説明

照明装置およびバックライトユニット

【課題】電源供給経路の断線などに起因して電源供給が絶たれたとしても、全ての発光部が消灯してしまうことを防止し、もってその後の視認性を確保できるようにする。
【解決手段】複数の発光部20それぞれを分類してなるグループ毎に異なる電源供給経路を介して電源供給が行われ、一部の電源供給経路による電源供給がその断線などの要因で絶たれたとしても、他の電源供給経路による電源供給までは絶たれない。また、発光部20それぞれを分類してなるグループそれぞれには、少なくとも隣接する発光部20同士が含まれていない。同一グループの各発光部20には同一の電源供給経路を介して電源供給が行われないため、隣接する発光部20同士が同一グループに含まれていないことにより、隣接する発光部20同士が必ず異なる電源供給経路を介して電源供給を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ1以上の発光素子からなる発光部を複数備え、該発光部それぞれが特定の方向に沿って配置され、かつ、該発光部の配置方向と交差する面に前記発光部それぞれにより発せられる光の光軸を投影した場合に、該光軸それぞれが前記発光部を中心とする所定の角度範囲内に位置する方向へと、前記発光部それぞれの光を発する方向が向けられてなる照明装置,に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、上記のような照明装置に関しては、特定の発光部が故障などの要因で消灯した場合にも、各発光部による発光を継続させて照明装置としての輝度の低下を防止するための技術が提案されている。
【0003】
具体的には、直列接続された複数の発光部(LED)に対して並列に電流をバイパスさせることができるようにし、特定の発光部が消灯した場合にも他の発光部に対する電源供給を継続させて他の発光部までも消灯しないようにすることによって、照明装置としての輝度の低下を防止する、といった技術である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−165161号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した技術においても、各発光部に対する電源供給を行う電源供給経路が断線するなどして電源供給が元から絶たれてしまうと、全ての発光部が消灯してしまうため、その後の視認性を確保することができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電源供給経路の断線などに起因して電源供給が絶たれたとしても、全ての発光部が消灯してしまうことを防止し、もってその後の視認性を確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためには、それぞれ1以上の発光素子からなる発光部を複数備え、該発光部それぞれが特定の方向に沿って配置され、かつ、該発光部の配置方向と交差する面に前記発光部それぞれにより発せられる光の光軸を投影した場合に、該光軸それぞれが前記発光部を中心とする所定の角度範囲内に位置する方向へと、前記発光部それぞれの光を発する方向が向けられてなる照明装置,を次のようにした第1の構成(請求項1)とすることが考えられる。
【0007】
この構成においては、前記発光部それぞれを、少なくとも前記配置方向に隣接する前記発光部同士が含まれないように複数のグループに分類した場合において、それぞれ特定のグループにおける全ての前記発光部に対する電源供給を行う複数の電源供給経路,を備えている。
【0008】
このように構成された照明装置であれば、複数の発光部それぞれを分類してなるグループ毎に異なる電源供給経路を介して電源供給が行われ、一部の電源供給経路による電源供給がその断線などの要因で絶たれたとしても、他の電源供給経路による電源供給までは絶たれない。つまり、全ての電源供給経路による電源供給が絶たれない限り、全ての発光部が消灯してしまうことはない。
【0009】
これにより、ある電源供給経路が断線などの要因でそれによる電源供給が絶たれたとしても、全ての発光部が消灯してしまうことを防止することができるため、そうして消灯した以外の発光部により、その後の視認性を確保することができる。
【0010】
さらに、上記構成では、発光部それぞれを分類してなるグループそれぞれには、少なくとも配置方向に隣接する発光部同士が含まれていない。ここで、同一グループの各発光部には同一の電源供給経路を介して電源供給が行われることからすると、隣接する発光部同士が同一グループに含まれていないということは、隣接する発光部同士が必ず異なる電源供給経路を介して電源供給を受けるということを意味している。
【0011】
