説明

照明装置

【課題】エレクトロウェッティング現象を利用した液体レンズから構成され、高い光学パワーを得ることができる構成、構造を有する光学装置を組み込んだ照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、(A)液体レンズから成る円柱レンズを備えた光学装置1、
(B)Z軸方向に軸線を有する発光手段2、並びに、(C)発光手段2から出射された光を反射する反射鏡3を具備し、反射鏡3をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部4の断面形状は放物線の一部であり、発光手段2の軸線は、放物線の頂点と焦点との間に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロウェッティング現象を利用した光学装置を組み込んだ照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロウェッティング現象(電気毛管現象)を利用した光学装置の開発が進められている。エレクトロウェッティング現象は、導電性を有する液体と電極との間に電圧を印加したときに電極表面と液体との固液界面におけるエネルギーが変化し、液体表面の形状が変化する現象を云う。
【0003】
図68の(A)及び(B)に、エレクトロウェッティング現象を説明するための原理図を示す。図68の(A)に模式的に示すように、例えば、電極401の表面に絶縁膜402が形成されており、この絶縁膜402の上に電解液から成る導電性の液滴403が置かれているとする。絶縁膜402の表面には撥水処理が施されており、図68の(A)に示すように、電圧を印加していない状態では、絶縁膜402の表面と液滴403との間の相互作用エネルギーは低く、接触角θ0は大きい。ここで、接触角θ0は、絶縁膜402の表面と液滴403の正接線との成す角度であり、液滴403の表面張力や絶縁膜402の表面エネルギー等の物性に依存する。
【0004】
一方、図68の(B)に模式的に示すように、電極401と液滴403との間に電圧を印加すると、液滴側の電解質イオンが絶縁膜402の表面に集中することによって電荷二重層の帯電量変化が生じ、液滴403の表面張力の変化が誘発される。この現象がエレクトロウェッティング現象であり、印加電圧の大きさによって液滴403の接触角θvが変化する。即ち、図68の(B)において、接触角θvは、印加電圧Vの関数として、以下の式(A)の Lippman-Young の式で表される。
【0005】
cos(θv)=cos(θ0)+(1/2)(ε0・ε)/(γLG・t)×V2 (A)
【0006】
ここで、
ε0 :真空の誘電率
ε :絶縁膜の比誘電率
γLG:電解液の表面張力
t :絶縁膜の膜厚
である。
【0007】
以上のように、電極401と液滴403との間に印加する電圧Vの大きさによって、液滴403の表面形状(曲率)が変化する。従って、液滴403をレンズ素子として用いた場合、焦点位置(焦点距離)を電気的に制御できる光学素子を実現することができる。
【0008】
このような光学素子を用いた光学装置の開発が進められている。例えば、特開2000−356708には、ストロボ装置用のレンズアレイが提案されている。このレンズアレイにあっては、基板表面の撥水膜上にアレイ状に配置された絶縁性液体の液滴と導電性液体を封入することで、可変焦点レンズが構成されている。そして、絶縁性液体と導電性液体との間の界面形状で個々のレンズが形成され、エレクトロウェッティング現象を利用して個々のレンズ形状を電気的に制御し、焦点距離を変化させている。また、特開2002−162507には、液体レンズから成る円柱レンズが開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−356708
【特許文献2】特開2002−162507
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特開2000−356708に開示されたレンズアレイにあっては、大きな光学パワーを得ることが困難である。即ち、電圧をオン/オフさせて、レンズの曲率を凹状から平坦に変化させても、例えば、ストロボ装置のガイドナンバーの可変率は1.48であり、大きな可変率を得ることはできない。尚、詳細は後述する。
【0011】
従って、本発明の目的は、エレクトロウェッティング現象を利用した液体レンズから構成され、高い光学パワーを得ることができる構成、構造を有する光学装置を組み込んだ照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る照明装置は、
(A)液体レンズから成る円柱レンズを備えた光学装置、
(B)Z軸方向に軸線を有する発光手段、並びに、
(C)発光手段から出射された光を反射する反射鏡、
を具備する照明装置であって、
反射鏡をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部の断面形状は、放物線の一部であり、
発光手段の軸線は、放物線の頂点と焦点との間に位置することを特徴とする。
【0013】
即ち、本発明の第1の態様に係る照明装置において、放物線の焦点の座標を(p,0)、準線をx=−p(但し、p>0)としたとき、発光手段の軸線は、(X0,0)に位置する。ここで、0<X0<pである。尚、放物線の方程式は
x=y2/(4p)
で表される。
【0014】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る照明装置において、放物線の焦点と発光手段の軸線との間の距離は、0.1mm乃至1mm、好ましくは0.3mm乃至0.5mmであることが望ましい。
【0015】
尚、本発明の第1の態様に係る照明装置において、光反射部の断面形状の軌跡(xの値)が、放物線[x=y2/(4p)]の軌跡から±10%の範囲内に逸脱していたとしても、光反射部の断面形状は放物線であるとする。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る照明装置は、
(A)液体レンズから成る円柱レンズを備えた光学装置、
(B)Z軸方向に軸線を有する発光手段、並びに、
(C)発光手段から出射された光を反射する反射鏡、
を具備する照明装置であって、
反射鏡をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部の断面形状は、楕円の一部であり、
発光手段の軸線は、楕円の長軸との交点と該交点に隣接した焦点との間に位置することを特徴とする。
【0017】
即ち、本発明の第2の態様に係る照明装置において、楕円の方程式を
(x/a02+(y/b02=1 (但し、a0>0,b0>0)
としたとき、発光手段の軸線は、(X0,0)に位置する。ここで、
−a0<X0<−(a02−b021/2
である。
【0018】
あるいは又、本発明の第2の態様に係る照明装置において、楕円の焦点と発光手段の軸線との間の距離は、0.1mm乃至1mm、好ましくは0.3mm乃至0.5mmであることが望ましい。
【0019】
尚、本発明の第2の態様に係る照明装置において、光反射部の断面形状の軌跡(xの値)が、楕円の軌跡から±10%の範囲内に逸脱していたとしても、光反射部の断面形状は楕円であるとする。
【0020】
以上の好ましい構成を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る照明装置(以下、これらを総称して、単に、本発明の照明装置と呼ぶ)における発光手段として、キセノン管、蛍光灯、ランプや、発光ダイオード、半導体レーザ等の半導体発光素子を例示することができる。また、本発明の照明装置の具体的な応用例として、ストロボ装置、表示装置に用いられるバックライトユニット、カメラのオートフォーカス用補助光等を例示することができる。
【0021】
反射鏡は、例えば、金属やプラスチック製の本体に、アルミニウム、クロムや銀等から成る光反射部(光反射層)を、例えば、メッキ法、真空蒸着法やスパッタリング法といった物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)等に基づき形成することで、作製することができる。
【0022】
光学装置に関しては、後に詳しく説明する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の照明装置にあっては、発光手段の軸線は、放物線の頂点と焦点との間に位置し、あるいは又、楕円の長軸との交点とこの交点に隣接した焦点との間に位置するので、照明装置のガイドナンバーの増加を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【実施例1】
【0025】
実施例1は、本発明の第1の態様に係る照明装置に関する。図1の(A)及び(B)に、実施例1の照明装置の概念図を図示する。実施例1の照明装置は、
(A)液体レンズから成る円柱レンズを備えた光学装置1、
(B)Z軸方向に軸線を有する発光手段2、並びに、
(C)発光手段から出射された光を反射する反射鏡3、
を具備している。
【0026】
実施例1の照明装置は、具体的にはストロボ装置である。図1の(A)に、望遠側におけるストロボ装置の動作を模式的に示し、図1の(B)に、広角側におけるストロボ装置の動作を模式的に示す。尚、光学装置1については、後述する。発光手段2は、例えば、直径2.0mmの棒状のキセノン管から成る。また、反射鏡は、プラスチック製の本体に、アルミニウムから成る光反射部(光反射層)4を真空蒸着法に基づき形成することで作製されており、発光手段2は図示しない固定手段によって反射鏡3に固定されており、移動できない構造となっている。光学装置1は、反射鏡3の前面部に、図示しない固定手段によって固定されている。尚、光学装置1における液体レンズから成る円柱レンズの光学パワーの制御、及び、発光手段2の動作の制御を行う制御回路は、周知の制御回路とすることができるので、詳細な説明は省略する。後述する実施例2の照明装置も、同様の構成、構造を有する。
【0027】
そして、実施例1の照明装置にあっては、反射鏡3をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部4の断面形状は、放物線の一部であり、発光手段2の軸線は、放物線の頂点と焦点との間に位置する。尚、放物線の頂点と焦点とを結ぶ直線をX軸とする。
【0028】
具体的には、放物線の焦点の座標を(p,0)、準線をx=−p(但し、p>0)としたとき、発光手段の軸線は、(X0,0)に位置する。ここで、
p=0.506(mm)
であり、
0=0.156(mm)
である。放物線の方程式は
x=y2/(4p)
で表され、光反射部4のX軸方向の長さ(頂点から光学装置1までの距離)は、4mmである。あるいは又、放物線の焦点と発光手段の軸線との間の距離(p−X0)は、0.35mmである。
【0029】
実施例1の照明装置において、エレクトロウェッティング現象を利用して、液体レンズから成る円柱レンズの焦点距離を変化させたときのY軸方向(上下方向)の光量分布を、図2の(A)に示す。比較のために、放物線の焦点と発光手段の軸線とを一致させ、液体レンズから成る円柱レンズの焦点距離を変化させたときのY軸方向(上下方向)の光量分布を、図2の(B)に示す。尚、図2の(A)及び(B)に示したシミュレーション結果は、1本の円柱レンズから成る光学装置を使用したと想定したときに得られた結果である。図2の(A)から、実施例1にあっては、ストロボ装置のガイドナンバーが11.0から18.5へと、1.85倍明るくなったのに対して、図2の(B)に示した比較例にあっては、ストロボ装置のガイドナンバーが13.2から19.5へと、1.48倍しか明るくならなかった。このように、発光手段2の軸線を、放物線の頂点と焦点との間に位置させることで、照明装置のガイドナンバーの増加を図ることができ、ズーム・ストロボの可変率の増加を図ることができた。
【実施例2】
【0030】
実施例2は、本発明の第2の態様に係る照明装置に関する。実施例2の照明装置の概念図は、図1の(A)及び(B)に示したと同様であるし、実施例2の照明装置の構成、構造は、実施例1の照明装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0031】
実施例2の照明装置にあっては、反射鏡3をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部4の断面形状は、楕円の一部であり、発光手段2の軸線は、楕円の長軸との交点とこの交点に隣接した焦点との間に位置する。尚、楕円の長軸との交点と焦点とを結ぶ直線をX軸とする。
【0032】
具体的には、楕円の方程式を
(x/a02+(y/b02=1 (但し、a0>0,b0>0)
としたとき、発光手段の軸線は、(X0,0)に位置する。ここで、
−a0<X0<−(a02−b021/2
である。
【0033】
実施例2の照明装置においても、エレクトロウェッティング現象を利用して、液体レンズから成る円柱レンズの焦点距離を変化させたときのストロボ装置のガイドナンバーの可変率を、楕円の焦点と発光手段の軸線とを一致させたときと比較して増加させることができ、ズーム・ストロボの可変率の増加を図ることができた。
【0034】
実施例1あるいは実施例2における光反射部の関数を、放物線あるいは楕円とする代わりに、非球面関数に基づく関数で置き換えてもよい。
【0035】
一般に、各種の曲面は、以下の式(1)で表すことができる。尚、式(1)中、「c」は曲面がz軸と交わる頂点における曲率の値であり、「e」は離心率である。また、式(1)における「−e2」はコーニック定数(K)あるいは円錐定数とも呼ばれ、一般に、K=0の場合には式(1)は球面を表し、K=−1の場合には式(1)は放物面を表し、K<−1の場合には式(1)は双曲面を表し、−1<K<0の場合には式(1)は楕円面を表す。更には、式(1)の右辺における0次の係数「a」を、「A×r4+B×r6+C×r8+・・・」に置き換えた関数は、非球面関数と呼ばれる。係る非球面関数によって得られる曲面をXY平面で切断したときの形状を、実施例1あるいは実施例2における光反射部とすればよい。
【0036】

【0037】
以下、本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る照明装置での使用に適した光学装置の概要を説明し、次いで、実施例に基づき各種の光学装置を説明する。尚、以下の説明においても、放物線の頂点と焦点とを結ぶ直線をX軸とし、あるいは又、楕円の長軸との交点と焦点とを結ぶ直線をX軸とする。
【0038】
第(I)−1の構成の光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向とは異なる第2の方向(Y軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えた光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第2の方向(Y軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする。
【0039】
尚、第(I)−1の構成の光学装置において、代替的に、第2円柱レンズ群を、液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズが複数、並置された構成とすることもでき、この場合、第2室には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されている。このような光学装置を、第(II)−1の構成の光学装置と呼ぶ。
【0040】
第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面には、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。尚、第1の液体と第2の液体との界面が位置する側面の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する側面の部分の表面にも、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。
【0041】
上記の好ましい形態を含む第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、
第1の仕切板は、第1面から仕切り面まで延びており、
第2の仕切板は、第2面から仕切り面まで延びている、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−1−Aの構成あるいは第(II)−1−Aの構成の光学装置と呼ぶ。
【0042】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、
第1の仕切板は第1面から仕切り面に向かって延びており、
第2の仕切板は第2面から仕切り面に向かって延びており、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−1−Bの構成あるいは第(II)−1−Bの構成の光学装置と呼ぶ。
【0043】
尚、第1の仕切板の頂面とは、第2面に対向した面を指し、第1の仕切板の底面とは、第1面に対向した面を指す。また、第2の仕切板の頂面とは、第1面に対向した面を指し、第2の仕切板の底面とは、第2面に対向した面を指す。次に述べる第(I)−1−Cの構成あるいは第(II)−1−Cの構成の光学装置を除き、以下においても同様である。
【0044】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、
第1の仕切板は仕切り面から第1面に向かって延びており、第1の仕切板の頂面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板は仕切り面から第2面に向かって延びており、第2の仕切板の頂面と第2面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−1−Cの構成あるいは第(II)−1−Cの構成の光学装置と呼ぶ。第(I)−1−Cの構成あるいは第(II)−1−Cの構成の光学装置にあっては、第1の仕切板の頂面とは第1面に対向した面を指し、第2の仕切板の頂面とは第2面に対向した面を指す。
【0045】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、
第1の仕切板の底面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板の底面と第2面との間には隙間が存在し、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−1−Dの構成あるいは第(II)−1−Dの構成の光学装置と呼ぶ。
【0046】
以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、
第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第1の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成し、
第3の液体と第4の液体とは、不溶、不混合であり、第3の液体と第4の液体との界面がレンズ面を構成することが好ましい。
【0047】
更には、以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置にあっては、
第1の液体及び第3の液体は、導電性を有し、
第2の液体及び第4の液体は、絶縁性を有し、
第1室には、第1の液体と接する第1電極、及び、第1の液体とは絶縁された第2電極が配設されており、
第2室には、第3の液体と接する第3電極、及び、第3の液体とは絶縁された第4電極が配設されている、
構成とすることができる。
【0048】
そして、このような電極構成において、第2電極は、第1絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、第4電極は、第2絶縁膜を介して第3の液体と第4の液体との界面に接している構成とすることができる。
【0049】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−1−aの構成あるいは第(II)−1−aの構成の光学装置と呼ぶ。そして、第(I)−1−aの構成あるいは第(II)−1−aの構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられている、
構成とすることができる。あるいは又、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられている、
構成とすることができる。
