説明

照明装置及びその製造方法

【課題】LEDによる照明装置の製造コスト低減。
【解決手段】照明装置は、第1の面に、発光波長が異なる複数群のLEDチップを均一に搭載する領域と、各チップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記各群の前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第1の外部電極端子と、前記各群の前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第2の外部電極端子とを有する配線基板、配線基板に搭載される複数のチップ、各チップを囲む反射体、反射体の内側に充填されてチップを覆いかつ表面が平坦になる透明でかつ絶縁体からなる樹脂体、を有し、反射体の内側の周面はチップから発光される光を反射して配線基板の第1の面の前方に導くような反射面になっている。チップを搭載する領域は配線基板に均一に設けられている。チップは赤色、緑色、青色を発光し、照明装置は白色光を放射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板(配線基板)の一面に複数の発光ダイオード(LED)を搭載した照明装置及びその製造方法に係わり、特に、バックライト用の照明装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、使用する化合物半導体の違いにより所望の色を発光させることができる。発光ダイオードを用いて白色光を得る方法としては、光の3原色であるB(青)、G(緑)、R(赤)の各発光ダイオードチップをバランスよく配置して白色光を得る方法、青色光を発光する発光ダイオードチップ(青色チップ)または紫色光を発光する発光ダイオードチップ(紫色チップ)と蛍光体材料を組み合わせて白色光を得る方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
また、照明用として、一枚の配線基板に多数のLEDを搭載した構造も知られている(例えば、非特許文献2)。この文献には、メタルベースのコンポジット多層基板上にLEDをフリップ・チップ実装した厚さ3mmのモジュールが開示されている。このモジュールは、2cm×2cmの基板に64個のLEDをフリップ・チップ実装した構造になっている。基板の上面には反射板が接着されている。この反射板には逆円錐台状の孔が64個設けられ、各孔の底に露出する基板上にLEDが搭載されている。各孔内の各LEDチップは蛍光体を含む樹脂で覆われている。また、各孔部分には樹脂によってレンズが形成されている。逆円錐台状の孔の内周面は傾斜した反射面を形成している。この結果、反射面とレンズの効果によって、LEDから発光された光は前方へ効率良く案内される。
【0004】
他方、LCD(液晶)−TV(テレビジョン)、LCDモニタのバックライトにLEDを用いるものでは、高出力LEDを一枚の基板に多数配列することから、バックライト用照明装置は大型となる(例えば、非特許文献3)。高出力LEDは、非特許文献1にも記載されているが、パッケージの外側にリードを突出させる素子構造となっている。
【0005】
【非特許文献1】日経BP社発行「日経エレクトロニクス」2005年4月25日号、80頁乃至93頁
【非特許文献2】総合技研株式会社発行「20004年版 白色LEDの現状と将来性」2004年 1月29日発刊、77頁及び78頁
【非特許文献3】株式会社電子ジャーナル発行「2005高輝度LEDガイドブック」2005年 6月 3日発刊、46頁及び51頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶テレビジョンの画面の大型化に伴い、バックライト用の照明装置の基板も大型化し、かつ製造コストも高くなる傾向にある。基板に高出力LEDを搭載する構造では、高出力LEDはパッケージの外側にリードを突出させる製造となることから実装面積が大きくなり、バックライト用照明装置の小型化が妨げられる。また、高出力LEDは製造コストが高いことから、バックライト用照明装置のコストも高くなる。
【0007】
基板に反射板を接着する構造では、反射板に逆円錐台の孔を形成して反射面を形成するため、反射面形成コストが高くなる。反射板は、信頼性を高めるため、耐熱性に優れたポリイミド樹脂やポリアミド樹脂で形成するが、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂はコストが高い。また、基板に反射板を接着する接着剤はポリオリフェインフィルムが使用される。この、ポリオリフェインフィルムは耐熱性が優れるが、コストが高い。この結果、基板に反射板を接着する構造は製造コストが高くなる。
【0008】
本発明の目的は、製造コストの低減が達成できる照明装置及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、製造コストの低減が達成できる白色光を放射する照明装置及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)照明装置は、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、発光波長が異なる複数群のLEDチップをそれぞれ搭載する領域と、前記各LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記各群の前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第1の外部電極端子と、前記各群の前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第2の外部電極端子とを有する配線基板と、
前記配線基板の前記第1の面に固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドにそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数のLEDチップと、
前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に設けられる無端状体からなる反射体と、
前記反射体の内側に充填されて前記LEDチップを覆い、かつ表面が平坦になる透明でかつ絶縁体からなる樹脂体とを有し、
前記反射体の内側の周面は前記LEDチップから発光される光を反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くような反射面になっていることを特徴とする。
【0012】
また、前記LEDチップを搭載する領域は前記配線基板の前記第1の面に均一に設けられている。前記反射体は環状体となり、前記環状体の中心に1個の前記LEDチップが配置されている。前記複数群のLEDチップは、赤色を発光する赤色LEDチップ群と、緑色を発光する緑色LEDチップ群と、青色を発光する青色LEDチップ群とからなっている。
【0013】
このような照明装置は、
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、発光波長が異なる複数群のLEDチップをそれぞれ搭載する領域と、前記各LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記各群の前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第1の外部電極端子と、前記各群の前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第2の外部電極端子とを有する配線基板を準備する工程、
(b)前記発光波長が異なる複数群のLEDチップを準備する工程、
(c)前記各群の前記各LEDチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の搭載領域に搭載するとともに前記各LEDチップの前記第1の電極及び前記第2の電極を所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドに電気的に接続する工程、
(d)前記配線基板に搭載された全ての前記LEDチップに対し、前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に無端状に樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体からなる反射体を形成する工程、
(e)前記各反射体の内側に透明でかつ絶縁体からなる樹脂を充填し、かつ硬化させて前記LEDチップを覆い、表面が平坦になる樹脂体を形成する工程、
を経て製造され、
前記各LEDチップから発光される光を前記反射体の内側の周面で反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くように構成される照明装置を製造することができる。
