説明

照明装置

【課題】 簡単な事前作業によって被照射物体に対して照射光を投影できる照明装置を提供する。
【解決手段】 任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、被照射物体10を覆うように照射される第1照射光と被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影するプロジェクタ2と、ユーザの作業によってプロジェクタ2と被照射物体10との距離を計測する手段、ユーザの作業によってプロジェクタ2から投影される投影光の光軸方向と、プロジェクタ2と被照射物体10とを結ぶ直線とがなす角度θ1,θ2を計測する水平回転検出部21及び垂直回転検出部22とを備え、計測された距離及び水平回転検出部21及び垂直回転検出部22により計測された角度を用いてプロジェクタ2により投影される投影光を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意形状の被照射物体に対して照明光を投影する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、任意形状の照明光を照射する照明装置としては、投影機器にゴボやマスクなどと呼ばれるフィルタを設置し、当該投影機器から照明光が出射される投影部を遮光している。これにより、フィルタを通過した照明光は、特定の形に切り抜かれた状態となる。具体的には、従来の照明システムでは、丸、三角、四角などで構成されるベース形状で切り抜かれたフィルタ(ゴボなど)を投影機器に取り付けて、照明光の輪郭に形をつけている。
【0003】
また、従来の照明システムにおいて、被照射物体だけに照射したい場合は、投影機器から出射された照明光の投影位置を被照射物体の位置に合わせた後、投影機器の絞り機能やズーム機能によって大まかな照明光の輪郭を被照射物体の形状に合わせる動作を行っている。
【0004】
更に、従来においては、投影機器であるプロジェクタを照明器具(ライト)の代わりに使用して、空間演出を行う照明システムがある。この照明システムに使用される照明器具は、ムービングプロジェクタとも呼ばれる。このムービングプロジェクタは、照明光として映像光を出射する。このため、照射光の形、色を自由に設定して、動画として変化させることが可能である。
【0005】
しかしながら、この照明システムであっても、照明光に形をつける場合は、従来の照明システムと同様に、ベース形状を用いて、大まかに被照射物体の形状に照明光の輪郭を合わせる手法が採用されている。
【0006】
更にまた、従来においては、立体形状モデルに物体の表面テクスチャを効果的に表現することができる立体表示装置として、下記の特許文献1に記載された技術が知られている。
【非特許文献1】http://www.egghouse.com/gobo/about.htm
【非特許文献2】http://www.ushiolighting.co.jp/product/productimage/pdf/dl2.pdf
【特許文献1】特開2006−338181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の照明システムにおいては、予め用意しておいた形状フィルタや絞り、ズームを用いるので、被照射物体に対して大まかに照明光の形状をあわせることしかできない。また、従来の照明システムにおいては、被照射物体の位置変更や姿勢変更をしたい場合では、新たに形状フィルタなどを作成する必要があり、簡単には被照射物体の演出変更ができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、簡単な事前作業によって被照射物体に対して照射光を投影できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、上述の課題を解決するために、被照射物体を覆うように照射される第1照射光と被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影する投影手段と、ユーザの作業によって投影手段と被照射物体との距離を計測する距離計測手段と、距離計測手段により計測された距離を用いて投影手段により投影される投影光を制御する制御手段とを備える。
【0010】
本発明は、任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、被照射物体を覆うように照射される第1照射光と被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影する投影手段と、ユーザの作業によって投影手段から投影される投影光の光軸方向と、投影手段と被照射物体とを結ぶ直線とがなす角度を計測する角度計測手段と、角度計測手段により計測された角度を用いて投影手段により投影される投影光を制御する制御手段とを備える。
【0011】
本発明は、任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、被照射物体を覆うように照射される第1照射光と被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影する投影手段と、ユーザの作業によって投影手段と被照射物体との距離を計測する距離計測手段と、ユーザの作業によって投影手段から投影される投影光の光軸方向と、投影手段と被照射物体とを結ぶ直線とがなす角度を計測する角度計測手段と、距離計測手段により計測された距離及び角度計測手段により計測された角度を用いて投影手段により投影される投影光を制御する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、投影手段と被照射物体との距離を計測する距離計測手段を備えているので、距離を計測する簡単な事前作業によって被照射物体に対して照射光を投影できる。
