説明

照明装置

【課題】ナノ結晶の蛍光体の特性を生かしつつ、性能低下や劣化を防ぐことができる、性能の高い照明装置を実現する。
【解決手段】一次光を発光する発光素子4と、前記一次光の一部を吸収して二次光を発光する波長変換部を備えた照明装置10において、前記波長変換部は、少なくともナノ結晶蛍光体を含む第1の波長変換部6と、希土類付活蛍光体もしくは遷移金属元素付活蛍光体を含む第2の波長変換部7とから構成され、前記発光素子4には、第1の波長変換部6、第2の波長変換部7が順に積層されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関し、特に、光源から発せられた光により励起される蛍光体を用いた照明装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
消費電力、小型、且つ高輝度が期待される次世代の照明装置として、ナノ結晶の蛍光体と、その蛍光体を励起する一次光を発する光源とからなる照明装置の開発が盛んに行われている。蛍光体にナノ結晶を用いることにより、従来の蛍光体と比較して発光効率の向上が期待されている。ナノ結晶の蛍光体の特徴として、量子サイズ効果によりナノ結晶の粒子サイズを変えることで青(短波長)から赤(長波長)まで自在に発光する色を制御できる。そして、作製条件を最適化させることでナノ結晶の粒子サイズ分布のばらつきをなくし、ほぼ均一な粒子サイズのナノ結晶の蛍光体が得られるため、細い発光スペクトルを得ることが出来る。
【0003】
このようなナノ結晶の蛍光体を用いた照明装置の一例が、特許文献1の特開2004−71357号公報に開示されている。図8は、特許文献1に示された照明装置の概略側面図である。この照明装置は、波長変換部を構成する蛍光体として粒径の異なるナノ結晶を用いて、光路順に、粒径の大きい蛍光体順に積層している。具体的には、赤色発光する粒径を有し、最も粒径の大きいInN系ナノ結晶である赤色蛍光体と、緑色発光する粒径を有し、中間の粒径のInN系ナノ結晶である緑色蛍光体と、青色発光する粒径を有し、最も粒径の小さいInN系ナノ結晶である青色蛍光体とが積層され、波長変換部を構成している。これら蛍光体は光源に近い順に、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体が積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−71357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている照明装置は、波長変換部として粒径の異なるナノ結晶を単一材料として用いているため、最後に積層された青色蛍光体は、その上面が大気にさらされた状態となる。もともと、ナノ結晶の蛍光体は酸素や水分に弱いため、最上層の蛍光体は直接空気に触れ、劣化する虞がある。これは、照明装置の性能低下につながり、問題となる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ナノ結晶の蛍光体の特性を生かしつつ、性能低下や劣化を防ぐことができる、長寿命の照明装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、一次光を発光する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して二次光を発光する波長変換部を備えた照明装置において、前記波長変換部は、少なくともナノ結晶蛍光体を含む第1の波長変換部と、希土類付活蛍光体もしくは遷移金属元素付活蛍光体を含む第2の波長変換部とから構成され、前記発光素子には、第1の波長変換部、第2の波長変換部が順に近接して積層されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る照明装置は、前記ナノ結晶蛍光体は、InおよびPを含むIII―V族化合物半導体または、CdおよびSeを含むII―VI化合物半導体よりなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る照明装置は、前記ナノ結晶蛍光体は、InPまたはCdSeのうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る照明装置は、前記希土類付活蛍光体は、付活剤としてCeもしくはEuを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る照明装置は、前記希土類付活蛍光体は、窒化物系蛍光体であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る照明装置は、前記希土類付活蛍光体は、サイアロン蛍光体であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る照明装置は、前記一次光の光路順に、ピーク波長の長い蛍光体順に積層することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の照明装置によれば、ナノ結晶の蛍光体の特性を生かしつつ、性能低下や劣化を防止し、長寿命の照明装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】照明装置の断面図である。