【0014】
また、前記(a)の工程では、前記LEDチップを搭載する領域を前記配線基板の前記第1の面に均一に設けておく。そして、前記(b)の工程では、赤色を発光する赤色LEDチップ群と、緑色を発光する緑色LEDチップ群と、青色を発光する青色LEDチップ群とを準備し、前記(c)の工程では、前記各群の前記各LEDチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の搭載領域に搭載するとともに前記各LEDチップの前記第1の電極及び前記第2の電極を所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドに電気的に接続する。また、前記(d)の工程では、前記反射体の中心に1個の前記LEDチップが配置されるように前記反射体を環状体に形成する。
【0015】
(2)上記(1)の手段において、前記反射体の内側に前記赤色LEDチップと、前記緑色LEDチップと、前記青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されていることを特徴とする。
【0016】
このような照明装置は、上記(1)の手段において、前記(d)の工程では、前記反射体の内側に前記赤色LEDチップと、前記緑色LEDチップと、前記青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されるように前記反射体を形成する。前記反射体は、例えば、環状体または矩形枠体になっている。
【0017】
(3)上記(1)の手段において、前記反射体は複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、前記複数の無端状体によって形成される前記反射体の内側の周面は反射鏡面を構成していることを特徴とする。また、前記複数の無端状体の重なり部の各中心線は各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることを特徴とする。
【0018】
このような照明装置は、上記(1)の手段において、前記(d)の工程では、前記反射体の内側の周面が反射鏡面を形成するように前記配線基板の前記第1の面に前記樹脂で無端状体を複数重ねて形成する。また、前記複数の無端状体の重なり部の各中心線が各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなるように形成する。
【0019】
(4)上記(3)の手段において、前記複数の無端状体の重なり部の各中心線は上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることを特徴とする。
【0020】
このような照明装置は、上記(3)の手段において、前記複数の無端状体の重なり部の中心線が上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなるように形成する。
【0021】
(5)上記(1)の手段において、前記配線基板の前記第2の面には熱電導性の良好な金属板が接着体を介して接着されていることを特徴とする。
【0022】
このような照明装置は、上記(1)の手段において、前記(a)の工程では、前記配線基板の前記第2の面に熱電導性の良好な金属板を接着体を介して接着する。
【0023】
(6)上記(1)の手段において、前記配線基板の前記LEDチップを搭載する領域であり、かつ前記配線基板の前記第1の面から前記第2の面に至る部分に熱電導性の良好な金属からなる放熱パッドが設けられていることを特徴とする。
【0024】
このような照明装置は、上記(1)の手段において、前記(a)の工程では、前記配線基板の前記LEDチップを搭載する領域であり、かつ前記配線基板の前記第1の面から前記第2の面に至る部分に熱電導性の良好な金属からなる放熱パッドを設ける。
【0025】
(7)照明装置は、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数のLEDチップを搭載する領域と、前記LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有する配線基板と、
前記配線基板の前記第1の面に固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドにそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数のLEDチップと、
前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に設けられる無端状体からなる反射体と、
前記反射体の内側に充填されて前記LEDチップを覆い、かつ表面が平坦になる透明でかつ絶縁体からなる樹脂体とを有し、
前記反射体の内側の周面は前記LEDチップから発光される光を反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くような反射面になっていることを特徴とする。
【0026】
また、前記反射体は環状体となり、前記環状体の中心に1個の前記LEDチップが配置されている。
【0027】
このような照明装置は、
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数のLEDチップを搭載する領域と、前記LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有する配線基板とを準備する工程、
(b)複数の前記LEDチップを準備する工程、
(c)前記各LEDチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の搭載領域に搭載するとともに前記各LEDチップの前記第1の電極及び前記第2の電極を所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドに電気的に接続する工程、
(d)前記配線基板に搭載された全ての前記LEDチップに対し、前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に無端状に樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体からなる反射体を形成する工程、
(e)前記各反射体の内側に透明でかつ絶縁体からなる樹脂を充填し、かつ硬化させて前記LEDチップを覆い、表面が平坦になる樹脂体を形成する工程とを有し、
前記各LEDチップから発光される光を前記反射体の内側の周面で反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くように構成される照明装置を製造することを特徴とする。 また、前記(d)の工程では、前記反射体の中心に1個の前記LEDチップが配置されるように前記反射体を環状体に形成する。
【発明の効果】
【0028】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0029】
前記(1)の手段によれば、(a)配線基板の第1の面に搭載した各LEDチップを囲むように配線基板には環状体からなる反射体が設けられている。反射体の内側の周面はLEDチップから発光した光を反射して配線基板の第1の面の前方に導くようになっている。また、LEDチップは環状体の中心部分に配置されている。この結果、各LEDチップで発生した光は反射体で反射された光をも含めて配線基板の第1の面の前方に導かれることから、配線基板の第1の面側から均一に光が放射されることになり、出力の安定した照明装置となる。
【0030】
(b)配線基板には、赤色(R)LEDチップ、緑色(G)LEDチップ、青色(B)LEDチップが搭載されるが、これらR・G・Bチップを白色光となるように配置することによって、均一な白色光を放射する照明装置となる。
【0031】
(c)反射体は配線基板に直接形成されることから、従来使用していた高価な反射板及び接着フィルムが不要となり、安価な照明装置を提供することができる。
【0032】
上記(2)の手段によれば、反射体の内側に赤色LEDチップ、緑色LEDチップ及び青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されていることから、各反射体領域からはそれぞれ白色光が発光されるため、照明装置は白色光を発光する照明装置になる。
【0033】
上記(3)の手段によれば、反射体は複数の無端状体を重ねて形成した構造となっている。また、複数の無端状体の重なり部の各中心線は各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることから、複数の無端状体で形成される反射体の内側の周面は反射鏡面を構成する。この結果、各反射体領域から発光される光は配線基板の第1の面の前方に効率的に放射されることになり、発光効率の高い照明装置になる。
【0034】