【0013】
本発明によれば、投影手段から投影される投影光の光軸方向と、投影手段と被照射物体とを結ぶ直線とがなす角度を計測する角度計測手段を備えているので、角度を計測する簡単な事前作業によって被照射物体に対して照射光を投影できる。
【0014】
本発明によれば、投影手段と被照射物体との距離を計測すると共に投影手段から投影される投影光の光軸方向と、投影手段と被照射物体とを結ぶ直線とがなす角度を計測する簡単な事前作業によって被照射物体に対して照射光を投影できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
[第1実施形態]
本発明は、例えば、図1乃至図3に示すように構成された第1実施形態に係る照明システムに適用される。
【0017】
この照明システムは、光制御ユニット1と、当該光制御ユニット1の制御によって動作するプロジェクタ2A,2B(以下、総称する場合には単に「プロジェクタ2」と呼ぶ。)と、当該プロジェクタ2A,2Bのそれぞれに設けられたカメラ装置3A,3B(以下、総称する場合には単に「カメラ装置3」と呼ぶ。)(撮影手段)と、パーソナルコンピュータ4とを備える。この照明システムは、ユーザの簡単な操作のみによって、特定の被照射物体10A,10B(以下、総称する場合には単に「被照射物体10」と呼ぶ。)のみにプロジェクタ2から照明光を投影するものである。
【0018】
この照明システムは、プロジェクタ2Aとカメラ装置3Aとが近接して設けられ、プロジェクタ2Bとカメラ装置3Bとが近接して設けられている。プロジェクタ2Aとカメラ装置3Aとの位置関係が調整されていることによってプロジェクタ2Aの投影範囲Aとカメラ装置3Aの撮影範囲Aとは一致したものとなっている。同様に、プロジェクタ2Bとカメラ装置3Bとの位置関係が調整されていることによってプロジェクタ2Bの投影範囲Aとカメラ装置3Bの撮影範囲Aとは一致したものとなっている。
【0019】
この照明システムは、後述するプロジェクタ2A,2Bによって計測された距離情報に従って、光制御ユニット1が、プロジェクタ2A,2Bから出力する画像データを加工する。これにより、照明システムは、ユーザの操作に応じて、照明光によって被照射物体10A,10Bを覆うような投影光をプロジェクタ2A,2Bから投影する。
【0020】
プロジェクタ2A,2Bは、ショーウインドウ空間などの所定の空間に設置される。この所定の空間には、マネキンなどの被照射物体10A,10Bが設置され、プロジェクタ2A,2Bは、当該被照射物体10A,10Bを照明光で覆うような投影光を投影する。このプロジェクタ2A,2Bの投影範囲Aは、プロジェクタ2A,2Bの設置位置及び姿勢、画角や打ち込み角度によって決定される。
【0021】
プロジェクタ2A,2Bには、光制御ユニット1から投影光データが供給される。この投影光データは、プロジェクタ2A,2Bの所定の投影範囲のうちの照明光が照射される照明範囲と非照明範囲とを決定するものである。プロジェクタ2A,2Bは、被照射物体である被照射物体10A,10Bを覆うように照射される第1照射光(照明光)と被照射物体以外に照射される第2照射光(背景光)とを含む投影光を投影する。この投影光データは、プロジェクタ2A,2Bのそれぞれが持つ距離計測機能によって計測された距離情報に従って補正される。
【0022】
プロジェクタ2には、ユーザの作業によって、当該プロジェクタ2と被照射物体10との距離を計測する距離計測部20が備えられている。この距離計測部20は、例えば図3(a)、(b)に示すように、筐体201内に、帯状物202を巻き取り及び引き出し可能な機構(巻き取り機構)を内蔵して構成されている。そして、被照射物体10及びプロジェクタ2の設置時に、作業者によって帯状物202を引き出して、当該帯状物202の先端に設けられている接地部203を被照射物体10の光照射面に当接する。このとき、距離計測部20は、帯状物202の巻き取り機構からの帯状物202の引き出し量を、プロジェクタ2と被照射物体10との距離として取得することができる。
【0023】
この引き出し量の取得方法としては、帯状物202上に描かれた目盛を作業者が読み込み、ユーザの操作に従って距離情報をパーソナルコンピュータ4から光制御ユニット1の投影光データ生成部12に出力するものとしても良い。また、筐体201に内蔵したエンコーダなどによって巻き取り機構の引き出し量を自動的に計測して、距離情報を光制御ユニット1の投影光データ生成部12に出力しても良く、帯状物202上に描かれた目盛を自動的に読み取って距離情報を出力しても良い。
【0024】
カメラ装置3A,3Bは、プロジェクタ2A,2Bから出射された照明光によって空間演出される所定の投影範囲Aを含む所定の所定の空間を撮影範囲Aとするものである。カメラ装置3A,3Bは、CCD等の撮影素子や光学部品等からなる撮影部31と、撮影部31によって撮影された撮影画像データを光制御ユニット1に出力する撮影画像データ出力部32とを備える。
【0025】
パーソナルコンピュータ4は、表示モニタ(表示手段)41、操作I/Fであるキーボード42及びマウス43、その他のCPUやメモリ等で構成されている。表示モニタ41は、カメラ装置3A,3Bによって撮影された撮影画像データが光制御ユニット1の撮影画像データ入力部11を介して供給される。これにより表示モニタ41は、例えば、ユーザが空間演出しようとするショーウインドウ空間を提示することができる。
【0026】