【0050】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−1−bの構成あるいは第(II)−1−bの構成の光学装置と呼ぶ。そして、第(I)−1−bの構成あるいは第(II)−1−bの構成光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられている、
構成とすることができる。あるいは又、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0051】
第(I)−2の構成の光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向とは異なる第2の方向(Y軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えた光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第2の方向(Y軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする。
【0052】
尚、第(I)−2の構成の光学装置において、代替的に、第2円柱レンズ群を、液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズが複数、並置された構成とすることもでき、この場合、第2室には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されている。このような光学装置を、第(II)−2の構成の光学装置と呼ぶ。
【0053】
第(I)−2の構成あるいは第(II)−2の構成の光学装置にあっては、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面には、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。尚、第1の液体と第2の液体との界面が位置する側面の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する側面の部分の表面にも、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。
【0054】
上記の好ましい形態を含む第(I)−2の構成あるいは第(II)−2の構成の光学装置にあっては、
第1の仕切板は第1面から第2面に向かって延びており、
第2の仕切板は第2面から第1面に向かって延びており、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−2−Aの構成あるいは第(II)−2−Aの構成の光学装置と呼ぶ。
【0055】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む第(I)−2の構成あるいは第(II)−2の構成の光学装置にあっては、
第1の仕切板の底面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板の底面と第2面との間には隙間が存在し、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−2−Bの構成あるいは第(II)−2−Bの構成の光学装置と呼ぶ。
【0056】
以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む第(I)−2の構成あるいは第(II)−2の構成の光学装置にあっては、
第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第1の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成し、
第3の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第3の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成することが好ましい。
【0057】
更には、以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む第(I)−2の構成あるいは第(II)−2の構成の光学装置にあっては、
第1の液体及び第3の液体は、導電性を有し、
第2の液体は、絶縁性を有し、
第1室には、第1の液体と接する第1電極、及び、第1の液体とは絶縁された第2電極が配設されており、
第2室には、第3の液体と接する第3電極、及び、第3の液体とは絶縁された第4電極が配設されている、
構成とすることができる。
【0058】
そして、このような電極構成において、第2電極は、絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、第4電極は、絶縁膜を介して第3の液体と第2の液体との界面に接している構成とすることができる。
【0059】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−2−aの構成あるいは第(II)−2−aの構成の光学装置と呼ぶ。ここで、第2電極と第4電極とは共通の電極から構成されている構造とすることができる。
【0060】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−2−bの構成あるいは第(II)−2−bの構成の光学装置と呼ぶ。ここで、第1電極と第3電極とは共通の電極から構成されている構造とすることができる。
【0061】
更には、以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む第(I)−2の構成あるいは第(II)−2の構成の光学装置にあっては、
第1の液体及び第3の液体は、絶縁性を有し、
第2の液体は、導電性を有し、
第1室には、第2の液体と接する第2電極、及び、第2の液体とは絶縁された第1電極が配設されており、
第2室には、第2の液体と接する第2電極、及び、第2の液体とは絶縁された第3電極が配設されている構成とすることができる。
【0062】
そして、このような電極構成において、第1電極は、第1絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、第3電極は、第2絶縁膜を介して第3の液体と第2の液体との界面に接している構成とすることができる。
【0063】
あるいは又、このような電極構成において、
第2電極は、側面の内面に設けられており、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、第(I)−2−cの構成あるいは第(II)−2−cの構成の光学装置と呼ぶ。
【0064】
第(I)−3の構成の光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向とは異なる第2の方向(Y軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えていることを特徴とする。
【0065】
第(II)−3の構成の光学装置は、液体レンズから成る円柱レンズが複数、ハウジング内に並置されて成ることを特徴とする。
【0066】
第(I)−1の構成、第(I)−2の構成、第(I)−3の構成の光学装置を備えた本発明の照明装置にあっては、発光手段における発光領域の第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った大きさをLe-1、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った大きさをLe-2、照明装置によって照明すべき領域の第1の方向に沿った長さをLi-1、第2の方向に沿った長さをLi-2、第1円柱レンズの第2の方向に沿った配光率をP1-2、第2円柱レンズの第1の方向に沿った配光率をP2-1、kを定数としたとき、
2-1=k×P1-2 (但し、k×(Le-2/Le-1)=Li-2/Li-1
を満足するように、第1円柱レンズの第2の方向に沿った配光率P1-2、第2円柱レンズの第1の方向に沿った配光率P2-1が制御されることが好ましい。
【0067】
ここで、Le-1,Le-2の値は、使用する発光手段によって自ずと決まる値である。一方、Li-1,Li-2の値は適宜決定すればよく、例えば、照明装置をストロボ装置とした場合、最終的には、カメラで用いるフィルムの大きさの横/縦の比、あるいは、カメラに備えられた撮像素子の大きさの横/縦の比を、Li-2/Li-1とすればよい。
【0068】
従って、第(I)−1の構成、第(I)−2の構成、第(I)−3の構成の光学装置を備えた本発明の照明装置を用いた照明方法は、
発光手段における発光領域の第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った大きさをLe-1、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った大きさをLe-2、照明装置によって照明すべき領域の第1の方向に沿った長さをLi-1、第2の方向に沿った長さをLi-2、第1円柱レンズの第2の方向に沿った配光率をP1-2、第2円柱レンズの第1の方向に沿った配光率をP2-1、kを定数としたとき、
2-1=k×P1-2 (但し、k×(Le-2/Le-1)=Li-2/Li-1
を満足するように、第1円柱レンズの第2の方向に沿った配光率P1-2、第2円柱レンズの第1の方向に沿った配光率P2-1を制御する照明方法である。
【0069】
第(III)の構成の光学装置は、液体レンズから成る円柱レンズが複数、配列された光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1支持体、
(b)入射光に対して透明であり、第1支持体に対面した第2支持体、及び、
(c)第1支持体と第2支持体との間に配設された複数の隔壁、
を有するハウジングを備えており、
第1支持体、第2支持体、及び、隔壁によって円柱レンズ室が構成され、
各円柱レンズ室は、液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体の積層構造によって占められており、
各円柱レンズ室の平面形状は、四隅が丸みを帯びた長方形であることを特徴とする。
【0070】
第(III)の構成の光学装置にあっては、第1の液体と第2の液体との界面は、隔壁の側面上に位置する構成とすることが好ましい。
【0071】
上記の好ましい構成を含む第(III)の構成の光学装置にあっては、絶縁膜を介して絶縁性の第1の液体と接する第1電極、及び、導電性の第2の液体と接する第2電極が、各円柱レンズ室に配設されている形態とすることができる。
【0072】
そして、このような好ましい形態にあっては、第1電極は隔壁の側面上に配設され、第2電極は第2支持体上に配設されている形態とすることができる。ここで、係る形態を、便宜上、第(III)−1の構成の光学装置と呼ぶ。第(III)−1の構成の光学装置にあっては、第1電極は隔壁の側面上から第1支持体上に延在している構成とすることができる。あるいは又、このような好ましい形態にあっては、第1電極は隔壁の側面上に配設され、第2電極は第1支持体上に配設されている形態とすることができる。ここで、係る形態を、便宜上、第(III)−2の構成の光学装置と呼ぶ。第(III)−2の構成の光学装置にあっては、第1電極は隔壁の側面上から第2支持体上に延在している形態とすることができる。
【0073】
以上に説明した各種の好ましい構成、形態を含む第(III)の構成の光学装置において、絶縁膜の表面には撥水処理が施されていることが好ましい。
【0074】
また、第(III)の構成の光学装置にあっては、第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であることが望ましい。
【0075】
第(I)−1の構成、第(I)−2の構成、第(I)−3の構成の光学装置において、限定するものではないが、第1円柱レンズ群を構成する第1円柱レンズの本数をN1、第2円柱レンズ群を構成する第2円柱レンズの本数をN2としたとき、N1の値として2乃至10を挙げることができるし、N2の値として2乃至10を挙げることができる。N1の値とN2の値は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0076】
また、第(II)−1の構成、第(II)−2の構成、第(II)−3の構成の光学装置において、限定するものではないが、第1円柱レンズ群を構成する第1円柱レンズの本数をN1、第2円柱レンズ群を構成する第2円柱レンズの本数をN2としたとき、N1の値として2乃至10を挙げることができるし、N2の値として2乃至10を挙げることができる。N1の値とN2の値は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。N1の値とN2の値が同じである場合、第1円柱レンズ群を構成する複数の第1円柱レンズにおける軸線の射影像と、第2円柱レンズ群を構成する複数の第2円柱レンズにおける軸線の射影像とは、重なっていてもよいし、重なっていなくともよい。また、第(II)−1の構成、第(II)−2の構成あるいは第(II)−3の構成の照明装置において、発光手段から出射された光束の内の1本の光束を想定したとき、係る1本の光束が或る第1円柱レンズにおける軸線を通過したとき、係る1本の光束が或る第1円柱レンズに対応する第2円柱レンズにおける軸線を通過する構成としてもよいし、通過しない構成としてもよい。
【0077】
第(III)の構成の光学装置において、各円柱レンズ室の平面形状は、四隅が丸みを帯びた長方形であるが、「丸み」の形状として、外側に向かって凸の円弧、楕円の一部、双曲線の一部、放物線の一部を例示することができるし、外側に向かって凸の任意の滑らかな曲線の一部とすることもできる。円柱レンズ室の中心を通る第1支持体の法線をX軸とし、円柱レンズ室の中心を通る円柱レンズ室の軸線をZ軸とする。ここで、第1電極及び第2電極に電圧を印加し、円柱レンズが最大の光学パワーを発揮しているとき、XZ平面(あるいは、XZ平面と平行な平面)における円柱レンズの光学パワーは実質的に0であり、XY平面における円柱レンズの光学パワーは有限の値である。第1電極及び第2電極に電圧を印加し、円柱レンズが最大の光学パワーを発揮しているときの、XY平面における隔壁の側面上での第1の液体と第2の液体との界面が隔壁の側面と成す角度(接触角)を(180−θ)度とし、隔壁の側面における界面の高さをhとする。尚、円柱レンズが最大の光学パワーを発揮しており、且つ、第1支持体に対面した第2支持体の面(第2支持体の対向面)に向かって凸の状態にある場合には、界面の高さhを、第2支持体に対面した第1支持体の面(第1支持体の対向面)から計った高さとする。一方、円柱レンズが最大の光学パワーを発揮しており、且つ、第1支持体の対向面に向かって凸の状態にある場合には、界面の高さhを、第2支持体の対向面から計った高さとする。更には、円柱レンズ室のXZ平面に沿った長さを2a、XY平面に沿った長さを2bとする。
【0078】
ここで、「r」を以下の式(2)にて定義すると、高さh、長さb及びrの関係は、式(3)で表すことができる。
【0079】
r =b/cos(θ) (2)
2=b2+h2 (3)
【0080】
そして、「丸み」の形状を円弧とする場合、円柱レンズ室の四隅において、接触角は0度を保持できればよいので、円柱レンズ室の四隅における「丸み」の円弧の半径r0の最大値は(b2+h2)であり、最小値はbである。従って、r0は、
b≦r0≦(b2+h21/2
といった範囲内の値とすればよい。
【0081】
液体レンズにおいて、導電性を有する液体(以下、導電性液体と呼ぶ場合がある)として、例えば、水、電解液(塩化カリウムや塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム等の電解質の水溶液)、これらの電解質を溶かし込んだ例えばトリエチレングリコール水溶液、分子量の小さなメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、常温溶融塩(イオン性液体)等の有極性液体、これらの液体の混合物を挙げることができる。尚、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類は、水溶液として導電性を持たせたり、塩を溶かして導電性を持たせて使用すればよい。また、絶縁性を有する液体(以下、絶縁性液体と呼ぶ場合がある)として、例えば、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、ウンデカン等の炭化水素系の材料、シリコーンオイル、フッ素系の材料等の無極性溶媒を挙げることができる。尚、導電性液体と絶縁性液体とは、互いに異なる屈折率を有すると共に、互いに混和することなく存在できることが要求される。また、導電性液体の密度と絶縁性液体の密度を、出来る限り同じ値とすることが望ましい。導電性液体及び絶縁性液体は、入射光に対して透明な液体であることが望ましいが、場合によっては、着色されていてもよい。
【0082】
第(I)−1の構成、第(I)−2の構成、第(I)−3の構成、第(II)−1の構成、第(II)−2の構成、第(II)−3の構成の光学装置において、第1面や第2面、仕切り面を構成する材料は、入射光に対して透明であることが要求される。ここで、「入射光に対して透明である」とは、入射光の光透過率が80%以上であることを意味する。第1面や第2面、仕切り面、第1支持体や第2支持体、隔壁を構成する材料として、具体的には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ガラスを例示することができる。仕切板や側面を構成する材料も同様の材料とすることができる。更には、仕切り面を構成する材料として、シリコーンゴムやセロファンを挙げることもでき、また、シート状であってもよいし、フィルム状であってもよい。各部材を構成する材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0083】
電極は、使用される部位、要求される特性に応じて、ITO系材料、銀添加ITO、IZO系材料、SnO2系材料、In23系材料、Sb25系材料、ZnO系材料、In23−ZnO系材料、Ga添加ZnO、In4Sn312、InGaZnO等の導電性金属酸化物や、金属、合金、半導体材料等から構成された透明電極とすることもできるし、不透明な金属や合金から構成された電極とすることもできる。具体的には、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜を例示することができる。これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル・ゲル法等を挙げることができる。
【0084】
第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜は、電気絶縁性の物質であれば特に制限されず、好適には、比誘電率が比較的高い物質が選択される。また、比較的大きな静電容量を得るために第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜の膜厚は薄い方が好ましいが、絶縁強度を確保できる膜厚以上であることが必要である。第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜を構成する材料として、例えば、SiOX材料やSiN、SiON、酸化フッ化シリコン、ポリイミド樹脂、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化クロム(CrOx)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化スズ(SnO2)、又は、酸化バナジウム(VOx)を挙げることができる。第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜の形成方法として、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法、メッキ法、電着法、浸漬法等の公知のプロセスを挙げることができる。
【0085】