上記(4)の手段によれば、反射体は複数の無端状体を重ねて形成した構造となっている。また、複数の無端状体の重なり部の各中心線は上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることから、複数の無端状体で形成される反射体の内側の周面は反射鏡面を構成する。この結果、各反射体領域から発光される光は配線基板の第1の面の前方に効率的に放射されることになり、発光効率の高い照明装置になる。
【0035】
上記(5)の手段によれば、配線基板の第2の面には熱電導性の良好な金属板が接着体を介して接着されていることから、各LEDチップで発生した熱は効果的に前記金属板を介して外部に放出される。従って、各LEDチップは安定して光を発光するようになる。
【0036】
上記(6)の手段によれば、前記配線基板の前記LEDチップを搭載する領域において、前記配線基板の前記第1の面から前記第2の面に至る部分に熱電導性の良好な金属からなる放熱パッドが設けられていることから、各LEDチップで発生した熱は効果的に前記金属板を介して外部に放出される。従って、各LEDチップは安定して光を発光するようになる。
【0037】
上記(7)の手段によれば、(a)配線基板の第1の面に搭載した各LEDチップを囲むように配線基板には環状体からなる反射体が設けられている。反射体の内側の周面はLEDチップから発光した光を反射して配線基板の第1の面の前方に導くようになっている。また、LEDチップは環状体の中心部分に配置されている。この結果、各LEDチップで発生した光は反射体で反射された光をも含めて配線基板の第1の面の前方に導かれることから、配線基板の第1の面側から均一に光が放射されることになり、出力の安定した照明装置となる。
【0038】
(b)反射体は配線基板に直接形成されることから、従来使用していた高価な反射板及び接着フィルムが不要となり、安価な照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0040】
図1乃至図12は本発明の実施例1である照明装置及びその製造方法に係わる図である。図1乃至図4は照明装置の構造に係わる図である。図1は照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図、図2は照明装置の外観を示す模式的斜視図である。図3は照明装置の外観を示す模式的平面図である。
【0041】
照明装置1は、図2及び図3に示すように、外観的には、長方形の配線基板2と、配線基板2の第1の面2aに整列配置形成されたLED発光部3とからなっている。LED発光部3は第1の面2aに縦横に整列配置形成されている。特に限定はされないが、図2では長さ方向(X方向)に7個、幅方向(Y方向)に4個配列され、等ピッチで合計28個配列されている。
【0042】
図1はLED発光部3を模式的に示す拡大断面図である。絶縁性の配線基板2は、例えば、ガラス・エポキシ樹脂基板からなり、銅等によって所定パターンの配線を形成した構造になっている。例えば、配線基板2の第1の面2a及び中層にそれぞれ所定のパターンの配線4を有している。また、配線基板2の第1の面2aの配線4aと、中層の配線4bは配線基板2の深さ方向に沿って延在する配線4cによって所定箇所で接続されている。また、配線基板2の第1の面2aには絶縁膜5が設けられている。この絶縁膜5は配線基板2の第1の面2aに直接、または配線4aを覆うように設けられている。
【0043】
LED発光部3では、図1に示すように、配線基板2の第1の面2aにLEDチップ6を固定(搭載)するための支持パッド7が形成されている。この支持パッド7は配線4aと同じ材質からなり、配線4aの製造時同時に形成される。LEDチップ6は第1の面に図示はしないが第1の電極及び第2の電極が設けられている。例えば、第1の電極はダイオードのアノード電極(p電極)であり、第2の電極はダイオードのカソード電極(n電極)である。そして、支持パッド7の近傍には、第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10が配置されている。第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10は配線4aの所定部分で形成されている。
【0044】
実施例1では、LEDチップ6の第1の電極と第1の電極パッド9は導電性のワイヤ12で電気的に接続され、LEDチップ6の第2の電極と第2の電極パッド10は導電性のワイヤ12で電気的に接続されている。第1の電極パッド9が形成される配線4aの一部は絶縁膜5から露出し、この露出する配線部分は照明装置1の第1の外部電極端子13になる。従って、第1の外部電極端子13は、p電極端子となる。また、第2の電極パッド10は、図1に示すように、配線4c、配線4b、配線4cを介して絶縁膜5に覆われない配線4aに電気的に接続されている。この部分の配線4aは照明装置1の第2の外部電極端子14になる。従って、第2の外部電極端子14は、n電極端子となる。
【0045】
なお、図1では、LEDチップ6の第1の電極(p電極)に接続される配線4aは配線基板2の第1の面2aに沿って第1の外部電極端子13に接続される図とした。しかし、複数のLED発光部3を配置した構造では、一つのLED発光部3におけるLEDチップ6のp電極に接続される配線4aが、配線4c、配線4b、配線4cと連なって他のLED発光部3のp電極に接続される配線4aに接続される構造ともなる。そして、いずれかの配線4a(LEDチップ6の第1の電極(p電極)に接続される配線4a)が第1の外部電極端子13に接続される構造になる。このことはLEDチップ6の第2の電極(n電極)に接続される配線4a同士の接続でも同様である。
【0046】
一方、照明装置1においては、LEDチップ6を囲むように、配線基板2の第1の面2aには環状体(ドーナツ状)からなる反射体15が設けられている。この反射体15は、配線基板2の第1の面2aに樹脂を環状(無端状)に塗布し、その後樹脂を硬化させて形成される。この硬化した環状体、即ち、無端状体は、円形となり、その中心にLEDチップ6が位置する。樹脂の塗布し、かつ硬化した断面、即ち、環状体(無端状体)の一断面の形状は半円形または半楕円形となる。所定の粘度の樹脂を塗布し、かつ硬化させることにより、前記半円形断面または半楕円形断面の環状体を得ることができる。
【0047】
また、反射体15の内側には樹脂体16が充填されてLEDチップ6及びワイヤ12を覆っている。樹脂体16は、LEDチップ6から発光された光17を透過させるため透明な樹脂で形成されている。また、樹脂体16から大気中に進む光が散乱しないように、樹脂体16の表面は平坦となり、LEDチップ6の第1の面と平行になっている。反射体15は配線基板2に樹脂を塗布し、その後硬化させることによって形成される。この形成の段階において、環状体(無端状体)の断面形状は樹脂中の液体の存在によって半円形または半楕円形等円弧状の面となるとともに、表面が円滑な面となる。この結果、反射体15の表面は光を反射する反射面となる。また、樹脂体16は、ショートを起こさせないように絶縁性の樹脂で形成されている。
【0048】
LED発光部3では、LEDチップ6から発光された大部分の光17は樹脂体16を通って樹脂体16の表面から大気中に放射される。また、LEDチップ6の側方に放射された光17は反射体15に向かうが、前述のように反射体15の表面が光を反射する反射面となっていることから、光17は反射体15の表面で反射され、反射光18として樹脂体16の表面から大気中に放射される。
【0049】
このようにLEDチップ6で発光した光17は樹脂体16を通って大気中に放射されるとともに、LEDチップ6の側方に放射された光17は反射体15で反射されて反射光18となって大気中に放射されるため、LEDチップ6から発光された光全体が配線基板2の第1の面2aの前方に導かれるようになり、照明の効率が良好になる。
【0050】
図2は鳥瞰的に各LED発光部3を示す模式図であり、LED発光部3においては、LEDチップ6、反射体15及び樹脂体16を模式的に示してある。
【0051】
図1を用いて説明したLED発光部3では、LEDチップ6から発光される光の色については説明しなかったが、実施例1では3群(3種類)のLEDチップ6が使用されている。即ち、1群は赤色(R)を発光する赤色LEDチップ群と、1群は緑色(G)を発光する緑色LEDチップ群と、残りの1群は青色(B)を発光する青色LEDチップ群である。図4は照明装置1の各LED発光部3と配線関係を示す配線基板2の模式的平面図である。
【0052】
図3に示すように、配線基板2の左上側及び右下側にそれぞれ細長状の3個の第1の外部電極端子13が設けられている。図においては、これら第1の外部電極端子13にR,G,Bの符号を付してあるが、Rを付した第1の外部電極端子13は赤色群用の第1の外部電極端子13を示し、Gを付した第1の外部電極端子13は緑色群用の第1の外部電極端子13を示し、Bを付した第1の外部電極端子13は青色群用の第1の外部電極端子13を示す。
【0053】
