説明

照明装置

【課題】光源部が着脱可能とされる照明装置において、係合部材の強度を高めつつ、係合部材と他の部材との干渉を抑制して装置全厚を薄くする。
【解決手段】照明装置1は、装着部2と、装着部2に着脱可能に装着され発光パネルを有する光源部3と、を備える。装着部2は、光源部3が装着される面の一端部に被係合部21を有し、他端部に被保持部22を有する。光源部3は、前記発光パネルを覆うパッケージ30と、パッケージ30の装着部2側に装着部2に向けて突設された係合部31及び保持部32と、を有する。係合部31は被係合部21と係合し、保持部32は被保持部22と係合する。係合部31及び保持部32は、互いに対向する面が光源部3の中心方向に向かって傾斜する斜面として構成されている。パッケージ30との接合面積が大きくなるので係合部31及び保持部32の強度が高まり、しかも係合部31及び保持部32が他の部材と干渉し難くなるので装置全厚を薄くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL素子等の固体発光素子を光源として用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光が可能であり、有機化合物の種類によって様々な発光色が得られ、また、平面状の発光パネルとしての製造が容易である。そのため、近年、照明装置の発光源に用いることが注目されている。
【0003】
有機EL素子の発光パネルを用いた照明装置において、発光パネルが寿命に達した場合、又は、他のサイズ、種類の発光パネルを使用する場合、発光パネルの交換が必要になる。従って、有機EL素子を光源とする発光パネルを用いた照明装置においては、発光パネルの交換を容易に行えるように構成されていることが望ましい。例えば、下記特許文献1には、有機EL素子を用いる発光パネルを発光源として用いたEL照明装置が開示されている。
【0004】
この種の照明装置は、例えば、図17に示すように、天井や壁に取り付けられる装着部100と、装着部100に着脱可能に装着され平板状の有機EL素子を有する光源部200と、を備える。光源部200は、自身に設けられた係合部210及び保持部220をそれぞれ装着部100に設けられた被係合部110及び被保持部120に係合させることで装着部100に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−129766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような照明装置では、係合部材と装着部100や光源部200との接合面積が小さいので、係合部材の強度が低く、大きな力がかかった場合等に係合部材が破損し易い。また、強度を高めようと係合部材を大きくして装着部100や光源部200との接合面積を増大させると、照明装置の他の部材と干渉して装置全厚が大きくなる虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであって、光源部が着脱可能とされる照明装置において、係合部材の強度を高めつつ、係合部材と他の部材との干渉を抑制して装置全厚を薄くすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明装置は、天井や壁に取り付けられる装着部と、この装着部に着脱可能に装着され平板状の発光パネルを有する光源部と、を備え、前記装着部は、前記光源部が装着される装着面の一端部に設けられた被係合部と、前記装着面の前記一端部に対峙する他端部に設けられた被保持部と、を有し、前記光源部は、前記発光パネルを覆うパッケージと、前記パッケージの前記装着部側に該装着部に向けて突設された係合部及び保持部と、を有し、前記係合部は前記被係合部と係合し、前記保持部は前記被保持部と係合し、前記係合部及び保持部は、前記パッケージとの接合面積を大きくするように互いに対向する面が前記光源部の中心方向に向かって傾斜する斜面として構成されていることを特徴とする。
【0009】
前記光源部は、前記係合部を前記被係合部に係合させた状態で前記装着部に対して回動自在であり、前記被係合部は、前記装着面の一端部に前記被保持部方向にスライド自在に設けられ、前記被保持部は、前記被係合部方向に伸びる保持爪を有し、前記保持部は、前記被保持部の保持爪と係合する保持爪を有し、これらの保持爪は、互いの係合に関わる係合面と、前記係合面とは反対側の非係合面と、をそれぞれ有し、前記被係合部及び被保持部を通る側断面において、前記被保持部の保持爪は前記非係合面の該保持爪先端が基端よりも前記装着部側に位置するように形成されている、又は前記保持部の保持爪は前記非係合面の該保持爪先端が基端よりも前記光源部側に位置するように形成されていることが好ましい。