そうすると、ある電源供給経路を介した電源供給が絶たれた場合に、このことを要因として隣接する発光部同士が同時に消灯してしまうことがなくなるため、各発光部に照らされていた領域全体のうちの一部領域が照らされなくなったとしても、そのように照らされなくなる領域が発光部2つ分以上連続してしまうことはない。
【0012】
その結果、各発光部に照らされていた領域全体のうち、広範囲にわたって連続的に暗くなってしまう領域が発生してしまうことを防止できるため、そのような領域により部分的に視認性が低下してしまうことを防止できる。
【0013】
なお、上記構成において、各発光部への電源供給経路を介した電源供給は、照明装置またはこれと一体として用いられる装置に搭載されたドライバ(駆動用の電源を供給する回路)を、その電源供給経路に接続することにより実現されることとなる。
【0014】
この場合、電源供給経路毎に異なるドライバを接続して照明装置を使用することとすればよいが、電源供給経路の数だけドライバを用意することに問題がある場合には、2以上の電源供給経路に対して同一のドライバを接続することとしてもよい。
【0015】
ここで、「2以上の電源供給経路に対して同一のドライバを接続する」とは、具体的にいえば、前記発光部それぞれを分類した所定数n(3≦n)のグループそれぞれに対応する電源供給経路に、前記発光部への電源供給を行う所定数m(m<n)のドライバそれぞれのうち、いずれかのドライバを接続する、ということである。
【0016】
この場合には、ドライバ毎の電源供給量の低下や供給電源のバラツキなどを考慮して、上記第1の構成を以下に示すようにした第2の構成(請求項2)とするとよい。
この構成において、前記電源供給経路は、少なくとも、同一のドライバにより電源供給を受け、かつ、前記配置方向に隣接する前記発光部同士が含まれないように複数のグループに分類した場合において、それぞれが特定のグループにおける全ての前記発光部に対する電源供給を行うように構成されている。
【0017】
この構成であれば、発光部を分類してなるグループそれぞれには、少なくとも、同一のドライバにより電源供給を受け、かつ、配置方向に隣接する発光部同士が含まれていない。ここで、同一グループに、同一のドライバにより電源供給を受ける発光部同士が含まれていないということは、隣接する発光部同士が必ず異なるドライバを介して電源供給を受けるように構成されているということを意味している。
【0018】
そうすると、あるドライバを介した電源供給量が故障などの要因で低下した場合や、ドライバ毎の供給電源にバラツキがある場合に、このことを要因として隣接する発光部同士が同時に暗くなってしまうことがなくなるため、各発光部に照らされていた領域全体のうちの一部領域が暗くなったとしても、そのような暗くなった領域が発光部2つ分以上連続してしまうことがない。
【0019】
その結果、各発光部に照らされていた領域全体のうち、広範囲にわたって連続的に暗くなってしまう領域が発生してしまうことを防止できるため、そのような領域により部分的に視認性が低下してしまうことを防止できる。
【0020】
ところで、上記各構成における発光部それぞれは、少なくとも隣接する発光部同士が含まれないようにグループ化すればよく、グループにおける各発光部の間隔については特に限定されない。
【0021】
ただ、照明装置として各発光部により照らされる領域全体の輝度を均一化させるためには、発光部の配置された領域全長においてそれぞれ均等な間隔で配置されている2以上の発光部を同一のグループのものとすることが望ましい。
【0022】
このためには、上記各構成を以下に示すようにした第3の構成(請求項3)とすればよい。この構成において、前記電源供給経路は、前記発光部の配置された領域全長においてそれぞれ均等な間隔で配置されている2以上の前記発光部からなる複数のグループに分類した場合において、それぞれが特定のグループにおける全ての前記発光部に対する電源供給を行うように構成されている。
【0023】
この構成であれば、発光部を分類してなるグループそれぞれは、発光部の配置された領域全長においてそれぞれ均等な間隔で配置された発光部からなるものとなる。
そのため、ある電源供給経路を介した電源供給が絶たれ、その電源供給を受けていた同一グループの発光部により照らされなくなる暗い領域が発生したとしても、そのように暗い領域は、均等な間隔であるが故に、電源供給が絶たれていない他の発光部により発せられる光により補完される結果、視覚的に大きく視認性が低下してしまうこともない。
【0024】
このことは、あるドライバを介した電源供給量が故障などの要因で低下した場合や、ドライバ毎の供給電源にバラツキがある場合に、その電源供給を受けていた同一グループの発光部により照らされなくなる暗い領域が発生した状況においても同様である。
【0025】
また、上記課題を解決するための構成としては、上記第1〜3のいずれかの構成における照明装置と、光を透過可能な部材で形成された板状の光学部材と、を、前記照明装置の発光部それぞれから発せられる光が、前記光学部材の端部から該光学部材の内部に照射されるように配置してなるバックライトユニット(請求項4)としてもよい。