図4に示すように、各第1の外部電極端子13からは配線4aが延在し、これら配線4aは各LED発光部3の配線4aに連なっている。この場合、一部の配線は配線4c、配線4b及び配線4cを経由して所定の配線4aに電気的に接続されている。従って、Rを付した第1の外部電極端子13は赤色(R)を発光するLEDチップ6の第1の電極(p電極)の外部電極端子になる。同様にGを付した第1の外部電極端子13は緑色(G)を発光するLEDチップ6の第1の電極(p電極)の外部電極端子になる。同様にBを付した第1の外部電極端子13は青色(B)を発光するLEDチップ6の第1の電極(p電極)の外部電極端子になる。
【0054】
また、配線基板2の左上側及び右下側には、第1の外部電極端子13に隣接して正方形で示す2個の第2の外部電極端子14が設けられている。これら第2の外部電極端子14は、赤色群、緑色群及び青色群の各LEDチップの第2の電極(n電極)にそれぞれ接続される。第2の外部電極端子14は、所定の配線を経由して所定のLED発光部3の第2の電極パッド10に電気的に接続されることになる。
【0055】
第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10は図示しないが広い面積の配線4aの一部が配線基板2の第1の面2aに露出することによって形成されている。図5は配線基板2の第1の面2aを示す部分的な図である。点々を施して示す部分が絶縁膜5である。図5から分かるように、配線基板2の状態では第1の面2aに現れる部分は、第1の外部電極端子13、第2の外部電極端子14、支持パッド7、第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10である。また、配線基板2には、照明装置1を所定のものに固定する際使用される取付用孔20が2箇所設けられている。また、図3及び図4において、反射体15は太い線による円で示してある。
【0056】
照明装置1は、図3に示すように、配線基板2の各LED発光部3には、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ及び青色LEDチップが搭載され、かつ赤色光、緑色光及び青色光の混合によって白色光を放射する構造になっていることから、配線基板2の第1の面2aの前方に効率よく白色光を放射するようになる。
【0057】
つぎに、照明装置1の製造方法について、図5乃至図12を参照しながら説明する。
【0058】
最初に配線基板2及び複数群のLEDチップを準備する。実施例では赤色群、緑色群及び青色群の3群のLEDチップ6を複数準備する。配線基板2は第1の面2a及び第1の面2aの反対面となる第2の面2b(図6参照)を有している。図5は配線基板2の一部の第1の面2aを示す。長方形の配線基板2の第1の面2aには、図5に示すように、点々で示すように絶縁膜5が選択的に設けられている。図5の配線基板部分では、LEDチップを搭載する領域25が、配線基板2のX方向に3個、Y方向に2個、合計6個示されている。LEDチップ6を搭載する領域25は配線基板2の第1の面2aに均一に配置されている。そして、搭載する領域25の中央には、支持パッド7が位置し、その両端側には所定距離離れて第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10が配置されている。図5の左側には第1の外部電極端子13及び第2の外部電極端子14が配置されている。図5の絶縁膜5の下には、図6に示すような配線4aが形成されている。配線パターンについては、図4を用いて既に説明したので省略する。
【0059】
つぎに、図7及び図8に示すように、各搭載する領域25の各支持パッド7上に図示しない接着剤を用いてLEDチップ6を固定する。この固定の状態では、LEDチップ6の第1の面が上面となって露出する。この露出する面には、ダイオードの第1の電極(p電極)及び第2の電極(n電極)が位置している(図示せず)。
【0060】
つぎに、図7及び図8に示すように、ワイヤボンディングを行い、第1の電極と第1の電極パッド9を導電性のワイヤ12で接続するとともに、第2の電極と第2の電極パッド10を導電性のワイヤ12で接続する。
【0061】
つぎに、図9及び図10に示すように、配線基板2に搭載された全てのLEDチップ6に対し、LEDチップ6を囲むように配線基板2の第1の面2aに無端状に絶縁性の樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体からなる反射体15を形成する。反射体15の中心に1個のLEDチップ6が配置されるように反射体15を環状体(ドーナツ体)に形成する。樹脂の塗布は、図10に示すように、ディスペンサ26のノズル27の先端から樹脂28を垂れ流し、かつディスペンサ26を矢印に示すように回転させながら行う。環状体は円形となり、その中心にLEDチップ6が位置する。環状体の内側には第1の電極パッド9,第2の電極パッド10及びワイヤ12等も位置する。
【0062】
反射体15は配線基板2に樹脂を塗布し、その後硬化させることによって形成するが、樹脂の粘度等を適当に選んで使用することによって、環状体(無端状体)の断面形状を半円形または半楕円形等の円弧状の断面とすることができる。また、反射体15の表面を円滑にすることができる。この結果、反射体15の表面は光を反射する反射面となる。反射体15を形成する樹脂としては、例えば、エポキシ系及びシリコーン系の樹脂が使用される。また、反射体15の寸法例の一例としては、例えば、反射体15の外径が3.8〜8.8mmで、内径が3〜8mmで、高さが1mmである。また、LEDチップ6を搭載する領域25のピッチは10mmである。
【0063】
つぎに、図11及び図12に示すように、環状体となる反射体15の内側に図示しないディスペンサ等によって透明で絶縁性の樹脂を適量充填し、かつ硬化させて樹脂体16を形成する。樹脂体16は、LEDチップ6,第1の電極パッド9,第2の電極パッド10及びワイヤ12等を覆う。また、樹脂体16の表面を平坦に形成する。樹脂体16の平坦な表面は配線基板2の第1の面2aに対して平行な状態となる。樹脂体16を形成する樹脂としては、例えば、シリコーンゴムが使用される。
【0064】
以上の工程によって照明装置1が製造される。なお、実施例1では、赤色光,緑色光,青色光をそれぞれ発光するLEDチップを配線基板2に搭載した例について説明したが、光の色の組み合わせはこれに限定されるものではなく、所望の色の光の組み合わせが可能である。
【0065】
本実施例1によれば以下の効果を有する。
(1)配線基板2の第1の面2aに搭載した各LEDチップ6を囲むように配線基板2には環状体からなる反射体15が設けられている。反射体15の内側の周面はLEDチップ6から発光した光17を反射して配線基板2の第1の面2aの前方に導くようになっている。また、LEDチップ6は環状体の中心部分に配置されている。この結果、各LEDチップ6で発生した光17は反射体15で反射された光(反射光18)をも含めて配線基板2の第1の面2aの前方に導かれることから、配線基板2の第1の面2a側から均一に光が放射されることになり、出力の安定した照明装置1となる。
【0066】
(2)配線基板2には、赤色(R)LEDチップ6、緑色(G)LEDチップ6、青色(B)LEDチップ6が搭載されるが、これらR・G・Bチップを白色光となるように配置することによって、均一な白色光を放射する照明装置1となる。
【0067】
(3)反射体15は配線基板2に直接形成されることから、従来使用していた高価な反射板及び接着フィルムが不要となり、安価な照明装置1を提供することができる。また反射板及び接着フィルムが不要になることから、照明装置の軽量化を図ることができる。
【実施例2】
【0068】
図13及び図14は本発明の実施例2である照明装置及びその製造方法に係わる図であり、図13は照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図、図14は照明装置の製造方法を示す工程図である。
【0069】
実施例2の照明装置1は実施例1の照明装置1において、反射体15が複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、複数の無端状体によって形成される反射体15の内側の周面は反射鏡面(反射面)を構成していることを特徴とする。例えば、図13に示すように、実施例2では、反射体15は3段の無端状体30a,30b,30cで形成されている。3段の無端状体30a,30b,30cの重なり部の各中心線は各無端状体30a,30b,30cともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっている。これは、3段に重なる無端状体30a,30b,30cの内側の面が90度以上の緩やかな曲面を描く曲面、または傾斜面となるようにするためである。3段の無端状体30a,30b,30cによって反射体15の内側の面は反射鏡面31になる。
【0070】
