説明

照明装置

【課題】LED光源部を用いて、省エネルギ、長寿命を実現可能であると共に、空気清浄機能を備え、室内での使用に適した、面状の照明装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明にかかる照明装置は、導光板2と、前記導光板2の側面に設けられたLED光源部7とを備えた照明装置であって、前記導光板2から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部7が、前記導光板2の対向する側面に設けられた一対の白色系LEDユニットと、前記白色系LEDユニットと直交する前記導光板2の対向する側面に設けられた一対の紫外線を含む光線を照射する青色系LEDユニットとを用いて構成されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、具体的には、LED光源部(LEDを用いた光源部)と光触媒とを用いて構成された、消臭、脱臭、抗菌等の空気清浄機能を発揮し得る、面状の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋内外の多くの照明装置には、蛍光灯が用いられている。ところが、近年、環境等への影響を考慮して、蛍光灯に代わる光源を用いた、省エネルギ、長寿命を実現可能な照明装置が求められている。
【0003】
上記蛍光灯に代わる光源としては、「LED(発光ダイオード)」(以下、LEDを用いた光源部を「LED光源部」ともいう。)が注目されている。その高輝度化に伴い、最近では、照明装置の光源として、LED光源部の使用が増えてきている。LED光源部は、発熱が少ないという特徴を有し、これを用いて照明装置を構成すれば、蛍光灯との対比において、省エネルギ、長寿命化を図ると共に、装置の小型化を実現することも可能となる。
【0004】
従来技術にかかる照明装置としては、例えば、直管型蛍光灯が平行に複数本配置されている照明装置が知られているが、これの代替品として、看板や液晶テレビ(のバックライト等)に用いられる面状発光技術を応用した面状照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、一方では、照明装置と光触媒とを利用することによって、空気清浄機能を発揮し得る種々の装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−081096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、近年は、省エネルギ、長寿命を実現可能な照明装置が求められており、それを実現するための光源として、LEDを用いた光源部の利用が注目されている。
【0008】
しかしながら、LEDの輝度の指向特性(半減角度)が鋭いため、LED光源部を用いた照明装置は、直下照度・明るさ・広がり等が、従来技術にかかる直管型蛍光灯に比べて不足しがちになり配光不足になるという問題があった。すなわち、会議室や病院の待合室等においては、部屋全体を明るくする必要があるが、LED光源部を用いて広い配光特性を有する面状発光の照明装置を構成するのは、困難であるという問題があった。
【0009】
また、従来技術にかかる光触媒等を用いた空気清浄機能を有する照明装置は、光触媒を励起させるための光源として、太陽光や特殊なランプ(ブラックライトや水銀ランプ等)がよく用いられるが、これらの光源は、室内照明(会議室や病院の待合室等の照明)として使用するのには好ましくないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術にかかる問題を解決するためになされたものであって、LED光源部を用いて、省エネルギ、長寿命を実現可能であると共に、空気清浄機能を備え、室内での使用に適した、面状の照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一態様にかかる照明装置は、上記課題を解決するためになされたもので、導光板と、前記導光板の側面に設けられたLED光源部とを備えた照明装置であって、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、前記光触媒を励起し得る波長の光線を照射すべく構成されていることを特徴としている。
【0012】
このように構成された照明装置によれば、前記導光板の側面に前記LED光源部が設けられているため、面状薄型の照明装置とすることができる。また、前記LED光源部を用いて構成されているため、省エネルギ、長寿命を実現可能な照明装置とすることができる。さらに、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、前記光触媒を励起し得る波長の光線を照射すべく構成されているため、前記光触媒が励起し、空気清浄機能を有する照明装置とすることができる。すなわち、本発明によれば、LED光源部を用いて、省エネルギ、長寿命を実現可能であると共に、空気清浄機能を備え、室内での使用に適した、面状の照明装置を得ることができる。
