照明装置及び液晶表示装置
【課題】輝度むらやランプイメージを生じることがない照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置(11)は、光学シート(22)と、光学シート(22)と平行に且つ光学シート(22)と所定の間隔をあけて配置された一つの円筒光源(20)又は平行に配置された複数の円筒光源(20)を有する。照明装置(11)はまた、透光性を有する材料からなり、円筒光源(20)と平行な第1の方向に、光学シート(22)と接するように又はほぼ接するように張設された第1の糸(26)と、透光性を有する材料からなり、第1の方向と直交する第2の方向に、第1の糸と交差するように張設された第2の糸(27)を有し、第1の糸(26)と第2の糸(27)の交差部では、第1の糸(26)が光学シート側に位置するとともに第2の糸(27)が円筒光源側に位置しており、第1の糸(26)と第2の糸(27)によって光学シート(22)の円筒光源側への撓みが防止される。
【解決手段】照明装置(11)は、光学シート(22)と、光学シート(22)と平行に且つ光学シート(22)と所定の間隔をあけて配置された一つの円筒光源(20)又は平行に配置された複数の円筒光源(20)を有する。照明装置(11)はまた、透光性を有する材料からなり、円筒光源(20)と平行な第1の方向に、光学シート(22)と接するように又はほぼ接するように張設された第1の糸(26)と、透光性を有する材料からなり、第1の方向と直交する第2の方向に、第1の糸と交差するように張設された第2の糸(27)を有し、第1の糸(26)と第2の糸(27)の交差部では、第1の糸(26)が光学シート側に位置するとともに第2の糸(27)が円筒光源側に位置しており、第1の糸(26)と第2の糸(27)によって光学シート(22)の円筒光源側への撓みが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、特に液晶表示装置のバックライト装置として使用される照明装置に関する。本発明はまた、そのような照明装置を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやテレビの表示装置として利用される液晶パネルは非発光である。そのため、液晶パネルを備えた表示装置で画像を表出するためには、液晶パネルを背後から照明するバックライト装置等の照明装置が必要である。
【0003】
バックライト装置は、液晶パネルに投射する面状光を得る方法に応じて、エッジライト方式と直下方式に分けられる。エッジライト方式は、液晶パネルの背後に配置された導光板の端面に沿って光源を配置し、光源から出射された光を導光板にその端面から入射して拡散し、この拡散された光を導光板から液晶パネルに投射するものである。直下方式は、液晶パネルの背後に拡散板等の光学シートを配置すると共に光学シートの背後に複数の円筒光源を配置し、円筒光源から出射された光を光学シートにその主面から入射して拡散し、この拡散された光を光学シートから液晶パネルに投射するものである。これらエッジライト方式と直下方式のいずれを採用するかは、液晶表示装置に要求される性能に応じて決定されるが、直下方式はエッジライト方式よりも光の利用効率が高いことから、高輝度が要求される表示装置には直下方式よりもエッジライト方式のバックライト装置が利用されている。
【0004】
従来の直下方式のバックライト装置は、光学シートと円筒光源との間に空間を有し、複数の光学シートのうち一枚を比較的厚みが厚く剛性の高いアクリル板等からなる拡散板として、この上に比較的厚みの薄い他の光学シートを載置する構成となっていた。原価低減のため、この拡散板の厚みを薄くするか無くそうとすると、光学シートと円筒光源が対向する方向へ光学シートが撓んでしまい、その撓みは光学シートから液晶パネルに出射される面発光の均一性を著しく損なうという問題があった。特に、近年、アスペクト比が16:9のフルハイビジョン又はフルハイデフィニッションテレビが普及しつつあり、これはアスペクト比が4:3の従来型テレビに比べて横長である。そのため、光学シートに更に大きな撓みが生じ、間隔をあけて配置された円筒光源のイメージ(所謂ランプイメージ)が発光面に現れて面発光の不均一性が更に損なわれるおそれがある。
【0005】
このような光学シートの撓みを防止し得る機構を備えたバックライト装置が、特許文献1,2に開示されている。特許文献1のバックライト装置は、光学シートの背後に配置されたネットを有する。通常、ネットは弛み無く張設されることから、円筒光源に向かう光学シートの撓みを防止し得る。しかし、ネットは光学シートの全面を覆うため、また後に説明するように縦糸と横糸が交互に上下に配置されているため、液晶パネルに入射される光量の損失が極めて大きいという問題がある。
【0006】
特許文献2のバックライト装置は、透明な横糸を光学シートの背後に張設し、この横糸で光学シートの撓みを防止している。ところが、22型以下の小画面サイズでは横糸だけで光学シートの撓みを減少することが可能であっても、近年提供されている大型の液晶表示装置では横糸だけで光学シートの撓みを防止することはできない。
【特許文献1】WO2005/116518号公報
【特許文献2】特開2003−203503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、光学シートの撓みを効果的に防止できる直下方式の照明装置及びその照明装置を用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成する本発明の照明装置は、直下方式の照明装置において、光学シートの背後に糸を配置したとき、円筒光源と平行に配置された糸(平行糸)と円筒光源と直交する方向に配置された糸(直交糸)では光学シートを透過する面発光に異なる影響を及ぼすという知見に基づいてなされたものである。
【0009】
具体的に、図1に示すように、光学シート22の背後に円筒光源20と平行に平行糸26を配置した場合、この平行糸26が光学シート群14に接していると、平行糸26の背後(光学シート側)に平行糸26の影が発生することはない。しかし、平行糸26が光学シート22から離れると、平行糸26の背後に影100が発生し、その影100が液晶パネルに入射される光の均一性を損なう。これに対し、光学シート群14の背後に円筒光源20と直交する直交糸27を配置した場合、この直交糸27は、光学シート群14に接しているとき、直交糸27の背後に僅かな影を生じるものの、光学シート群14から離れるにしたがってその影も見えなくなる。したがって、円筒光源20に平行な平行糸26とこれに直交する直交糸27をもって光学シート22を支える場合、平行糸26と直交糸27は、それらが交差する又は絡み合う場所で、常に平行糸26が光学シート側に位置すると共に直交糸27が円筒光源側に位置するように配置することが好ましい。
【0010】
この知見をもとに、本発明は、照明装置(11)は、光学シート(22)と、上記光学シート(22)と平行に且つ上記光学シート(22)と所定の間隔をあけて配置された一つの円筒光源(20)又は平行に配置された複数の円筒光源(20)を有し、上記円筒光源(20)から出射された光が上記光学シート(22)を介して出力される照明装置及び液晶表示装置において、照明装置(11)は、透光性を有する材料からなり、上記円筒光源(20)と平行な第1の方向に、上記光学シート(22)と接するように又はほぼ接するように張設された第1の糸(26)と、透光性を有する材料からなり、上記第1の方向と直交する第2の方向に、上記第1の糸と交差するように張設された第2の糸(27)を有し、上記第1の糸(26)と第2の糸(27)の交差部では、上記第1の糸(26)が光学シート側に位置するとともに上記第2の糸(27)が上記円筒光源側に位置しており、上記第1の糸(26)と第2の糸(27)によって上記光学シート(22)の上記円筒光源側への撓みが防止されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る照明装置及び液晶表示装置の第2の形態において、照明装置は、四角形の底部(16)と、上記底部(16)の縁に沿って配置された上枠(171)・下枠(172)・左枠(173)及び右枠(174)からなる四角形の枠部を備えた箱型の筐体(15)と、上記筐体(15)の開口部(18)を覆うように配置された光学シート(22)と、上記光学シート(22)と底部(16)との間に配置され、上記上枠(171)及び下枠(172)と平行に伸びる一つ又は複数の円筒光源(20)を有する。この照明装置において、上記枠部(17)と光学シート(22)との間に介在し、上記光学シート(22)を支持して上記円筒光源(20)に向かう上記光学シート(22)の撓みを防止する支持部材(25)を有する。