図14(a)〜(d)は、3段の無端状体30a,30b,30cによって反射体15を形成する方法を示す図である。図14(a)に示すように、配線基板2の第1の面2aに図示しないディスペンサによって第1段目の無端状体30aを、LEDチップ6を囲むように環状に形成する。
【0071】
つぎに、図14(b)に示すように、図示しないディスペンサによって第1段目の無端状体30aの上に第2段目の無端状体30bを第1段目の無端状体30aよりも断面が小さくなるように重ねて環状に形成する。この際、ディスペンサのノズルの回転半径は第1段目の無端状体30aを形成する場合と同じにする。
【0072】
つぎに、図14(c)に示すように、図示しないディスペンサによって第2段目の無端状体30bの上に第3段目の無端状体30cを第2段目の無端状体30bよりも断面が小さくなるように重ねて環状に形成する。この際、ディスペンサのノズルの回転半径は第1段目の無端状体30aを形成する場合と同じにする。
【0073】
第1段目、第2段目及び第3段目の無端状体30a,30b,30cを重ねて形成した場合、硬化前の樹脂はある程度流動することから、各段間のつなぎ部分の樹脂は相互になじむため、3段の無端状体30a,30b,30cは緩やかな曲率を描いて接続される。この状態で硬化処理されることによって、緩やかな曲率を描いて接続される面はそのまま光を反射する反射鏡面31を形成することになる。なお、図では単に円弧断面を重ねた図としてある。
【0074】
つぎに、図14(d)に示すように、実施例1と同様に、環状体となる反射体15の内側に図示しないディスペンサ等によって透明で絶縁性の樹脂を適量充填し、かつ硬化させて樹脂体16を形成する。
【0075】
実施例2によれば、反射体15は複数の無端状体(無端状体30a,30b,30c)を重ねて形成した構造となっている。また、複数の無端状体の重なり部の各中心線は各無端状体30a,30b,30cともに一致し、かつ重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることから、複数の無端状体30a,30b,30cで形成される反射体15の内側の周面は反射鏡面31を構成する。この結果、各反射体領域から発光される光17(含む反射光18)は配線基板2の第1の面2aの前方に効率的に放射されることになり、発光効率の高い照明装置1になる。
【実施例3】
【0076】
図15及び図16は本発明の実施例3である照明装置及びその製造方法に係わる図であり、図15は照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図、図16は照明装置の製造方法を示す工程図である。
【0077】
実施例3の照明装置1は、実施例2と同様に反射体15の内側の面を反射鏡面31に形成する他の実施例である。実施例3の照明装置1は実施例1の照明装置1において、反射体15が複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、複数の無端状体によって形成される反射体15の内側の周面は反射鏡面を構成していることを特徴とする。例えば、図15に示すように、実施例3では、反射体15は3段の無端状体30a,30b,30cで形成されている。3段の無端状体30a,30b,30cの重なり部の各中心線e,f,gは上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっている。これは、3段に重なる無端状体30a,30b,30cの内側の面が90度以上の緩やかな曲面を描く曲面、または傾斜面となるようにするためである。3段の無端状体30a,30b,30cによって反射体15の内側の面は反射鏡面31になる。重なる無端状体部分を上に重なるものほど無端状体の外側にずらしてやることによって、反射鏡面31の曲率は実施例2の場合に比較してさらに光の取り出し効率が大きくなる。従って、照明装置の電力使用の効率が向上できる効果がある。
【0078】
図16(a)〜(d)は、3段の無端状体30a,30b,30cによって反射体15を形成する方法を示す図である。図14(a)に示すように、配線基板2の第1の面2aに図示しないディスペンサによって第1段目の無端状体30aを、LEDチップ6を囲むように環状に形成する。
【0079】
つぎに、図14(b)に示すように、図示しないディスペンサによって第1段目の無端状体30aの上に第2段目の無端状体30bを第1段目の無端状体30aよりも断面が小さくなるように重ねて環状に形成する。この際、ディスペンサのノズルの回転半径は第1段目の無端状体30aを形成する場合に比較して大きくする。即ち、第1段目の無端状体30aを形成する場合はディスペンサの回転直径はe−eの長さであるが、第2段目の無端状体30aを形成する場合はディスペンサの回転直径はf−fの長さになり大きい。
【0080】
つぎに、図14(c)に示すように、図示しないディスペンサによって第2段目の無端状体30bの上に第3段目の無端状体30cを第2段目の無端状体30bよりも断面が小さくなるように重ねて環状に形成する。この際、ディスペンサのノズルの回転半径は第2段目の無端状体30bを形成する場合に比較して大きくする。即ち、第2段目の無端状体30bを形成する場合はディスペンサの回転直径はf−fの長さであるが、第3段目の無端状体30cを形成する場合はディスペンサの回転直径はg−gの長さになり大きい。
【0081】
第1段目、第2段目及び第3段目の無端状体30a,30b,30cを重ねて形成した場合、硬化前の樹脂はある程度流動することから、各段間のつなぎ部分の樹脂は相互になじみかつ表面張力作用によって緩やかな曲率を描いて接続される。この状態で硬化処理されることによって、緩やかな曲率を描いて接続される面はそのまま光を反射する反射鏡面31を形成することになる。実施例3では、重なる無端状体部分を上に重なるものほど無端状体の外側にずらしてやることによって、反射鏡面31の曲率は実施例2の場合に比較してさらに光の取り出し効率が大きくなる。従って、照明装置の電力使用の効率がさらに向上できる効果がある。なお、図では単に円弧断面を重ねた図としてある。
【0082】
つぎに、図16(d)に示すように、実施例1と同様に、環状体となる反射体15の内側に図示しないディスペンサ等によって透明で絶縁性の樹脂を適量充填し、かつ硬化させて樹脂体16を形成する。
【0083】
実施例3によれば、反射体15は複数の無端状体(無端状体30a,30b,30c)を重ねて形成した構造となっている。また、複数の無端状体の重なり部の各中心線e,f,gは上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっている。これによって反射体15の内側の面は緩やかな曲面を描く反射鏡面31となり、各反射体領域から発光される光17(含む反射光18)は配線基板2の第1の面2aの前方に効率的に放射されることになり、発光効率の高い照明装置1になる。
【実施例4】
【0084】
図17は本発明の実施例4である照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図である。実施例4の照明装置1は、実施例1の照明装置1において、配線基板2の第2の面2bに熱電導性の良好な金属板35が接着体36を介して接着されている。この構造によれば、LEDチップ6で発生した熱を金属板35に速やかに伝達させ、かつ配線基板2と同じ大きさとなる面積の広い金属板35の表面から外部に熱を放散させることができる。従って、照明装置1は放熱性の良好な照明装置になり、各LEDチップは安定して光を発光するようになる。
【0085】
また、図17に示すように、配線基板2のLEDチップ6を搭載する領域であり、かつ配線基板2の第1の面2aから第2の面2bに至る部分に熱電導性の良好な金属からなる放熱パッド37が設けられている。放熱パッド37は、配線基板2の形成段階(準備工程)に、LEDチップ6を搭載する配線基板領域に、第1の面2aから第2の面2bに至る部分に熱電導性の良好な金属を埋め込むことによって形成することができる。この構造によれば、LEDチップ6で発生した熱を放熱パッド37を介して速やかに金属板35に伝達させることができるため、さらに照明装置1の放熱性が良好になる。
【実施例5】
【0086】
図18及び図19は本発明の実施例5である照明装置及びその製造方法に係わる図であり、図18は照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図、図19は照明装置の製造における反射体の製造方法を示す模式的断面図である。
【0087】
実施例5は実施例1の照明装置1の製造において、LEDチップ6をフリップ・チップ接続によって配線基板2に搭載する例である。また、反射体15をスクリーン印刷法によって形成する例である。
【0088】
