCTE値が選択されることから始まり、次にこれに応じて、他の材料が以下のように選択されることを意味するものとする。例えば、前記ある一つの材料についてのCTE値の±1ppm/K、望ましくはCTE値の±0.8ppm/K、より望ましくはCTE値の±0.5ppm/K、最も望ましくはCTE値の±0.25ppm/Kであり、特にCTE値の±0.1ppm/Kであることである。例えば:ランプベースの材料の所与のCTEが4.7ppm/Kの場合、本体及びフリットの材料のCTEは、3.7から5.7ppm/Kの範囲(所与のCTE値±1ppm/K)、望ましくは4.2から5.2ppm/Kの範囲(所与のCTE値±0.5ppm/K)から選択されることとなる。
【0020】
本発明の実施形態bによれば、フリット材料は、一方のランプベース材料のCTEと、他方のランプ本体材料のCTEとの間をとるように調整できる。すなわち、ランプベース材料の熱膨張係数と、ランプ本体の熱膨張係数が例えばCTEbody<又は>CTEbaseのように異なるため、フリット材料の存在により、異なる熱膨張係数間のバランスが平準化される。望ましくは、フリット材料は、本体材料とベース材料熱膨張係数内の或る熱膨張係数を示し、及び/又は、フリット材料は適切な厚さ約Dにて提供される。本体材料/ベース材料の熱膨張係数の差異は、望ましくは2ppm/K以下、より望ましくは1.5ppm/K、最も望ましくは1ppm/Kである。例えば:CTEbody<CTEbaseが成立する。このとき、CTEfrit≦CTEbase、CTEfrit≧CTEbodyである。すなわち、前記差異はフリット材料により平準化される。
【0021】
接着又は接合温度を調節できることにより、使用するフリット材料は、上述の値よりも高い値、又は低い値を有することができる。
【0022】
上述の条件を考慮した場合にのみ、本発明の目的を達成することができる。
【0023】
システムのランプ本体/フリット/ランプベースの封着は、気密性を有し、望ましくはT≧350℃、より望ましくはT≧450℃の温度において安定していれば十分である。
【0024】
ランプベース材料は、この技術分野での使用に適する限り、制限されることはない。このような材料は、電気伝導性材料であっても、絶縁性材料であってよい。例えば、コバール、42合金、窒化アルミニウム等のような金属材料又はセラミック材料を使用することができる。ランプベースはプレート状であることが望ましい。
【0025】
ランプに内在する、ピン、排出管又は供給管のような、電流供給部又は接触部材も制限されないが、これらは、例えばコバール、42合金のようなランプベース材料と合った標準金属で形成することができる。更に、ランプベースの材料と、ピン(1本又はそれ以上)及び管(1本又はそれ以上)の材料は、当然ながらガラス/金属封着のような標準的な封着方法によって処理されるのに適したものでなければならない。本発明によれば、電流供給部又はピンは、上に発光ユニットを取り付けることができる伝導性媒体又は電極である。本発明のさらなる実施形態では、ランプベース材料は、その伝導時に、それ自体が1個の電極として機能することができ、ベースから隔離され、気密封着されていないピンは1本のみ必要とされる。
【0026】
気密封着されており、ランプベースから隔離されている上述の電気接触ピンは、ガラス/金属封着のような従来技術を用いて封着される。伝導ピン/電極に適切なクリープ抵抗を持たせるために、ガラス封着のような封着部の直径を計算することが可能である。
【0027】
又、ベース材料は、内部の大気を排出するために、又は封着後にランプ本体又はバルブ内にガスを充填するために、封じ込められた少なくとも1本(2本以上ある場合にはそれも含む)の管を備えているのが望ましい。この管は、必要な作業の実施が完了した後に、摘み切る、又は溶切することができる。更に、管はベース内の単なる穴に置き換えることもでき、この穴はボール取り付け方法やガラスの半田付けを含む同様の技術を用いて溶接することも可能である。
【0028】
フリット材料は、ガラス又は金属材料の中から選択でき、又、特に、環境を考慮して鉛フリーのものが望ましい。フリット材料は、(第2)本体又は封入バルブ内に含まれるいずれのガス(反応性大気)によっても攻撃されない不働態材料であってよい。フリット材料は、望ましくはガラス又はガラスセラミックが主成分の無機材料である。フリット材料の例は、例えば熱膨張係数を低下させることができる充填剤を含んだ鉛ホウ酸塩複合ガラスのようなガラス材料である。さらなる例として、鉛フリーのビスマス−亜鉛−ホウ酸塩(lead free Bi−Zn−Borate)複合ガラスが挙げられる。
【0029】
更に、フリット材料は、例えば、バルブの動作温度にかけて気密封着を維持するために、500℃を超えるガラス転移温度を持った耐高温性であることも考えられる。
【0030】
フリット材料として使用する金属材料には、銅−銀−パラジウム合金又は金−錫合金のような一般に知られている金属が使用可能である。
【0031】
フリット材料の形状は特に制限されていないが、接着対象である本体及びベースの形状並びにそれらとの接合表面に適合する形状であることが望ましい。したがって、開始段階のフリット材料に応じて、非常に限定された接合ゾーン及び溶融範囲を使用することが可能である。フリット材料は、開始段階ではリング状であってよい。
【0032】
更に、本体又はバルブの形状も特に限定されず、通常、ベース材料とフリット材料の組み合わせ部分と一致する、又は橋渡すことができる種々のガラス又はガラスセラミックから選択されるものを含有する、若しくはこれらで構成される。
【0033】
接着する材料のタイプ及び寸法は、本体/フリット/ベースの封着を形成するために、同一又は異なる材料の様々な組み合わせを選択することを考慮に入れて行われる。本発明によれば、接着又は接合される適切な材料は、その熱膨張係数CTE(単位:ppm/K)に応じて選択され、前記材料はタイプ毎に分類することができる。上述のCTE値に関する条件が満たされている限りは、同一又は異なるタイプの材料を組み合わせることができる。
【0034】
a) タイプ1 熱膨張係数が低い、又はゼロである材料;0≦CTE20/300≦1.3ppm/K;
b) タイプ1gr 勾配を有する材料(傾斜機能材料);0≦CTE20/300≦5ppm/Kであり、後者の接着又は接合面の膨張率は、例えばゼロのように低い;
c) タイプ2 1.3≦CTE20/300≦3.5ppm/Kの範囲の膨張率を有する材料;
d) タイプ3 3.5≦CTE20/300≦5.5ppm/Kの範囲の膨張率を有する材料;
e) タイプ3gr 勾配を有する材料(傾斜機能材料);5≧CTE20/300≧0ppm/Kであり、後者の接着又は接合面の膨張率は、CTE20/300〜4.0ppm/Kのように高い;
f) タイプ4 5.5≦CTE20/300≦9ppm/Kの範囲の材料。
【0035】
CTE〜0ppm/Kの熱膨張係数を有する材料には、例えば、Robax(登録商標)又はZerodur(登録商標)(Schott AG、Mainzの登録商標)のような高温型石英混合結晶の主結晶相を持った透明なリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックが挙げられる。
【0036】
CTE〜0.5ppm/Kの材料には、ケイ酸ガラスSiO2がある。
【0037】
〜1.0ppm/Kの熱膨張係数を有する材料は、例えば、キータイト混合結晶の主結晶相を持った半透明なリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックが挙げられる。
【0038】