操作I/F42,43は、ユーザの操作を検出する機構を備え、各種の投影条件(映像、絵柄、色、輝度など)を設定するための操作信号を光制御ユニット1に供給する。この操作I/F42,43は、例えば表示モニタ41の表示画面に内蔵されたタッチパネル機構及びユーザによってタッチパネル機構に対してタッチ操作される操作スティックからなるものであっても良い。
【0027】
光制御ユニット1は、図2に示すように、撮影画像データ入力部11と、投影光データ生成部12と、画像記憶部13と、投影光描画部14とを備える。なお、光制御ユニット1は、I/F回路、CPU、プログラムメモリ、RAM等からなるハードウェアで構成されているが、図2では説明の便宜上、機能ブロックとして示している。
【0028】
撮影画像データ入力部11は、カメラ装置3と接続され、当該カメラ装置3の撮影画像データ出力部32から撮影画像データが供給される。プロジェクタ2の投影範囲Aとカメラ装置3の撮影範囲Aとが一致するようにプロジェクタ2及びカメラ装置3の位置決めがされているため、この撮影画像データは、プロジェクタ2の投影範囲Aを表す映像となっている。この撮影画像データは、撮影画像データ入力部11によってパーソナルコンピュータ4の表示モニタ41に供給される。これにより、ユーザに、プロジェクタ2の投影範囲Aから見た映像を提示する。
【0029】
投影光データ生成部12は、プロジェクタ2の距離計測部20及びパーソナルコンピュータ4の操作I/F42,43と接続されている。投影光データ生成部12は、操作I/F42,43から供給された操作信号に従ってプロジェクタ2が投影範囲Aに対して投影するための投影光データを生成する。
【0030】
投影光データ生成部12は、画像記憶部13に記憶された各種の投影光データ及び操作信号に基づいて投影光データを生成する投影光生成部121と、投影光のうちの照明光を被照射物体10の形状に合わせて補正する照明光補正部122と、距離情報に基づいて投影光データを補正する投影光補正部123とを備える。ここで、画像記憶部13には、各種の投影光データが記憶されている。この投影光データは、プロジェクタ2が駆動するための画像データでもある。投影光データとしては、単色光、模様、文字、映像などの絵柄が入った画像データが挙げられる。投影光データは、パーソナルコンピュータ4がユーザによって操作され、何れかの投影光データが選択されて、投影光データ生成部12に供給される。
【0031】
投影光データ生成部12の投影光生成部121は、パーソナルコンピュータ4からの操作信号に応じて、投影光における照明光及び背景光の色、絵柄、文字、映像などを組み合わせて投影光データを作成する。投影光データは、例えば被照射物体10全体を単色で照らす場合、照明光の投影範囲全体が単色の信号となっている。また、投影光生成部121は、複数色のパターン画像又は映像となっている照明光を被照射物体10をコーティングするコーティング光とする場合にも、照明光の投影範囲全体がパターン画像又は映像となっている映像信号である。この投影光生成部121によって入力又は生成された投影光データは、照明光補正部122に供給される。
【0032】
照明光補正部122は、被照射物体10に照明光を照射させたときに、被照射物体10を照明光でコーティングさせるように投影光データを補正する。照明光補正部122は、以下に説明するコーティング補正処理によって、照明光の輪郭を被照射物体10の輪郭と合致するように投影光データを補正する。
【0033】
コーティング補正処理は、被照射物体10の輪郭形状に合わせて照明光に含まれる照明光の輪郭をカットするように投影光データを補正する。これにより、コーティング補正処理は、被照射物体10のみに照明光を投影し、被照射物体10以外には背景光を投影するように、照明光の照射範囲をカッティング処理する。
【0034】
ここで、コーティング補正処理は、任意形状の被照射物体10の形状データを用いる。コーティング補正処理は、この形状データに従って、照明光の照射範囲をカッティング処理する。この形状データは、カメラ装置3で撮影された画像を解析して被照射物体10の形状を抽出したものであっても良く、コンピュータグラフィック技術によって3次元的に再現された多方向の形状データであっても良い。
【0035】
コーティング補正処理は、照明光補正部122によって、形状データを用いてマッピング処理を行うことにより、被照射物体10の形状に応じた照明光の形状及びサイズが調整された投影光データを作成する。このマッピング処理により、平面映像を表す投影光データは、任意形状の被照射物体10上のみに照明光をマッピングし、被照射物体10以外の部分には照明光をマッピングしていない投影光データとなる。このマッピング処理を施した映像信号は、照明光を被照射物体10に投影し、背景光を、照明光に相当する映像部分以外に投影する映像信号となる。
【0036】
また、照明光補正部122は、プロジェクタ2の投影画角、光軸シフト量等のプロジェクタ2の性能や観察者の位置も、パーソナルコンピュータ4から入力して投影光データの補正をしても良い。具体的には、照明システムは、予め設定しておいた観察者位置と、被照射物体10の形状と、プロジェクタ2と被照射物体10との相対的な位置及び姿勢とをパーソナルコンピュータ4から入力し、照明光を被照射物体10に投影した時にコーティングできる補正パラメータとして、補正テーブルを作成しておく。この補正テーブルは、平面の投影面と任意形状である被照射物体10の投影面のメッシュモデルとの対応マップである。この対応マップは、当該補正テーブルに従って座標変換を行い、投影光データの画素ごとに、平面表示用の投影光データを任意形状への表示用の投影光データに変換するためのものである。
【0037】
