説明

照明装置

【課題】
発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体を利用して、恰も従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用でき、広い領域を照明できる照明装置でありながら、冷陰極発光体の電極を簡単に組み付けることができる照明装置を提供すること
【解決手段】
内部を少なくとも上部と下部とに分離する仕切体18が管軸方向に延びる中空の管本体4と、前記管本体4の前記仕切体18の上方位置に内装されたインバータを含む制御装置5と、前記管本体4の前記仕切体18の下方位置に管軸方向に延設された1本の平面視U字状の冷陰極発光体7と、を備え、前記管本体4の下部が主として光透過部材9で構成されるとともに、前記仕切体18の下面には前記下部の光透過部材9に向けて前記冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30が設けられ、かつソケット接続用の2本の電極52,52が貫通して配された端縁封止体8が、前記管本体4の両端にそれぞれ固定され前記管本体4が封止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に冷陰極発光体を採用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置としては、一般的には、主にガス放電により発光する蛍光ランプ管が多く採用されていたが、省電力の発光ダイオード(Light Emitting Diode、LEDと略す)の普及につれて、多くの照明装置において発光ダイオードが光源として採用されるようになりつつある。
また、近年では冷陰極発光体を用いた照明装置が採用されるようにもなってきた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−82406号公報(第3ページ上段左欄第4行〜第12行、第1図及び第3図)
【0004】
一般の発光ダイオードを光源とする照明装置は、従来の蛍光ランプ管より高い発光効率と輝度を有するものの、LEDランプは発光効率が依然好ましくない上、発光ダイオード自体が高い発熱を伴うため、熱を逃がす為の様々な機構が必要になる。
【0005】
特に、発光ダイオードを光源とする照明装置は、前述のように発光ダイオード自体が高い発熱を伴うため、蛍光ランプ管と同様な使用形態で天井に設置された取付端子装置のソケットに装着された場合、天井と照明ランプ間の隙間が僅かしか存在せず、このため十分に熱が発散せず、発光ダイオードを含め、その他の装置に熱損傷が生じてしまうことになる。また発光ダイオードは光の発散が少なく、蛍光ランプ管のように広い領域を照明するには問題がある。
そこで、特許文献1には発光効率が高く使用寿命が長い冷陰極発光体を利用した照明装置が開示されているが、照明装置のケーシングに冷陰極形電極9a、9bを組み付けるに際し、冷陰極形電極9a、9bが封着されているバルブ6の端部に金属製のキャップ10a、10bを被せ、これらキャップ10a、10bをケーシング4の樋状支持部11a、11bにかしめ固定または接着剤を使用して固定していた。
【0006】
しかしながら、冷陰極形電極9a、9bが封着されているバルブ6の端部に被せられた金属製のキャップ10a、10bをケーシング4の樋状支持部11a、11bにかしめ固定するにしろ、接着剤を使用して固定するにしろ、照明装置のケーシングへの冷陰極形電極の組み付けが面倒で、照明装置の組み立てに手間がかかるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体を利用して、恰も従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用でき、広い領域を照明できる照明装置でありながら、冷陰極発光体の電極を簡単に組み付けることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、内部を少なくとも上部と下部とに分離する仕切体が管軸方向に延びる中空の管本体と、前記管本体の前記仕切体の上方位置に内装されたインバータを含む制御装置と、前記管本体の前記仕切体の下方位置に管軸方向に延設された1本の平面視U字状の冷陰極発光体と、を備え、前記管本体の下部が主として光透過部材で構成されるとともに、前記仕切体の下面には前記下部の光透過部材に向けて前記冷陰極発光体の光を反射する光反射部材が設けられ、かつソケット接続用の2本の電極が貫通して配された端縁封止体が、前記管本体の両端にそれぞれ固定され前記管本体が封止されていることを特徴としている。
この特徴によれば、発光効率が高くかつ使用寿命が長い1本の平面視U字状の冷陰極発光体の光源を光反射部材を利用して反射する構造であるため、蛍光ランプ管と同様な広い領域を照明できる照明装置を提供できることになる。また管本体の仕切体の下方面が光反射部材であり、かつ前記仕切体の上方位置にインバータを含む制御装置が内装されているため、制御装置が照明部を占有することがない。すなわち光透過部材の長さと合わせて1本の平面視U字状の冷陰極発光体を管軸方向に十分延設できることになり、従来の蛍光ランプ管と同様に管本体の端部付近まで照明部として利用できることになる。また、端縁封止体には2本の電極が設けらているため、組み付けと同時に管本体が得られ照明装置の組み立てが簡単になる。
