説明

照明装置

【課題】簡単な構造で、容器に収容した液体から発光させ、鮮やかな照明を得ることができる照明装置を得る。
【解決手段】容器内に液体が収容され、液体中に蛍光体が分散されてなる蛍光部と、蛍光部における蛍光体を励起するための励起光源とを備える照明装置。本発明の照明装置における蛍光体は半導体ナノ結晶の微粒子からなることが好ましい。また本発明の照明装置における励起光源は窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光素子を有することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に、液体からの発光を用いる照明装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、日常の居住空間からショッピングセンター、コンサートホール、ミュージアムなどの空間演出の照明として、室内壁面や天井面に向かって照明光を照射して間接的に室内照明を行うようにした間接照明装置が知られている。たとえば、特開平5−74206号公報(特許文献1)には、アルミ箔のような多数の反射性浮遊物を、液体とともに容器に封入し、容器下部の一点を加熱することにより対流を起こさせ、この対流にのって反射性浮遊物が不規則に上下動することを利用し、この反射性浮遊物に光源からの光を照射しその反射光で被照面を照射するか、あるいは上記容器を透過した光を反射鏡で受け、そこからの反射光でもって被照面を照射するようにした照明装置が開示されている。
【特許文献1】特開平5−74206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した特許文献1に開示された技術は、多数の反射性浮遊物を、液体とともに容器に封入し、この反射性浮遊物に光源からの光を照射しその反射光で被照面を照射するか、あるいは上記容器を透過した光を反射鏡で受け、そこからの反射光でもって被照面を照射するようにしたものである。このため、照明として用いる光は、光源の散乱光や反射光であり、液体自体が発光していないため、鮮やかな照明を得ることはできない。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、簡単な構造で、容器に収容した液体から発光させ、鮮やかな照明を得ることができる照明装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明装置は、容器内に液体が収容され、液体中に蛍光体が分散されてなる蛍光部と、蛍光部における蛍光体を励起するための励起光源とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の照明装置における蛍光体は半導体ナノ結晶粒子蛍光体であることが好ましい。
また本発明の照明装置における励起光源は、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光素子を有することが好ましい。
【0007】
本発明の照明装置は、蛍光部の液体が複数の層に分離されていることが好ましい。この場合、複数の層はそれぞれ異なる波長で発光することがより好ましい。
【0008】
本発明の照明装置はまた、液体を攪拌するための攪拌装置を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液体に分散された蛍光体からの発光により鮮明な照明を得ることのできる照明装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の好ましい第1の例の照明装置1を模式的に示す斜視図であり、図2は図1に示す照明装置1の蛍光部2を拡大して示す図である。図1および図2に示す例の照明装置1は、容器3内に液体5が収容され、液体5中に蛍光体6が分散されてなる蛍光部2と、蛍光部2における蛍光体6を励起するための励起光源4とを備える。このような本発明の照明装置1は、励起光源4から照射された励起光は、蛍光部2において液体5中に分散された蛍光体6を励起し、蛍光体6の蛍光により照明光を得ることができるように構成されている。
【0011】
本発明の照明装置1において、蛍光体6を分散させた液体5を収容するための容器3としては、励起光源4から照射された励起光を透過し得るものであれば特に制限されるものではない。たとえば、透明なガラス容器、樹脂容器、透明でないガラス容器、樹脂容器、金属容器などを容器3として用いることができる。
【0012】
図1および図2には、蛍光部2における液体5が一層である場合が示されている。この場合、液体5としては、有機溶媒または水を用いることができ、有機溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−オクタデカン、1−オクタデセン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどが挙げられる。これらの中でも、有機溶媒を用いる場合には、汎用性および蛍光体の溶解性の観点から用いる蛍光体に併せて種々変更が可能であるが、メタノール、エタノール、アセトン、n−ヘキサンが好ましい。
【0013】