1grと分類される材料には、例えば部分的にセラミックであるリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックがある。これらの材料は、ガラスセラミックの環状外部及び半径方向内方にグリーンガラスを有する構造を持つ、局所的にセラミックであるリチウムアルミシリケートLASガラスセラミックである。上記材料は、タイプ1grの勾配を有する。このような材料は以下の組成を有し得る(表中の数値は酸化物ベースによる質量%である):
【表1】
【0039】
タイプ2の材料、すなわち1.3≦CTE20/300≦3.5ppm/Kの範囲の膨張率を有する材料として、以下の表(表中の数値は酸化物ベースによる質量%である)に挙げる、出願人(Schott AG)のタイプ8228、8229、8230の転移ガラスが使用可能である(特許文献4参考)。
【表2】
【0040】
更に、以下の近似組成を有するDURAN8330も使用可能な材料(CTE=3.3ppm/K)である:
【表3】
【0041】
上述のガラス8228、8229、8230、8330は、約80から90質量%のSiO2、約0から15質量%のB2O3、約0から10質量%のAl2O3、及び5%質量未満のR2Oの範囲のガラス組成から成り、この場合、B2O3とAl2O3の合計容量は約7から20%であり、Rは、Li、Na、K、Rb、Csから成るグループのアルカリ金属である。
【0042】
CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する材料(タイプ3)の例は以下に示すことができる:
a) Fe−Ni−Co合金、例えば、“コバール”又は42合金としても知られる、CRS Holdings Inc.,より市販のVacon11(登録商標)の合金。望ましくは合金(例えばコバール、42合金)の組成に従って、3.5から5.5ppm/Kの熱膨張係数を有するFe−Ni−Co合金;
b) 約5.2ppm/KのCTEを有するモリブデン又はドープしたモリブデン;
c) 約4.4ppm/KのCTEを有するタングステン又はドープしたタングステン;
d) 例えば、以下の表に記す近似組成(質量%)を有するSCHOTTのガラス8253のような硬質ガラス:
【表4】
e) ホウケイ酸ガラス;例えば〜4.3ppm/KのCTE20/300を有するSUPRAX8488、又は〜5.0ppm/KのCTE20/300を有するガラス8250;
f) 3.5から5.0ppm/KのCTEを有するリチウムアルミシリケート(LAS)ガラスセラミックタイプのROBAX(登録商標)又はZerodur(登録商標)(非セラミック)の初期ガラス(starting glass);
g) 以下の組成(酸化物を基準として質量%で表す)を有するマグネシウムアルミシリケート(MAS)ガラスセラミック:
【表5】
また、0から4質量%の通常用いられる精錬剤、例えばSnO2、CeO2、SO4、Cl、As2O3、Sb2O3も同様に使用しうる。
【0043】
タイプ3grの材料は、0から4ppm/Kの間で、局所的に異なった膨張係数CTE20/300の勾配を持つ材料(傾斜機能材料)が含まれる。このような材料は、例えば出発材料から、簡便なプロセス制御を用いて製造することができるが、この場合、出発材料は、例えばLASタイプのガラスセラミックであってよい。末端がグリーンガラス領域である、局所にセラミックを有する管状材料の一例は、特許文献5より知られている。
【0044】
5.5から9.0ppm/KのCTE20/300の膨張率を有する材料の例は以下を含む(タイプ4):
a) Al2O3セラミック;
6≦CTE20/300≦8ppm/K;
b) リチウムデシリケートの主結晶相を有するリチウムアルミシリケートガラスセラミック;
約9.0ppm/KのCTE20/300;
c) 銅覆Ni−Feワイヤ;
軸方向に8.5ppm/KのCTE20/300;
d) YAGセラミック;
約8ppm/KのCTE20/300。
【0045】
気密封着システムは、上述のグループのうちの1つのタイプの材料、又は異なるタイプの材料から選択した材料によって可能となる。以下に示す、ランプ本体材料/ランプベース材料の材料組み合わせが好ましく、したがって、フリットの材料は、選択した本体材料/ベース材料を考慮して選択されたガラス材料であることが望ましい。フリット材料は、例えば、任意で充填剤を追加した鉛−ホウ酸塩複合ガラス、鉛フリーのビスマス−亜鉛−ホウ酸塩複合ガラス、又はリン酸を主成分としたガラスから選択できる。以下の例では、更に望ましい材料の組み合わせについて説明する。
【0046】
上述の材料タイプから選択される、ランプ本体材料/フリット材料/ランプベース材料の望ましい材料組み合わせとしては、以下のものが適用可能である:
【0047】
実施形態a:
− タイプ1の材料/タイプ1の材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ1grの材料/タイプ1grの材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ2の材料/タイプ2の材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ3grの材料/タイプ3grの材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ3の材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
MASガラスセラミック/コバール又は42合金;
硬質ガラス/コバール又は42合金;
硬質ガラス/硬質ガラス;
ホウケイ酸ガラス、例えばSchottタイプのガラス8488(SUPRAX)/42合金又はコバール;
ホウケイ酸ガラス、例えばSchottタイプのガラス8488(SUPRAX)/ホウケイ酸ガラス、例えばタイプ8250のガラス;
− タイプ4の材料/タイプ4の材料(ランプ本体/ランプベース)
【0048】
実施形態b:
− タイプ1grの材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
局所的にセラミックであるLASガラスセラミック/42合金又はコバール;
− タイプ3の材料/タイプ1grの材料(ランプ本体/ランプベース)
− タイプ1grの材料/タイプ1の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
高温型石英混合結晶の主結晶相を持った、部分的にセラミックであるLASガラスセラミック/LASガラスセラミック;
− タイプ3grの材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
部分的にセラミックであるLASガラスセラミック/42合金又はコバール;
− タイプ1の材料/タイプ3の材料(ランプ本体/ランプベース)
実例:
高温型石英混合結晶の主結晶相を持った透明なLAS/コバール、42合金;
高温型石英混合結晶の主結晶相を持った、部分的にセラミックであるLASガラスセラミック/LASガラスセラミック。
【0049】
以上のようにある特定の材料の組み合わせが提供され、それにより、望ましいランプベース材料、フリット材料、第2本体材料が選択され、更に改良された特徴を備えた照明装置、特に、高圧メタルハライドランプを提供することが可能となる。
【0050】
本発明の照明装置又は高圧メタルハライドランプは、従来技術におけるあらゆる周知の方法に従って製造することができる。
【0051】
ランプ本体とランプベースの間に緊密で安定した接着又は接合を得るためには、フリット材料を半田材料として使用し、接合又は半田付け方法を実施することができ、この場合、これらの構成要素は、拡散効果によって結合される。フリット材料の溶融温度は前述の他の材料の溶融温度よりも低く、望ましくは約200から700℃である。鉄−ニッケル合金(コバール、42合金)を含んだベースを使用することで、フリット材料の溶融温度は600℃、理想的には500℃を超えない。
【0052】