【0026】
この構成であれば、上記照明装置と同様の作用,効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
バックライトユニット1は、図1に示すように、光を透過可能な部材で形成された板状の光学部材2と、この光学部材2における長手方向(図1における奥へ向かう方向)の端面(同図下端面)からその内部に光を照射する照明装置3と、からなり、この光学部材2の表面を液晶パネル4の裏面に重ねた状態で用いられるものである。
【0028】
照明装置3は、光学部材2の長手方向の端面に沿って延びる板状の基板10と、この基板10において光学部材2側に位置する面上に配置された複数の発光部20と、を備えている。
【0029】
この発光部20は、1つの発光素子22からなるものであって、図2に示すように、それぞれが基板10における長手方向(図1における奥へ向かう方向,図2における左右方向)に沿って一定間隔で均等に配置されている。
【0030】
そして、発光部20(の発光素子22)それぞれが光を発する方向は、基板10表面から光学部材2へと向かう方向(図1における下から上へ向かう方向)であって、その配置方向(基板10の長手方向)と交差する面(同図紙面)に発光部20それぞれにより発せられる光の光軸Lを投影した場合に、この光軸Lそれぞれが発光部20を中心とする所定の角度範囲内に位置する(本実施形態では、光軸Lそれぞれが重なるように位置する)方向へと向けられている(図1参照)。
【0031】
また、基板10には、発光部20それぞれを、少なくとも隣接する発光部20同士が含まれないように複数のグループに分類した場合において、それぞれ特定のグループにおける全ての発光部20に対する電源供給を行う複数の電源供給経路が形成されている。この電源供給経路には、同一グループに分類された発光部20の発光素子22それぞれが直列接続されたものであり、これにより各発光素子22に対する電源供給を行う。
【0032】
なお、各発光部20への電源供給経路を介した電源供給は、その電源供給経路にドライバ(駆動用の電源を供給する回路)を接続することにより実現される。このドライバは、バックライトユニット1や照明装置3そのものに搭載されたものとして構成してもよいし、これらと一体として用いられる装置に搭載されたものとしてもよい。
【0033】
以下、上述した「少なくとも長手方向に隣接する発光部20同士が含まれないグループ(以降「不隣接グループ」という)」の定め方に応じた複数の実施形態を説明する。
(2)第1実施形態
本実施形態において「不隣接グループ」は、発光部20それぞれを所定値c(2≦c)のグループに分類することを考えると、例えば、複数の発光部20が配置された方向に沿ってそれぞれc−1個おきに登場する全ての発光部20で構成されるグループとすることが考えられる。この場合、各不隣接グループは、発光部20の配置された領域全長において、それぞれ均等な間隔(発光部20の中心距離c個分の間隔)で配置されている2以上の発光部20により構成されたものとなる。
【0034】
この場合において、不隣接グループが2つのグループである場合を例示すると、図3に示すように、複数の発光部20が配置された方向(同図左から右の方向)に沿ってそれぞれ1個おきに登場する発光部20それぞれに対して電源供給を行う2系統の電源供給経路12,14が設けられることとなる。また、不隣接グループが3つのグループである場合を例示すると、図4に示すように、複数の発光部20が配置された方向(同図左から右の方向)に沿ってそれぞれ2個おきに登場する発光部20それぞれに対して電源供給を行う3系統の電源供給経路12,14,16が設けられることとなる。
【0035】
なお、この実施形態においては、複数の発光部20が配置された方向に沿ってそれぞれc−1個おきに登場する所定数の発光部20で構成されるグループそれぞれと、それ以降にc−1個おきに登場する全ての発光部20で構成されるグループそれぞれと、を「不隣接グループ」としてもよい。この場合、各不隣接グループは、発光部20の配置された領域における一部分において、それぞれ均等な間隔で配置されている2以上の発光部20により構成されたものとなる。
【0036】
この場合において、不隣接グループが4つのグループである場合を例示すると、図5に示すように、複数の発光部20が配置された方向に沿ってそれぞれ1個おきに登場する所定数の発光部20それぞれに対して電源供給を行う2系統の電源供給経路12,14と、それ以降にそれぞれ1個おきに登場する全ての発光部20それぞれに対して電源供給を行う2系統の電源供給経路16,18と、が設けられることとなる。
【0037】