上記支持部材(25)は、上記左枠(173)に両端が支持されており、上記左枠(173)から上記右枠(174)に向かって伸びる一対の横糸部(531,532)と、上記一対の横糸部(531,532)を繋ぐ縦糸部(533)を有する左側糸(53)と、上記右枠(174)に両端が支持されており、上記右枠(174)から上記左枠(173)に向かって伸びる一対の横糸部(541,542)と、上記一対の横糸部(541,542)を繋ぐ縦糸部(543)を有する右側糸(54)と、上記上枠(171)に両端が支持されており、上記上枠(171)から上記下枠(172)に向かって伸びる一対の縦糸部(511,512)と、上記一対の縦糸部(511,512)を繋ぐ横糸部(513)を有する上側糸(51)と、上記下枠(172)に両端が支持されており、上記下枠(172)から上記上枠(171)に向かって伸びる一対の縦糸部(521,522)と、上記一対の縦糸部(521,522)を繋ぐ横糸部(523)を有する下側糸(52)を備えており、上記上側糸(51)における縦糸部(511,512)と横糸部(513)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における一方の横糸部(531,541)と縦糸部(533,543)との屈曲部と絡み合っており、上記下側糸(52)における縦糸部(521,522)と横糸部(523)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における他方の横糸部(532,542)と縦糸部(533,543)の屈曲部と絡み合っており、上記縦糸部(511,512,521,522,533,543)と横糸部(513,531,541,532,542,523)が絡み合った箇所では、上記横糸部上記光学シート側に位置し、上記縦糸部が上記円筒光源側に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように構成された照明装置及び液晶表示装置によれば、光学シートは、円筒光源と平行な糸とこれに直交する糸に支持されることにより円筒光源に向かって撓むことがなく、光学シートと円筒光源との間の距離が常に一定に保たれる。その結果、光学シートと円筒光源との間の距離が場所によって異なることによって生じる輝度むらやランプイメージを生じることがなく、液晶パネルに対して均一な面発光を提供できる。
【0013】
特に、本発明では、円筒光源と平行な糸を光学シート側に配置し、これと直交する糸を円筒光源側に配置し、前者の糸と光学シートとの間の隙間を無くしているので、糸の背後に影を生じることがなく、均一な面発光が確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る照明装置及び液晶表示装置の実施形態を説明する。
【実施形態1】
【0015】
図2は、本発明に係る照明装置とこの照明装置を備えた液晶表示装置を示す。図示するように、液晶表示装置10は、照明装置であるバックライト装置11と、液晶パネル12を有する。
【0016】
バックライト装置11は、光源ユニット13と光学シート群14を有する。光源ユニット13は、箱型の筐体15を有する。筐体15は、実施形態では、横長の長方形を有する底部16と、底部16の四辺に沿って伸びる4つの枠部17−上枠171、下枠172、左枠173、右枠174−を有し、これら4つの枠部17の内側に四角形の開口部18を形成している。好ましい実施形態では、底部16の内面と枠17の内面は、高反射率を有する反射材料で覆われている。反射材料には高反射率を有する反射シート19を用いることが好ましい。また、図示するように、4つの枠17の内面は、底部16から開口部18に向かって外側に傾斜させることが好ましい。
【0017】
筐体15の内側には、複数の円筒光源20が配置されている。円筒光源20には冷陰極管又は熱陰極管が使用される。実施形態では、8本の円筒光源20が、縦方向に一定の間隔をあけて、横方向に向けて配置されている。各円筒光源20は、円筒光源20と底部16との間に所定の間隔(例えば、約1〜2mm)をあけて、左右の枠17に設けた光源支持部21によって支持されている。
【0018】
筐体15の上には、筐体開口部18を覆うように、光学シート群14と液晶パネル12が配置される。液晶パネル12は、公知の液晶パネルである。光学シート群14は、一つ光学シート又は積層された複数の光学シートから構成される。実施形態では、光学シート群14は、光源ユニット13から順番に、乳白色の拡散シート22、第1の集光シート23、第2の集光シート24の3枚の光学シートを有する。特に、従来のバックライト装置では、拡散シートとして相当な厚み(例えば1〜2mm)があって柔軟性の無い硬質・高剛性のプラスチックシートが採用されているが、本実施形態のバックライト装置11では、厚みが小さく(例えば、1mm以下)柔軟性を有するフレキシブルシートが拡散シート22に使用されている。第1と第2の集光シート23,24も、拡散シート22と同様に、薄くて柔軟性のあるレンズシート等のフレキシブルシートが使用されている。
【0019】
筐体開口部18には、上述のようにフレキシブルシートからなる拡散シート22および集光シート23,24が円筒光源20に向かって撓むのを防止するために、支持部材25が設けてある。支持部材25は、円筒光源20と平行に横方向(第1の方向)に伸びる横糸である平行糸(第1の糸)26と、円筒光源20と直交する縦方向(第2の方向)に伸びる縦糸である直交糸(第2の糸)27を有する。実施形態では、2本の平行糸26と、2本の直交糸27が設けてあるが、各糸の数は限定的ではない。
【0020】
平行糸26は、図示するように、円筒光源20を光学シート群14に垂直に投影した線に沿って配置することが好ましい。実施形態では、2つの平行糸26がそれぞれ中央の2本の円筒光源20の真上に配置されている。また、平行糸26と直交糸27を配置する場所やその数は、円筒光源20に向かう光学シート群14の撓みを防止するうえで最も好ましい状態に設定される。例えば、開口部18の中央付近では間隔を短く、外側に向かうにしたがって糸と糸の間隔を広くしてもよい。また、図8に示すように、平行糸26と直交糸27をそれぞれ2つ設ける場合、これらの平行糸26は開口部18を縦方向にほぼ3等分する位置に配置し、直交糸27は開口部18を横方向にほぼ3等分する位置に配置することが好ましい。
【0021】
平行糸26と直交糸27は、無色透明又は白色の材料で形成することが好ましい。有色の糸は円筒光源20から出射される光を吸収し、糸の背後に影を生じるからである。また、平行糸26と直交糸27は、複数の糸を撚り合わせた撚り糸ではなく、釣り糸又は光ファイバのように単一の糸(モノフィラメント)で構成することが好ましい。撚り糸は糸の捩れた部分に光が反射して、糸の背後に影を生じるからである。
【0022】
平行糸26と直交糸27は、光学シート群14の撓みを防止する目的から、種々の要件を満たしていることが望ましい。具体的に、光学シート群14から力を受けたときに、糸26,27が容易に伸びると十分な撓み防止効果が得られない。また、光学シート群14の撓みを防止するために糸26,27に必要な張力を加える必要があり、その張力によって糸26,27が切断又は塑性変形することがあってはならない。さらに、円筒光源20が発する熱によって筐体15内の温度は約40℃に達し、その熱によって糸26,27が塑性変形(粘性流動を原因とする変形)を生じることがあってはならない。特に、有機系材料の糸は熱で変形(流動)し易い。以上の事情から、糸26,27は、低伸度、高引張強度、および高ガラス転移温度を有することが好ましい。具体的には、糸26,27は、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステルなどの有機系繊維、またはガラス繊維で構成されていることが好ましい。特に、ポリエステル繊維は、端部を固定具に結んで固定する際の操作性に優れているし、ガラス繊維は引張強度が他の材料に比べて優れていることから、特に好ましい材料である。また、糸26,27の断面形状は、シートとの接触状態が一定となる円形断面であることが好ましい。
【0023】
平行糸26と直交糸27は、その径が大きくなれば伸度が低下し、引張強度は上昇する。しかし、糸の径が大きくなれば背後に影を生じる可能性が高くなる。これらの点を考慮すると、糸26,27の径は約0.15mm〜0.4mmであることが好ましい。平行糸26と直交糸27は同一の径であってもよいが、上述のように、直交糸27を出来るだけ光学シート群14から離すためには、平行糸26は直交糸27よりも太く、例えば約0.25mm以上の径を有することが好ましい。したがって、平行糸26の径は約0.15mm〜0.4mm、好ましくは約0.25mm〜0.4mm、直交糸27は約0.15mm〜0.4mmとする。
【0024】
平行糸26と直交糸27に加える張力は、開口部18の大きさによって異なるが、例えば32インチのバックライト装置にポリエステル系の有機繊維糸を使用する場合、長辺方向には40N以上、短辺方向には25N以上の張力を加えることが好ましい。
【0025】
筐体開口部18に配置される平行糸26と直交糸27は、円筒光源20から出射される光に含まれる紫外線に晒される。したがって、糸26,27は、内部に紫外線吸収剤を含むもの、または表面に紫外線吸収剤がコーティングされているものを使用することが好ましい。
【0026】
以上のように、平行糸26と直交糸27は所望の張力を加えた状態で保持されなければならない。そのため、糸26,27の両端は筐体15に確実に固定される必要がある。糸の固定方法は特定の方法に限定されるものでないが、以下の固定方法が好適に利用できる。