この接合又は半田付け方法は以下の工程によって実現できる:
a) 例えば加熱器のような熱による方法、
b) 短波赤外線照射、
c) レーザー溶融、
d) 高周波加熱。
【0053】
b)によれば、溶融は光学的方法で実施される。光学的加熱は、ガラスを非常に短時間で溶融する利点を有し、この加熱は、表面の加熱及び熱伝達によってではなく、その内容物が直接加熱されることで起こる。したがって、厚いサンプルの場合に、熱によって応力及び引張が誘発されることを防止できる。
【0054】
従来技術では、短波赤外線照射について説明されているが、フリット材料と、ランプ本体及びランプベースの接着又は接合には関連しては記載されていない。例えば、特許文献6ないし9を挙げることができるが、これらの開示は参照として用いられる。
【0055】
しかしながら、本発明はランプ本体又はバルブをランプベース材料と接合する別の方法も提供しており、これによれば、本体材料の底部は、例えば金、銀、その他のような適切な材料でメタライズされ、ランプベースはニッケル、及び/又は金のような材料でめっきされており、銅−銀−パラジウム合金、金−錫合金、その他の標準の金属半田により結合がなされる。また、さらなる封着方法を、短波IR照射、レーザー、その他を使用して、上述のとおり実施することができる。
【0056】
更に、従来知られている任意の封着方法を採用してもよい。しかしながら、後になってから微調整を行うステップを省くために、ランプベースの形状は、ランプ本体又はバルブを少なくとも1つの電流源又はピンに対して同心であることが望ましい。フリット又は金属半田は、例えば塗布、プレフォームのような方法によって付着させることができる。ランプ本体又はバルブを、取り付け方法により加圧条件下若しくは加圧せずにランプベース上に置き、その後、不活性雰囲気内(例えば窒素)若しくは真空内のいずれかにおいて封着することができる。
【0057】
本発明の利点は以下の通り多様である:
ランプ本体、ランプベース、フリット材料の熱膨張係数を考慮して金属の組み合わせを選択することで、高圧メタルハライドランプのような照明装置の使用中の信頼性、安全性、耐久性が著しく向上する。
【0058】
目的に合った材料の選択又は調整を行うことにより、常温で、又は高温・高圧条件の下での使用が求められた場合には、それに対して最適なランプが得られる。これにより、破損や、動作中に欠陥が進行する傾向が発生しにくくなる。動作時に使用される別の材料の変形によって機械的な応力又は引張は発生せず、使用時の漏洩の危険が最低限に抑えられるか、排除される。
【0059】
フリット材料の形状は特に制限されず、結合する本体及びベースの形状及び接合面に適合する望ましい形状に調節することができる。そのため、開始条件におけるフリット材料に応じて、接着又は接合ゾーン、溶融範囲を狭くすることが可能となる。
【0060】
更に、本発明に係るプロセスによれば、ランプベース内に封着された伝導ピンが中心に封着されており、このピンに発光ユニットが取り付けられている場合には、発光ユニットを第2本体又はバルブ内の中心に常に置くことができるため、プロセス時間が短縮される。
【0061】
本発明では、コスト節約のために組み立て品の部品数を減らすことができ、最終的な組み立て品は、事前に組み立てたランプベース、取り付け媒体、(第2)本体又はバルブによって構成される。そのため、ハウジングに「差し込みピン」タイプの連結を形成する必要性が完全に排除される。ランプベース上に差し込みピンタイプの形状を形成することによって、部品数を減らし、最終的な組み立て品のサイズを縮小することもできる。
【0062】
実施例
次に、以上で説明した本発明を、様々な他の実施形態に従った実施例によって例証し、当業者が本発明を本願明細書から明瞭に理解できるようにする。しかしながら、これらの実施例は単に例証を目的としたものであり、本発明を限定するものとして考慮されるべきではないことを明言する。
【0063】
実施形態a
本発明の1つの実施形態によれば、ランプ本体材料、ベース材料、フリット材料の熱膨張係数が相互に関連して調整され、この場合、CTEbody=CTEbase=CTEfrit、又はCTEbody〜CTEbase〜CTEfritとなる。
【0064】
以下で、本体材料及びベース材料の組み合わせを詳細に説明するが、本技術分野の当業者は、これに応じてフリット材料を選択することができる。
以下の材料の組み合わせは、少なくとも材料の接着又は接合範囲に使用できる。
【実施例1】
【0065】
− 本体又はベースの材料は、4から0ppm/KのCTEを有するタイプ3grの材料から選択でき、そこにおいて、〜4のCTEを有するゾーンは材料の接着又は接合範囲内に位置し、他方の材料(本体又はベース材料)はCTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有するタイプ3の材料である。
【実施例2】
【0066】
− バルブ及びベースの材料は、CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有するタイプ3の材料から選択できる。
本体及びベース材料組み合わせの具体例は以下のとおりである:
a) (実施例1に対し)部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
b) (実施例2に対し)MASガラスセラミックを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
c) (実施例2に対し)硬質ガラスを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
d) (実施例2に対し)例えばSchottタイプのガラス8488のようなホウケイ酸ガラスを、ランプ本体又はベース材料、望ましくは本体材料へ適用し、;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
【0067】
例えば、少なくとも材料の接着又は接合範囲に、以下の材料の組み合わせを使用できる。以下の実施形態は、熱膨張係数が相互に等しい、又は非常に近似している材料の例を示す(実施形態a):
【実施例3】
【0068】
− 4から0ppm/KのCTEの範囲で勾配を有するランプ本体又はベースの材料と、CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(本体又はベース);
【実施例4】
【0069】
CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有するランプ本体及びベース材料;
ベース及び本体材料の組み合わせの具体例は次のとおりである:
a) 部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
b) MASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
【0070】
実施形態b
本発明の以下の実施形態は、異なる膨張係数を有する材料、例えば、上述のとおり分類されたタイプが異なる材料から選択された材料の使用を示す。ランプベース材料及びランプ本体材料のそれぞれの熱膨張係数は、例えばCTEbody<CTEbaseのように異なるため、フリット材料は、異なる熱膨張係数間のバランスを平準化するものであるのが望ましい。またフリット材料は、ランプバルブ及びベース材料の熱膨張係数内の熱膨張係数を示し、及び/又は、フリット材料が適切な厚さDであるのが望ましい。
【0071】
接着又は接合温度を調整することで、上述の値よりも高い又は低い値のフリット材料を使用することが可能となる。熱膨張係数の差異は1ppm/Kを越えないことが望ましい。
【実施例5】
【0072】