また図1および図2に示す例のように蛍光部2における液体5が一層である場合、液体5に分散させる蛍光体6としては、たとえば有機色素蛍光体、付活型無機蛍光体、半導体ナノ結晶粒子蛍光体などを好適に用いることができる。これらの中でも、粒径によって所望の発光色が実現でき、また、後述するようにこれらを分散させた液体を複数の層に分離するように構成することにより、同時に様々な色での発光が可能となり、より空間演出としての照明を実現できるという利点があることから、半導体ナノ結晶粒子蛍光体を用いることが好ましい。
【0014】
蛍光体6として有機色素蛍光体を用いる場合、具体的には、ローダミンB、ローダミン101、ローダミン110、硫酸キニーネ、ジフェニルアントラセンなどが好適な例として挙げられる。
【0015】
また蛍光体6として付活型無機蛍光体を用いる場合、具体的には、3Ca3(PO42・Ca(F,Cl)2:(Sb,Mn)、Zn2SiO4、Ba3MgSi28:Eu、Sr4Al1425:(Eu,Dy)、SrAl24:(Eu,Dy)、6MgO・As25:Mn、Y3Al512:Ceなどが好適な例として挙げられる。
【0016】
また、蛍光体6として半導体ナノ結晶粒子蛍光体を用いる場合、具体的には、II−VI族半導体であるCdSe、CdSなど、III−V族半導体であるInP、InGaP、InAlP、InGaNなどが挙げられる。なお、赤色蛍光体としては、半導体ナノ結晶粒子蛍光体のうち、たとえば粒径2〜5nmのInPからなるナノ結晶粒子あるいは粒径2〜5nmのたとえばx=0.70のIn1-xGaxNからなるナノ結晶粒子からなるものが好適に用いられる。また、緑色蛍光体としては、半導体ナノ結晶粒子蛍光体のうち、たとえば粒径2〜3nmのCdSeからなるナノ結晶粒子あるいは粒径2〜5nmのたとえばx=0.50のInPからなるナノ結晶粒子が好適に用いられる。また、青色蛍光体としては、半導体ナノ結晶粒子蛍光体のうち、たとえば粒径1〜2nm程度のCdSeからなるナノ結晶粒子または粒径2〜5nmのたとえばx=0.30のIn1-xGaxNからなるナノ結晶粒子が好適に用いられる。
【0017】
本発明の照明装置1に用いられる励起光源4としては、可視領域で発光する蛍光体6を励起し得る励起光を蛍光体6に照射し得るものであれば特に制限はされないが、照明装置の小型化、軽量化の実現が可能である点から、半導体発光素子が好適である。半導体発光素子としては、窒化物であるGaN系半導体、酸化物であるZnO系半導体、あるいはII−VI族化合物半導体であるZnS、ZnSe系半導体などを構成材料とするものを用いることができる。中でも特に、InGaNを発光層に含みピーク波長400〜415nmの青紫色を呈する窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光素子を半導体励起光源として用いるのが好ましい。窒化物系III−V族化合物を用いた発光素子は、青紫色発光を高い外部量子効率で呈することができる半導体発光材料であり、特に発光層をInGaN混晶とすることによって、発光波長を外部量子効率が最も高い400〜415nmに制御することができる。このような窒化物系III−V族化合物を用いた発光素子を用いることで、可視領域で発光する蛍光体6を効率よく励起できる励起光を照射できる励起光源4を好適に実現することができる。なお、本発明の照明装置1における励起光源4は、半導体レーザ素子または発光ダイオード素子であることが好ましい。
【0018】
図3は、本発明の好ましい第2の例の照明装置11を模式的に示す斜視図である。図3に示す例の照明装置11は、容器13内に液体が収容され、液体中に蛍光体が分散されてなる蛍光部12と、蛍光部12における蛍光体を励起するための励起光源14とを備える基本構成は図1に示した例の照明装置1と同様であるが、容器13として円筒状の形状を有する透明な容器を用い、この容器13の長手方向一方側の端部から、励起光源14からの励起光が入射可能なように構成されている。このように構成された照明装置11を用いることで、図1に示した例の照明装置1を用いる場合とは異なり、たとえば半導体レーザなどの直進性の励起光源を用いた場合に、直線状に長い照明を実現できるというような利点がある。
【0019】
また図4は、本発明の好ましい第3の例の照明装置における蛍光部21を模式的に示す斜視図であり、図5は、本発明の好ましい第4の例の照明装置における蛍光部31を模式的に示す斜視図である。本発明の照明装置は、蛍光部における液体が複数の層に分離されていてもよい。図4および図5には、蛍光部21,31が、上下方向に2つの層に分離された液体22,23を有する例がそれぞれ示されている。このように複数の層に分離された液体を用いる場合、各層の液体としては、性質の違いにより分離する組み合わせを適宜用いることができ、たとえば分子間相互作用の弱い液体同士、比重の異なる液体同士、極性が異なる液体同士などを用いることができる。具体的には、メタノールとn−ヘキサン、エタノールとn−ヘキサン、エタノールとn−オクタデセンなどが好ましい組み合わせとして挙げられる。
【0020】
蛍光部における液体が複数の層に分離されている場合、蛍光体は、1つの層のみに分散させてもよいし、各層に蛍光体を分散させるようにしてもよい。図4には、2つの層に分離された液体22,23のうち、上側の液体22にのみ蛍光体24を分散させた例を示しており、また、図5には、2つの層に分離された液体22,23のそれぞれに、発光波長の異なる蛍光体23,32を分散させた例を示している。図5に示す例のように、複数の層に分離された各液体にそれぞれ発光波長の異なる蛍光体を分散させることにより、励起光源から照射された励起光により、ある特定の1つの層からのみの発光、あるいは異なる層から異なる波長の光が実現できるため、発光の色コントラストを持たせた照明装置が実現できる。