【0027】
図4は、糸26,27を固定する一例を示す。この固定方法では、枠17に糸26,27の直径とほぼ同一の深さを有する溝28を形成し、この溝28に糸26,27の端部を位置決めし、適当な接着剤(図示せず)で糸26,27を固定する。以下に説明する他の固定方法を採用する場合でも、枠17の上面に支持される拡散シート22を枠17に対して隙間無く密着させるために、溝28を形成してそこに糸26,27を収容することは好ましい。
【0028】
図5に示すように、糸26,27は、筐体15の背面29に設けた固定部30に結び付けて連結してもよい。種々の形態の固定部30を図6に示す。図6(a)は、筐体背面29に取り付けたねじ31を固定部30として利用し、このねじ31に糸26,27の端部を連結する形態を示す。ねじ31は、糸26,27を固定するために特別に設ける必要はなく、例えば、拡散シート22等の撓みを防止するために筐体15内に配置されているスペーサピンがある場合、このスペーサピンを固定するためのねじであってもよい。また、ねじ31は、複数の円筒光源20を所定の間隔をあけて保持するためのランプホルダを有する場合、このランプホルダを固定するためのねじであってもよい。
【0029】
図6(b)は、筐体背面29に設けた逆L字形の突起部32を固定部30として利用する形態を示す。この場合、糸26,27は突起部32に巻き付けて結ぶことによって連結される。
【0030】
図6(c)は、筐体背面29に設けた板状の突起部33を固定部30として利用する形態を示す。この場合、突起部33に孔34を形成し、突起部33の背後に設けた棒35に糸26,27を結んで連結する。
【0031】
図6(d)は、筐体背面29に設けた板状の突起部36を固定部30として利用する形態を示す。この場合、糸26,27は、突起部36に巻き付け、接着剤(図示せず)によって固定する。
【0032】
図6(e)と図6(f)は、合成樹脂からなる糸のように結ぶことができない透明ガラス材料からなる中空ファイバ、又は外周被覆層の無い光ファイバを糸26,27に用いるときに有効な固定方法を示す。具体的に、図6(e)は筐体背面29に固定した金属製の突起部37にファイバ糸26,27の端部を溶着して固定する方法を示し、図6(f)はファイバ糸26,27の端部に該ファイバ糸を溶着して固定したリング38を突起部39に引っ掛けて固定する方法を示す。
【0033】
なお、いずれの方法を採用するにしても、糸26,27の端部を接着剤(図示せず)で突起部に確実に固定することが好ましい。
【0034】
また、糸26,27に一定の張力を確保するために、図7に示すように、糸26,27の端部にコイルばね40などのばねを連結してもよい。
【0035】
以上のように構成されたバックライト装置11及び液晶表示装置10によれば、これらバックライト装置11及び液晶表示装置10を垂直に設置した場合は勿論、これらバックライト装置11及び液晶表示装置10を斜めに又は液晶パネル12を上に向けて設置した場合でも、フレキシブルな拡散シート22及びそれを含む光学シート群14は、平行糸26と直交糸27に支持されることにより円筒光源20に向かって撓むことがなく、拡散シート22及びそれを含む光学シート群14と複数の円筒光源20との間の距離が常に一定に保たれる。その結果、拡散シート22及びそれを含む光学シート群14と複数の円筒光源20との間の距離が場所によって異なることによって生じる輝度むらやランプイメージを生じることがなく、液晶パネル12に対して均一な面発光を提供できる。
【0036】
特に、本発明では、平行糸26を光学シート群側に配置し、直交糸27を円筒光源側に配置し、平行糸26と光学シート群14との間の隙間を無くしているので、糸26,27の背後に影を生じることがなく、均一な面発光が確保される。また、糸26,27には、撚り糸ではなく、釣り糸又は光ファイバなどの単一の糸(モノフィラメント)を使用しているため、撚り糸を用いた場合に糸の捩れによって生じる影を生じることもない。
【0037】
上述した実施形態1では、平行糸26と直交糸27は、平行糸26を上(光学シート側)に位置させるとともに直交糸27を下(円筒光源側)に位置させた状態で交差させている。しかし、図9に示すように、平行糸26と直交糸27の交差部41において、平行糸26を直交糸27の周りで一回又は複数回にわたって周回させてもよい。この場合、平行糸26と直交糸27の相互の持たれ合いによって両糸26,27の相対的移動が防止される。特に、図8に示すように2本の平行糸26と2本の直交糸27を設ける場合、これらの糸26,27の各交差部で平行糸26を直交糸27の周りに周回させることで、平行糸26と直交糸27が光学シート群14から受ける力を他方の糸27,26に分散できることから、4つの交差部41で囲まれた四角形領域の支持強度が増し、より安定して光学シート群14を支持できる。
【実施形態2】
【0038】
図10は、実施形態2に係るバックライト装置及び液晶表示装置の光源ユニット13’を示す。この実施形態の光源ユニット13’は、複数の糸のそれぞれが上述した平行糸の機能と直交糸の機能を複合的に備えている点に特徴を有する。具体的に説明すると、光学シート群を支持する支持部材は、4つの糸51,52,53,54で構成されている。各糸は、実施形態1と同様に、透光性を有する単一の糸(モノフィラメント)からなる。
【0039】
更に具体的に説明すると、図の左側に配置されている左側糸53は、両端が筐体15の左側に固定されており、左枠173から右枠174に向かって伸びる一対の横糸部531、532と、横糸部531、532の右側端部を繋ぐ縦糸部533からなる。同様に、図の右側に配置されている右側糸54は、両端が筐体15の右側に固定されており、右枠174から左枠173に向かって伸びる一対の横糸部541,542と、横糸部541,542の右側端部を繋ぐ縦糸部543からなる。また、図の上側に配置されている上側糸51は、両端が筐体15の上側に固定されており、上枠171から下枠172に向かって伸びる一対の縦糸部511,512と、縦糸部511,512の下側端部を繋ぐは横糸部513からなる。同様に、図の下側に配置されている下側糸52は、両端が筐体15の下側に固定されており、下枠172から上枠171に向かって伸びる一対の縦糸部521,522と、縦糸部521,522の上側端部を繋ぐ横糸部523からなる。
【0040】
図10(b)に示すように、上側糸51における縦糸部511,512と横糸部513の左右の屈曲部は、左側糸53と右側糸54における上側の横糸部531,541と縦糸部533,543の屈曲部と絡み合っており、その絡み部では横糸部531,541,513が光学シート側に位置し、縦糸部511,512,533,543が円筒光源側に位置している。同様に、下側糸52における縦糸部521,522と横糸部523の左右の屈曲部は、左側糸53と右側糸54における下側の横糸部532,542と縦糸部533,543の屈曲部と絡み合っており、その絡み部では横糸部532,542,523が光学シート側に位置し、縦糸部521,522,533,543が円筒光源側に位置している。
【0041】
このように、実施形態2のバックライト装置11では、円筒光源20と平行又はほぼ平行な平行糸が複数の糸の横糸部によって構成され、円筒光源20と直交又はほぼ直交する直交糸が複数の糸の縦糸部によって構成されている。具体的に、実施形態2では、図の上側に位置する平行糸は、左側糸53の横糸部531、右側糸54の横糸部541、および上側糸51の横糸部513で形成されている。また、図の下側に位置する平行糸は、左側糸53の横糸部532、右側糸54の横糸部542、および下側糸52の横糸部523で形成されている。他方、図の左側に位置する直交糸は、上側糸51の縦糸部511、下側糸52の縦糸部521、および左側糸53の縦糸部533で形成されている。また、図の右側に位置する直交糸は、上側糸51の縦糸部512、下側糸52の縦糸部522、および右側糸54の縦糸部543で形成されている。
【0042】
以上のように、それぞれの平行糸26と直交糸27は一つの糸で形成する必要はなく、複数の糸の複数の横糸部、縦糸部によってそれぞれ平行糸、直交糸を構成してもよい。このように構成された支持部材25によれば、縦糸部と横糸部の屈曲部が別の糸の横糸部と縦糸部の屈曲部と絡み合い、それにより光学シート群14から受ける力を4つの絡み部を通じてそれぞれの糸に分散できることから、4つの絡みん部で囲まれた四角形領域の支持強度が増し、より安定して光学シート群14を支持できる。
【0043】
また、実施形態2でも、図10に示すように、それぞれの絡み部において横糸部が常に縦糸部の上(光学シート側)に位置させることによって平行糸と光学シート群14との間の隙間を無くしているので、糸の背後に影を生じることがなく、均一な面発光が確保される。また、糸には、撚り糸ではなく、釣り糸又は光ファイバなどの単一の糸(モノフィラメント)を使用しているため、撚り糸を用いた場合に糸の捩れによって生じる影を生じることもない。
【0044】
なお、図10(a)に示すように、実施形態2でも、平行糸は、円筒光源20を光学シート群14に垂直に投影した線に沿って配置することが好ましい。