【0009】
本発明の照明装置は、前記端縁封止体の少なくとも一方には前記端縁封止体の横断面形状より小さい横断面形状の頭部が設けられているとともに、該頭部から2本の電極が突出しており、灯具のソケット部に前記電極を固定できることを特徴としている。
この特徴によれば、頭部から延びる2本の電極を用いて灯具のソケット部に前記電極を固定できることは勿論、前記端縁封止体に設けられた小さい横断面形状の頭部をソケット部の押入部として利用できるため、簡単な構成で灯具のソケット部に2本の電極を固定することができる。
【0010】
本発明の照明装置は、前記管本体の内側に延びる電極が接続されている導線が、前記仕切体の上方を通り、前記管本体の前記仕切体の上方位置に内装されたインバータを含む制御装置に接続されていることを特徴としている。
この特徴によれば、2本の電極とインバータを接続する導線が仕切体の上方を通るため、2本の電極と制御装置との接続が容易に行える。
【0011】
本発明の照明装置は、前記中空の管本体は、主として光透過部材で構成される断面略U字状の前記下部と、放熱性の高い材料で構成される前記上部との接合構造により構成され、前記上部は筒状体となっており、該筒状体の底面板が前記仕切体となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記上部が筒状体となっているため、照明装置取り付け時などに生じる管本体に働く捻り力に対して、前記上部が変形を抑制し、効果的に管本体のねじり変形を防止するように働く。またインバータを含む制御装置が発生する熱は、放熱性の高い材料で構成されインバータを含む制御装置を取り囲む前記上部により効果的に放出されることになる。
【0012】
本発明の照明装置は、前記上部に長手方向に溝が形成されており、断面略U字状の前記下部が、前記上部の長手方向の溝に溝嵌合されて前記管本体が形成されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置のメンテナンス時など、溝方向の両者の相対移動が許容されるため、前記下部と前記上部とも分解が容易となる。特に前記下部に侵入した虫などの掃除が容易となる。
【0013】
本発明の照明装置は、前記上部の溝に前記下部が溝嵌合されている前記管本体の両端が、前記上部と下部との相対移動が阻止される態様で、電極の設けられた前記端縁封止体で固定されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記上部の溝に前記下部が溝嵌合されているため、長手方向の相対移動を端縁封止体で固定するのみで強固な密封状の管本体を構成できるばかりか、端縁封止体には電極が設けられているため、組み付けと同時に電極を備えた管本体が得られることになる。
【0014】
本発明の照明装置は、前記管本体に形成された長手方向の溝に嵌合状態で保持される保持部と、前記冷陰極発光体を長手方向に向けて把持する把持部とからなる発光体保持片を備えていること特徴としている。
この特徴によれば、発光体保持片は、管本体内を延びる前記冷陰極発光体を支持し、移動時や大きな揺れに対して管本体内の前記冷陰極発光体を保護する働きをする。特に長手方向の溝で発光体保持片が支持されているため、長手方向にこの発光体保持片を移動設置できることから、管本体や前記冷陰極発光体の長さ条件等に応じて、前記冷陰極発光体の一番振れの激しくなるような位置を特定して揺れに対する対処が可能となる。
【0015】
本発明にかかる照明装置は、前記発光体保持片が、前記保持部と把持部とを連結する吊架部を有し、該吊架部が屈伸可能になっていることを特徴としている。
この特徴によれば、吊架部の屈曲により長手方向の溝から保持部を外し、さらに吊架部の伸長により長手方向の溝に保持部を嵌合できるようになるため、ワンタッチで発光体保持片を長手方向に容易に移動できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる照明装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の照明装置の分解図である。
【図3】図1の筒状体の拡大斜視図である。
【図4】図1の端縁封止体を外面から見た斜視図である。
【図5】図1の端縁封止体を内面から見た斜視図である。
【図6】本発明にかかる照明装置に用いられる発光体保持片の斜視図である。
【図7】図6の発光体保持片の正面図である。
【図8】図1のX−X断面斜視図である。
【図9】図1のX−X断面図である。
【図10】本発明にかかる照明装置内部に装備されるランプ設備の電気回路図である。
【図11】本発明にかかる照明装置を既存の蛍光ランプ管用差し込み方式のソケット部を備えた灯具に取り付けるための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る照明装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0018】