【0010】
前記光源部は、前記係合部を前記被係合部に係合させた状態で前記装着部に対して回動自在であり、前記被係合部は、前記装着面の一端部に前記被保持部方向にスライド自在に設けられ、前記被保持部は、前記被係合部方向に伸びる保持爪を有し、前記保持部は、前記被保持部の保持爪と係合する保持爪を有し、これらの保持爪は、互いの係合に関わる係合面をそれぞれ有し、前記被係合部及び被保持部を通る側断面において、前記被保持部の保持爪は前記係合面の該保持爪先端が基端よりも前記光源部側に位置するように形成されている、又は前記保持部の保持爪は前記係合面の該保持爪先端が基端よりも前記装着部側に位置するように形成されていることが好ましい。
【0011】
前記被係合部は、前記被保持部方向に伸びる係合爪を有し、前記係合部は、前記被係合部の係合爪と係合する係合爪を有し、これらの係合爪は、互いの係合に関わる係合面をそれぞれ有し、前記被係合部及び被保持部を通る側断面において、前記被係合部の係合爪は前記係合面の該係合爪先端が基端よりも前記光源部側に位置するように形成されている、又は前記係合部の係合爪は前記係合面の該係合爪先端が基端よりも前記装着部側に位置するように形成されていることが好ましい。
【0012】
前記パッケージは、前記係合部近傍の装着部側の端部が斜めに面取りされた面取り面を有し、該面取り面を前記装着部の装着面に当接させた状態で前記被係合部及び係合部を近接させたときに該被係合部及び係合部が互いに係合する位置に配置されるように構成されていることが好ましい。
【0013】
前記面取り面は、前記係合部の係合爪の非係合面と平行になっていることが好ましい。
【0014】
前記被係合部は、前記装着部に対して傾斜することができるように遊びを持って設けられていることが好ましい。
【0015】
前記被係合部は、その外面の前記被保持部側かつ光源部側に凸部を有し、該凸部が前記被係合部が前記装着部から脱落しないように前記装着部に設けられた段差に係合していることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、係合部及び保持部のパッケージに連なる部分が斜面となっており、パッケージとの接合面積が大きくなるので係合部及び保持部の強度が高まると共に、係合部及び保持部が他の部材と干渉し難くなるので照明装置の全厚を薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を装着部側から見たときの分解斜視図。
【図2】上記照明装置を光源部側から見たときの分解斜視図。
【図3】上記照明装置を装着部側から見た斜視図。
【図4】図3のI−I線断面図。
【図5】上記光源部を装着部に対して回動させた状態における照明装置の側面図。
【図6】図4の点線で囲まれた領域の拡大図。
【図7】上記照明装置を構成する被係合部と係合部との係合状態を示す側断面図。
【図8】上記装着部に組み込まれた被係合部の斜視図。
【図9】(a)(b)は上記装着部内における被係合部のスライド動作を示す図8のI−I線断面図。
【図10】上記被係合部を光源部側から見た斜視図。
【図11】上記被係合部を装着部側から見た部分断面斜視図。
【図12】上記被係合部の装着部への組み込みを示す分解斜視図。
【図13】上記装着部に組み込まれた被係合部の側断面図。
【図14】(a)は上記光源部の面取り面を装着部の装着面に当接させた状態における被係合部と係合部との係合状態を示す側断面図、(b)は(a)の状態から光源部を被係合部方向に押し込んだ状態を示す図。
【図15】(a)は上記光源部を被係合部方向に押し込んだ状態で光源部を装着部方向に回動させたときの装着部と光源部との係合状態を示す側断面図、(b)は(a)の状態から光源部を被保持部方向にスライドさせたときの状態を示す図。
【図16】(a)は上記光源部を被係合部方向に押し込まずに装着部方向に回動させたときの被保持部と保持部との接触を示す側断面図、(b)は(a)の状態から保持部が被係合部方向にスライドしている様子を示す図。