− 熱膨張率がゼロ、又は0≦CTE≦1.3ppm/Kと低いランプ本体又はベースの材料と、CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する他方のベース又は本体の材料の組み合わせ。
【実施例6】
【0073】
− 4から0ppm/KのCTEの範囲で勾配を有する(接着又は接合部位において高い膨張率)本体又はベースの材料と、CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(本体又はベース材料)の組み合わせ。
【実施例7】
【0074】
− CTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する本体及びベースの材料;
本体/ベース材料の組み合わせの具体例は以下のとおりである:
a) 部分的にセラミックであるLASガラスセラミック、又は高温型石英混合結晶相を有するLASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
b) MASガラスセラミックを、本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
c) 例えばSchottタイプ8253のような硬質ガラスを、本体材料へ適用し;
コバール又は42合金を、ベース材料へ適用する組み合わせ。
d) 例えばSchottタイプ8488(SUPRAX)のようなホウケイ酸ガラスを、本体材料へ適用し;
42合金又はコバールを、ベース材料へ適用する組み合わせ。
e) 例えばSCHOTTタイプ8253のような硬質ガラスをランプ本体及びベース材料へ適用する組み合わせ。
f) ホウケイ酸ガラスをランプ本体及びベース材料へ適用(例えばSchottタイプ8488(SUPRAX)の本体材料)し;
ガラスタイプ8250をベース材料へ適用する組み合わせ。
【0075】
通常、フリット材料は、熱膨張係数を低下させる充填剤を追加した鉛−ホウ酸複合ガラスであってよい。更に、膨張率を適合させた鉛フリーのビスマス−亜鉛−ホウ酸複合ガラス、又はリン酸が主成分のガラスを使用してもよい。
【0076】
特に、次の性質を有するフリット材料を使用することができる:フリット材料A(CTE20/300が〜4.4ppm/K;Tgが〜325℃;Tjoiningが〜440℃)、又は、フリット材料B(CTE20/300が〜5.6ppm/K;Tgが〜445℃;Tjoiningが540から570℃)。
【0077】
以下の実施形態によれば、熱膨張係数が異なる材料を使用できる。この差異は、フリット材料によって平準化される。CTEbody≦CTEbaseのとき、CTEfrit≦CTEbody、及びCTEfrit≧CTEbulbである。
以下の材料の組み合わせを使用することができる:
【実施例8】
【0078】
− 4から0ppm/Kの範囲でCTEの勾配を有するランプ本体又はベースの材料、及びCTE=3.5から5.5ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(ベース又は本体)。
特定の材料の組み合わせは以下のとおりである:
− 部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、ランプ本体へ適用し;
42合金を、ベース材料に適用する組み合わせ。
更に、以下の材料の組み合わせを使用することもできる:
【実施例9】
【0079】
− 4から0ppm/Kの範囲でCTEの勾配を有するランプベース又は本体材料と、CTE=0から1.3ppm/Kの膨張率を有する、接着される他方の材料(本体又はベース)との組み合わせ。
【0080】
特定の材料の組み合わせの例は以下のとおりである:
− 高温型石英を混合した結晶を含んだ、部分的にセラミックであるLASガラスセラミックを、本体材料に適用し;
LASガラスセラミックを、ベース材料に適用する組み合わせ。
【0081】
次に、以上説明した本発明を、様々な実施形態に従った図面によって例証し、当業者が本発明を本願明細書から明瞭に理解できるようにする。しかし、これらの例は単に例証を目的としたものであり、したがって、本発明を制限するものとして考慮されるべきではない点を明言する。
【0082】
図1においては、フリットリング30を介してランプベース20に接続された第2本体又はバルブ10を示す。第2本体10は、発光ユニットを備えた第1本体(図示せず)を包囲している。第1本体と第2本体10の間の空間は真空であることが望ましい。当然、図1に示す形状(geometry)は、図示されるような第2本体又はバルブ10の形状に限定されるものではなく、当業者に周知のあらゆる形状の使用が可能である。第2本体10に求められる厚さは、設計された第2本体又はバルブ10の内圧と動作温度の必要条件に基づいて計算することができる。
【0083】
通常、第2本体又はバルブ10は、ベースとフリット材料の組み合わせと合うような形で、様々なガラス材料から選択されるガラスにより構成される。ランプベース材料20は、例えば42合金、窒化アルミニウムその他といった、金属又はセラミック材料のような電気伝導性又は絶縁性の材料から選択される。図1では、ランプベース10はプレート状である。
【0084】
フリット材料30は、例えば、第2本体又は封入バルブ10内の反応性ガス雰囲気によって攻撃されることのない、ガラス、ガラスセラミック、金属、特に不働態材料から選択できる。
【0085】
第2本体若しくはバルブ10、フリット30、及びランプベース20の材料のCTEは、本発明に従って、つまり、これらCTEがほぼ同値となるように、又は、フリット材料30の材料が、他の両方の材料の間で材料のCTEのバランスをとり又は補正して、第2本体20の材料とランプベース10の材料の間を橋渡すように、選択される。これにより、ランプ1の動作温度において気密封着が維持され、さらなる応力の発生が防止される。
【0086】
図2では、本発明による照明装置、特に高圧メタルハライドランプの底部の略断面図を以下のとおりに示している(図1と同一の参照番号は同一の部品を意味する);
【0087】
例えば42合金から成り、本実施形態に従って4.6ppm/KのCTEを有するランプベース20は、プラトー部分を設けて設計されており、このプラトー部分は、第2本体10又はそれを包囲するバルブ(図示せず)を封着する。このランプベース材料20には、特にコバールから成り、気密封着を形成するために、図1に示すように、例えばガラスプレフォームでランプベース20内に封着された2本のピン40.1、40.2が設けられている。必要なガスを流入、排出させるために、第2本体又はバルブ10の中心に、例えばコバールから成る管50が設けられていることが望ましい。この管50は、半田材料、例えば銅−銀−パラジウム合金の半田材料によって封着することができる。この組み立て品全体の封着範囲及び接合部分は完全に気密状態にある。
【0088】
例えば、図1に示すように、第2本体又はバルブ10は、上述のとおりの組成と4.7ppm/KのCTE値とを有する、硬質ガラスのようなガラスで作成することができる。必要とされるガラスの厚さは、設計された第2本体及びバルブ10の、必要とされる内圧と動作温度に基づいて計算することができる。
【0089】
例えばガラス製の第2本体10又はバルブを、例えば金属製のランプベース20に封着するための、例えばガラス製のフリット材料30としては、SchottソルダーガラスG018−225が使用可能である。Schottソルダーガラスは、例えば、42合金にも適合する5ppm/KのCTEである鉛を含有するガラスである。このガラスから、ベースプラトーの周囲に一致するようその直径と同程度の内径を有するプレフォームを作成することができる。
【0090】