【他の実施形態】
【0045】
以上の実施形態において、糸26,27の上に配置される光学シート群14、特に糸26,27に接する拡散シート22は、それ自身に張力が加わった状態で張設されていることが好ましい。図11,図12は拡散シート22に張力を加える好適な形態を示す。図11に示す形態では、拡散シート22の左右の端部を内側に折り返すと共に、光学シート群14を押さえて固定するフレーム61とこれに対向する筐体側面62との間に折り返し部63を位置させ、拡散シート22の腰の強さ(弾性)によってその折り返し端部64を筐体15の外面に当接することで、拡散シート22の自己展張機能によって開口部18上に位置する拡散シート部分に張力を加える。図12に示す形態では、拡散シート22の左右及上下に内側に向かって突出するアーチ状の切れ込み65,66を形成し、この切れ込み65,66によって形成された舌片部67,68を筐体側面62に弾性的に当接させることで、拡散シート22の自己展張機能によって開口部18上に位置する拡散シート部分に張力を加える。なお、図12に示す形態では、縦方向と横方向の各辺にそれぞれ一つの舌片を形成しているが、各辺に複数の舌片を形成してもよい。
【0046】
また、図13に示すように、各実施形態における平行糸26、特に拡散シート22に隣接する平行糸部分は、接着剤70によって拡散シート22に接着してもよい。この場合、平行糸26は、これに所定のプレテンションを加えた状態で拡散シート22に固定することが好ましい。なお、接着剤70は、固化した状態で無色透明になるものが好ましい。
【0047】
さらに、拡散シート22の端部に三角形の楔状の切れ込み71を形成し、この切れ込み71に平行糸26又は直交糸27を引っ掛けて保持させるようにしてもよい。この場合、糸26,27に加えた張力を安定して維持することができる。特に、平行糸26については、確実に拡散シート22に接した状態を維持できることから、平行糸26の背後に影ができることもない。
【0048】
さらにまた、以上の説明では、バックライト装置には複数の円筒光源を設けているが、円筒光源は一つ以上あればよい。
【0049】
さらにまた、以上では、横長のバックライト装置及び液晶表示装置に本発明を適用した形態を説明したが、図15に示すように、縦長の光源ユニット13”を有するバックライト装置及び液晶表示装置にも本発明は適用可能である。
【0050】
以上のように、本発明に係るバックライト装置及液晶表示装置によれば、光学シート群14の撓みを防止して円筒光源20との間に一定又はほぼ一定の距離を確保できることから、液晶パネルに提供される面発光にはっきりしたランプイメージ(大きな輝度分布)がない。具体的に、フレキシブルな拡散シートを有する2つのバックライト装置を用意し、一方には一つの平行糸と直交糸をそれぞれ張設し、他方には糸を張らず、拡散シートから出射される光の輝度分布(円筒光源と直交する方向の輝度分布)を求めた。その結果、糸を張っていないバックライト装置(従来例)を水平に配置した場合、明らかに拡散シートの撓みが目視で確認された。また、図16に示すように円筒光源の位置に対応して明確に高輝度部(ランプイメージ)が現れた。他方、糸を張ったバックライト装置(本発明)を水平に設置した場合、拡散シートの撓みは目視で確認できない程度であり、図17に示すように円筒光源の位置に対応した高輝度部は殆どなかった。また、拡散シートから出射された面発光に糸の影は確認できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の基本原理を説明するための斜視図。
【図2】実施形態1に係るバックライト装置及びそれを組み入れた液晶表示装置を示す斜視図。
【図3】図2に示す液晶表示装置の断面を模式的に示した断面図。
【図4】糸を筐体に固定する方法を示す斜視図。
【図5】糸を筐体に固定する方法を示すバックライト装置の背面斜視図。
【図6】糸を筐体に固定する固定具の種々の形態を示す斜視図。
【図7】糸にコイルばねを取り付けた状態を示す斜視図。
【図8】糸の配置例を示す光源ユニットの正面図。
【図9】直交糸に平行糸を周回させた状態を示す拡大図。
【図10】実施形態1に係るバックライト装置に使用される光源ユニットの正面図。
【図11】拡散シートに張力を加える方法を示す図。
【図12】拡散シートに張力を加える他の方法を示す図。
【図13】拡散シートと糸を接着剤で固定した形態を示す断面図。
【図14】拡散シートの切り欠きに糸を引っ掛けて固定する形態を示す図。
【図15】縦長の光源ユニットの正面図。
【図16】従来のバックライト装置の輝度分布を示すグラフ。
【図17】本発明のバックライト装置の輝度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
【0052】
10:液晶表示装置
11:バックライト装置
12:液晶パネル
13:光源ユニット
14:光学シート群
15:筐体
16:底部
17:枠
18:開口部
19:反射材料
20:円筒光源
21:光源支持部
22:拡散シート
23,24:集光シート
25:支持部材
26:平行糸(横糸)
27:直交糸(縦糸)
28:溝
29:背面
30:固定部
31:ねじ
32:突起部
33:突起部
34:孔
35:棒
36:突起部
37:突起部
38:リング
39:突起部
40:ばね
41:交差部
51〜54:糸
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、特に液晶表示装置のバックライト装置として使用される照明装置に関する。本発明はまた、そのような照明装置を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやテレビの表示装置として利用される液晶パネルは非発光である。そのため、液晶パネルを備えた表示装置で画像を表出するためには、液晶パネルを背後から照明するバックライト装置等の照明装置が必要である。
【0003】
バックライト装置は、液晶パネルに投射する面状光を得る方法に応じて、エッジライト方式と直下方式に分けられる。エッジライト方式は、液晶パネルの背後に配置された導光板の端面に沿って光源を配置し、光源から出射された光を導光板にその端面から入射して拡散し、この拡散された光を導光板から液晶パネルに投射するものである。直下方式は、液晶パネルの背後に拡散板等の光学シートを配置すると共に光学シートの背後に複数の円筒光源を配置し、円筒光源から出射された光を光学シートにその主面から入射して拡散し、この拡散された光を光学シートから液晶パネルに投射するものである。これらエッジライト方式と直下方式のいずれを採用するかは、液晶表示装置に要求される性能に応じて決定されるが、直下方式はエッジライト方式よりも光の利用効率が高いことから、高輝度が要求される表示装置には直下方式よりもエッジライト方式のバックライト装置が利用されている。
【0004】
従来の直下方式のバックライト装置は、光学シートと円筒光源との間に空間を有し、複数の光学シートのうち一枚を比較的厚みが厚く剛性の高いアクリル板等からなる拡散板として、この上に比較的厚みの薄い他の光学シートを載置する構成となっていた。原価低減のため、この拡散板の厚みを薄くするか無くそうとすると、光学シートと円筒光源が対向する方向へ光学シートが撓んでしまい、その撓みは光学シートから液晶パネルに出射される面発光の均一性を著しく損なうという問題があった。特に、近年、アスペクト比が16:9のフルハイビジョン又はフルハイデフィニッションテレビが普及しつつあり、これはアスペクト比が4:3の従来型テレビに比べて横長である。そのため、光学シートに更に大きな撓みが生じ、間隔をあけて配置された円筒光源のイメージ(所謂ランプイメージ)が発光面に現れて面発光の不均一性が更に損なわれるおそれがある。
【0005】
このような光学シートの撓みを防止し得る機構を備えたバックライト装置が、特許文献1,2に開示されている。特許文献1のバックライト装置は、光学シートの背後に配置されたネットを有する。通常、ネットは弛み無く張設されることから、円筒光源に向かう光学シートの撓みを防止し得る。しかし、ネットは光学シートの全面を覆うため、また後に説明するように縦糸と横糸が交互に上下に配置されているため、液晶パネルに入射される光量の損失が極めて大きいという問題がある。
【0006】
特許文献2のバックライト装置は、透明な横糸を光学シートの背後に張設し、この横糸で光学シートの撓みを防止している。ところが、22型以下の小画面サイズでは横糸だけで光学シートの撓みを減少することが可能であっても、近年提供されている大型の液晶表示装置では横糸だけで光学シートの撓みを防止することはできない。
【特許文献1】WO2005/116518号公報
【特許文献2】特開2003−203503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、光学シートの撓みを効果的に防止できる直下方式の照明装置及びその照明装置を用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成する本発明の照明装置は、直下方式の照明装置において、光学シートの背後に糸を配置したとき、円筒光源と平行に配置された糸(平行糸)と円筒光源と直交する方向に配置された糸(直交糸)では光学シートを透過する面発光に異なる影響を及ぼすという知見に基づいてなされたものである。
