説明

照明装置および表示装置

【課題】表示装置から表示部に照射される光の強度の均一性の低下を軽減することができるフロントライト方式の照明装置、及び、係る照明装置を備えた表示装置を提供する。
【解決手段】本開示の表示装置は、反射型の表示部、及び、表示部の上に配置される照明装置、を備えており、照明装置は、透光性の基板、基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列された複数の発光部、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は照明装置に関する。また、本開示は照明装置と反射型の表示部とを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光の反射率を制御することによって画像を表示する反射型の表示部を備えた表示装置が知られている。また、このような表示装置に用いられる反射型の表示部として、反射型の液晶表示パネルや電子ペーパーなどが知られている。
【0003】
反射型の液晶表示パネルは、光を反射する反射膜などを備えており、液晶層によって光の反射率を制御して画像を表示する。また、電子ペーパーは、例えば白色と黒色の顔料を画像のパターンに応じて移動させるなどといった動作によって、表面の反射率を変えて画像を表示する。
【0004】
反射型の表示部を備えた表示装置は外光を利用して画像を表示することができるので、低消費電力化、薄型化および軽量化を達成することができ、例えば携帯用電子機器の表示装置として利用されている。
【0005】
反射型の表示部を備えた表示装置は、明所視ができる程度の環境照度下であれば支障なく画像を視認することができる。しかしながら、薄明視または暗所視ができる程度といった環境照度下では、画像の視認性が低下する。
【0006】
そこで、照度の低い環境下における視認性の向上を図るために、反射型の表示部の前面に対向して配置され、表示部に光を照射する照明装置(所謂フロントライト方式の照明装置)を備えた構成の表示装置も提案されている。このような照明装置として、基板上に分散して配列された複数の発光部を備えた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この照明装置は、透光性の基板と、基板の表示部側の面に配置された複数の発光部と、透光性の導電材料から構成され、発光部に接続された配線とを備えている(特許文献1の図1ないし図3を参照)。表示部の画像は、照明装置を構成する透光性の基板を介して観察される。従って、表示部の画像は、表示部の前面に発光部などが配置された状態で観察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−77865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
基板の表示部側の面に配置された複数の発光部を備えた照明装置にあっては、発光部からの光が画像観察者の目に直接向かうことを防ぐ必要がある。例えば、基板と発光部との間に遮光部を設けることで発光部からの光が画像観察者に直接向かうといったことを防ぐことができる。しかしながら、この場合は画像観察者が遮光部が配された基板を介して画像を観察することになるので、例えば遮光部の配列ピッチが粗い等といった場合に画像観察者が遮光部によるドット感を感ずることが考えられる。一方、例えば発光部の個数が増えるほど発光部の一部に欠陥を生ずるといった確率も増えるので、照明装置の信頼性などといった観点からは、発光部の配列ピッチはある程度粗く設定するといったことが好ましい。
【0009】
従って、本開示の目的は、画像観察者が遮光部によるドット感を感じないかあるいは気にならないようにすることができ、また、発光部の配列ピッチもある程度粗く設定することができるフロントライト方式の照明装置、及び、係る照明装置を備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本開示の表示装置は、
反射型の表示部、及び、
表示部の上に配置される照明装置、
を備えており、
照明装置は、
透光性の基板、
基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、
遮光部の個数よりも少ない個数の発光部、
を含んでおり、
複数の発光部は、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列されている、
表示装置である。
【0011】
上記の目的を達成するための本開示の照明装置は、
反射型の表示部の上に配置される照明装置であって、
透光性の基板、
基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、
遮光部の個数よりも少ない個数の発光部、
を含んでおり、
複数の発光部は、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列されている、
照明装置である。
【発明の効果】
【0012】
本開示の表示装置に用いられる照明装置、あるいは又、本開示の照明装置にあっては、場所に関わらず遮光部は一定のピッチで配列されているので、画像観察者が遮光部によるドット感を感じないかあるいは気にならないようにすることができる。また、発光部の配列ピッチもある程度粗く設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る照明装置を備えた表示装置を分解したときの模式的な分解斜視図である。
【図2】図2は、照明装置における遮光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【図3】図3は、照明装置における発光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【図4】図4は、照明装置の背面の模式的な平面図である。
【図5】図5の(A)は、図4のA−A断面図である。図5の(B)は、図4のB−B断面図である。図5の(C)は、図4のC−C断面図である。
【図6】図6は、図4のD−D断面における発光部の照度分布と、表示領域の関係を説明するための模式図である。
【図7】図7の(A)乃至(C)は、発光部の構成を説明するための基板などの模式的な一部断面図である。
【図8】図8は、第1の実施形態の第1変形例に係る照明装置における発光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【図9】図9は、第1変形例に係る照明装置の背面の模式的な平面図である。