この実施形態に係る構成であれば、複数の発光部20それぞれを分類してなるグループ毎に異なる電源供給経路を介して電源供給が行われ、一部の電源供給経路による電源供給がその断線などの要因で絶たれたとしても、他の電源供給経路による電源供給までは絶たれない。つまり、全ての電源供給経路による電源供給が絶たれない限り、全ての発光部20が消灯してしまうことはない。
【0038】
これにより、ある電源供給経路が断線などの要因でそれによる電源供給が絶たれたとしても、全ての発光部20が消灯してしまうことを防止することができるため、そうして消灯した以外の発光部20により、その後の視認性を確保することができる。
【0039】
さらに、発光部20それぞれを分類してなるグループそれぞれには、少なくとも隣接する発光部20同士が含まれていない。ここで、同一グループの各発光部20には同一の電源供給経路を介して電源供給が行われることからすると、隣接する発光部20同士が同一グループに含まれていないということは、隣接する発光部20同士が必ず異なる電源供給経路を介して電源供給を受けるように構成されているということを意味している。
【0040】
そうすると、ある電源供給経路を介した電源供給が絶たれた場合に、このことを要因として隣接する発光部20同士が同時に消灯してしまうことがなくなるため、各発光部20に照らされていた領域全体のうちの一部領域が照らされなくなったとしても、そのように照らされなくなる領域が発光部20の2つ分以上連続してしまうことはない。
【0041】
その結果、各発光部20に照らされていた領域全体のうち、広範囲にわたって連続的に暗くなってしまう領域が発生してしまうことを防止できるため、そのような領域により部分的に視認性が低下してしまうことを防止できる。
【0042】
また、上記実施形態においては、発光部20の配置された領域全長においてそれぞれ均等な間隔で配置されている2以上の発光部20からなる複数のグループが、「不隣接グループ」として分類されている。これにより、発光部20を分類してなるグループそれぞれは、発光部20の配置された領域全長においてそれぞれ均等な間隔で配置された発光部20からなるものとなる。
【0043】
そのため、ある電源供給経路を介した電源供給が絶たれ、その電源供給を受けていた同一グループの発光部20により照らされなくなる暗い領域が発生したとしても、そのように暗い領域は、均等な間隔であるが故に、電源供給が絶たれていない他の発光部20により発せられる光により補完される結果、視覚的に大きく視認性が低下してしまうこともない。
【0044】
このことは、あるドライバを介した電源供給量が故障などの要因で低下した場合や、ドライバ毎の供給電源にバラツキがある場合に、その電源供給を受けていた同一グループの発光部により照らされなくなる暗い領域が発生した状況においても同様である。
【0045】
なお、上述したように、視認性が大きく低下してしまうことが防止できる構成は、上記バックライトユニット1を、車両において周辺の映像を映すべき表示装置に適用した場合において特に有効である。
【0046】
そのような表示装置においては、車両の運転者から死角となる領域の映像を表示するために用いられることが一般的であるところ、視認性が大きく低下してしまうということは、そのような死角となる領域が適切に確認できなくなってしまうことを意味する。このようなことは、車両の運転を安全ならしめる意味では好ましくない。
【0047】
ところが、上記実施形態のように、視認性を大きく低下させてしまうことのないバックライトユニット1であれば、たとえ、一部の発光部20により照らされていた領域が暗くなったとしても、全体的な視認性が大きく低下することを防止できるため、車両における死角が適切に確認できなくなるようなことが防止できる。
(3)第2実施形態
この実施形態は、電源供給経路の数だけドライバを用意することに対する製造コストなどを考慮し、2以上の電源供給経路に対して同一のドライバを接続するものとした点で上記実施形態と相違している。
【0048】
この「2以上の電源供給経路に対して同一のドライバを接続する」とは、具体的にいえば、発光部20それぞれを分類した所定数n(3≦n)のグループそれぞれに対応する電源供給経路に、発光部20への電源供給を行う所定数m(m<n)のドライバそれぞれのうち、いずれかのドライバを接続することである。
【0049】
この実施形態において「不隣接グループ」は、少なくとも、同一のドライバにより電源供給を受け、かつ、基板10の長手方向に隣接する発光部20同士が含まれないようなグループとされている。
【0050】
具体的な例として、不隣接グループが4つのグループである場合を例示すると、図6に示すように、複数の発光部20が配置された方向(同図左から右の方向)に沿ってそれぞれ3個おきに登場する発光部20それぞれに対して電源供給を行う4系統の第1〜第4電源供給経路12,14,16,18が設けられる。
【0051】