【0013】
また、本発明の第二態様にかかる照明装置は、上記課題を解決するためになされたもので、導光板と、前記導光板の側面に設けられたLED光源部とを備えた照明装置であって、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、白色系LEDと、紫外線を含む光線を照射する青色系LEDとを用いて構成されていることを特徴としている。
【0014】
このように構成された照明装置によれば、第一態様と同様に、前記導光板の側面に前記LED光源部が設けられているため、面状薄型の照明装置とすることができ、前記LED光源部を用いて構成されているため、省エネルギ、長寿命を実現可能な照明装置とすることができる。また、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、紫外線を含む光線を照射する青色系LEDを用いて構成されているため、前記光触媒が励起し、空気清浄機能を有する照明装置とすることができる。すなわち、本発明によれば、LED光源部を用いて、省エネルギ、長寿命を実現可能であると共に、空気清浄機能を備え、室内での使用に適した、面状の照明装置を得ることができる。
【0015】
さらに、本発明の第三態様にかかる照明装置は、上記課題を解決するためになされたもので、導光板と、前記導光板の側面に設けられたLED光源部とを備えた照明装置であって、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、前記導光板の対向する側面に設けられた一対の白色系LEDユニットと、前記白色系LEDユニットと直交する前記導光板の対向する側面に設けられた一対の紫外線を含む光線を照射する青色系LEDユニットとを用いて構成されていることを特徴としている。
【0016】
このように構成された照明装置によれば、第一態様および第二態様と同様に、前記導光板の側面に前記LED光源部が設けられているため、面状薄型の照明装置とすることができ、前記LED光源部を用いて構成されているため、省エネルギ、長寿命を実現可能な照明装置とすることができる。また、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、紫外線を含む光線を照射する青色系LEDユニットを用いて構成されているため、前記光触媒が励起し、空気清浄機能を有する照明装置とすることができる。すなわち、本発明によれば、LED光源部を用いて、省エネルギ、長寿命を実現可能であると共に、空気清浄機能を備え、室内での使用に適した、面状の照明装置を得ることができる。
【0017】
また、本発明の第四態様にかかる照明装置は、前記第一態様から第三態様のいずれかの構成において、前記導光板から光線が出射される出射面側に拡散シートが設けられており、前記拡散シートに前記光触媒が担持されている構成が好ましい。さらに、前記光触媒が担持された前記拡散シートは、前記光触媒を担持した面が周囲の空気に直接接触すべく構成されていることが好ましい。
【0018】
この好ましい構成によれば、前記拡散シートに前記光触媒が担持され、前記光触媒を担持した面が周囲の空気に直接接触すべく構成されているため、効果的に前記光触媒が励起され、空気清浄機能を有する照明装置を実現することができる。
【0019】
また、本発明の第五態様にかかる照明装置は、前記第四態様の構成において、前記導光板における前記出射面と対向する、前記導光板の底面側に反射シートが設けられており、前記反射シート上には、複数の反射体ドットが設けられている構成が好ましい。さらに、前記反射体ドットは、前記LED光源部との距離に比例して広い面積を有するように構成されている。
【0020】
この好ましい構成によれば、入射からの距離にかかわらず、反射体ドット(反射体突起)側面に入射した光線は、突起側面で反射または散乱して、光触媒が担持された前記拡散シートに向けて紫外線を均一に照射されることとなる。
【0021】