また、例えば、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面(具体的には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板の部分の表面、更には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面(具体的には、第3の液体と第4の液体との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板の部分の表面、更には、第3の液体と第4の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)、あるいは又、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面(具体的には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板の部分の表面、更には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分(具体的には、第3の液体と第2の液体との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板の部分の表面、更には、第3の液体と第2の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)の表面には、撥水処理が施されているが、係る撥水処理として、例えば、ポリパラキシリレンをCVD法で成膜する方法、フッ素系のポリマーであるPVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の材料をコーティングする方法を挙げることができる。また、高誘電率材料と撥水性材料とを複数組み合わせた積層構造で仕切板の表面を被覆してもよい。
【0086】
第(I)−1の構成、第(I)−2の構成、第(I)−3の構成、第(II)−1の構成、第(II)−2の構成、第(II)−3の構成の光学装置における第1円柱レンズの第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った長さLCL-1、及び、第2円柱レンズの第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った長さLCL-2、あるいは又、第(III)の構成の光学装置における円柱レンズのXY平面に沿った長さ2bは、毛管長κ-1以下に設定することが望ましい。ここで、毛管長κ-1とは、界面張力に対して重力の影響を無視できる最大の長さを云い、具体的には、導電性液体と絶縁性液体との間の界面張力をΔγ、導電性液体と絶縁性液体との間の密度差をΔρ、重力加速度をgとしたとき、以下の式(B)で表すことができる。
【0087】
κ-1={Δγ/(Δρ・g)}1/2 (B)
【0088】
毛管長κ-1は、界面を構成する2つの媒体の種類によって異なる。2つの媒体が水と空気、水と油の場合のそれぞれの界面張力、密度差、毛管長を以下の表1に示す。
【0089】
[表1]
界面張力(Δγ) 密度差(Δρ) 毛管長(κ-1
水と空気 72.88(mN/m) 0.99997(g/cm3) 2.7(mm)
水と油 29.5 (mN/m) 0.0129 (g/cm3) 15.2(mm)
【0090】
水と空気の場合の毛管長(κ-1)は2.7mmであるのに対して、水と油の場合の毛管長(κ-1)は15.2mmである。従って、導電性液体と絶縁性液体との間の密度差(Δρ)を0.0129まで小さくすることで、長さLCL-1,LCL-2、2bを最大15.2mmとすることが可能である。
【0091】
第(I)−1の構成、第(I)−2の構成、第(I)−3の構成の光学装置にあっては、エレクトロウェッティング現象を利用して光の配光状態を変化させることができ、しかも、軸線の延びる方向が異なる第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とが立体的に配置されているので、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域がレンズとして機能し、従来の技術のような、液体レンズ素子の四隅の部分の収差が大きいといった問題が生じることがない。また、容易にレンズの占有面積を増やすことができるし、大きな光学パワーを得ることもできる。更には、円柱レンズ群をアレイ状に並べることで、薄型の光学装置を実現することができる。また、軸線の延びる方向が異なる第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とが立体的に配置されているので、光の配光を多方向に独立して制御することができる。
【0092】
また、第(II)−1の構成、第(II)−2の構成、第(II)−3の構成の光学装置にあっては、エレクトロウェッティング現象を利用して光の配光状態を変化させることができ、しかも、軸線の延びる方向が同じである第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とが立体的に配置されているので、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域がレンズとして機能し、従来の技術よりも大きな光学パワーを得ることができるし、光学パワーの変化量を増大させることができる。また、円柱レンズ群をアレイ状に並べることで、薄型の光学装置を実現することができる。
【0093】
更には、第(III)の構成のに光学装置あっては、液体レンズから成る円柱レンズが複数、配列された光学装置であるが故に、容易にレンズの占有面積を増やすことができるし、大きな光学パワーを得ることができる。また、各円柱レンズ室の平面形状は、四隅が丸みを帯びた長方形であるが故に、円柱レンズの四隅における収差を少なくすることが可能となる。更には、複数の円柱レンズをアレイ状に並べることで、薄型の光学装置を実現することができる。
【0094】
しかも、モータ等の駆動部が不要であり、光学装置の部品点数の削減、小型化、薄型化、低コストを実現することができるし、機械的な力の加わる部品がないため、長寿命、高信頼性、音が全く発生しないといった利点を有するし、電圧制御であり、電流は殆ど流れないため、低消費電力を実現できる。
【実施例3】
【0095】
実施例3は、第(I)−1の構成及び第(I)−3の構成の光学装置に関し、具体的には、第(I)−1−Aの構成及び第(I)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例3の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図3の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図3の(B)に示す。
【0096】
実施例3の光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向とは異なる第2の方向(Y軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズ12が複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えている。尚、具体的には、第1の方向と第2の方向とは直交している。後述する実施例4〜実施例15においても同様である。また、円柱レンズは、シリンドリカルレンズ、シリンダーレンズとも呼ばれ、1つの面が円柱の円周面(円柱側面)の一部の形状を有するレンズである。
【0097】
そして、実施例3の光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面31、
(b)入射光に対して透明であり、第1面31に対面した第2面32、
(c)第1面31と第2面32を繋ぐ側面33、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面34、
を有するハウジング30を更に備えている。後述する実施例4〜実施例9、実施例16〜実施例22においても同様である。
【0098】
ここで、第1面31、仕切り面34、及び、側面33の一部によって第1室13が構成され、
第2面32、仕切り面34、及び、側面33の残部によって第2室14が構成され、
第1室13には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第1円柱レンズ11と第1円柱レンズ11とを仕切る第1の仕切板35が配設されており、
第2室14には、第2の方向(Y軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズ12と第2円柱レンズ12とを仕切る第2の仕切板37が配設されており、
第1室13は、第1円柱レンズ11としての液体レンズを構成する第1の液体21及び第2の液体22によって占められおり、
第2室14は、第2円柱レンズ12としての液体レンズを構成する第3の液体23及び第4の液体24によって占められている。後述する実施例4〜実施例9においても同様である。また、後述する実施例16〜実施例22においても、第2室14には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズ12と第2円柱レンズ12とを仕切る第2の仕切板37が配設されている点を除き、同様である。
【0099】
実施例3の光学装置にあっては、少なくとも第1の液体21と第2の液体22との界面が位置する第1の仕切板35の部分の表面(具体的には、第1の液体21と第2の液体22との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板35の部分の表面、更には、第1の液体21と第2の液体22との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体23と第4の液体24との界面が位置する第2の仕切板37の部分の表面(具体的には、第3の液体23と第4の液体24との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板37の部分の表面、更には、第3の液体23と第4の液体24との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)には、撥水処理が施されている。より具体的には、第1の仕切板35の側面(より一層具体的には、第1の仕切板35の側面に形成された第1絶縁膜45上)には撥水処理層36が形成されており、第2の仕切板37の側面(より一層具体的には、第2の仕切板37の側面に形成された第2絶縁膜46上)には、撥水処理層38が形成されている。また、側面33の上に形成された第1絶縁膜45上には撥水処理層36が形成されており、側面33の上に形成された第2絶縁膜46上には撥水処理層38が形成されている。後述する実施例4〜実施例9、実施例16〜実施例22においても同様である。尚、第1絶縁膜45及び第2絶縁膜46の全ての領域の上に撥水処理層が形成されていてもよい。後述する実施例4〜実施例9、実施例16〜実施例22においても同様である。
【0100】
また、実施例3の光学装置にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。
【0101】
そして、実施例3の光学装置にあっては、第1の液体21及び第3の液体23は導電性を有し、第2の液体22及び第4の液体24は絶縁性を有する。後述する実施例4〜実施例9、実施例16〜実施例22においても同様である。
【0102】
更には、第1室13には、第1の液体21と接する第1電極41、及び、第1の液体21とは絶縁された第2電極42が配設されている。一方、第2室14には、第3の液体23と接する第3電極43、及び、第3の液体23とは絶縁された第4電極44が配設されている。具体的には、第2電極42は、第1絶縁膜45を介して第1の液体21と第2の液体22との界面に接しており、第4電極44は、第2絶縁膜46を介して第3の液体23と第4の液体24との界面に接している。ここで、第1電極41は、第1面31の内面に設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面に設けられた透明電極から成る。また、第2電極42は、第1室13を構成する側面33の内面に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する側面33の内面に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられている。更には、第2電極42は、第1の仕切板35の側面にも第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2の仕切板37の側面にも第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられている。このように、第2電極42は第1絶縁膜45で覆われており、第4電極44は第2絶縁膜46で覆われている。後述する実施例4〜実施例9、実施例16〜実施例22においても同様である。尚、図示したように、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に第1絶縁膜45で覆われた状態で延在して設けられていてもよいし、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に第4絶縁膜46で覆われた状態で延在して設けられていてもよい。
【0103】
第1の液体21と第2の液体22とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。また、第3の液体23と第4の液体24とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。後述する実施例4〜実施例9、実施例16〜実施例22においても同様である。
【0104】
実施例3の光学装置にあっては、具体的には、第1面31、第2面32及び仕切り面34は、ガラス、あるいは、アクリル系樹脂等の樹脂から作製されており、側面33、第1の仕切板35及び第2の仕切板37は、ガラス、あるいは、望ましくはアクリル系樹脂等の樹脂から作製されている。また、第1の液体21及び第3の液体23は塩化リチウム水溶液から成り、密度は1.06グラム/cm3であり、屈折率は1.34である。一方、第2の液体22及び第4の液体24はシリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(旧GE東芝シリコーン株式会社)製TSF437)から成り、密度は1.02グラム/cm3であり、屈折率は1.49である。更には、撥水処理層36,38はポリパラキシリレンやフッ素系のポリマーから成る。また、透明電極(実施例3あるいは後述する実施例16にあっては、第1電極41及び第3電極43)はITOから成り、透明性を要求されない場合、電極は、金、アルミニウム、銅、銀等の金属電極から成る。更には、第1絶縁膜45及び第2絶縁膜46は、ポリパラキシレンや酸化タンタル、酸化チタン等の金属酸化物から成る。ハウジング30(あるいは、後述するハウジング130)の平面形状は正方形である。以上に説明した事項は、後述する実施例4〜実施例28においても、特に断りの無い限り、同様とすることができる。
【0105】
実施例3にあっては、第1円柱レンズの第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った長さLCL-1を30mmとし、第2円柱レンズの第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った長さLCL-2を30mmとした。また、第1円柱レンズ群を構成する第1円柱レンズ11の本数をN1、第2円柱レンズ群を構成する第2円柱レンズ12の本数をN2としたとき、N1=N2=10とした。後述する実施例4〜実施例15においても同様である。
【0106】
第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図3の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図3の(B)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例3の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。後述する実施例4〜実施例6においても同様である。
【0107】
ここで、実施例3にあっては、発光手段2における発光領域の第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った大きさをLe-1、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った大きさをLe-2、照明装置によって照明すべき領域の第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った長さをLi-1、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った長さをLi-2、第1円柱レンズの第2の方向に沿った配光率(光拡大率)をP1-2、第2円柱レンズの第1の方向に沿った配光率(光拡大率)をP2-1、kを定数としたとき、
2-1=k×P1-2 (但し、k×(Le-2/Le-1)=Li-2/Li-1
を満足するように、第1円柱レンズの第2の方向に沿った配光率P1-2、第2円柱レンズの第1の方向に沿った配光率P2-1を制御する。
【0108】
例えば、カメラで用いるフィルムが所謂135フィルムの場合、あるいは、カメラに備えられた撮像素子(例えば、CCD素子やCMOSイメージセンサー)にあっては、Li-2/Li-1の値を、フィルムあるいは撮像素子の横/縦の比、即ち、
i-2/Li-1=1.5
とすればよい。また、撮影フォーマットが、例えば、所謂6×6、6×9、6×7、6×4.5の場合、
i-2/Li-1=6/6
i-2/Li-1=9/6
i-2/Li-1=7/6
i-2/Li-1=6/4.5
とすればよい。
【0109】
従って、使用するキセノン管の大きさ、及び、Li-2/Li-1の値からkを求め、更には、係るkの値から、第1円柱レンズの第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った配光率(光拡大率)P1-2、第2円柱レンズの第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った配光率(光拡大率)P2-1を決定する。そして、配光率(光拡大率)P1-2、P2-1が得られるような第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーを各種の試験を行うことで決定し、光学装置の電極に印加すべき電圧をストロボ装置に記憶させておけばよい。
【0110】
以上に説明した配光率の制御は、後述する実施例4〜実施例15の光学装置を組み込んだ照明装置(ストロボ装置)の制御にも適用することができる。
【0111】
場合によっては、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極42と第4電極44とを一体に形成してもよい。後述する実施例4〜実施例6、実施例16〜実施例19においても同様である。また、第1電極41を、第1室13を構成する第1面31の内面から側面33の内面に延在して設けてもよく、第3電極43を、第2室14を構成する第2面32の内面から側面33の内面に延在して設けてもよい。後述する実施例4〜実施例6、実施例16〜実施例19においても同様である。
【実施例4】
【0112】
実施例4は、実施例3の変形であり、具体的には、第(I)−1−Bの構成及び第(I)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例4の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図4の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図4の(B)に示す。
【0113】
実施例3の光学装置にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。
【0114】
一方、実施例4の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から仕切り面34に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から仕切り面34に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例4の光学装置の構成、構造は、実施例3の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0115】