【0009】
具体的に、図1に示すように、光学シート22の背後に円筒光源20と平行に平行糸26を配置した場合、この平行糸26が光学シート群14に接していると、平行糸26の背後(光学シート側)に平行糸26の影が発生することはない。しかし、平行糸26が光学シート22から離れると、平行糸26の背後に影100が発生し、その影100が液晶パネルに入射される光の均一性を損なう。これに対し、光学シート群14の背後に円筒光源20と直交する直交糸27を配置した場合、この直交糸27は、光学シート群14に接しているとき、直交糸27の背後に僅かな影を生じるものの、光学シート群14から離れるにしたがってその影も見えなくなる。したがって、円筒光源20に平行な平行糸26とこれに直交する直交糸27をもって光学シート22を支える場合、平行糸26と直交糸27は、それらが交差する又は絡み合う場所で、常に平行糸26が光学シート側に位置すると共に直交糸27が円筒光源側に位置するように配置することが好ましい。
【0010】
この知見をもとに、本発明は、照明装置(11)は、光学シート(22)と、上記光学シート(22)と平行に且つ上記光学シート(22)と所定の間隔をあけて配置された一つの円筒光源(20)又は平行に配置された複数の円筒光源(20)を有し、上記円筒光源(20)から出射された光が上記光学シート(22)を介して出力される照明装置及び液晶表示装置において、照明装置(11)は、透光性を有する材料からなり、上記円筒光源(20)と平行な第1の方向に、上記光学シート(22)と接するように又はほぼ接するように張設された第1の糸(26)と、透光性を有する材料からなり、上記第1の方向と直交する第2の方向に、上記第1の糸と交差するように張設された第2の糸(27)を有し、上記第1の糸(26)と第2の糸(27)の交差部では、上記第1の糸(26)が光学シート側に位置するとともに上記第2の糸(27)が上記円筒光源側に位置しており、上記第1の糸(26)と第2の糸(27)によって上記光学シート(22)の上記円筒光源側への撓みが防止されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る照明装置及び液晶表示装置の第2の形態において、照明装置は、四角形の底部(16)と、上記底部(16)の縁に沿って配置された上枠(171)・下枠(172)・左枠(173)及び右枠(174)からなる四角形の枠部を備えた箱型の筐体(15)と、上記筐体(15)の開口部(18)を覆うように配置された光学シート(22)と、上記光学シート(22)と底部(16)との間に配置され、上記上枠(171)及び下枠(172)と平行に伸びる一つ又は複数の円筒光源(20)を有する。この照明装置において、上記枠部(17)と光学シート(22)との間に介在し、上記光学シート(22)を支持して上記円筒光源(20)に向かう上記光学シート(22)の撓みを防止する支持部材(25)を有する。上記支持部材(25)は、上記左枠(173)に両端が支持されており、上記左枠(173)から上記右枠(174)に向かって伸びる一対の横糸部(531,532)と、上記一対の横糸部(531,532)を繋ぐ縦糸部(533)を有する左側糸(53)と、上記右枠(174)に両端が支持されており、上記右枠(174)から上記左枠(173)に向かって伸びる一対の横糸部(541,542)と、上記一対の横糸部(541,542)を繋ぐ縦糸部(543)を有する右側糸(54)と、上記上枠(171)に両端が支持されており、上記上枠(171)から上記下枠(172)に向かって伸びる一対の縦糸部(511,512)と、上記一対の縦糸部(511,512)を繋ぐ横糸部(513)を有する上側糸(51)と、上記下枠(172)に両端が支持されており、上記下枠(172)から上記上枠(171)に向かって伸びる一対の縦糸部(521,522)と、上記一対の縦糸部(521,522)を繋ぐ横糸部(523)を有する下側糸(52)を備えており、上記上側糸(51)における縦糸部(511,512)と横糸部(513)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における一方の横糸部(531,541)と縦糸部(533,543)との屈曲部と絡み合っており、上記下側糸(52)における縦糸部(521,522)と横糸部(523)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における他方の横糸部(532,542)と縦糸部(533,543)の屈曲部と絡み合っており、上記縦糸部(511,512,521,522,533,543)と横糸部(513,531,541,532,542,523)が絡み合った箇所では、上記横糸部上記光学シート側に位置し、上記縦糸部が上記円筒光源側に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように構成された照明装置及び液晶表示装置によれば、光学シートは、円筒光源と平行な糸とこれに直交する糸に支持されることにより円筒光源に向かって撓むことがなく、光学シートと円筒光源との間の距離が常に一定に保たれる。その結果、光学シートと円筒光源との間の距離が場所によって異なることによって生じる輝度むらやランプイメージを生じることがなく、液晶パネルに対して均一な面発光を提供できる。
【0013】
特に、本発明では、円筒光源と平行な糸を光学シート側に配置し、これと直交する糸を円筒光源側に配置し、前者の糸と光学シートとの間の隙間を無くしているので、糸の背後に影を生じることがなく、均一な面発光が確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る照明装置及び液晶表示装置の実施形態を説明する。
【実施形態1】
【0015】
図2は、本発明に係る照明装置とこの照明装置を備えた液晶表示装置を示す。図示するように、液晶表示装置10は、照明装置であるバックライト装置11と、液晶パネル12を有する。
【0016】
バックライト装置11は、光源ユニット13と光学シート群14を有する。光源ユニット13は、箱型の筐体15を有する。筐体15は、実施形態では、横長の長方形を有する底部16と、底部16の四辺に沿って伸びる4つの枠部17−上枠171、下枠172、左枠173、右枠174−を有し、これら4つの枠部17の内側に四角形の開口部18を形成している。好ましい実施形態では、底部16の内面と枠17の内面は、高反射率を有する反射材料で覆われている。反射材料には高反射率を有する反射シート19を用いることが好ましい。また、図示するように、4つの枠17の内面は、底部16から開口部18に向かって外側に傾斜させることが好ましい。
【0017】
筐体15の内側には、複数の円筒光源20が配置されている。円筒光源20には冷陰極管又は熱陰極管が使用される。実施形態では、8本の円筒光源20が、縦方向に一定の間隔をあけて、横方向に向けて配置されている。各円筒光源20は、円筒光源20と底部16との間に所定の間隔(例えば、約1〜2mm)をあけて、左右の枠17に設けた光源支持部21によって支持されている。
【0018】
筐体15の上には、筐体開口部18を覆うように、光学シート群14と液晶パネル12が配置される。液晶パネル12は、公知の液晶パネルである。光学シート群14は、一つ光学シート又は積層された複数の光学シートから構成される。実施形態では、光学シート群14は、光源ユニット13から順番に、乳白色の拡散シート22、第1の集光シート23、第2の集光シート24の3枚の光学シートを有する。特に、従来のバックライト装置では、拡散シートとして相当な厚み(例えば1〜2mm)があって柔軟性の無い硬質・高剛性のプラスチックシートが採用されているが、本実施形態のバックライト装置11では、厚みが小さく(例えば、1mm以下)柔軟性を有するフレキシブルシートが拡散シート22に使用されている。第1と第2の集光シート23,24も、拡散シート22と同様に、薄くて柔軟性のあるレンズシート等のフレキシブルシートが使用されている。
【0019】
筐体開口部18には、上述のようにフレキシブルシートからなる拡散シート22および集光シート23,24が円筒光源20に向かって撓むのを防止するために、支持部材25が設けてある。支持部材25は、円筒光源20と平行に横方向(第1の方向)に伸びる横糸である平行糸(第1の糸)26と、円筒光源20と直交する縦方向(第2の方向)に伸びる縦糸である直交糸(第2の糸)27を有する。実施形態では、2本の平行糸26と、2本の直交糸27が設けてあるが、各糸の数は限定的ではない。
【0020】
平行糸26は、図示するように、円筒光源20を光学シート群14に垂直に投影した線に沿って配置することが好ましい。実施形態では、2つの平行糸26がそれぞれ中央の2本の円筒光源20の真上に配置されている。また、平行糸26と直交糸27を配置する場所やその数は、円筒光源20に向かう光学シート群14の撓みを防止するうえで最も好ましい状態に設定される。例えば、開口部18の中央付近では間隔を短く、外側に向かうにしたがって糸と糸の間隔を広くしてもよい。また、図8に示すように、平行糸26と直交糸27をそれぞれ2つ設ける場合、これらの平行糸26は開口部18を縦方向にほぼ3等分する位置に配置し、直交糸27は開口部18を横方向にほぼ3等分する位置に配置することが好ましい。
