照明装置の点灯制御システム及び建物
【課題】建物の居住性を向上させることができる照明装置の点灯制御システム及び建物を得る。
【解決手段】点灯システム20は、圧電装置30と、圧電装置30から供給された電力を蓄える蓄電装置24と、圧電装置30、蓄電装置24から電力供給される照明装置40と、圧電装置30の発電情報に基づいて移動方向の照明装置40の点灯を制御する制御装置22と、を有している。ここで、制御装置22は、居住者の位置情報に基づいて、移動方向の照明装置40を点灯させる。これにより、居住者は目的の場所へ移動するときに迷わずに済む。また、居住者がいなくなった場所では、制御装置22が照明装置40を消灯させるので、移動元の照明装置40を消灯させる必要がない。このように、居住者が建物10の内部を移動するとき、移動先が明確になると共に照明装置40の点灯、消灯が自動で行われるので、建物10の居住性を向上させることができる。
【解決手段】点灯システム20は、圧電装置30と、圧電装置30から供給された電力を蓄える蓄電装置24と、圧電装置30、蓄電装置24から電力供給される照明装置40と、圧電装置30の発電情報に基づいて移動方向の照明装置40の点灯を制御する制御装置22と、を有している。ここで、制御装置22は、居住者の位置情報に基づいて、移動方向の照明装置40を点灯させる。これにより、居住者は目的の場所へ移動するときに迷わずに済む。また、居住者がいなくなった場所では、制御装置22が照明装置40を消灯させるので、移動元の照明装置40を消灯させる必要がない。このように、居住者が建物10の内部を移動するとき、移動先が明確になると共に照明装置40の点灯、消灯が自動で行われるので、建物10の居住性を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の点灯制御システム及び建物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の避難誘導照明システムは、部屋の床面となる複数のパネルと、パネルの上面から上方に放射光を出射する光源と、パネルへの圧力によって発電する圧電センサと、圧電センサによって発電された電力を貯蔵する蓄電装置と、蓄電装置の電力が電源として入力され光源を点灯する点灯装置と、非常用信号を受信する受信装置と、受信装置が非常用信号を受信したときに、光源の点灯により部屋の出口への誘導経路が形成されるように点灯装置を制御する制御装置と、を有している。
【0003】
特許文献1の避難誘導照明システムでは、受信装置が非常用信号を受信したとき、制御装置が光源を点灯させて部屋の出口への誘導経路を形成する。これにより、人を避難誘導方向へ誘導している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−28627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の避難誘導照明システムは、避難時の照明の点灯についてのみ開示されており、平常時も含めた照明の活用については開示されていなかった。このため、平常時に照明を活用できず、建物の居住性を向上させることができなかった。
【0006】
本発明は、建物の居住性を向上させることができる照明装置の点灯制御システム及び建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、建物の内部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、前記建物の内部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、前記発電装置から出力された前記発電情報が居住者の位置情報として入力され、該居住者の位置情報に基づいて、該居住者の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、を有する。
【0008】
請求項1の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、居住者が建物の内部の通路(廊下や階段等)を使って移動するとき、居住者の荷重を受けて発電装置が発電する。そして、発電によって得られた電力は、蓄電装置に蓄電され又は照明装置に供給される。また、発電装置から出力された発電情報が、居住者の位置情報(居住者が建物のどの場所にいるかという情報)として制御装置に入力される。
【0009】
ここで、制御装置は、入力された居住者の位置情報に基づいて、居住者の移動方向にある照明装置の点灯及び消灯を制御する。例えば、建物の内部の通路が真っ暗な状態では、居住者の移動方向に設けられている照明装置を点灯させて居住者の移動先を照らす(居住者に移動先を示す)。これにより、居住者は目的の場所へ移動するときに迷わなくて済む。また、他の場所への移動によって居住者がいなくなった場所(通過した場所)では、発電装置から発電情報が出力されないことから、制御装置が照明装置を消灯させる。これにより、居住者が移動元の照明装置を消灯させる必要がなくなる。
【0010】
このように、居住者が建物の内部の通路を移動するときに、移動先が明確になると共に照明装置の点灯、消灯が自動で行われるので、建物の居住性を向上させることができる。
【0011】
請求項2の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記制御装置は、平常時とは異なる非常時であることを示す非常時情報を受信可能とされ、前記平常時と前記非常時とで、点灯させる前記照明装置の場所を変更する。
【0012】
請求項2の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、例えば、平常時には、制御装置が床側の照明装置を点灯させると共に天井側の照明装置を消灯させる。これにより、移動時に照明が必要な最低限の範囲である足元が照らされるので、居住者が移動可能となると共に照明装置の使用電力を低減することができる。
【0013】
一方、非常時情報を受信した非常時には、例えば、制御装置が床側の照明装置に加えて天井側の照明装置も点灯させる。このように、非常時に平常時とは異なる場所の照明装置が点灯することで、建物の内部の居住者に非常時であることを認識させることができる。さらに、平常時とは異なる場所の照明装置が点灯することで、建物の内部の居住者に非難方向を明確に指し示すことができる。
【0014】
請求項3の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記制御装置は、前記平常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の一方から前記照明装置へ電力を供給させ、前記非常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の他方から前記照明装置へ電力を供給させる。
【0015】
請求項3の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、例えば、平常時に蓄電装置から照明装置へ電力供給し、非常時に蓄電装置から発電装置へ切り換えて、発電装置から照明装置へ電力供給する。これにより、蓄電装置に蓄えられている電力を平常時に使い切っていたとしても、非常時に居住者の荷重を受けた発電装置から照明装置へ電力供給されるので、非常時に照明装置へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0016】
一方、平常時に居住者の荷重を受けた発電装置から照明装置へ電力供給し、非常時に発電装置から蓄電装置へ切り換えて、蓄電装置から照明装置へ電力供給する場合は、平常時に発電装置で得られる発電量(電力)が少ない構成であっても、非常時は蓄電装置から照明装置へ十分な量の電力が供給されるので、非常時に照明装置へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0017】
請求項4の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記照明装置には、点灯色が異なる複数の発光部が設けられ、前記制御装置は、前記平常時と前記非常時で異なる色の前記発光部を点灯させる。
【0018】
請求項4の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、非常時において、照明装置では平常時の色とは異なる色の発光部が発光する。そして、居住者は、照明装置が異なる色で発光していることから非常時であることを認識する。これにより、居住者に非常時であることを知らせることができる。
【0019】
請求項5の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記制御装置は、前記非常時の点灯の継続時間と前記平常時の点灯の継続時間とが異なるように前記照明装置を点灯させる。
【0020】
請求項5の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、非常時において、照明装置は、平常時の点灯の継続時間よりも長い点灯の継続時間(又は短い点灯の継続時間)で発光する。そして、居住者は、点灯の継続時間の違いを認識することで、非常時であることを知る。これにより、居住者に非常時であることを知らせることができる。また、若者と年配者(あるいは体格が大柄な人と小柄な人)とでは歩行速度が異なるが、予め居住者に関する情報を制御装置に設定しておけば、歩行速度が遅い年配者が移動する場合であっても、非常時に照明装置を長時間点灯させることで避難先を認識させることができる。
【0021】
請求項6の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記建物の内部には照度を測定する照度測定手段が設けられ、前記制御装置は、前記照度測定手段で測定された照度が設定した基準照度よりも小さいとき、前記建物の内部の前記照明装置の点灯を前記平常時と前記非常時とで切り替え可能とし、前記照度測定手段で測定された照度が前記基準照度以上のとき、前記建物の内部の前記照明装置を消灯させる。
【0022】
請求項6の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、照度測定手段で測定された建物の内部の照度が基準照度よりも小さいとき、制御装置は、建物の内部の照明装置の制御設定(点灯設定)を平常時から非常時へ切り替え可能となっている。このため、基準照度以下の状態で平常時から非常時へと状況が変わった場合には、建物の内部の照明装置が非常時の点灯設定で点灯する。
【0023】
一方、照度測定手段で測定された建物の内部の照度が基準照度以上のとき、制御装置は、建物の内部の照明装置を消灯させる。ここで、建物の内部の照度が基準照度以上のときは、建物の内部に必要とされる明るさが確保されているので、照明装置を消灯させても、居住者が通路(移動先)を認識することができる。これにより、非常時において通路全体を照明する必要が無くなり、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0024】
請求項7の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記照明装置には、自然エネルギーにより発電する自然エネルギー発電装置の電力及び系統電源の電力が供給可能とされ、前記制御装置は、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力の全てが設定した基準電力以下のとき、前記系統電源の電力で前記照明装置を点灯させ、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力のうち少なくとも1つの電力が前記基準電力よりも大きいとき、該基準電力よりも大きい電力が得られる前記発電装置、前記蓄電装置、及び前記自然エネルギー発電装置のうち少なくとも1つで前記照明装置を点灯させ、前記系統電源の電力の使用を停止する。
【0025】
請求項7の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、制御装置は、発電装置の電力、蓄電装置の電力、及び自然エネルギー発電装置の電力の全て(総和の電力ではなく個々の電力全て)が、予め設定した基準電力(居住者の移動先の照明装置を点灯させるのに必要とされる電力)以下のとき、系統電源の電力で照明装置を点灯させる。これにより、発電装置の電力、蓄電装置の電力、自然エネルギー発電装置の電力が、照明装置を点灯させるのに不十分な量であっても、照明装置を点灯させることができる。
【0026】
また、制御装置は、発電装置の電力、蓄電装置の電力、及び自然エネルギー発電装置の3つの電力のうち少なくとも1つの電力が基準電力よりも大きいとき、3つの電力のうち基準電力よりも大きい電力が得られる装置を使って照明装置を点灯させる。これにより、有料である系統電源の電力を無駄に使用することが抑制され、電気代を低減(節約)することができる。
【0027】
請求項8の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記照明装置は、LED照明である。
【0028】
請求項8の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、照明装置がLED照明なので、白熱灯を用いる構成に比べて消費電力が低くなる。これにより、照明装置の点灯に必要な電力を低減することができる。
【0029】
請求項9の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、建物の外部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、前記建物の外部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、前記発電装置から出力された前記発電情報が車両の位置情報として入力され、該車両の位置情報に基づいて、該車両の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、を有する。
【0030】
制御装置は、入力された車両の位置情報に基づいて、車両の移動方向にある照明装置の点灯及び消灯を制御する。例えば、駐車場が真っ暗な状態では、車両の移動方向に設けられている照明装置を点灯させて車両の移動先を照らす(車両の運転者に移動先を示す)。これにより、車両の運転者は駐車領域を探さなくて済む。また、車両が他へ移動したことにより存在していない場所では、発電装置から発電情報が出力されないことから、制御装置が照明装置を消灯させる。これにより、車両の運転者が移動元の照明装置を消灯させる必要がなくなる。
【0031】
このように、車両を建物の外部の駐車場に駐車させるときに、移動先(駐車領域)が明確になると共に照明装置の点灯、消灯が自動で行われるので、建物の居住性を向上させることができる。
【0032】
請求項10の発明に係る建物は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システムを備えている。
【0033】
請求項10の発明に係る建物では、照明装置の点灯制御システムによって建物の居住性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、建物の居住性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0035】
請求項2に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、居住者に非常時であることを認識させることができるという優れた効果を有する。
【0036】
請求項3に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、非常時に照明装置へ供給される電力が不足するのを防ぐことができるという優れた効果を有する。
【0037】
請求項4に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、居住者に非常時であることを知らせることができるという優れた効果を有する。
【0038】
請求項5に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、居住者に非常時であることを知らせることができるという優れた効果を有する。
【0039】
請求項6に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、無駄な電力消費を抑制することができるという優れた効果を有する。
【0040】
請求項7に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、発電装置の電力、蓄電装置の電力、自然エネルギー発電装置の電力が照明装置を点灯させるのに不十分な量であっても、照明装置を点灯させることができると共に、電気代を低減することができるという優れた効果を有する。