これら電源供給経路は、第1,第3電源供給経路12,16と、第2,第4電源供給経路14,18とが、それぞれ同一のドライバD1,D2に接続されるものであり、複数の発光部20が配置された方向に沿って発光部20が登場する順番で第1〜第4の番号を割り当てたものである。
【0052】
そのため、第i(i=1〜4)電源供給経路12を介して電源供給を受ける発光部20には、それぞれ第i−1(iが「1」のときは「4」,以下同様)電源供給経路および第i+1電源供給経路を介して電源供給を受ける発光部20それぞれと隣接し、それ以外の電源供給経路を介して電源供給を受ける発光部20とは隣接しない。
【0053】
この後者の電源供給経路とは、第1電源供給経路12に対する第3電源供給経路16,および,第2電源供給経路14に対する第4電源供給経路18であり、それぞれ同一のドライバに接続されたものである。つまり、それぞれ同一のドライバに接続された第1,第3電源供給経路12,16、および、第2,第4電源供給経路14,18により電源供給を受ける発光部20同士は隣接していない。
【0054】
また、不隣接グループが3つのグループである場合として、図7(a)に示すように、複数の発光部20が配置された方向(同図左から右の方向)に沿ってそれぞれ2個おきに登場する発光部20それぞれに対して電源供給を行う3系統の第1〜第3電源供給経路12,14,16が設けられる場合を例示する。
【0055】
この場合における電源供給経路は、複数の発光部20が配置された方向に沿って発光部20が登場する順番で第1〜第3の番号を割り当てたとすると、第1,第3電源供給経路12,16と、第2電源供給経路14とが、それぞれ同一のドライバD1,D2に接続されるものとなる。
【0056】
また、不隣接グループが3つのグループである場合として、図7(b)に示すように、複数の発光部20が配置された方向(同図左から右の方向)に沿ってそれぞれ3個おきに登場する発光部20それぞれに対して電源供給を行う2系統の第1,第3電源供給経路12,16と、1個おきに登場する発光部20それぞれに対して電源供給を行う1系統の第2電源供給経路14が設けられる場合を例示する。
【0057】
この場合における電源供給経路は、複数の発光部20が配置された方向に沿って発光部20が登場する順番で第1〜第3の番号を割り当てたとすると、第1,第3電源供給経路12,16と、第2電源供給経路14とが、それぞれ同一のドライバD1,D2に接続されるものとなる。
【0058】
そのため、第1,第3電源供給経路12,16を介して電源供給を受ける発光部20には、それぞれ第2電源供給経路14を介して電源供給を受ける発光部20と隣接し、それ以外の電源供給経路を介して電源供給を受ける発光部20とは隣接しない。
【0059】
また、第2電源供給経路14を介して電源供給を受ける発光部20には、それぞれ第1電源供給経路12および第3電源供給経路16を介して電源供給を受ける発光部20それぞれと隣接し、それ以外の電源供給経路を介して電源供給を受ける発光部20とは隣接しない。
【0060】
ここでいう「それ以外の電源供給経路」とは、第1電源供給経路12に対する第3電源供給経路16,および,同一の電源供給経路であり、同一のドライバに接続されたものである。つまり、それぞれ同一のドライバに接続された電源供給経路により電源供給を受ける発光部20同士は隣接していない。
【0061】
なお、この実施形態においては、複数の発光部20が配置された方向に沿ってそれぞれc−1個おきに登場する所定数の発光部20で構成されるグループそれぞれと、それ以降にc−1個おきに登場する全ての発光部20で構成されるグループそれぞれと、を「不隣接グループ」としてもよい。
【0062】
この場合において、不隣接グループが4つのグループである場合を例示すると、図8に示すように、複数の発光部20が配置された方向(同図左から右の方向)に沿ってそれぞれ1個おきに登場する所定数の発光部20それぞれに対して電源供給を行う2系統の電源供給経路12,14と、それ以降にそれぞれ1個おきに登場する全ての発光部20それぞれに対して電源供給を行う2系統の電源供給経路16,18と、が設けられることとなる。
【0063】
上記実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の構成により得られる作用,効果の他、次のような作用,効果を得ることができる。
まず、発光部20を分類してなるグループそれぞれには、少なくとも、同一のドライバにより電源供給を受け、かつ、隣接する発光部20同士が含まれていない。
【0064】
ここで、同一グループに、同一のドライバにより電源供給を受ける発光部20同士が含まれていないということは、隣接する発光部20同士が必ず異なるドライバを介して電源供給を受けるように構成されているということを意味している。
【0065】
そうすると、あるドライバを介した電源供給量が故障などの要因で低下した場合や、ドライバ毎の供給電源にバラツキがある場合に、このことを要因として隣接する発光部20同士が同時に暗くなってしまうことがなくなるため、各発光部20に照らされていた領域全体のうちの一部領域が暗くなったとしても、そのような暗くなった領域が発光部20の2つ分以上連続してしまうことがない。