このように照明光補正部122は、被照射物体10の形状に合わせて投影光のうちの照明光の輪郭を変更することができる。
【0038】
投影光データ生成部12は、距離計測部20からの距離情報を入力して投影光の特性を補正する投影光補正部123を備えている。この投影光補正部123は、距離計測部20により計測されたプロジェクタ2と被照射物体10との距離情報に基づいて、投影光の光束、色の濃さ、投影範囲の少なくとも一つを変更する制御手段となる。プロジェクタ2と被照射物体10との距離が大きいほど投影光が減衰するために、ユーザが希望するように被照射物体10を照射するためには、投影光の光束及び色の濃さを大きくする必要がある。したがって、この照明システムは、プロジェクタ2及び被照射物体10を設置した時に、距離計測部20によってプロジェクタ2と被照射物体10との距離を計測するだけで、適切な光束、色の濃さで被照射物体10に照明光を投影すると共に背景に背景光を投影できる。また、距離計測部20により計測されたプロジェクタ2と被照射物体10との距離が長いほどプロジェクタ2の投影範囲を絞り、距離が短いほどプロジェクタ2の投影範囲を拡げる。これにより、被照射物体10に対する投影範囲をユーザが望む投影範囲とする。
【0039】
すなわち、投影光における照明光及び背景光の光束、色、色温度、投影範囲等を含む投影光の特性は、パーソナルコンピュータ4に対するユーザの操作に従って調整可能である。しかし、この照明システムによれば、ユーザの作業によって距離計測部20がプロジェクタ2と被照射物体10との距離を実際に計測し、この距離に応じて投影光の光束、色の濃さ、投影範囲を補正する。これにより、ユーザがプロジェクタ2と被照射物体10との正確な距離を意識することなく、希望する投影光の特性を指定するのみで、専門的な技能を持っていなくても適切な光束、色の濃さ、投影範囲で被照射物体10に照明光を投影すると共に背景に背景光を投影できる。
【0040】
なお、投影光補正部123は、距離計測部20により計測されたプロジェクタ2と被照射物体10との距離に基づいて、投影光の光束、色の濃さ、投影範囲の少なくとも一つを変更するものであっても良い。
【0041】
具体的には、照明システムは、パーソナルコンピュータ4が操作されることによって、ユーザによって、プロジェクタ2と被照射物体10との距離に応じたプロジェクタ2の光束[lm]が指定される。例えば、プロジェクタ2と被照射物体10との距離が5m〜10mは70%、10m〜15mは90%、15m以上は100%といったように距離の閾値で光束[lm]を決定する。これに対し、照明システムは、距離計測部20によって計測された距離に比例して、投影光補正部123によって光束[lm]を増加する。また、投影光補正部123は、距離の2乗に比例して光束[lm]を増加させても良い。これによって照明システムは、ユーザが希望する距離に応じた投影光の光束を基準として、実際に計測した距離に応じた投影光の光束を調整して、ユーザの希望に沿った光束の投影光を被照射物体10に照射できる。
【0042】
投影光描画部14は、投影光データ生成部12から供給された投影光データに対して描画処理を施して、プロジェクタ2から投影光を投影させる。ここで、投影光描画部14は、投影光データ生成部12によって、プロジェクタ2A,2Bそれぞれについての投影光データが生成された場合には、それぞれの投影光データに対して描画処理を行って、プロジェクタ2A,2Bから投影光を投影させる。なお、この投影光描画部14による描画処理については、後に補足的に説明することとする。
【0043】
以上説明したように、この照明システムによれば、プロジェクタ2に距離計測部20を設け、簡単な作業でプロジェクタ2と被照射物体10との距離を計測でき、当該距離計測部20によって計測した距離に応じて投影光の特性を補正することができる。
【0044】
また、この照明システムによれば、ユーザの簡単な事前作業によって距離計測部20によって計測されたプロジェクタ2と被照射物体10との距離に応じて投影光の光束を任意に変化させることができ、ユーザの希望に沿って設定された光束を、実際に計測された距離に応じた適切な光束に補正できる。
【0045】
[第2実施形態]
つぎに、本発明を適用した第2実施形態に係る照明システムについて説明する。なお、上述した説明と重複する部分については、同一符号を付することによってその詳細な説明を省略する。
【0046】
この照明システムは、図4に示すように、ユーザの作業によってプロジェクタ2から投影される投影光の光軸方向と、プロジェクタ2と被照射物体10とを結ぶ直線とがなす角度を計測する角度計測手段としての水平回転検出部21及び垂直回転検出部22と、当該水平回転検出部21及び垂直回転検出部22により計測された角度を用いてプロジェクタ2により投影される投影光を制御する制御手段としての配光方向算出部124を備える点で第1実施形態に係る照明システムとは異なる。
【0047】
また、この照明システムは、プロジェクタ2により投影される投影光を制御する制御手段として、水平回転検出部21及び垂直回転検出部22により計測された角度に基づいて、プロジェクタ2から投影される投影光の光軸を被照射物体10に向けるように水平回転駆動部23及び垂直回転駆動部24を制御する。
【0048】
このような照明システムにおけるプロジェクタ2は、図5(a)に示すように、当該プロジェクタ2の下部に水平回転検出部21及び垂直回転検出部22が設けられている。水平回転検出部21は、プロジェクタ2の水平方向に回転可能となっている。このプロジェクタ2の水平方向における回転量は、水平回転検出部21に備えられた角度センサによって計測される。この計測された水平方向の回転量は、光制御ユニット1に供給される。垂直回転検出部22は、プロジェクタ2の垂直方向に回転可能となっている。このプロジェクタ2の垂直方向における回転量は、垂直回転検出部22に備えられた角度センサによって計測される。この計測された垂直方向の回転量は、光制御ユニット1に供給される。