【0041】
請求項8に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、照明装置の点灯に必要な電力を低減することができるという優れた効果を有する。
【0042】
請求項9に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、建物の居住性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0043】
請求項10に記載の本発明に係る建物によれば、居住性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態に係る建物の一階の間取り図である。
【図2】第1実施形態に係る建物の二階の間取り図である。
【図3】第1実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る発電装置が建物の床に設置された状態を示す斜視図である。
【図5】(A)第1実施形態に係る建物の二階廊下部分の透視図である。(B)第1実施形態に係る建物の階段部分の透視図である。
【図6】(A)第1実施形態に係る照明装置の構成を示す模式図である。(B)第1実施形態に係る照明装置が異なる色で発光する状態を示す模式図である。
【図7】(A)第1実施形態に係る照明装置を連続的に発光させると共に発光時間の長さを変更した状態を示すタイミングチャートである。(B)第1実施形態に係る照明装置を断続的に発光させると共に発光時間の長さを変更した状態を示すタイミングチャートである。
【図8】(A)第1実施形態に係る建物の二階廊下部分における夜間平常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。(B)第1実施形態に係る建物の二階廊下部分における夜間非常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【図9】(A)第1実施形態に係る建物の階段部分における夜間平常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。(B)第1実施形態に係る建物の階段部分における夜間非常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【図10】第2実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態に係る建物の階段部分の透視図である。
【図12】第3実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図13】(A)第3実施形態に係る建物の階段部分における夜間平常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。(B)第3実施形態に係る建物の階段部分における夜間非常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【図14】第4実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図15】(A)第4実施形態に係る建物外部の駐車場を示す模式図である。(B)第4実施形態に係る建物外部の駐車場に設けられた発電装置及び照明装置を示す模式図である。
【図16】(A)〜(D)第4実施形態に係る建物外部の駐車場に車両を駐車するときの照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。
【0046】
図1に示す第1実施形態の建物10は、一例として二階建てであり、一階の南側中央部分に玄関12が設けられ、玄関12の北側に玄関ホール14及び階段ホール50が設けられている。また、玄関ホール14の東側には、南側から北側へ向けて順にリビング16A、ダイニング16B、及びキッチン16Cが設けられており、玄関ホール14の西側には、南側から北側へ向けて順に和室18A、トイレ18B、及び浴室18Cが設けられている。
【0047】
玄関ホール14の床14A及び玄関ホール14からトイレ18Bへ延びる廊下19における図示の斜線領域Pには、発電装置の一例としての圧電装置30(詳細は後述する)が設けられている。また、玄関ホール14の床14A及び階段ホール50には、点線Lで示す部位及びその周辺に照明装置40(詳細は後述する)が設けられている。なお、照明装置40の点灯により明るく照らされる範囲の一部が、二点鎖線LAで示されている。
【0048】
また、リビング16Aにおける東側の壁17の外側(建物10の外側)には、照明装置40の点灯等の制御を行う制御装置22と、電力を蓄えるための蓄電装置24とが設けられている。さらに、壁17の内側には、制御装置22の各種設定が変更可能とされ、建物10内部の電力供給状態等を確認できるモニタ(図示省略)を備えた設定パネル26が設けられている。
【0049】
ここで、圧電装置30、蓄電装置24、照明装置40、及び制御装置22を含んで、照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム20が構成されている。そして、本実施形態では一例として、点灯システム20が、建物10の内部の電力供給、消費電力を管理するHEMS(Home Energy Management System)に組み込まれており、HEMSの一部として動作する。
【0050】
図2に示すように、建物10の二階の北側中央部分には、既述の階段ホール50が設けられており、階段ホール50の南側には、東西に長い廊下62が設けられている。廊下62の東側には、第1寝室64が設けられており、廊下62の南側には、階段ホール50に近い側に第2寝室66、及び階段ホール50から遠い側に第3寝室68が設けられている。そして、廊下62の北側で且つ階段ホール50の西側には、トイレ72及び倉庫74が設けられている。
【0051】
廊下62における図示の斜線領域Pには、圧電装置30が設けられている。また、廊下62には、点線Lで示す部位及びその周辺に照明装置40が設けられている。そして、照明装置40の点灯により明るく照らされる範囲の一部が二点鎖線LAで示されている。なお、本実施形態では一例として、第2寝室66で若い居住者が生活しており、第3寝室68で年配の居住者が生活しているものとする。これらの居住者情報は、制御装置22(図1参照)に登録されている。また、第1寝室64の居住者については、説明を省略する。
【0052】
次に、点灯システム20の全体構成について説明する。
【0053】
図3には、点灯システム20の概略がブロック図で示されている。図3では、電力の流れが実線の矢印で示されており、情報(信号)の流れが破線の矢印で示されている。点灯システム20では、圧電装置30が居住者の荷重を受けて発電したとき、発電したことを知らせる発電情報(矢印M1)が、制御装置22へ送られる。また、蓄電装置24に蓄えられている電力量の情報(矢印M2)が、制御装置22へ送られるようになっている。
【0054】
圧電装置30で生じた電力は、後述する切換部23及び蓄電装置24の少なくとも一方に供給されるようになっている。なお、圧電装置30で生じた電力の供給先(蓄電装置24又は切換部23は、一例として、制御装置22からの指示情報(設定パネル26の設定による)によって切り換えられる。そして、蓄電装置24に蓄えられている電力は切換部23へ供給される。
【0055】
一方、制御装置22は、圧電装置30で発電された電力及び蓄電装置24で蓄えられた電力のどちらを使用するかという切換情報(矢印M3)を、切換部23へ送る設定となっている。さらに、制御装置22は、切換部23へ供給された電力を照明装置40、及び建物10(図1参照)内部で使用する家電機器25のどちらへ供給するかという供給先情報(矢印M4)を切換部23へ送る設定となっている。なお、本実施形態では一例として、蓄電装置24に蓄えられた電力量が予め設定した電力量を上回り、且つ切換部23で蓄電装置24から供給された電力を使用する場合において、家電機器25へ電力供給する設定となっており、通常は、切換部23から照明装置40へ電力供給される。このように、切換部23は、制御装置22からの指示により電力の流れを切り換えるようになっている。
【0056】
また、制御装置22には、非常時を知らせる非常時情報を受信するアンテナを含む受信装置27が接続されている。そして、制御装置22は、受信装置27が非常時情報を受信して、この非常時情報(矢印M5)を受け取ったとき、後述する非常時モードで照明装置40の点灯を制御する。なお、以後の説明では、建物10(図1、2参照)の居住者に被害が及ぶ恐れのない(日常生活に影響のない)状態を平常時とする。そして、平常時とは異なり、火災、地震、停電等、居住者に被害が及ぶ恐れがある(日常生活に支障が出る)状態となったときを非常時として、平常時と区別する。
【0057】
次に、圧電装置30について説明する。
【0058】
図4には、二階の廊下62に設けられた複数の圧電装置30が示されている。なお、一階の床14A及び廊下19(図1参照)にも複数の圧電装置30が設けられているが、二階と同様の構成及び設置状態であるため説明を省略する。
【0059】
圧電装置30は、下地部材32と、下地部材32の上側で縦横に複数並べられた圧電センサ34と、複数の圧電センサ34の上側を覆う被覆部材36と、を含んで構成されており、廊下62の中央に形成された溝部63に嵌め込まれて設置されている。下地部材32は、一例として、木材で構成されているが、金属で構成されていてもよい。また、被覆部材36は、一例として、30cm×30cmの正方形状のアクリルパネルで構成されており、被覆部材36の上面が廊下62の上面と面一となる(高さが揃えられる)ように設置されている。
【0060】
圧電センサ34は、荷重(圧力)を受けたとき、その受けた圧力に応じた電力を発生させ、蓄電装置24及び切換部23(図3参照)の少なくとも一方へ出力するようになっている。また、各圧電センサ34の配置(例えば縦横の位置)は、制御装置22(図3参照)によって管理されており、制御装置22では、発電が行われた圧電センサ34の場所が特定できるようになっている。なお、圧電センサ34は、被覆部材36上に載った居住者が誰であっても(重量が異なっても)、照明装置40(図1、2参照)を点灯させるのに必要な電力を発電できるようになっている。
【0061】
次に、照明装置40について説明する。
【0062】
図5(A)には、二階に設けられた照明装置40が示されている。なお、一階の照明装置40については、二階と同様の構成及び設置状態であるため説明を省略する。
【0063】
二階の照明装置40は、一例として、廊下62の端部(階段ホール50に隣接する位置)で上面に露出して設けられた複数のLED照明40Aと、第2寝室66及び第3寝室68(図2参照)側の壁65の下端部に廊下62に沿って設けられた複数のLED照明40Bと、天井67で壁65の上端部に隣接すると共に壁65に沿って設けられた複数のLED照明40Cと、第1寝室64(図2参照)の入口上部の壁69に天井67に沿って設けられた複数のLED照明40Dと、を含んで構成されている。なお、倉庫74の入口付近にもLED照明40Bが設けられている。
【0064】
複数のLED照明40A、40B、40C、40Dは、いずれも直線上に配置されており、これらの配置方向(配列方向)は、居住者が移動すべき方向となっている。そして、複数のLED照明40A、40B、40C、40Dがそれぞれ直線上に配置されていることから、居住者は、複数のLED照明40A、40B、40C、40Dを視認することで、廊下62の形状、即ち建物10内部の形状を認識可能となっている。
【0065】
図5(B)には、階段ホール50が示されている。階段ホール50は、東側の壁52と、北側の壁54と、西側の壁56とで三方が囲まれて形成されており、壁54には、採光用の窓58が設けられている。また、階段ホール50には、複数の踏板53で構成された階段51が設けられている。各踏板53には、それぞれの踏板53の大きさ及び形状に合わせて既述の圧電装置30が設けられており、居住者の荷重を受けて発電可能となっている。
【0066】
さらに、階段ホール50には、複数の照明装置40が設けられている。階段ホール50の照明装置40は、壁52の上部で天井67(図5(A)参照)に沿って設けられた複数のLED照明40E、40Fと、壁52の下部で階段51に沿って階段状に設けられた複数のLED照明40Gと、壁54の上部で天井67に沿って設けられた複数のLED照明40Hと、壁54の下部で階段51に沿って階段状に設けられた複数のLED照明40Iと、壁56の上部で天井67に沿って設けられた複数のLED照明40Jと、壁56の下部で階段51に沿って階段状に設けられた複数のLED照明40Kと、を含んで構成されている。
【0067】
なお、壁52における複数のLED照明40E、40Fは、この順番で北側から南側へ配置されており、複数のLED照明40Eは、天井67(図5(A)参照)とほぼ平行に配置されている。そして、複数のLED照明40Fは、LED照明40Eに隣接する位置から二階のLED照明40D(図5(A)参照)へ向けて、斜め上方へ並ぶように配置されている。
【0068】
ここで、図5(A)及び図5(B)において、照明装置40を構成する複数のLED照明40A〜40Kは、いずれも同様の構成となっている。このため、LED照明40Aについて説明し、LED照明40B〜40Kの説明は省略する。
【0069】
図6(A)に示すように、LED照明40Aは、発光部の一例としての2種類のLED電球42、43を有している。LED電球42は、点灯色が白色であり、LED電球43は、点灯色が赤色となっている。そして、LED照明40Aは、図6(B)に示すように、LED電球42、43をそれぞれ単独で点灯可能となっており、後述する平常時にLED電球42が点灯し(矢印S1で示す)、非常時にLED電球43が点灯する(矢印S2で示す)ようになっている。なお、LED電球42、43について、破線が消灯状態を表しており、実線が点灯状態を表している。また、以後の説明では、照明装置40の点灯について、LED電球42、43の記載を省略して単に白色点灯、赤色点灯と記載する。
【0070】
次に、制御装置22における照明装置40の点灯設定について説明する。
【0071】
図7(A)には、第2寝室66(図2参照)の若い居住者が平常時に廊下62及び階段51(図2参照)を歩くときの照明装置40(図6参照)の点灯状態を示すチャートAと、第3寝室68(図2参照)の年配の居住者が平常時に廊下62及び階段51を歩くときの照明装置40の点灯状態を示すチャートBとが示されている。なお、チャートA、Bは、1つの圧電装置30(図4参照)が踏まれているときの点灯状態を表している。
【0072】
また、チャートAは、照明装置40の1回当たりの点灯における点灯継続時間がt1のタイミングチャートであり、チャートBは、照明装置40の1回当たりの点灯における点灯継続時間がt2(>t1)のタイミングチャートである。即ち、年配の居住者が廊下62及び階段51を歩くときに照明装置40が点灯している時間(t2)は、若い居住者が廊下62及び階段51を歩くときに照明装置40が点灯している時間(t1)よりも長くなっている。
【0073】
一方、図7(B)には、第2寝室66(図2参照)の若い居住者が非常時に廊下62及び階段51(図2参照)を歩くときの照明装置40(図6参照)の点灯状態を示すチャートCと、第3寝室68(図2参照)の年配の居住者が非常時に廊下62及び階段51を歩くときの照明装置40の点灯状態を示すチャートDとが示されている。なお、チャートC、Dは、1つの圧電装置30(図4参照)が踏まれているときの点灯状態を表している。
【0074】
また、チャートCは、照明装置40の一度の点灯時間(ただし複数回点滅する)がt1のタイミングチャートであり、チャートDは、照明装置40の一度の点灯時間(ただし複数回点滅する)がt2(>t1)のタイミングチャートである。なお、チャートA〜Dは、制御装置22内に予め設定されている。
【0075】
ここで、表1には、時間帯、居住者、状況(通常時、非常時)に合わせて設定された照明装置40(図6参照)の点灯継続時間、点灯位置、点灯色、及び使用電源の一覧が示されている。これらの設定は一例であり、予め制御装置22(図3参照)に設定されている。なお、居住者が変わったとき等に設定を変更する場合は、設定パネル26(図3参照)で設定変更(登録変更)を行う。
【0076】
【表1】
【0077】
なお、点灯システム20では、制御装置22が、切換部23(図3参照)を切り換えることにより、平常時に圧電装置30から照明装置40へ電力を供給させ、非常時に蓄電装置24から照明装置40へ電力を供給させるようになっている。なお、非常時において、蓄電装置24の蓄えている電力が不足する場合には、圧電装置30による電力も使用可能となっている。
【0078】