フィラメント(図示せず)のような、必要となる発光ユニットが搭載され、2つの電極(図示せず)が取り付けられると、第2本体又はバルブ10を、事前に設置したフリットリング30(図示せず)上に、ランプベース20の上から取り付けることができ、その後、適切な封着形状で封着することで、安定した封着を得ることができる。発光ユニットの酸化を防止するために、窒素のような不活性雰囲気内で組み立て品を封着することが重要である。封着が完了したら、第2本体又はバルブ10及びランプベース20によって形成されている封入部に必要なガスを充填し、管50を摘み切ることで、組み立て品が完成し、照明用途のための完全な密封がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による照明装置の上方部分の3次元略図を示す。
【図2】本発明による照明装置の底部の略断面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置、特に高圧メタルハライドランプであり:
− 発光ユニットと;
− 前記発光ユニットを包囲する、望ましくはバルブ形状である本体と;
− 少なくとも2つの電流源又はピンを備えたランプベース
とを備え、
前記ランプベースは、フリット材料を介し、気密状態にて前記本体と接続され、
前記本体の本体材料、前記フリット材料、前記ランプベースのベース材料の材料組み合わせが、
a. 前記フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、前記ランプベースの前記ベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、
又は、
b. 前記フリット材料(CTEfrit)が、前記ランプベースの前記ベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
前記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも前記本体材料、フリット材料及びベース材料の接合面について行われる照明装置。
【請求項2】
請求項1の条件a.を満たすために、前記本体材料、前記ベース材料、前記フリット材料が、同一の(CTEbody=CTEbase=CTEfrit)、もしくは本質的に同一の(CTEbody〜CTEbase〜CTEfrit)熱膨張係数を有するように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
1つのCTE値が固定値として選択され、これに応じて、他方の2つのCTE値が、所与のCTE値±0.8ppm/K、望ましくは所与のCTE値±0.5ppm/K、より望ましくは所与のCTE値±0.25ppm/K、特に所与のCTE値±0.1ppm/Kとなるように決定されることを特徴とする、前記請求項1又は2のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項4】
前記本体材料と前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦1.3ppm/Kの熱膨張係数を有する、ゼロ膨張率又は低膨張率の材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記本体材料と前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦5ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が低膨張率、例えばゼロ膨張率を有することを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記本体材料と前記ベース材料が、CTE20/300=1.3から3.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記本体材料と前記ベース材料が、CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記本体材料と前記ベース材料が、5≧CTE20/300≧0ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が、例えばCTE20/300〜4.0ppm/Kのような高い膨張率を有することを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記本体材料と前記ベース材料が、CTE20/300=5.5から9ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記本体材料と前記ベース材料が、請求項1の条件b.を満たすために、異なる熱膨張係数(CTEbody≠CTEbase)を有するように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記フリット材料の熱膨張係数が、前記本体材料の熱膨張係数と前記ベース材料の熱膨張係数の間にあり、及び/又は、前記フリット材料が適切な厚さDで設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記CTEbodyとCTEbaseの間の差が2ppm/Kを超えず、望ましくは1.5pm/Kを超えず、特に1ppm/Kを超えないことを特徴とする、請求項10又は11のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記本体材料又は前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦1.3ppm/Kの熱膨張係数を有する、ゼロ膨張率又は低い膨張率の材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
前記本体材料又は前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦5ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が、例えばゼロ膨張率のように低い膨張率を有するようになることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項15】
前記本体材料又は前記ベース材料が、CTE20/300=1.3から3.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項16】
前記本体材料又は前記ベース材料が、CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項17】
前記本体材料又は前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦5ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が、例えばCTE20/300〜4.0ppm/Kのような高い膨張率を有するようになることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項18】
前記本体材料又は前記ベース材料が、CTE20/300=5.5から9ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項19】
前記フリット材料が無機材料であり、前記封着が、最大で≧350℃、望ましくは≧450℃の温度に耐えることができることを特徴とする、前記請求項1から18のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項20】
前記フリット材料が金属、ガラス、ガラスセラミックを主成分としていることを特徴とする、前記請求項1から19のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項21】
