説明

照明装置及びそれを備えた表示装置

【課題】複数の発光素子が配列された光源を備えた照明装置であって、制御構成の複雑化かつ大型化を招くことなく、温度分布特性の不均一性に関わらず輝度を均一にすることができる照明装置及びそれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】複数の発光素子17,…が配列された光源70と、複数の発光素子17,…の光度を1個又は複数個単位で個別に制御する光度制御手段121とを備えた照明装置12は、光源70における複数の発光素子17,…の位置情報に対する温度分布特性を示す予め設定した補正テーブルTB1を備え、光度制御手段121は、補正テーブルTB1の温度分布特性に基づいて位置情報に対応した複数の発光素子17,…の光度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子が配列された光源(例えば面状光源)を備えた照明装置及びそれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の複数の発光素子が配列された光源(具体的には面状光源として作用するバックライト光源)を備えた照明装置(具体的にはバックライト装置)は、近年、パーソナルコンピュータなどのコンピュータのモニタや、テレビジョン受像機などの表示装置に広く用いられるようになってきている。
【0003】
このような照明装置では、温度分布特性が均一でないと、輝度が不均一となり、輝度ムラが発生することがある。特に、面状光源における温度分布特性が均一でないと、該面状光源の発光面における輝度が不均一となり、該発光面において輝度ムラが発生することが多い。
【0004】
詳しくは、発光素子は、一般的に、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性(すなわち周囲温度が上昇するに伴って相対光度が小さくなる特性)を有しているものが多い。
【0005】
このため、温度分布特性の不均一性により発光素子の発光効率が発光部の位置によって異なってしまうことから、輝度ムラが発生する。例えば、面状光源における温度分布特性の不均一性により発光素子の発光効率が発光面の位置によって異なってしまうことから、該発光面において輝度ムラが発生し易い。そのため、温度分布特性の不均一性に関わらず、均一な輝度を有する光源(特に、発光面で均一な輝度を有する面状光源)が要求されている。
【0006】
この点に関し、従来では、面状光源に配列された複数の発光ダイオードの温度を検出する温度検出手段の検出結果に基づいて発光ダイオードの光度を制御する照明装置が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−147373号公報
【特許文献2】特表2009−016913号公報(再公表公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に記載のように、面状光源に配列された複数の発光素子の温度を検出する温度検出手段の検出結果に基づいて発光素子の光度を制御する照明装置では、発光面における輝度を均一にするためには、面状光源において温度検知手段を多数搭載し、搭載した多数の温度検知手段の検出結果に基づいて各温度検知手段に対応する発光素子の光度をそれぞれ制御する必要があり、それだけ制御構成の複雑化かつ大型化を招くという不都合がある。
【0009】
そこで、本発明は、複数の発光素子が配列された光源を備えた照明装置であって、制御構成の複雑化かつ大型化を招くことなく、温度分布特性の不均一性に関わらず輝度を均一にすることができる照明装置及びそれを備えた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために、複数の発光素子が配列された光源と、前記複数の発光素子の光度を1個又は複数個単位で個別に制御する光度制御手段とを備えた照明装置であって、前記光源における前記複数の発光素子の位置情報に対する温度分布特性を示す予め設定した補正テーブルを備え、前記光度制御手段は、前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御することを特徴とする照明装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記本発明に係る照明装置を備えていることを特徴とする表示装置も提供する。
【0012】
本発明によれば、前記光度制御手段が前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御するので、従来の如く、発光素子の温度を検出する温度検出手段を設ける必要がない。従って、制御構成の複雑化かつ大型化を招くことがなく、前記温度分布特性の不均一性に関わらず輝度を均一にすることができる。
【0013】
ところで、前記照明装置の姿勢が変化すると、フレーム等の構成部材の配置状態、内部機構の凹凸、外装部に設けられた通気口の位置といった前記照明装置の構成状態に応じて前記温度分布特性が変化し、これにより、前記照明装置の姿勢変化の前後で個々の前記発光素子が受ける熱の影響に差異が生じることがある。そうすると、前記照明装置の姿勢変化によって、個々の前記発光素子の発光効率が異なってしまい、従って、輝度ムラを招く。
【0014】
かかる観点から、本発明において、前記照明装置の姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、前記補正テーブルは、前記照明装置の予め定めた複数の姿勢毎に予め設定されており、前記光度制御手段は、前記姿勢検出手段からの検出データに基づいて、前記照明装置の前記複数の姿勢毎に設定した前記補正テーブルのうち何れか一つを選択し、選択した前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御する態様を例示できる。
【0015】
この特定事項では、前記照明装置の姿勢が変化することにより、フレーム等の構成部材の配置状態、内部機構の凹凸、外装部に設けられた通気口の位置といった前記照明装置の構成状態に応じて前記温度分布特性が変化し、これにより、前記照明装置の姿勢変化の前後で個々の前記発光素子が受ける熱の影響に差異が生じても、前記光度制御手段は、前記姿勢検出手段からの検出データに基づいて、前記照明装置の前記複数の姿勢毎に設定した前記補正テーブルのうち何れか一つを選択し、選択した前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御することで、前記照明装置の姿勢変化によっても、個々の前記発光素子の発光効率を均一にすることができ、従って、たとえ前記照明装置の姿勢が変化しても輝度を均一にすることができる。
【0016】
本発明において、前記姿勢検出手段は、前記照明装置の水平方向に沿ったX軸と水平方向に直交する垂直方向に沿ったZ軸との間の第1回転角度、及び、前記照明装置の前記X軸に直交する水平方向に沿ったY軸と前記Z軸との間の第2回転角度を検出する角度検出手段を備えている態様を例示できる。
【0017】
この特定事項では、前記角度検出手段により、前記照明装置の前記X軸と前記Z軸との間の前記第1回転角度、及び、前記照明装置の前記Y軸と前記Z軸との間の前記第2回転角度を検出することができ、これにより、前記照明装置の様々な姿勢を精度良く検出することができ、従って、前記照明装置の様々な姿勢に対応させることが可能となる。
【0018】
本発明において、前記光源は、面状光源とされており、前記補正テーブルは、前記面状光源における前記複数の発光素子の位置情報に対する前記面状光源における前記温度分布特性を示す補正テーブルである態様を例示できる。
【0019】
この特定事項では、前記面状光源における前記温度分布特性の不均一性に関わらず前記面状光源の発光面における輝度を均一にすることができる。
【0020】
ところで、本発明において、前記光源が面状光源とされている場合、前記面状光源の発光面とは反対側の背面の一部に設けられた放熱部材を備えている場合には、前記面状光源における熱が前記放熱部材で逃げやすくなり、これにより前記放熱部材で不均一に放熱されて前記面状光源における前記温度分布特性が不均一になり易い。
【0021】
よって、本発明では、前記面状光源の発光面とは反対側の背面の一部に設けられた放熱部材を備えている場合に特に有効となる。
【0022】
ここで、本発明にいう「放熱部材」は、初めから放熱を意図する部材でなくても、例えば、前記面状光源を支持する支持部材が結果的に放熱部材となっていている場合も含む概念である。
【0023】
また、金属部材は、通常、熱伝導性に優れているため、前記放熱部材として金属部材を用いることにより、前記放熱部材でさらに不均一に放熱されて前記面状光源における前記温度分布特性がさらに不均一になり易い。
【0024】
よって、本発明では、前記放熱部材が金属部材とされている場合にさらに有効となる。
【0025】
また、前記面状光源を支持する支持フレームは、前記面状光源の中央部(周縁部以外の位置)に設けられることが多い。そうすると、前記面状光源における前記温度分布特性の中央部で温度が低下し易く、従って、前記面状光源の発光面における輝度ムラが目立ち易い。
【0026】
よって、本発明では、前記放熱部材が前記面状光源を支持する支持フレームとされている場合にさらに有効となる。
【0027】
また、本発明において、前記面状光源の発光面とは反対側の背面の一部に設けられた冷却装置を備えている場合には、前記面状光源における熱が前記冷却装置で逃げやすくなり、これにより前記冷却装置で不均一に放熱されて前記面状光源における前記温度分布特性が不均一になり易い。
【0028】
よって、本発明では、前記面状光源の発光面とは反対側の背面の一部に設けられた冷却装置を備えている場合に特に有効となる。
【0029】
本発明において、前記光度制御手段は、前記補正テーブルの前記温度分布特性における前記複数の発光素子に対応する位置での設定温度と、前記光度を制御する光度制御の基準となる基準温度との温度差に応じて前記複数の発光素子の光度を制御する態様を例示できる。
【0030】
この特定事項では、前記光度制御手段が前記温度差に応じて前記複数の発光素子の光度を制御するので、簡単な制御構成で輝度を均一にすることができる。
【0031】
本発明において、前記光度制御手段は、前記複数の発光素子のうち、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有し、かつ、前記設定温度が前記基準温度よりも低い発光素子に対して前記温度差に対応する分だけ該発光素子の光度を小さくする態様を例示できる。
【0032】
ここで前記「負の相関関係」とは、温度の上昇に伴い光度が小さくなり、温度の低下に伴い光度が大きくなる関係をいう。
【0033】
この特定事項では、前記光度制御手段が、前記複数の発光素子のうち、前記負の相関関係を示す特性を有し、かつ、前記設定温度が前記基準温度よりも低い発光素子に対して前記温度差に対応する分だけ該発光素子の光度を小さくするので、それだけ全体の消費電力を低く抑えた状態で、輝度を均一にすることができる。
【0034】
本発明において、前記光度制御手段は、前記複数の発光素子のうち、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有し、かつ、前記設定温度が前記基準温度よりも高い発光素子に対して前記温度差に対応する分だけ該発光素子の光度を大きくする態様を例示できる。
【0035】
この特定事項では、前記光度制御手段が、前記複数の発光素子のうち、前記負の相関関係を示す特性を有し、かつ、前記設定温度が前記基準温度よりも高い発光素子に対して前記温度差に対応する分だけ該発光素子の光度を大きくするので、それだけ全体の輝度を大きくした状態で、輝度を均一にすることができる。