本発明にかかる照明装置の好適な実施形態が図1以降に示されており、この照明装置3は一般の蛍光ランプ管の使用方法と同様に、二つのソケット部の間に取り付けて適用されるものであり、前記ソケット部は、既存の蛍光ランプ管の灯具に設けられているソケット部であり、照明装置3は蛍光ランプ管の代わりに利用されるランプである。照明装置3は、特に図1、図2に示されるように中空状の管本体4であり、管本体4の一端部の内部には制御装置である導電ユニット5が固定され、この導電ユニット5は主にインバータとPFC(図示せず)からなる。
【0019】
具体的には、管本体4は、断面略U字状の光透過部材9(下部)と、放熱性の高い材料で構成される筒状体10(上部)との接合構造により構成され、前記上部の筒状体10の底面板が内部を少なくとも長手方向に上下に分離する仕切体18としての機能を有している。この仕切体18の上方位置にはインバータを含む制御装置である導電ユニット5がケース体55に収納された状態で内装固定されている。このケース体55は、利用者等が容易に導電ユニット5に触れられないように遮蔽機能を有している。このように、管本体4の仕切体18の下方位置に管軸方向に延設された1本の平面視U字状の冷陰極発光体7(COld CathOde FluOrescent Lamp、略称CCFL)が設置され、前記仕切体18の下面には前記した光反射部材30が位置していることにより、光透過部材9に向けて前記冷陰極発光体7の光が反射されるようになっている。
【0020】
このような構造の照明装置は、発光効率が高くかつ使用寿命が長い前記冷陰極発光体7の光源を光反射部材30を利用して反射する構造であるため、蛍光ランプ管と同様な広い領域を照明できることになる。また管本体4の仕切体18の下方面が光反射部材30であり、かつ前記仕切体18の上方位置にインバータを含む制御装置である導電ユニット5が内装されているため、この導電ユニット5が照明部を占有することがない。すなわち光透過部材の長さと合わせて前記冷陰極発光体7を管軸方向に十分延設できることになり、従来の蛍光ランプ管と同様に管本体の端部付近まで照明部として利用できることになる。
【0021】
前記管本体4の下部は、断面U字状であり、主として合成樹脂からなる半透明の光透過部材9から構成されているとともに、前記管本体4内部に管軸方向に1本の平面視U字状の冷陰極発光体7が延設され、前記冷陰極発光体7の上面には、下方に位置する前記光透過部材9に向けて前記冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30が設けられている。また光透過部材9は、抜き出し成型により製造される断面一定の長尺材であり、断面が略U字状であり、そのU字状の両上端部に内向きの爪部16を有する。光透過部材9はこの長尺材を所定の長さで切断して利用される。また、この光透過部材9は透明もしくは乳白色の透光性の合成樹脂が主に用いられるが、種々のカラーが適用されることもある。光透過部材9は冷陰極発光体7からの光を散乱させるために内側面は凹凸上の光散乱面に加工されている。
【0022】
筒状体10を図3に基づいて更に詳しく説明すると、筒状体10は放熱性の高い材料例えばアルミ素材等で構成され、抜き出し成型により製造される断面非円形の一定の長尺材であり、筒状体10の底面板が仕切体18としての機能を有している。また6は後述する端縁封止体8の係止爪13を係止する係止溝である。このように上部が筒状体10となっているために強度が高く、照明装置取り付け時などに生じる管本体4に働く捻り力に対して、前記上部が変形を抑制し、効果的に管本体4のねじり変形を防止するように働く。また導電ユニット5が発生する熱は、放熱性の高い材料で構成された導電ユニット5を取り囲む前記上部により効果的に放出されることになる。また筒状体10の下方長手方向に走る溝14が設けられ、この溝14は光透過部材9の断面略U字状の両上端部に内向きに延びている爪部16と係合可能となっている。筒状体10の下方長手方向に走る溝14に対して、光透過部材9の爪部16を長手方向から嵌合することにより、筒状体10と光透過部材9との連結が完了する。このように溝方向においてのみ両者の相対移動が許容されるため、筒状体10と光透過部材9は上下方向に分離し辛い構造でありながら、照明装置のメンテナンス時など、両者の長手方向の相対移動で光透過部材9内にアクセスが可能となり、特に光透過部材9内に侵入した虫などの掃除が容易となる。
【0023】
筒状体10の両端に取り付けられる端縁封止体8について図4,5に基づいて説明すると、両側の端縁封止体8には、該端縁封止体8の横断面形状より小さい横断面形状の頭部11が設けられている。両頭部11は同一形状の円筒状凸部であって、端縁封止体8の一部となるように一体に形成されている。このように頭部11が端縁封止体に一体に形成されているため、管本体4の灯具取り付け時や使用時において、頭部11にかかる負荷に対する強度を向上できることになる。また、図11に示すように、既存の蛍光ランプ管用差し込み方式のソケット部を備えた灯具100は、通常、ソケット本体60、摺動体61、摺動体61を付勢するバネ62を備えており、前記ソケット本体60の前面には円形開口部63が形成され、摺動体61は2個の電極挿入孔64,64を備えているとともに前記開口部63に摺動可能に配設されている。頭部11はこの差し込み方式のソケット部の押入部として利用するものであるから、頭部11はこの開口部63に嵌入できる程度の大きさである。