図18に示すように、LEDチップ6の第1の面6aには突起電極からなる第1の電極40及び第2の電極41が設けられている。また、配線基板2の第1の面2aに設けられる第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10は前記第1の電極40及び第2の電極41の真下に位置するように形成されている。従って、LEDチップ6の搭載においては、第1の電極40を第1の電極パッド9に重ね、第2の電極41を第2の電極パッド10に重ねるようにし、かつ例えば、第1及び第2の電極40,41を再加熱(リフロー)してそれぞれ第1及び第2の電極パッド9,10に接続する。
【0089】
このようにフリップ・チップ接続によって配線基板2にLEDチップ6を搭載することによって、配線基板に形成される反射体の高さを低くすることができる。これにより照明装置を薄型化することができる効果がある。
【0090】
また、LEDチップ6を配線基板2にフリップ・チップ接続することによって、図19に示すように、反射体15をスクリーン印刷法によって形成することができる。即ち、図19に示すように、配線基板2の第1の面2aにLEDチップ6を搭載した後、スクリーン印刷のスクリーン45を配線基板2の第1の面2a側に所定の間隔を離して位置させ、スクリーン45上の樹脂46をスキージ47で加圧させながら矢印のように移動させて印刷を行う。印刷後、印刷体は表面張力によって図19のように半円形状になる。そこで、印刷体を熱処理によって硬化させることにより、図19に示すような反射体15を形成することができる。
【0091】
スクリーン印刷によって反射体15を形成するため、作業性が向上し、照明装置1を安価に製造することできる。スクリーン印刷のスクリーンのパターンを変更することにより、実施例2及び実施例3のように反射体15を複数の無端状体の重ね構造とすることもできる。
【実施例6】
【0092】
図20は本発明の実施例6である照明装置に係わる図である。前記各実施例では、反射体15の内側に一つのLEDチップ6(LED発光部3)を配置する例で説明したが、実施例6では反射体15の内側に複数のLEDチップ6(LED発光部3)を配置する例である。
【0093】
図20(a)〜(d)は照明装置1の一部を示す図であり、いずれも反射体15の内側に赤色光LEDチップ、緑色光LEDチップ、青色光LEDチップをそれぞれ少なくとも一つ配置する各例を模式的に示す図である。図20(a)では支持パッド7、LEDチップ6と、配線基板2に設けられた第1及び第2の電極パッド9,10、LEDチップ6の電極と第1及び第2の電極パッド9,10を接続するワイヤ12を示してあるが、図20(b)〜図20(d)では、各LED発光部3を、丸内にR,G,Bを書き込んだ記号で示してある。また、図20(a)〜(d)では、反射体15は黒い太い線で示してある。反射体15は、実施例1の単一の無端状体からなる反射体15、実施例2及び実施例3の複数の無端状体を重ねた反射体15のいずれでもよい。
【0094】
図20(a)は反射体15が矩形枠体(長方形)となり、矩形枠体の内側に赤色LED発光部(R)と、緑色LED発光部(G)と、青色LED発光部(B)が一列に並んで配置されている。この結果、単一の反射体15内からは白色光が放射される。
【0095】
図20(b)も反射体15が矩形枠体(長方形)となる例である。この例では、矩形枠体の内側にG、R、G、B、Rと各色を発光するLED発光部が一列に並んで配置されている。この例では、出力が弱いG及びRを両端に位置するG及びRによって強調し、単一の反射体15内から放射する光を白色光として放射するようになっている。
【0096】
図20(c)は反射体15が環状体(円形)となり、環状体の内側にR、G、Bが配置されている。R、G、Bは正三角形の各頂点に位置するように配置されている。この結果、単一の反射体15内からは白色光が放射される。
【0097】
図20(d)も反射体15が環状体(円形)となる例である。この例では、環状体の中心にRが位置し、このRを囲むようにG、B、G、Bと4個のLED発光部が並んで配置されている。この例では、出力が弱いG及びBをRを囲むように配置されたG及びBによって強調し、単一の反射体15内から放射する光を白色光として放射するようになっている。
【0098】
なお、反射体15内に配置するLED発光部の配列は他の配列であってもよい。また、単一の反射体15内から発光される光は色付きの光であってもよい。
【0099】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0100】
実施例においては、照明装置から白色光を放射する照明装置に本発明を適用した例について示したが、単色光を放射する照明装置に本発明を適用することができ、実施例1と同様に発光効率が良好で安価な照明装置を提供することができる。
【0101】
この場合、照明装置1は以下の構造となる。この例は図をもって説明はしないが、実施例1で使用した名称及びその符号をもって説明すると以下のようになる。
【0102】
照明装置1は、
第1の面2a及び前記第1の面2aの反対面となる第2の面2bを有し、前記第1の面2aには、複数のLEDチップ6を搭載する領域25と、前記LEDチップ6の第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド9及び第2の電極パッド10と、前記第1の電極パッド9に電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子13と、前記第2の電極パッド10に電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子14とを有する配線基板2と、
前記配線基板2の前記第1の面2aに固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド9及び前記第2の電極パッド10にそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数のLEDチップ6と、
前記LEDチップ6を1乃至複数囲むように前記配線基板2の前記第1の面2aに設けられる無端状体からなる反射体15と、
前記反射体15の内側に充填されて前記LEDチップ6を覆い、かつ表面が平坦になる透明でかつ絶縁体からなる樹脂体16とを有し、
前記反射体15の内側の周面は前記LEDチップ6から発光される光17を反射して前記配線基板2の前記第1の面2aの前方に導くような反射面になっている。
【0103】
また、前記反射体15は環状体となり、前記環状体の中心に1個の前記LEDチップ6が配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施例1である照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図である。
【図2】実施例1の照明装置の外観を示す模式的斜視図である。
【図3】実施例1の照明装置の外観を示す模式的平面図である。
【図4】図3の一部を示す拡大平面図である。
【図5】本発明の実施例1である照明装置の製造方法で使用する配線基板の平面図である。
【図6】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図7】実施例1の照明装置の製造方法において、LEDチップを搭載し、かつワイヤ接続を終了した配線基板の平面図である。
【図8】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図9】実施例1の照明装置の製造方法において、LEDチップの搭載部分を囲むように反射体を形成した配線基板の平面図である。
【図10】図9のC−C線に沿う断面図であり、かつ反射体形成方法を示す図である。
【図11】実施例1の照明装置の製造方法において、反射体の内側領域に透明な樹脂体を充填形成した配線基板の平面図である。
【図12】図11のD−D線に沿う断面図である。
【図13】本発明の実施例2である照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図である。
【図14】本発明の実施例2である照明装置の製造方法を示す工程図である。
【図15】本発明の実施例3である照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図である。
【図16】本発明の実施例3である照明装置の製造方法を示す工程図である。
【図17】本発明の実施例4である照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図である。
【図18】本発明の実施例5である照明装置のLED発光部を示す模式的拡大断面図である。
【図19】実施例5の照明装置の製造における反射体の製造方法を示す模式的断面図である。
【図20】本発明の実施例6を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
【0105】