また、本発明の第六態様にかかる照明装置は、上記課題を解決するためになされたもので、導光板と、前記導光板の側面に設けられたLED光源部とを備えた照明装置であって、前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、前記LED光源部が、前記導光板の対向する側面に設けられた一対の白色系LEDユニットと、前記白色系LEDユニットと直交する前記導光板の対向する側面に設けられた一対の混成LEDユニットとを用いて構成されており、前記混成LEDユニットのそれぞれが、白色系LEDと、紫外線を含む光線を照射する青色系LEDとを用いて構成されており、一方の前記混成LEDユニット中の前記青色系LEDが、他方の前記混成LEDユニット中の前記白色系LEDと対向する位置に設けられていることを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、両照射面にて青色系LEDが交差(対向)しないように配列されているため、入射光源の輝度が白色系LEDチップのみの構成と比較して若干減衰するものの、適切な照度を得ると共に、酸化チタンを励起する効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、LED光源部を用いて、省エネルギ、長寿命を実現可能であると共に、空気清浄機能を備え、室内での使用に適した、面状の照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる照明装置の概略斜視図を示したものである。
【図2】図1のII−II線概略断面図を示したものである。
【図3】図1のIII−III線概略断面図を示したものである。
【図4】本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成するLED光源部実装基板の概略構成図を示したものである。
【図5】本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成する導光板とLED光源部(LEDユニット等)の概略構成図を示したものである。
【図6】本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成する導光板およびその周辺要素の概略断面図を示したものである。
【図7】本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成する調光制御回路を示したものである。
【図8】本発明の第二実施形態にかかる照明装置を構成する導光板とLED光源部(LEDユニット等)の概略構成図を示したものである。
【図9】本発明の第三実施形態にかかる照明装置を構成する導光板とLED光源部(LEDユニット等)の概略構成図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
【0026】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態にかかる照明装置の概略斜視図を示したものである。また、図2は、図1のII−II線概略断面図を示し、図3は、図1のIII−III線概略断面図を示している。また、図4は、本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成するLED光源部実装基板の概略構成図を示したものである。また、図5は、本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成する導光板とLED光源部(LEDユニット等)の概略構成図を示したものである。また、図6は、本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成する導光板およびその周辺要素の概略断面図を示したものである。さらに、図7は、本発明の第一実施形態にかかる照明装置を構成する調光制御回路を示したものである。
【0027】
これらの図に示すように、本発明の第一実施形態にかかる照明装置1は、導光板2と、導光板2の側面に設けられた複数のLEDユニット(第一LEDユニット10〜第四LEDユニット13)を用いて構成されたLED光源部と、これらを収容すべく構成された筐体5等とを備え、導光板2から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、LED光源部が、光触媒を励起し得る波長の光線を照射すべく構成されている。本実施形態にかかる照明装置1を構成する筐体5は、断面コ字形状に形成されている。また、この筐体5は、アルミニウムを用いて構成されている。
【0028】
本実施形態にかかる照明装置1を構成する導光板2は、その側面に設けられた複数のLEDユニット10〜13により、面状発光すべく構成されている。導光板2から光線が出射される出射面側には、図2等に示すように、拡散シート4が設けられている。また、導光板2における出射面と対向する側(すなわち導光板2の底面側(照明装置1を天井等に設置する際の設置面側))には、第一反射シート3(本発明の「反射シート」に相当)が設けられており、第一反射シート3上には、図6に示すように、複数の反射体ドット6が設けられている。
【0029】
本実施形態にかかる照明装置1を構成する導光板2は、その側面から入射したLEDユニット10〜13からの光線を拡散反射させて、広い面積から均質な光線を放射させるべく構成されている。この導光板2は、例えば、アクリル樹脂を用いて構成され、上述したように、その一方の面(光線の出射面)には拡散シート4が設けられ、他方の面(底面)には第一反射シート3および反射体ドット6が設けられている。