【0066】
その結果、各発光部20に照らされていた領域全体のうち、広範囲にわたって連続的に暗くなってしまう領域が発生してしまうことを防止できるため、そのような領域により部分的に視認性が低下してしまうことを防止できる。
(4)その他
本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0067】
例えば、上記実施形態においては、発光部20が単一の発光素子22からなる構成とされたものを例示した。しかし、発光部20それぞれは、図9(a),(b)に示すように、少なくとも一部の発光部20を、複数(例えば、2つ)の発光素子22からなるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】バックライトユニットの全体構成を示す側面図
【図2】照明装置の全体構成を示す上面図
【図3】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(1/7)
【図4】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(2/7)
【図5】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(3/7)
【図6】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(4/7)
【図7】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(5/7)
【図8】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(6/7)
【図9】照明装置における各発光部と電源供給経路との関係を示す図(7/7)
【符号の説明】
【0069】
1…バックライトユニット、2…光学部材、3…照明装置、4…液晶パネル、10…基板、12,14,16,18…電源供給経路、20…発光部、22…発光素子、D1,D2…ドライバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1以上の発光素子からなる発光部を複数備え、該発光部それぞれが特定の方向に沿って配置され、かつ、該発光部の配置方向と交差する面に前記発光部それぞれにより発せられる光の光軸を投影した場合に、該光軸それぞれが前記発光部を中心とする所定の角度範囲内に位置する方向へと、前記発光部それぞれの光を発する方向が向けられてなる照明装置であって、
前記発光部それぞれを、少なくとも前記配置方向に隣接する前記発光部同士が含まれないように複数のグループに分類した場合において、それぞれ特定のグループにおける全ての前記発光部に対する電源供給を行う複数の電源供給経路,を備えている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記発光部それぞれを分類した所定数n(3≦n)のグループそれぞれに対応する電源供給経路に、前記発光部への電源供給を行う所定数m(m<n)のドライバそれぞれのうち、いずれかのドライバを接続することにより、その電源供給経路を介した前記発光部への電源供給が実現される場合において、
前記電源供給経路は、少なくとも、同一のドライバにより電源供給を受け、かつ、前記配置方向に隣接する前記発光部同士が含まれないように複数のグループに分類した場合において、それぞれが特定のグループにおける全ての前記発光部に対する電源供給を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記電源供給経路は、前記発光部の配置された領域全長においてそれぞれ均等な間隔で配置されている2以上の前記発光部からなる複数のグループに分類した場合において、それぞれが特定のグループにおける全ての前記発光部に対する電源供給を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の照明装置と、光を透過可能な部材で形成された板状の光学部材と、を、前記照明装置の発光部それぞれから発せられる光が、前記光学部材の端部から該光学部材の内部に照射されるように配置してなる
ことを特徴とするバックライトユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−99555(P2009−99555A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244480(P2008−244480)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】