【0049】
また、垂直回転検出部22には、内蔵された巻き取り機構によって帯状物221が引き出し可能となっている。したがって、被照射物体10に対して帯状物221の接地部222を当接させ、帯状物221が被照射物体10に対して直線状となるように水平回転検出部21及び垂直回転検出部22を水平方向及び垂直方向に回転させる。この水平方向及び垂直回転への回転量は、水平回転検出部21及び垂直回転検出部22によって検出されることとなる。
【0050】
したがって、図5(b)に上面図を示すように、水平回転検出部21を水平方向に回転させた時の水平方向の回転量に基づいて、配光方向算出部124は、プロジェクタ2の光軸(水平方向)に対する角度θ1を求めることができる。同様に、図5(c)に側面図を示すように、垂直回転検出部22を垂直方向に回転させた時の垂直方向の回転量に基づいて、配光方向算出部124は、プロジェクタ2の光軸(垂直方向)に対する角度θ2を求めることができる。
【0051】
このように第2実施形態に係る照明システムによれば、帯状物221の先端にある接地部222を被照射物体10に当接させる作業のみで、プロジェクタ2が設置された状態における光軸方向に対する、プロジェクタ2と被照射物体10とを結ぶ直線がなす水平方向角度θ1及び垂直方向角度θ2を簡単に求めることができる。
【0052】
そして、照明システムは、水平回転検出部21及び垂直回転検出部22により計測された水平方向角度θ1,垂直方向角度θ2に基づいて、プロジェクタ2から投影される投影光の光軸を被照射物体10に向けるように水平回転駆動部23及び垂直回転駆動部24を制御する。水平回転駆動部23及び垂直回転駆動部24は、図6に示すように、プロジェクタ2の上部に設けられている。水平回転駆動部23は、水平方向に回転駆動する回転アクチュエータからなり、垂直回転駆動部24は、垂直方向に回転駆動する回転アクチュエータからなる。
【0053】
水平回転駆動部23及び垂直回転駆動部24は、配光方向算出部124によって算出された水平方向角度θ1及び垂直方向角度θ2に基づいて、光制御ユニット1から制御信号が供給される。水平回転駆動部23は制御信号に従って水平方向角度θ1分だけ回転駆動し、垂直回転駆動部24は制御信号に従って垂直方向角度θ2分だけ回転駆動する。これにより、プロジェクタ2の光軸を被照射物体10に向けることができる。
【0054】
このように、第2実施形態に係る照明システムによれば、ユーザの簡単な事前作業によって水平方向角度θ1及び垂直方向角度θ2を計測して、当該計測された水平方向角度θ1及び垂直方向角度θ2にプロジェクタ2の光軸を向けることができる。
【0055】
[第3実施形態]
つぎに、本発明を適用した第3実施形態に係る照明システムについて説明する。なお、上述した説明と重複する部分については、同一符号を付することによってその詳細な説明を省略する。
【0056】
この照明システムは、図7に示すように、プロジェクタ2に、距離計測部20、水平回転検出部21及び垂直回転検出部22によってプロジェクタ2と被照射物体10との距離、水平方向角度θ1及び垂直方向角度θ2を計測して、光制御ユニット1に供給する。
【0057】
また、照明システムは、投影光データ生成部12に、ユーザの作業によって距離計測部20により計測された距離、ユーザの作業によって水平回転検出部21及び垂直回転検出部22により計測された水平方向角度θ1及び垂直方向角度θ2を用いて、プロジェクタ2と被照射物体10との位置関係を算出する位置座標算出手段としての位置座標算出部125をさらに備える。位置座標算出部125によって算出された位置座標は、制御手段としての投影光補正部123による投影光の補正に用いられる。
【0058】
位置座標算出部125は、図8(a)に示すように、垂直回転検出部22,距離計測部20の設置位置を、距離計測及び角度計測の原点座標(Xo,Yo,Zo)とする。帯状物202の引き出し長さSが距離計測部20によって計測され、接地部203が被照射物体10に当接された時の水平方向角度θ1、垂直方向角度θ2が水平回転検出部21及び垂直回転検出部22によって計測される。この接地部203が被照射物体10に当接された時、接地部203の座標(Xe,Ye,Ze)は、
Xe=S×cosθ1×cosθ2
Ye=S×sinθ2
Ze=S×cosθ1×sinθ1
で表される。
【0059】
そして、図8(b)に示すように、原点座標(Xo,Yo,Zo)を原点(0,0,0)とし、プロジェクタ2の光源座標を(Xp,Yp,Zp)とする。距離計測及び角度計測の原点座標(Xo,Yo,Zo)と光源座標(Xp,Yp,Zp)とは、プロジェクタ2と距離計測部20、水平回転検出部21、垂直回転検出部22との搭載位置との関係から一意に決まっている。したがって、光源座標(Xp,Yp,Zp)から見た接地部203の座標は、
Xe=S×cosθ1×cosθ2−Xp
Ye=S×sinθ2−Yp
Ze=S×cosθ1×sinθ1−Zp
となる。このように距離計測部20によって計測された距離Sと、水平回転検出部21によって計測されたθ1と、垂直回転検出部22によって計測されたθ2とによって、位置座標算出部125は、上記式から、光源座標から見た被照射物体10の位置関係を表す座標(Xe,Ye,Ze)を得ることができる。
【0060】