(作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0079】
図1〜5及び表1に示すように、一例として、7時から17時までの時間帯では、建物10の外部及び内部が明るいため照明装置40を点灯させず、居住者の歩行により圧電装置30で発生した電力を全て蓄電装置24に蓄電(充電)する。一方、17時から翌朝7時までの時間帯には、建物10の外部及び内部が暗いため照明装置40を点灯させる。なお、建物10の外部の明暗は、季節によって時間帯が変化するため、設定変更が必要とされるときに居住者が設定パネル26で設定変更すればよい。また、予め制御装置22に月毎の時間帯(切り換えを行う時間帯)を設定しておいてもよい。
【0080】
(平常時の照明装置40の点灯)
図3、図8(A)、及び表1に示すように、17時から翌朝7時までの時間帯の平常時において、居住者Mが廊下62を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、照明装置40に供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報(どの場所の圧電装置30が発電を行ったかという情報)が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0081】
ここで、制御装置22は、一例として、第3寝室68(図2参照)前の圧電装置30で発電が行われたことを検出したとき、廊下62に存在する居住者Mが、第3寝室68の年配者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を白色点灯(一例として15秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。なお、平常時は、複数のLED照明40A、40Bを点灯させ、居住者Mの周辺で特に足元を照らす。
【0082】
また、図8(A)では、一例として、複数のLED照明40A、40Bを全て点灯させた状態が示されているが、これに限らず、他の例として、居住者Mに対して移動方向の4、5個程度のLED照明40A、40Bを点灯させるようにしてもよい。そして、照明装置40は、移動する居住者Mの前方の数個が、居住者Mの移動に合わせて順次、場所をずらして点灯していく。これにより、廊下62のいずれの場所であっても、居住者Mの足元を照らすことができる。なお、図の網掛けは建物10内部が暗い状態を表しており、白色で示す部分が照明装置40による発光部分を表している。また、実際には、居住者Mの足元が明るくなる程度の範囲まで照明装置40の光が広がっているが、図では照明装置40周辺が明るくなっている状態で示している。
【0083】
本実施形態では、さらに、居住者Mが廊下62を移動しているときに階段ホール50側のLED照明40Fを数個点灯させる。これにより、廊下62を東へ(図示の奥側へ)移動する居住者Mは、廊下62の奥側に左斜め下方へ向かう発光点を視認することになる。これにより、居住者Mは、予め階段ホール50の位置を認識することができ、急な階段の出現で転倒するようなことを防ぐことができる。
【0084】
続いて、図3、図9(A)、及び表1に示すように、7時から17時までの時間帯で平常時において、居住者Mが階段51を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、照明装置40に供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0085】
ここで、制御装置22は、入力された居住者Mの位置情報(例えば、階段51の中央部分にいるという位置情報)に基づいて、居住者の移動方向にある照明装置40を点灯させ、居住者Mの移動先を照らす。なお、平常時は、複数のLED照明40G、40I、及び40Kを点灯させ、居住者Mの周辺で特に足元を照らす。また、図9(A)では、一例として、複数のLED照明40G、40I、及び40Kを全て点灯させた状態が示されているが、これに限らず、他の例として、居住者Mに対して移動方向の4、5個程度のLED照明40G、40I、及び40Kを点灯させるようにしてもよい。
【0086】
このようにして、建物10では、内部が暗いときに居住者Mの移動を自動で検出すると共に、圧電装置30の発電によって照明装置40を点灯させ、居住者Mの移動すべき方向を指し示す。これにより、居住者Mは、廊下62や階段ホール50の照明装置40のスイッチを探す必要がなくなる。そして、居住者Mは、照明装置40が点灯された方向へ移動することで、目的の場所へ迷わずに移動することができる。
【0087】
また、居住者Mが既に他の場所へ移動して、居なくなった場所では、圧電装置30から発電情報が出力されないことから、制御装置22が照明装置40を消灯させる。これにより、居住者Mが移動元の照明装置40を消灯させる必要がなくなると共に、移動後の点灯が不要な場所の照明装置40における無駄な点灯(点けっぱなし)による電力消費を抑えることができる。
【0088】
このように、点灯システム20では、居住者Mが建物10の内部の通路(廊下62、階段ホール50等)を移動するときに、移動先が自動で明確になると共に照明装置40の点灯、消灯が自動で行われるので、建物10における居住者Mの居住性を向上させることができる。
【0089】
さらに、点灯システム20では、平常時において、制御装置22が廊下62側の照明装置40を点灯させると共に天井67側の照明装置40を消灯させている。これにより、居住者Mの移動時に照明が必要な最低限の範囲である足元が照らされ居住者Mが移動可能となると共に、照明装置40の使用電力を低減することができる。
【0090】
(非常時の照明装置40の点灯)
一方、図3、図8(B)、及び表1に示すように、17時から翌朝7時までの時間帯の非常時において、居住者Mが廊下62を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、蓄電装置24に供給され、蓄電装置24から照明装置40へ電力供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報(どの場所の圧電装置30が発電を行ったかという情報)が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0091】
ここで、制御装置22は、一例として、第3寝室68(図2参照)前の圧電装置30で発電が行われたことを検出した場合、廊下62に存在する居住者Mが、第3寝室68の年配者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として20秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。居住者Mは、平常時よりも長い点灯時間で照明装置40が点灯することで、非常時を認識すると共にあわてずに移動することができる。なお、もともと点灯時間が長めに設定されている場合は、平常時と同じ点灯継続時間で照明装置40を点灯させてもよい。また、点灯時間を数十分等、極端に長い時間とした場合は、実質的に居住者Mの避難完了まで照明装置40が点灯することになる。
【0092】
また、制御装置22は、他の例として、第2寝室66(図2参照)前の圧電装置30で発電が行われたことを検出した場合、廊下62に存在する居住者Mが、第2寝室66の若者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として7秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。
【0093】
なお、非常時は、制御装置22が、複数のLED照明40A、40Bに加えて、複数のLED照明40C、40D、40Fを赤色点灯させる。これにより、居住者Mの周辺だけでなく、避難経路全体が点灯されるので、移動する(避難する)居住者Mは、避難先を明確に認識することができる。また、非常時であることをより明確に居住者Mに示すために、LED照明40A、40B、40C、40D、40Fを赤色で点滅発光(図7(B)参照)させてもよい。さらに、非常時のLED照明40A、40B、40C、40D、40Fの点灯継続時間を平常時よりも長く又は短くして、平常時と区別させてもよい。
【0094】
図8(B)では、一例として、複数のLED照明40A、40B、40C、40D、40Fを全て点灯させた状態が示されているが、これに限らず、他の例として、居住者Mに対して移動方向の4、5個程度のLED照明40A、40B、40C、40D、40Fを点灯させるようにしてもよい。そして、照明装置40は、移動する居住者Mの前方の数個が、居住者Mの移動に合わせて順次点灯していく。これにより、廊下62のいずれの場所であっても、避難経路を照らすことができる。
【0095】
また、居住者Mが廊下62を移動しているとき、階段ホール50側のLED照明40Fが赤色点灯する。そして、廊下62を東へ移動する居住者Mは、廊下62の奥側に左斜め下方へ向かう赤色の発光点を視認することになる。これにより、居住者Mは、予め階段ホール50の位置を認識することができ、急な階段の出現で転倒するようなことを防ぐことができる。
【0096】
続いて、図3、図9(B)、及び表1に示すように、17時から翌朝7時までの時間帯の非常時において、居住者Mが階段51を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、蓄電装置24に供給され、蓄電装置24から照明装置40へ電力供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0097】
ここで、制御装置22は、廊下62(図8(A)参照)を移動してきた居住者Mの情報に基づいて、一例として、階段51に存在する居住者Mが年配者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として15秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。居住者Mは、平常時よりも長い点灯時間で照明装置40が点灯することで、あわてずに移動することができる。
【0098】
また、制御装置22は、廊下62(図8(A)参照)を移動してきた居住者Mの情報に基づいて、他の例として、階段51に存在する居住者Mが若者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として3秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。
【0099】
なお、非常時は、制御装置22が、複数のLED照明40G、40I、40Kに加えて、複数のLED照明40E、40F、40H、40Jを赤色点灯させる。これにより、居住者Mの周辺だけでなく、避難経路全体(少なくとも居住者Mの周囲全体)が点灯されるので、避難する居住者Mは、避難先を明確に認識することができる。また、非常時であることをより明確に居住者Mに示すために、LED照明40E〜40Kを赤色で点滅発光(図7(B)参照)させてもよい。
【0100】
このようにして、建物10では、内部が暗く且つ非常時の場合に、居住者Mの移動を自動で検出すると共に、蓄電装置24からの電力供給(一部、圧電装置30の発電)によって照明装置40を点灯させ、居住者Mの移動すべき方向を指し示す。これにより、居住者Mは、廊下62や階段ホール50の照明装置40のスイッチを探す必要がなくなる。そして、居住者Mは、照明装置40が点灯された方向へ移動することで、目的の場所へ迷わずに避難することができる。
【0101】
また、居住者Mが既に他へ移動して居なくなった場所では、圧電装置30から発電情報が出力されないことから、制御装置22が照明装置40を消灯させる。これにより、居住者Mが移動元の照明装置40を消灯させる必要がなくなると共に、移動後の点灯が不要な場所の照明装置40における無駄な点灯による電力消費を抑えることができる。なお、照明装置40がLED照明なので、白熱灯を用いる構成に比べて消費電力が低くなる。これにより、照明装置40の点灯に必要な電力を低減することができる。
【0102】
以上説明したように、第1実施形態の点灯システム20では、居住者Mが建物10の内部の通路(廊下62、階段ホール50等)を移動(避難)するときに、移動先が自動で明確になると共に照明装置40の点灯、消灯が自動で行われるので、建物10における居住者Mの居住性を向上させることができる。
【0103】
また、点灯システム20では、非常時に、例えば、制御装置22が廊下62側の照明装置40に加えて天井67側の照明装置40も点灯させる。このように、非常時において平常時とは異なる場所の照明装置40が点灯することで、建物10の内部の居住者Mに非常時であることを認識させることができる。さらに、平常時とは異なる場所の照明装置40が点灯することで、建物10の内部の居住者に非難方向を明確に指し示すことができる。
【0104】
加えて、点灯システム20では、制御装置22が切換部23(図3参照)を切り換えることにより、平常時に圧電装置30から照明装置40へ電力供給し、非常時に圧電装置30から蓄電装置24へ切り換えて照明装置40へ電力供給する。これにより、平常時に圧電装置30で得られる発電量(電力)が少ない構成であっても、非常時は蓄電装置24から照明装置40へ必要量の電力が供給されるので、非常時に照明装置40へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0105】
一方、平常時に蓄電装置24から照明装置40へ電力供給し、非常時に蓄電装置24から圧電装置30へ切り換えて照明装置40へ電力供給する構成にしていた場合は、蓄電装置24に蓄えられている電力を平常時にほぼ使い切っていたとしても、非常時に圧電装置30から照明装置40へ電力供給されるので、非常時に照明装置40へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0106】
また、点灯システム20では、非常時において、平常時の白色とは異なり、赤色のLED電球43が発光する。そして、居住者Mは、照明装置40が平常時とは異なる色で発光していることから非常時であることを認識する。これにより、居住者Mに非常時であることを知らせることができる。さらに、既述のように、照明装置40を点滅点灯することで、居住者Mに対して非常時であることをさらに明確に知らせることができる。
【0107】
加えて、点灯システム20では、非常時において、照明装置40が平常時の点灯の継続時間よりも長い継続時間で点灯(発光)する。これにより、年配者のように歩く速度が遅い居住者Mが避難する場合であっても、照明装置40が長時間点灯するので、居住者Mが避難時に迷うのを防ぐことができる。なお、居住者Mが避難した後、非常時状態が平常時状態となったときは、制御装置22が建物10内部の全ての照明装置40(照明装置40の他に設けられた照明装置も含む)を点灯することで、避難していた居住者Mが、各自の部屋へ戻ることができる。
【0108】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0109】
図10には、第2実施形態の照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム90の構成がブロック図で示されている。点灯システム90は、第1実施形態の点灯システム20(図3参照)に加えて、自然エネルギー発電装置の一例としての太陽光パネル84と、系統電源82とが設けられた構成となっている。
【0110】
太陽光パネル84は、建物10(図1、2参照)の屋根(図示省略)上に取り付けられており、自然エネルギーによる発電の一例である太陽光発電により得られた電力が、ケーブル(図示省略)を介して切換部23へ供給されるようになっている。また、系統電源82は、電力会社へ使用料金を支払って電力を得るものであり、ケーブル(図示省略)を介して切換部23へ電力供給可能に設けられている。
【0111】
なお、第1実施形態の点灯システム20(図3参照)と同様に、第2実施形態の点灯システム90においても、時間帯、居住者、状況(通常時、非常時)に合わせて、照明装置40(図6参照)の点灯継続時間、点灯位置、点灯色、及び使用電源が表1のように制御装置22に設定されている。
【0112】
さらに、制御装置22は、圧電装置30で発電された電力、蓄電装置24に蓄えられた電力、及び太陽光パネル84で発電された電力の全てが、設定した基準電力以下のとき、系統電源82の電力で照明装置40を点灯させる設定となっている。また、制御装置22は、圧電装置30で発電された電力、蓄電装置24に蓄えられた電力、及び太陽光パネル84で発電された電力のうち少なくとも1つの電力が基準電力よりも大きいとき、該基準電力よりも大きい電力が得られるものを用いて照明装置40を点灯させ、系統電源82の電力の使用を停止する設定となっている。
【0113】