【図17】従来の照明装置の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る照明装置について、図1乃至図5を参照して説明する。照明装置1は、天井や壁に取り付けられハウジングを有する装着部2と、装着部2に着脱可能に装着される光源部3と、を備える。装着部2は、光照射面側から見て矩形状とされ、光源部3が装着される装着面2Aに被係合部21及び被保持部22を備える。被係合部21は矩形の一の辺の中央近傍(一端部)に設けられ、被保持部22は前記一の辺に対向する辺の中央近傍(他端部)に設けられる。光源部3は、光照射面側から見て矩形状とされ、平板状の発光パネルと、この発光パネルを収容するパッケージ30と、を備える。パッケージ30は、装着部2側の面に係合部31及び保持部32を有する。係合部31及び保持部32は、共に装着部2方向に突設され、互いに対向する面31a、32aが光源部3の中心方向に向かって傾斜する斜面として構成されている。これにより、係合部31及び保持部32とパッケージ30との接合面積が大きくなる。また、同じ接合面積を持つ従来の係合部材と比べて、係合部31及び保持部32が占めるスペースが少ないので、照明装置1内部の有効スペースが増える。係合部31は被係合部21と係合し、保持部32は被保持部22と係合する。これら係合部材が係合することで、光源部3は装着部2に着脱可能に装着される。また、光源部3は、係合部31を装着部2の被係合部21に係合させた状態で、装着部2に対して回動可能となっている(図5参照)。
【0019】
装着部2は、ネジ孔23に挿通されたネジ24により天井や壁に取り付けられる。装着部2は、光源部3の点灯を制御する回路基板25と、回路基板25から導出された端子受部26と、を備える。端子受部26には、パッケージ30の装着部2側に突出した端子部33が差し込まれる。これにより、装着部2と光源部3とが電気的に接続される。
【0020】
光源部3は、端子部33と電気的に接続された発光パネルを有する。発光パネルは、有機EL素子より構成される。有機EL素子は、例えば、発光面側から順に透光性基板、透明導電膜から成る正電極、発光性有機材料を含む発光層、そして光反射性を有する負電極を積層したものより成る。
【0021】
パッケージ30は、発光パネルの発光面を覆うカバー30aと、発光パネルの非発光面を覆うケース30bと、を有する。カバー30aは、透明な矩形平板状部材により構成される。ケース30bは、一面が開口した箱形形状とされ、その開口部にカバー30aが装着される。ケース30bは、例えば、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチック材料や表面に絶縁処理が施されたアルミニウム等の金属材料より構成される。ケース30bは、係合部31近傍の装着部2側の端部及び保持部32近傍の装着部2側の端部が斜めに面取りされることで形成された面取り面34を有する。面取り面34の斜度は、係合部31側の面取り面34を介して光源部3と装着部2の装着面2Aとを当接させ、その状態のまま光源部3を被係合部21方向に移動させたときに、被係合部21と係合部31とが互いに係合する位置に配置されるように設定されている。また、ケース30bは、係合部31及び保持部32の近傍に複数のスペーサ35を有する。スペーサ35は、光源部3を装着部2に装着したときに、光源部3と装着部2との間隔を規定する。
【0022】
図6に示すように、被保持部22は被係合部21方向に伸びる保持爪22aを有し、保持部32はこの保持爪22aと係合する保持爪32bを有する。被係合部21及び被保持部22を通る側断面(図6参照)において、被保持部22の保持爪先端22bは、保持部32との係合に関わる係合面22cの基端22dよりも光源部3側に位置する。また、この保持爪先端22bは、係合面22cとは反対側の非係合面22eの基端22fよりも装着部2側に位置する。同様に、保持部32の保持爪先端32cは、被保持部22との係合に関わる係合面32dの基端32eよりも装着部2側に位置し、かつ非係合面32fの基端32gよりも光源部3側に位置する。
【0023】
図7に示すように、被係合部21は被保持部22方向に伸びる係合爪21aを有し、係合部31はこの係合爪21aと係合する係合爪31bを有する。被係合部21及び被保持部22を通る側断面(図7参照)において、被係合部21の係合爪先端21bは、係合部31との係合に関わる係合面21cの基端21dよりも光源部2側に位置する。また、係合部31の係合爪先端31cは、被係合部21との係合に関わる係合面31dの基端31eよりも装着部2側に位置する。更に、係合部31の非係合面31fは、係合部31側の面取り面34と平行に構成されている。
【0024】