【0036】
本発明において、前記基準温度は、前記温度分布特性における前記設定温度のうち最大の設定温度とされている態様を例示できる。
【0037】
この特定事項では、前記複数の発光素子のうち、光度をこれ以上大きくできない発光素子、例えば、発光時に最大の光度で発光する発光素子に効果的に適用することができる。
【0038】
ところで、前記光源(例えば前記面状光源)として、前記複数の発光素子にて発光される光を1色とする光源を適用してもよいが、前記複数の発光素子を一群としてそれぞれ有する複数の発光素子群を備え、前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子は、前記複数の発光素子群間で互いに異なる色の光を発光する発光素子とされており、前記光源は、前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子にて発光される光を合成することで予め設定した規定色を発光する光源を適用してもよい。この場合、前記光度制御手段は、前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子の光度を1個又は複数個単位で個別に制御する態様を例示できる。
【0039】
この特定事項では、前記光源として、前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子にて発光される光を合成することで前記規定色を発光する光源を適用した場合でも、輝度を効果的に均一にすることができ、前記規定色の色相を一定に維持した状態で、輝度を均一にすることが可能となる。
【0040】
本発明において、前記光度制御手段は、前記表示装置の表示画像において区画された各領域の明暗に基づいて前記複数の発光素子のうち前記各領域に対応する発光素子の光度を制御する態様を例示できる。
【0041】
この特定事項では、前記表示装置の表示画像における前記各領域の明暗に基づいて前記複数の発光素子のうち前記各領域に対応する発光素子の光度を制御するので、前記温度分布特性の不均一性に関わらず輝度を均一にして、前記各領域の明暗に基づく前記各領域に対応する発光素子の光度の制御を行うことができ、これにより、前記表示装置の高コントラスト化かつ低消費電力化の実現を安定して行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0042】
以上説明したように、本発明によると、前記光度制御手段が前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御することで、従来の如く、発光素子の温度を検出する温度検出手段を設ける必要がない。従って、制御構成の複雑化かつ大型化を招くことがなく、前記温度分布特性の不均一性に関わらず輝度を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る液晶表示装置を備えたテレビ受信装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すテレビ受信装置における液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図3】図1及び図2に示す液晶表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【図4】図2及び図3に示すバックライト装置の光学シート群を取り外した状態を正面から視た概略平面図であって、バックライト装置における行方向の一方側(左側)で列方向の両側(上下)に設けられた二つのLED基板部分を示す図である。
【図5】図2及び図3に示すバックライト装置の光学シート群を取り外した状態を正面から視た概略平面図であって、バックライト装置における行方向の他方側(右側)で列方向の両側(上下)に設けられた二つのLED基板部分を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る液晶表示装置におけるバックライト装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図7】バックライト光源におけるLED基板において白色LEDが区画された状態の一例を示す概略平面図である。
【図8】図7において区画された一つの区画領域を示す概略平面図であって、6個単位で個別に駆動制御される白色LEDを示す図である。
【図9】第1実施形態に係るバックライト装置における温度飽和時のバックライト光源を正面から測定したサーモグラフィの測定結果を示す温度分布図である。
【図10】バックライト光源の温度分布特性を示す温度分布補正テーブルのデータ構造を示す概略構成図である。
【図11】バックライト光源に設けられる白色LEDの周囲温度と相対光度との関係を示すグラフである。
【図12】最大の設定温度を基準とした温度補正テーブルのデータ構造を示す概略構成図である。
【図13】第1実施形態に係るバックライト装置のバックライト制御部による区画領域における白色LEDの輝度制御の一例を示すフローチャートである。
【図14】中程の設定温度を基準とした温度補正テーブルのデータ構造を示す概略構成図である。
【図15】図1に示すバックライト装置におけるバックライト光源に冷却ファンが設けられている状態を示す分解斜視図である。
【図16】第2実施形態に係る液晶表示装置の姿勢を変更する構成とされたスタンドを備えたテレビ受信装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図17】第2実施形態に係る液晶表示装置の姿勢を変化させる回転機構部分を示す概略斜視図であって、(a)は、裏側キャビネットを固定する固定面がX軸方向とZ軸方向との双方に沿っている状態を示す図であり、(b)は、固定面がX軸方向とY軸方向との双方に沿っている状態を示す図である。
【図18】一対の放熱部材に加えて、中間放熱部材がさらに設けられたバックライト装置を備えた液晶表示装置を概略的に示す斜視図である。
【図19】一対の放熱部材が設けられた液晶表示装置を備えたテレビ受信装置の姿勢変化により熱が溜まりやすい部分を模式的に示す概略斜視図であって、(a)は、液晶表示装置の横置き姿勢を示す図であり、(b)は、液晶表示装置の縦置き姿勢を示す図であり、(c)は、液晶表示装置の水平置き姿勢を示す図である。
【図20】一対の放熱部材に加えて、中間放熱部材がさらに設けられた液晶表示装置を備えたテレビ受信装置の姿勢変化により熱が溜まりやすい部分を模式的に示す概略斜視図であって、(a)は、液晶表示装置の横置き姿勢を示す図であり、(b)は、液晶表示装置の縦置き姿勢を示す図であり、(c)は、液晶表示装置の水平置き姿勢を示す図である。
【図21】第2実施形態に係る液晶表示装置におけるバックライト装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図22】液晶表示装置の横置き姿勢に対応する第1温度分布補正テーブルTB1(1)のデータ構造を示す概略構成図である。
【図23】液晶表示装置の縦置き姿勢に対応する第2温度分布補正テーブルTB1(2)のデータ構造を示す概略構成図である。
【図24】液晶表示装置の水平置き姿勢に対応する第3温度分布補正テーブルTB1(3)のデータ構造を示す概略構成図である。
【図25】第2実施形態に係るバックライト装置のバックライト制御部による区画領域における白色LEDの輝度制御の一例を示す前半部分のフローチャートである。
【図26】第2実施形態に係るバックライト装置のバックライト制御部による区画領域における白色LEDの輝度制御の一例を示す後半部分のフローチャートである。
【図27】第3実施形態に係るバックライト装置において赤色LED、緑色LED及び青色LEDを組み合わせることにより白色発光するバックライト光源の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図28】第4実施形態に係るバックライト装置において赤色LED、緑色LED及び青色LEDを組み合わせることにより白色発光するバックライト光源の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図29】図7において区画された一つの区画領域を示す概略平面図であって、2個単位で個別に駆動制御される赤色LED、緑色LED及び青色LEDを示す図である。
【図30】バックライト光源に設けられる赤色LED、緑色LED及び青色LEDの周囲温度と相対光度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0045】
(第1実施形態)
まず、液晶表示装置10を備えたテレビ受信装置TVの構成について説明した後、液晶表示装置10の構成について説明する。
【0046】
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置10を備えたテレビ受信装置TVの概略構成を示す分解斜視図である。図2は、図1に示すテレビ受信装置TVにおける液晶表示装置10の概略構成を示す分解斜視図である。また、図3は、図1及び図2に示す液晶表示装置10の一部を概略的に示す断面図である。なお、図3においてベゼル13及びフレーム16等は図示を省略している。
【0047】
テレビ受信装置TVは、図1に示すように、液晶表示装置10と、液晶表示装置10を挟むようにして収容する表側及び裏側キャビネットCa,Cbと、電源Pと、チューナーTと、スタンドSとを備えている。
【0048】
液晶表示装置10は、全体として横長の方形を成し、横置き姿勢で収容されている。液晶表示装置10は、この例では、60インチの表示画面を有している。液晶表示装置10は、図2に示すように、液晶パネル11と、液晶パネル11に対して裏側から照明するバックライト装置(照明装置の一例)12とを備え、これらが枠状のベゼル13などの保持部材により一体的に保持されるようになっている。
【0049】
次に、液晶表示装置10を構成する液晶パネル11及びバックライト装置12について説明する。
【0050】
液晶パネル11は、詳細な構成要素については図示を省略しているが、一対のガラス基板が所定のギャップを隔てた状態で貼り合わせられるとともに、両ガラス基板間に液晶が封入された構成とされる。
【0051】
一方のガラス基板には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子(例えばTFT)と、そのスイッチング素子に接続された画素電極、さらには配向膜等が設けられ、他方のガラス基板には、R(赤色),G(緑色),B(青色)等の各着色部が所定配列で配置されたカラーフィルタや対向電極、さらには配向膜等が設けられている。なお、両基板の外側には偏光板が配されている。
【0052】
バックライト装置12は、図2に示すように、発光面側(液晶パネル11側)に開口した略箱型をなすシャーシ14(筐体の一例)と、シャーシ14の開口部を覆うようにして配される光学シート群15と、シャーシ14の外縁に沿って配され、かつ、光学シート群15の外縁部をシャーシ14との間で挟んで保持するフレーム16と、白色発光する複数の発光ダイオード(発光素子の一例、以下、白色LEDと称する。)17,…と、複数の白色LED17,…を搭載したLED基板(基板の一例)20とを備えている。光学シート群15は、拡散板15aと、拡散板15a及び液晶パネル11の間に配される1又は複数の光学シート15bとを備えている。
【0053】
シャーシ14内には、白色LED17,…を搭載したLED基板20が配設されている。本第1実施形態では、シャーシ14と白色LED17,…とLED基板20とで平面光源として作用するバックライト光源(面状光源の一例)70を構成している。なお、バックライト装置12においては、白色LED17,…に対して拡散板15a側が発光面側となっている。