(作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0114】
図10に示す点灯システム90では、圧電装置30の電力、蓄電装置24の電力、及び太陽光パネル84の電力の全てが基準電力以下のとき、制御装置22が、系統電源82の電力で照明装置40を点灯させる。これにより、圧電装置30の電力、蓄電装置24の電力、太陽光パネル84の電力が、照明装置40を点灯させるのに不十分な量であっても、照明装置40を点灯させることができる。
【0115】
また、点灯システム90では、圧電装置30の電力、蓄電装置24の電力、及び太陽光パネル84の電力のうち少なくとも1つの電力が基準電力よりも大きいとき、一例として、蓄電装置24の電力のみ基準電力よりも大きいとき、蓄電装置24を使って照明装置40を点灯させる。これにより、有料である系統電源82の電力を無駄に使用することが抑制され、電気代を低減することができる。なお、圧電装置30の電力、太陽光パネル84の電力が基準電力よりも大きい場合は、圧電装置30、太陽光パネル84から供給される電力で照明装置40を点灯させればよい。
【0116】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1、第2実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1、第2実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0117】
図11には、第3実施形態の照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム100が設けられた階段ホール50が示されている。また、図12には、点灯システム100の構成がブロック図で示されている。点灯システム100は、第1実施形態の点灯システム20(図3参照)に加えて、建物10内部の明るさを測定する照度測定手段の一例としての照度計102が設けられた構成となっている。
【0118】
図11及び図12に示すように、照度計102は、階段ホール50の壁52のほぼ中央部分に取り付けられており、窓58から入射した外光BMによって照らされた階段ホール50内の照度を測定する。また、照度計102で得られた照度データは、制御装置22へ送られるようになっている(図12の破線の矢印D)。
【0119】
ここで、図12及び表2に示すように、制御装置22は、照度計102で測定された照度が予め設定した基準照度(一例として50ルクス)よりも小さいとき、階段ホール50内部の照明装置40の点灯状態を平常時と非常時とで切り替え可能とし、照度計102で測定された照度が基準照度以上のとき、建物10内部の照明装置40を消灯させる設定となっている。
【0120】
【表2】
【0121】
(作用)
次に、第3実施形態の作用について説明する。
【0122】
図11、図12、及び表2に示すように、点灯システム100では、照度計102で測定された階段ホール50の照度が基準照度(一例として50ルクス)よりも小さいとき、制御装置22は、建物10の内部の各照明装置40の制御設定(点灯設定)を平常時から非常時へ切り替え可能となっている。このため、建物10の内部が基準照度よりも小さい明るさの状態において、平常時から非常時へと状況が変わった場合には、照明装置40の点灯状態が、図13(A)に示す平常時から図13(B)に示す非常時へと変更される。なお、廊下62(図8(B)参照)における照明装置40の非常時の点灯状態は、第1、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
一方、照度計102で測定された建物10の内部の照度が基準照度以上のとき、制御装置22は、照明装置40を消灯させる。ここで、建物10の内部の照度が基準照度以上のときは、建物10の内部に必要とされる明るさが確保されているため、平常時から非常時へと状況が変わった場合、照明装置40を消灯させていたとしても、居住者Mが通路(避難経路)を認識することができる。これにより、非常時において通路全体(避難経路全体)を照明する必要が無くなり、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0124】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1〜第3実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0125】
図14には、第4実施形態の照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム110の構成がブロック図で示されている。また、図15(A)、(B)には、点灯システム110が設けられた建物10の外部(玄関12から東南側部分)が示されている。
【0126】
図14に示すように、点灯システム110は、第2実施形態の点灯システム90(図10参照)において、圧電装置30に換えて圧電装置120が設けられ、照明装置40に換えて照明装置130が設けられた構成となっている。
【0127】
図15(B)に示すように、圧電装置120は、複数の圧電装置30(一例として、12×6個)が地面Gに矩形状に並べられて(露出状態で)設置されたものであり、圧電装置120上には、後述する車両C(図16(B)参照)が駐車されるようになっている。
【0128】
照明装置130は、車両Cが出し入れされる南側を除いて、圧電装置120の三方向を囲む複数のLED照明40Aで構成されている。また、圧電装置120の南側端部の距離L1の範囲(一例として、圧電装置30の2×6個に相当する範囲)は、周囲にLED照明40Aが設けられていない。
【0129】
図14に示すように、点灯システム110では、圧電装置120において車両C(図16(B)参照)の荷重により発電したとき、発電したことを知らせる発電情報(矢印M1)が、制御装置22へ送られる。また、蓄電装置24に蓄えられている電力量の情報(矢印M2)は、制御装置22へ送られる。
【0130】
圧電装置120で生じた電力は、切換部23及び蓄電装置24の少なくとも一方に供給されるようになっている。なお、圧電装置120で生じた電力の供給先は、一例として、制御装置22からの指示情報又は設定パネル26の設定によって切り換えられる。そして、蓄電装置24に蓄えられている電力は切換部23へ供給される。
【0131】
一方、制御装置22は、圧電装置120で発電された電力、蓄電装置24で蓄えられた電力、太陽光パネル84の電力、系統電源82の電力のいずれを使用するかという切換情報(矢印M3)を切換部23へ送る設定となっている。なお、本実施形態では一例として、圧電装置120で発電された電力を用いる設定となっている。
【0132】
(作用)
次に、第4実施形態の作用について説明する。
【0133】
図14及び図16(A)に示すように、車両C(図16(B)参照)が圧電装置120上に駐車されない場合は、照明装置130(複数のLED照明40A)が全て消灯されている。なお、LED照明40Aの消灯を黒丸で図示している。また、以後の説明では、LED照明40Aの点灯を白丸で図示する。
【0134】
続いて、図14及び図16(B)、(C)に示すように、車両Cの駐車動作が開始され、車両Cの後部が圧電装置120上に載ったとき、車両Cの重量によって(荷重を受けて)圧電装置120で発電が行われ、得られた電力が複数のLED照明40Aへ供給される。また、圧電装置120から出力された発電情報(圧電装置120のどの場所が発電を行ったかという情報)が、車両Cの位置情報として制御装置22に入力される。
【0135】
ここで、制御装置22は、車両Cの位置情報に基づいて、車両Cの移動方向(駐車方向)にある複数のLED照明40Aを白色点灯(一例として3秒間継続する点灯)させる。これにより、運転者(図示省略)が車両Cの移動先(駐車可能な領域)を認識できる。そして、運転者は、点灯されたLED照明40Aの配置を参考にして、車両Cを駐車する。なお、図16(B)では駐車方向における前方から中央までのLED照明40Aが点灯しており、後方のLED照明40Aは消灯している。
【0136】
続いて、図14及び図16(D)に示すように、一例として、圧電装置120から発電情報が出力されず、即ち、車両Cの移動が検知されなくなった場合、制御装置22は、車両Cの駐車が完了したものとして、複数のLED照明40Aを消灯させる。なお、車両Cの駐車の完了は、圧電装置120の手前側のL1の範囲(図15(B)参照)において発電が行われなくなったことに基づいて検知してもよい。また、車両Cの駐車中に火災等の非常時となった場合は、制御装置22が複数のLED照明40Aを赤色点灯させ、あるいは点滅させることで、運転者に非常時を知らせることができる。
【0137】
このように、点灯システム110では、車両Cの運転者は駐車領域を探さなくて済む。また、車両Cが既に他へ移動して存在していない場所では、圧電装置120から発電情報が出力されないことから、制御装置22が照明装置130を消灯させる。これにより、車両Cの運転者が移動元の照明装置130を消灯させる必要がなくなる。以上説明したように、点灯システム110では、車両Cを建物10の外部の駐車場に駐車させるときに、移動先が明確になると共に照明装置130の点灯、消灯が自動で行われるので、車両Cの駐車を容易に行うことができ、建物10の居住性(駐車場への駐車の容易性も居住性に含む)を向上させることができる。
【0138】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0139】
第1、第2実施形態の点灯システム20、90において、LED電球42、43の色は、白色、赤色に限らず、青色や他の色を用いてもよい。また、LED照明40A〜40Kの形状は、丸形や楕円形に限らず、多角形状であってもよい。さらに、照明装置40の電源として、圧電装置30、蓄電装置24、太陽光パネル84、及び系統電源82のいずれを用いてもよい。
【0140】
照明装置40の点灯継続時間は、実施形態で記載した3秒、7秒、15秒、20秒に限らず、居住者Mの歩行速度や暗所での光の識別能力に合わせて、他の時間で設定してもよい。また、居住者Mの移動を検知する手段は、圧電装置30に限らず、赤外線を用いた人感センサなど、他の検知手段を部屋の入口付近に設けていてもよい。さらに、7時〜17時の時間帯において、通常は明るいため照明装置40を点灯させなくてもよいが、非常時の場合に、居住者Mに非常時であることを明確に知らせるために、照明装置40を赤色点灯あるいは点滅点灯させて知らせてもよい。
【0141】
なお、非常時の他の例として、停電時の場合は、玄関12までの避難経路の照明装置40を点灯させずに、別途、設けた照明装置40を点灯させて、居住者Mを建物10内部のブレーカーがある場所まで案内してもよい。
【0142】
第3実施形態の点灯システム100において、系統電源82及び太陽光パネル84を接続して、電力供給可能に設けると共に、基準電力よりも電力が大きいものを使用するように設定してもよい。また、照度計102は、階段ホール50に限らず、廊下62や玄関12の内部に設置してもよい。
【0143】
第4実施形態の点灯システム110において、複数のLED照明40Aを1つおきに点灯させ、平常時と非常時で点灯位置を換えるように構成してもよい。また、地面Gと間隔をあけて鉛直上方で水平に複数のLED照明40Aを並べて、運転者から発光場所が確認しやすいように構成してもよい。
【0144】
自然エネルギー発電装置とは、太陽光発電装置(太陽光パネル84)に限られるものではなく、その他の自然エネルギーを利用した発電装置でもよい。風力発電、水力発電、潮力発電、波力発電、海流発電、地熱発電等、他の自然エネルギーを使用した発電装置でもよい。例えば、一例として、地熱発電には、ドライスチーム、バイナリーサイクル(温水発電応用)、高温岩体発電、マグマ発電等があり、これらの自然エネルギーは、雨の日や夜間(暗いとき)でも、常時、電力の安定供給が可能な発電であり、夜間の発電電力の供給不足の際、「夜間の非常時」において、特に有効である。風力発電、水力発電、潮力発電、波力発電、海流発電等も、太陽光の減少の供給量変化の影響が低い。尚、これらの自然エネルギーを含む発電装置は建物に少なくとも一部が容易に設置可能であるものが望ましい。
【符号の説明】
【0145】
10 建物
20 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
22 制御装置
24 蓄電装置
30 圧電装置(発電装置の一例)
40 照明装置
42 LED電球(発光部の一例)
43 LED電球(発光部の一例)
82 系統電源
84 太陽光パネル(自然エネルギー発電装置の一例)
90 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
100 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
102 照度センサ(照度測定手段の一例)
110 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
120 圧電装置(発電装置の一例)
130 照明装置
C 車両
M 居住者
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の点灯制御システム及び建物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の避難誘導照明システムは、部屋の床面となる複数のパネルと、パネルの上面から上方に放射光を出射する光源と、パネルへの圧力によって発電する圧電センサと、圧電センサによって発電された電力を貯蔵する蓄電装置と、蓄電装置の電力が電源として入力され光源を点灯する点灯装置と、非常用信号を受信する受信装置と、受信装置が非常用信号を受信したときに、光源の点灯により部屋の出口への誘導経路が形成されるように点灯装置を制御する制御装置と、を有している。
【0003】
特許文献1の避難誘導照明システムでは、受信装置が非常用信号を受信したとき、制御装置が光源を点灯させて部屋の出口への誘導経路を形成する。これにより、人を避難誘導方向へ誘導している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−28627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の避難誘導照明システムは、避難時の照明の点灯についてのみ開示されており、平常時も含めた照明の活用については開示されていなかった。このため、平常時に照明を活用できず、建物の居住性を向上させることができなかった。
【0006】
本発明は、建物の居住性を向上させることができる照明装置の点灯制御システム及び建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、建物の内部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、前記建物の内部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、前記発電装置から出力された前記発電情報が居住者の位置情報として入力され、該居住者の位置情報に基づいて、該居住者の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、を有する。
【0008】
請求項1の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、居住者が建物の内部の通路(廊下や階段等)を使って移動するとき、居住者の荷重を受けて発電装置が発電する。そして、発電によって得られた電力は、蓄電装置に蓄電され又は照明装置に供給される。また、発電装置から出力された発電情報が、居住者の位置情報(居住者が建物のどの場所にいるかという情報)として制御装置に入力される。
【0009】
ここで、制御装置は、入力された居住者の位置情報に基づいて、居住者の移動方向にある照明装置の点灯及び消灯を制御する。例えば、建物の内部の通路が真っ暗な状態では、居住者の移動方向に設けられている照明装置を点灯させて居住者の移動先を照らす(居住者に移動先を示す)。これにより、居住者は目的の場所へ移動するときに迷わなくて済む。また、他の場所への移動によって居住者がいなくなった場所(通過した場所)では、発電装置から発電情報が出力されないことから、制御装置が照明装置を消灯させる。これにより、居住者が移動元の照明装置を消灯させる必要がなくなる。
【0010】
このように、居住者が建物の内部の通路を移動するときに、移動先が明確になると共に照明装置の点灯、消灯が自動で行われるので、建物の居住性を向上させることができる。
【0011】
請求項2の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記制御装置は、平常時とは異なる非常時であることを示す非常時情報を受信可能とされ、前記平常時と前記非常時とで、点灯させる前記照明装置の場所を変更する。