尚、図4の(A)及び(B)に示した例においては、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に設けられているが、実施例4の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例4の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図5の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図5の(B)に示すように、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面にのみ設け、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。尚、側面33の内面に設けられた第2電極42の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第2電極42の部分とは、図示しない領域で一体となっており、側面33の内面に設けられた第4電極44の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第4電極44の部分とは、図示しない領域で一体となっている。第1の仕切板及び第2の仕切板が同様の構造を有する場合、後述する実施例8、実施例10においても同様である。
【実施例5】
【0116】
実施例5も、実施例3の変形であり、具体的には、第(I)−1−Cの構成及び第(I)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例5の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図6の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図6の(B)に示す。
【0117】
実施例5の光学装置にあっては、第1の仕切板35は仕切り面34から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第1面31との間には隙間が存在する。一方、第2の仕切板37は仕切り面34から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37の頂面と第2面32との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例5の光学装置の構成、構造は、実施例3の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例6】
【0118】
実施例6も、実施例3の変形であり、具体的には、第(I)−1−Dの構成及び第(I)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例6の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図7の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図7の(B)に示す。
【0119】
実施例6の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例6の光学装置の構成、構造は、実施例3の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0120】
尚、図7の(A)及び(B)に示した例においては、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に設けられているが、実施例6の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例6の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図8の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図8の(B)に示すように、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面にのみ設け、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。尚、側面33の内面に設けられた第2電極42の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第2電極42の部分とは、図示しない領域で一体となっており、側面33の内面に設けられた第4電極44の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第4電極44の部分とは、図示しない領域で一体となっている。第1の仕切板及び第2の仕切板が同様の構造を有する場合、後述する実施例9、実施例11、実施例13においても同様である。
【実施例7】
【0121】
実施例7は、実施例4の変形であり、具体的には、第(I)−1−Bの構成及び第(I)−1−bの構成の光学装置に関する。実施例7、あるいは後述する実施例8〜実施例9が実施例3、実施例5〜実施例6と相違する点は、第1の液体21及び第3の液体23の配置と、第2の液体22及び第4の液体24の配置が、天地を逆にした点にある。実施例7の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図9の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図9の(B)に示す。
【0122】
実施例7の光学装置にあっては、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられている。一方、第2電極42は、第1面31の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。尚、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられている。
【0123】
以上の点を除き、実施例7の光学装置の構成、構造は、実施例4の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例7の光学装置にあっては、実施例4の光学装置と同様に、第1の仕切板35は第1面31から仕切り面34に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から仕切り面34に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0124】
図9の(A)及び(B)に示した例においては、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられているが、実施例7の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例7の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図10の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図10の(B)に示すように、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0125】
以上に説明した実施例7の光学装置あるいはその変形例にあっては、場合によっては、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第1電極41と第3電極43とを一体に形成してもよい。後述する実施例8〜実施例9においても同様である。
【0126】
あるいは又、実施例7の光学装置の別の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図11の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図11の(B)に示す。この変形例は、実施例3の変形であり、具体的には、第(I)−1−Aの構成及び第(I)−1−bの構成の光学装置に関する。即ち、この変形例にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。そして、第1電極41を、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在させ、第3電極43を、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在させ、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面に延在させ、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面に延在させてもよい。このような場合、所望に応じて、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極42と第4電極44とを一体に形成してもよい。また、図示しないが、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。
【0127】
実施例7にあっても、第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図9〜図11の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図9〜図11の(B)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例7の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。実施例8〜実施例9においても同様である。
【実施例8】
【0128】
実施例8も、実施例3の変形であり、具体的には、第(I)−1−Cの構成及び第(I)−1−bの構成の光学装置に関し、実施例7と実施例5の組合せに関する。実施例8の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図12の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図12の(B)に示す。
【0129】
実施例8の光学装置にあっては、実施例5と同様に、第1の仕切板35は仕切り面34から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第1面31との間には隙間が存在する。一方、第2の仕切板37は仕切り面34から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37の頂面と第2面32との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例8の光学装置の構成、構造は、実施例7の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0130】
尚、実施例8の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図13の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図13の(B)に示すように、実施例7の変形例にて説明したと同様に、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0131】
以上に説明した実施例8の光学装置あるいはその変形例にあっても、所望に応じて、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。
【実施例9】
【0132】
実施例9も、実施例3の変形であり、具体的には、第(I)−1−Dの構成及び第(I)−1−bの構成の光学装置に関し、実施例7と実施例6の組合せに関する。実施例9の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図14の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図14の(B)に示す。
【0133】
実施例9の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例9の光学装置の構成、構造は、実施例7の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0134】
尚、図14の(A)及び(B)に示した例においては、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられているが、実施例9の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例9の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図15の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図15の(B)に示すように、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0135】
以上に説明した実施例9の光学装置あるいはその変形例にあっても、所望に応じて、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。
【実施例10】
【0136】
実施例10は、第(I)−2の構成及び第(I)−3の構成の光学装置に関し、具体的には、第(I)−2−Aの構成及び第(I)−2−aの構成の光学装置に関する。実施例10の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図16の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図16の(B)に示す。
【0137】
実施例10の光学装置は、実施例3において説明したと同様に、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向とは異なる第2の方向(Y軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズ12が複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えている。
【0138】
そして、実施例10の光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面31、
(b)入射光に対して透明であり、第1面31に対面した第2面32、及び、
(c)第1面31と第2面32を繋ぐ側面33、
を有するハウジング130を更に備えている。実施例11〜実施例15、実施例23〜実施例28においても同様である。
【0139】
ここで、第1面31、及び、側面33の一部によって第1室13が構成され、
第2面32、及び、側面33の残部によって第2室14が構成され、
第1室13と第2室14とは連通しており、
第1室13には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第1円柱レンズ11と第1円柱レンズ11とを仕切る第1の仕切板35が配設されており、
第2室14には、第2の方向(Y軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズ12と第2円柱レンズ12とを仕切る第2の仕切板37が配設されており、
第1室13は、第1円柱レンズ11としての液体レンズを構成する第1の液体121及び第2の液体122によって占められており、
第2室14は、第2円柱レンズ12としての液体レンズを構成する第3の液体123及び第2の液体122によって占められている。実施例11〜実施例13においても同様である。また、後述する実施例23〜実施例28においても、第2室14には、第1の方向(Z軸と平行な方向)に延び、第2円柱レンズ12と第2円柱レンズ12とを仕切る第2の仕切板37が配設されている点を除き、同様である。
【0140】
実施例10の光学装置にあっても、少なくとも第1の液体121と第2の液体122との界面が位置する第1の仕切板35の部分の表面(具体的には、第1の液体121と第2の液体122との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板35の部分の表面、更には、第1の液体121と第2の液体122との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体123と第2の液体122との界面が位置する第2の仕切板37の部分(具体的には、第3の液体123と第2の液体122との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板37の部分の表面、更には、第3の液体123と第2の液体122との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)の表面には、撥水処理が施されている。より具体的には、第1の仕切板35の側面(より一層具体的には、第1の仕切板35の側面に形成された絶縁膜145上)には撥水処理層36が形成されており、第2の仕切板37の側面(より一層具体的には、第2の仕切板37の側面に形成された絶縁膜145上)には撥水処理層38が形成されている。また、側面33の上に形成された絶縁膜145上には撥水処理層36が形成されている。実施例11〜実施例15、実施例23〜実施例28においても同様である。尚、絶縁膜145の全ての領域の上に撥水処理層が形成されていてもよい。後述する実施例11〜実施例15、実施例23〜実施例28においても同様である。
【0141】
また、実施例10の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0142】
ここで、実施例10の光学装置にあっては、第1の液体121及び第3の液体123は導電性を有し、第2の液体122は絶縁性を有する。実施例11〜実施例13、実施例23〜実施例26においても同様である。
【0143】
そして、第1室13には、第1の液体121と接する第1電極41、及び、第1の液体121とは絶縁された第2電極42が配設されており、第2室14には、第3の液体123と接する第3電極、及び、第3の液体123とは絶縁された第4電極44が配設されている。具体的には、第2電極42は、絶縁膜145を介して第1の液体121と第2の液体122との界面に接しており、第4電極44は、絶縁膜145を介して第3の液体123と第2の液体122との界面に接している。ここで、第1電極41は、第1面31の内面に設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面に設けられた透明電極から成る。また、第2電極42は、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に絶縁膜145で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に絶縁膜145で覆われた状態で設けられている。
【0144】
第1の液体121と第2の液体122とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。また、第3の液体123と第2の液体122とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。実施例11〜実施例15、実施例23〜実施例28においても同様である。
【0145】
第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図16の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図16の(B)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例10の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。後述する実施例11においても同様である。また、光路に配置された構成要素を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。後述する実施例11〜実施例15においても同様である。
【0146】
尚、第2電極と第4電極を共通化することができる。即ち、第2電極と第4電極とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極と第4電極とを一体に形成してもよい。このような実施例10の光学装置の変形例を、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図17の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図17の(B)に示す。図17の(A)及び(B)においては、第2電極と第4電極が共通化された電極を、第2電極42で示す。
【実施例11】
【0147】