投影光補正部123は、位置座標算出部125により算出された位置座標を用いてプロジェクタ2により投影される投影光の投影範囲A、輝度、色温度を含む特性の少なくとも一つの特性を変更する補正を行う。ここで、投影光補正部123は、位置座標に基づいてプロジェクタ2の投影範囲Aを、被照射物体10に向けるように補正する。これにより、被照射物体10に照明光を投影すると共に被照射物体10付近に背景光を投影して、被照射物体10以外の関係のない部分に投影光を投影することを回避する。また、プロジェクタ2と被照射物体10との距離に応じて光束、色温度が変化してしまう場合であっても、プロジェクタ2と被照射物体10との位置関係に基づいて光束、色温度を調整して、ユーザの希望に沿った光束及び色温度の照明光及び背景光を照射できる。
【0061】
また、この照明システムは、被照射物体10に投影する照明光及び被照射物体10以外に投影する背景光の双方又は一方を映像としても良い。この場合、投影光データ生成部12の投影光生成部121は、映像データを生成する。そして、投影光生成部121は、位置座標算出部125により算出された位置座標を用いて、被照射物体10に映像を投影した場合に当該映像が歪み無く見えるような歪み補正処理を行う。
【0062】
具体的には、投影光生成部121は、被照射物体10の形状、位置座標算出部125が算出したプロジェクタ2と被照射物体10との位置関係、ユーザの視点位置などに基づいて、当該ユーザの視点位置から被照射物体10に投影された映像を見た場合に歪み無く見えるような既知の座標変換処理によって実現される。この座標変換処理は、後述する投影光データの補正処理によって実現される。同様に、被照射物体10以外に映像を投影した場合には、当該映像が被照射物体10以外に投影された状態で、映像が歪み無く見えるような歪み補正処理を行うこととなる。
【0063】
以上説明したように、第3実施形態に係る照明システムによれば、接地部203を被照射物体10に当接させるユーザの簡単な作業のみで、距離計測部20によって距離を検出すると同時に、プロジェクタ2の光軸に対する被照射物体10の水平方向角度θ1、垂直方向角度θ2を検出できる。これにより、照明システムは、位置座標算出部125によって被照射物体10の位置関係を算出し、投影光補正部123によって位置座標を用いてプロジェクタ2により投影される投影光の特性を変更する補正を行うことができる。
【0064】
また、この照明システムによれば、照明光と背景光との少なくとも一方を映像とし、位置座標算出部125により算出された位置座標を用いて、被照射物体10に映像を投影した場合に当該映像が歪み無く見えるような歪み補正処理を行う。これにより、照明システムによれば、実際のプロジェクタ2及び被照射物体10が設置された位置関係に基づいて、映像を被照射物体10に投影しても、歪みのない映像を視認させることができる。
【0065】
「投影光データの補正処理」
つぎに、この照明システムにおける投影光データの補正処理について説明する。なお、以下の説明は、「被照射物体10を覆うように照射される第1照射光と被照射物体10以外に照射される第2照射光とを含む投影光」を生成するための処理である。
【0066】
例えば図9に示すように、任意形状の被照射物体10として、ユーザUに対して距離Lだけ離間し、ユーザUに対して斜めに傾斜して配置された平板状物体10を考える。この平板状物体10は、ユーザUの視点位置P1から視野角θ1で視認される。ユーザUの視野中心と交差する平板状物体10上の点P2からユーザUまでは、距離L1だけ離間している。
【0067】
視点位置P1と平板状物体10上の点P2との位置関係において、図10(a)に示すように、図10(b)に示す格子状の平面映像100(コーティング光)を、ユーザUから見る映像面50Uを介して平板状物体10上で見る場合を考える。この場合、映像面50Uに図10(b)に示す平面映像100が表示されていると同じ映像を平板状物体10に表示させる場合、映像面50U上の各座標と平板状物体10上の各座標との対応関係を取得する必要がある。模式的に図10(a)に示しているが、映像面50U上の点b1,b2,b3,b4,b5は、平板状物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5に対応している。したがって、平板状物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5に表示された映像は、ユーザUからは映像面50U上における点b1,b2,b3,b4,b5として視認される。
【0068】
また、図11に示すように、ユーザUの視線と平板状物体10とが交差する点P2と、プロジェクタ2の投影位置P3とは、L2の距離となっている。また、プロジェクタ2は、所定の投影画角θ2の範囲で投影光を投影する。
【0069】
この場合、プロジェクタ2の映像面50Pと平板状物体10との位置関係は、図12に示すように、平板状物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5が、映像面50P上の点c1,c2,c3,c4,c5に対応している。すなわち、プロジェクタ2の投影位置P3から映像面50P上の点c1,c2,c3,c4,c5を延長した直線上の点が、平板状物体10の点a1,a2,a3,a4,a5となる。
【0070】
このようなユーザUの視点位置P1及び視野角θ1、平板状物体10の位置、プロジェクタ2の投影位置P3及び投影画角θ2の関係から、図12(a)に示したプロジェクタ2における映像面50P上の点c1,c2,c3,c4,c5に映像を投影させると、平板状物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5に映像が投影される。その結果、平板状物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5が、図10における映像面50U上の点b1,b2,b3,b4,b5として視認されることとなる。したがって、ユーザUに平面映像100を視認させるためには、プロジェクタ2は、映像面50U上の各座標に対応した平板状物体10上の各座標と、映像面50P上の各座標に対応した平板状物体10上の各座標との対応関係に基づいて、図12(b)に示すように歪ませた平面映像100’’を投影する必要がある。