【0054】
詳しくは、シャーシ14は、金属製の部材で構成されており、液晶パネル11と同様に矩形状をなす底板14aと、底板14aの各辺の外端から立ち上がる側板14bと、各側板14bの立ち上がり端から外向きに張り出す受け板14cとを有し、全体として表側に向けて開口した浅い略箱型をなしている。
【0055】
具体的には、シャーシ14の受け板14cには、フレーム16が載置されており、受け板14cとフレーム16との間で光学シート群15の外縁部が挟持されている。
【0056】
シャーシ14の開口部側には、拡散板15aと光学シート15bとを備えた光学シート群15が配設されている。拡散板15aは、合成樹脂製の板状部材に光散乱粒子が分散配合されてなり、白色LED17,…から出射される点状の光を拡散する機能を有する。拡散板15aの外縁部は前述したようにシャーシ14の受け板14c上に載置されており、上下方向の強固な拘束力を受けないものとされている。
【0057】
拡散板15a上に配される光学シート15bは、拡散板15aに比して板厚が薄いシート状をなしており、2枚が積層して配されている。光学シート15bの具体的な種類としては、例えば拡散シート、レンズシート、反射型偏光シートなどがあり、これらの中から適宜選択して使用することが可能である。光学シート15bは、白色LED17,…から出射され、拡散板15aを通過した光を面状の光とする機能を有し、白色LED17,…とは反対側で発光面を構成している。光学シート15bの発光面側には液晶パネル11が設置されている。
【0058】
本第1実施形態において、バックライト装置12は、放熱部材18をさらに備えている。放熱部材18は、バックライト光源70の発光面とは反対側の背面(具体的にはシャーシ14の背面)の一部に設けられた金属製の部材で構成されている。これにより、放熱部材18は、バックライト装置12の本体で発生する熱をシャーシ14の背面の一部を通じて放熱することができる。
【0059】
詳しくは、放熱部材18は、バックライト光源70を支持する支持フレームとされており、複数の(ここでは一対の)放熱部材18a,18bとされている。一対の放熱部材18a,18bは、列方向Bに延びる長尺な部材とされている。一対の放熱部材18a,18bのうち、一方の放熱部材18aは、シャーシ14の背面における行方向Aの一方側の一部において列方向Bに沿って列方向Bの全体にわたってシャーシ14を支持しており、他方の放熱部材18bは、シャーシ14の背面における行方向Aの他方側の一部において列方向Bに沿って列方向Bの全体にわたってシャーシ14を支持している。一対の放熱部材18a,18bは、シャーシ14の背面において行方向Aに均等に設けられている。そして、バックライト装置12は、シャーシ14を支持する一対の放熱部材18a,18bがテレビ受信装置TVにおける裏側キャビネットCbに支持されるようになっている。
【0060】
なお、放熱部材18は、本第1実施形態では、一対の放熱部材18a,18bとされているが、例えば、表示画面の大きさに応じて、3以上の放熱部材や、単一の放熱部材とされていてもよい。すなわち、表示画面が大きくなるほど、放熱部材の数を増やしてもよい。
【0061】
放熱部材18が単一の放熱部材とされている場合、具体的には、シャーシ14の背面における行方向Aの中央に列方向Bに沿って、或いは、列方向Bの中央に行方向Aに沿ってシャーシ14を支持する構成を例示できる。
【0062】
本第1実施形態において、LED基板20は、シャーシ14に設けられている。詳しくは、シャーシ14の底板14aの内面側には、白色LED17,…が取り付けられたLED基板20が設置されている。LED基板20は、合成樹脂製の基板であり、その表面に銅箔などの金属膜からなる配線パターン(図示せず)が形成された構成とされる。
【0063】
本第1実施形態において、LED基板20は、行方向Aに長い矩形状のものとされている。LED基板20の表面には、配線パターン(図示せず)に加えて、複数の白色LED17,…に対応して設けられた複数のランドパターン(図示せず)が形成されている。
【0064】
本第1実施形態において、LED基板20は、複数(ここでは4つ)のLED基板20a,20b,20c,20dに分割(具体的には行方向A及び列方向B方向にそれぞれ2分割されて合計4分割)されている。各LED基板20a,20b,20c,20dには、同数の白色LED17,…が同一の配列状態で並設されている。
【0065】
図4及び図5は、図2及び図3に示すバックライト装置12の光学シート群15を取り外した状態を正面から視た概略平面図である。図4は、バックライト装置12における行方向Aの一方側(左側)で列方向Bの両側(上下)に設けられた二つのLED基板20a,20b部分を示している。図5は、バックライト装置12における行方向Aの他方側(右側)で列方向Bの両側(上下)に設けられた二つのLED基板20c,20d部分を示している。
【0066】
図4及び図5に示すように、各LED基板20a,20b,20c,20dにおける白色LED17,…は、予め設定されたピッチPで等間隔にマトリクス(格子)状に(ここでは行方向Aに24個、列方向Bに12個)配列されて実装されている。
【0067】
なお、各LED基板20a,20b,20c,20dにおける白色LED17,…は、マトリクス状の配列に限定されるものではなく、等間隔に配列されて実装されていれば、何れの配列構成であってもよい。
【0068】
各白色LED17,…は、何れも同一型式(すなわち同じ構成、構造)とされている。各白色LED17,…は、ここでは、青色LED(発光)チップが赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する封止樹脂で覆われた点状光源とされている。なお、蛍光体は黄色蛍光体でもよい。すなわち、白色LED17は、青色LED(発光)チップが黄色の領域に発光ピークを持つ蛍光体を塗布することで白色発光するものとしてもよい。また、白色LED17は、例えば、青色発光チップに、緑色および赤色の領域に発光ピークを持つ蛍光体を塗布することにより白色発光するものとしてもよい。
【0069】
図6は、第1実施形態に係る液晶表示装置10におけるバックライト装置12の制御構成を示す概略ブロック図である。
【0070】
図6に示すように、液晶表示装置10は、画像受信部101及び画像処理部102をさらに備えている。また、バックライト装置12は、バックライト制御部(光度制御手段の一例)121と、記憶部122とをさらに備えている。
【0071】
画像受信部101は、チューナーT(図1参照)等の画像送信装置に接続されており、該画像送信装置から時系列的に送信される画像データを受信し、受信した画像データを、画像処理部102及びバックライト制御部121へそれぞれ出力するようになっている。
【0072】
また、液晶パネル11には、画像データに対応する制御データが1フレーム分ずつ時系列的に入力される。制御データには、画像データの各画素に対応する制御値が含まれている。ここで、各画素に対応する制御値とは、液晶パネル11が、各画素の液晶部に印加すべき電圧を制御するためのものである。液晶パネル11は、入力された制御データに従って、各画素の液晶部に電圧を印加する。各画素の液晶部に印加される電圧の電圧値が適切であれば、液晶パネル11には、高画質の動画像が表示される。
【0073】
画像処理部102は、入力された画像データに基づいて液晶パネル11へ出力すべき制御データを生成し、生成した制御データを液晶パネル11へ出力する。
【0074】
バックライト制御部121は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部(図示せず)を備えている。記憶部122は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶メモリ(図示せず)を含み、各種制御プログラムや必要な関数およびテーブルや、後述する温度分布補正テーブルTB1及び温度補正テーブルTB2を含む各種のデータを記憶するようになっている。
【0075】
本第1実施形態では、バックライト制御部121は、白色LED17,…の光度(光量)を1個又は複数個単位(ここでは複数個単位)で個別に制御する機能を有している。
【0076】
詳しくは、バックライト装置12におけるバックライト光源70の各白色LED17,…は、バックライト制御部121から光度(光量)を示す光度信号が入力されることで、駆動制御される。
【0077】
具体的には、バックライト制御部121は、図示を省略した調光回路を備えており、該調光回路によって、白色LED17,…の点灯に必要な電力を供給してバックライト光源70における白色LED17,…を、後述する区画領域α(1,1),α(1,2),…毎に駆動制御するようになっている。
【0078】
本第1実施形態では、バックライト制御部121は、外部からの制御信号を受け取って、白色LED17,…に流れる駆動電流を変化させることで白色LED17,…の光度を制御するようになっている。なお、バックライト制御部121にて白色LED17,…を駆動制御する駆動方式としては、例えば、定電圧源と抵抗器とを用いた駆動方式や、定電流源を用いた駆動方式、或いは、白色LED17,…への電圧パルス波のデューティー比を変化させて変調するPWM(パルス幅)変調を用いた駆動方式といった従来公知の駆動方式を適用できる。このため、ここでは、バックライト制御部121にて白色LED17,…を駆動制御する駆動方式の詳しい説明は省略する。
【0079】
図7は、バックライト光源70におけるLED基板20において白色LED17,…が区画された状態の一例を示す概略平面図である。また、図8は、図7において区画された一つの区画領域α(i,j)を示す概略平面図であって、6個単位で個別に駆動制御される白色LED17,…を示す図である。なお、図7の区画領域α(i,j)内における数字のうち、左側に位置する数字はi(=1からmまでの整数)の値を示しており、右側に位置する数字はj(=1からnまでの整数)の値を示している。また、図8において区画領域α(i,j)は何れも同様の構成とされているために、ここでは一つの図で示している。
【0080】
白色LED17,…は、LED基板20において行方向Aにm区画(mは2以上の整数、ここではm=16区画)、かつ、列方向Bにn区画(nは2以上の整数、ここではn=12区画)のm×n区画(ここでは16区画×12区画=192区画)に矩形状に区切られている。詳しくは、白色LED17,…は、LED基板20から分割された各LED基板20a〜20dにおいて、行方向Aにm/2区画(ここでは8区画)、かつ、列方向Bにn/2区画(ここでは6区画)で合計(m×n/4)区画(ここでは48)区画に区切られている(図7参照)。
【0081】
各区画領域α(i,j)には、k個(kは2以上の整数)の白色LED17,…が配線パターンWによって直列に接続されている(図8参照)。kは(白色LEDの総数)を(m×n区画)で割った値であり、ここでは、6個(=24行×12列×4枚/192区画)とされている。これにより、各区画領域α(i,j)における各白色LED17,…は、各区画領域α(i,j)内においてバックライト制御部121による同一の駆動条件での駆動制御(具体的には同一の駆動電流での駆動制御)が行われることになる。
【0082】
すなわち、バックライト制御部121は、各区画領域α(i,j)における白色LED17,…へ出力した光度信号に応じた光度で各区画領域α(i,j)における白色LED17,…を各区画領域α(i,j)内において同一の駆動条件で個別に点灯させる。なお、バックライト制御部121は、各区画領域α(i,j)における白色LED17,…へ出力した光度信号が光度0を示す場合には、各区画領域α(i,j)における白色LED17,…を個別に消灯させる。