実施例11は、実施例10の変形であり、具体的には、第(I)−2−Bの構成及び第(I)−2−aの構成の光学装置に関する。実施例11の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図18の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図18の(B)に示す。
【0148】
実施例11の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例11の光学装置の構成、構造は、実施例10の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0149】
尚、第2電極と第4電極を共通化することができる。即ち、第2電極と第4電極とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極と第4電極とを一体に形成してもよい。このような実施例11の光学装置の変形例を、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図19の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図19の(B)に示す。図19の(A)及び(B)においては、第2電極と第4電極が共通化された電極を、第2電極42で示す。
【実施例12】
【0150】
実施例12も、実施例10の変形であり、具体的には、第(I)−2−Aの構成及び第(I)−2−bの構成の光学装置に関する。実施例12の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図20の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図20の(B)に示す。
【0151】
実施例12の光学装置にあっては、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられており、第2電極42は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面及び第2の仕切板37の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。以上の点を除き、実施例12の光学装置の構成、構造は、実施例10の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例13】
【0152】
実施例13は、実施例11の変形であり、具体的には、第(I)−2−Bの構成及び第(I)−2−bの構成の光学装置に関する。実施例13の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図21の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図21の(B)に示す。
【0153】
実施例13の光学装置にあっては、実施例12と同様に、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられており、第2電極42は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面及び第2の仕切板37の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。以上の点を除き、実施例13の光学装置の構成、構造は、実施例11の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例14】
【0154】
実施例14も、実施例10の変形であり、具体的には、第(I)−2−Aの構成及び第(I)−2−cの構成の光学装置に関する。実施例14あるいは後述する実施例15が実施例11あるいは実施例12と相違する点は、第1の液体、第2の液体及び第3の液体の組成、配置が異なっている点にある。実施例14の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図22の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図22の(B)に示す。
【0155】
実施例14あるいは後述する実施例27にあっては、第1の液体221及び第3の液体223は、絶縁性を有し、第2の液体222は、導電性を有する。そして、第1室13には、第2の液体222と接する第2電極42、及び、第2の液体222とは絶縁された第1電極41が配設されており、第2室14には、第2の液体222と接する第2電極42、及び、第2の液体222とは絶縁された第3電極43が配設されている。ここで、第1電極41は、第1絶縁膜45を介して第1の液体221と第2の液体222との界面に接しており、第3電極43は、第2絶縁膜46を介して第3の液体223と第2の液体222との界面に接している。尚、第2電極42は側面33の内面に設けられており、第1電極41は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面、第2の仕切板37の側面及び側面33に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。
【0156】
実施例14の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0157】
実施例14にあっても、第1電極41、第2電極42及び第3電極43は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第2電極42と第1電極41との間に電圧を印加すると、第2の液体222と第1の液体221との界面によって構成されたレンズ面が、図22の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。一方、第2電極42と第3電極43との間に電圧を印加すると、第2の液体222と第3の液体223との界面によって構成されたレンズ面が、図22の(B)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例14の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。実施例15においても同様である。
【実施例15】
【0158】
実施例15は、実施例14の変形であり、具体的には、第(I)−2−Bの構成及び第(I)−2−cの構成の光学装置に関する。実施例15の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図23の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図23の(B)に示す。
【0159】
実施例15の光学装置にあっては、実施例11と同様に、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例15の光学装置の構成、構造は、実施例14の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、第1面31の内面に設けられた第1電極41の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第1電極41の部分とは、図示しない領域で一体となっており、第2面32の内面に設けられた第3電極43の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第3電極43の部分とは、図示しない領域で一体となっている。
【実施例16】
【0160】
実施例16は、第(II)−1の構成及び第(II)−3の構成の光学装置に関し、具体的には、第(II)−1−Aの構成及び第(II)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例16の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図24の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図24の(B)に示す。
【0161】
実施例16の光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズ12が複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えている。
【0162】
また、実施例16の光学装置を、第(II)−3の構成の光学装置に沿って説明すると、この実施例16の光学装置は、液体レンズから成る円柱レンズ11,12が複数、ハウジング30内に並置されて成る。
【0163】
また、実施例16の光学装置にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。
【0164】
実施例16にあっては、第1円柱レンズの第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った長さLCL-1を30mmとし、第2円柱レンズの第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った長さLCL-2を30mmとした。また、第1円柱レンズ群を構成する第1円柱レンズ11の本数をN1、第2円柱レンズ群を構成する第2円柱レンズ12の本数をN2としたとき、N1=N2=10とした。後述する実施例17〜実施例28においても同様である。
【0165】
第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図24の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図24の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例16の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。後述する実施例17〜実施例19においても同様である。
【実施例17】
【0166】
実施例17は、実施例16の変形であり、具体的には、第(II)−1−Bの構成及び第(II)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例17の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図25の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図25の(B)に示す。
【0167】
実施例17の光学装置にあっては、実施例4の光学装置と同様に、第1の仕切板35は第1面31から仕切り面34に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から仕切り面34に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例17の光学装置の構成、構造は、実施例16の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0168】
尚、図25の(A)及び(B)に示した例においては、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に設けられているが、実施例17の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例17の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図26の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図26の(B)に示すように、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面にのみ設け、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。尚、側面33の内面に設けられた第2電極42の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第2電極42の部分とは、図示しない領域で一体となっており、側面33の内面に設けられた第4電極44の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第4電極44の部分とは、図示しない領域で一体となっている。第1の仕切板及び第2の仕切板が同様の構造を有する場合、後述する実施例21、実施例23においても同様である。
【実施例18】
【0169】
実施例18も、実施例16の変形であり、具体的には、第(II)−1−Cの構成及び第(II)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例18の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図27の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図27の(B)に示す。
【0170】
実施例18の光学装置にあっては、実施例5の光学装置と同様に、第1の仕切板35は仕切り面34から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第1面31との間には隙間が存在する。一方、第2の仕切板37は仕切り面34から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37の頂面と第2面32との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例18の光学装置の構成、構造は、実施例16の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例19】
【0171】
実施例19も、実施例16の変形であり、具体的には、第(II)−1−Dの構成及び第(II)−1−aの構成の光学装置に関する。実施例19の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図28の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図28の(B)に示す。
【0172】
実施例19の光学装置にあっては、実施例6の光学装置と同様に、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例19の光学装置の構成、構造は、実施例16の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0173】
尚、図28の(A)及び(B)に示した例においては、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に設けられているが、実施例19の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例19の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図29の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図29の(B)に示すように、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面にのみ設け、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。尚、側面33の内面に設けられた第2電極42の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第2電極42の部分とは、図示しない領域で一体となっており、側面33の内面に設けられた第4電極44の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第4電極44の部分とは、図示しない領域で一体となっている。第1の仕切板及び第2の仕切板が同様の構造を有する場合、後述する実施例22、実施例24、実施例26においても同様である。
【実施例20】
【0174】
実施例20は、実施例17の変形であり、具体的には、第(II)−1−Bの構成及び第(II)−1−bの構成の光学装置に関する。実施例20、あるいは後述する実施例21〜実施例22が実施例16、実施例18〜実施例19と相違する点は、第1の液体21及び第3の液体23の配置と、第2の液体22及び第4の液体24の配置が、天地を逆にした点にある。実施例20の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図30の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図30の(B)に示す。
【0175】
実施例20の光学装置にあっては、実施例7の光学装置と同様に、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられている。一方、第2電極42は、第1面31の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。尚、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられている。
【0176】
以上の点を除き、実施例20の光学装置の構成、構造は、実施例17の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例20の光学装置にあっては、実施例17の光学装置と同様に、第1の仕切板35は第1面31から仕切り面34に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から仕切り面34に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0177】
図30の(A)及び(B)に示した例においては、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられているが、実施例20の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例20の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図31の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図31の(B)に示すように、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0178】
以上に説明した実施例20の光学装置あるいはその変形例にあっては、場合によっては、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第1電極41と第3電極43とを一体に形成してもよい。後述する実施例21〜実施例22においても同様である。
【0179】
あるいは又、実施例20の光学装置の別の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図32の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図32の(B)に示す。この変形例は、実施例16の変形であり、具体的には、第(II)−1−Aの構成及び第(II)−1−bの構成の光学装置に関する。即ち、この変形例にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。そして、第1電極41を、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在させ、第3電極43を、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在させ、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面に延在させ、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面に延在させてもよい。このような場合、所望に応じて、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極42と第4電極44とを一体に形成してもよい。また、図示しないが、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。
【0180】