【0012】
請求項2の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、例えば、平常時には、制御装置が床側の照明装置を点灯させると共に天井側の照明装置を消灯させる。これにより、移動時に照明が必要な最低限の範囲である足元が照らされるので、居住者が移動可能となると共に照明装置の使用電力を低減することができる。
【0013】
一方、非常時情報を受信した非常時には、例えば、制御装置が床側の照明装置に加えて天井側の照明装置も点灯させる。このように、非常時に平常時とは異なる場所の照明装置が点灯することで、建物の内部の居住者に非常時であることを認識させることができる。さらに、平常時とは異なる場所の照明装置が点灯することで、建物の内部の居住者に非難方向を明確に指し示すことができる。
【0014】
請求項3の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記制御装置は、前記平常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の一方から前記照明装置へ電力を供給させ、前記非常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の他方から前記照明装置へ電力を供給させる。
【0015】
請求項3の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、例えば、平常時に蓄電装置から照明装置へ電力供給し、非常時に蓄電装置から発電装置へ切り換えて、発電装置から照明装置へ電力供給する。これにより、蓄電装置に蓄えられている電力を平常時に使い切っていたとしても、非常時に居住者の荷重を受けた発電装置から照明装置へ電力供給されるので、非常時に照明装置へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0016】
一方、平常時に居住者の荷重を受けた発電装置から照明装置へ電力供給し、非常時に発電装置から蓄電装置へ切り換えて、蓄電装置から照明装置へ電力供給する場合は、平常時に発電装置で得られる発電量(電力)が少ない構成であっても、非常時は蓄電装置から照明装置へ十分な量の電力が供給されるので、非常時に照明装置へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0017】
請求項4の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記照明装置には、点灯色が異なる複数の発光部が設けられ、前記制御装置は、前記平常時と前記非常時で異なる色の前記発光部を点灯させる。
【0018】
請求項4の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、非常時において、照明装置では平常時の色とは異なる色の発光部が発光する。そして、居住者は、照明装置が異なる色で発光していることから非常時であることを認識する。これにより、居住者に非常時であることを知らせることができる。
【0019】
請求項5の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記制御装置は、前記非常時の点灯の継続時間と前記平常時の点灯の継続時間とが異なるように前記照明装置を点灯させる。
【0020】
請求項5の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、非常時において、照明装置は、平常時の点灯の継続時間よりも長い点灯の継続時間(又は短い点灯の継続時間)で発光する。そして、居住者は、点灯の継続時間の違いを認識することで、非常時であることを知る。これにより、居住者に非常時であることを知らせることができる。また、若者と年配者(あるいは体格が大柄な人と小柄な人)とでは歩行速度が異なるが、予め居住者に関する情報を制御装置に設定しておけば、歩行速度が遅い年配者が移動する場合であっても、非常時に照明装置を長時間点灯させることで避難先を認識させることができる。
【0021】
請求項6の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記建物の内部には照度を測定する照度測定手段が設けられ、前記制御装置は、前記照度測定手段で測定された照度が設定した基準照度よりも小さいとき、前記建物の内部の前記照明装置の点灯を前記平常時と前記非常時とで切り替え可能とし、前記照度測定手段で測定された照度が前記基準照度以上のとき、前記建物の内部の前記照明装置を消灯させる。
【0022】
請求項6の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、照度測定手段で測定された建物の内部の照度が基準照度よりも小さいとき、制御装置は、建物の内部の照明装置の制御設定(点灯設定)を平常時から非常時へ切り替え可能となっている。このため、基準照度以下の状態で平常時から非常時へと状況が変わった場合には、建物の内部の照明装置が非常時の点灯設定で点灯する。
【0023】
一方、照度測定手段で測定された建物の内部の照度が基準照度以上のとき、制御装置は、建物の内部の照明装置を消灯させる。ここで、建物の内部の照度が基準照度以上のときは、建物の内部に必要とされる明るさが確保されているので、照明装置を消灯させても、居住者が通路(移動先)を認識することができる。これにより、非常時において通路全体を照明する必要が無くなり、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0024】
請求項7の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記照明装置には、自然エネルギーにより発電する自然エネルギー発電装置の電力及び系統電源の電力が供給可能とされ、前記制御装置は、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力の全てが設定した基準電力以下のとき、前記系統電源の電力で前記照明装置を点灯させ、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力のうち少なくとも1つの電力が前記基準電力よりも大きいとき、該基準電力よりも大きい電力が得られる前記発電装置、前記蓄電装置、及び前記自然エネルギー発電装置のうち少なくとも1つで前記照明装置を点灯させ、前記系統電源の電力の使用を停止する。
【0025】
請求項7の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、制御装置は、発電装置の電力、蓄電装置の電力、及び自然エネルギー発電装置の電力の全て(総和の電力ではなく個々の電力全て)が、予め設定した基準電力(居住者の移動先の照明装置を点灯させるのに必要とされる電力)以下のとき、系統電源の電力で照明装置を点灯させる。これにより、発電装置の電力、蓄電装置の電力、自然エネルギー発電装置の電力が、照明装置を点灯させるのに不十分な量であっても、照明装置を点灯させることができる。
【0026】
また、制御装置は、発電装置の電力、蓄電装置の電力、及び自然エネルギー発電装置の3つの電力のうち少なくとも1つの電力が基準電力よりも大きいとき、3つの電力のうち基準電力よりも大きい電力が得られる装置を使って照明装置を点灯させる。これにより、有料である系統電源の電力を無駄に使用することが抑制され、電気代を低減(節約)することができる。
【0027】
請求項8の発明に係る照明装置の点灯制御システムは、前記照明装置は、LED照明である。
【0028】
請求項8の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、照明装置がLED照明なので、白熱灯を用いる構成に比べて消費電力が低くなる。これにより、照明装置の点灯に必要な電力を低減することができる。
【0029】
請求項9の発明に係る照明装置の点灯制御システムでは、建物の外部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、前記建物の外部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、前記発電装置から出力された前記発電情報が車両の位置情報として入力され、該車両の位置情報に基づいて、該車両の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、を有する。
【0030】
制御装置は、入力された車両の位置情報に基づいて、車両の移動方向にある照明装置の点灯及び消灯を制御する。例えば、駐車場が真っ暗な状態では、車両の移動方向に設けられている照明装置を点灯させて車両の移動先を照らす(車両の運転者に移動先を示す)。これにより、車両の運転者は駐車領域を探さなくて済む。また、車両が他へ移動したことにより存在していない場所では、発電装置から発電情報が出力されないことから、制御装置が照明装置を消灯させる。これにより、車両の運転者が移動元の照明装置を消灯させる必要がなくなる。
【0031】
このように、車両を建物の外部の駐車場に駐車させるときに、移動先(駐車領域)が明確になると共に照明装置の点灯、消灯が自動で行われるので、建物の居住性を向上させることができる。
【0032】
請求項10の発明に係る建物は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システムを備えている。
【0033】
請求項10の発明に係る建物では、照明装置の点灯制御システムによって建物の居住性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、建物の居住性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0035】
請求項2に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、居住者に非常時であることを認識させることができるという優れた効果を有する。
【0036】
請求項3に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、非常時に照明装置へ供給される電力が不足するのを防ぐことができるという優れた効果を有する。
【0037】
請求項4に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、居住者に非常時であることを知らせることができるという優れた効果を有する。
【0038】
請求項5に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、居住者に非常時であることを知らせることができるという優れた効果を有する。
【0039】
請求項6に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、無駄な電力消費を抑制することができるという優れた効果を有する。
【0040】
請求項7に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、発電装置の電力、蓄電装置の電力、自然エネルギー発電装置の電力が照明装置を点灯させるのに不十分な量であっても、照明装置を点灯させることができると共に、電気代を低減することができるという優れた効果を有する。
【0041】
請求項8に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、照明装置の点灯に必要な電力を低減することができるという優れた効果を有する。
【0042】
請求項9に記載の本発明に係る照明装置の点灯制御システムによれば、建物の居住性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0043】
請求項10に記載の本発明に係る建物によれば、居住性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態に係る建物の一階の間取り図である。
【図2】第1実施形態に係る建物の二階の間取り図である。
【図3】第1実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る発電装置が建物の床に設置された状態を示す斜視図である。
【図5】(A)第1実施形態に係る建物の二階廊下部分の透視図である。(B)第1実施形態に係る建物の階段部分の透視図である。
【図6】(A)第1実施形態に係る照明装置の構成を示す模式図である。(B)第1実施形態に係る照明装置が異なる色で発光する状態を示す模式図である。
【図7】(A)第1実施形態に係る照明装置を連続的に発光させると共に発光時間の長さを変更した状態を示すタイミングチャートである。(B)第1実施形態に係る照明装置を断続的に発光させると共に発光時間の長さを変更した状態を示すタイミングチャートである。
【図8】(A)第1実施形態に係る建物の二階廊下部分における夜間平常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。(B)第1実施形態に係る建物の二階廊下部分における夜間非常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【図9】(A)第1実施形態に係る建物の階段部分における夜間平常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。(B)第1実施形態に係る建物の階段部分における夜間非常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【図10】第2実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態に係る建物の階段部分の透視図である。
【図12】第3実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図13】(A)第3実施形態に係る建物の階段部分における夜間平常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。(B)第3実施形態に係る建物の階段部分における夜間非常時の照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【図14】第4実施形態に係る点灯システムの各構成の接続状態を示すブロック図である。
【図15】(A)第4実施形態に係る建物外部の駐車場を示す模式図である。(B)第4実施形態に係る建物外部の駐車場に設けられた発電装置及び照明装置を示す模式図である。
【図16】(A)〜(D)第4実施形態に係る建物外部の駐車場に車両を駐車するときの照明装置の点灯状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。
【0046】
図1に示す第1実施形態の建物10は、一例として二階建てであり、一階の南側中央部分に玄関12が設けられ、玄関12の北側に玄関ホール14及び階段ホール50が設けられている。また、玄関ホール14の東側には、南側から北側へ向けて順にリビング16A、ダイニング16B、及びキッチン16Cが設けられており、玄関ホール14の西側には、南側から北側へ向けて順に和室18A、トイレ18B、及び浴室18Cが設けられている。
【0047】
玄関ホール14の床14A及び玄関ホール14からトイレ18Bへ延びる廊下19における図示の斜線領域Pには、発電装置の一例としての圧電装置30(詳細は後述する)が設けられている。また、玄関ホール14の床14A及び階段ホール50には、点線Lで示す部位及びその周辺に照明装置40(詳細は後述する)が設けられている。なお、照明装置40の点灯により明るく照らされる範囲の一部が、二点鎖線LAで示されている。
【0048】
また、リビング16Aにおける東側の壁17の外側(建物10の外側)には、照明装置40の点灯等の制御を行う制御装置22と、電力を蓄えるための蓄電装置24とが設けられている。さらに、壁17の内側には、制御装置22の各種設定が変更可能とされ、建物10内部の電力供給状態等を確認できるモニタ(図示省略)を備えた設定パネル26が設けられている。
【0049】
ここで、圧電装置30、蓄電装置24、照明装置40、及び制御装置22を含んで、照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム20が構成されている。そして、本実施形態では一例として、点灯システム20が、建物10の内部の電力供給、消費電力を管理するHEMS(Home Energy Management System)に組み込まれており、HEMSの一部として動作する。
【0050】
