説明

照明装置

【課題】蛍光ランプを温度ムラやたわみが生じないように固定した照明装置を提供する。
【解決手段】並列に配置される複数の蛍光ランプ1と、反射板2の表面に各蛍光ランプ1に対応して設けられ、蛍光ランプ1の軸方向に沿った接触面を備えた固定用リブ3とを備え、各蛍光ランプ1をそれぞれの固定用リブ3の接触面に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置のバックライト等として用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6(a)は従来の照明装置の構成を示す平面図であり、同図(b)はその側面図である。この照明装置は、反射板2の表面に複数の蛍光ランプ1を並列に配置したものであり、複数の蛍光ランプ1が画面の直下に配置されるように液晶表示装置に組み込まれることから、直下型と呼ばれている。各蛍光ランプ1の両端は、一対のゴムホルダー4a,4bによって固定される。また、各蛍光ランプ1は、それぞれ2個の固定用リブ13によって反射板2の表面から一定の距離に位置するように固定される。
【0003】
図7は、図6(a)のa−a’部における蛍光ランプ1と固定用リブ13の構成を示す断面図である。固定用リブ13は、管状の蛍光ランプ1をその外周面に沿って下から挟み込むようにした挟込部13aと、この挟込部13aを反射板2の表面に固定するための支持部13bとを備えた構成である。固定用リブ13は、このような構成により、蛍光ランプ1を反射板2に固定するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の照明装置の構成では、次のような問題が生じる。まず第1に、各蛍光ランプ1における固定用リブ13が位置する部分は、固定用リブ13を通じて放熱作用をするため、固定用リブ13のない部分と比較して管壁温度が低くなる。このため、蛍光ランプ1は、管軸方向の温度分布が不均一になり、水銀の分布が片寄ることになる。
【0005】
第2に、図6に示す照明装置は、液晶表示装置に組み込まれたときには、複数の蛍光ランプ1が鉛直方向に並ぶように配置されることになるが、液晶表示装置の大型化に伴って蛍光ランプ1が軸方向に長くなると、蛍光ランプ1が鉛直方向にたわみ易くなり、画面に輝度ムラを発生させる原因となる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蛍光ランプを温度ムラやたわみが生じないように固定した照明装置を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る照明装置は、反射板の表面に並列に配置される複数の蛍光ランプと、反射板の表面に各蛍光ランプに対応して設けられ、蛍光ランプの軸方向に沿った接触面を備えた複数の固定用リブと、を有し、各蛍光ランプをそれぞれの固定用リブの接触面に固定したことを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、蛍光ランプの軸方向に沿った接触面を備えた固定用リブを反射板の表面に設け、各蛍光ランプをこの固定用リブの接触面に固定することで、蛍光ランプがほぼ全長に渡って固定用リブに固定されるようにして、従来のように蛍光ランプに局所的に固定用リブを設けた場合のような温度ムラの発生を防止し、水銀の分布の片寄りを防止する。また、蛍光ランプをほぼ全長に渡って固定用リブに固定することで、蛍光ランプのたわみの発生を防止する。
【0009】
第2の本発明に係る照明装置は、各蛍光ランプを鉛直方向に並べて配置したときの上側に位置する固定用リブの接触面の面積を下側に位置する固定用リブのものよりも大きくしたことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、鉛直方向の上側に位置する固定用リブの蛍光ランプとの接触面の面積を、下側に位置する固定用リブの接触面の面積よりも大きくしたことで、上側に位置する蛍光ランプが接触面を通じて放熱する量を多くし、上側と下側とでの蛍光ランプの温度差を抑制し、表示画面における輝度ムラの発生を防止する。
【0011】
