説明

照明装置

【課題】表示する情報を装置自体に表示させるか、スクリーンなど外部に投影して大きな表示をさせるかを自由に選択することができるムードランプとしての機能を有した照明装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも装置本体1の一部を半透明のパネル3で構成し、装置本体1内部に配置された光源体6からの照射光を液晶ディスプレイ8を透過させて上記パネル3の内側面に表示情報を投影し、該表示情報を上記パネル3の外側面から視認できるようにし、上記投液晶ディスプレイ8と上記パネル3との間には反射鏡11を配置し、液晶ディスプレイを透過した照射光を上記反射鏡で反射して上記パネルの裏側面に投影させるとともにパネル全面を明るく照らすようにし、さらに上記反射鏡を開閉蓋4に配設し、該開閉蓋を開くとスクリーンなどに直接表示情報を投影することができ、使用者により投影方法を自由に選択することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、詳しくは情報表示機能を有する照明装置であり、表示情報を装置自体あるいは装置外部に投影することを自由に選択でき、かつムードランプとして室内に独特の雰囲気ある環境を作り出す機能を有した照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ムードランプとしての機能を備えた照明装置として回り灯篭が知られている。この回り灯篭は内外2重に作った灯篭の内側の灯篭が回るように配置され、この内側の灯篭の周面に切り絵が貼り付けられ、内部に配置した照明で照らし出された切り絵が外側の灯篭に映し出されるようにしたものである。しかし、外側の灯篭に表示されるのは影絵であって面白みにかけるものであったため、新たな装飾装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この装飾装置は装置本体の周壁面に開口部を形成し、内部に配置された回転体の周面に表示された絵柄を順次見ることができ、あたかも屋外から室内をみるような情景が再現されるとともに、回転体を内側からランプでライトアップすることにより幻想的な装飾装置を実現するようにしたものである。
【特許文献1】特開平11−195304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の装飾装置は装置の外から見ることができるものは回転体の周囲に表示された絵柄のみで、その絵柄を変化させることも絵柄を拡大してみることもできず、絵柄の大きさや絵柄を見る環境は限定されるものであった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、表示する情報を装置自体に表示させるか、スクリーンなど外部に投影して大きな表示をさせるかを自由に選択することができるムードランプとしての機能を有した照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る照明装置は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)少なくとも装置本体の一部を半透明のパネルで構成し、装置本体内部に配置された光源体からの照射光を液晶ディスプレイを透過させて上記パネルの内側面に表示情報を投影させ、該表示情報を上記パネルの外側面から視認できるようにしたこと
(ロ)上記液晶ディスプレイと上記パネルとの間には反射鏡を配置し、液晶ディスプレイを透過した照射光を上記反射鏡で反射して上記パネルの裏側面に投影させるとともにパネル全面を明るく照らすようにしたこと
【0007】
なお、前記反射鏡は前記装置本体に設けた開閉蓋の内側面に取り付けられ、該開閉蓋を閉じたときには前記液晶ディスプレイを透過した照射光は前記反射鏡で反射されて前記パネルの内側面に表示情報を投影し、開閉蓋を開いたときには前記液晶ディスプレイを透過した照射光は壁などの投影面に表示情報を直接投影するようにし、投影方法を開閉蓋で自由に選択できるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、液晶ディスプレイを透過した光を直接パネルに投影するのではなく、一旦反射鏡で反射してパネルに投影するので、光源からパネルまでの距離を長くすることができ、装置の小型化を図りながらパネルに投影される表示情報を大きく投影することができる。
【0009】
しかも、反射鏡で反射させることにより反転させてパネルの裏側面に投影するので、パネルの表側から液晶ディスプレイに表示された情報を正しく視認することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、開閉蓋を閉じるか開くかの簡単な操作で、表示情報を装置自体に表示させるか、壁などの投影面に投影させるかを自由に選択することができる。
【0011】