【0083】
本第1実施形態では、バックライト制御部121は、液晶表示装置10の表示画像において区画された各表示領域LC,…の明暗と同期してバックライト装置12の各区画領域α(i,j)のうち各表示領域LC,…に対応する区画領域の白色LED17,…の光度を調整する領域毎調光制御(いわゆるローカルディミング制御或いはエリアアクティブ制御と称される調光制御)を行う。例えば、バックライト制御部121は、液晶表示装置10の表示画像における各表示領域LC,…が暗い場合には、バックライト装置12において、液晶表示装置10の表示画像における暗い表示領域LC,…に対応する区画領域α(i,j)における白色LED17,…を暗くする調光制御を行う。これにより、液晶表示装置10の高コントラスト化かつ低消費電力化を実現することが可能となる。
【0084】
詳しくは、バックライト制御部121は、入力された画像データに基づいて、各区画領域α(i,j)における白色LED17,…の光度をそれぞれ演算し、演算した結果に応じた光度信号を各区画領域α(i,j)における白色LED17,…にそれぞれ出力する。具体的には、バックライト制御部121は、画像データの画素値に基づき画像データが液晶パネル11に入力された場合に、バックライト装置12における各区画領域α(i,j)に対応する液晶パネル11の矩形表示される各表示領域LC,…に表示される画像の明るさ及び色等を演算し、演算した結果に応じて、液晶パネル11の各表示領域LC,…を照明する各区画領域α(i,j)における白色LED17,…の光度を演算し、演算結果に応じた輝度信号を各区画領域α(i,j)における白色LED17,…にそれぞれ出力する。
【0085】
かかる制御構成を備えたバックライト装置12は、液晶パネル11の各表示領域LC,…を、表示領域LC,…に表示される動画像の色及び明るさ等に適した輝度となるような光度で照明する。具体的には、バックライト装置12は、明るい動画、又は、目立つ色の動画が表示される液晶パネル11の表示領域LC,…(すなわち、ユーザが注目し易い領域)に対して高い輝度となるような光度で照明する一方、暗い動画、又は、目立たない色の動画が表示される液晶パネル11の表示領域LC,…(すなわち、ユーザが注目し難い領域)に対して低い輝度となるような光度で照明する。
【0086】
ところで、バックライト装置12において、バックライト光源70における温度飽和時(温度が最も高い時)の温度分布特性が均一でないと、バックライト光源70の発光面における輝度が不均一となり、該発光面において輝度ムラが発生することがある。
【0087】
図9は、第1実施形態に係るバックライト装置12における温度飽和時のバックライト光源70を正面から測定したサーモグラフィの測定結果を示す温度分布図である。なお、図9において、色が濃くなっているほど温度が高いことを表している。また、破線は放熱部材18a,18bを表している。
【0088】
図9に示す温度分布では、バックライト光源70の発光面のうち、放熱部材18a,18bの部分の温度が隣接する部分の温度に比べて概ね3℃〜5℃程度低くなっており、また、下側の温度よりも上側の温度の方が高くなっており、最も低いところと最も高いところとの温度差が11℃程度であることが分かった。
【0089】
本第1実施形態では、バックライト光源70における白色LED17,…の位置情報として、区画領域α(i,j)がその領域内にある白色LED17,…に対応づけられて予め記憶部122(図6参照)に記憶されている。そして、白色LED17,…に対応づけられた区画領域α(i,j)に対するバックライト光源70における温度分布特性を示す補正テーブルとして温度分布補正テーブルTB1が予め記憶部122に記憶されている。
【0090】
図10は、バックライト光源70の温度分布特性を示す温度分布補正テーブルTB1のデータ構造を示す概略構成図である。なお、図10において斜線部は放熱部材20a,20bに対応する部分を示している。
【0091】
図10に示すように、温度分布補正テーブルTB1には、白色LED17,…の温度飽和時の各区画領域α(i,j)における設定温度が設定されている。
【0092】
一方、LEDは、一般的に、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有しているものが多い。
【0093】
図11は、バックライト光源70に設けられる白色LED17の周囲温度と相対光度との関係を示すグラフである。なお、図11において、縦軸は、白色LED17を一定の基準光度信号(ここでは基準電流(具体的には20mA))で駆動して周囲温度が25℃のときでの白色LED17の光度を1とした場合の相対光度(割合)を示している。なお、基準光度信号は、前記した領域毎調光制御が行われていないときの基準となる光度信号である。
【0094】
ここで、バックライト装置12における個々の白色LED17,…は、既述したように、何れも同一型式(すなわち同じ構成、構造)のLEDであり、周囲温度と相対光度との関係が何れも同等の関係を示すため、図11では、バックライト装置12における一つの白色LED17に代表させて示している。
【0095】
図11に示すように、バックライト光源70における白色LED17は、周囲温度が上昇するに伴って相対光度が小さくなる特性(負の相関関係を示す特性)を有している。
【0096】
具体的には、個々の白色LED17,…は、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有している。例えば、個々の白色LED17,…は、自己発熱により、素子(周辺)の温度が上昇するに伴って光度(光量)が減少する。
【0097】
かかる観点から、バックライト制御部121は、温度分布補正テーブルTB1(図10参照)の温度分布特性における各白色LED17,…に対応する区画領域α(i,j)での設定温度と、基準温度との温度差に応じて各白色LED17,…を駆動制御する。
【0098】
本第1実施形態において、バックライト制御部121は、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有する白色LED17,…のうち、設定温度が基準温度よりも低い白色LED17に対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ白色LED17の光度を小さくするようになっている。そして、基準温度は、温度分布補正テーブルTB1の温度分布特性における設定温度のうち最大の設定温度(具体的には45℃)とされている。
【0099】
具体的には、最大の設定温度(具体的には45℃)を基準とした温度補正テーブルTB2が予め記憶部122(図6参照)に記憶されている。
【0100】
図12は、最大の設定温度を基準とした温度補正テーブルTB2のデータ構造を示す概略構成図である。
【0101】
図12に示すように、温度補正テーブルTB2には、最大の設定温度(具体的には45℃)における白色LED17,…の光度信号が基準光度信号(具体的には基準電流20mA)になるように光度倍率(具体的には基準電流の電流倍率)が各設定温度に対して図11に示す負の相関関係とは逆の正の相関関係を示す値に設定されている。
【0102】
ここで「正の相関関係」とは、温度の上昇に伴い光度倍率が大きくなり、温度の低下に伴い光度倍率が小さくなる関係である。
【0103】
図13は、第1実施形態に係るバックライト装置12のバックライト制御部121による区画領域α(i,j)における白色LED17,…の輝度制御の一例を示すフローチャートである。
【0104】
図13に示すように、バックライト制御部121は、先ず、初期処理として変数i,jに1を代入した後(ステップS1)、温度分布補正テーブルTB1(図10参照)の区画領域α(i,j)(i=1,j=1)から設定温度のデータとして41℃を取得し(ステップS2)、ステップS2で取得した設定温度のデータ41℃を用いて温度補正テーブルTB2(図12参照)の設定温度41℃から電流倍率のデータとして0.969を取得する(ステップS3)。次に、バックライト制御部121は、ステップS3で取得した電流倍率のデータ(0.969)と基準電流(20mA)とを掛け合わせて駆動電流19.38mAを算出し(ステップS4)、算出した駆動電流(19.38mA)で区画領域α(1,1)における各白色LED17,…を駆動する(ステップS5)。
【0105】
以下同様にして、バックライト制御部121は、区画領域α(1,2)〜区画領域α(m、n)についても、駆動電流を算出し、算出した駆動電流で区画領域α(1,2)〜区画領域α(m、n)における各白色LED17,…を駆動する。すなわち、バックライト制御部121は、jがn(=12)に達したか否かを判断し(ステップS6)、jがnに達していない場合には(ステップS6:No)、jに1を加算して(ステップS7)、ステップS2に移行する一方、jがnに達した場合には(ステップS6:Yes)、ステップS8に移行する。次に、バックライト制御部121は、iがm(=16)に達したか否かを判断し(ステップS8)、iがmに達していない場合には(ステップS8:No)、jに1を代入し、iに1を加算して(ステップS9)、ステップS2に移行する一方、iがmに達した場合には(ステップS8:Yes)、処理を終了する。
【0106】
なお、温度分布補正テーブルTB1に設定される設定温度及び温度補正テーブルTB2に設定される電流倍率は予め実験等で求めることができる。温度補正テーブルTB2に設定される電流倍率はLEDに付与される仕様書のデータを利用してもよい。
【0107】
また、温度補正テーブルTB2は、個々の白色LED17,…毎に記憶部122に記憶されていて、白色LED17,…の光度を1個単位で個別に制御してもよいが、白色LED17,…は、ここでは、何れも同一型式(すなわち同じ構成、構造)のLEDであるので、1種類のデータが記憶とされている。これにより、白色LED17,…の光度を効率的に補正することができる。
【0108】
また、白色LED17,…は、温度と光度の相関関係が異なるものと区別される(通常は型式の異なる)複数種類のLEDとされている場合には、温度補正テーブルTB2は、LEDの温度と光度の相関関係が異なるものと区別される種類毎(通常はLEDの型式毎)に設定することができる。この場合、温度補正テーブルTB2の種類と白色LED17の位置情報とを対応付けて予め記憶部122に記憶させておくことができる。
【0109】
これらのことは、後述する第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態についても同様である。
【0110】
以上説明したように、本第1実施形態によると、バックライト制御部121が温度分布補正テーブルTB1に記憶された設定温度から温度補正テーブルTB2の電流倍率を取得し、取得した電流倍率と基準電流(具体的には20mA)とから駆動電流を取得し、取得した駆動電流によって白色LED17,…を駆動するので、従来の如く、LEDの温度を検出する温度検出手段を設ける必要がない。従って、制御構成の複雑化かつ大型化を招くことがなく、バックライト光源70の温度分布特性の不均一性に関わらずバックライト光源70の発光面における輝度を均一にすることができる。
【0111】
また、本第1実施形態では、液晶表示装置10の表示画像における各表示領域LC,…の明暗に基づいて白色LED17,…のうち各表示領域LC,…に対応する白色LED17,…の光度を制御するので、バックライト光源70の温度分布特性の不均一性に関わらずバックライト光源70の発光面における輝度を均一にして、各表示領域LC,…の明暗に基づく各表示領域LC,…に対応する白色LED17,…の光度の制御を行うことができ、これにより、液晶表示装置10の高コントラスト化かつ低消費電力化の実現を安定して行うことが可能となる。
【0112】