【図10】図10は、第1の実施形態の第2変形例に係る照明装置における発光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【図11】図11は、第2変形例に係る照明装置の背面の模式的な平面図である。
【図12】図12は、第1の実施形態の第3変形例に係る照明装置における遮光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【図13】図13は、第1の実施形態の第4変形例に係る照明装置における遮光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【図14】図14は、第1の実施形態の第5変形例に係る照明装置を説明するための、遮光部と発光部の配列を示した模式的な平面図である。
【図15】図15は、第2の実施形態に係る照明装置を備えた表示装置を分解したときの模式的な分解斜視図である。
【図16】図16は、照明装置の背面の模式的な平面図である。
【図17】図17の(A)は、図16のA−A断面図である。図17の(B)は、図16のB−B断面図である。図17の(C)は、図16のC−C断面図である。
【図18】図18は、基板および導光板においてY−Z平面に平行な面内を伝播する光の軌跡を説明するための模式的な断面図である。
【図19】図19は、第2の実施形態の第1変形例に係る表示装置を分解したときの模式的な分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態に基づき本開示を説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素または同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示に係る照明装置および表示装置、全般に関する説明
2.第1の実施形態(第1変形例ないし第4変形例を含む)
3.第2の実施形態(第1変形例を含む)
【0015】
[本開示に係る照明装置および表示装置、全般に関する説明]
本開示に係る照明装置、あるいは、本開示に係る表示装置に用いられる照明装置(以下、これらを単に、本開示の照明装置と呼ぶ場合がある)において、表示部の反射特性の角度依存性が顕著でない場合には、発光部は一定のピッチで配列されている構成とすることが好ましい。一方、表示部の表示特性が顕著な角度依存性を示すなどといった場合には、画像の輝度の不均一を補償するように、発光部は所定の方向に沿ってピッチが変化するように配列されている構成とすることが好ましい。この場合には、発光部が配列された領域の部分毎にピッチが変化するといった構成であってもよいし、あるいは又、連続的にピッチが変化するといった構成であってもよい。
【0016】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の照明装置にあっては、遮光部によって発光部からの光が画像観察者に直接向かうといったことを防ぐことができる。各遮光部の平面形状は、基本的には、遮光部の平面形状は、発光部の平面形状と略同様の形状とすることが好ましく、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形などから、設計に応じて好ましい形状を選択すればよい。遮光部は一定のピッチで配列されているので、各遮光部の面積をある程度の小さい値とすれば、画像観察者が遮光部によるドット感を感じないかあるいは気にならないようにすることができる。実験によれば、視距離が比較的短い携帯電子機器用途を想定した場合においても、遮光部が配列される領域に対して遮光部が占める面積の割合が5パーセント以下であればドット感は少なく、1.5パーセント以下であると気にならないかあるいは見えない。従って、上述の割合は5パーセント以下、より望ましくは、1.5パーセント以下とすることが好ましい。
【0017】
遮光部の配列のピッチは、照明装置の設計に応じて適宜設定することができる。一般的には、符号W1,W2をW1≦W2を満たす自然数としたとき、遮光部の配列ピッチ×W1=表示部の画素ピッチ×W2といった関係とすることが好ましい。尚、遮光部の配列のピッチは、例えば行方向と列方向とで値が相違するといった構成であってもよい。
【0018】
基本的には、遮光部は光の反射率の低い材料から形成されていることが好ましい。遮光部を構成する材料として、カーボン、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等を挙げることができる。遮光部は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せ、スクリーン印刷法やリソグラフィ技術など、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
【0019】
尚、後述するように発光部が電流駆動型の発光素子から成る場合には、発光部からの光の利用効率を高めるために、遮光部における発光部側の面に反射層が設けられている構成とすることが好ましい。反射層を構成する材料として、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等、あるいは、これらの合金といった金属材料を挙げることができる。反射層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せなど、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
【0020】
発光部が配列された領域にあっては、通常、その中央部において照度は高く、周辺部に行くほどその照度は低くなる。従って、観察される画像の輝度の均一性の低下を軽減するといった観点からは、発光部が配列された領域は表示部の表示領域全体を含みかつそれよりも広い領域とすることが好ましい。
【0021】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の照明装置において、発光部は電流駆動型の発光素子から成る構成とすることができる。基本的には、各発光部の占有面積はできるだけ小さいことが望ましい。従って、各発光部は、基本的には点光源であることが好ましい。電流駆動型の発光素子として、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)といった周知の発光素子を用いることができる。実装が容易かつ占有面積が小さいといった観点からは、発光ダイオードを発光部として用いる構成が好ましい。
【0022】