しかも、パネルの表側から見る場合は反射鏡で反転させてパネルの裏側に投影し、壁などの投影面に投影させる場合は反転させることなく直接投影させることができるので、液晶ディスプレイの表示画面を投影の仕方によって反転させるか否かの操作やプログラムを必要とせず2つの投影方法を自由に選択できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1(a)は、本発明に係る照明装置の一例を示す正面側斜視図で、この照明装置Aは、球体状に形成された装置本体1が基台2の上で前後左右に自由に回動させることができるように載置されている。上装置記本体1の、前面には半透明の白い樹脂で略半球状に形成されたパネル3が配置され、内側から投影された表示情報がパネル3の表側からパネル3を透して視認できるようになっている。さらに、上記装置本体1の背面側には開閉蓋4がヒンジ5を支点に後方に開放できるようになっている(図1(b)参照)。
【0013】
装置本体1の内部には、図2に示すように、光源体(LED)6と集光レンズ7と液晶ディスプレイ8と投影レンズ9とからなる投影装置10と反射鏡11とが配置され、光源体6の光は液晶ディスプレイ8を透過し、反射鏡11で反射され、液晶ディスプレイ8に表示されている表示情報は、図3(a)に示すように、パネル3の裏側面に反転して投影されるようになっている。
【0014】
上述のようにしてパネル3に反転して投影された表示情報は、装置の外側からパネル3を見ると正しい表示情報aとして表示されるので(図4参照)、ユーザーは表示情報aが文字であっても正しく読み取ることができる。しかも、パネル3は半透明な樹脂なのでパネルに照射される照射光はパネル3の全体を光らせるのでムードランプとしての機能も発揮することができる。
【0015】
一方、図5(a)に示すように、開閉蓋4を開くと開口部12から投影装置10の上面が現れるので、液晶ディスプレイ8を透過した光は、図5(b)に示すように、反射鏡11に反射されることなく開口部12から装置の外に直接照射され、壁などに表示情報aが投影されるので、ムードランプとしての機能だけではなくプロジェクタとしての機能も発揮することができる(図6参照)。この時の表示情報は反射鏡11で反射されることがないため、反転せずに投影面に投影されるのでユーザーは文字で構成された表示情報であっても正しく読み取ることができる。
【0016】
上述のように、液晶ディスプレイ8に表示された表示情報を、パネル3の表側から見る場合は反射鏡11で反転させてパネル3の裏側に投影し、壁などの投影面に投影させる場合は反転させることなく直接投影させることができ、液晶ディスプレイ8の表示を裏返しする操作やプログラムを必要とせず、単に開閉扉4を開閉するか否かで表示情報を間接的に見るか直接的に見るか又は個人で見るか複数で見るかなどの様々な選択を簡単に行なうことができる。
【0017】
しかも、投影装置10を内装し、パネル3に表示情報を照射させる場合は、液晶ディスプレイを透過した透過光を反射鏡11で反射させることにより光源からパネル3までの距離を長くすることができるので、図3(a)に示すように、装置の外径L1が、反射鏡11を用いず直接パネルに照射する場合の装置の外径L2より短くすることができるので(図3(b)参照)、投影装置10を装置の小型化を図りながらパネル3に投影される表示情報をより大きくして表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)(b)は本発明に係る照明装置の正面側斜視図及び背面側斜視図
【図2】上記照明装置の要部縦断面図
【図3】(a)(b)は反射鏡を用いた場合の投影装置とパネルとの関係及び、反射鏡を用いない場合の投影装置とパネルとの関係の説明図
【図4】パネルに表示情報を表示した状態を説明する正面側斜視図
【図5】(a)(b)は開閉蓋を開いた状態の上面図および要部縦断面図
【図6】開閉蓋を開いた状態で表示情報を投影した状態を説明する背面側斜視図
【符号の説明】
【0019】
1 装置本体
2 基台
3 パネル
4 開閉蓋
6 光源体
7 集光レンズ
8 液晶ディスプレイ
9 投影レンズ
10 投影装置
11 反射鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とする照明装置。
(イ)少なくとも装置本体の一部を半透明のパネルで構成し、装置本体内部に配置された光源体からの照射光を液晶ディスプレイを透過させて上記パネルの内側面に表示情報を投影させ、該表示情報を上記パネルの外側面から視認できるようにしたこと
(ロ)上記液晶ディスプレイと上記パネルとの間には反射鏡を配置し、液晶ディスプレイを透過した照射光を上記反射鏡で反射して上記パネルの裏側面に投影させるとともにパネル全面を明るく照らすようにしたこと
【請求項2】
前記反射鏡は前記装置本体に設けた開閉蓋の内側面に取り付けられ、該開閉蓋を閉じたときには前記液晶ディスプレイを透過した照射光は前記反射鏡で反射されて前記パネルの内側面に表示情報を投影し、開閉蓋を開いたときには前記液晶ディスプレイを透過した照射光は壁などの投影面に表示情報を直接投影する、請求項1記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−8822(P2009−8822A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169111(P2007−169111)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】