【0021】
図6は、本発明の好ましい第5の例の照明装置41を模式的に示す斜視図である。本発明の照明装置は、図6に示す例のように、蛍光部42における液体を攪拌するための攪拌装置43を備えることが好ましい。図6に示す例のように攪拌装置43を備えることで、上述したように液体が複数の層に分離し、各層にそれぞれ異なる発光波長の蛍光体を分散させてなるように構成される場合には、各層に分離された蛍光体は攪拌により混合され、励起光源からの励起光により混合された蛍光体からの波長の異なる発光を混色させて、1つの発光色を得るような照明装置も実現することができる。
【0022】
なお、本発明の照明装置は、図1に示す例のように、蛍光部2と励起光源4との間に散乱部7を備えるように構成されていてもよい。このような散乱部7を備えることで、励起光源4からの励起光の照射領域を、蛍光部2の形状および大きさに併せて整形および拡大することができる。散乱部7は、たとえばガラスレンズ、エポキシ樹脂などを用いて実現することができる。
【0023】
ここで図7は、本発明の好ましい第6の例の照明装置51を模式的に示す斜視図である。本発明の照明装置は、図7に示す例のように、励起光源53を容器3内に収容し、容器3内において励起光源53からの励起光を、液体中に分散された蛍光体に入射するように構成されていても勿論よい。このように構成されてなることで、図1に示したような蛍光部の外部から励起光源による励起光を入射させるように構成した場合とは異なり、蛍光部と励起光源が一体の装置として取り扱うことができ、また励起光源の内部からの照射により蛍光部をより均一に発光させるというような利点がある。なお、図7に示す例では、励起光源53の励起光の出射側に球状の散乱部54が設けられている。
【0024】
また図8は、本発明の好ましい第7の例の照明装置61を模式的に示す斜視図である。図8に示す例の照明装置61は、容器63内に液体65が収容され、液体65中に蛍光体が分散されてなる蛍光部62と、蛍光部62における蛍光体を励起するための励起光源64とを備える基本構成は上述してきた照明装置と同様であるが、さらに容器63内に、噴水装置66をさらに備える。噴水装置66は、ポンプ67および噴出口68を備え、ポンプ67より蛍光体が分散された液体65を吸引し、噴出口68から噴出させることができる。このように噴水装置66を備える照明装置61では、励起光源64からの励起光を、噴水装置66に入射することで、液体中に均一に分散されている蛍光体により吸収させ、容器63に貯留している蛍光体および噴出口68から噴出された蛍光体からの自発光による照明を得ることができる。なお、図6に示す例では、蛍光部62と励起光源64との間には散乱部69が介在され、励起光源64からの励起光が蛍光体に照射されるように構成されている。またこの場合、容器63としてステンレス製の容器も好適に用いることができ、ステンレス製の容器にも励起光が照射されるように励起光源を配置するようにしてもよい。
【0025】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
<実施例1>
図1および図2に示した例の照明装置1を作製した。本実施例による照明装置1は、透明なガラス製の容器3に、液体5としてn−ヘキサンを収容し、当該液体5中に蛍光体6として粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.7Ga0.3N(赤色蛍光体)を分散させ、蛍光部2とした。励起光源4としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源4から発せられる青紫色の励起光が容器3を介して蛍光体6に入射可能なように配置した。
【0027】
このように構成することで、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、n−ヘキサン中に均一に分散しているIn0.7Ga0.3N蛍光体が吸収・発光し、蛍光部2からの自発光による、赤色に鮮明に発光する照明装置1が得られた。
【0028】
<実施例2>
図3に示した例の照明装置11を作製した。本実施例による照明装置11は、円筒状に伸びた透明のガラス製の容器13に、n−ヘキサンを収容し、当該液体中に粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.7Ga0.3N(赤色蛍光体)を分散させ、蛍光部12とした。励起光源14としてInGaN窒化物半導体レーザを用い、円筒状の容器13の長手方向一方側の端部から青紫色の励起光が入射可能なように配置した。
【0029】
このように構成することで、InGaN窒化物半導体レーザからの青紫色を、n−ヘキサン中に均一に分散しているIn0.7Ga0.3N蛍光体が吸収・発光し、蛍光部12からの自発光による、赤色に鮮明に発光する照明装置11が得られた。
【0030】
<実施例3>