また、本第1実施形態では、バックライト光源70の発光面とは反対側の背面の一部に放熱部材18(18a,18b)が設けられており、放熱部材18(18a,18b)が金属部材とされており、さらに、放熱部材18(18a,18b)がバックライト光源70を支持する支持フレームとされているので、前記した作用効果が特に有効となる。
【0113】
また、本第1実施形態では、バックライト制御部121が設定温度と基準温度(具体的には45℃)との温度差に応じて白色LED17,…を駆動するので、簡単な制御構成でバックライト光源70の発光面における輝度を均一にすることができる。
【0114】
また、本第1実施形態では、バックライト制御部121は、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有する白色LED17,…のうち、設定温度が基準温度(具体的には45℃)よりも低い白色LED17に対して設定温度と基準温度(具体的には45℃)との温度差に対応する分だけ白色LED17,…の光度を小さくするので、それだけ全体の消費電力を低く抑えた状態で、バックライト光源70の発光面における輝度を均一にすることができる。
【0115】
また、本第1実施形態では、基準温度が温度分布補正テーブルTB1の温度分布特性における設定温度のうち最大の設定温度(具体的には45℃)とされていることで、例えば、発光時に最大の光度で発光する白色LED17に効果的に適用することができる。
【0116】
また、本第1実施形態において、バックライト制御部121は、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有する白色LED17,…のうち、設定温度が基準温度よりも高い白色LED17に対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ白色LED17の光度を大きくするようになっていてもよい。そして、基準温度は、温度分布補正テーブルTB1の温度分布特性における設定温度のうち最大の設定温度より小さい温度とされていてもよい。
【0117】
ここで、基準温度を、温度分布補正テーブルTB1の温度分布特性における設定温度のうち中程の設定温度(具体的には39℃)とした場合を例にとって説明すると、中程の設定温度(具体的には39℃)を基準とした温度補正テーブルTB2が予め記憶部122に記憶される。
【0118】
図14は、中程の設定温度を基準とした温度補正テーブルTB2のデータ構造を示す概略構成図である。
【0119】
図14に示すように、温度補正テーブルTB2には、中程の設定温度(具体的には39℃)における白色LED17,…の光度信号が基準光度信号(具体的には基準電流20mA)になるように光度倍率(具体的には基準電流の電流倍率)が各設定温度に対して図11に示す負の相関関係とは逆の正の相関関係を示す値に設定されている。
【0120】
かかる構成を備えたバックライト装置12では、例えば、バックライト制御部121は、温度分布補正テーブルTB1(図10参照)の区画領域α(1,1)から設定温度として41℃を取得し(図13のステップS2参照)、取得した設定温度41℃を用いて温度補正テーブルTB2(図14参照)の設定温度41℃から電流倍率として1.016を取得する(図13のステップS3参照)。また、バックライト制御部121は、取得した電流倍率(1.016)と基準電流(20mA)とを掛け合わせて駆動電流20.32mAを算出し(図13のステップS4参照)、算出した駆動電流(20.32mA)で区画領域α(1,1)における各白色LED17,…を駆動する(図13のステップS5参照)。
【0121】
以下同様にして、バックライト制御部121は、区画領域α(1,2)〜区画領域α(m、n)についても、駆動電流を算出し、算出した駆動電流で区画領域α(1,2)〜区画領域α(m、n)における各白色LED17,…を駆動する。
【0122】
このように、バックライト制御部121が、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有する白色LED17,…のうち、設定温度が基準温度(具体的には39℃)よりも高い白色LED17に対して設定温度と基準温度(具体的には39℃)との温度差に対応する分だけ白色LED17の光度を大きくすることで、それだけバックライト光源70の発光面における全体の輝度を大きくした状態で、バックライト光源70の発光面における輝度を均一にすることができる。
【0123】
なお、基準温度を中程の設定温度(具体的には39℃)とした場合において、バックライト制御部121は、設定温度が基準温度(具体的には39℃)よりも低い場合には、前記したように、設定温度が基準温度(具体的には39℃)よりも低い白色LED17に対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ白色LED17の光度を小さくする。
【0124】
また、本第1実施形態において、バックライト装置12は、放熱部材18(18a,18b)に代えて、或いは、加えて冷却ファン(冷却装置の一例)19(後述する図15参照)を備えていている。
【0125】
図15は、図1に示すバックライト装置12におけるバックライト光源70に冷却ファン19が設けられている状態を示す分解斜視図である。
【0126】
図15に示すように、冷却ファン19は、バックライト光源70の発光面とは反対側の背面(具体的にはシャーシ14の背面)の一部に設けられている。これにより、冷却ファン19は、バックライト装置12の本体で発生する熱をシャーシ14の背面から放熱することができる。
【0127】
詳しくは、バックライト光源70においては上部の方が高温になり易いことから(図9及び図10)、冷却ファン19は、行方向Aの中央部において上部に取り付けられている。そして、冷却ファン19は、シャーシ14とテレビ受信装置TVにおける裏側キャビネットCbとの間に配設されてバックライト装置12の本体で発生する熱を裏側キャビネットCbから外部へ排出するようになっている。なお、本第1実施形態では、冷却ファン19は、単一の冷却ファンとされているが、複数の冷却ファンとされていてもよい。
【0128】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る液晶表示装置10Aについて図16から図26を参照しながら以下に説明する。なお、図16から図26において、第1実施形態で説明した構成要素と実質的に同じ構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0129】
本第2実施形態に係る液晶表示装置10Aは、後述するように、バックライト装置12の姿勢(すなわち、液晶表示装置10Aの姿勢)が変化した場合に発生し得るバックライト光源70の発光面における輝度ムラを解消するようにしたものである。
【0130】
図16は、第2実施形態に係る液晶表示装置10Aの姿勢を変更する構成とされたスタンドSdを備えたテレビ受信装置TVの概略構成を示す分解斜視図である。
【0131】
図16に示すように、スタンドSdは、水平方向に沿った第1回転軸Qx回りに回転自在、かつ、第1回転軸Qxに直交する第2回転軸Qy回りに回転自在に裏側キャビネットCbを支持する回転機構Sd1と、回転機構Sd1を介して液晶表示装置10Aを床に設置する設置台Sd2とを備えている。
【0132】
図17は、第2実施形態に係る液晶表示装置10Aの姿勢を変化させる回転機構Sd1部分を示す概略斜視図である。図17(a)は、裏側キャビネットCbを固定する固定面Sd1cがX軸方向XとZ軸方向Zとの双方に沿っている状態を示している。図17(b)は、固定面Sd1cがX軸方向XとY軸方向Yとの双方に沿っている状態を示している。
【0133】
図17に示すように、回転機構Sd1は、設置台Sd2の上端部Sd2aに対して第1回転軸Qx回りに回転自在に設けられた第1回転部材Sd1aと、第1回転部材Sd1bに対して第2回転軸Qy回りに回転自在に設けられた第2回転部材Sd1bとを備えている。ここで、第1回転部材Sd1aは、設置台Sd2の上端部Sd2aに対して図示を省略した第1係止機構によって予め定めた所定の回転角度で複数段階に段階的に係止できるようになっている。また、第2回転部材Sd1bは、第1回転部材Sd1aに対して図示を省略した第2係止機構によって予め定めた所定の回転角度で複数段階に段階的に係止できるようになっている。
【0134】
なお、設置台Sd2は、上端部Sd2aが下端側に対して水平方向に直交する垂直方向に沿った第3回転軸(図示せず)回りに回転自在とされ、複数段階に段階的に係止できるようになっていてもよい。
【0135】
また、本第2実施形態に係る液晶表示装置10Aにおいて、バックライト装置12は、例えば、第1実施形態の構成のように、一対の放熱部材18a,18bが設けられていてもよいし、一対の放熱部材18a,18bに加えて、中間放熱部材18c(図18参照)がさらに設けられていてもよい。
【0136】
図18は、一対の放熱部材18a,18bに加えて、中間放熱部材18cがさらに設けられたバックライト装置12を備えた液晶表示装置10Aを概略的に示す斜視図である。
【0137】
図18に示すバックライト装置12では、中間放熱部材18cは、シャーシ14に対して、一対の放熱部材18a,18bの長手方向の中央部において一対の放熱部材18a,18bと直交又は略直交する方向に沿って一対の放熱部材18a,18bを連結するように両者の間に設けられている。
【0138】
ところで、液晶表示装置10Aの姿勢が変化すると、フレーム16(図2参照)や放熱部材18a,18b等の構成部材の配置状態、内部機構の凹凸、表側及び裏側キャビネットCa,Cb(図17参照)に設けられた通気口の位置といったテレビ受信装置TVの構成状態に応じて温度分布特性が変化し、これにより、液晶表示装置10Aの姿勢変化の前後で個々の白色LED17,…が受ける熱の影響に差異が生じることがある。そうすると、液晶表示装置10Aの姿勢変化によって、個々の白色LED17,…の発光効率が異なってしまい、従って、バックライト光源70の発光面における輝度ムラを招く。
【0139】
図19は、一対の放熱部材18a,18bが設けられた液晶表示装置10Aを備えたテレビ受信装置TVの姿勢変化により熱が溜まりやすい部分βを模式的に示す概略斜視図である。図20は、一対の放熱部材18a,18bに加えて、中間放熱部材18cがさらに設けられた液晶表示装置10Aを備えたテレビ受信装置TVの姿勢変化により熱が溜まりやすい部分βを模式的に示す概略斜視図である。図19(a)及び図20(a)は、液晶表示装置10Aの短手方向がZ軸方向Zに沿っている横置き姿勢を示している。図19(b)及び図20(b)は、液晶表示装置10Aの長手方向がZ軸方向Zに沿っている縦置き姿勢を示している。また、図19(c)及び図20(c)は、液晶表示装置10Aの厚み方向がZ軸方向Zに沿っている水平置き姿勢を示している。
【0140】
図19(a)及び図20(a)に示すように、液晶表示装置10Aの短手方向がZ軸方向Zに沿っている横置き姿勢では、熱は長手方向の頂面の下方部分及び図20(a)の例ではさらに中間放熱部材18cの下方部分に溜まりやすい。図19(b)及び図20(b)に示すように、液晶表示装置10Aの長手方向がZ軸方向Zに沿っている縦置き姿勢では、熱は短手方向の頂面の下方部分及び一対の放熱部材18a,18bの下方部分に溜まりやすい。また、図19(c)及び図20(c)に示すように、液晶表示装置10Aの厚み方向がZ軸方向Zに沿っている水平置き姿勢では、熱は表示画面に全体的に溜まりやすい。
【0141】
かかる観点から、本第2実施形態では、液晶表示装置10Aは、液晶表示装置10Aの姿勢を検出する姿勢検出部(姿勢検出手段の一例)30(図21参照)をさらに備えている。
【0142】