図2に示すように、建物10の二階の北側中央部分には、既述の階段ホール50が設けられており、階段ホール50の南側には、東西に長い廊下62が設けられている。廊下62の東側には、第1寝室64が設けられており、廊下62の南側には、階段ホール50に近い側に第2寝室66、及び階段ホール50から遠い側に第3寝室68が設けられている。そして、廊下62の北側で且つ階段ホール50の西側には、トイレ72及び倉庫74が設けられている。
【0051】
廊下62における図示の斜線領域Pには、圧電装置30が設けられている。また、廊下62には、点線Lで示す部位及びその周辺に照明装置40が設けられている。そして、照明装置40の点灯により明るく照らされる範囲の一部が二点鎖線LAで示されている。なお、本実施形態では一例として、第2寝室66で若い居住者が生活しており、第3寝室68で年配の居住者が生活しているものとする。これらの居住者情報は、制御装置22(図1参照)に登録されている。また、第1寝室64の居住者については、説明を省略する。
【0052】
次に、点灯システム20の全体構成について説明する。
【0053】
図3には、点灯システム20の概略がブロック図で示されている。図3では、電力の流れが実線の矢印で示されており、情報(信号)の流れが破線の矢印で示されている。点灯システム20では、圧電装置30が居住者の荷重を受けて発電したとき、発電したことを知らせる発電情報(矢印M1)が、制御装置22へ送られる。また、蓄電装置24に蓄えられている電力量の情報(矢印M2)が、制御装置22へ送られるようになっている。
【0054】
圧電装置30で生じた電力は、後述する切換部23及び蓄電装置24の少なくとも一方に供給されるようになっている。なお、圧電装置30で生じた電力の供給先(蓄電装置24又は切換部23は、一例として、制御装置22からの指示情報(設定パネル26の設定による)によって切り換えられる。そして、蓄電装置24に蓄えられている電力は切換部23へ供給される。
【0055】
一方、制御装置22は、圧電装置30で発電された電力及び蓄電装置24で蓄えられた電力のどちらを使用するかという切換情報(矢印M3)を、切換部23へ送る設定となっている。さらに、制御装置22は、切換部23へ供給された電力を照明装置40、及び建物10(図1参照)内部で使用する家電機器25のどちらへ供給するかという供給先情報(矢印M4)を切換部23へ送る設定となっている。なお、本実施形態では一例として、蓄電装置24に蓄えられた電力量が予め設定した電力量を上回り、且つ切換部23で蓄電装置24から供給された電力を使用する場合において、家電機器25へ電力供給する設定となっており、通常は、切換部23から照明装置40へ電力供給される。このように、切換部23は、制御装置22からの指示により電力の流れを切り換えるようになっている。
【0056】
また、制御装置22には、非常時を知らせる非常時情報を受信するアンテナを含む受信装置27が接続されている。そして、制御装置22は、受信装置27が非常時情報を受信して、この非常時情報(矢印M5)を受け取ったとき、後述する非常時モードで照明装置40の点灯を制御する。なお、以後の説明では、建物10(図1、2参照)の居住者に被害が及ぶ恐れのない(日常生活に影響のない)状態を平常時とする。そして、平常時とは異なり、火災、地震、停電等、居住者に被害が及ぶ恐れがある(日常生活に支障が出る)状態となったときを非常時として、平常時と区別する。
【0057】
次に、圧電装置30について説明する。
【0058】
図4には、二階の廊下62に設けられた複数の圧電装置30が示されている。なお、一階の床14A及び廊下19(図1参照)にも複数の圧電装置30が設けられているが、二階と同様の構成及び設置状態であるため説明を省略する。
【0059】
圧電装置30は、下地部材32と、下地部材32の上側で縦横に複数並べられた圧電センサ34と、複数の圧電センサ34の上側を覆う被覆部材36と、を含んで構成されており、廊下62の中央に形成された溝部63に嵌め込まれて設置されている。下地部材32は、一例として、木材で構成されているが、金属で構成されていてもよい。また、被覆部材36は、一例として、30cm×30cmの正方形状のアクリルパネルで構成されており、被覆部材36の上面が廊下62の上面と面一となる(高さが揃えられる)ように設置されている。
【0060】
圧電センサ34は、荷重(圧力)を受けたとき、その受けた圧力に応じた電力を発生させ、蓄電装置24及び切換部23(図3参照)の少なくとも一方へ出力するようになっている。また、各圧電センサ34の配置(例えば縦横の位置)は、制御装置22(図3参照)によって管理されており、制御装置22では、発電が行われた圧電センサ34の場所が特定できるようになっている。なお、圧電センサ34は、被覆部材36上に載った居住者が誰であっても(重量が異なっても)、照明装置40(図1、2参照)を点灯させるのに必要な電力を発電できるようになっている。
【0061】
次に、照明装置40について説明する。
【0062】
図5(A)には、二階に設けられた照明装置40が示されている。なお、一階の照明装置40については、二階と同様の構成及び設置状態であるため説明を省略する。
【0063】
二階の照明装置40は、一例として、廊下62の端部(階段ホール50に隣接する位置)で上面に露出して設けられた複数のLED照明40Aと、第2寝室66及び第3寝室68(図2参照)側の壁65の下端部に廊下62に沿って設けられた複数のLED照明40Bと、天井67で壁65の上端部に隣接すると共に壁65に沿って設けられた複数のLED照明40Cと、第1寝室64(図2参照)の入口上部の壁69に天井67に沿って設けられた複数のLED照明40Dと、を含んで構成されている。なお、倉庫74の入口付近にもLED照明40Bが設けられている。
【0064】
複数のLED照明40A、40B、40C、40Dは、いずれも直線上に配置されており、これらの配置方向(配列方向)は、居住者が移動すべき方向となっている。そして、複数のLED照明40A、40B、40C、40Dがそれぞれ直線上に配置されていることから、居住者は、複数のLED照明40A、40B、40C、40Dを視認することで、廊下62の形状、即ち建物10内部の形状を認識可能となっている。
【0065】
図5(B)には、階段ホール50が示されている。階段ホール50は、東側の壁52と、北側の壁54と、西側の壁56とで三方が囲まれて形成されており、壁54には、採光用の窓58が設けられている。また、階段ホール50には、複数の踏板53で構成された階段51が設けられている。各踏板53には、それぞれの踏板53の大きさ及び形状に合わせて既述の圧電装置30が設けられており、居住者の荷重を受けて発電可能となっている。
【0066】
さらに、階段ホール50には、複数の照明装置40が設けられている。階段ホール50の照明装置40は、壁52の上部で天井67(図5(A)参照)に沿って設けられた複数のLED照明40E、40Fと、壁52の下部で階段51に沿って階段状に設けられた複数のLED照明40Gと、壁54の上部で天井67に沿って設けられた複数のLED照明40Hと、壁54の下部で階段51に沿って階段状に設けられた複数のLED照明40Iと、壁56の上部で天井67に沿って設けられた複数のLED照明40Jと、壁56の下部で階段51に沿って階段状に設けられた複数のLED照明40Kと、を含んで構成されている。
【0067】
なお、壁52における複数のLED照明40E、40Fは、この順番で北側から南側へ配置されており、複数のLED照明40Eは、天井67(図5(A)参照)とほぼ平行に配置されている。そして、複数のLED照明40Fは、LED照明40Eに隣接する位置から二階のLED照明40D(図5(A)参照)へ向けて、斜め上方へ並ぶように配置されている。
【0068】
ここで、図5(A)及び図5(B)において、照明装置40を構成する複数のLED照明40A〜40Kは、いずれも同様の構成となっている。このため、LED照明40Aについて説明し、LED照明40B〜40Kの説明は省略する。
【0069】
図6(A)に示すように、LED照明40Aは、発光部の一例としての2種類のLED電球42、43を有している。LED電球42は、点灯色が白色であり、LED電球43は、点灯色が赤色となっている。そして、LED照明40Aは、図6(B)に示すように、LED電球42、43をそれぞれ単独で点灯可能となっており、後述する平常時にLED電球42が点灯し(矢印S1で示す)、非常時にLED電球43が点灯する(矢印S2で示す)ようになっている。なお、LED電球42、43について、破線が消灯状態を表しており、実線が点灯状態を表している。また、以後の説明では、照明装置40の点灯について、LED電球42、43の記載を省略して単に白色点灯、赤色点灯と記載する。
【0070】
次に、制御装置22における照明装置40の点灯設定について説明する。
【0071】
図7(A)には、第2寝室66(図2参照)の若い居住者が平常時に廊下62及び階段51(図2参照)を歩くときの照明装置40(図6参照)の点灯状態を示すチャートAと、第3寝室68(図2参照)の年配の居住者が平常時に廊下62及び階段51を歩くときの照明装置40の点灯状態を示すチャートBとが示されている。なお、チャートA、Bは、1つの圧電装置30(図4参照)が踏まれているときの点灯状態を表している。
【0072】
また、チャートAは、照明装置40の1回当たりの点灯における点灯継続時間がt1のタイミングチャートであり、チャートBは、照明装置40の1回当たりの点灯における点灯継続時間がt2(>t1)のタイミングチャートである。即ち、年配の居住者が廊下62及び階段51を歩くときに照明装置40が点灯している時間(t2)は、若い居住者が廊下62及び階段51を歩くときに照明装置40が点灯している時間(t1)よりも長くなっている。
【0073】
一方、図7(B)には、第2寝室66(図2参照)の若い居住者が非常時に廊下62及び階段51(図2参照)を歩くときの照明装置40(図6参照)の点灯状態を示すチャートCと、第3寝室68(図2参照)の年配の居住者が非常時に廊下62及び階段51を歩くときの照明装置40の点灯状態を示すチャートDとが示されている。なお、チャートC、Dは、1つの圧電装置30(図4参照)が踏まれているときの点灯状態を表している。
【0074】
また、チャートCは、照明装置40の一度の点灯時間(ただし複数回点滅する)がt1のタイミングチャートであり、チャートDは、照明装置40の一度の点灯時間(ただし複数回点滅する)がt2(>t1)のタイミングチャートである。なお、チャートA〜Dは、制御装置22内に予め設定されている。
【0075】
ここで、表1には、時間帯、居住者、状況(通常時、非常時)に合わせて設定された照明装置40(図6参照)の点灯継続時間、点灯位置、点灯色、及び使用電源の一覧が示されている。これらの設定は一例であり、予め制御装置22(図3参照)に設定されている。なお、居住者が変わったとき等に設定を変更する場合は、設定パネル26(図3参照)で設定変更(登録変更)を行う。
【0076】
【表1】
【0077】
なお、点灯システム20では、制御装置22が、切換部23(図3参照)を切り換えることにより、平常時に圧電装置30から照明装置40へ電力を供給させ、非常時に蓄電装置24から照明装置40へ電力を供給させるようになっている。なお、非常時において、蓄電装置24の蓄えている電力が不足する場合には、圧電装置30による電力も使用可能となっている。
【0078】
(作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0079】
図1〜5及び表1に示すように、一例として、7時から17時までの時間帯では、建物10の外部及び内部が明るいため照明装置40を点灯させず、居住者の歩行により圧電装置30で発生した電力を全て蓄電装置24に蓄電(充電)する。一方、17時から翌朝7時までの時間帯には、建物10の外部及び内部が暗いため照明装置40を点灯させる。なお、建物10の外部の明暗は、季節によって時間帯が変化するため、設定変更が必要とされるときに居住者が設定パネル26で設定変更すればよい。また、予め制御装置22に月毎の時間帯(切り換えを行う時間帯)を設定しておいてもよい。
【0080】
(平常時の照明装置40の点灯)
図3、図8(A)、及び表1に示すように、17時から翌朝7時までの時間帯の平常時において、居住者Mが廊下62を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、照明装置40に供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報(どの場所の圧電装置30が発電を行ったかという情報)が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0081】
ここで、制御装置22は、一例として、第3寝室68(図2参照)前の圧電装置30で発電が行われたことを検出したとき、廊下62に存在する居住者Mが、第3寝室68の年配者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を白色点灯(一例として15秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。なお、平常時は、複数のLED照明40A、40Bを点灯させ、居住者Mの周辺で特に足元を照らす。
【0082】
また、図8(A)では、一例として、複数のLED照明40A、40Bを全て点灯させた状態が示されているが、これに限らず、他の例として、居住者Mに対して移動方向の4、5個程度のLED照明40A、40Bを点灯させるようにしてもよい。そして、照明装置40は、移動する居住者Mの前方の数個が、居住者Mの移動に合わせて順次、場所をずらして点灯していく。これにより、廊下62のいずれの場所であっても、居住者Mの足元を照らすことができる。なお、図の網掛けは建物10内部が暗い状態を表しており、白色で示す部分が照明装置40による発光部分を表している。また、実際には、居住者Mの足元が明るくなる程度の範囲まで照明装置40の光が広がっているが、図では照明装置40周辺が明るくなっている状態で示している。
【0083】
本実施形態では、さらに、居住者Mが廊下62を移動しているときに階段ホール50側のLED照明40Fを数個点灯させる。これにより、廊下62を東へ(図示の奥側へ)移動する居住者Mは、廊下62の奥側に左斜め下方へ向かう発光点を視認することになる。これにより、居住者Mは、予め階段ホール50の位置を認識することができ、急な階段の出現で転倒するようなことを防ぐことができる。
【0084】
続いて、図3、図9(A)、及び表1に示すように、7時から17時までの時間帯で平常時において、居住者Mが階段51を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、照明装置40に供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0085】
ここで、制御装置22は、入力された居住者Mの位置情報(例えば、階段51の中央部分にいるという位置情報)に基づいて、居住者の移動方向にある照明装置40を点灯させ、居住者Mの移動先を照らす。なお、平常時は、複数のLED照明40G、40I、及び40Kを点灯させ、居住者Mの周辺で特に足元を照らす。また、図9(A)では、一例として、複数のLED照明40G、40I、及び40Kを全て点灯させた状態が示されているが、これに限らず、他の例として、居住者Mに対して移動方向の4、5個程度のLED照明40G、40I、及び40Kを点灯させるようにしてもよい。
【0086】
このようにして、建物10では、内部が暗いときに居住者Mの移動を自動で検出すると共に、圧電装置30の発電によって照明装置40を点灯させ、居住者Mの移動すべき方向を指し示す。これにより、居住者Mは、廊下62や階段ホール50の照明装置40のスイッチを探す必要がなくなる。そして、居住者Mは、照明装置40が点灯された方向へ移動することで、目的の場所へ迷わずに移動することができる。
【0087】
また、居住者Mが既に他の場所へ移動して、居なくなった場所では、圧電装置30から発電情報が出力されないことから、制御装置22が照明装置40を消灯させる。これにより、居住者Mが移動元の照明装置40を消灯させる必要がなくなると共に、移動後の点灯が不要な場所の照明装置40における無駄な点灯(点けっぱなし)による電力消費を抑えることができる。
【0088】
このように、点灯システム20では、居住者Mが建物10の内部の通路(廊下62、階段ホール50等)を移動するときに、移動先が自動で明確になると共に照明装置40の点灯、消灯が自動で行われるので、建物10における居住者Mの居住性を向上させることができる。
【0089】
さらに、点灯システム20では、平常時において、制御装置22が廊下62側の照明装置40を点灯させると共に天井67側の照明装置40を消灯させている。これにより、居住者Mの移動時に照明が必要な最低限の範囲である足元が照らされ居住者Mが移動可能となると共に、照明装置40の使用電力を低減することができる。
【0090】
(非常時の照明装置40の点灯)
