説明

照明装置

【課題】支柱の太さが変わっても取り付けることができることで設置性を確保しつつ、筒状の本体内に機器類を設置することで作業性を向上させることが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、支柱Pを軸心として装着され、筒状に形成された装置本体2と、装置本体2の外周面に設けられた太陽光発電パネル3と、太陽光発電パネル3の電力により点灯する照明部と、装置本体2に内蔵され、照明部の照光を制御する制御装置5と、装置本体2の内側面と、装置本体2の軸心に位置する支柱Pとの間に、支柱Pを中心として半径方向に3本配置された支持部材6と、支持部材6の支柱側端部を連結して支柱Pに巻回されるバンド部材7とを備えている。この支持部材6は、制御装置5の設置位置における間隔が、他の間隔より広く、180°の角度で配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の装置本体が支柱の上部に設けられ、装置本体の外周面に太陽光発電パネルが設けられた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置として、筒状に太陽光発電パネルを形成し、そのパネルを支柱に取り付けたものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載の太陽光発電装置は、六角柱の形状を有する太陽光パネル支持部と、太陽光パネル支持部の側面に設けられ、太陽光により発電を行う太陽光パネルと、太陽光パネルにより発電した電力を消費する照明灯とを有するものである。この特許文献1の太陽光発電装置は、支柱の基部の直径が先端部より大きい部分に、蓄電池やコントローラなどの機器類が内蔵されている。
また、特許文献2に記載の太陽電池装置を具備した照明装置は、円筒状の受光部の外周面に太陽光発電パネルを設け、この受光部を内面三箇所にして等間隔の位置に設けられた当接部と、当接部を外側から被嵌されるバンド体とにより支柱部に締め付け固定されている。バンド体により支柱に締め付け固定することで、径小の支柱や径大の支柱であっても容易に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−103806号公報
【特許文献2】特開2009−9913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この特許文献1に記載の太陽光発電装置では、支柱に蓄電池やコントローラが内蔵されるため、支柱に太陽光発電パネルを取り付けた後に蓄電池やコントローラとのそれぞの結線が必要であり、作業性が悪い。
また、特許文献2に記載の照明装置では、支柱の直径が多少違っていても取り付けることができるが、直径が太い支柱に取り付ける場合には太陽光発電パネルが設けられた筒内のスペースが狭くなってしまうため、筒状の本体内に蓄電池やコントローラを内蔵させようとしても困難である。
【0005】
そこで本発明は、支柱の太さが変わっても取り付けることができることで設置性を確保しつつ、筒状の本体内に機器類を設置することで作業性を向上させることが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置は、支柱を軸心として装着され、筒状に形成された装置本体と、前記装置本体の外周面に設けられた太陽光発電パネルと、前記太陽光発電パネルの電力により点灯する照明部と、前記装置本体に内蔵され、前記照明部の照光を制御する制御装置と、前記装置本体の内側面と、前記装置本体の軸心に位置する支柱との間に、前記支柱を中心として半径方向に2以上配置された支持部材と、前記支持部材の支柱側端部を連結して前記支柱に巻回されるバンド部材とを備え、前記それぞれの支持部材は、前記制御装置が設置されているところの間隔が、他の間隔より広く配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、バンド部材が2以上配置された支持部材の支柱側端部を連結しているので、支柱の太さが変わっても、本発明の照明装置を取り付けることができる。この支持部材は、制御装置が設置されているところの間隔が、他の間隔より広く配置されていることにより、制御装置を設置するためのスペースを確保することができるので、制御装置を装置本体内に配置することができる。従って、照明装置をコンパクトにまとめることができるだけでなく、作業性の向上を図ることができる。
【0008】