図4,5に戻ると、端縁封止体8はこれを貫通するように2本の電極52,52が設けられ、2本の電極52,52の頭部11により外側に突出する部分は、既存の蛍光ランプ管用ソケット(図示せず)に挿入される。また、2本の電極52,52の内側に延びる部分は、集中端子19に接続され、導電ユニット5に接続されることになる。端縁封止体8の裏面側には、裏面側に延びる係止爪13が設けられており、筒状体10の側面に形成されている係止溝6に係止爪13が圧入係止されることにより、端縁封止体8がワンタッチで筒状体10の両端に取り付けられることになる。すなわち長手方向両端を端縁封止体8で固定するのみで、筒状体10と光透過部材9との溝方向の両者の相対移動を阻止し、図1に示される強固な照明装置を構成できる。また端縁封止体8には前記した2本の電極52,52が設けられているため、組み付けと同時に電極を備えた管本体が得られることになる。
さらに、端縁封止体8の下方部には、端縁封止体8を管本体4に取り付けた際に、光透過部材9の端部下方部分を外側から覆うカバー部12が延設されている。したがって、照明装置3の端部に衝撃があっても、このカバー部12により、光透過部材9の端部への直接的な衝撃が回避され、光透過部材9の破損を防止できる。
【0024】
図6には、発光体保持片23が示されており、これは筒状体10に形成された長手方向の溝15に嵌合可能な保持部231と、前記冷陰極発光体7を長手方向に向けて把持する把持部232とから構成されている。また発光体保持片23は、前記保持部231と把持部232とを連結する吊架部234を有し、該吊架部234が図7に示されるように屈伸可能になっている。発光体保持片23は透明な合成樹脂製である。
【0025】
この発光体保持片23は、筒状体10内を延びる前記冷陰極発光体7を図8に示されるように支持し、移動時や大きな揺れに対しても筒状体10内の冷陰極発光体7を保護する働きをする。特に長手方向の溝15で発光体保持片23が支持されているため、長手方向にこの発光体保持片23を移動設置できることから、筒状体10や前記冷陰極発光体7の長さ条件等に応じて、前記冷陰極発光体7の一番振れの激しくなるような位置を特定して揺れに対する対処が可能となる。発光体保持片23の取り付けに際しては、吊架部234の屈曲と伸長とによりワンタッチで長手方向の溝15に保持部231を嵌合できるばかりか、発光体保持片23を長手方向に容易に移動できることになる。また、吊架部234の屈曲により長手方向の溝15から保持部231を容易に外すこともできる。
また、管本体4の一端部にはインバータを含む導電ユニット5が固定されているため、そのインバータが発生する熱により前記冷陰極発光体7の両端では温度差、すなわち温度傾斜を生じることとなる。
しかしながら、発光保持片23は合成樹脂製であるため、金属製に比べて熱伝導性が低く、しかも、前記冷陰極発光体7は発光保持片23で吊架して空間に浮かした状態で保持されているため、その温度傾斜により生じる熱が直接前記冷陰極発光体7に伝わらず、前記冷陰極発光体7の耐久性が向上する。
【0026】
図9は、上記のように組み立てられた図1の照明装置のX―X断面図であり、前記冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30は、溝15内において発光体保持片23の保持部231により共に嵌合し、光反射部材30は筒状体10に確実に取り付けられている。したがって発光体保持片23を筒状体10から取り除くと、光反射部材30の係止が緩くなり筒状体10から光反射部材30が取り外しやすくなる。ただしこの実施例に限らず光反射部材30は筒状体10に接着剤で固定されても良いし、また筒状体10に塗布されて構成されても良い。
また、端縁封止体8を貫通する2本の電極52,52は、インバータを含む制御装置である導電ユニット5が内装された筒状の管本体4の内部に臨むように延設されているため、2本の電極52,52と導電ユニット5との接続が容易に行える。
さらには、端縁封止体8は断面非円形の筒状体10に係合爪13等により回転不可能に固定されており、また筒状体は上述した如く、管本体4のねじり変形を防止するように働くため、管本体4の灯具への取り付け時において、端縁封止体8に設けられた頭部11に掛かる負荷は、筒状体10で受け止められこととなり、頭部11の破損を防止することになる。
【0027】
照明装置3内部に装備されるランプ設備は図10に詳しく開示されており、端縁封止体8はこれを貫通するように2本の電極52,52が設けられ、頭部11により外側に突出する電極52,52は、図11に示す既存の蛍光ランプ管のソケットに挿入される。
そして、2本の電極52,52の内側に延びる部分は、集中端子19に接続され、導線24、25を介してそれぞれ導電ユニット5に接続されることになる。電気的に接続される前記冷陰極発光体7(CCFL)は導電ユニット5を介して導線24、25に接続され、電気的に直列接続を構成している。このため導電ユニット5内のインバータやPFCなどの機器は1個あれば十分であり、この様な簡素なかつ軽量な導電ユニット5を用いて冷陰極発光体7を配置することにより十分な照度を得ることが出来る。なお、導線24は筒状体10内に延設されることにより、導線が照明の邪魔になることがない。