前記フリット材料が、ガラス又はガラスセラミック材料から選択されることを特徴とする、前記請求項1から20のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項22】
前記フリット材料が鉛ホウ酸塩複合ガラスであることを特徴とする、前記請求項1から21のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項23】
前記フリット材料が、望ましくは無鉛であるガラス材料から選択されることを特徴とする、前記請求項1から22のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項24】
前記フリット材料が無鉛のビスマス−亜鉛−ホウ酸塩(lead free Bi−Zn−Borate)複合ガラスであることを特徴とする、前記請求項1から23のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項25】
前記フリット材料が、リン酸を主成分とした複合ガラスであることを特徴とする、前記請求項1から24のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項26】
前記ランプベースが、例えば金属のような電気伝導性材料、又は、例えばセラミック材料のような電気絶縁性材料であり、これらが、望ましくはコバール、42合金、窒化アルミニウム、ガラス、ガラスセラミックから選択されることを特徴とする、前記請求項1から25のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項27】
前記フリット材料が不働態材料から選択されることを特徴とする、前記請求項1から26のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項28】
前記フリット材料の材料が500℃を超えるガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする、前記請求項1から27のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項29】
前記ランプベースが、前記本体内の大気を排出するために、又、充填後に前記本体あるいはバルブ内にガスを充填するために封着された少なくとも1本の管を備えていることを特徴とする、前記請求項1から28のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項30】
前記照明装置の前記本体が、前記発光ユニットを備えた内部又は第1本体を包囲する外部又は第2本体であることを特徴とする、前記請求項1から29のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項31】
前記照明装置が放熱体であることを特徴とする、前記請求項1から30のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項32】
前記放熱体が白熱電球又はハロゲンライトであることを特徴とする、請求項31に記載の照明装置。
【請求項33】
前記放熱体の1次発光が、不活性ガス、特にクリプトン、アルゴン、キセノンまたはハライドによって包囲された、タングステン金属又はタングステン合金製コイルを加熱することによって生じることを特徴とする、請求項31又は32のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項34】
動作時における前記照明装置内のガス圧力が最大で25バールであることを特徴とする、請求項31から33のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項35】
前記照明装置が放電ランプであることを特徴とする、請求項31に記載の照明装置。
【請求項36】
前記放電ランプが放電空間を備え、前記放電空間が、水銀及び/又は希土類金属イオン及び/又はキセノンのような放電用物質で充填されていることを特徴とする、請求項35に記載の照明装置。
【請求項37】
前記放電空間が放電本体を備えることを特徴とする、請求項36に記載の照明装置。
【請求項38】
前記本体には、前記放電プロセスの紫外線比率、特に水銀の紫外線比率を可視光に変換する蛍光層が内部に設けられていることを特徴とする、請求項37に記載の照明装置。
【請求項39】
前記本体は充填ガスを備え、前記充填ガスは最大で200バール又はこれ以上までの圧力を有することを特徴とする、請求項35から38のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項40】
前記照明装置はメタルハライド放電ランプであることを特徴とする、請求項35に記載の照明装置。
【請求項41】
前記照明装置は、バーナーシステムを設けた内部バルブを備えることを特徴とする、請求項35に記載の照明装置。
【請求項42】
照明装置、特に高圧メタルハライドランプにおいて、ランプ本体をランプベースに接合する方法であって、前記照明装置は、:
− 発光ユニットと;
− 前記発光ユニットを包囲する、望ましくはバルブ形状である本体と;
− 少なくとも2つの電流源又はピンを備えたランプベース
とを備え、
前記ランプベースは、フリット材料を介し、気密状態にて前記本体と接続され、
前記本体の本体材料、フリット材料、前記ランプベースのベース材料の材料組み合わせが、
a. 前記フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、前記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、又は、
b. 前記フリットの材料(CTEfrit)が、前記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
前記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも前記本体材料、フリット材料、ベース材料の接合面について行われ、
前記方法は、:
前記フリット材料が、前記本体材料及びベース材料の接着面又は接合面上に接着させるべく付加され、前記接着又は接合が、
a) 例えば加熱器のような加熱方法
b) 短波赤外線照射
c) レーザ溶融
d) 高周波加熱
のうちのいずれかのステップを備える、方法。
【請求項43】
前記フリット材料が、金属、ガラス、ガラスセラミックを主成分とする材料から選択されることを特徴とする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
(1) 前記本体又はバルブの材料が、底部において適切な材料でメタライズされ;
(2) 前記ランプベースが適切な材料でめっきされ;さらに、
(3) 前記接着が標準の金属半田によって達成される
ことを特徴とする、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記ステップ(1)の前記適切な材料が、金又は銀から選択されることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ステップ(2)の前記適切な材料が、ニッケル及び/又は金から選択されることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記ステップ(3)の前記標準の金属半田が、銅−銀−パラジウム合金又は金−錫合金から選択されることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記ステップ(3)の前記接着が、不活性雰囲気又は真空のいずれかにおいて達成されることを特徴とする、前記請求項44から47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記本体が、前記発光ユニットを備えた内部又は第1本体を包囲している外部又は第2本体であることを特徴とする、前記請求項42から48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