第3の本発明に係る照明装置は、各固定用リブの両端の角に曲部を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、各固定用リブの両端の角に曲部を備えたことで、蛍光ランプが何らかの衝撃によって固定用リブの角とぶつかった場合の蛍光ランプの破損を防止する。
【0013】
第4の本発明に係る照明装置は、各固定用リブの接触面の曲率を蛍光ランプの外周面の曲率よりも大きくしたことを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、各固定用リブの蛍光ランプとの接触面の曲率を、蛍光ランプの外周面の曲率よりも大きくしたことで、蛍光ランプが固定用リブの接触面から転落することを防止する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る照明装置によれば、蛍光ランプを温度ムラやたわみが生じないように固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1(a)は、本実施の形態における照明装置の構成を示す平面図であり、同図(b)はその側面図である。本照明装置では、複数の蛍光ランプ1が反射板2の表面から一定の距離をおいた位置に並列に配置される。各蛍光ランプ1は、管状のガラスバルブの内壁に蛍光体皮膜が形成され、ガラスバルブの内部には1種類以上の希ガスと水銀が封入される。ガラスバルブの両端内部には電極が配置され、ガラスバルブの両端部には電極に接続された導入線が気密に封着される。各導入線には、外部電源からの電源供給用のリード線がそれぞれ接続される。
【0018】
各蛍光ランプ1の両端は、各蛍光ランプ1に対応した複数の挿入孔を備えた一対のゴムホルダー4a,4bのそれぞれの挿入孔に挿入される。
【0019】
本照明装置では、蛍光ランプの管軸方向に沿った接触面を備えた固定用リブ3が反射板2の表面に各蛍光ランプ1に対応して設けられている。固定用リブ3の蛍光ランプ1との接触面は、蛍光ランプ1の管軸方向の長さとほぼ同程度の長さであり、各蛍光ランプ1は、この接触面により管軸方向の全体に渡って均一に固定される。具体的には、軸方向の長さが150mm程度の蛍光ランプ1の両端から8mm程度内側から更に内側部分の管壁外周面が固定用リブ3の接触面に固定される。蛍光ランプ1と固定用リブ3との固定には接着剤を用いる。この接着剤にシリコン系のものを用いることで、リーク電流の抑制を図る。
【0020】
このように、本照明装置では、蛍光ランプ1を管軸方向に沿って固定用リブ3の接触面に固定した構成とすることで、従来のように蛍光ランプ1に局所的に固定用リブ13を設けた場合のような温度ムラの発生を防止し、水銀の分布の片寄りを防止する。
【0021】
また、本照明装置は直下型であり、液晶表示装置に組み込む際には、複数の蛍光ランプ1は、その軸が水平となるように鉛直方向に並列に配置される。このため、液晶表示装置が大型の場合には、各蛍光ランプ1の軸方向の長さが長くなり、鉛直方向へのたわみが生じ易くなる。
【0022】
そこで、本照明装置は、蛍光ランプ1のほぼ全長に渡って蛍光ランプ1を固定用リブ3の接触面に固定することで、このようなたわみの発生を防止する。
【0023】
図2は、図1(a)のb−b’部の断面図であり、図3は、図1(a)のc−c’部の断面図である。本照明装置では、b−b’部を鉛直方向の上側に、c−c’部を鉛直方向の下側にそれぞれ配置する。
【0024】
蛍光ランプ1が発する熱は、基本的には下から上へと向かうので、上側に位置する蛍光ランプ1は温度が高くなる。
【0025】
そこで、本照明装置では、図2と図3に示すように、上側に位置するb−b’部の固定用リブ3の蛍光ランプ1との接触面の面積S1を、下側に位置する固定用リブの接触面の面積S2よりも大きくした構成とする。
【0026】
このような構成とすることで、本照明装置は、上側に位置する蛍光ランプ1では接触面を通じて放熱する量を多くし、上側と下側の蛍光ランプの温度差の拡大を抑制し、表示画面における輝度ムラの発生を防止する。
【0027】
図4は、図1(a)のd−d’部の断面図である。同図に示すように、固定用リブ3は、その両端の角に曲部6a,6bをそれぞれ備える。この曲部6a,6bは、固定用リブ3の接触面と側壁との境界となる角が丸くなるようにするためのものである。