【0021】
平行糸26と直交糸27は、無色透明又は白色の材料で形成することが好ましい。有色の糸は円筒光源20から出射される光を吸収し、糸の背後に影を生じるからである。また、平行糸26と直交糸27は、複数の糸を撚り合わせた撚り糸ではなく、釣り糸又は光ファイバのように単一の糸(モノフィラメント)で構成することが好ましい。撚り糸は糸の捩れた部分に光が反射して、糸の背後に影を生じるからである。
【0022】
平行糸26と直交糸27は、光学シート群14の撓みを防止する目的から、種々の要件を満たしていることが望ましい。具体的に、光学シート群14から力を受けたときに、糸26,27が容易に伸びると十分な撓み防止効果が得られない。また、光学シート群14の撓みを防止するために糸26,27に必要な張力を加える必要があり、その張力によって糸26,27が切断又は塑性変形することがあってはならない。さらに、円筒光源20が発する熱によって筐体15内の温度は約40℃に達し、その熱によって糸26,27が塑性変形(粘性流動を原因とする変形)を生じることがあってはならない。特に、有機系材料の糸は熱で変形(流動)し易い。以上の事情から、糸26,27は、低伸度、高引張強度、および高ガラス転移温度を有することが好ましい。具体的には、糸26,27は、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステルなどの有機系繊維、またはガラス繊維で構成されていることが好ましい。特に、ポリエステル繊維は、端部を固定具に結んで固定する際の操作性に優れているし、ガラス繊維は引張強度が他の材料に比べて優れていることから、特に好ましい材料である。また、糸26,27の断面形状は、シートとの接触状態が一定となる円形断面であることが好ましい。
【0023】
平行糸26と直交糸27は、その径が大きくなれば伸度が低下し、引張強度は上昇する。しかし、糸の径が大きくなれば背後に影を生じる可能性が高くなる。これらの点を考慮すると、糸26,27の径は約0.15mm〜0.4mmであることが好ましい。平行糸26と直交糸27は同一の径であってもよいが、上述のように、直交糸27を出来るだけ光学シート群14から離すためには、平行糸26は直交糸27よりも太く、例えば約0.25mm以上の径を有することが好ましい。したがって、平行糸26の径は約0.15mm〜0.4mm、好ましくは約0.25mm〜0.4mm、直交糸27は約0.15mm〜0.4mmとする。
【0024】
平行糸26と直交糸27に加える張力は、開口部18の大きさによって異なるが、例えば32インチのバックライト装置にポリエステル系の有機繊維糸を使用する場合、長辺方向には40N以上、短辺方向には25N以上の張力を加えることが好ましい。
【0025】
筐体開口部18に配置される平行糸26と直交糸27は、円筒光源20から出射される光に含まれる紫外線に晒される。したがって、糸26,27は、内部に紫外線吸収剤を含むもの、または表面に紫外線吸収剤がコーティングされているものを使用することが好ましい。
【0026】
以上のように、平行糸26と直交糸27は所望の張力を加えた状態で保持されなければならない。そのため、糸26,27の両端は筐体15に確実に固定される必要がある。糸の固定方法は特定の方法に限定されるものでないが、以下の固定方法が好適に利用できる。
【0027】
図4は、糸26,27を固定する一例を示す。この固定方法では、枠17に糸26,27の直径とほぼ同一の深さを有する溝28を形成し、この溝28に糸26,27の端部を位置決めし、適当な接着剤(図示せず)で糸26,27を固定する。以下に説明する他の固定方法を採用する場合でも、枠17の上面に支持される拡散シート22を枠17に対して隙間無く密着させるために、溝28を形成してそこに糸26,27を収容することは好ましい。
【0028】
図5に示すように、糸26,27は、筐体15の背面29に設けた固定部30に結び付けて連結してもよい。種々の形態の固定部30を図6に示す。図6(a)は、筐体背面29に取り付けたねじ31を固定部30として利用し、このねじ31に糸26,27の端部を連結する形態を示す。ねじ31は、糸26,27を固定するために特別に設ける必要はなく、例えば、拡散シート22等の撓みを防止するために筐体15内に配置されているスペーサピンがある場合、このスペーサピンを固定するためのねじであってもよい。また、ねじ31は、複数の円筒光源20を所定の間隔をあけて保持するためのランプホルダを有する場合、このランプホルダを固定するためのねじであってもよい。
【0029】
図6(b)は、筐体背面29に設けた逆L字形の突起部32を固定部30として利用する形態を示す。この場合、糸26,27は突起部32に巻き付けて結ぶことによって連結される。
【0030】
図6(c)は、筐体背面29に設けた板状の突起部33を固定部30として利用する形態を示す。この場合、突起部33に孔34を形成し、突起部33の背後に設けた棒35に糸26,27を結んで連結する。
【0031】
図6(d)は、筐体背面29に設けた板状の突起部36を固定部30として利用する形態を示す。この場合、糸26,27は、突起部36に巻き付け、接着剤(図示せず)によって固定する。
【0032】
図6(e)と図6(f)は、合成樹脂からなる糸のように結ぶことができない透明ガラス材料からなる中空ファイバ、又は外周被覆層の無い光ファイバを糸26,27に用いるときに有効な固定方法を示す。具体的に、図6(e)は筐体背面29に固定した金属製の突起部37にファイバ糸26,27の端部を溶着して固定する方法を示し、図6(f)はファイバ糸26,27の端部に該ファイバ糸を溶着して固定したリング38を突起部39に引っ掛けて固定する方法を示す。
【0033】
なお、いずれの方法を採用するにしても、糸26,27の端部を接着剤(図示せず)で突起部に確実に固定することが好ましい。
【0034】
また、糸26,27に一定の張力を確保するために、図7に示すように、糸26,27の端部にコイルばね40などのばねを連結してもよい。
【0035】
以上のように構成されたバックライト装置11及び液晶表示装置10によれば、これらバックライト装置11及び液晶表示装置10を垂直に設置した場合は勿論、これらバックライト装置11及び液晶表示装置10を斜めに又は液晶パネル12を上に向けて設置した場合でも、フレキシブルな拡散シート22及びそれを含む光学シート群14は、平行糸26と直交糸27に支持されることにより円筒光源20に向かって撓むことがなく、拡散シート22及びそれを含む光学シート群14と複数の円筒光源20との間の距離が常に一定に保たれる。その結果、拡散シート22及びそれを含む光学シート群14と複数の円筒光源20との間の距離が場所によって異なることによって生じる輝度むらやランプイメージを生じることがなく、液晶パネル12に対して均一な面発光を提供できる。
【0036】
特に、本発明では、平行糸26を光学シート群側に配置し、直交糸27を円筒光源側に配置し、平行糸26と光学シート群14との間の隙間を無くしているので、糸26,27の背後に影を生じることがなく、均一な面発光が確保される。また、糸26,27には、撚り糸ではなく、釣り糸又は光ファイバなどの単一の糸(モノフィラメント)を使用しているため、撚り糸を用いた場合に糸の捩れによって生じる影を生じることもない。
【0037】
上述した実施形態1では、平行糸26と直交糸27は、平行糸26を上(光学シート側)に位置させるとともに直交糸27を下(円筒光源側)に位置させた状態で交差させている。しかし、図9に示すように、平行糸26と直交糸27の交差部41において、平行糸26を直交糸27の周りで一回又は複数回にわたって周回させてもよい。この場合、平行糸26と直交糸27の相互の持たれ合いによって両糸26,27の相対的移動が防止される。特に、図8に示すように2本の平行糸26と2本の直交糸27を設ける場合、これらの糸26,27の各交差部で平行糸26を直交糸27の周りに周回させることで、平行糸26と直交糸27が光学シート群14から受ける力を他方の糸27,26に分散できることから、4つの交差部41で囲まれた四角形領域の支持強度が増し、より安定して光学シート群14を支持できる。
【実施形態2】
【0038】
図10は、実施形態2に係るバックライト装置及び液晶表示装置の光源ユニット13’を示す。この実施形態の光源ユニット13’は、複数の糸のそれぞれが上述した平行糸の機能と直交糸の機能を複合的に備えている点に特徴を有する。具体的に説明すると、光学シート群を支持する支持部材は、4つの糸51,52,53,54で構成されている。各糸は、実施形態1と同様に、透光性を有する単一の糸(モノフィラメント)からなる。
【0039】