1…照明装置、2…配線基板、2a…第1の面、2b…第2の面、3…LED発光部、4,4a,4b,4c…配線、5…絶縁膜、6…LEDチップ、6a…第1の面、7…支持パッド、9…第1の電極パッド、10…第2の電極パッド、12…ワイヤ、13…第1の外部電極端子、14…第2の外部電極端子、15…反射体、16…樹脂体、17…光、18…反射光、20…取付用孔、25…搭載する領域、26…ディスペンサ、27…ノズル、28…樹脂、30a,30b,30c…無端状体、31…反射鏡面、35…金属板、36…接着体、37…放熱パッド、40…第1の電極、41…第2の電極、45…スクリーン、46…樹脂、47…スキージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、発光波長が異なる複数群のLEDチップをそれぞれ搭載する領域と、前記各LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記各群の前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第1の外部電極端子と、前記各群の前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第2の外部電極端子とを有する配線基板と、
前記配線基板の前記第1の面に固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドにそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数のLEDチップと、
前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に設けられる無端状体からなる反射体と、
前記反射体の内側に充填されて前記LEDチップを覆い、かつ表面が平坦になる透明でかつ絶縁体からなる樹脂体とを有し、
前記反射体の内側の周面は前記LEDチップから発光される光を反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くような反射面になっていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記LEDチップを搭載する領域は前記配線基板の前記第1の面に均一に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記反射体は環状体となり、前記環状体の中心に1個の前記LEDチップが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数群のLEDチップは、赤色を発光する赤色LEDチップ群と、緑色を発光する緑色LEDチップ群と、青色を発光する青色LEDチップ群とからなっていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射体は環状体となり、前記環状体の内側に前記赤色LEDチップと、前記緑色LEDチップと、前記青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
前記反射体は矩形枠体となり、前記矩形枠体の内側に前記赤色LEDチップと、前記緑色LEDチップと、前記青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項7】
前記LEDチップの第1の面には前記第1の電極及び前記第2の電極が設けられ、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの一方の電極が前記第1の電極パッドに導電性のワイヤを介して接続され、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの他方の電極が前記第2の電極パッドに導電性のワイヤを介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記LEDチップの第1の面には前記第1の電極及び前記第2の電極が設けられ、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの一方の電極が前記第1の電極パッドに重ねて接続され、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの他方の電極が前記第2の電極パッドに重ねて接続されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記反射体は複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、前記複数の無端状体によって形成される前記反射体の内側の周面は反射鏡面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記複数の無端状体の重なり部の各中心線は各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記複数の無端状体の重なり部の各中心線は上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項12】
前記配線基板の前記第2の面には熱電導性の良好な金属板が接着体を介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
前記配線基板の前記LEDチップを搭載する領域であり、かつ前記配線基板の前記第1の面から前記第2の面に至る部分に熱電導性の良好な金属からなる放熱パッドが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数のLEDチップを搭載する領域と、前記LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有し、前記LEDチップを搭載する領域は前記配線基板の前記第1の面に均一に設けられている配線基板と、
前記配線基板の前記第1の面に固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドにそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数のLEDチップと、
前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に設けられる無端状体からなる反射体と、
前記反射体の内側に充填されて前記LEDチップを覆い、かつ表面が平坦になる透明でかつ絶縁体からなる樹脂体とを有し、
前記反射体の内側の周面は前記LEDチップから発光される光を反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くような反射面になっていることを特徴とする照明装置。
【請求項15】
前記反射体は環状体となり、前記環状体の中心に1個の前記LEDチップが配置されていることを特徴とする請求項14に記載の照明装置。
【請求項16】
前記反射体は環状体となり、前記環状体の内側に複数の前記LEDチップが配置されていることを特徴とする請求項14に記載の照明装置。
【請求項17】
前記反射体は矩形枠体となり、前記矩形枠体の内側に複数の前記LEDチップが配置されていることを特徴とする請求項14に記載の照明装置。
【請求項18】
前記反射体は複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、前記複数の無端状体によって形成される前記反射体の内側の周面は反射鏡面を構成していることを特徴とする請求項14に記載の照明装置。
【請求項19】
前記複数の無端状体の重なり部の中心線は各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることを特徴とする請求項18に記載の照明装置。
【請求項20】
前記複数の無端状体の重なり部の中心線は上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなっていることを特徴とする請求項18に記載の照明装置。
【請求項21】
前記配線基板の前記第2の面には熱電導性の良好な金属板が接着体を介して接着されていることを特徴とする請求項14に記載の照明装置。
【請求項22】
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、発光波長が異なる複数群のLEDチップをそれぞれ搭載する領域と、前記各LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記各群の前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第1の外部電極端子と、前記各群の前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の各群の第2の外部電極端子とを有する配線基板を準備する工程、
(b)前記発光波長が異なる複数群のLEDチップを準備する工程、
(c)前記各群の前記各LEDチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の搭載領域に搭載するとともに前記各LEDチップの前記第1の電極及び前記第2の電極を所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドに電気的に接続する工程、