【0028】
インバータは図示されていないが、2本の電極52,52から得られる電圧を例えば20〜100KHz、200〜3000Vに昇圧し、この高周波出力が電気的に接続された前記冷陰極発光体7に印加される。インバータには高周波出力のデューティサイクルを可変する調光制御回路を付加することが好ましい。調光制御はデューティサイクルを可変する方式に限定されない。インバータは、本実施形態においては一般の自励発振型インバータであるが、実用に際してこれに限定されない。
【0029】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0030】
例えば、前記実施形態では、頭部11は両側の端縁封止体8に設けたが、一方の端縁封止体8に設けるものであっても良い。
前記実施形態では、頭部11は円筒状凸部としたが、これに限定されることなく、既存の差し込み式ソケット部に嵌入できるものであれば良く、例えば、先端にテーパ面を備えた円筒状凸部等であっても良い。
前記実施形態では、頭部11が端縁封止体8の一部となるように一体形成されているが、頭部11を別体に形成して端縁封止体8に接合しても良い。
【符号の説明】
【0031】
3 照明装置
4 管本体
5 導電ユニット
6 係止溝
7 1本の平面視U字状の冷陰極発光体
8 端縁封止体
9 光透過部材
10 筒状体
11 頭部
12 カバー
23 合成樹脂製の発光体保持体
30 光反射部材
52 電極
55 ケース体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を少なくとも上部と下部とに分離する仕切体が管軸方向に延びる中空の管本体と、前記管本体の前記仕切体の上方位置に内装されたインバータを含む制御装置と、前記管本体の前記仕切体の下方位置に管軸方向に延設された1本の平面視U字状の冷陰極発光体と、を備え、前記管本体の下部が主として光透過部材で構成されるとともに、前記仕切体の下面には前記下部の光透過部材に向けて前記冷陰極発光体の光を反射する光反射部材が設けられ、かつソケット接続用の2本の電極が貫通して配された端縁封止体が、前記管本体の両端にそれぞれ固定され前記管本体が封止されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記端縁封止体の少なくとも一方には前記端縁封止体の横断面形状より小さい横断面形状の頭部が設けられているとともに、該頭部から2本の電極が突出しており、灯具のソケット部に前記電極を固定できることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記管本体の内側に延びる電極が接続されている導線が、前記仕切体の上方を通り、前記管本体の前記仕切体の上方位置に内装されたインバータを含む制御装置に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記中空の管本体は、主として光透過部材で構成される断面略U字状の前記下部と、放熱性の高い材料で構成される前記上部との接合構造により構成され、前記上部は筒状体となっており、該筒状体の底面板が前記仕切体となっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記上部に長手方向に溝が形成されており、断面略U字状の前記下部が、前記上部の長手方向の溝に溝嵌合されて前記管本体が形成されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記上部の溝に前記下部が溝嵌合されている前記管本体の両端が、前記上部と下部との相対移動が阻止される態様で、電極の設けられた前記端縁封止体で固定されるようになっていることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記管本体に形成された長手方向の溝に嵌合状態で保持される保持部と、前記冷陰極発光体を長手方向に向けて把持する把持部とからなる発光体保持片を備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
前記発光体保持片が、前記保持部と把持部とを連結する吊架部を有し、該吊架部が屈伸可能になっていることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−119175(P2011−119175A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277348(P2009−277348)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(594044428)株式会社オプトロム (7)
【出願人】(509001087)廣拓科技股▲分▼有限公司 (7)
【出願人】(509000873)愛普拓楽(香港)有限公司 (7)
【Fターム(参考)】