一方、図3、図8(B)、及び表1に示すように、17時から翌朝7時までの時間帯の非常時において、居住者Mが廊下62を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、蓄電装置24に供給され、蓄電装置24から照明装置40へ電力供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報(どの場所の圧電装置30が発電を行ったかという情報)が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0091】
ここで、制御装置22は、一例として、第3寝室68(図2参照)前の圧電装置30で発電が行われたことを検出した場合、廊下62に存在する居住者Mが、第3寝室68の年配者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として20秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。居住者Mは、平常時よりも長い点灯時間で照明装置40が点灯することで、非常時を認識すると共にあわてずに移動することができる。なお、もともと点灯時間が長めに設定されている場合は、平常時と同じ点灯継続時間で照明装置40を点灯させてもよい。また、点灯時間を数十分等、極端に長い時間とした場合は、実質的に居住者Mの避難完了まで照明装置40が点灯することになる。
【0092】
また、制御装置22は、他の例として、第2寝室66(図2参照)前の圧電装置30で発電が行われたことを検出した場合、廊下62に存在する居住者Mが、第2寝室66の若者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として7秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。
【0093】
なお、非常時は、制御装置22が、複数のLED照明40A、40Bに加えて、複数のLED照明40C、40D、40Fを赤色点灯させる。これにより、居住者Mの周辺だけでなく、避難経路全体が点灯されるので、移動する(避難する)居住者Mは、避難先を明確に認識することができる。また、非常時であることをより明確に居住者Mに示すために、LED照明40A、40B、40C、40D、40Fを赤色で点滅発光(図7(B)参照)させてもよい。さらに、非常時のLED照明40A、40B、40C、40D、40Fの点灯継続時間を平常時よりも長く又は短くして、平常時と区別させてもよい。
【0094】
図8(B)では、一例として、複数のLED照明40A、40B、40C、40D、40Fを全て点灯させた状態が示されているが、これに限らず、他の例として、居住者Mに対して移動方向の4、5個程度のLED照明40A、40B、40C、40D、40Fを点灯させるようにしてもよい。そして、照明装置40は、移動する居住者Mの前方の数個が、居住者Mの移動に合わせて順次点灯していく。これにより、廊下62のいずれの場所であっても、避難経路を照らすことができる。
【0095】
また、居住者Mが廊下62を移動しているとき、階段ホール50側のLED照明40Fが赤色点灯する。そして、廊下62を東へ移動する居住者Mは、廊下62の奥側に左斜め下方へ向かう赤色の発光点を視認することになる。これにより、居住者Mは、予め階段ホール50の位置を認識することができ、急な階段の出現で転倒するようなことを防ぐことができる。
【0096】
続いて、図3、図9(B)、及び表1に示すように、17時から翌朝7時までの時間帯の非常時において、居住者Mが階段51を使って移動するとき、居住者Mの荷重によって圧電装置30が発電する。そして、圧電装置30の発電によって得られた電力は、蓄電装置24に供給され、蓄電装置24から照明装置40へ電力供給される。また、圧電装置30から出力された発電情報が、居住者Mの位置情報として制御装置22に入力される。
【0097】
ここで、制御装置22は、廊下62(図8(A)参照)を移動してきた居住者Mの情報に基づいて、一例として、階段51に存在する居住者Mが年配者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として15秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。居住者Mは、平常時よりも長い点灯時間で照明装置40が点灯することで、あわてずに移動することができる。
【0098】
また、制御装置22は、廊下62(図8(A)参照)を移動してきた居住者Mの情報に基づいて、他の例として、階段51に存在する居住者Mが若者であると判断する。そして、入力された居住者Mの位置情報に基づいて、居住者Mの移動方向にある照明装置40を赤色点灯(一例として3秒間継続する点灯)させ、居住者Mの移動先を照らす(居住者Mに移動先を示す)。
【0099】
なお、非常時は、制御装置22が、複数のLED照明40G、40I、40Kに加えて、複数のLED照明40E、40F、40H、40Jを赤色点灯させる。これにより、居住者Mの周辺だけでなく、避難経路全体(少なくとも居住者Mの周囲全体)が点灯されるので、避難する居住者Mは、避難先を明確に認識することができる。また、非常時であることをより明確に居住者Mに示すために、LED照明40E〜40Kを赤色で点滅発光(図7(B)参照)させてもよい。
【0100】
このようにして、建物10では、内部が暗く且つ非常時の場合に、居住者Mの移動を自動で検出すると共に、蓄電装置24からの電力供給(一部、圧電装置30の発電)によって照明装置40を点灯させ、居住者Mの移動すべき方向を指し示す。これにより、居住者Mは、廊下62や階段ホール50の照明装置40のスイッチを探す必要がなくなる。そして、居住者Mは、照明装置40が点灯された方向へ移動することで、目的の場所へ迷わずに避難することができる。
【0101】
また、居住者Mが既に他へ移動して居なくなった場所では、圧電装置30から発電情報が出力されないことから、制御装置22が照明装置40を消灯させる。これにより、居住者Mが移動元の照明装置40を消灯させる必要がなくなると共に、移動後の点灯が不要な場所の照明装置40における無駄な点灯による電力消費を抑えることができる。なお、照明装置40がLED照明なので、白熱灯を用いる構成に比べて消費電力が低くなる。これにより、照明装置40の点灯に必要な電力を低減することができる。
【0102】
以上説明したように、第1実施形態の点灯システム20では、居住者Mが建物10の内部の通路(廊下62、階段ホール50等)を移動(避難)するときに、移動先が自動で明確になると共に照明装置40の点灯、消灯が自動で行われるので、建物10における居住者Mの居住性を向上させることができる。
【0103】
また、点灯システム20では、非常時に、例えば、制御装置22が廊下62側の照明装置40に加えて天井67側の照明装置40も点灯させる。このように、非常時において平常時とは異なる場所の照明装置40が点灯することで、建物10の内部の居住者Mに非常時であることを認識させることができる。さらに、平常時とは異なる場所の照明装置40が点灯することで、建物10の内部の居住者に非難方向を明確に指し示すことができる。
【0104】
加えて、点灯システム20では、制御装置22が切換部23(図3参照)を切り換えることにより、平常時に圧電装置30から照明装置40へ電力供給し、非常時に圧電装置30から蓄電装置24へ切り換えて照明装置40へ電力供給する。これにより、平常時に圧電装置30で得られる発電量(電力)が少ない構成であっても、非常時は蓄電装置24から照明装置40へ必要量の電力が供給されるので、非常時に照明装置40へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0105】
一方、平常時に蓄電装置24から照明装置40へ電力供給し、非常時に蓄電装置24から圧電装置30へ切り換えて照明装置40へ電力供給する構成にしていた場合は、蓄電装置24に蓄えられている電力を平常時にほぼ使い切っていたとしても、非常時に圧電装置30から照明装置40へ電力供給されるので、非常時に照明装置40へ供給される電力が不足するのを防ぐことができる。
【0106】
また、点灯システム20では、非常時において、平常時の白色とは異なり、赤色のLED電球43が発光する。そして、居住者Mは、照明装置40が平常時とは異なる色で発光していることから非常時であることを認識する。これにより、居住者Mに非常時であることを知らせることができる。さらに、既述のように、照明装置40を点滅点灯することで、居住者Mに対して非常時であることをさらに明確に知らせることができる。
【0107】
加えて、点灯システム20では、非常時において、照明装置40が平常時の点灯の継続時間よりも長い継続時間で点灯(発光)する。これにより、年配者のように歩く速度が遅い居住者Mが避難する場合であっても、照明装置40が長時間点灯するので、居住者Mが避難時に迷うのを防ぐことができる。なお、居住者Mが避難した後、非常時状態が平常時状態となったときは、制御装置22が建物10内部の全ての照明装置40(照明装置40の他に設けられた照明装置も含む)を点灯することで、避難していた居住者Mが、各自の部屋へ戻ることができる。
【0108】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0109】
図10には、第2実施形態の照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム90の構成がブロック図で示されている。点灯システム90は、第1実施形態の点灯システム20(図3参照)に加えて、自然エネルギー発電装置の一例としての太陽光パネル84と、系統電源82とが設けられた構成となっている。
【0110】
太陽光パネル84は、建物10(図1、2参照)の屋根(図示省略)上に取り付けられており、自然エネルギーによる発電の一例である太陽光発電により得られた電力が、ケーブル(図示省略)を介して切換部23へ供給されるようになっている。また、系統電源82は、電力会社へ使用料金を支払って電力を得るものであり、ケーブル(図示省略)を介して切換部23へ電力供給可能に設けられている。
【0111】
なお、第1実施形態の点灯システム20(図3参照)と同様に、第2実施形態の点灯システム90においても、時間帯、居住者、状況(通常時、非常時)に合わせて、照明装置40(図6参照)の点灯継続時間、点灯位置、点灯色、及び使用電源が表1のように制御装置22に設定されている。
【0112】
さらに、制御装置22は、圧電装置30で発電された電力、蓄電装置24に蓄えられた電力、及び太陽光パネル84で発電された電力の全てが、設定した基準電力以下のとき、系統電源82の電力で照明装置40を点灯させる設定となっている。また、制御装置22は、圧電装置30で発電された電力、蓄電装置24に蓄えられた電力、及び太陽光パネル84で発電された電力のうち少なくとも1つの電力が基準電力よりも大きいとき、該基準電力よりも大きい電力が得られるものを用いて照明装置40を点灯させ、系統電源82の電力の使用を停止する設定となっている。
【0113】
(作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0114】
図10に示す点灯システム90では、圧電装置30の電力、蓄電装置24の電力、及び太陽光パネル84の電力の全てが基準電力以下のとき、制御装置22が、系統電源82の電力で照明装置40を点灯させる。これにより、圧電装置30の電力、蓄電装置24の電力、太陽光パネル84の電力が、照明装置40を点灯させるのに不十分な量であっても、照明装置40を点灯させることができる。
【0115】
また、点灯システム90では、圧電装置30の電力、蓄電装置24の電力、及び太陽光パネル84の電力のうち少なくとも1つの電力が基準電力よりも大きいとき、一例として、蓄電装置24の電力のみ基準電力よりも大きいとき、蓄電装置24を使って照明装置40を点灯させる。これにより、有料である系統電源82の電力を無駄に使用することが抑制され、電気代を低減することができる。なお、圧電装置30の電力、太陽光パネル84の電力が基準電力よりも大きい場合は、圧電装置30、太陽光パネル84から供給される電力で照明装置40を点灯させればよい。
【0116】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1、第2実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1、第2実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0117】
図11には、第3実施形態の照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム100が設けられた階段ホール50が示されている。また、図12には、点灯システム100の構成がブロック図で示されている。点灯システム100は、第1実施形態の点灯システム20(図3参照)に加えて、建物10内部の明るさを測定する照度測定手段の一例としての照度計102が設けられた構成となっている。
【0118】
図11及び図12に示すように、照度計102は、階段ホール50の壁52のほぼ中央部分に取り付けられており、窓58から入射した外光BMによって照らされた階段ホール50内の照度を測定する。また、照度計102で得られた照度データは、制御装置22へ送られるようになっている(図12の破線の矢印D)。
【0119】
ここで、図12及び表2に示すように、制御装置22は、照度計102で測定された照度が予め設定した基準照度(一例として50ルクス)よりも小さいとき、階段ホール50内部の照明装置40の点灯状態を平常時と非常時とで切り替え可能とし、照度計102で測定された照度が基準照度以上のとき、建物10内部の照明装置40を消灯させる設定となっている。
【0120】
【表2】
【0121】
(作用)
次に、第3実施形態の作用について説明する。
【0122】
図11、図12、及び表2に示すように、点灯システム100では、照度計102で測定された階段ホール50の照度が基準照度(一例として50ルクス)よりも小さいとき、制御装置22は、建物10の内部の各照明装置40の制御設定(点灯設定)を平常時から非常時へ切り替え可能となっている。このため、建物10の内部が基準照度よりも小さい明るさの状態において、平常時から非常時へと状況が変わった場合には、照明装置40の点灯状態が、図13(A)に示す平常時から図13(B)に示す非常時へと変更される。なお、廊下62(図8(B)参照)における照明装置40の非常時の点灯状態は、第1、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
一方、照度計102で測定された建物10の内部の照度が基準照度以上のとき、制御装置22は、照明装置40を消灯させる。ここで、建物10の内部の照度が基準照度以上のときは、建物10の内部に必要とされる明るさが確保されているため、平常時から非常時へと状況が変わった場合、照明装置40を消灯させていたとしても、居住者Mが通路(避難経路)を認識することができる。これにより、非常時において通路全体(避難経路全体)を照明する必要が無くなり、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0124】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る照明装置の点灯制御システム及び建物の一例について説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1〜第3実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0125】
図14には、第4実施形態の照明装置の点灯制御システムの一例としての点灯システム110の構成がブロック図で示されている。また、図15(A)、(B)には、点灯システム110が設けられた建物10の外部(玄関12から東南側部分)が示されている。
【0126】
図14に示すように、点灯システム110は、第2実施形態の点灯システム90(図10参照)において、圧電装置30に換えて圧電装置120が設けられ、照明装置40に換えて照明装置130が設けられた構成となっている。
【0127】
図15(B)に示すように、圧電装置120は、複数の圧電装置30(一例として、12×6個)が地面Gに矩形状に並べられて(露出状態で)設置されたものであり、圧電装置120上には、後述する車両C(図16(B)参照)が駐車されるようになっている。
【0128】
照明装置130は、車両Cが出し入れされる南側を除いて、圧電装置120の三方向を囲む複数のLED照明40Aで構成されている。また、圧電装置120の南側端部の距離L1の範囲(一例として、圧電装置30の2×6個に相当する範囲)は、周囲にLED照明40Aが設けられていない。