発光素子は白色を発光する構成とすることができる。白色を発光する発光素子として、青色またはそれよりも波長の短い光を発光する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた方式(いわゆる蛍光体方式)の発光ダイオードや、赤色・緑色・青色の3チップを用いて1つの発光源とする発光ダイオードを例示することができる。
【0023】
あるいは又、複数の発光素子の光を加法混色することによって白色を発光する構成とすることができる。例えば、発光素子として、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび青色発光ダイオードの3種を用い、これら3種の発光ダイオードが交互に並んで分散して配置されるといった構成とすることができる。この構成によれば、より形状の小さい発光ダイオードを用いることができるので、発光部や遮光部によって表示部の画像の一部が遮光される程度をより小さくすることができる。
【0024】
発光ダイオードの構成は特に限定するものではない。例えば、いわゆる表面実装型の発光ダイオードを用いることができる。表面実装型の発光ダイオードは、例えば、下面に一対の端子が形成された矩形状の基材上に、半導体プロセスによって形成された微小の発光チップを配置し、一対の端子のそれぞれが、発光チップのアノードとカソードとに接続されて成るといった構成である。基材の下面の一対の端子と、例えば後述する第1配線と第2配線とを周知の方法によって接続することによって、発光ダイオードを実装することができる。
【0025】
発光部として電流駆動型の発光素子を用いる場合、基板には、各発光部に接続される第1配線および第2配線が更に設けられている構成とすることができる。この場合において、第1配線は、並列に延在する複数本の配線から成り、第2配線は、第1配線に対して並列に延在する複数本の配線から成る構成とすることができる。一般的に、画像観察者は第1配線や第2配線が表示部の上にある状態で画像を観察するので、第1配線および第2配線は透光性の導電材料から成る構成とすることが好ましい。一方、配線に電流が流れる際の電圧降下を小さいものとするといった必要がある場合には、第1配線は透光性の導電材料から成り、第2配線は金属材料から成る構成とすることもできるし、あるいは又、第1配線および第2配線は、金属材料から成る構成とすることができる。尚、金属材料から成る配線は表示部の画像を遮るので、金属材料を用いた配線は充分に幅が細い配線とすることが好ましい。
【0026】
配線を構成する透光性の導電材料として、インジウムとスズの酸化物(ITO)やインジウムと亜鉛の酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いることができる。あるいは又、配線を構成する金属材料として、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等といった金属や、周知の合金を用いることができる。第1配線や第2配線は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法に例示される物理的気相成長法(PVD法)、各種の化学的気相成長法(CVD法)などの周知の成膜方法と、エッチング法やリフトオフ法などの周知のパターニング法との組み合わせによって形成することができる。
【0027】
あるいは又、上述した各種の好ましい構成を含む本開示の照明装置にあっては、
発光部が配列された基板の面と対向するように配置された導光板、及び、
導光板の端面に配置された光源、
を更に備えており、
発光部は、光源からの光により励起して光源の光とは異なる波長の光を発光する蛍光体から成る構成とすることもできる。この場合において、光源からの光と発光部からの光を加法混色することにより白色光を表示部に照射する構成とすることができる。
【0028】
光源として、電球、蛍光ランプあるいは発光ダイオードなどといった周知の発光素子を用いることができる。照明装置の小型化や省電力化といった観点からは、特に、発光ダイオードを光源として用いることが好ましい。ここで、光源からの光が導光板などを伝播して漏れ光として画像観察者に向かうと、表示される画像のコントラストが低下するといった現象が生ずる。このため、青色光は暗いが色感覚は強いといった特性に注目し、光源は青色を発光するといった構成とすることが好ましい。この場合には、蛍光体は、例えば黄色の光を発光する構成とすることができる。あるいは又、赤色の光を発光する蛍光体と、緑色の光を発光する蛍光体とを配置するといった構成とすることもできる。
【0029】
光源からの光の利用効率を高めるといった観点からは、基板の発光部側の面と導光板の間に透光性の接着層が設けられているといった構成とすることが好ましい。基本的には、基板、導光板および接着層の屈折率が略同一となるように材料を選択することが好ましい。接着層は、周知の材料を適宜選択して構成することができる。
【0030】
照明装置を構成する透光性の基板や導光板は、ガラスや、プラスチック材料(例えば、PMMA、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、非晶性のポリプロピレン系樹脂、AS樹脂を含むスチレン系樹脂)等から構成することができる。
【0031】
反射型の表示部の構成は特に限定するものではなく、反射型の液晶表示パネルや電子ペーパー(例えば電気泳動式)などといった周知のデバイスを用いることができる。後述する実施形態にあっては、表示部として反射型の液晶表示パネルを用いる。表示部はモノクロ表示であってもよいしカラー表示であってもよい。
【0032】
反射型の液晶表示パネルは、例えば、透明共通電極を備えたフロントパネル、画素電極を備えたリアパネル、及び、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料などから成る。画素電極が光を反射する構成であってもよいし、透明画素電極と反射膜の組み合わせによって、反射膜が光を反射するといった構成であってもよい。液晶表示パネルの構成は特に限定するものではない。所謂TNモードで駆動される構成であってもよいし、VAモードあるいはIPSモードで駆動される構成であってもよい。
【0033】
尚、反射型と透過型の両方の特性を併せ持った半透過型の表示部として、例えば、画素内に反射型の表示領域と透過型の表示領域の両方を有する液晶表示パネルが周知である。このような半透過型の表示部を用いてもよい。即ち、「反射型の表示部」には「半透過型の表示部」も含まれる。
【0034】