【0030】
筐体5の内壁には、図2等に示すように、第二反射シート9が設けられている。また、この筐体5は、LEDユニット10〜13のヒートシンクとして機能すべく構成されており、筐体5とLEDユニット10〜13との間には、放熱剤が充填されている。
【0031】
図6に示すように、第一反射シート3には、その表面に複数の反射体ドット6が設けられている。この反射体ドット6は、例えば、第一反射シート3上に印刷して設けられる。この際には、種々のスクリーンインクを印刷用インクとして用いることが可能である。また、図6に示すように、反射体ドット6は、それぞれのLEDユニット10〜13からの距離に比例して広い面積を有するように構成されている。本実施形態によれば、反射体ドット6がこのように構成されているため、導光板2の側面から入射した光線は、導光板2内部で表面反射を繰り返して広がり、出射面輝度を増幅させることができる。さらに、拡散シート4を構成する拡散剤としては、アルミナ(酸化アルミニウム)、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)、シリカ(二酸化珪素)等を用いることが可能である。
【0032】
本実施形態にかかる照明装置1を構成するLEDユニット10〜13は、それぞれ、複数のLEDチップ7を用いて構成されている。
より具体的には、図5等に示すように、本実施形態にかかるLEDユニット10〜13は、複数の白色系LEDチップ7Aを一列に配設して構成された一対の第三LEDユニット12(白色系LEDユニット)および第四LEDユニット13(白色系LEDユニット)と、複数の青色系LEDチップ7Bを一列に配設して構成された一対の第一LEDユニット10(青色系LEDユニット)および第二LEDユニット11(青色系LEDユニット)とを用いて構成されている。
【0033】
すなわち、LEDユニット10〜13は、導光板2の端部に配置され、透光板2の互いに平行な両側端面に、白色系LEDユニット12,13が設けられ、透光板2の互いに平行な他の両側端面に、紫外線を含む光線を照射する青色系LEDユニット10,11が設けられている。LEDユニット10〜13を構成する各LEDチップ7は、導光板2の出射面と略平行となるように、導光板2の各側端部に沿って、LED基板8上に直線状に配置されている(図4等参照)。
【0034】
図5等に示すように、本実施形態にかかる照明装置1を構成するLEDユニット10〜13には、各LEDチップ7にエネルギを供給するための接続配線16が電気的に接続されている。また、隣接するLEDユニット10〜13は、コネクタ17を介して接続配線16を用いて電気的に接続されている。このコネクタ17は、電源部(図示省略)に接続されている。
【0035】
本実施形態において、LEDユニット10〜13は、一つのLEDユニットの出力側ケーブルと、隣接する他のLEDユニットの入力側ケーブルとをコネクタ17で接続することにより、コネクタ17のラダー接続が可能となり、LEDユニット間の輝度のばらつきを抑制することができる。
【0036】
図7は、本発明の第一実施形態にかかる照明装置1を構成する調光制御回路のブロック図を示したものである。この図7に示すように、本実施形態にかかる調光制御回路は、スイッチングACアダプタ、コンデンサC、抵抗R、IC素子から成る制御回路14と、トランジスタ(第一トランジスタ21〜第四トランジスタ24)とを用いて構成されている。これらのトランジスタ(第一トランジスタ21〜第四トランジスタ24)は、上述したLEDユニット(第一LEDユニット10〜第四LEDユニット13)にそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態においては、スイッチングACアダプタからそれぞれのLEDユニット10〜13に対して給電される。また、本実施形態においては制御回路14および第一トランジスタ21〜第四トランジスタ24を用いてパルス制御回路が構成されている。さらに、この調光制御回路には、操作回路15を有するスイッチが接続されている。調光制御回路は、ON/OFFスイッチ、ボリュームからの信号を検知し、対応するLEDユニット10〜13の点灯・消灯および調光制御を実現可能であるべく構成されている。
【0037】
本実施形態にかかる照明装置1において、光触媒は、暗所でも抗菌効果をえるために、例えば、可視光応答型二酸化チタンと、銀錯体系抗菌剤とを含むものであることが好ましい。具体的には、本実施形態においては、拡散シート4に、可視光応答型二酸化チタンおよび銀錯体系抗菌剤の少なくとも一方が担持されている。
【0038】