姿勢検出部30としては、第1回転軸Qx回りの回動姿勢及び第2回転軸Qy回りの回動姿勢(具体的には、液晶表示装置10AのX軸とZ軸との間の第1回転角度θx(図16及び図17参照)、及び、液晶表示装置10AのY軸とZ軸との間の第2回転角度θy(図16及び図17参照))を少なくとも検出できるものを例示できる。ここでは、姿勢検出部30は、第1回転角度θx及び第2回転角度θyを検出するようになっている。なお、姿勢検出部30は、第1回転軸Qx回りの回動姿勢と、第2回転軸Qy回りの回動姿勢とに加えて、Z軸方向Zに沿った図示しない第3回転軸回りの回動姿勢(具体的には、第1回転角度θxと第2回転角度θyとに加えて、X軸とY軸との間の第3回転角度θz(図16及び図17参照))を検出するようになっていてもよい。
【0143】
第1回転角度θxと第2回転角度θyとを検知する姿勢検出部30としては、例えば、3次元(3軸)ジャイロセンサを備えたもの、3次元(3軸)重力加速度センサを備えたもの、ロータリーエンコーダーやポテンショメータ(可変抵抗器)等の回転角度センサを備えたものを挙げることができる。
【0144】
姿勢検出部30が3次元ジャイロセンサを備えている場合、姿勢検出部30は、重力加速度センサで重力方向を検出しながら3次元ジャイロセンサからの検知データ(第1回転角度θxに対応する回転角速度ωxのデータ及び第2回転角度θyに対応する回転角速度ωyのデータ)を積分演算処理することにより第1回転角度θxと第2回転角度θyとを検出する角度検出部(角度検出手段の一例)をさらに備えることができる。また、姿勢検出部30が3次元重力加速度センサを備えている場合、姿勢検出部30は、3次元重力加速度センサからの検知データ(第1回転角度θxのデータ及び第2回転角度θyのデータ)により第1回転角度θxと第2回転角度θyとを検出する角度検出部(角度検出手段の一例)をさらに備えることができる。さらに、姿勢検出部30が回転角度センサを備えている場合、姿勢検出部30は、第1回転角度θxを検知する第1回転角度センサからの検知データ(第1回転角度θxのデータ)と第2回転角度θyを検知する第2回転角度センサからの検知データ(第2回転角度θyのデータ)とにより第1回転角度θxと第2回転角度θyとを検出する角度検出部(角度検出手段の一例)をさらに備えることができる。
【0145】
以下、一対の放熱部材18a,18bに加えて、中間放熱部材18cがさらに設けられた図20に示す構成の液晶表示装置10Aにおいて、姿勢検出部30が3次元ジャイロセンサ31(図21参照)を備えている場合を例にとって説明する。
【0146】
図21は、第2実施形態に係る液晶表示装置10Aにおけるバックライト装置12の制御構成を示す概略ブロック図である。
【0147】
図21に示すように、姿勢検出部30は、X軸とZ軸(図16及び図17参照)との間の回転角速度ωx及びY軸とZ軸(図16及び図17参照)との間の回転角速度ωyを検知する3次元ジャイロセンサ31と、重力方向を検知する重力加速度センサ32と、重力加速度センサ32にて検知した重力方向を基に3次元ジャイロセンサ31からの検知データ(回転角速度ωxのデータ及び回転角速度ωyのデータ)を積分演算処理することにより第1回転角度θx及び第2回転角度θyを検出する角度検出部33とを備えている。
【0148】
本第2実施形態では、第1実施形態の温度分布補正テーブルTB1に代えて、液晶表示装置10Aの予め定めたpパターン(pは2以上の整数、ここではp=3)の姿勢毎に、白色LED17,…に対応づけられた区画領域α(i,j)に対するバックライト光源70における温度分布特性を示す第1から第p温度分布補正テーブルTB1(1)〜TB1(p)が予め記憶部122(図21参照)に記憶されている。
【0149】
具体的には、液晶表示装置10Aの横置き姿勢(図20(a)参照)を基準姿勢(0°)とした場合、姿勢検出部30は、第1回転角度θxが0°以上±45°未満、かつ、第2回転角度θyが0°以上±45°未満のときに横置き姿勢を検出し、第1回転角度θxが±45°以上±90°以下、かつ、第2回転角度θyが0°以上±45°未満のときに縦置き姿勢(図20(b)参照)を検出し、第2回転角度θyが±45°以上±90°以下のときに水平置き姿勢(図20(c)参照)を検出する。
【0150】
そして、記憶部122には、液晶表示装置10Aの横置き姿勢に対応する第1温度分布補正テーブルTB1(1)と、液晶表示装置10Aの縦置き姿勢に対応する第2温度分布補正テーブルTB1(2)と、液晶表示装置10Aの水平置き姿勢に対応する第3温度分布補正テーブルTB1(3)が記憶されている。
【0151】
図22、図23及び図24は、それぞれ、液晶表示装置10Aの横置き姿勢、縦置き姿勢及び水平置き姿勢に対応する第1温度分布補正テーブルTB1(1)、第2温度分布補正テーブルTB1(2)及び第3温度分布補正テーブルTB1(3)のデータ構造を示す概略構成図である。なお、図22、図23及び図24において斜線部は放熱部材20a,20b,20cに対応する部分を示しており、破線部βは熱が溜まりやすい部分を示している。
【0152】
図22、図23及び図24に示すように、第1温度分布補正テーブルTB1(1)、第2温度分布補正テーブルTB1(2)及び第3温度分布補正テーブルTB1(3)には、白色LED17,…の温度飽和時の各区画領域α(i,j)における設定温度が設定されている。
【0153】
バックライト制御部121(図21参照)は、姿勢検出部30からの検出データにより、液晶表示装置10Aの複数(ここでは3パターン)の姿勢毎に設定した第1温度分布補正テーブルTB1(1)(図22参照)、第2温度分布補正テーブルTB1(2)(図23参照)及び第3温度分布補正テーブルTB1(3)(図24参照)のうち何れか一つ(姿勢検出部30からの検出データに対応した温度分布補正テーブル)を選択し、選択した温度分布補正テーブルの温度分布特性における各白色LED17,…に対応する区画領域α(i,j)での設定温度と、基準温度との温度差に応じて各白色LED17,…を駆動制御する。
【0154】
図25及び図26は、それぞれ、第2実施形態に係るバックライト装置12のバックライト制御部121による区画領域α(i,j)における白色LED17,…の輝度制御の一例を示す前半部分及び後半部分のフローチャートである。
【0155】
図25及び図26に示す第2実施形態のフローチャートは、図13に示す第1実施形態のフローチャート(図26参照)において、ステップS1の処理の前にステップS1a〜S6aの処理(図25参照)を設けたものである。以下、図13に示す第1実施形態のフローチャートとは異なる点を中心に説明する。
【0156】
図25に示す第2実施形態のフローチャートにおいて、バックライト制御部121は、先ず、姿勢検出部30によって液晶表示装置10Aの姿勢を検出し(ステップS1a)、横置き姿勢を検出した場合には(ステップS2a:Yes)、横置き姿勢に対応する第1温度分布補正テーブルTB1(1)を選択し(ステップS3a)、図26に示すステップS1に移行する。一方、図25に示すステップS2aで横置き姿勢を検出せずに(ステップS2a:No)、縦置き姿勢を検出した場合には(ステップS4a:Yes)、縦置き姿勢に対応する第2温度分布補正テーブルTB1(2)を選択し(ステップS5a)、図26に示すステップS1に移行する。さらに、図25に示すステップS4aで縦置き姿勢を検出しなかった場合には(ステップS4a:No)、水平置き姿勢に対応する第3温度分布補正テーブルTB1(3)を選択し(ステップS6a)、図26に示すステップS1に移行する。
【0157】
以上説明したように、本第2実施形態によると、第1実施形態で説明した利点に加えて、液晶表示装置10Aの姿勢が変化することにより、フレーム16や放熱部材18a,18b等の構成部材の配置状態、内部機構の凹凸、表側及び裏側キャビネットCa,Cbに設けられた通気口の位置といったテレビ受信装置TVの構成状態に応じて温度分布特性(図19及び図20参照)が変化し、これにより、液晶表示装置10Aの姿勢変化の前後で個々の白色LED17が受ける熱の影響に差異が生じても、バックライト制御部121は、姿勢検出部30からの検出データにより、液晶表示装置10Aの複数(ここでは3パターン)の姿勢毎に設定した第1温度分布補正テーブルTB1(1)(図22参照)、第2温度分布補正テーブルTB1(2)(図23参照)及び第3温度分布補正テーブルTB1(3)(図24参照)のうち何れか一つ(姿勢検出部30からの検出データに対応した温度分布補正テーブル)を選択し、選択した温度分布補正テーブルの温度分布特性における各白色LED17,…に対応する区画領域α(i,j)での設定温度と、基準温度との温度差に応じて各白色LED17,…を駆動制御することで、液晶表示装置10Aの姿勢変化によっても、個々の白色LED17,…の発光効率を均一にすることができ、従って、たとえ液晶表示装置10Aの姿勢が変化してもバックライト光源70の発光面における輝度を均一にすることができる。
【0158】
しかも、本第2実施形態では、角度検出部33により、液晶表示装置10AのX軸とZ軸との間の第1回転角度θx、及び、液晶表示装置10AのY軸とZ軸との間の第2回転角度θyを検出することができ、これにより、液晶表示装置10Aの様々な姿勢を精度良く検出することができ、従って、液晶表示装置10Aの様々な姿勢に対応させることが可能となる。
【0159】
なお、本第2実施形態では、液晶表示装置10Aの姿勢を変更させるスタンドSdに液晶表示装置10Aを設置したテレビ受信装置TVに適用したが、ポータブルタイプの電子機器に液晶表示装置10Aを適用してもよいし、或いは、表示画面が傾斜するように表示装置を姿勢変更可能とした表示ボード(例えば、電子ホワイトボードや電子黒板、電子掲示板といった表示ボード或いは手書きボード)や、表示画面が垂直となる垂直姿勢と水平となる水平姿勢との間で表示装置を姿勢変更可能とした表示ボード兼テーブル(例えば、手書きボードとしての使用とタッチテーブルとしての使用とを併用できるもの)に液晶表示装置10Aを適用してもよい。
【0160】
ところで、バックライト光源70は、本第1実施形態及び第2実施形態では、白色LED17が基板20上に搭載された青色を単色発光する青色LEDチップの周囲を赤色蛍光体及び緑色蛍光体が配合された透光性封止樹脂で封止することで白色発光するものとされているが、互いに異なる複数色のLEDからの光を組み合わせることにより(具体的には青色発光チップに、緑色の領域に発光ピークを持つ蛍光体を塗布し、かつ、赤色チップを組み合わせたり、赤色LED、青色LED及び緑色LEDを組み合わせたりすることにより)予め設定した規定色(具体的には白色)を発光する光源としてもよい。
【0161】
このように、バックライト光源70を、互いに異なる複数色のLEDからの光を組み合わせることにより規定色(具体的には白色)を発光する光源とした場合には、温度と光度の相関関係が異なるものと区別される複数色のLED間で温度変化によって光度の割合が変化することにより、規定色の色相が変化し易い。このことは、複数色のLED間で温度と光度の相関関係の違い(具体的には比例係数(傾き)の違い)が大きいほど顕著となる。
【0162】
(第3実施形態及び第4実施形態)
次に、第1実施形態及び第2実施形態に係る液晶表示装置10,10Aにおいてバックライト装置12に代えて、赤色LED、緑色LED及び青色LEDを組み合わせることにより白色発光する第3実施形態及び第4実施形態に係るバックライト装置12A(後述する図27及び図28参照)を例にとって以下に説明する。
【0163】