【0028】
このような構成とすることで、本照明装置では、蛍光ランプ1が何らかの衝撃によって固定用リブ3の角とぶつかった場合の蛍光ランプ1の破損を防止する。
【0029】
図5は、固定用リブ3の別の構成を示す断面図である。同図の固定用リブ3は、蛍光ランプ1との接触面の曲率を、蛍光ランプ1の外周面の曲率よりも大きくした構成である。
【0030】
このような構成とすることで、本照明装置では、蛍光ランプ1が固定用リブ3の接触面から転落し難くしている。
【0031】
したがって、本実施の形態によれば、蛍光ランプ1の軸方向に沿った接触面を備えた固定用リブ3を反射板2の表面に設け、各蛍光ランプ1をこの固定用リブ3の接触面に固定することで、蛍光ランプがほぼ全長に渡って固定用リブに固定されるので、従来のように蛍光ランプに局所的に固定用リブを設けた場合のような温度ムラの発生を防止でき、もって水銀の分布の片寄りを防止することができる。また、蛍光ランプ1がほぼ全長に渡って固定用リブ3に固定されるので、蛍光ランプ1のたわみの発生を防止することができる。
【0032】
本実施の形態によれば、鉛直方向の上側に位置する固定用リブの蛍光ランプとの接触面の面積を、下側に位置する固定用リブの接触面の面積よりも大きくしたことで、上側に位置する蛍光ランプが接触面を通じて放熱する量が多くなるので、上側と下側とでの蛍光ランプの温度差を抑制でき、もって表示画面における輝度ムラの発生を防止することができる。
【0033】
本実施の形態によれば、各固定用リブ3の両端の角に曲部6a,6bをそれぞれ備えたことで、蛍光ランプ1が何らかの衝撃によって固定用リブ3の角とぶつかった場合でも、蛍光ランプ1の破損を防止することができる。
【0034】
本実施の形態によれば、各固定用リブ3の蛍光ランプ1との接触面の曲率を、蛍光ランプ1の外周面の曲率よりも大きくしたことで、蛍光ランプ1の固定用リブ3の接触面からの転落を防止することができる。
【0035】
本実施の形態によれば、各蛍光ランプ1の円周方向の温度は、固定用リブ3と接触する部分が最も低くなるので、この部分の蛍光ランプ内部に水銀が集中し、蛍光ランプ1の照射方向に位置する部分には水銀がなくなるので、余剰水銀の管壁付着による輝度ムラの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】同図(a)は一実施の形態における照明装置の構成を示す平面図であり、同図(b)はその側面図である。
【図2】図1のb−b’部における蛍光ランプと固定用リブの構成を示す断面図である。
【図3】図1のc−c’部における蛍光ランプと固定用リブの構成を示す断面図である。
【図4】図1のd−d’部における蛍光ランプと固定用リブの構成を示す断面図である。
【図5】固定用リブの別の構成を示す断面図である。
【図6】同図(a)は従来の照明装置の構成を示す平面図であり、同図(b)はその側面図である。
【図7】図6のa−a’部における蛍光ランプと固定用リブの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…蛍光ランプ
2…反射板
3…固定用リブ
4a,4b…ゴムホルダー
6a,6b…曲部
13…固定用リブ
13a…挟込部
13b…支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板の表面に並列に配置される複数の蛍光ランプと、
反射板の表面に各蛍光ランプに対応して設けられ、蛍光ランプの軸方向に沿った接触面を備えた複数の固定用リブと、を有し、
各蛍光ランプをそれぞれの固定用リブの接触面に固定したことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
各蛍光ランプを鉛直方向に並べて配置したときの上側に位置する固定用リブの接触面の面積を下側に位置する固定用リブのものよりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
各固定用リブの両端の角に曲部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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