【図2】照明装置の製造工程を示す図である。
【図3】照明装置の製造工程を示す図である。
【図4】照明装置の発光スペクトルを示す図である。
【図5】実施例に対する比較例を示す図である。
【図6】実施例に対する比較例を示す図である。
【図7】照明装置の時間経過に伴う発光積算強度の測定結果である。
【図8】従来の照明装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図7を用いて以下に説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。本明細書において、「ナノ結晶」とは結晶サイズを励起子ボーア半径程度まで小さくし、量子サイズ効果による励起子の閉じ込めやバンドギャップの増大が観測される結晶を指すものとする。
【0017】
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る照明装置の断面図である。照明装置10は、電極1が形成された基板2と、電極1上に設けられたパッケージ3および発光素子4と、発光素子4と電極1を接続するワイヤ5、発光素子4の光路順に半導体ナノ粒子を含有する第1の波長変換部6とEu付活β型サイアロン蛍光体を含有する第2の波長変換部7が積層されたものとで構成される。
【0018】
電極1を形成する導体は、発光素子4を電気的に接続するための電導路としての機能を有し、ワイヤ5にて発光素子4と電気的に接続されている。導体としては、たとえばW、Mo、Cu、またはAg等の金属粉末を含むメタライズ層を用いることができる。基板2は、熱伝導性が高く、かつ全反射率の大きいことが求められるため、たとえばアルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック材料のほかに、金属酸化物微粒子を分散させた高分子樹脂が好適に用いられる。
【0019】
パッケージ3は、高い反射率を持ちつつ、封止樹脂との密着性が良いポリフタルアミドなどにより構成される。発光素子4は、光源として用いられ、たとえば450nmにピーク波長を有するGaN系発光ダイオード、ZnO系発光ダイオード、ダイヤモンド系発光ダイオード等を用いることができる。
【0020】
第1の波長変換部6としては、InP系のナノ結晶を用いることができる。InPは粒径を小さく(ナノ結晶化)していくと量子効果によってバンドギャップを青色から赤色の範囲で制御することができる。例えば、赤色発光する粒径(620〜750nm)を有する、InP系ナノ結晶である赤色蛍光体をシリコーン樹脂中に混合し硬化させたものを用いることができる。
【0021】
このほか、波長変換部6として、InP以外のIII―V族化合物半導体やII―VI化合物半導体よりなるナノ結晶である赤色蛍光体を用いてもよい。たとえば、II―VI族化合物半導体やIII―V族化合物半導体よりなるナノ結晶の化合物半導体としては、二元系では、II−VI族化合物半導体として、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbSe、PbS等が挙げられる。III−V族化合物半導体としては、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs等が挙げられる。
【0022】
また、三元系や四元系では、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、InGaN、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、InAlPAs等が挙げられる。
【0023】
そして、第1の波長変換部6としては、InおよびPを含むナノ結晶、または、CdおよびSeを含むナノ結晶を用いることが好ましい。その理由は、InおよびPを含むナノ結晶、または、CdおよびSeを含むナノ結晶は、可視光域(380nm〜780nm)で発光する粒径のナノ結晶を作製し易いためである。
【0024】
その中でも特に、InP、またはCdSeを用いることが好ましい。理由としては、InPとCdSeは、構成する材料が少ないため作製がし易い上、高い量子収率を示す材料であり、LEDの光を照射した際、高い発光効率を示すからである。ここでの量子収率とは、吸収した光子数に対する蛍光として発光した光子数の割合のことである。
【0025】
さらに言えば、第1の波長変換部6として、強い毒性を示すCdを含まないInPを用いることが好ましい。
【0026】
また、第2の波長変換部7としては、希土類付活蛍光体もしくは遷移金属元素付活蛍光体が好適である。これらの蛍光体は、酸素や水分の影響で蛍光体の発光効率が低下しにくい蛍光体であり、たとえば、蛍光体母体がイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)に付活剤としてセリウム(Ce)を導入したYAG:Ceなどが挙げられる。
【0027】