表示部の形状は特に限定するものではない。例えば、横長の矩形状であってもよいし、縦長の矩形状であってもよい。表示部の画素(ピクセル)の数M×Nを(M,N)で表記したとき、例えば横長の矩形状の場合には(M,N)の値として、(640,480)、(800,600)、(1024,768)等の画像表示用解像度の幾つかを例示することができ、縦長の矩形状の場合には相互に値を入れ替えた解像度を例示することができる。
【0035】
発光部を駆動する発光部駆動回路や光源を駆動する光源駆動回路は、種々の回路から構成することができる。これらは周知の回路素子などを用いて構成することができる。
【0036】
本明細書に示す各種の条件は、厳密に成立する場合の他、実質的に成立する場合にも満たされる。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
【0037】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本開示に係る表示装置および照明装置に関する。
【0038】
図1は、第1の実施形態に係る照明装置を備えた表示装置を分解したときの模式的な分解斜視図である。
【0039】
図1に示すように、表示装置1は、反射型の表示部10、及び、表示部10の上に配置される照明装置20を備えている。
【0040】
表示部10は、例えば、反射型の液晶表示パネルから成る。以下の説明において表示部10はカラー表示であるとするが、これに限るものではない。表示部10は、外部からの映像信号に応じて動作する図示せぬ表示部駆動回路によって駆動される。説明の都合上、画素12が配列されて成る表示部10の表示領域11はX−Z平面と平行であり、画像を観察する側が+Y方向であるとする。また、照明装置20は表示部10の+Y方向側に、X−Z平面と平行に配置されているとする。
【0041】
照明装置20は、透光性の基板21、基板21の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部25、及び、遮光部25の個数よりも少ない個数の発光部26を含んでいる。尚、図示の都合上、基板21の一部を切り欠いて示した。
【0042】
例えばガラス材料から成る基板21は略矩形状であり、基板21における表示部10側の面(以下、単に、一方の面と呼ぶ場合がある)の辺を、符号22A,22B,22C,22Dで表す。辺22Aは、電流駆動型の発光部26を駆動するための発光部駆動回路101の接続部側の辺であり、辺22Cは辺22Aに対向する辺である。例えば、辺22A,22Cは約12[cm]、辺22B,22Dは約16[cm]といった値である。表示部10の形状も概ね基板21の形状と同様である。
【0043】
図1に示すように、遮光部25は、行方向(図においてX方向)にP個、列方向(図においてY方向)にQ個、合計P×Q個の、2次元マトリクス状に配列されている。第q行(但し、q=1,2・・・,Q)、第p列目(但し、p=1,2・・・,P)の遮光部25を第(p,q)番目の遮光部25あるいは遮光部25(p,q)と表す場合がある。尚、図1では、7×9個の遮光部25が配列されているとしたが、これは例示に過ぎない。
【0044】
後ほど図5等を参照して詳しく説明するが、遮光部25の発光部26側の面には、反射層が設けられている。遮光部25は、例えば、基板21上に酸化クロム膜とクロム膜とを順次積層した後、周知の方法に基づいてパターニングすることよって形成されている。尚、クロム膜の表面には、後述する第1配線23および第2配線24との絶縁を確保するために、図示せぬ絶縁性の酸化物層が形成されている。
【0045】
発光部26は、遮光部25の上に形成されている。後述する図2および図3などを参照して後ほど詳しく説明するが、複数の発光部26は、遮光部25の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部25と重なるように配列されている。
【0046】
照明装置20の発光部26は、電流駆動型の発光素子から構成されている。より具体的には、発光部26は、表面実装型の発光ダイオード(LED)から成る。この発光ダイオードは、例えば、青色を発光する発光ダイオードに蛍光体を組み合わせた構成であり、白色を発光する。発光部26は、例えば、一辺が3×10-2[mm]といった矩形状である。
【0047】
遮光部25は、発光部26からの光を画像観察者が直視するといったことを防ぐためのものであって、発光部26が占める部分を包含するような形状に設けられている。遮光部25の面積は小さいほど好ましいので、基本的には、遮光部25の平面形状は、発光部26の平面形状と略同様の形状とされる。例えば、遮光部25は、一辺が3.7×10-2[mm]といった矩形状である。
【0048】
基板21には各発光部26に接続される第1配線23および第2配線24が更に設けられている。第1配線23および第2配線24は、例えばITOといった透光性の導電材料から成る。第1配線23は、行方向に並列する複数本の配線から成り、給電線23Aの辺22Dに沿う部分からから延びるように形成されている。第2配線24は、第1配線23に対して並列に延在する複数本の配線から成り、給電線24Aの辺22Bに沿う部分から延びるように形成されている。第1配線23、給電線23A、第2配線24および給電線24Aは、例えば導電材料層を周知の方法に基づいてパターニングすることよって形成されている。尚、図1に示す例では、遮光部25の各行に対応して第1配線23、第2配線24が設けられているが、発光部26が設けられていない行(例えば後述する図4に示す第(q+1)行など)における第1配線23、第2配線24を省略してもよい。
【0049】
尚、場合によっては、第1配線23は透光性の導電材料から成り、第2配線24は金属材料から成る構成とすることができる。あるいは又、第1配線23および第2配線24は金属材料から成る構成とすることもできる。
【0050】
配線を金属材料から構成すると、その部分の画像は遮光される。しかしながら、例えば、銅(Cu)の導電率はITOの50〜100倍程度であるので、配線の幅を狭く設定することができる。そして、隣接する画素12と画素12との間に金属材料から成る配線が位置するように設定することによって、配線が目障りになることを防ぐことができる。第2配線24を金属材料から構成する場合、例えば銅(Cu)から成る金属層を周知の方法により形成する。次いで、この金属層を周知の方法によりパターニングすることで、第2配線24および給電線24Aを形成すればよい。第1配線23を金属材料から構成する場合においても基本的には同様である。
【0051】
図示の都合上、図1にあっては、遮光部25、発光部26、第1配線23および第2配線24、並びに、画素12はサイズを拡大して模式的に示した。また、表示部10における画素12は、図2などに示すように赤色発光副画素12R、緑色発光副画素12Gおよび青色発光副画素12Bから成る組で構成されているが、図1においては副画素の図示を省略した。第2の実施形態において参照する図15や19においても同様である。