更に具体的に説明すると、図の左側に配置されている左側糸53は、両端が筐体15の左側に固定されており、左枠173から右枠174に向かって伸びる一対の横糸部531、532と、横糸部531、532の右側端部を繋ぐ縦糸部533からなる。同様に、図の右側に配置されている右側糸54は、両端が筐体15の右側に固定されており、右枠174から左枠173に向かって伸びる一対の横糸部541,542と、横糸部541,542の右側端部を繋ぐ縦糸部543からなる。また、図の上側に配置されている上側糸51は、両端が筐体15の上側に固定されており、上枠171から下枠172に向かって伸びる一対の縦糸部511,512と、縦糸部511,512の下側端部を繋ぐは横糸部513からなる。同様に、図の下側に配置されている下側糸52は、両端が筐体15の下側に固定されており、下枠172から上枠171に向かって伸びる一対の縦糸部521,522と、縦糸部521,522の上側端部を繋ぐ横糸部523からなる。
【0040】
図10(b)に示すように、上側糸51における縦糸部511,512と横糸部513の左右の屈曲部は、左側糸53と右側糸54における上側の横糸部531,541と縦糸部533,543の屈曲部と絡み合っており、その絡み部では横糸部531,541,513が光学シート側に位置し、縦糸部511,512,533,543が円筒光源側に位置している。同様に、下側糸52における縦糸部521,522と横糸部523の左右の屈曲部は、左側糸53と右側糸54における下側の横糸部532,542と縦糸部533,543の屈曲部と絡み合っており、その絡み部では横糸部532,542,523が光学シート側に位置し、縦糸部521,522,533,543が円筒光源側に位置している。
【0041】
このように、実施形態2のバックライト装置11では、円筒光源20と平行又はほぼ平行な平行糸が複数の糸の横糸部によって構成され、円筒光源20と直交又はほぼ直交する直交糸が複数の糸の縦糸部によって構成されている。具体的に、実施形態2では、図の上側に位置する平行糸は、左側糸53の横糸部531、右側糸54の横糸部541、および上側糸51の横糸部513で形成されている。また、図の下側に位置する平行糸は、左側糸53の横糸部532、右側糸54の横糸部542、および下側糸52の横糸部523で形成されている。他方、図の左側に位置する直交糸は、上側糸51の縦糸部511、下側糸52の縦糸部521、および左側糸53の縦糸部533で形成されている。また、図の右側に位置する直交糸は、上側糸51の縦糸部512、下側糸52の縦糸部522、および右側糸54の縦糸部543で形成されている。
【0042】
以上のように、それぞれの平行糸26と直交糸27は一つの糸で形成する必要はなく、複数の糸の複数の横糸部、縦糸部によってそれぞれ平行糸、直交糸を構成してもよい。このように構成された支持部材25によれば、縦糸部と横糸部の屈曲部が別の糸の横糸部と縦糸部の屈曲部と絡み合い、それにより光学シート群14から受ける力を4つの絡み部を通じてそれぞれの糸に分散できることから、4つの絡みん部で囲まれた四角形領域の支持強度が増し、より安定して光学シート群14を支持できる。
【0043】
また、実施形態2でも、図10に示すように、それぞれの絡み部において横糸部が常に縦糸部の上(光学シート側)に位置させることによって平行糸と光学シート群14との間の隙間を無くしているので、糸の背後に影を生じることがなく、均一な面発光が確保される。また、糸には、撚り糸ではなく、釣り糸又は光ファイバなどの単一の糸(モノフィラメント)を使用しているため、撚り糸を用いた場合に糸の捩れによって生じる影を生じることもない。
【0044】
なお、図10(a)に示すように、実施形態2でも、平行糸は、円筒光源20を光学シート群14に垂直に投影した線に沿って配置することが好ましい。
【他の実施形態】
【0045】
以上の実施形態において、糸26,27の上に配置される光学シート群14、特に糸26,27に接する拡散シート22は、それ自身に張力が加わった状態で張設されていることが好ましい。図11,図12は拡散シート22に張力を加える好適な形態を示す。図11に示す形態では、拡散シート22の左右の端部を内側に折り返すと共に、光学シート群14を押さえて固定するフレーム61とこれに対向する筐体側面62との間に折り返し部63を位置させ、拡散シート22の腰の強さ(弾性)によってその折り返し端部64を筐体15の外面に当接することで、拡散シート22の自己展張機能によって開口部18上に位置する拡散シート部分に張力を加える。図12に示す形態では、拡散シート22の左右及上下に内側に向かって突出するアーチ状の切れ込み65,66を形成し、この切れ込み65,66によって形成された舌片部67,68を筐体側面62に弾性的に当接させることで、拡散シート22の自己展張機能によって開口部18上に位置する拡散シート部分に張力を加える。なお、図12に示す形態では、縦方向と横方向の各辺にそれぞれ一つの舌片を形成しているが、各辺に複数の舌片を形成してもよい。
【0046】
また、図13に示すように、各実施形態における平行糸26、特に拡散シート22に隣接する平行糸部分は、接着剤70によって拡散シート22に接着してもよい。この場合、平行糸26は、これに所定のプレテンションを加えた状態で拡散シート22に固定することが好ましい。なお、接着剤70は、固化した状態で無色透明になるものが好ましい。
【0047】
さらに、拡散シート22の端部に三角形の楔状の切れ込み71を形成し、この切れ込み71に平行糸26又は直交糸27を引っ掛けて保持させるようにしてもよい。この場合、糸26,27に加えた張力を安定して維持することができる。特に、平行糸26については、確実に拡散シート22に接した状態を維持できることから、平行糸26の背後に影ができることもない。
【0048】
さらにまた、以上の説明では、バックライト装置には複数の円筒光源を設けているが、円筒光源は一つ以上あればよい。
【0049】
さらにまた、以上では、横長のバックライト装置及び液晶表示装置に本発明を適用した形態を説明したが、図15に示すように、縦長の光源ユニット13”を有するバックライト装置及び液晶表示装置にも本発明は適用可能である。
【0050】
以上のように、本発明に係るバックライト装置及液晶表示装置によれば、光学シート群14の撓みを防止して円筒光源20との間に一定又はほぼ一定の距離を確保できることから、液晶パネルに提供される面発光にはっきりしたランプイメージ(大きな輝度分布)がない。具体的に、フレキシブルな拡散シートを有する2つのバックライト装置を用意し、一方には一つの平行糸と直交糸をそれぞれ張設し、他方には糸を張らず、拡散シートから出射される光の輝度分布(円筒光源と直交する方向の輝度分布)を求めた。その結果、糸を張っていないバックライト装置(従来例)を水平に配置した場合、明らかに拡散シートの撓みが目視で確認された。また、図16に示すように円筒光源の位置に対応して明確に高輝度部(ランプイメージ)が現れた。他方、糸を張ったバックライト装置(本発明)を水平に設置した場合、拡散シートの撓みは目視で確認できない程度であり、図17に示すように円筒光源の位置に対応した高輝度部は殆どなかった。また、拡散シートから出射された面発光に糸の影は確認できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の基本原理を説明するための斜視図。
【図2】実施形態1に係るバックライト装置及びそれを組み入れた液晶表示装置を示す斜視図。
【図3】図2に示す液晶表示装置の断面を模式的に示した断面図。
【図4】糸を筐体に固定する方法を示す斜視図。
【図5】糸を筐体に固定する方法を示すバックライト装置の背面斜視図。
【図6】糸を筐体に固定する固定具の種々の形態を示す斜視図。
【図7】糸にコイルばねを取り付けた状態を示す斜視図。
【図8】糸の配置例を示す光源ユニットの正面図。
【図9】直交糸に平行糸を周回させた状態を示す拡大図。
【図10】実施形態1に係るバックライト装置に使用される光源ユニットの正面図。
【図11】拡散シートに張力を加える方法を示す図。
【図12】拡散シートに張力を加える他の方法を示す図。
【図13】拡散シートと糸を接着剤で固定した形態を示す断面図。
【図14】拡散シートの切り欠きに糸を引っ掛けて固定する形態を示す図。
【図15】縦長の光源ユニットの正面図。
【図16】従来のバックライト装置の輝度分布を示すグラフ。
【図17】本発明のバックライト装置の輝度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
【0052】
10:液晶表示装置
11:バックライト装置
12:液晶パネル
13:光源ユニット
14:光学シート群
15:筐体
16:底部
17:枠
18:開口部
19:反射材料
20:円筒光源
21:光源支持部
22:拡散シート
23,24:集光シート
25:支持部材
26:平行糸(横糸)
27:直交糸(縦糸)
28:溝
29:背面
30:固定部
31:ねじ
32:突起部
33:突起部
34:孔
35:棒
36:突起部
37:突起部
38:リング
39:突起部
40:ばね
41:交差部
51〜54:糸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学シート(22)と、上記光学シート(22)と平行に且つ上記光学シート(22)と所定の間隔をあけて配置された一つの円筒光源(20)又は平行に配置された複数の円筒光源(20)を有し、上記円筒光源(20)から出射された光が上記光学シート(22)を介して出力される照明装置(11)であって、