図4に示した例の蛍光部21を備える照明装置を作製した。本実施例による照明装置は、透明なガラス製の容器に、2つの層に分離されるように液体22としてn−ヘキサン、液体23として水を用い、上側に配置される液体22中に蛍光体24として粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.7Ga0.3N(赤色蛍光体)を分散させ、蛍光部21とした。励起光源としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源から発せられる青紫色の励起光が容器を介して蛍光体24に入射可能なように配置した。
【0031】
このように構成することで、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、n−ヘキサン中に均一に分散しているIn0.7Ga0.3N蛍光体が吸収・発光し、2層に分離している液体22,23のうち蛍光体24を含有する液体22の層からのみ蛍光体24からの自発光による赤色の発光を示し、蛍光部21が発光層と非発光層とのコントラストが存在する照明装置が得られた。
【0032】
<実施例4>
図5に示した例の蛍光部31を備える照明装置を作製した。本実施例による照明装置は、透明なガラス製の容器に、2つの層に分離されるように液体22としてn−ヘキサン、液体23としてメタノールを用い、上側に配置される液体22中に蛍光体24として粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.7Ga0.3N(赤色蛍光体)を分散させ、下側に配置される液体23中に蛍光体32として粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.5Ga0.5N(緑色蛍光体)を分散させ、蛍光部31とした。励起光源としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源から発せられる青紫色の励起光が容器を介して蛍光体24,32に入射可能なように配置した。
【0033】
このように構成することで、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、n−ヘキサン中に均一に分散しているIn0.7Ga0.3N蛍光体が吸収・赤色発光し、メタノール中に均一に分散しているIn0.5Ga0.5N蛍光体が吸収・緑色発光し、2層に分離している液体22,23で各蛍光体24,32が自ら異なる色で発光し、蛍光部31がコントラストを有する照明装置が得られた。
【0034】
<実施例5>
図6に示した例の照明装置41を作製した。本実施例による照明装置は、透明なガラス製の容器に、2つの層に分離されるように液体としてn−ヘキサンおよびメタノールを用い、n−ヘキサン中に粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.3Ga0.7N(青色蛍光体)を分散させ、メタノール中に粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.6Ga0.4N(黄色蛍光体)を分散させ、さらに容器3の内部に攪拌装置43を設けることで、蛍光部42とした。励起光源としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源から発せられる青紫色の励起光が容器を介して2層に分離される液体中にそれぞれ分散された蛍光体に入射可能なように配置した。
【0035】
このように構成された照明装置41において、攪拌装置43は、2層に分離している液体を攪拌することができる。攪拌しているときには、2つの層は混合される。これにより、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫色を、In0.3Ga0.7N蛍光体からの青色発光および、In0.6Ga0.4N蛍光体からの黄色発光との混色により、蛍光部42からの自発光により、一様に白色に発光する照明装置が得られた。
【0036】
また、攪拌していないときは、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、n−ヘキサン中に均一に分散しているIn0.3Ga0.7N蛍光体が吸収・青色発光し、メタノール中に均一に分散しているIn0.6Ga0.4N蛍光体が吸収・黄色発光し、蛍光部42では2層に分離している各層で、蛍光体自らが異なる色で発光し、コントラストを有する照明装置が得られた。
【0037】
<実施例6>
図1および図2に示した例の照明装置1を作製した。本実施例による照明装置1は、透明なガラス製の容器3に、液体5としてメタノールを収容し、当該液体5中に蛍光体6としてジフェニルアントラセンを分散させ、蛍光部2とした。励起光源4としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源4から発せられる青紫色の励起光が容器3を介して蛍光体6に入射可能なように配置した。
【0038】
このように構成することで、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、メタノール中に均一に分散しているジフェニルアントラセンが吸収・発光し、蛍光部2からの自発光による、青色に発光する照明装置1が得られた。
【0039】
<実施例7>