【0071】
このような照明光の投影動作を実現するために、光制御ユニット1は、図9に示すように、ユーザUの視点位置P1を示す視点位置及び視線方向を示す視点位置姿勢パラメータ及びユーザUの視野角θ1を示す視野角パラメータを取得する。これらのユーザUのパラメータは、上述した映像面50Uを定める。
【0072】
また、プロジェクタ2から出射された照明光を投影する平板状物体10の形状データを取得する。この形状データは、例えばCADデータである。ここで、視点位置姿勢パラメータは、3次元座標空間における、X,Y,Z軸上の位置および軸周りの回転角度を数値で定義したものである。この視点位置姿勢パラメータは、視点位置P1と平板状物体10との距離L1と、視点位置P1に対する平板状物体10の姿勢を一意に定める。また、平板状物体10の形状データとは、CAD等で作成された電子データを基に、3次元座標空間における形状領域を定義したものである。この形状データは、視点位置P1から見た平板状物体10の形状を一意に定める。このような平板状物体10の形状データとユーザUのパラメータとは、映像面50Uの座標と平板状物体10上の座標との対応関係を定める。
【0073】
また、図11に示すようにプロジェクタ2が設置されたことに対し、光制御ユニット1は、プロジェクタ2の投影位置P3及び当該プロジェクタ2の光軸方向を示す位置姿勢パラメータ及びプロジェクタ2の投影画角θ2を示す投影画角パラメータを取得する。このプロジェクタ2の位置姿勢パラメータ及び投影画角パラメータは、プロジェクタ2が平板状物体10に対して投影する映像面50Pを表す。この映像面50Pが定まると、プロジェクタ2から投影される照明光が映像面50Pを介して平板状物体10のどの座標に投影されるかが定められる。すなわち、プロジェクタ2の位置姿勢パラメータ及び投影画角パラメータと、平板状物体10の位置姿勢パラメータ及び形状データとは、プロジェクタ2から出射された照明光によって覆われる平板状物体10の範囲が一意に決まる。プロジェクタ2がプロジェクタである場合、投影位置P3はバックフォーカス及び打ち込み角で定義され、投影画角θ2は投影位置P3から一定距離での水平及び垂直方向の投影範囲から算出される。
【0074】
そして、光制御ユニット1は、平板状物体10に表示される照明光の画素(a1,a2,a3,a4,a5)とプロジェクタ2の投影位置P3とを結ぶ直線と、映像面50Pとの交点(c1,c2,c3,c4,c5)に画素を配置して平面映像100’’を構成し、その平面映像100’’を平板状物体10に投影させる。そして、映像面50P上の点c1,c2,c3,c4,c5、平板状物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5、映像面50U上の点b1,b2,b3,b4,b5という経路でユーザUにとって歪みのない映像を視認させることができる。
【0075】
同様に、被照射物体10が平板状物体10のような形状ではなく、ドーム型のような任意形状のものであっても歪みなく照明光でコーティングして、被照射物体10をユーザUに視認させることができる。図13(a)に示すように被照射物体10がドーム型物体10であり、図13(b)に示すように、ユーザUに格子状の照明光を視認させる場面を考える。この場合、ユーザUからは、映像面50U上の点b1,b2,b3,b4,b5の延長線上におけるドーム型物体10上の点a1,a2,a3,a4,a5が視認される。これに対し、プロジェクタ2は、図14(a)に示すように映像面50Pに投影光を投影する。この映像面50Pにおける点c1,c2,c3,c4,c5を通過した投影光は、ドーム型物体10における点a1,a2,a3,a4,a5に投影されて、図13(a)に示す映像面50Uの点b1,b2,b3,b4,b5として視認される。したがって、プロジェクタ2は、映像面50Pに対して図14(b)に示すように歪ませた平面映像100’’を投影する。これに対し、ユーザUは、図13(b)に示すような歪みのない平面映像100を視認することができる。
【0076】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る照明システムの構成図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る照明システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る照明システムにおいてプロジェクタと被照射物体との距離を計測する様子を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図4】本発明を適用した第2実施形態に係る照明システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明を適用した第2実施形態に係る照明システムにおいてプロジェクタと被照射物体との角度を計測する様子を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【図6】本発明を適用した第2実施形態に係る照明システムにおいて、プロジェクタの向きを被照射物体に回転駆動させる構成を示す斜視図である。