さらに、これらの蛍光体は希土類や遷移金属元素を付活された窒化物系蛍光体であることが望ましい。窒化物系蛍光体は、高温下でも発光効率の低下が起きにくい特徴を持つ。窒化物系蛍光体としては、たとえば、サイアロン蛍光体が考えられ、β型サイアロン(SiAlON)に希土類元素や遷移金属元素を付活した蛍光体が知られている。Tb、Yb、Agを付活したβ型サイアロンは525nmから545nmの緑色を発光する蛍光体となる。さらに、β型サイアロンにEu2+を付活した緑色の蛍光体が知られている。Eu付活β型サイアロン蛍光体は、従来の公知の方法にて製造することが出来る。具体的には、たとえばEu、EuN等の光学活性元素Euを含有する金属化合物と窒化アルミニウム(AlN)粉末と窒化珪素粉末(Si)とを均一に混合し、1800〜2000℃程度の温度で焼成することで得られる。これら原料粉末の混合比は、焼成後の蛍光体の組成比を考慮して適宜選択される。
【0028】
次に、照明装置10の製造方法の一例を以下に説明する。図2および図3は、照明装置10の製造工程を説明する図である。まず、図2に示されるように電極1、基板2、パッケージ3、発光素子4、そしてワイヤ5が備わったLEDパッケージを用意する。
【0029】
次に、重量比で樹脂:ナノ結晶である赤色蛍光体=1000:4.62の比になるよう樹脂とナノ結晶である赤色蛍光体を含有するトルエン溶液を混合する。ナノ結晶である赤色蛍光体には、InP結晶からなるものを使用した。また、シリコーン樹脂は、信越化学工業株式会社製SCR1011を使用した。SCR1011以外でも、ナノ結晶である赤色蛍光体が均一に分散される樹脂であって、透明であり、熱や光に強い樹脂であれば使用することが出来る。そして、図3に示すように、上記LEDパッケージにナノ結晶である赤色蛍光体を含有した樹脂を滴下し、所定の時間で硬化させることで第1の波長変換部6を作製した。
【0030】
次に、重量比で樹脂:Eu付活β型サイアロン蛍光体=1000:200の比で混合する。シリコーン樹脂は、信越化学工業株式会社製SCR1011を使用した。SCR1011以外でも、Eu付活β型サイアロン蛍光体が均一に分散される樹脂であって、透明であり、熱や光に強い樹脂であれば使用することが出来る。
【0031】
その後、第1の波長変換部6が形成されているLEDパッケージにEu付活β型サイアロン蛍光体を含有する樹脂を滴下し、所定の時間で硬化させることで第2の波長変換部7を作製した。今回は、第1の波長変換部6と第2の波長変換部7の一次光の光路方向の厚みは、同じになるよう調整したが、所望の色バランスに応じて厚みを適宜設定すればよい。上記のようにして、図1に示すような照明装置10が作製される。なお、製造方法については、第1の波長変換部6上に、第2の波長変換部7が形成される方法であれば、上記の方法に限られるものではない。また、本実施形態では、第1の波長変換部6上に連続して第2の波長変換部7を積層しているが、第1の波長変換部6と第2の波長変換部7の間にこれら以外の層が積層されていても構わない。
【0032】
上記の手順により作製された照明装置10の発光スペクトルを、大塚電子株式会社製分光光度計MCPD−7000にて測定した。
【0033】
図4は、照明装置10の発光スペクトルを示したグラフである。ナノ結晶である赤色蛍光体を用いたことにより、従来の赤色蛍光体よりも細い発光スペクトルが得られ、従来に比べて、NTSC(National Television System Commitee)比が向上し、色再現性が改善された。
【0034】
なお、本実施形態では、第1の波長変換部、第2の波長変換部のみで形成される照明装置10の作製方法について示したが、さらに、別の蛍光体よりなる波長変換部が積層されてもよい。ここで、各波長変換部における蛍光体は、それぞれの励起エネルギーより大きいエネルギーを有した光を全て吸収し、蛍光として二次光を発色する。励起エネルギーの大きい蛍光体(例えば青色)で発光した二次光は、励起エネルギーの小さい蛍光体(例えば赤色)に吸収されてしまい、所望の色バランスを得るのが難しくなる。このような場合には、一次光の光路順にピーク波長の長い蛍光体順に積層することで、各蛍光体から発光した二次光は、他色を発光する蛍光体に再度吸収されることがほとんど無く、所望の色バランスを容易に得ることができる。
【0035】
<実施形態2>
次に、上述の方法および材料により作製された、数種類の照明装置10を用い、発光強度とその発光強度の経時変化を測定した。まず、第1の波長変換部6上に、第2の波長変換部7を積層し、該第2の波長変換部のシリコーン樹脂に含まれるEu付活β型サイアロン蛍光体の量を変化させたものを3種類作製した。即ち、第2の波長変換部7のシリコーン樹脂SCR1011の1g当たりに含まれるEu付活β型サイアロン蛍光体の量が(イ)0.03g、(ロ)0.1g、(ハ)0.3gの3種類である。
【0036】
(比較例)
次に、比較例として、第1の波長変換部6上にシリコーン樹脂のみを積層した照明装置(ニ)、第1の波長変換部上にはシリコーン樹脂も何も積層せず、空気中にさらした状態の照明装置(ホ)を作製した。図5は、第1の波長変換部6上に、シリコーン樹脂8を積層した照明装置10a(二)を示している。シリコーン樹脂8は、上述したSCR1011を用い、図1に示した第2の波長変換部とほぼ同じ厚みになるように積層した。図6は、第1の波長変換部6上には何も積層しない照明装置10b(ホ)を示している。つまり、第1の波長変換部6は、その上面は、空気中にさらされた状態である。