図6に示した例の照明装置41を作製した。本実施例による照明装置は、透明なガラス製の容器に、2つの層に分離されるように液体としてトルエンおよびメタノールを用い、トルエン中にはローダミンBを分散させ、メタノール中にはジフェニルアントラセンを分散させ、さらに容器3の内部に攪拌装置43を設けることで、蛍光部42とした。励起光源としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源から発せられる青紫色の励起光が容器を介して2層に分離された液体中にそれぞれ分散された蛍光体に入射可能なように配置した。
【0040】
このように構成された照明装置41において、攪拌装置43は、2層に分離している液体を攪拌することができる。攪拌しているときには、2つの層は混合される。これにより、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫色を、ローダミンBからの赤色発光およびジフェニルアントラセンからの青色発光の混色によって、蛍光部42からの自発光により一様に紫色に発光する照明装置が得られた。
【0041】
また、攪拌していないときは、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、トルエン中に均一に分散しているローダミンBが吸収・赤色発光し、メタノール中に均一に分散しているジフェニルアントラセンが吸収・青色発光し、蛍光部42では2層に分離している各層で、蛍光体自らが異なる色で発光し、コントラストを有する照明装置が得られた。
【0042】
<実施例8>
図6に示した例の照明装置41を作製した。本実施例による照明装置は、透明なガラス製の容器に、2つの層に分離されるように液体としてn−ヘキサンおよびメタノールを用い、n−ヘキサン中には粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.6Ga0.4Nを分散させ、メタノール中にはジフェニルアントラセンを分散させ、さらに容器3の内部に攪拌装置43を設けることで、蛍光部42とした。励起光源としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源から発せられる青紫色の励起光が容器を介して2層に分離された液体中にそれぞれ分散された蛍光体に入射可能なように配置した。
【0043】
このように構成された照明装置41において、攪拌装置43は、2層に分離している液体を攪拌することができる。攪拌しているときには、2つの層は混合される。これにより、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫色を、半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.6Ga0.4Nからの黄色発光およびジフェニルアントラセンからの青色発光の混色によって、蛍光部42からの自発光により一様に白色に発光する照明装置が得られた。
【0044】
また、攪拌していないときは、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、n−ヘキサン中に均一に分散している半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.6Ga0.4Nが吸収・黄色発光し、メタノール中に均一に分散しているジフェニルアントラセンが吸収・青色発光し、蛍光部42では2層に分離している各層で、蛍光体自らが異なる色で発光し、コントラストを有する照明装置が得られた。
【0045】
<実施例9>
図6に示した例の照明装置41を作製した。本実施例による照明装置は、透明なガラス製の容器に、液体として水を用い、水中に蛍光体としてSrAl24:Euを分散させ、さらに容器3の内部に攪拌装置43を設けることで、蛍光部42とした。励起光源としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、当該励起光源から発せられる青紫色の励起光が容器を介して2層に分離された液体中にそれぞれ分散された蛍光体に入射可能なように配置した。
【0046】
このように構成された照明装置41において、攪拌装置43は、2層に分離している液体を攪拌することができる。これにより、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、水に分散しているSrAl24:Euが吸収・発光し、蛍光部42からの自発光によって緑色に発光する照明装置が得られた。
【0047】
<実施例10>
図7に示した例の照明装置51を作製した。本実施例による照明装置51は、透明なガラス製の容器3に、液体としてn−ヘキサンを用い、n−ヘキサン中に蛍光体として粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.7Ga0.3Nを分散させ、蛍光部52とした。また、容器3の内部に、励起光源53としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、励起光の出射側に球状の散乱部53を設けることにより、容器3の内部から青紫色の励起光を入射可能なように配置した。
【0048】