【0129】
図14に示すように、点灯システム110では、圧電装置120において車両C(図16(B)参照)の荷重により発電したとき、発電したことを知らせる発電情報(矢印M1)が、制御装置22へ送られる。また、蓄電装置24に蓄えられている電力量の情報(矢印M2)は、制御装置22へ送られる。
【0130】
圧電装置120で生じた電力は、切換部23及び蓄電装置24の少なくとも一方に供給されるようになっている。なお、圧電装置120で生じた電力の供給先は、一例として、制御装置22からの指示情報又は設定パネル26の設定によって切り換えられる。そして、蓄電装置24に蓄えられている電力は切換部23へ供給される。
【0131】
一方、制御装置22は、圧電装置120で発電された電力、蓄電装置24で蓄えられた電力、太陽光パネル84の電力、系統電源82の電力のいずれを使用するかという切換情報(矢印M3)を切換部23へ送る設定となっている。なお、本実施形態では一例として、圧電装置120で発電された電力を用いる設定となっている。
【0132】
(作用)
次に、第4実施形態の作用について説明する。
【0133】
図14及び図16(A)に示すように、車両C(図16(B)参照)が圧電装置120上に駐車されない場合は、照明装置130(複数のLED照明40A)が全て消灯されている。なお、LED照明40Aの消灯を黒丸で図示している。また、以後の説明では、LED照明40Aの点灯を白丸で図示する。
【0134】
続いて、図14及び図16(B)、(C)に示すように、車両Cの駐車動作が開始され、車両Cの後部が圧電装置120上に載ったとき、車両Cの重量によって(荷重を受けて)圧電装置120で発電が行われ、得られた電力が複数のLED照明40Aへ供給される。また、圧電装置120から出力された発電情報(圧電装置120のどの場所が発電を行ったかという情報)が、車両Cの位置情報として制御装置22に入力される。
【0135】
ここで、制御装置22は、車両Cの位置情報に基づいて、車両Cの移動方向(駐車方向)にある複数のLED照明40Aを白色点灯(一例として3秒間継続する点灯)させる。これにより、運転者(図示省略)が車両Cの移動先(駐車可能な領域)を認識できる。そして、運転者は、点灯されたLED照明40Aの配置を参考にして、車両Cを駐車する。なお、図16(B)では駐車方向における前方から中央までのLED照明40Aが点灯しており、後方のLED照明40Aは消灯している。
【0136】
続いて、図14及び図16(D)に示すように、一例として、圧電装置120から発電情報が出力されず、即ち、車両Cの移動が検知されなくなった場合、制御装置22は、車両Cの駐車が完了したものとして、複数のLED照明40Aを消灯させる。なお、車両Cの駐車の完了は、圧電装置120の手前側のL1の範囲(図15(B)参照)において発電が行われなくなったことに基づいて検知してもよい。また、車両Cの駐車中に火災等の非常時となった場合は、制御装置22が複数のLED照明40Aを赤色点灯させ、あるいは点滅させることで、運転者に非常時を知らせることができる。
【0137】
このように、点灯システム110では、車両Cの運転者は駐車領域を探さなくて済む。また、車両Cが既に他へ移動して存在していない場所では、圧電装置120から発電情報が出力されないことから、制御装置22が照明装置130を消灯させる。これにより、車両Cの運転者が移動元の照明装置130を消灯させる必要がなくなる。以上説明したように、点灯システム110では、車両Cを建物10の外部の駐車場に駐車させるときに、移動先が明確になると共に照明装置130の点灯、消灯が自動で行われるので、車両Cの駐車を容易に行うことができ、建物10の居住性(駐車場への駐車の容易性も居住性に含む)を向上させることができる。
【0138】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0139】
第1、第2実施形態の点灯システム20、90において、LED電球42、43の色は、白色、赤色に限らず、青色や他の色を用いてもよい。また、LED照明40A〜40Kの形状は、丸形や楕円形に限らず、多角形状であってもよい。さらに、照明装置40の電源として、圧電装置30、蓄電装置24、太陽光パネル84、及び系統電源82のいずれを用いてもよい。
【0140】
照明装置40の点灯継続時間は、実施形態で記載した3秒、7秒、15秒、20秒に限らず、居住者Mの歩行速度や暗所での光の識別能力に合わせて、他の時間で設定してもよい。また、居住者Mの移動を検知する手段は、圧電装置30に限らず、赤外線を用いた人感センサなど、他の検知手段を部屋の入口付近に設けていてもよい。さらに、7時〜17時の時間帯において、通常は明るいため照明装置40を点灯させなくてもよいが、非常時の場合に、居住者Mに非常時であることを明確に知らせるために、照明装置40を赤色点灯あるいは点滅点灯させて知らせてもよい。
【0141】
なお、非常時の他の例として、停電時の場合は、玄関12までの避難経路の照明装置40を点灯させずに、別途、設けた照明装置40を点灯させて、居住者Mを建物10内部のブレーカーがある場所まで案内してもよい。
【0142】
第3実施形態の点灯システム100において、系統電源82及び太陽光パネル84を接続して、電力供給可能に設けると共に、基準電力よりも電力が大きいものを使用するように設定してもよい。また、照度計102は、階段ホール50に限らず、廊下62や玄関12の内部に設置してもよい。
【0143】
第4実施形態の点灯システム110において、複数のLED照明40Aを1つおきに点灯させ、平常時と非常時で点灯位置を換えるように構成してもよい。また、地面Gと間隔をあけて鉛直上方で水平に複数のLED照明40Aを並べて、運転者から発光場所が確認しやすいように構成してもよい。
【0144】
自然エネルギー発電装置とは、太陽光発電装置(太陽光パネル84)に限られるものではなく、その他の自然エネルギーを利用した発電装置でもよい。風力発電、水力発電、潮力発電、波力発電、海流発電、地熱発電等、他の自然エネルギーを使用した発電装置でもよい。例えば、一例として、地熱発電には、ドライスチーム、バイナリーサイクル(温水発電応用)、高温岩体発電、マグマ発電等があり、これらの自然エネルギーは、雨の日や夜間(暗いとき)でも、常時、電力の安定供給が可能な発電であり、夜間の発電電力の供給不足の際、「夜間の非常時」において、特に有効である。風力発電、水力発電、潮力発電、波力発電、海流発電等も、太陽光の減少の供給量変化の影響が低い。尚、これらの自然エネルギーを含む発電装置は建物に少なくとも一部が容易に設置可能であるものが望ましい。
【符号の説明】
【0145】
10 建物
20 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
22 制御装置
24 蓄電装置
30 圧電装置(発電装置の一例)
40 照明装置
42 LED電球(発光部の一例)
43 LED電球(発光部の一例)
82 系統電源
84 太陽光パネル(自然エネルギー発電装置の一例)
90 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
100 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
102 照度センサ(照度測定手段の一例)
110 点灯システム(照明装置の点灯制御システムの一例)
120 圧電装置(発電装置の一例)
130 照明装置
C 車両
M 居住者
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、
前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、
前記建物の内部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、
前記発電装置から出力された前記発電情報が居住者の位置情報として入力され、該居住者の位置情報に基づいて、該居住者の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、
を有する照明装置の点灯制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、平常時とは異なる非常時であることを示す非常時情報を受信可能とされ、前記平常時と前記非常時とで、点灯させる前記照明装置の場所を変更する請求項1に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記平常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の一方から前記照明装置へ電力を供給させ、前記非常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の他方から前記照明装置へ電力を供給させる請求項2に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項4】
前記照明装置には、点灯色が異なる複数の発光部が設けられ、
前記制御装置は、前記平常時と前記非常時で異なる色の前記発光部を点灯させる請求項2又は請求項3に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記非常時の点灯の継続時間と前記平常時の点灯の継続時間とが異なるように前記照明装置を点灯させる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項6】
前記建物の内部には照度を測定する照度測定手段が設けられ、
前記制御装置は、前記照度測定手段で測定された照度が設定した基準照度よりも小さいとき、前記建物の内部の前記照明装置の点灯を前記平常時と前記非常時とで切り替え可能とし、前記照度測定手段で測定された照度が前記基準照度以上のとき、前記建物の内部の前記照明装置を消灯させる請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項7】
前記照明装置には、自然エネルギーにより発電する自然エネルギー発電装置の電力及び系統電源の電力が供給可能とされ、
前記制御装置は、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力の全てが設定した基準電力以下のとき、前記系統電源の電力で前記照明装置を点灯させ、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力のうち少なくとも1つの電力が前記基準電力よりも大きいとき、該基準電力よりも大きい電力が得られる前記発電装置、前記蓄電装置、及び前記自然エネルギー発電装置のうち少なくとも1つで前記照明装置を点灯させ、前記系統電源の電力の使用を停止する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項8】
前記照明装置は、LED照明である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項9】
建物の外部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、
前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、
前記建物の外部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、
前記発電装置から出力された前記発電情報が車両の位置情報として入力され、該車両の位置情報に基づいて、該車両の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、
を有する照明装置の点灯制御システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システムを備えた建物。
【請求項1】
建物の内部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、
前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、
前記建物の内部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、
前記発電装置から出力された前記発電情報が居住者の位置情報として入力され、該居住者の位置情報に基づいて、該居住者の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、
を有する照明装置の点灯制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、平常時とは異なる非常時であることを示す非常時情報を受信可能とされ、前記平常時と前記非常時とで、点灯させる前記照明装置の場所を変更する請求項1に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記平常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の一方から前記照明装置へ電力を供給させ、前記非常時に前記発電装置及び前記蓄電装置の他方から前記照明装置へ電力を供給させる請求項2に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項4】
前記照明装置には、点灯色が異なる複数の発光部が設けられ、
前記制御装置は、前記平常時と前記非常時で異なる色の前記発光部を点灯させる請求項2又は請求項3に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記非常時の点灯の継続時間と前記平常時の点灯の継続時間とが異なるように前記照明装置を点灯させる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項6】
前記建物の内部には照度を測定する照度測定手段が設けられ、
前記制御装置は、前記照度測定手段で測定された照度が設定した基準照度よりも小さいとき、前記建物の内部の前記照明装置の点灯を前記平常時と前記非常時とで切り替え可能とし、前記照度測定手段で測定された照度が前記基準照度以上のとき、前記建物の内部の前記照明装置を消灯させる請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項7】
前記照明装置には、自然エネルギーにより発電する自然エネルギー発電装置の電力及び系統電源の電力が供給可能とされ、
前記制御装置は、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力の全てが設定した基準電力以下のとき、前記系統電源の電力で前記照明装置を点灯させ、前記発電装置の電力、前記蓄電装置の電力、及び前記自然エネルギー発電装置の電力のうち少なくとも1つの電力が前記基準電力よりも大きいとき、該基準電力よりも大きい電力が得られる前記発電装置、前記蓄電装置、及び前記自然エネルギー発電装置のうち少なくとも1つで前記照明装置を点灯させ、前記系統電源の電力の使用を停止する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項8】
前記照明装置は、LED照明である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システム。
【請求項9】
建物の外部に設置され、荷重を受けて発電すると共に発電が行われたことを示す発電情報を出力する発電装置と、
前記発電装置から供給された電力を蓄える蓄電装置と、
前記建物の外部に設置され、前記発電装置及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力供給されて点灯する照明装置と、
前記発電装置から出力された前記発電情報が車両の位置情報として入力され、該車両の位置情報に基づいて、該車両の移動方向にある前記照明装置の点灯及び消灯を制御する制御装置と、
を有する照明装置の点灯制御システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の照明装置の点灯制御システムを備えた建物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図8】
【図9】
【図13】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図8】
【図9】
【図13】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−105539(P2013−105539A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246769(P2011−246769)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]