照明装置、特に高圧メタルハライドランプであり:
− 発光ユニットと;
− 前記発光ユニットを包囲する、望ましくはバルブ形状である本体と;
− 少なくとも2つの電流源又はピンを備えたランプベース
とを備え、
前記ランプベースは、フリット材料を介し、気密状態にて前記本体と接続され、
前記本体の本体材料、前記フリット材料、前記ランプベースのベース材料の材料組み合わせが、
a. 前記フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、前記ランプベースの前記ベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、
又は、
b. 前記フリット材料(CTEfrit)が、前記ランプベースの前記ベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
前記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも前記本体材料、フリット材料及びベース材料の接合面について行われる照明装置。
【請求項2】
請求項1の条件a.を満たすために、前記本体材料、前記ベース材料、前記フリット材料が、同一の(CTEbody=CTEbase=CTEfrit)、もしくは本質的に同一の(CTEbody〜CTEbase〜CTEfrit)熱膨張係数を有するように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
1つのCTE値が固定値として選択され、これに応じて、他方の2つのCTE値が、所与のCTE値±0.8ppm/K、望ましくは所与のCTE値±0.5ppm/K、より望ましくは所与のCTE値±0.25ppm/K、特に所与のCTE値±0.1ppm/Kとなるように決定されることを特徴とする、前記請求項1又は2のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項4】
前記本体材料と前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦1.3ppm/Kの熱膨張係数を有する、ゼロ膨張率又は低膨張率の材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記本体材料と前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦5ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が低膨張率、例えばゼロ膨張率を有することを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記本体材料と前記ベース材料が、CTE20/300=1.3から3.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記本体材料と前記ベース材料が、CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記本体材料と前記ベース材料が、5≧CTE20/300≧0ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が、例えばCTE20/300〜4.0ppm/Kのような高い膨張率を有することを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記本体材料と前記ベース材料が、CTE20/300=5.5から9ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記本体材料と前記ベース材料が、請求項1の条件b.を満たすために、異なる熱膨張係数(CTEbody≠CTEbase)を有するように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記フリット材料の熱膨張係数が、前記本体材料の熱膨張係数と前記ベース材料の熱膨張係数の間にあり、及び/又は、前記フリット材料が適切な厚さDで設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記CTEbodyとCTEbaseの間の差が2ppm/Kを超えず、望ましくは1.5pm/Kを超えず、特に1ppm/Kを超えないことを特徴とする、請求項10又は11のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記本体材料又は前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦1.3ppm/Kの熱膨張係数を有する、ゼロ膨張率又は低い膨張率の材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
前記本体材料又は前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦5ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が、例えばゼロ膨張率のように低い膨張率を有するようになることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項15】
前記本体材料又は前記ベース材料が、CTE20/300=1.3から3.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項16】
前記本体材料又は前記ベース材料が、CTE20/300=3.5から5.5ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項17】
前記本体材料又は前記ベース材料が、0≦CTE20/300≦5ppm/Kの範囲で熱膨張係数の勾配を有する材料から成り、その結果、その接着面が、例えばCTE20/300〜4.0ppm/Kのような高い膨張率を有するようになることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項18】
前記本体材料又は前記ベース材料が、CTE20/300=5.5から9ppm/Kの熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項19】
前記フリット材料が無機材料であり、前記封着が、最大で≧350℃、望ましくは≧450℃の温度に耐えることができることを特徴とする、前記請求項1から18のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項20】
前記フリット材料が金属、ガラス、ガラスセラミックを主成分としていることを特徴とする、前記請求項1から19のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項21】
前記フリット材料が、ガラス又はガラスセラミック材料から選択されることを特徴とする、前記請求項1から20のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項22】
前記フリット材料が鉛ホウ酸塩複合ガラスであることを特徴とする、前記請求項1から21のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項23】
前記フリット材料が、望ましくは無鉛であるガラス材料から選択されることを特徴とする、前記請求項1から22のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項24】