上述した「光触媒」とは、紫外線等の光エネルギによって活性化されて、その表面の物質を酸化することによって、種々の有機物を分解することにより、抗菌作用、除菌作用、脱臭作用等の効果を発揮し得る物質である。この「光触媒」としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化ジルコニウム等の少なくとも一つを用いたものが使用される(つまり、本実施形態においては、これらのいずれか一つを用いることも、また複合的に用いることも可能である。)。
【0039】
本実施形態においては、例えば、拡散シート4の表面に酸化チタン層が形成されている。
この酸化チタン層は、例えば、拡散シート4の表面に酸化チタン溶液を塗布する塗布工程と、塗布した酸化チタン溶液を乾燥させる乾燥工程とを複数回行うことによって形成される。例えば、拡散シート4に対して、スプレーあるいは刷毛等を用いて酸化チタン溶液を塗布し(塗布工程)、その後、ドライヤ、送風機、あるいは自然乾燥によって酸化チタン溶液を乾燥させる(乾燥工程)。これらの塗布工程および乾燥工程を複数回(例えば2〜3回)繰り返すことによって、光触媒が担持された拡散シート4が構成される。
【0040】
本実施形態にかかる照明装置1は、以上のように構成されているため、次のような作用効果を得ることができる。
【0041】
本実施形態にかかる照明装置1によれば、導光板2の端面に設けられた白色系LEDユニット12,13からの入射光と、青色系LEDユニット10,11からの入射光とが導光板2に入射し、これらの入射光が導光板2内部で伝播し(図6等参照)、出射面に拡散シート4を備えた導光板2により、均一で高輝度な面状発光を実現することができる。
【0042】
すなわち、本実施形態によれば、白色系LEDユニット12,13および青色系LEDユニット10,11からの光線を導光板2の端面から入射させ、導光板2内部を伝播させて出射面から出射させることにより、白色光および紫外線の面発光を実現し、面状に担持した光触媒により空気中の有害物質の滅菌および脱臭を行うことができる、空気清浄機能を備えた照明装置を得ることができる。このような構成であれば、省エネ、高効率、薄型化、高照度、広面積の照度特性を実現することが可能な照明装置を得ることができる。
【0043】
本実施形態においては、光触媒を担持した拡散シート4に対して、室内の空気が循環接触するように、導光板2およびその周辺要素を構成することが好ましい。この好ましい構成によれば、より効果的に、室内空気の脱臭と殺菌とを行うことができる。
【0044】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態にかかる空気清浄機能を有する照明装置について説明する。
【0045】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、照度と紫外線量等との関係についても、新たな発明を行うに至った。以下、第二実施形態として、具体的に説明する。
なお、以下で説明する照度と紫外線量等との関係は、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0046】
まず、太陽光(可視光)に含まれる紫外線量は、1(mW/cm)程度である。また、室内照明用の蛍光灯の光に含まれる紫外線量は、1(μW/cm)程度である。さらに、導光板(に設けられた拡散シート)に担持した酸化チタンのエネルギーバンドギャップは3.2(eV)(ピーク波長380nm〜420nm)であり、励起紫外線量は、5(μW/cm)程度である。
【0047】
ここで、発明者らは、担持した酸化チタンの励起条件(紫外線量)を人体に害を与えない条件として、「10〜5(μW/cm)」とした。そして、照明装置の照度を距離1mで800ルックスとして、白色系LEDチップと青色系LEDチップとを混載させる際の効果的な構成を見出した。
【0048】
紫外線の輝度特性は0ルックスに近く、LEDチップの指向特性は100°〜120°である。本実施形態にかかる照明装置においては、種々の実験・検討の結果、ピッチが9mm(1直列:3個(3チップ)、チップ抵抗含み9mm)、指向特性が120°で導光板(30×800×5mm)の側面入射照明の透過距離が300mmである場合、青色系LEDチップを1チップ(3.0×1.4mm)実装することで(すなわち、「白色系LEDチップ:青色系LEDチップ=2:1」と配列することで)、担持した酸化チタンを適切に作用させることができる。
【0049】
このような考えに基づいて構成された照明装置を図8に示す。図8は、本発明の第二実施形態にかかる照明装置を構成するLEDユニットの概略図を示したものである。この図8において、第一実施形態と同様の構成要素については、同様の符号を付して詳細な説明を省略し、主に、第一実施形態と異なる構成要素について説明を行う。この第二実施形態にかかる照明装置は、基本的な構成は第一実施形態と同様であり、LEDチップの配列のみが第一実施形態と異なる。