【0052】
次いで、照明装置20における遮光部25および発光部26の配置の関係、及び、これらと表示部10における画素12との関係について説明する。
【0053】
図2は、照明装置における遮光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。図3は、照明装置における発光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。図4は、照明装置の背面の模式的な平面図である。尚、図示の都合上、図2と図3にあっては、第1配線23および第2配線24の表示を省略した。
【0054】
図2に示すように、副画素12R,12G,12Bの組から成る画素12において、行方向の配列ピッチと列方向の配列ピッチとを、それぞれ、符号PXと符号PZとで表す。画素ピッチPX,PZは、例えば0.15[mm]といった値である。
【0055】
また、遮光部25の行方向の配列ピッチと列方向の配列ピッチとを、それぞれ、符号BXと符号BZとで表す。図2に示す例では、遮光部25の配列ピッチBX,BZは、画素ピッチPX,PZと同じ値に設定されている。
【0056】
次いで、発光部26の配列について説明する。図3に示すように、発光部26の行方向の配列ピッチと列方向の配列ピッチとを、それぞれ、符号LXと符号LZとで表す。発光部26は遮光部25のピッチとは異なるピッチで配列されている。図3に示す例では、遮光部25の配列ピッチLX,LZは、それぞれ、遮光部25の配列ピッチBX,BZの2倍に設定されている。従って、発光部26の数=遮光部25の数/4といった関係である。
【0057】
図4に示すように、複数の発光部26のそれぞれは1つの遮光部25と重なるように配列されている。発光部26は、行方向にJ個(但し、J=P/2)、列方向にK個(但し、K=Q/2)、合計J×K個の、2次元マトリクス状に配列されている。第j行(但し、j=1,2・・・,J)、第k列目(但し、k=1,2・・・,K)の発光部26を第(j,k)番目の発光部26あるいは発光部26(j,k)と表す場合がある。尚、図4にあっては、図示の都合上、遮光部25(p,q)には発光部26(j,k)が対応するとして示した。
【0058】
図5の(A)は、図4のA−A断面図である。図5の(B)は、図4のB−B断面図である。図5の(C)は、図4のC−C断面図である。
【0059】
光の利用効率を高めるために、遮光部25における発光部26側の面には反射層が設けられている。具体的には、図5の(A)及び(B)に示すように、遮光部25は、基板21側に設けられた酸化クロム膜から成る遮光層25Aと、その上に設けられたクロム膜から成る反射層25Bが積層されて形成されている。
【0060】
図4に示すように、第k行目の発光部26(具体的には、発光部26(1,k)乃至26(J,k))には、第q番目の第1配線23qおよび第2配線24qが接続される。第1配線23、第2配線24および発光部26における抵抗成分を考慮すると、対を成す第1配線23qと第2配線24q、および、それらの間に接続される発光部26(1,k)乃至26(J,k)は、抵抗ラダー回路を構成する。
【0061】
図1に示す照明装置20と表示装置1の製造方法を説明する。
【0062】
先ず、基板21上の全面に、例えばクロム酸化物から成る遮光層25Aと金属クロムから成る反射層25Bを周知の方法により順次積層する。その後、反射層25Bの上に図示せぬ絶縁性の酸化物層を形成する。次いで、これらの層を周知の方法によりパターニングすることで、基板21上に遮光部25を形成する。
【0063】
その後、遮光部25を含む全面に、ITOから成る透明導電層を周知の方法により形成する。次いで、この透明導電層を周知の方法によりパターニングすることで、基板21上に、第1配線23および給電線23A、並びに、第2配線24および給電線24Aを形成する。
【0064】
その後、遮光部25上に、表面実装型の発光ダイオードから成る発光部26を取り付ける。具体的には、アノード端子26Aが第1配線23と対向し、カソード端子26Kが第2配線24と対向するように、遮光部25上に発光部26を配置する。その後、例えば電解めっき処理やリフロー・ハンダ付け処理等を適宜選択して行うことによって、遮光部25上に発光部26を取り付けることができる。
【0065】
以上の工程によって図1に示す照明装置20を得ることができる。そして、この照明装置20に表示部10や必要な回路を組み合わせることによって、図1に示す表示装置1を得ることができる。
【0066】
図2ないし図4に示す構成にあっては、4つの画素12が配列される領域に対して1つの遮光部25が配置される関係にある。従って、遮光部25が配列される領域に対して遮光部25が占める面積の割合を符号ARで表せば、
AR=1つの遮光部25の面積/(4×PX×PZ)×100 [パーセント]
である。
【0067】
遮光部25の一辺は3.7×10-2[mm]、PX,PZは0.15[mm]であるから、AR=1.5[パーセント]となる。上述したように、この値が5パーセント以下であればドット感は少なく、1.5パーセント以下であると気にならないかあるいは見えない。
【0068】
図1や図4に示す給電線23A,23Bには、発光部駆動回路101から所定の電圧が印加される。給電線23Aには例えば5[ボルト]が印加され、給電線24Aには例えば0[ボルト]が印加される。給電線の抵抗成分が充分小さいとすれば、第1配線23において給電線23Aとの接続部分の電圧は5[ボルト]、第2配線24において給電線24Aとの接続部分の電圧は0[ボルト]である。
【0069】
図5の(A)に示すように、第1配線23は発光部26のアノード端子26Aに接続され、第2配線24は発光部26のカソード端子26Kに接続されている。従って、給電線23A,23Bに所定の電圧を印加することによって、発光部26は発光し、表示領域11に光を照射する。
【0070】
対を成す第1配線23と第2配線24との間に接続された発光部26から成る群にあっては、例えばいずれか1つの発光部26が故障して短絡状態となると、その群全体の発光に(場合によっては更に他の群の発光に)支障が生ずる。発光部26の個数が増えるほど発光部26に欠陥を生ずるといった確率も増えるので、上述した支障が生ずる確率が高くなる。第1の実施形態の照明装置にあっては、発光部26の配列ピッチをある程度粗く設定することができるので、照明装置全体の信頼性を相対的に高めることができる。
【0071】