前記フリット材料が無鉛のビスマス−亜鉛−ホウ酸塩(lead free Bi−Zn−Borate)複合ガラスであることを特徴とする、前記請求項1から23のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項25】
前記フリット材料が、リン酸を主成分とした複合ガラスであることを特徴とする、前記請求項1から24のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項26】
前記ランプベースが、例えば金属のような電気伝導性材料、又は、例えばセラミック材料のような電気絶縁性材料であり、これらが、望ましくはコバール、42合金、窒化アルミニウム、ガラス、ガラスセラミックから選択されることを特徴とする、前記請求項1から25のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項27】
前記フリット材料が不働態材料から選択されることを特徴とする、前記請求項1から26のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項28】
前記フリット材料の材料が500℃を超えるガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする、前記請求項1から27のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項29】
前記ランプベースが、前記本体内の大気を排出するために、又、充填後に前記本体あるいはバルブ内にガスを充填するために封着された少なくとも1本の管を備えていることを特徴とする、前記請求項1から28のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項30】
前記照明装置の前記本体が、前記発光ユニットを備えた内部又は第1本体を包囲する外部又は第2本体であることを特徴とする、前記請求項1から29のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項31】
前記照明装置が放熱体であることを特徴とする、前記請求項1から30のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項32】
前記放熱体が白熱電球又はハロゲンライトであることを特徴とする、請求項31に記載の照明装置。
【請求項33】
前記放熱体の1次発光が、不活性ガス、特にクリプトン、アルゴン、キセノンまたはハライドによって包囲された、タングステン金属又はタングステン合金製コイルを加熱することによって生じることを特徴とする、請求項31又は32のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項34】
動作時における前記照明装置内のガス圧力が最大で25バールであることを特徴とする、請求項31から33のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項35】
前記照明装置が放電ランプであることを特徴とする、請求項31に記載の照明装置。
【請求項36】
前記放電ランプが放電空間を備え、前記放電空間が、水銀及び/又は希土類金属イオン及び/又はキセノンのような放電用物質で充填されていることを特徴とする、請求項35に記載の照明装置。
【請求項37】
前記放電空間が放電本体を備えることを特徴とする、請求項36に記載の照明装置。
【請求項38】
前記本体には、前記放電プロセスの紫外線比率、特に水銀の紫外線比率を可視光に変換する蛍光層が内部に設けられていることを特徴とする、請求項37に記載の照明装置。
【請求項39】
前記本体は充填ガスを備え、前記充填ガスは最大で200バール又はこれ以上までの圧力を有することを特徴とする、請求項35から38のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項40】
前記照明装置はメタルハライド放電ランプであることを特徴とする、請求項35に記載の照明装置。
【請求項41】
前記照明装置は、バーナーシステムを設けた内部バルブを備えることを特徴とする、請求項35に記載の照明装置。
【請求項42】
照明装置、特に高圧メタルハライドランプにおいて、ランプ本体をランプベースに接合する方法であって、前記照明装置は、:
− 発光ユニットと;
− 前記発光ユニットを包囲する、望ましくはバルブ形状である本体と;
− 少なくとも2つの電流源又はピンを備えたランプベース
とを備え、
前記ランプベースは、フリット材料を介し、気密状態にて前記本体と接続され、
前記本体の本体材料、フリット材料、前記ランプベースのベース材料の材料組み合わせが、
a. 前記フリット材料の材料熱膨張係数(CTEfrit)が、前記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)とそれぞれ一致するように、又は、
b. 前記フリットの材料(CTEfrit)が、前記ランプベースのベース材料の熱膨張係数(CTEbase)及び前記本体の本体材料の熱膨張係数(CTEbody)のそれぞれに橋渡すように選択され、
前記選択が、封着を維持し、圧力及び温度条件に耐えるために、少なくとも前記本体材料、フリット材料、ベース材料の接合面について行われ、
前記方法は、:
前記フリット材料が、前記本体材料及びベース材料の接着面又は接合面上に接着させるべく付加され、前記接着又は接合が、
a) 例えば加熱器のような加熱方法
b) 短波赤外線照射
c) レーザ溶融
d) 高周波加熱
のうちのいずれかのステップを備える、方法。
【請求項43】
前記フリット材料が、金属、ガラス、ガラスセラミックを主成分とする材料から選択されることを特徴とする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
(1) 前記本体又はバルブの材料が、底部において適切な材料でメタライズされ;
(2) 前記ランプベースが適切な材料でめっきされ;さらに、
(3) 前記接着が標準の金属半田によって達成される
ことを特徴とする、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記ステップ(1)の前記適切な材料が、金又は銀から選択されることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ステップ(2)の前記適切な材料が、ニッケル及び/又は金から選択されることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記ステップ(3)の前記標準の金属半田が、銅−銀−パラジウム合金又は金−錫合金から選択されることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記ステップ(3)の前記接着が、不活性雰囲気又は真空のいずれかにおいて達成されることを特徴とする、前記請求項44から47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記本体が、前記発光ユニットを備えた内部又は第1本体を包囲している外部又は第2本体であることを特徴とする、前記請求項42から48のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2007−103361(P2007−103361A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261754(P2006−261754)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】
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