【0037】
(測定結果)
そこで、上記(イ)〜(ホ)の照明装置について、照明装置の作製直後、および一定時間経過後の発光積算強度を比較測定した結果を図7に示す。本実施形態では、分光光度計MCPD−7000を用いて発光スペクトルを測定し、波長630nm〜780nmの発光強度を積算した。それぞれの照明装置の作製時におけるナノ結晶である赤色蛍光体の発光積算強度を100とし、作製後30日経過した時点で、同様にしてナノ結晶である赤色蛍光体の発光積算強度を計算した。
【0038】
図7の(イ)〜(ハ)に示すように、シリコーン樹脂にEu付活β型サイアロン蛍光体を混合すると、作製直後のナノ結晶蛍光体の発光積算強度を基準とした場合、作製してから30日経過しても、基準値の約半分の発光積算強度の低下で抑えられることがわかる。また、(ホ)0(シリコーン樹脂を積層せず)では、発光積算強度が30.5a.u.(arb unit)となり、時間経過によりかなり劣化が進んでいる。また、(ニ)0(シリコーン樹脂のみ積層)では、発光積算強度が32.3a.u.であり、何も積層しないものに比べて、やや発光積算強度の劣化が抑えられている。このことから、シリコーン樹脂8が、ナノ結晶である赤色蛍光体を空気中の酸素や水分から守る働きを有していることがわかる。
【0039】
そして、経時変化を見ると、シリコーン樹脂8にEu付活β型サイアロン蛍光体を混合し、積層したもの(イ)〜(ハ)は、混合される量がいずれの場合も、ナノ結晶である赤色蛍光体上にシリコーン樹脂8のみを積層(ニ)したか、何も積層しない(ホ)場合よりも、発光積算強度が高くなっている。特に、(ハ)シリコーン樹脂1gあたりEu付活β型サイアロン蛍光体0.3gを混合したものは、発光積算強度は55.5a.u.であり、優れた劣化防止効果をあげている。希土類付活、あるいは遷移金属元素付活蛍光体は、酸素や水分に強い性質を有するため、これを樹脂に含ませて積層することで、その下のナノ結晶である蛍光体を封止し、保護する働きが向上する。さらに、希土類付活、あるいは遷移金属元素付活蛍光体の濃度をあげることで、より効果が高まることが実験により明らかになった。
【0040】
以上のように、ナノ結晶である蛍光体上に、希土類付活、あるいは遷移金属元素付活蛍光体を用いた場合、希土類付活、あるいは遷移金属元素付活蛍光体が、従来の蛍光体の働きと、ナノ結晶である蛍光体ナノ結晶を保護する働きを兼ね備えているので、ナノ結晶である蛍光体を酸素や水分から守るために樹脂などの特別な積層構造やキャップを用いる必要が無いため、製造工程が増えることもない。このように、本発明によれば、ナノ結晶である蛍光体の特性を生かしつつ、ナノ結晶である蛍光体を酸素や水分から保護し、照明装置の劣化を防ぎ、耐性に優れた照明装置を効率的に得ることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 電極
2 基板
3 パッケージ
4 発光素子
5 ワイヤ
6 第1の波長変換部
7 第2の波長変換部
8 シリコーン樹脂
10、10a、10b 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次光を発光する発光素子と、
前記一次光の一部を吸収して二次光を発光する波長変換部を備えた照明装置において、
前記波長変換部は、少なくともナノ結晶蛍光体を含む第1の波長変換部と、希土類付活蛍光体もしくは遷移金属元素付活蛍光体を含む第2の波長変換部とから構成され、
前記発光素子には、第1の波長変換部、第2の波長変換部が順に近接して積層されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記ナノ結晶蛍光体は、InおよびPを含むIII―V族化合物半導体または、CdおよびSeを含むII―VI化合物半導体よりなることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ナノ結晶蛍光体は、InPまたはCdSeのうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記希土類付活蛍光体は、付活剤としてCeもしくはEuを含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記希土類付活蛍光体は、窒化物系蛍光体であることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記希土類付活蛍光体は、サイアロン蛍光体であることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記一次光の光路順に、ピーク波長の長い蛍光体順に積層することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−36265(P2012−36265A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175873(P2010−175873)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】