次いで、発光部26が配列された領域と表示領域11との関係について説明する。
【0072】
図6は、図4のD−D断面における発光部の照度分布と、表示領域の関係を説明するための模式図である。
【0073】
一般に、発光部26が配置された領域の中心に近づくほど、発光部26からの光が重畳されるため照度は高くなる。逆にいえば、発光部26が配置された領域の端部に近づくほど、照度は低くなる。一般的には、図5の下段のグラフに示すように、領域の中央から端部からに近づく程、照明装置20の照度は低下する。
【0074】
表示部10を照射する光の均一性が低下すると、表示される画像の輝度の不均一を招く。このため、図6に示すように、発光部26が配列された領域は表示部10の表示領域11の全体を含みかつそれよりも広い領域となるように設定されている。これによって、照明装置20の照度分布の不均一性の影響を軽減することができる。
【0075】
以上、第1の実施形態について説明した。上述した説明では、発光部26は青色を発光する発光ダイオードに蛍光体を組み合わせた発光素子から成るとして説明したが、発光部26の構成はこれに限るものではない。発光部26の他の構成例について、図7を参照して説明する。
【0076】
図7の(A)乃至(C)は、発光部の構成を説明するための基板などの模式的な一部断面図である。図7に示す各図面は、図4のD−D断面における発光部の配置を模式的に表す。
【0077】
例えば、赤色・緑色・青色の3チップを用いて1つの発光源とする発光ダイオードによっても、白色を発光することができる。図7の(A)は、この場合の構成を示す。図における符号R,G,Bは、それぞれ、「赤色」、「青色」、「緑色」を発光することを示す。
【0078】
あるいは又、複数の発光部26の光を加法混色することによって白色光を発光する構成とすることができる。
【0079】
例えば、図7の(B)に示すように、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび青色発光ダイオードの3種を用い、これら3種の発光ダイオードが交互に並んで分散するように配置するといった構成とすることができる。表示部10には、これらの光が加法混色され、白色光が照射される。この構成によれば、より小型の発光ダイオードを用いることができるので、発光部26や遮光部25の面積を小さくすることができる。従って、ドット感をより小さくすることができる。
【0080】
尚、場合によっては、2原色の組(例えば赤色・緑色)の2チップを用いて1つの発光源とする発光ダイオードと、上記の組とは異なる2原色の組(例えば青色・赤色)の2チップを用いて1つの発光源とする発光ダイオードとを交互に並んで配置するといった構成とすることもできる。
【0081】
また、図7の(C)に示すように、発光部26などを含む基板21上の全面に、例えば透光性の樹脂材料から成る保護層27を設けてもよい。保護層27は、界面における光の反射が少なくなるような条件を満たす屈折率の材料を選択して形成することが好ましい。
【0082】
次いで、図8ないし図14を参照して、第1の実施形態における第1変形例ないし第4変形例について説明する。
【0083】
図8は、第1変形例に係る照明装置における発光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【0084】
第1変形例は、発光部26の配置が図3と相違している点が相違する。第1変形例にあっては、図8に示すように、或る行の発光部26の配列に対して、隣接する行の発光部26は行方向に1画素分シフトして配列されている。第1変形例に係る照明装置の背面の模式的な平面図を図9に示す。
【0085】
図10は、第2変形例に係る照明装置における発光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【0086】
第2変形例も、発光部26の配置が図3と相違している点が相違する。図8にあっては、Z方向の発光部26の配列ピッチLZ=2×BZであった。これに対し、第2変形例にあっては、図10に示すように、Z方向の発光部26の配列ピッチLZ=BZとされている。また、或る行の発光部26の配列に対して、隣接する行の発光部26は行方向に1画素分シフトして配列されている。第2変形例に係る照明装置の背面の模式的な平面図を図11に示す。
【0087】
図12は、第3変形例に係る照明装置における遮光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【0088】
第3変形例は、遮光部25の配置が図2と相違している点が相違する。図2にあっては、遮光部25における行方向の配列ピッチBXと列方向の配列ピッチは、BX=PX、BZ=PZといった関係であった。これに対し、第3変形例では、遮光部25は、BX=2×PX、BZ=2×PZといった関係で配列されている。
【0089】
図13は、第4変形例に係る照明装置における遮光部の配置と表示部における画素の配置との関係を説明するための、照明装置および表示部の一部の模式的な平面図である。
【0090】
第4変形例も、遮光部25の配置が図2と相違している点が相違する。第3変形例に対し、隣接する行の遮光部25は行方向に1画素分シフトして配列されている点が相違する。
【0091】
図14は、第5変形例に係る照明装置を説明するための、遮光部と発光部の配列を示した模式的な平面図である。
【0092】
例えば、表示部10における光の反射率が角度依存性を示す場合には、表示部10に均一な照度で光を照射しても観察される画像の輝度が不均一になるといった現象が生ずる。このような場合には、画像の輝度の不均一を補償するように、照明装置20の光の照度分布を設定すればよい。具体的には、発光部26を、所定の方向に沿ってピッチが変化するように配列すればよい。
【0093】
例えば、表示部10における光の反射率が+Z側ほど低くなるといった場合には、図14に示すように、発光部26は、+Z方向に沿ってピッチが細かくなるように配列すればよい。尚、図14においては領域1ないし領域4における発光部26の配列を示したが、これは例示に過ぎない。
【0094】
[第2の実施形態]
第2の実施形態も、本開示に係る表示装置および照明装置に関する。
【0095】
第1の実施形態の照明装置は、電流駆動型の発光素子を発光部として用いている。これに対し、第2の実施形態の照明装置は、発光部が配列された基板の面と対向するように配置された導光板および導光板の端面に配置された光源を更に備えており、発光部は光源からの光により励起して光源の光とは異なる波長の光を発光する蛍光体から成る。また、第2の実施形態の照明装置は、第1の実施形態において説明した第1配線、第2配線、および、給電線は備えていない。以上の点が、第1の実施形態と主に相違する。