前記支持部材が3以上配置されている場合、前記制御装置が設置されているところの間隔が、約180°に配置されていると、残りの約180°の間に、他の支持部材が配置されることになるので、制御装置の設置スペースを確保しつつ、装置本体の保持力を確保することができる。
【0009】
前記装置本体には、扉部が設けられ、前記制御装置の設置位置は、前記扉部側に位置していると、制御装置の設置およびメンテナンスが容易なので、更に作業性を向上させることができる。
【0010】
前記装置本体には、前記照明部の前記装置本体の筒下端内からの進退度合いを調整する調整機構が設けられていると、設置場所に応じて照明部からの照光範囲を調整することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、支持部材が、制御装置の設置位置における間隔を、他の間隔より広く配置したことにより、制御装置を設置するためのスペースを確保することができるので、制御装置を装置本体内に配置することができる。従って、支柱の太さが変わっても取り付けることができることで設置性を確保しつつ、筒状の本体内に機器類を設置することで作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明装置を支柱に装着した状態を示す正面図である。
【図2】図1に示す照明装置の底面図である。
【図3】図1に示す照明装置の水平断面図である。
【図4】図2に示す照明装置の一部拡大図である。
【図5】図1に示す照明装置の垂直断面図である。
【図6】図5に示す照明装置の一部拡大図である。
【図7】図5に示す照明装置の制御装置を取り付ける取付板を説明するための図である。
【図8】図5に示す照明装置の照明部が装置本体から覗いた状態を示す一部拡大図である。
【図9】図5に示す照明装置の照明部が装置本体へ収納された状態を示す一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る照明装置を図1から図9に基づいて説明する。なお、図5においては、制御装置を取り付けるための取付板は省略している。
図1から図3に示す照明装置1は、団地やマンションなどの集合住宅、道路傍、公園などに設置される外灯である。照明装置1は、支柱Pを軸心として支柱Pの上部に貫設されている。照明装置1は、筒状の装置本体2と、装置本体2の外側面に装着された太陽光発電パネル3と、装置本体2の下端に設けられた照明部4と、制御装置5とを備えている。
【0014】
装置本体2は、長尺矩形状の板材を折り曲げて筒状に形成したものである。本実施の形態では、装置本体2を水平断面が略正六角形状となるようにしている。装置本体2には、正六角形のうち2辺(2面)が扉部21として開閉する。
【0015】
太陽光発電パネル3は、それぞれが太陽光により電力出力する板状のパネル材を直列接続して装置本体2に取り付けられている。
照明部4は、六角形状のリング状に形成された外形で、LED41が基板42に配置され、カバー43により覆われている。
【0016】
制御装置5は、太陽光発電パネル3からの出力電圧を、蓄電池(図示せず)を充電するための電圧に変換する電圧変換機能と、周囲が暗くなったことを契機に照明部4を点灯したり、周囲が明るくなったことを契機に照明部4を消灯したりする点灯制御機能などを備えたコントローラ(図示せず)が内蔵されている。また、蓄電池の大きさが小さければ制御装置5の筐体内に蓄電池を収納することも可能である。
【0017】
ここで、装置本体2が支柱Pに取り付けられている取付構造について、図3から図6に基づいて説明する。
装置本体2は、支持部材6と、バンド部材7とにより支柱Pに固定されている。支持部材6は、装置本体2の内側面と、装置本体2の軸心に位置する支柱Pとの間に、支柱Pを中心として半径方向に3つを一組として、上端と下端と中央部との上下方向に3つ配置されている。
支持部材6は、本体側共通部材61と、支柱側共通部材62と、間隔調整部材63と、固定部材64とを備えている。
【0018】
本体側共通部材61は、装置本体2の上部から下部に至るまでの長さに形成された第1共通部材611と、第1共通部材611の上端と下端と中央部とのそれぞれに設けられた第1突片板612とを備えている。第1突片板612には、貫通孔が設けられている。
第1共通部材611は、角部22に配置される場合には角部22を挟む2面に接する曲折板611aに形成され、内側面に全体が接するように配置される場合には、一枚の平板611bに形成される。
【0019】