実施例20にあっても、第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図30〜図32の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図30〜図32の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例20の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。実施例21〜実施例22においても同様である。
【実施例21】
【0181】
実施例21も、実施例16の変形であり、具体的には、第(II)−1−Cの構成及び第(II)−1−bの構成の光学装置に関し、実施例20と実施例18の組合せに関する。実施例21の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図33の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図33の(B)に示す。
【0182】
実施例21の光学装置にあっては、実施例18と同様に、第1の仕切板35は仕切り面34から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第1面31との間には隙間が存在する。一方、第2の仕切板37は仕切り面34から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37の頂面と第2面32との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例21の光学装置の構成、構造は、実施例20の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0183】
尚、実施例21の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図34の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図34の(B)に示すように、実施例20の変形例にて説明したと同様に、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0184】
以上に説明した実施例21の光学装置あるいはその変形例にあっても、所望に応じて、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。
【実施例22】
【0185】
実施例22も、実施例16の変形であり、具体的には、第(II)−1−Dの構成及び第(II)−1−bの構成の光学装置に関し、実施例20と実施例19の組合せに関する。実施例22の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図35の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図35の(B)に示す。
【0186】
実施例22の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例22の光学装置の構成、構造は、実施例20の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0187】
尚、図35の(A)及び(B)に示した例においては、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられているが、実施例22の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例22の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図36の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図36の(B)に示すように、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0188】
以上に説明した実施例22の光学装置あるいはその変形例にあっても、所望に応じて、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。
【実施例23】
【0189】
実施例23は、第(II)−2の構成及び第(II)−3の構成の光学装置に関し、具体的には、第(II)−2−Aの構成及び第(II)−2−aの構成の光学装置に関する。実施例23の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図37の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図37の(B)に示す。
【0190】
実施例23の光学装置は、実施例16において説明したと同様に、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向(Z軸と平行な方向)に延びる第2円柱レンズ12が複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えている。
【0191】
また、実施例23の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0192】
そして、第1室13には、第1の液体121と接する第1電極41、及び、第1の液体121とは絶縁された第2電極42が配設されており、第2室14には、第3の液体123と接する第3電極、及び、第3の液体123とは絶縁された第4電極44が配設されている。具体的には、第2電極42は、絶縁膜145を介して第1の液体121と第2の液体122との界面に接しており、第4電極44は、絶縁膜145を介して第3の液体123と第2の液体122との界面に接している。ここで、第1電極41は、第1面31の内面に設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面に設けられた透明電極から成る。また、第2電極42は、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に絶縁膜145で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に絶縁膜145で覆われた状態で設けられている。
【0193】
第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図37の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図37の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例23の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。後述する実施例24においても同様である。また、光路に配置された構成要素を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。後述する実施例24〜実施例28においても同様である。
【0194】
尚、第2電極と第4電極を共通化することができる。即ち、第2電極と第4電極とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極と第4電極とを一体に形成してもよい。このような実施例23の光学装置の変形例を、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図38の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図38の(B)に示す。図38の(A)及び(B)においては、第2電極と第4電極が共通化された電極を、第2電極42で示す。
【実施例24】
【0195】
実施例24は、実施例23の変形であり、具体的には、第(II)−2−Bの構成及び第(II)−2−aの構成の光学装置に関する。実施例24の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図39の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図39の(B)に示す。
【0196】
実施例24の光学装置にあっては、実施例11の光学装置と同様に、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例24の光学装置の構成、構造は、実施例23の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0197】
尚、第2電極と第4電極を共通化することができる。即ち、第2電極と第4電極とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極と第4電極とを一体に形成してもよい。このような実施例24の光学装置の変形例を、第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図40の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図40の(B)に示す。図40の(A)及び(B)においては、第2電極と第4電極が共通化された電極を、第2電極42で示す。
【実施例25】
【0198】
実施例25も、実施例23の変形であり、具体的には、第(II)−2−Aの構成及び第(II)−2−bの構成の光学装置に関する。実施例25の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図41の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図41の(B)に示す。
【0199】
実施例25の光学装置にあっては、実施例12の光学装置と同様に、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられており、第2電極42は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面及び第2の仕切板37の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。以上の点を除き、実施例25の光学装置の構成、構造は、実施例23の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例26】
【0200】
実施例26は、実施例24の変形であり、具体的には、第(II)−2−Bの構成及び第(II)−2−bの構成の光学装置に関する。実施例26の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図42の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図42の(B)に示す。
【0201】
実施例26の光学装置にあっては、実施例13の光学装置と同様に、実施例25と同様に、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられており、第2電極42は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面及び第2の仕切板37の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。以上の点を除き、実施例26の光学装置の構成、構造は、実施例24の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例27】
【0202】
実施例27も、実施例23の変形であり、具体的には、第(II)−2−Aの構成及び第(II)−2−cの構成の光学装置に関する。実施例27あるいは後述する実施例28が実施例24あるいは実施例25と相違する点は、第1の液体、第2の液体及び第3の液体の組成、配置が異なっている点にある。実施例27の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図43の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図43の(B)に示す。
【0203】
実施例27の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0204】
実施例27にあっても、第1電極41、第2電極42及び第3電極43は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第2電極42と第1電極41との間に電圧を印加すると、第2の液体222と第1の液体221との界面によって構成されたレンズ面が、図43の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。一方、第2電極42と第3電極43との間に電圧を印加すると、第2の液体222と第3の液体223との界面によって構成されたレンズ面が、図43の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例27の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。実施例28においても同様である。
【実施例28】
【0205】
実施例28は、実施例27の変形であり、具体的には、第(II)−2−Bの構成及び第(II)−2−cの構成の光学装置に関する。実施例28の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図44の(A)に示し、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図44の(B)に示す。
【0206】
実施例28の光学装置にあっては、実施例24と同様に、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例28の光学装置の構成、構造は、実施例27の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、第1面31の内面に設けられた第1電極41の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第1電極41の部分とは、図示しない領域で一体となっており、第2面32の内面に設けられた第3電極43の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第3電極43の部分とは、図示しない領域で一体となっている。
【実施例29】
【0207】
実施例29は、第(III)の構成の光学装置に関し、より具体的には、第(III)−1の構成の光学装置に関する。実施例29の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図45の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図45の(B)に示す。また、円柱レンズ室の配列状態を模式的に図46に示す。尚、図面においては、図面の簡素化のために3つの円柱レンズを図示したが、円柱レンズの数はこれに限定するものではない。
【0208】
実施例29の光学装置は、液体レンズから成る円柱レンズ320が複数、配列された光学装置であって、
(a)(発光手段からの)入射光に対して透明な第1支持体311、
(b)(発光手段からの)入射光に対して透明であり、第1支持体311に対面した第2支持体312、及び、
(c)第1支持体311と第2支持体312との間に配設された複数の隔壁313、
を有するハウジング310を備えている。
【0209】
そして、第1支持体311、第2支持体312、及び、隔壁313によって円柱レンズ室310Aが構成され、各円柱レンズ室310Aは、液体レンズを構成する第1の液体331及び第2の液体332の積層構造によって占められており、各円柱レンズ室310Aの平面形状は、四隅(コーナー部)が丸みを帯びた長方形である。
【0210】
以上に説明した光学装置の構成は、後述する実施例30〜実施例36においても、同様である。
【0211】
そして、実施例29の光学装置にあっては、絶縁膜342を介して絶縁性の第1の液体331と接する第1電極341、及び、導電性の第2の液体332と接する第2電極344が、各円柱レンズ室310Aに配設されている。第1の液体331と第2の液体332とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。第1の液体331と第2の液体332との界面は、隔壁313の側面上に位置する。以上の構成は、後述する実施例30〜実施例36においても同様である。
【0212】
更には、実施例29の光学装置にあっては、第1電極341は隔壁313の側面上に配設され、第2電極344は第2支持体312上に配設されている。尚、第1電極341は隔壁313の側面上から第1支持体311の対向面上に延在している。以上の構成は、後述する実施例30〜実施例32においても同様である。そして、絶縁膜342の表面には撥水処理が施されている。具体的には、絶縁膜342の表面には撥水処理層343が形成されている。このような構成は、後述する実施例30〜実施例36においても同様である。尚、絶縁膜342の全ての領域の上に撥水処理層が形成されていてもよい。後述する実施例30〜実施例36においても同様である。
【0213】
実施例29の光学装置にあっては、具体的には、第1支持体311、第2支持体312及び隔壁313は、ガラス、あるいは、アクリル系樹脂等の樹脂から作製されている。また、第1の液体331及び第2の液体332は、実施例1において説明したと同様に、シリコーンオイル及び塩化リチウム水溶液から成る。撥水処理層343はポリパラキシリレンやフッ素系のポリマーから成り、絶縁膜342はポリパラキシレンや酸化タンタル、酸化チタン等の金属酸化物から成る。また、第1電極341及び第2電極344は、ITOから成る透明電極から構成されている。尚、電極に透明性を要求されない場合、電極は、金、アルミニウム、銅、銀等の金属電極から構成することができる。ハウジング310の平面形状は正方形である。以上に説明した事項は、後述する実施例30〜実施例36においても、特に断りの無い限り、同様とすることができる。
【0214】
実施例29にあっては、円柱レンズ320のXZ平面に沿った長さ2a及びXY平面に沿った長さ2bを
2a=4mm
2b=1mm
とした。また、円柱レンズ320の個数を
6×6=36個
とした。ここで、「丸み」の形状は円弧であり、「丸み」の円弧の半径r0は、r0=bを満足している。
【0215】
図59の(A)及び(B)に示すように、円柱レンズ室310Aの中心を通る第1支持体の法線をX軸とし、円柱レンズ室310Aの中心を通る円柱レンズ室の軸線をZ軸とする。第1電極341及び第2電極344に電圧を印加し、円柱レンズ320が最大の光学パワーを発揮しているとき、XZ平面(あるいは、XZ平面と平行な平面)における円柱レンズ320の光学パワーは実質的に0であり、XY平面における円柱レンズ320の光学パワーは有限の値である。即ち、図59の(A)に示すように、第1電極341及び第2電極344に電圧を印加し、円柱レンズ320が最大の光学パワーを発揮しているときの、XY平面における隔壁の側面上での第1の液体と第2の液体との界面が隔壁の側面と成す角度(接触角)を(180−θ)度とし、隔壁313の側面における界面の高さをhとする。ここで、「r」は式(2)にて定義したとおりであり、高さh、長さb及びrの関係は、式(3)で表すことができる。
【0216】
Z軸に沿って中心点が原点から(a−b)まで移動したときの、中心点から距離rに位置する点「A」の軌跡を、図59の(B)に一点鎖線で示す。また、Z軸に沿って中心点が原点から(a−b)まで移動したときの、中心点から距離bに位置する点の軌跡を、図59の(B)に実線で示すが、この軌跡は、隔壁313の側面と一致している。場合によっては、
b≦r0≦(b2+h21/2
を満足するようなr0の値を設定してもよい。図59の(B)には、「丸み」の部分における係るr0をr’0の軌跡として点線で示すが、円柱レンズ320のXY平面に沿った長さは2b’であり、b’<r’0である。
【0217】
第1電極341及び第2電極344は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極341と第2電極344との間に電圧を印加すると、第1の液体331と第2の液体332との界面によって構成されたレンズ面が、図45の(A)及び(B)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例29の光学装置にあっては、円柱レンズ320における光学パワーが、独立して可変であり、円柱レンズ320の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。実施例30〜実施例32においても同様である。