【0096】
図15は、第2の実施形態に係る照明装置を備えた表示装置を分解したときの模式的な分解斜視図である。図16は、照明装置の背面の模式的な平面図である。図17の(A)は、図16のA−A断面図である。図17の(B)は、図16のB−B断面図である。図17の(C)は、図16のC−C断面図である。
【0097】
図15に示すように、表示装置2は、反射型の表示部10、及び、表示部10の上に配置される照明装置220を備えている。図16は、照明装置の背面の模式的な平面図である。
【0098】
照明装置220は、透光性の基板21、基板21の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部225、及び、遮光部225の個数よりも少ない個数の発光部226を含んでいる。そして、発光部226が配列された基板21の面と対向するように配置された導光板221、及び、導光板221の端面に配置された光源228を更に備えている。尚、図示の都合上、基板21と導光板221の一部を切り欠いて示した。導光板221は、例えば基板21と同じ材料から構成されており、その平面形状は基板21と略同様である。
【0099】
基板21と導光板221との間には、図17に示すように、例えば透光性の樹脂材料から成る接着層227が設けられている。尚、図示の都合上、図15にあっては接着層227の表示を省略した。
【0100】
遮光部225は、第1の実施形態の遮光部25から反射層を省略した構造である。具体的には、図3等に示す反射層25Bを省略した構造である。また、遮光部225の配列は、第1の実施形態において遮光部25について説明した配列と同様である。遮光部225の構造や配列についての説明は省略する。
【0101】
図16等に示すように、発光部226は、遮光部225の上に形成されている。発光部226の配列は、第1の実施形態において発光部226について説明した配列と同様である。発光部226の配列についての説明は省略する。発光部226は、後述する光源228からの光により励起して光源の光とは異なる波長の光を発光する蛍光体から成る。発光部226は、例えば遮光部225を形成した基板21の全面に、周知の方法に基づいて蛍光体材料から成る層を形成し、次いで、周知の方法に基づいてパターニングすることによって形成することができる。
【0102】
通常、表示部10側に照射される光の強度は光源228から離れるほど弱くなる傾向を示す。この傾向を打ち消すため、導光板221は楔状とされている。光源228は辺22A側の端面に対向して配置されており、導光板221の厚みは辺22A側から辺22C側に向かって徐々に薄くなる。導光板221内に入射した光が表示部10側の面に向かうときの入射角は、導光板221において光が全反射する毎に小さくなる。従って、光源228から離れるほど導光板221内の光が表示部10側の面に向かうときの入射角が小さくなり、光が表示部10側に出射しやすくなる。
【0103】
図18は、基板および導光板においてY−Z平面に平行な面内を伝播する光の軌跡を説明するための模式的な断面図である。
【0104】
光源228は例えば発光ダイオードから成り、光源駆動回路201の動作に基づいて青色を発光する。そして、発光部226は、光源228からの光により励起して光源228の光とは異なる波長の光を発光する。具体的には、発光部226は黄色の光を発光する。
【0105】
図18に示すように、発光部226からは出射光として黄色の光が表示部10に照射される。また、光源228からの青色の光も導光板221から表示部10に照射される。尚、図示の都合上、青色の光の照射については表示を省略した。光源228からの光と発光部226からの光を加法混色することにより白色光が表示部10に照射される。
【0106】
以上、第2の実施形態について説明した。尚、図19に示すように、遮光部225が配置された領域の周囲を囲むような遮光枠229が設けられていてもよい。遮光枠229は、例えば、遮光部225と同じプロセスで形成することができる。第1の実施形態においても同様である。
【0107】
また、上述の説明においては、各発光部226の構成は同一であるとした。例えば、照射される光の均一性を向上させるために、発光部226が配置される領域の端部側では相対的に発光部226の面積を広げるといった構成とすることもできる。
【0108】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0109】
なお、本開示の技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)反射型の表示部、及び、
表示部の上に配置される照明装置、
を備えており、
照明装置は、
透光性の基板、
基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、
遮光部の個数よりも少ない個数の発光部、
を含んでおり、
複数の発光部は、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列されている、
表示装置。
(2)発光部は一定のピッチで配列されている上記(1)に記載の表示装置。
(3)発光部は所定の方向に沿ってピッチが変化するように配列されている上記(1)に記載の表示装置。
(4)遮光部が配列された領域に対して遮光部が占める面積の割合は1.5パーセント以下である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)発光部群が配列された領域は表示部の表示領域の全体を含みかつそれよりも広い領域である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の表示装置。
(6)発光部は電流駆動型の発光素子から成る上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の表示装置。
(7)遮光部における発光部側の面に反射層が設けられている上記(6)に記載の表示装置。
(8)発光素子は白色を発光する上記(6)又は(7)に記載の表示装置。
(9)複数の発光素子の光を加法混色することによって白色光を照射する上記(6)又は(7)に記載の表示装置。
(10)基板には各発光部に接続される第1配線および第2配線が更に設けられている上記(6)乃至(9)のいずれかに記載の表示装置。
(11)第1配線は並列に延在する複数本の配線から成り、
第2配線は第1配線に対して並列に延在する複数本の配線から成る上記(10)に記載の表示装置。