バックライト装置12Aは、赤色発光する複数のLED(以下、赤色LEDと称する。)17R,…(後述する図29参照)と、緑色発光する複数のLED(以下、緑色LEDと称する。)17G,…(図29参照)と、青色発光する複数のLED(以下、青色LEDと称する。)17B,…(図29参照)とを一群としてそれぞれ有する3色の発光素子群R,G,Bを備えている。なお、シャーシ14と赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…とLED基板20とでバックライト光源70Aを構成している。
【0164】
このように、3色の発光素子群R,G,Bのそれぞれにおける赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…は、3色の発光素子群R,G,B間で互いに異なる赤色、緑色及び青色の光を発光する発光素子とされているため、バックライト光源70Aは、3色の発光素子群R,G,Bのそれぞれにおける赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…にて発光される赤色、緑色及び青色を合成することで白色を発光することができる。
【0165】
赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…は、それぞれ、同一型式(すなわち同じ構成、構造)とされている。
【0166】
図27及び図28は、それぞれ、第3実施形態及び第4実施形態に係るバックライト装置12Aにおいて赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…を組み合わせることにより白色発光するバックライト光源70Aの制御構成を示す概略ブロック図である。
【0167】
以下、図27及び図28に示すバックライト装置12Aの制御構成において、図6及び図21に示すバックライト装置12の制御構成とは異なる点を中心に説明する。
【0168】
図27及び図28に示すバックライト装置12Aは、図6及び図21に示すバックライト装置12においてバックライト制御部121及び記憶部122に代えて、バックライト制御部121A及び記憶部122Aを備えている。
【0169】
画像受信部101は、受信した画像データを、画像処理部102及びバックライト制御部121Aへそれぞれ出力するようになっている。
【0170】
本第3実施形態及び第4実施形態では、バックライト制御部121Aは、3色の発光素子群R,G,Bのそれぞれにおける赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の光度を1個又は複数個単位(ここでは複数個単位)で個別に制御する機能を有している。
【0171】
詳しくは、バックライト装置12Aにおけるバックライト光源70Aの各赤色LED17R,…、各緑色LED17G,…及び各青色LED17B,…は、バックライト制御部121Aから光度(光量)を示す光度信号が入力されことで、駆動制御される。
【0172】
具体的には、バックライト制御部121Aは、図示を省略した調光回路を備えており、該調光回路によって、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の点灯に必要な電力を供給してバックライト光源70Aにおける赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…を、区画領域α(i,j)毎に駆動制御するようになっている。
【0173】
図29は、図7において区画された一つの区画領域α(i,j)を示す概略平面図であって、2個単位で個別に駆動制御される赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…を示す図である。なお、図29において区画領域α(i,j)は何れも同様の構成とされているために、ここでは一つの図で示している。
【0174】
各区画領域α(i,j)には、2個の赤色LED17R,…が配線パターンWRによって直列に接続されており、2個の緑色LED17G,…が配線パターンWGによって直列に接続されており、また、2個の青色LED17B,…が配線パターンWBによって直列に接続されている。これにより、各区画領域α(i,j)における各赤色LED17R,…、各緑色LED17G,…及び各青色LED17B,…は、各区画領域α(i,j)内においてバックライト制御部121Aによって同一の駆動条件で制御(具体的には同一の駆動電流で駆動)されることになる。なお、各色のLEDの個数は、区画領域α(i,j)のLEDの個数であるk個(具体的には6個)を色数(具体的には3色)で割った値である。
【0175】
すなわち、バックライト制御部121Aは、各区画領域α(i,j)における赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…へ出力した光度信号に応じた光度で各区画領域α(i,j)における赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…を各区画領域α(i,j)内において同一の駆動条件で個別に点灯させる。なお、バックライト制御部121Aは、各区画領域α(i,j)における赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…へ出力した光度信号が光度0を示す場合には、各区画領域α(i,j)における赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…を個別に消灯させる。
【0176】
本第3実施形態及び第4実施形態では、バックライト光源70Aにおける赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の位置情報として、区画領域α(i,j)がその領域内にある赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…に対応づけられて予め記憶部122A(図27及び図28参照)に記憶されている。そして、第3実施形態では、図27に示すように、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…に対応づけられた区画領域α(i,j)に対するバックライト光源70Aにおける温度分布特性を示す補正テーブルとして温度分布補正テーブルTB1Aが予め記憶部122Aに記憶されている。また、第4実施形態では、図28に示すように、液晶表示装置10Aの予め定めたpパターン(pは2以上の整数、ここではp=3)の姿勢毎に、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…に対応づけられた区画領域α(i,j)に対するバックライト光源70Aにおける温度分布特性を示す補正テーブルとして第1から第p温度分布補正テーブルTB1A(1)〜TB1A(p)が予め記憶部122に記憶されている。
【0177】
温度分布補正テーブルTB1A並びに第1から第p温度分布補正テーブルTB1A(1)〜TB1A(p)には、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の温度飽和時の各区画領域α(i,j)における設定温度が設定されている。
【0178】
図30は、バックライト光源70Aに設けられる赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の周囲温度と相対光度との関係を示すグラフである。なお、図30において、縦軸は、赤色LED17R、緑色LED17G及び青色LED17Bを一定の基準光度信号(ここでは基準電流(具体的には20mA))で駆動して周囲温度が25℃のときでの赤色LED17R、緑色LED17G及び青色LED17Bの光度を1とした場合の相対光度(割合)を示している。なお、基準光度信号は、前記した領域毎調光制御が行われていないときの基準となる光度信号である。
【0179】
ここで、バックライト装置12Aにおける個々の赤色LED17R,…、個々の緑色LED17G,…及び個々の青色LED17B,…は、既述したように、それぞれ、同一型式(すなわち同じ構成、構造)のLEDであり、周囲温度と相対光度との関係が何れも同等の関係を示すため、図30では、バックライト装置12Aにおける一つの赤色LED17R、一つの緑色LED17G及び一つの青色LED17Bにそれぞれ代表させて示している。
【0180】
図30に示すように、バックライト光源70Aにおける赤色LED17R,…及び緑色LED17G,…は、周囲温度が上昇するに伴って相対光度が小さくなる特性(負の相関関係を示す特性)を有している。一方、バックライト光源70Aにおける青色LED17B,…は、周囲温度が上昇するに伴って相対光度が大きくなる特性(正の相関関係を示す特性)を有している。
【0181】
よって、記憶部122A(図27及び図28参照)には、温度補正テーブルTB2Aが予め記憶されている。温度補正テーブルTB2Aは、赤色用温度補正テーブルTB2R、緑色用温度補正テーブルTB2G及び青色温度補正テーブルTB2Bを備えている。
【0182】
本第3実施形態及び第4実施形態では、赤色用温度補正テーブルTB2R及び緑色用温度補正テーブルTB2Gには、光度倍率(具体的には基準電流の電流倍率)が各設定温度に対して図30に示す赤色LED17R及び緑色LED17Gの負の相関関係とは逆の正の相関関係を示す値に設定されている。一方、青色用温度補正テーブルTB2Bには、光度倍率(具体的には基準電流の電流倍率)が各設定温度に対して図30に示す青色LED17Bの正の相関関係とは逆の負の相関関係を示す値に設定されている。
【0183】
ここで「負の相関関係」とは、温度の上昇に伴い光度倍率が小さくなり、温度の低下に伴い光度倍率が大きくなる関係である。
【0184】
なお、赤色用温度補正テーブルTB2R、緑色用温度補正テーブルTB2G及び青色温度補正テーブルTB2Bは、それぞれ、個々の赤色LED17R,…、個々の緑色LED17G,…及び個々の青色LED17B,…毎に記憶部122Aに記憶されていて、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の光度を1個単位で個別に制御してもよいが、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…は、ここでは、それぞれ、同一型式(すなわち同じ構成、構造)のLEDであるので、1種類のデータが記憶とされている。これにより、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の光度を効率的に補正することができる。
【0185】
また、赤色LED17R、緑色LED17G及び青色LED17Bの少なくとも二つは、温度と光度の相関関係が同一であるものと区別される場合には、該同一とされた少なくとも二つのLEDに対して共通の温度補正テーブルを設定することができる。これにより、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の光度をさらに効率的に補正することができる。
【0186】
そして、バックライト制御部121Aは、図13及び図26に示す輝度制御と同様に、赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の輝度制御を行う。
【0187】
すなわち、バックライト制御部121Aは、温度分布補正テーブルTB1A並びに第1から第p温度分布補正テーブルTB1A(1)〜TB1A(p)の何れか一つの温度分布補正テーブルに記憶された設定温度から赤色温度補正テーブルTB2R、緑色温度補正テーブルTB2G及び青色温度補正テーブルTB2Bの電流倍率を取得し(図13及び図26のステップS3参照)、取得した電流倍率と基準電流(具体的には20mA)とから駆動電流を算出し(図13及び図26のステップS4参照)、算出した駆動電流によって赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…をそれぞれ駆動することで(図13及び図26のステップS5参照)、白色の色相を一定に維持した状態で、バックライト光源70Aの発光面における輝度を均一にすることが可能となる。