【0050】
図8に示した本実施形態にかかる照明装置は、短手方向に配設されている一対のLEDユニット(本発明の「白色系LEDユニット」に相当)30,31が、白色系LEDチップを用いて構成されている。そして、この照明装置においては、長手方向に配設されている一対のLEDユニット(本発明の「混成LEDユニット」に相当)32,33が、白色系LEDチップ37Aと青色系LEDチップ37Bとを2:1の割合で交互に配列して構成されている。また、本実施形態においては、対向するLEDユニット32,33のそれぞれに設けられている青色系LEDチップ37Bの対向する位置には、白色系LEDチップ37Aが設けられている。
【0051】
ここで、LEDチップ37A,37Bとしては、LEDチップ3014型、半減角120°のものを用いている。また、各LEDチップ間距離(ピッチ)は3mmである。
【0052】
このような構成によれば、導光板厚さ5mmの側面に入射光源として実装でき、出射面上に四側面からの光源が反射または散乱することにより、より大きな輝度が得られることとなる。また、本実施形態においては、白色系LEDチップ37Aと青色系LEDチップ37Bとが2:1の割合で交互に設けられ、さらに、両照射面にて青色系LEDチップが交差(対向)しないように配列されているため、入射光源の輝度が白色系LEDチップのみの構成と比較して約8.4%の輝度減衰が生ずるものの、酸化チタンの閾値を保ち酸化チタンを励起する効果を得ることができる。
【0053】
ところで、本実施形態において、「直列」の場合、電源電圧DC12V、LEDチップのV:3.2V、I:20mAとすれば、「12−(3.2×3)=2.4V」となり、抵抗値Rは120Ωになる。したがって、LEDチップ3個と抵抗とを直列に接続した場合、全てのLEDチップの明るさを均一にすることができる。また、3個のLEDチップに対して同じ電流を供給することができる。さらに、「並列」の場合(例えば、後述する第三実施形態の場合)、低い電源電圧(DC12V)で数多くのLEDチップを駆動させることができる。また、「並列」の場合、一つのLEDチップの並列接続が何等かの理由で故障して点灯しなくても、他の並列に接続したLEDチップを点灯させることができる。
【0054】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態にかかる空気清浄機能を有する照明装置について説明する。なお、以下においては、第一実施形態と同様の構成要素については、同様の符号を付して詳細な説明を省略し、主に、第一実施形態と異なる構成要素について説明を行う。
【0055】
この第三実施形態にかかる照明装置は、基本的な構成は第一実施形態と同様であり、照度と紫外線量等との関係に関する基本的な技術的思想は第二実施形態と同様である。つまり、LEDチップの配列のみが第一実施形態と異なる。
【0056】
本実施形態にかかる照明装置においては、ピッチが9mm(1直列:3個(3チップ)、チップ抵抗含み9mm)、指向特性が120°で導光板(30×800×5mm)の側面入射照明の透過距離が300mmである場合、1直列2並列とすることで(ピッチを18mmとして、白色系LEDチップを5個(5チップ)、青色系LEDチップを1チップ(3.0×1.4mm)実装することで(すなわち、「白色系LEDチップ:青色系LEDチップ=5:1」と配列することで)、担持した酸化チタンを適切に作用させることができる。
【0057】
このような考えに基づいて構成された照明装置を図9に示す。図9は、本発明の第三実施形態にかかる照明装置を構成するLEDユニットの概略図を示したものである。
【0058】
図9に示した本実施形態にかかる照明装置は、短手方向に配設されている一対のLEDユニット(本発明の「白色系LEDユニット」に相当)40,41が、白色系LEDチップを用いて構成されている。そして、この照明装置においては、長手方向に配設されている一対のLEDユニット(本発明の「混成LEDユニット」に相当)42,43が、白色系LEDチップ47Aと青色系LEDチップ47Bとを5:1の割合で交互に配列して構成されている。また、本実施形態においては、対向するLEDユニット42,43のそれぞれに設けられている青色系LEDチップ47Bの対向する位置には、白色系LEDチップ47Aが設けられている。
【0059】
ここで、LEDチップ47A,47Bとしては、LEDチップ3014型、半減角120°のものを用いている。また、各LEDチップ間距離(ピッチ)は3mmである。
【0060】
このような構成によれば、導光板厚さ5mmの側面に入射光源として実装でき、出射面上に四側面からの光源が反射または散乱することにより、より大きな輝度が得られることとなる。また、白色系LEDチップ47Aと青色系LEDチップ47Bとが5:1の割合で交互に設けられ、さらに、両照射面にて青色系LEDチップが交差(対向)しないように配列されているため、入射光源の輝度が白色系LEDチップのみの構成と比較して約6.2%の輝度減衰が生ずるものの、酸化チタンの閾値を保ち酸化チタンを励起する効果を得ることができる。