【実施例30】
【0218】
実施例30は、実施例29の変形である。実施例30の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図47の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図47の(B)に示す。
【0219】
実施例29の光学装置にあっては、円柱レンズ室310Aと円柱レンズ室310Aとを区画する隔壁313は、第1支持体311から第2支持体312まで延びている。
【0220】
一方、実施例30の光学装置にあっては、円柱レンズ室310Aと円柱レンズ室310Aとを区画する隔壁313は、第2支持体312から第1支持体311に向かって延びているが、隔壁313の頂面と第1支持体311との間には隙間が存在する。この点を除き、実施例30の光学装置の構成、構造は、実施例29の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例31】
【0221】
実施例31も、実施例29の変形である。実施例31の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図48の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図48の(B)に示す。
【0222】
実施例31の光学装置にあっては、円柱レンズ室310Aと円柱レンズ室310Aとを区画する隔壁313は第1支持体311から第2支持体312に向かって延びており、隔壁313の頂面と第2支持体312との間には隙間が存在する。この点を除き、実施例31の光学装置の構成、構造は、実施例29の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例32】
【0223】
実施例32も、実施例29の変形である。実施例32の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図49の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図49の(B)に示す。
【0224】
実施例32の光学装置にあっては、円柱レンズ室310Aと円柱レンズ室310Aとを区画する隔壁313の底面と第1支持体311との間には隙間が存在し、隔壁313の頂面と第2支持体312との間には隙間が存在する。この点を除き、実施例32の光学装置の構成、構造は、実施例29の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例33】
【0225】
実施例33も、実施例29の変形であるが、第(III)−2の構成の光学装置に関する。実施例33の光学装置が実施例29の光学装置と相違する点は、第1の液体331と第2の液体332の配置、並びに、第1電極341及び第2電極344の配置が、天地を逆にした点にある。実施例33の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図50の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図50の(B)に示す。第1電極341は、隔壁313の側面上から第2支持体312上に延在して配設されており、第2電極344は第1支持体311上に配設されている。尚、図50の(A)及び(B)に示した例では、第2電極344は、隔壁313の一部の側面まで延びているが、第2電極344を、第1支持体311の対向面にのみ設けてもよい。以上の点を除き、実施例33の光学装置の構成、構造は、実施例29の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0226】
実施例33にあっても、第1電極341及び第2電極344は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極341と第2電極344との間に電圧を印加すると、第1の液体331と第2の液体332との界面によって構成されたレンズ面が、図50の(A)及び(B)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例33の光学装置にあっては、円柱レンズ320における光学パワーが、独立して可変であり、円柱レンズ320の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。実施例34〜実施例36においても同様である。
【実施例34】
【0227】
実施例34は、実施例30の変形であるが、第(III)−2の構成の光学装置に関する。実施例34の光学装置が実施例30の光学装置と相違する点は、第1の液体331と第2の液体332の配置、並びに、第1電極341及び第2電極344の配置が、天地を逆にした点にある。実施例34の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図51の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図51の(B)に示す。第1電極341は、隔壁313の側面上から第2支持体312上に延在して配設されており、第2電極344は第1支持体311上に配設されている。尚、図51の(A)及び(B)に示した例では、第2電極344は、隔壁313の一部の側面まで延びているが、第2電極344を、第1支持体311の対向面にのみ設けてもよい。
【0228】
あるいは又、XZ平面で切断したときの模式的な断面図を図52の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図52の(B)に示す実施例34の光学装置の変形例にあっては、第2電極344は、隔壁313の一部の側面にのみ形成されている。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0229】
以上の点を除き、実施例34の光学装置の構成、構造は、実施例30の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例35】
【0230】
実施例35は、実施例31の変形であるが、第(III)−2の構成の光学装置に関する。実施例35の光学装置が実施例31の光学装置と相違する点は、第1の液体331と第2の液体332の配置、並びに、第1電極341及び第2電極344の配置が、天地を逆にした点にある。実施例35の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図53の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図53の(B)に示す。第1電極341は、隔壁313の側面上から第2支持体312上に延在して配設されており、第2電極344は第1支持体311上に配設されている。尚、XZ平面で切断したときの模式的な断面図を図54の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図54の(B)に示すように、第2電極344が隔壁313の一部の側面まで延びている構成とすることもできる。
【0231】
あるいは又、XZ平面で切断したときの模式的な断面図を図55の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図55の(B)に示す実施例35の光学装置の変形例にあっては、第2電極344は、隔壁313の一部の側面にのみ形成されている。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0232】
以上の点を除き、実施例35の光学装置の構成、構造は、実施例31の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例36】
【0233】
実施例36は、実施例32の変形であるが、第(III)−2の構成の光学装置に関する。実施例36の光学装置が実施例32の光学装置と相違する点は、第1の液体331と第2の液体332の配置、並びに、第1電極341及び第2電極344の配置が、天地を逆にした点にある。実施例36の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図を図56の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図56の(B)に示す。第1電極341は、隔壁313の側面上から第2支持体312上に延在して配設されており、第2電極344は第1支持体311上に配設されている。尚、XZ平面で切断したときの模式的な断面図を図57の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図57の(B)に示すように、第2電極344が隔壁313の一部の側面まで延びている構成とすることもできる。
【0234】
あるいは又、XZ平面で切断したときの模式的な断面図を図58の(A)に示し、XY平面で切断したときの模式的な断面図を図58の(B)に示す実施例36の光学装置の変形例にあっては、第2電極344は、隔壁313の一部の側面にのみ形成されている。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0235】
以上の点を除き、実施例36の光学装置の構成、構造は、実施例32の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0236】
例えば、実施例5において説明した光学装置(図6参照)は、以下の方法で作製することができる。
【0237】
先ず、側面33、仕切り面34、第1の仕切板35及び第2の仕切板36を作製する。尚、側面33には、液体を注入し、また、液体を排出するための注入口及び排出口を適宜設けておく。そして、側面33、仕切り面34、第1の仕切板35及び第2の仕切板36を、接着剤等を用いて組み立てる。次いで、例えば、スパッタリング法に基づき、側面33、仕切り面34、第1の仕切板35及び第2の仕切板36に、第2電極42及び第4電極44を形成し、例えば、スパッタリング法に基づき、第2電極42上に第1絶縁膜45を形成し、第4電極44上に第2絶縁膜46を形成し、更に、第1絶縁膜45及び第2絶縁膜46上に撥水処理層36,38を形成する。その後、第1電極41及び第3電極43が形成された第1面31及び第2面32を、側面33に固定する。
【0238】
次いで、第1室13及び第2室14を減圧しながら、側面33に設けられた注入口(図示せず)から第2の液体22及び第4の液体24を第1室13及び第2室14に注入する。次いで、側面33に設けられた注入口から第1の液体21及び第3の液体23を、加圧しながら第1室13及び第2室14に注入する。このとき、第1の液体21及び第3の液体23は、第2の液体22及び第4の液体24との間で界面を形成しながら注入され、第2の液体22及び第4の液体24の一部は排出口(図示せず)から排出される。最後に、注入口及び排出口を封止し、電極を外部の制御回路と接続することで、光学装置を完成させることができる。
【0239】
尚、他の実施例において説明した光学装置も、実質的に同様の方法で作製することができる。
【0240】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した光学装置や照明装置(ストロボ装置)の構成、構造は例示であるし、光学装置を構成する材料等も例示であり、適宜、変更することができる。光学装置の平面形状は正方形に限定されず、本質的に任意の形状(例えば、長方形や円形、楕円形、長円形等)とすることができる。また、実施例3〜実施例9においては、第1室の構成と第2室の構成を任意に組み合わせることができる。即ち、実施例3における第1室の構成と、実施例4〜実施例9における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例4における第1室の構成と、実施例3、実施例5〜実施例9における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例5における第1室の構成と、実施例3〜実施例4、実施例6〜実施例9における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例6における第1室の構成と、実施例3〜実施例5、実施例7〜実施例9における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例7における第1室の構成と、実施例3〜実施例6、実施例8〜実施例9における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例8における第1室の構成と、実施例3〜実施例7、実施例9における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例9における第1室の構成と、実施例3〜実施例8における第2室の構成を組み合わせることができる。また、第1円柱レンズ、第1円柱レンズ群の構成と、第2円柱レンズ、第2円柱レンズ群の構成を異ならせてもよい。第1電極、第2電極、第3電極、第4電極の構成、構造、配置状態も、これらの電極と直接、あるいは絶縁膜を介して接する液体の性質(導電性、絶縁性)に応じて、適宜、変更することができる。光学装置の第1円柱レンズ群あるいは第1支持体に光が入射し、第2円柱レンズ群あるいは第2支持体から光が出射してもよいし、光学装置の第2円柱レンズ群あるいは第2支持体に光が入射し、第1円柱レンズ群あるいは第1支持体から光が出射してもよい。また、実施例3〜実施例15においては、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とを組み合わせたが、更に、軸線が延びる方向が異なる第3円柱レンズ群、第4円柱レンズ群・・・を組み合わせることもできる。
【0241】
更には、実施例16〜実施例22においては、第1室の構成と第2室の構成を任意に組み合わせることができる。即ち、実施例16における第1室の構成と、実施例17〜実施例22における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例17における第1室の構成と、実施例16、実施例18〜実施例22における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例18における第1室の構成と、実施例16〜実施例17、実施例19〜実施例22における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例19における第1室の構成と、実施例16〜実施例18、実施例20〜実施例22における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例20における第1室の構成と、実施例16〜実施例19、実施例21〜実施例22における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例21における第1室の構成と、実施例16〜実施例20、実施例22における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例22における第1室の構成と、実施例16〜実施例21における第2室の構成を組み合わせることができる。また、第1円柱レンズ、第1円柱レンズ群の構成と、第2円柱レンズ、第2円柱レンズ群の構成を異ならせてもよい。第1電極、第2電極、第3電極、第4電極の構成、構造、配置状態も、これらの電極と直接、あるいは絶縁膜を介して接する液体の性質(導電性、絶縁性)に応じて、適宜、変更することができる。光学装置の第1円柱レンズ群に光が入射し、第2円柱レンズ群から光が出射してもよいし、光学装置の第2円柱レンズ群に光が入射し、第1円柱レンズ群から光が出射してもよい。また、実施例16〜実施例28においては、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とを組み合わせたが、更に、軸線が延びる方向が同じの第3円柱レンズ群、第4円柱レンズ群・・・を組み合わせることもできる。
【0242】
実施例3〜実施例13、実施例16〜実施例26においては、第1円柱レンズを構成する第2電極を第1円柱レンズ毎に分割し、分割された第2電極毎に印加する電圧を制御してもよいし、第2円柱レンズを構成する第4電極を第2円柱レンズ毎に分割し、分割された第4電極毎に印加する電圧を制御してもよい。また、実施例14〜実施例15、実施例27〜実施例28においては、第1円柱レンズを構成する第1電極を第1円柱レンズ毎に分割し、分割された第1電極毎に印加する電圧を制御してもよいし、第2円柱レンズを構成する第3電極を第2円柱レンズ毎に分割し、分割された第3電極毎に印加する電圧を制御してもよい。実施例29〜実施例36においては、円柱レンズを構成する第1電極を円柱レンズ毎に分割し、分割された第1電極毎に印加する電圧を制御してもよい。
【0243】
あるいは又、第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置においては、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、このような構成の光学装置にあっては、更には、図60の(A)及び(B)、あるいは、図61の(A)及び(B)に示すように、また、図62の(A)及び(B)、あるいは、図63の(A)及び(B)に示すように、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。尚、これらの変形例、あるいは、後述する変形例にあっては、第1の仕切板の側面にも第2電極が設けられ、第2の仕切板の側面にも第4電極が設けられている構成とすることもできる。
【0244】
あるいは又、第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置においては、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成る構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0245】
あるいは又、第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置においては、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する第1面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する第2面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0246】
あるいは又、第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置においては、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0247】
あるいは又、第(I)−1の構成あるいは第(II)−1の構成の光学装置においては、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。
【0248】