(12)第1配線および第2配線は、透光性の導電材料から成る上記(10)又は(11)に記載の表示装置。
(13)第1配線は透光性の導電材料から成り、第2配線は金属材料から成る上記(10)又は(11)に記載の表示装置。
(14)第1配線および第2配線は金属材料から成る上記(10)又は(11)に記載の表示装置。
(15)照明装置は、
発光部が配列された基板の面と対向するように配置された導光板、及び、
導光板の端面に配置された光源、
を更に備えており、
発光部は、光源からの光により励起して光源の光とは異なる波長の光を発光する蛍光体から成る上記(1)に記載の表示装置。
(16)光源からの光と蛍光体からの光を加法混色することにより白色光を表示部に照射する上記(15)に記載の表示装置。
(17)光源は青色を発光する上記(15)又は(16)に記載の表示装置。
(18)基板の発光部側の面と導光板の間に透光性の接着層が設けられている上記(15)乃至(17)のいずれかに記載の表示装置。
(19)反射型の表示部の上に配置される照明装置であって、
透光性の基板、
基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、
遮光部の個数よりも少ない個数の発光部、
を含んでおり、
複数の発光部は、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列されている、
照明装置
【符号の説明】
【0110】
1,2・・・表示装置、10・・・反射型の表示部、11・・・表示領域、12・・・画素、20,220・・・照明装置、21・・・基板、221・・・導光板、22A,22B,22C,22D・・・辺、23・・・第1配線、23A・・・第1配線の給電線、
24・・・第2配線、24A・・・第2配線の給電線、25,225・・・遮光部、
25A・・・遮光層、25B・・・反射層、26,226・・・発光部、26A・・・発光部のアノード端子、26K・・・発光部のカソード端子、27・・・保護層、227・・・接着層、228・・・光源、229・・・遮光枠、101・・・発光部駆動回路、201・・・光源駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型の表示部、及び、
表示部の上に配置される照明装置、
を備えており、
照明装置は、
透光性の基板、
基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、
遮光部の個数よりも少ない個数の発光部、
を含んでおり、
複数の発光部は、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列されている、
表示装置。
【請求項2】
発光部は一定のピッチで配列されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
発光部は所定の方向に沿ってピッチが変化するように配列されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
遮光部が配列される領域に対して遮光部が占める面積の割合は1.5パーセント以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
発光部が配列された領域は表示部の表示領域の全体を含みかつそれよりも広い領域である請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
発光部は電流駆動型の発光素子から成る請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
遮光部における発光部側の面に反射層が設けられている請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
発光素子は白色を発光する請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
複数の発光素子の光を加法混色することによって白色光を照射する請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
基板には各発光部に接続される第1配線および第2配線が更に設けられている請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
第1配線は並列に延在する複数本の配線から成り、
第2配線は第1配線に対して並列に延在する複数本の配線から成る請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
第1配線および第2配線は、透光性の導電材料から成る請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
第1配線は透光性の導電材料から成り、第2配線は金属材料から成る請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
第1配線および第2配線は金属材料から成る請求項10に記載の表示装置。
【請求項15】
照明装置は、
発光部が配列された基板の面と対向するように配置された導光板、及び、
導光板の端面に配置された光源、
を更に備えており、
発光部は、光源からの光により励起して光源の光とは異なる波長の光を発光する蛍光体から成る請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
光源からの光と蛍光体からの光を加法混色することにより白色光を表示部に照射する請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
光源は青色を発光する請求項15に記載の表示装置。
【請求項18】
基板の発光部側の面と導光板の間に透光性の接着層が設けられている請求項15に記載の表示装置。
【請求項19】
反射型の表示部の上に配置される照明装置であって、
透光性の基板、
基板の面上に一定のピッチで配列された複数の遮光部、及び、
遮光部の個数よりも少ない個数の発光部、
を含んでおり、
複数の発光部は、遮光部の配列ピッチとは異なるピッチで配列されており、且つ、それぞれが1つの遮光部と重なるように配列されている、
照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−110052(P2013−110052A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255801(P2011−255801)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】