【0188】
本第3実施形態及び第4実施形態において、バックライト制御部121Aは、温度分布補正テーブルTB1A並びに第1から第p温度分布補正テーブルTB1A(1)〜TB1A(p)の何れか一つの温度分布補正テーブルの温度分布特性における各赤色LED17R,…、各緑色LED17G,…及び各青色LED17B,…に対応する区画領域α(i,j)での設定温度と基準温度との温度差に応じて各赤色LED17R,…、各緑色LED17G,…及び各青色LED17B,…をそれぞれ駆動制御する。こうすることで、簡単な制御構成でバックライト光源70Aの発光面における輝度を均一にすることができる。
【0189】
また、本第3実施形態及び第4実施形態において、バックライト制御部121Aは、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有する赤色LED17R,…及び緑色LED17G,…のうち、設定温度が基準温度よりも低い赤色LED17R及び緑色LED17Gに対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ赤色LED17R及び緑色LED17Gの光度を小さくするようになっている。一方、バックライト制御部121Aは、温度と光度との関係が正の相関関係を示す特性を有する青色LED17B,…のうち、設定温度が基準温度よりも高い青色LED17Bに対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ青色LED17Bの光度をそれぞれ小さくするようになっている。こうすることで、全体の消費電力を低く抑えた状態で、バックライト光源70Aの発光面における輝度を均一にすることができる。
【0190】
また、本第3実施形態及び第4実施形態において、基準温度が温度分布補正テーブルTB1A並びに第1から第p温度分布補正テーブルTB1A(1)〜TB1A(p)の何れか一つの温度分布補正テーブルの温度分布特性における設定温度のうち最大の設定温度(具体的には45℃)とされていることで、例えば、発光時に最大の光度で発光する赤色LED17R、緑色LED17G及び青色LED17Bに効果的に適用することができる。
【0191】
また、本第3実施形態及び第4実施形態において、バックライト制御部121Aは、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有する赤色LED17R,…及び緑色LED17G,…のうち、設定温度が基準温度よりも高い赤色LED17R及び緑色LED17Gに対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ赤色LED17R及び緑色LED17Gの光度を大きくするようになっていてもよい。一方、バックライト制御部121Aは、温度と光度との関係が正の相関関係を示す特性を有する青色LED17B,…のうち、設定温度が基準温度よりも低い青色LED17Bに対して設定温度と基準温度との温度差に対応する分だけ青色LED17Bの光度をそれぞれ大きくするようになっていてもよい。こうすることで、バックライト光源70Aの発光面における全体の輝度を大きくした状態で、バックライト光源70Aの発光面における輝度を均一にすることができる。
【0192】
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態並びに第3実施形態及び第4実施形態のバックライト制御部121,121Aでは、区画領域毎に調光制御を行って白色LED17,…或いは赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の光度を補正するようにしたが、区画領域毎に調光制御を行わずに個々の白色LED17,…或いは個々の赤色LED17R,…、緑色LED17G,…及び青色LED17B,…の光度を補正するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0193】
10 液晶表示装置(表示装置の一例)
12 バックライト装置(照明装置の一例)
12A バックライト装置(照明装置の他の例)
17,… 白色LED(発光素子の一例)
17R,… 赤色LED(発光素子の他の例)
17G,… 緑色LED(発光素子の他の例)
17B,… 青色LED(発光素子の他の例)
18 放熱部材
18a 一方の放熱部材
18b 他方の放熱部材
19 冷却ファン(冷却装置の一例)
30 姿勢検出部(姿勢検出手段の一例)
31 3次元ジャイロセンサ
32 重力加速度センサ
33 角度検出部
70 バックライト光源(面状光源の一例)
70A バックライト光源(面状光源の他の例)
121 バックライト制御部(光度制御手段の一例)
121A バックライト制御部(光度制御手段の他の例)
122 記憶部
122A 記憶部
R 赤色発光素子群(発光素子群の一例)
G 緑色発光素子群(発光素子群の一例)
B 青色発光素子群(発光素子群の一例)
LC,… 表示領域
TB1 温度分布補正テーブル
TB1(1) 第1温度分布補正テーブル
TB1(2) 第2温度分布補正テーブル
TB1(3) 第3温度分布補正テーブル
TB1A 温度分布補正テーブル
TB1A(1) 第1温度分布補正テーブル
TB1A(2) 第2温度分布補正テーブル
TB1A(3) 第3温度分布補正テーブル
TB2 温度補正テーブル
TB2A 温度補正テーブル
TB2R 赤色用温度補正テーブル
TB2G 緑色用温度補正テーブル
TB2B 青色用温度補正テーブル
X X軸方向
Y Y軸方向
Z Z軸方向
θx 第1回転角度
θy 第2回転角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が配列された光源と、
前記複数の発光素子の光度を1個又は複数個単位で個別に制御する光度制御手段と
を備えた照明装置であって、
前記光源における前記複数の発光素子の位置情報に対する温度分布特性を示す予め設定した補正テーブルを備え、
前記光度制御手段は、前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、
当該照明装置の姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、
前記補正テーブルは、当該照明装置の予め定めた複数の姿勢毎に予め設定されており、
前記光度制御手段は、前記姿勢検出手段からの検出データに基づいて、当該照明装置の前記複数の姿勢毎に設定した前記補正テーブルのうち何れか一つを選択し、選択した前記補正テーブルの前記温度分布特性に基づいて前記位置情報に対応した前記複数の発光素子の光度を制御することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置であって、
前記姿勢検出手段は、当該照明装置の水平方向に沿ったX軸と水平方向に直交する垂直方向に沿ったZ軸との間の第1回転角度、及び、当該照明装置の前記X軸に直交する水平方向に沿ったY軸と前記Z軸との間の第2回転角度を検出する角度検出手段を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の照明装置であって、
前記光源は、面状光源とされており、
前記補正テーブルは、前記面状光源における前記複数の発光素子の位置情報に対する前記面状光源における前記温度分布特性を示す補正テーブルであることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置であって、
前記面状光源の発光面とは反対側の背面の一部に設けられた放熱部材を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項5に記載の照明装置であって、
前記放熱部材は、金属部材とされていることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の照明装置であって、
前記放熱部材は、前記面状光源を支持する支持フレームとされていることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7までの何れか1項に記載の照明装置であって、
前記面状光源の発光面とは反対側の背面の一部に設けられた冷却装置を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の照明装置であって、
前記光度制御手段は、前記補正テーブルの前記温度分布特性における前記複数の発光素子に対応する位置での設定温度と、前記光度を制御する光度制御の基準となる基準温度との温度差に応じて前記複数の発光素子の光度を制御することを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置であって、
前記光度制御手段は、前記複数の発光素子のうち、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有し、かつ、前記設定温度が前記基準温度よりも低い発光素子に対して前記温度差に対応する分だけ該発光素子の光度を小さくすることを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の照明装置であって、
前記光度制御手段は、前記複数の発光素子のうち、温度と光度との関係が負の相関関係を示す特性を有し、かつ、前記設定温度が前記基準温度よりも高い発光素子に対して前記温度差に対応する分だけ該発光素子の光度を大きくすることを特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項10に記載の照明装置であって、
前記基準温度は、前記温度分布特性における前記設定温度のうち最大の設定温度とされていることを特徴とする照明装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までの何れの1項に記載の照明装置であって、
前記複数の発光素子を一群としてそれぞれ有する複数の発光素子群を備え、
前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子は、前記複数の発光素子群間で互いに異なる色の光を発光する発光素子とされており、
前記光源は、前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子にて発光される光を合成することで予め設定した規定色を発光する光源とされており、
前記光度制御手段は、前記複数の発光素子群のそれぞれにおける前記複数の発光素子の光度を1個又は複数個単位で個別に制御することを特徴とする照明装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13までの何れの1項に記載の照明装置を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項14に記載の表示装置であって、
前記光度制御手段は、当該表示装置の表示画像において区画された各領域の明暗に基づいて前記複数の発光素子のうち前記各領域に対応する発光素子の光度を制御することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−55040(P2013−55040A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157990(P2012−157990)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】