このように構成された照明装置において、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、n−ヘキサン中に均一に分散しているIn0.7Ga0.3N蛍光体が吸収・発光し、蛍光部52からの自発光による、赤色に発光する照明装置51が得られた。
【0049】
<実施例11>
図8に示した例の照明装置61を作製した。本実施例による照明装置61は、ステンレス製の容器63に、液体として水を用い、水中に粒径3nmである半導体ナノ結晶粒子蛍光体In0.7Ga0.3Nを分散させ、蛍光部62とした。また、容器63の内部には、ポンプ67および噴出口68を備え、ポンプ67より蛍光体が分散された液体を吸引し、噴出口68より噴出することができるように構成された噴水装置66を設けた。また、励起光源53としてInGaN窒化物半導体発光ダイオードを用い、ステンレス製の容器63および噴水装置66に入射可能なように配置した。
【0050】
このように構成された照明装置61において、InGaN窒化物半導体発光ダイオードからの青紫光を、水に均一に分散しているIn0.7Ga0.3N蛍光体が吸収・発光し、容器63に貯留している蛍光体および噴出口68から噴出している蛍光体からの自発光による、赤色に発光する照明装置が得られた。
【0051】
<比較例1>
図9に示すような典型的な従来例の照明装置101を作製した。すなわち、透明なガラス製の容器102内に、液体103として水を収容し、その中に散乱体としてアルミ箔104を分散させ、また、容器102内に入射可能なように、ハロゲン電球にて実現された白色の照明光源105を配置した。また、容器102内には攪拌装置105を設け、当該攪拌装置105によって液体103およびアルミ箔104が攪拌されるように構成した。
【0052】
このように構成された比較例1の照明装置101において、散乱体であるアルミ箔104は照明光源105からの照明光を反射・散乱して液体の照明を実現する。しかしながら、上述した各実施例に挙げたような照明装置とは異なり、蛍光体などの自発光するものからの発光のような鮮明な光を得ることはできなかった。
【0053】
今回開示された実施の形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の好ましい第1の例の照明装置1を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す照明装置1の蛍光部2を拡大して示す図である。
【図3】本発明の好ましい第2の例の照明装置11を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の好ましい第3の例の照明装置における蛍光部21を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の好ましい第4の例の照明装置における蛍光部31を模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の好ましい第5の例の照明装置41を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の好ましい第6の例の照明装置51を模式的に示す斜視図である。
【図8】本発明の好ましい第7の例の照明装置61を模式的に示す斜視図である。
【図9】比較例1の従来の典型的な照明装置101を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1,11,41,51,61 照明装置、2,12,21,31,42,52,62 蛍光部、3,13,63 容器、4,14,53,64 励起光源、5,22,23,65 液体、6,24,32 蛍光体、7,54,69 散乱部、43 攪拌装置、66 噴水装置、67 ポンプ、68 噴出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に液体が収容され、液体中に蛍光体が分散されてなる蛍光部と、蛍光部における蛍光体を励起するための励起光源とを備える、照明装置。
【請求項2】
前記蛍光体が半導体ナノ結晶粒子蛍光体である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記励起光源が窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光素子を有する、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記蛍光部の液体が、複数の層に分離されている、請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記複数の層がそれぞれ異なる波長で発光する、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記液体を攪拌するための攪拌装置を備える、請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−152115(P2009−152115A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330260(P2007−330260)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】