【図7】本発明を適用した第3実施形態に係る照明システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明を適用した第3実施形態に係る照明システムにおいてプロジェクタに対する被照射物体の位置座標を求める説明図である。
【図9】本発明を適用した照明システムにおいて、平板状の被照射物体に対するユーザの視点位置、視野角及び距離を示す図である。
【図10】本発明を適用した照明システムにおいて、ユーザから平板状の被照射物体を見たときにユーザが視認する映像について説明する図である。
【図11】本発明を適用した照明システムにおいて、平板状の被照射物体に対する照射光投影部の投影位置、投影画角及び距離を示す図である。
【図12】本発明を適用した照明システムにおいて、照射光投影部から平板状の被照射物体に光投影する様子を説明する図である。
【図13】本発明を適用した照明システムにおいて、ユーザからドーム型の被照射物体を見たときにユーザが視認する映像について説明する図である。
【図14】本発明を適用した照明システムにおいて、照射光投影部からドーム型の被照射物体に光投影する様子を説明する図である。
【符号の説明】
【0078】
1 光制御ユニット
2 プロジェクタ
3 カメラ装置
4 パーソナルコンピュータ
10 ドーム型物体
10 被照射物体
11 撮影画像データ入力部
12 投影光データ生成部
13 画像記憶部
14 投影光描画部
20 距離計測部
21 水平回転検出部
22 垂直回転検出部
23 水平回転駆動部
24 垂直回転駆動部
31 撮影部
32 撮影画像データ出力部
41 表示モニタ
42 キーボード
43 マウス
121 投影光生成部
122 照明光補正部
123 投影光補正部
124 配光方向算出部
125 位置座標算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、
被照射物体を覆うように照射される第1照射光と前記被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影する投影手段と、
ユーザの作業によって前記投影手段と前記被照射物体との距離を計測する距離計測手段と、
前記距離計測手段により計測された距離を用いて前記投影手段により投影される投影光を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記距離計測手段により計測された前記投影手段と前記被照射物体との距離に基づいて、前記投影光の光束、色の濃さ、投影範囲の少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、
被照射物体を覆うように照射される第1照射光と前記被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影する投影手段と、
ユーザの作業によって前記投影手段から投影される投影光の光軸方向と、前記投影手段と前記被照射物体とを結ぶ直線とがなす角度を計測する角度計測手段と、
前記角度計測手段により計測された角度を用いて前記投影手段により投影される投影光を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記角度計測手段により計測された角度を参照して、前記投影手段から投影される投影光の光軸を前記被照射物体に向ける回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
任意形状の被照射物体に向けて投影光を投影する照明装置であって、
被照射物体を覆うように照射される第1照射光と前記被照射物体以外に照射される第2照射光とを含む投影光を投影する投影手段と、
ユーザの作業によって前記投影手段と前記被照射物体との距離を計測する距離計測手段と、
ユーザの作業によって前記投影手段から投影される投影光の光軸方向と、前記投影手段と前記被照射物体とを結ぶ直線とがなす角度を計測する角度計測手段と、
前記距離計測手段により計測された距離及び前記角度計測手段により計測された角度を用いて前記投影手段により投影される投影光を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記距離計測手段により計測された距離及び前記角度計測手段により計測された角度を用いて、前記投影手段と前記被照射物体との位置関係を算出する位置座標算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記位置座標算出手段により算出された位置座標を用いて前記投影光を補正することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記位置座標算出手段により算出された位置座標を用いて前記投影手段により投影される投影光の光束、色の濃さ、投影範囲の少なくとも一つを変更する補正を行うことを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1照射光と前記第2照射光との少なくとも一方が映像であり、
前記制御手段は、前記位置座標算出手段により算出された位置座標を用いて、前記被照射物体に映像を投影した場合に当該映像が歪み無く見えるような歪み補正処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−86928(P2010−86928A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258029(P2008−258029)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】