支柱側共通部材62は、装置本体2の上部から下部に至るまでの長さに形成された第2共通部材621と、第2共通部材621と同様に装置本体2の上部から下部に至るまでの長さに形成された第2突片板622とを備えている。第2突片板622は、第2共通部材621に垂直に立設され、ボルトを挿通させるための貫通孔が設けられている。また、第2突片板622の基端部には、バンド部材7を挿通させるための長孔622aが設けられている。この長孔622aは支柱Pに沿って形成されている。第2共通部材621は、支柱Pの円弧面に沿って折り曲げられた曲折板に形成されている。
間隔調整部材63は、長さ方向に沿ってスライド孔である長孔631が設けられ、第1突片板612と第2突片板622とを挟む2枚の板材により形成されている。
固定部材64は、第1突片板612と第2突片板622と間隔調整部材63の長孔631に挿通させる2本のボルト641と、ボルト641に螺合させるナット642とから形成される。
【0020】
図7に示すように、中央部および下端に位置する支持部材6には、断面略コ字状の制御装置5の取付板8が第1突片板612を止めるボルト641およびナット642と共にねじ止めされている。
図3および図6に示すバンド部材7は、円周方向に第2突片板622の長孔622aを挿通するバンド体71と、バンド体71をきつく締めた後に緩まないようにバンド体71を止めるバンド留め具72とから形成されている。
【0021】
このように構成された取付構造の取付方法について、図面に基づいて説明する。
予め支柱Pの太さを考慮した長さに間隔調整部材63を調整して、固定部材64であるボルト641とナット642とを仮止めしておく。
扉部21を開けた状態で装置本体2を支柱Pに被せ、対向する第2共通部材621の間に支柱Pを位置させる。次に、バンド体71を第2突片板622の長孔622aに挿通させて、間隔調整部材63を調整しながら、バンド体71をきつく締めた後にバンド留め具72でバンド体71が緩まないように固定する。そして、間隔調整部材63を固定するボルト641とナット642とを本止めする。
【0022】
そして、制御装置5を取り付けるための取付板8(図4および図7参照)を取り付け、太陽光発電パネル3および照明部4との配線を行う。これらの配線は全て装置本体2内で行うことができるので見栄えがよい。従って、意匠性の高い照明装置とすることができる。
【0023】
このようにして装置本体2を支柱Pに固定することができるので、太さが異なる支柱Pであっても、間隔調整部材63で装置本体2と支柱Pとの間隔を調整しながらバンド部材7を支柱Pに締め付けることにより、装置本体2を固定することができる。また、制御装置5と太陽光発電パネル3および照明部4との配線が装置本体2内で行うことができる。また、制御装置5内に蓄電池を内蔵している場合には蓄電池とコントローラとが予め結線されているので、設置作業での結線が不要である。従って、作業性の向上を図ることができる。
【0024】
また、支持部材6を形成する部材とのうち、第1共通部材611と第2共通部材621と第2突片板622とを共通させていることにより部品点数を減らせるだけでなく、装置本体2の上部から下部までの全体を保持させることができるので、保持力を向上させることができる。
【0025】
図3に示すように、支持部材6は、支柱Pを中心として半径方向へ装置本体2の内側面に向かって設けられている。それぞれの間隔は、角部22へ向かう支持部材6と隣接する2つの支持部材6との間は約90°としている。従って、制御装置5を挟む2つの支持部材6の間は約180°の間隔である。
【0026】
このように支持部材6を配置することで、3つの支持部材6を等間隔に120°ごとに配置した場合と比較して、制御装置5の配置スペースを広く確保することができるので、制御装置5を装置本体2内に配置することができる。従って、多少、太い支柱Pであっても、制御装置5を装置本体2内に配置することで、照明装置1をコンパクトにまとめることができる。また、制御装置5の設置位置を除く支持部材6の間隔を均等に配置したことで、支持部材6により偏り無く装置本体2を支持させることができる。
【0027】
また、制御装置5は、扉部21側に設けられているため、扉部21を開ければすぐに制御装置5についての作業を行うことができるので、制御装置5の設置およびメンテナンスが容易なので、更に作業性を向上させることができる。
【0028】
次に、照明部4の取付構造について、図8および図9に基づいて説明する。
照明部4は、装置本体2の下端に、進退度合いを調整することができる調整機構9により設置されている。
調整機構9は、装置本体2の下部の内側面に設けられたL字板91と、照明部4の上面に螺合すると共に、L字板91に挿通する長ボルト92と、L字板91との固定を取るボルト93とにより形成されている。この長ボルト92の先端側には、照明部4との固定を取るボルト94とが螺合されている。