透光性を有する材料からなり、上記円筒光源(20)と平行な第1の方向に、上記光学シート(22)と接するように又はほぼ接するように張設された第1の糸(26)と、
透光性を有する材料からなり、上記第1の方向と直交する第2の方向に、上記第1の糸と交差するように張設された第2の糸(27)を有し、
上記第1の糸(26)と第2の糸(27)の交差部では、上記第1の糸(26)が光学シート側に位置するとともに上記第2の糸(27)が上記円筒光源側に位置しており、
上記第1の糸(26)と第2の糸(27)によって上記光学シート(22)の上記円筒光源側への撓みが防止されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記第1の糸(26)は、上記円筒光源(20)を上記光学シート(22)に垂直に投影した線に沿って又はその線にほぼ沿って配置されていることを特徴とする請求項1の照明装置。
【請求項3】
上記第1の糸(26)と第2の糸(27)が単一の線材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2の照明装置。
【請求項4】
上記第1の糸(26)は0.25〜0.4mmの直径を有し、上記第2の糸(27)は0.15〜0.4mmの直径を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの照明装置。
【請求項5】
四角形の底部(16)と、上記底部(16)の縁に沿って配置された上枠(171)・下枠(172)・左枠(173)及び右枠(174)からなる四角形の枠部を備えた箱型の筐体(15)と、上記筐体(15)の開口部(18)を覆うように配置された光学シート(22)と、上記光学シート(22)と底部(16)との間に配置され、上記上枠(171)及び下枠(172)と平行に伸びる一つ又は複数の円筒光源(20)を有する照明装置(11)において、
上記枠部(17)と光学シート(22)との間に介在し、上記光学シート(22)を支持して上記円筒光源(20)に向かう上記光学シート(22)の撓みを防止する支持部材(25)を有し、
上記支持部材(25)は、
上記左枠(173)に両端が支持されており、上記左枠(173)から上記右枠(174)に向かって伸びる一対の横糸部(531,532)と、上記一対の横糸部(531,532)を繋ぐ縦糸部(533)を有する左側糸(53)と、
上記右枠(174)に両端が支持されており、上記右枠(174)から上記左枠(173)に向かって伸びる一対の横糸部(541,542)と、上記一対の横糸部(541,542)を繋ぐ縦糸部(543)を有する右側糸(54)と、
上記上枠(171)に両端が支持されており、上記上枠(171)から上記下枠(172)に向かって伸びる一対の縦糸部(511,512)と、上記一対の縦糸部(511,512)を繋ぐ横糸部(513)を有する上側糸(51)と、
上記下枠(172)に両端が支持されており、上記下枠(172)から上記上枠(171)に向かって伸びる一対の縦糸部(521,522)と、上記一対の縦糸部(521,522)を繋ぐ横糸部(523)を有する下側糸(52)を備えており、
上記上側糸(51)における縦糸部(511,512)と横糸部(513)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における一方の横糸部(531,541)と縦糸部(533,543)との屈曲部と絡み合っており、
上記下側糸(52)における縦糸部(521,522)と横糸部(523)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における他方の横糸部(532,542)と縦糸部(533,543)の屈曲部と絡み合っており、
上記縦糸部(511,512,521,522,533,543)と横糸部(513,531,541,532,542,523)が絡み合った箇所では、上記横糸部上記光学シート側に位置し、上記縦糸部が上記円筒光源側に位置していることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
上記請求項1〜5のいずれかの照明装置と液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
光学シート(22)と、上記光学シート(22)と平行に且つ上記光学シート(22)と所定の間隔をあけて配置された一つの円筒光源(20)又は平行に配置された複数の円筒光源(20)を有し、上記円筒光源(20)から出射された光が上記光学シート(22)を介して出力される照明装置(11)であって、
透光性を有する材料からなり、上記円筒光源(20)と平行な第1の方向に、上記光学シート(22)と接するように又はほぼ接するように張設された第1の糸(26)と、
透光性を有する材料からなり、上記第1の方向と直交する第2の方向に、上記第1の糸と交差するように張設された第2の糸(27)を有し、
上記第1の糸(26)と第2の糸(27)の交差部では、上記第1の糸(26)が光学シート側に位置するとともに上記第2の糸(27)が上記円筒光源側に位置しており、
上記第1の糸(26)と第2の糸(27)によって上記光学シート(22)の上記円筒光源側への撓みが防止されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記第1の糸(26)は、上記円筒光源(20)を上記光学シート(22)に垂直に投影した線に沿って又はその線にほぼ沿って配置されていることを特徴とする請求項1の照明装置。
【請求項3】
上記第1の糸(26)と第2の糸(27)が単一の線材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2の照明装置。
【請求項4】
上記第1の糸(26)は0.25〜0.4mmの直径を有し、上記第2の糸(27)は0.15〜0.4mmの直径を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの照明装置。
【請求項5】
四角形の底部(16)と、上記底部(16)の縁に沿って配置された上枠(171)・下枠(172)・左枠(173)及び右枠(174)からなる四角形の枠部を備えた箱型の筐体(15)と、上記筐体(15)の開口部(18)を覆うように配置された光学シート(22)と、上記光学シート(22)と底部(16)との間に配置され、上記上枠(171)及び下枠(172)と平行に伸びる一つ又は複数の円筒光源(20)を有する照明装置(11)において、
上記枠部(17)と光学シート(22)との間に介在し、上記光学シート(22)を支持して上記円筒光源(20)に向かう上記光学シート(22)の撓みを防止する支持部材(25)を有し、
上記支持部材(25)は、
上記左枠(173)に両端が支持されており、上記左枠(173)から上記右枠(174)に向かって伸びる一対の横糸部(531,532)と、上記一対の横糸部(531,532)を繋ぐ縦糸部(533)を有する左側糸(53)と、
上記右枠(174)に両端が支持されており、上記右枠(174)から上記左枠(173)に向かって伸びる一対の横糸部(541,542)と、上記一対の横糸部(541,542)を繋ぐ縦糸部(543)を有する右側糸(54)と、
上記上枠(171)に両端が支持されており、上記上枠(171)から上記下枠(172)に向かって伸びる一対の縦糸部(511,512)と、上記一対の縦糸部(511,512)を繋ぐ横糸部(513)を有する上側糸(51)と、
上記下枠(172)に両端が支持されており、上記下枠(172)から上記上枠(171)に向かって伸びる一対の縦糸部(521,522)と、上記一対の縦糸部(521,522)を繋ぐ横糸部(523)を有する下側糸(52)を備えており、
上記上側糸(51)における縦糸部(511,512)と横糸部(513)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における一方の横糸部(531,541)と縦糸部(533,543)との屈曲部と絡み合っており、
上記下側糸(52)における縦糸部(521,522)と横糸部(523)の左右の屈曲部は、上記左側糸(53)と右側糸(54)における他方の横糸部(532,542)と縦糸部(533,543)の屈曲部と絡み合っており、
上記縦糸部(511,512,521,522,533,543)と横糸部(513,531,541,532,542,523)が絡み合った箇所では、上記横糸部上記光学シート側に位置し、上記縦糸部が上記円筒光源側に位置していることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
上記請求項1〜5のいずれかの照明装置と液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−251432(P2008−251432A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93342(P2007−93342)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]