(d)前記配線基板に搭載された全ての前記LEDチップに対し、前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に無端状に樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体からなる反射体を形成する工程、
(e)前記各反射体の内側に透明でかつ絶縁体からなる樹脂を充填し、かつ硬化させて前記LEDチップを覆い、表面が平坦になる樹脂体を形成する工程とを有し、
前記各LEDチップから発光される光を前記反射体の内側の周面で反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くように構成される照明装置を製造することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項23】
前記(a)の工程では、前記LEDチップを搭載する領域を前記配線基板の前記第1の面に均一に設けておくことを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項24】
前記(d)の工程では、前記反射体の中心に1個の前記LEDチップが配置されるように前記反射体を環状体に形成することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項25】
前記(b)の工程では、赤色を発光する赤色LEDチップ群と、緑色を発光する緑色LEDチップ群と、青色を発光する青色LEDチップ群とを準備し、
前記(c)の工程では、前記各群の前記各LEDチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の搭載領域に搭載するとともに前記各LEDチップの前記第1の電極及び前記第2の電極を所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドに電気的に接続することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項26】
前記(d)の工程では、前記反射体の内側に前記赤色LEDチップと、前記緑色LEDチップと、前記青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されるように前記反射体を環状体に形成することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項27】
前記(d)の工程では、前記反射体の内側に前記赤色LEDチップと、前記緑色LEDチップと、前記青色LEDチップが少なくとも一つづつ配置されるように前記反射体を矩形枠体に形成することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項28】
前記(b)の工程では、前記LEDチップとして、第1の面に前記第1の電極及び前記第2の電極を有するLEDチップを準備し、
前記(c)の工程では、前記各LEDチップは前記第1の面の反対面となる第2の面を前記配線基板に固定し、かつ前記LEDチップの前記第1の電極と前記第1の電極パッドを導電性のワイヤで接続し、前記LEDチップの前記第2の電極と前記第2の電極パッドを導電性のワイヤで接続することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項29】
前記(b)の工程では、前記LEDチップとして、第1の面に前記第1の電極及び前記第2の電極を有するLEDチップを準備し、
前記(c)の工程では、前記LEDチップの前記第1の電極を前記第1の電極パッドに重ねるようにして接続するとともに、前記LEDチップの前記第2の電極を前記第2の電極パッドに重ねるようにして接続することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項30】
前記(d)の工程では、前記反射体の内側の周面が反射鏡面を形成するように前記配線基板の前記第1の面に前記樹脂で無端状体を複数重ねて形成することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項31】
前記複数の無端状体の重なり部の各中心線が各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなるように形成することを特徴とする請求項30に記載の照明装置の製造方法。
【請求項32】
前記複数の無端状体の重なり部の中心線が上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなるように形成することを特徴とする請求項30に記載の照明装置の製造方法。
【請求項33】
前記(a)の工程では、前記配線基板の前記第2の面に熱電導性の良好な金属板を接着体を介して接着することを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項34】
前記(a)の工程では、前記配線基板の前記LEDチップを搭載する領域であり、かつ前記配線基板の前記第1の面から前記第2の面に至る部分に熱電導性の良好な金属からなる放熱パッドを設けることを特徴とする請求項22に記載の照明装置の製造方法。
【請求項35】
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数のLEDチップを搭載する領域と、前記LEDチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有し、前記LEDチップを搭載する領域は前記配線基板の前記第1の面に均一に設けられている配線基板を準備する工程、
(b)複数の前記LEDチップを準備する工程、
(c)前記各LEDチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の搭載領域に搭載するとともに前記各LEDチップの前記第1の電極及び前記第2の電極を所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドに電気的に接続する工程、
(d)前記配線基板に搭載された全ての前記LEDチップに対し、前記LEDチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に無端状に樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体からなる反射体を形成する工程、
(e)前記各反射体の内側に透明でかつ絶縁体からなる樹脂を充填し、かつ硬化させて前記LEDチップを覆い、表面が平坦になる樹脂体を形成する工程とを有し、
前記各LEDチップから発光される光を前記反射体の内側の周面で反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くように構成される照明装置を製造することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項36】
前記(d)の工程では、前記反射体の中心に1個の前記LEDチップが配置されるように前記反射体を環状体に形成することを特徴とする請求項35に記載の照明装置の製造方法。
【請求項37】
前記(d)の工程では、前記反射体の内側の周面が反射鏡面を構成するように前記配線基板の前記第1の面に前記樹脂で無端状体を複数重ねて形成することを特徴とする請求項35に記載の照明装置の製造方法。
【請求項38】
前記複数の無端状体の重なり部の各中心線が各無端状体ともに一致し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなるように形成することを特徴とする請求項37に記載の照明装置の製造方法。
【請求項39】
前記複数の無端状体の重なり部の中心線が上に重なる無端状体ほど無端状体の外側に位置し、かつ前記重なり部は上に重なる無端状体ほど断面が小さくなるように形成することを特徴とする請求項37に記載の照明装置の製造方法。
【請求項40】
前記(a)の工程では、前記配線基板の前記第2の面に熱電導性の良好な金属板を接着体を介して接着することを特徴とする請求項35に記載の照明装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−41290(P2008−41290A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210480(P2006−210480)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(000100997)株式会社アキタ電子システムズ (41)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】