【0029】
長ボルト92の上部にてボルト93を固定することで、L字板91からの長ボルト92の長さを長く位置させることができるので、照明部4を装置本体2の下端からのぞかせることができるので、照明部4の照光範囲を広い範囲とすることができる。また、長ボルト92の下部にてボルト93を固定することで、装置本体2の内部に照明部4を位置させることができるので、照明部4の照光範囲を狭いものとすることができる。
【0030】
このように、照明部4を装置本体2の筒下端内から進退させる調整機構9を備えることで、支柱Pが設置されている場所に応じて、照明部4の照光範囲を調整することができるので、照明装置1の設置場所の制限を少なくすることができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では支持部材6を半径方向に3つ設けられているが2つでも4つ以上でもよい。例えば、支持部材6が2つの場合には、制御装置5の設置位置の間隔を約180°より広い間隔とすることができる。また、4つの場合には、90°より広い間隔とすることができる。しかし、支持部材6を4つ設ける場合には、制御装置5を設置するためのスペースを広く確保するためには、支持部材6を約180°より広い間隔として、他の間隔を約60°より狭い間隔で均等に配置するのが偏り無く装置本体2を保持させることができるので望ましい。
また、装置本体2は水平断面が正六角形状に形成されているが、円形状でも他の多角形状でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、コンパクトで、意匠性が高く、かつ作業性が高いので、団地やマンションなどの集合住宅、道路傍、公園などに設置される外灯に好適である。
【符号の説明】
【0033】
1 照明装置
2 装置本体
21 扉部
22 角部
3 太陽光発電パネル
4 照明部
41 LED
42 基板
43 カバー
5 制御装置
6 支持部材
61 本体側共通部材
611 第1共通部材
611a 曲折板
611b 平板
612 第1突片板
62 支柱側共通部材
621 第2共通部材
622 第2突片板
622a 長孔
63 間隔調整部材
631 長孔
64 固定部材
641 ボルト
642 ナット
7 バンド部材
71 バンド体
72 バンド留め具
8 取付板
9 調整機構
91 L字板
92 長ボルト
93,94 ボルト
P 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱を軸心として装着され、筒状に形成された装置本体と、
前記装置本体の外周面に設けられた太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルの電力により点灯する照明部と、
前記装置本体に内蔵され、前記照明部の照光を制御する制御装置と、
前記装置本体の内側面と、前記装置本体の軸心に位置する支柱との間に、前記支柱を中心として半径方向に2以上配置された支持部材と、
前記支持部材の支柱側端部を連結して前記支柱に巻回されるバンド部材とを備え、
前記それぞれの支持部材は、前記制御装置が設置されているところの間隔が、他の間隔より広く配置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記支持部材が3以上配置されている場合、前記制御装置が設置されているところの間隔が、約180°に配置されている請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記装置本体には、扉部が設けられ、
前記制御装置の設置位置は、前記扉部側に位置している請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記装置本体には、前記照明部の前記装置本体の筒下端内からの進退度合いを調整する調整機構が設けられている請求項1から3のいずれかの項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−181349(P2011−181349A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44686(P2010−44686)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(503005179)株式会社マック (5)
【出願人】(510056939)株式会社SSP (1)
【Fターム(参考)】