【0061】
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0062】
例えば、本発明においては、照明装置を構成する白色光および紫外線を含む青色光が、IGF−I(インスリン様成長因子−I)産生を増加させる構成であることが好ましい。この好ましい構成によれば、青色光で知覚神経等を刺激して活性化させると刺激部位の局所で、同時にIGF−Iを生成するこことなるため、各種疾患の治癒を促進させることができる。
【0063】
また、上述した各実施形態においては、「LED」として「LEDチップ」を用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず必要に応じて、種々の「LED」を用いることが可能である。したがって、例えば、「砲弾型LED」を用いてもよい。さらに、必要に応じて、種々の「LED」を同時に用いて構成してもよい(例えば、「LEDチップ」と「砲弾型LED」とを交互に配列する構成としてもよい)。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明にかかる照明装置は、白色面状発光と空気清浄機能とを有するため、会議室、病院の待合室、病室等での使用に適している。また、本発明にかかる照明装置は、当然のことながら、一般家庭や学校等にて使用される室内照明としても好適に利用可能である。されに、本発明にかかる照明装置は、空気中の菌や臭い成分の分解等が可能であるため、牛舎や鶏舎等内における照明装置としても好適である。
【符号の説明】
【0065】
1…照明装置
2…導光体
3…第一反射シート
4…拡散シート
5…筐体
6…反射体ドット
7…LEDチップ
7A…白色系LEDチップ
7B…青色系LEDチップ
8…LED基板
9…第二反射シート
10…第一LEDユニット(青色系LEDユニット)
11…第二LEDユニット(青色系LEDユニット)
12…第三LEDユニット(白色系LEDユニット)
13…第四LEDユニット(白色系LEDユニット)
14…制御回路
15…操作回路
16…接続配線
17…コネクタ
21…第一トランジスタ
22…第二トランジスタ
23…第三トランジスタ
24…第四トランジスタ
30…第一LEDユニット
31…第二LEDユニット
32…第三LEDユニット
33…第四LEDユニット
37A…白色系LEDチップ
37B…青色系LEDチップ
40…第一LEDユニット
41…第二LEDユニット
42…第三LEDユニット
43…第四LEDユニット
47A…白色系LEDチップ
47B…青色系LEDチップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、前記導光板の側面に設けられたLED光源部とを備えた照明装置であって、
前記導光板から出射される光線の通過位置に光触媒が配設されており、
前記LED光源部が、前記光触媒を励起し得る波長の光線を照射すべく構成されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記LED光源部が、白色系LEDと、紫外線を含む光線を照射する青色系LEDとを用いて構成されている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記LED光源部が、前記導光板の対向する側面に設けられた一対の白色系LEDユニットと、前記白色系LEDユニットと直交する前記導光板の対向する側面に設けられた一対の紫外線を含む光線を照射する青色系LEDユニットとを用いて構成されている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光板から光線が出射される出射面側に拡散シートが設けられており、前記拡散シートに前記光触媒が担持されている
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光板における前記出射面と対向する、前記導光板の底面側に反射シートが設けられており、前記反射シート上には、複数の反射体ドットが設けられている
請求項4に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114875(P2013−114875A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259617(P2011−259617)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(511288980)株式会社イナヅマ電気工事 (1)
【Fターム(参考)】