実施例29〜実施例36における円柱レンズの配列の変形例を、図64の(A)、(B)、図65の(A)、(B)、図66の(A)、(B)、図67の(A)、(B)に例示する。図64の(A)に示す例にあっては、例えば、5×3=15の円柱レンズが2次元マトリクス状に配列されている。また、図64の(B)に示す例にあっては、円柱レンズが2次元マトリクス状に(但し、千鳥状に)配列されている。図65の(A)及び(B)、並びに、図66の(A)及び図67の(B)に示す例にあっては、X軸の向きが異なる円柱レンズが配列されている。また、図66の(B)に示す例にあっては、大きさの異なる円柱レンズが配列されている。図67の(A)に示す例にあっては、円柱レンズと通常のレンズ(平面形状が円形)が混在して配列されている。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】図1の(A)及び(B)は、実施例1の照明装置の概念図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の照明装置及び比較例の照明装置において、液体レンズから成る円柱レンズの焦点距離を変化させたときの光量分布をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図3】図3の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例3の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例4の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例4の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図6】図6の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例5の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図7】図7の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例6の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図8】図8の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例6の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例7の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図10】図10の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例7の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図11】図11の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例7の光学装置の別の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図16】図16の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例10の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図17】図17の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例10の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図18】図18の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例11の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図19】図19の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例11の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図20】図20の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例12の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図21】図21の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例13の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図22】図22の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例14の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図23】図23の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例15の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図24】図24の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例16の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図25】図25の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例17の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図26】図26の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例17の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図27】図27の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例18の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図28】図28の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例19の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図29】図29の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例19の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図30】図30の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例20の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図31】図31の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例20の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図32】図32の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例20の光学装置の別の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図33】図33の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例21の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図34】図34の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例21の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図35】図35の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例22の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図36】図36の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例22の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図37】図37の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例23の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図38】図38の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例23の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図39】図39の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例24の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図40】図40の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例24の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図41】図41の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例25の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図42】図42の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例26の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図43】図43の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例27の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図44】図44の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例28の光学装置を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図45】図45の(A)及び(B)は、実施例29の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図46】図46は、実施例29の光学装置における円柱レンズ室の配列状態を模式的に示す図である。
【図47】図47の(A)及び(B)は、実施例30の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図48】図48の(A)及び(B)は、実施例31の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図49】図49の(A)及び(B)は、実施例32の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図50】図50の(A)及び(B)は、実施例33の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図51】図51の(A)及び(B)は、実施例34の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図52】図52の(A)及び(B)は、実施例34の光学装置の変形例をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図53】図53の(A)及び(B)は、実施例35の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図54】図54の(A)及び(B)は、実施例35の光学装置の変形例をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図55】図55の(A)及び(B)は、実施例35の光学装置の別の変形例をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図56】図56の(A)及び(B)は、実施例36の光学装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図57】図57の(A)及び(B)は、実施例36の光学装置の変形例をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図58】図58の(A)及び(B)は、実施例36の光学装置の別の変形例をXZ平面で切断したときの模式的な断面図、及び、XY平面で切断したときの模式的な断面図である。
【図59】図59の(A)及び(B)は、円柱レンズ室の模式的な断面図及び平面図である。
【図60】図60の(A)及び(B)は、実施例3の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図61】図61の(A)及び(B)は、実施例3の光学装置の別の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図62】図62の(A)及び(B)は、実施例16の光学装置の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図63】図63の(A)及び(B)は、実施例16の光学装置の別の変形例を第2の方向(Y軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向(Z軸と平行な方向)に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図64】図64の(A)及び(B)は、円柱レンズの配列の変形例を示す模式図である。
【図65】図65の(A)及び(B)は、円柱レンズの配列の変形例を示す模式図である。
【図66】図66の(A)及び(B)は、円柱レンズの配列の変形例を示す模式図である。
【図67】図67の(A)及び(B)は、円柱レンズの配列の変形例を示す模式図である。
【図68】図68の(A)及び(B)は、電気毛管現象を説明するための原理図である。
【符号の説明】
【0250】
1・・・光学装置2・・・発光手段3・・・反射鏡4・・・光反射部11・・・第1円柱レンズ12・・・第2円柱レンズ13・・・第1室14・・・第2室21,121,221・・・第1の液体22,122,222・・・第2の液体23,123,223・・・第3の液体24・・・第4の液体30,130・・・ハウジング31・・・第1面32・・・第2面33・・・側面34・・・仕切り面35・・・第1の仕切板37・・・第2の仕切板36,38・・・撥水処理層41・・・第1電極42・・・第2電極43・・・第3電極44・・・第4電極45・・・第1絶縁膜46・・・第2絶縁膜145・・・絶縁膜310・・・ハウジング310A・・・円柱レンズ室311・・・第1支持体312・・・第2支持体313・・・隔壁320・・・円柱レンズ331・・・第1の液体332・・・第2の液体341・・・第1電極342・・・絶縁膜343・・・撥水処理層344・・・第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)液体レンズから成る円柱レンズを備えた光学装置、
(B)Z軸方向に軸線を有する発光手段、並びに、
(C)発光手段から出射された光を反射する反射鏡、
を具備する照明装置であって、
反射鏡をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部の断面形状は、放物線の一部であり、
発光手段の軸線は、放物線の頂点と焦点との間に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
放物線の焦点と発光手段の軸線との間の距離は、0.1mm乃至1mmであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
放物線の頂点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がY軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Y軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
放物線の頂点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がY軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Y軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
放物線の頂点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Z軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
放物線の頂点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Z軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1支持体、
(b)入射光に対して透明であり、第1支持体に対面した第2支持体、及び、
(c)第1支持体と第2支持体との間に配設された複数の隔壁、
を有するハウジングを備えており、
第1支持体、第2支持体、及び、隔壁によって円柱レンズ室が構成され、
各円柱レンズ室は、液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体の積層構造によって占められており、
各円柱レンズ室の平面形状は、四隅が丸みを帯びた長方形であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
(A)液体レンズから成る円柱レンズを備えた光学装置、
(B)Z軸方向に軸線を有する発光手段、並びに、
(C)発光手段から出射された光を反射する反射鏡、
を具備する照明装置であって、
反射鏡をZ軸に垂直な仮想平面で切断したときの光反射部の断面形状は、楕円の一部であり、
発光手段の軸線は、楕円の長軸との交点と該交点に隣接した焦点との間に位置することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
楕円の焦点と発光手段の軸線との間の距離は、0.1mm乃至1mmであることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
楕円の長軸との交点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がY軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Y軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項11】
楕円の長軸との交点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がY軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Y軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項12】
楕円の長軸との交点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Z軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項13】
楕円の長軸との交点と焦点とを結ぶ直線をX軸としたとき、光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線がZ軸と平行な方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備え、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、Z軸と平行な方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、Z軸と平行な方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項14】
光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1支持体、
(b)入射光に対して透明であり、第1支持体に対面した第2支持体、及び、
(c)第1支持体と第2支持体との間に配設された複数の隔壁、
を有するハウジングを備えており、
第1支持体、第2支持体、及び、隔壁によって円柱レンズ室が構成され、
各円柱レンズ室は、液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体の積層構造によって占められており、
各円柱レンズ室の平面形状は、四隅が丸みを帯びた長方形であることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【公開番号】特開2009−64621(P2009−64621A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230046(P2007−230046)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】