図8、図9に示すように、被係合部21(ドットで示す)は、バネ4により被保持部22方向に弾性付勢され、スライド自在な状態で装着部2に設けられる。図9(a)は被係合部21が最も被保持部22に近づいた状態を示し、図9(b)は被係合部21が最も被保持部22から離れた状態を示す。なお、図9(a)(b)ではバネの図示を省略している。
【0025】
被係合部21は、図10、図11に示すように、上述の係合爪21aに加えて、係合爪21aの両脇に設けられた溝部21eを有する。溝部21eは、係合爪21aが連なる方向に直交する方向に伸びる溝を有し、この溝にバネ4が収容される。被係合部21は、更に、溝部21eの被保持部22側の外面の光源部3側に設けられた凸部21fと、溝部21eの外面から係合爪21aが連なる方向に突出した突起部21gと、を有する。凸部21fは、装着部2に設けられた段差27に係合することで装着部2からの被係合部21の脱落を防止する(図9(a)参照)。突起部21gは、後述のように、装着部2による被係合部21の保持に関わる。
【0026】
被係合部21は、図12に示すように、装着部2の天井や壁に取り付けられる面(取付面)側から装着部2に導入され、突起部21gが装着部2に設けられた支持部28に載置された状態で装着部2に保持される。被係合部21の溝部21eには、バネ4の一端が挿入され、バネ4の他端は装着部2に設けられた弾性体支持部29に係止される。被係合部21の取付面側には、補強板5が設けられる。補強板5は、被係合部21の取付面側からの脱落を防止する。これにより、被係合部21は、図13に示すように、突起部21gが装着部2の支持部28と補強板5との間に挟まれた状態で装着部2に保持される。このとき、被係合部21は、支持部28(装着部2)に対して傾くことができるように遊びを持って設けられる(傾いた状態の突起部21gを点線で示す)。
【0027】
次に、光源部3を装着部2に装着する一連の動作について、上述の図5に加えて、図14乃至図16を参照して説明する。まず、図5に示すように、光源部3の係合部31側の面取り面34を装着部2の装着面2Aに当接させた状態で、光源部3を被係合部21方向に移動させる。これにより、図14(a)に示すように、被係合部21及び係合部31が互いに係合する位置に配置される。このとき、係合部31の非係合面31fが面取り面34と平行に設けられているので、例えば、図14(a)において点線で示す構造の係合部31を用いる場合に比べて、係合部31を収容するために装着部2に必要とされる領域(逃がし)が小さくなる。その後、図14(b)に示すように、バネ4の弾性力に逆らって、光源部3を被係合部21方向に押し込む。次いで、この光源部3を押し込んだ状態のまま、光源部3の保持部32側の端部を装着部2方向に回動させて、光源部3と装着部2とを密着させる。このとき、図15(a)に示すように、被保持部22及び保持部32は、光源部3が被係合部21方向にスライドしているので互いに係合しない。この状態から、光源部3の被係合部21方向への押し込みを解除すると、図15(b)に示すように、光源部3が被保持部22方向に移動して、被保持部22と保持部32とが係合する。以上の動作により、被係合部21と係合部31そして被保持部22と保持部32がそれぞれ係合し、光源部3が装着部2に装着される。
【0028】
また、上記よりも簡便な動作で光源部3を装着部2に装着するには、図5の状態から光源部3を被係合部21方向に押し込むことなく装着部2方向に回動させる。この場合、図16(a)に示すように、被保持部22と保持部32とが互いの非係合面22e、32fを介して接触する。ここで、これら非係合面22e、32fは、保持部32が被保持部22と係合する方向に被保持部22の非係合面22e上を滑ることができるように傾斜している。そのため、保持部32は、図16(b)に示すように、被保持部22と接触した後、被保持部22の非係合面22e上を滑り、被保持部22の保持爪先端22bを超えた時点で被保持部22に係合する。このように、被保持部22及び保持部32の非係合面22e、32fの傾斜を利用して、回動動作の力を被係合部21方向に光源部3をスライドさせる力に変換することで光源部3を装着部2に装着してもよい。
【0029】
一方、光源部3を装着部2から取り外すには、上記段落0027に記載の動作を逆に行う。すなわち、まず、光源部3を被係合部21方向にスライドさせて被保持部22と保持部32との係合を外し、次いで、光源部3の保持部32側の端部を装着部2から離れる方向に回動させた後、係合部31を被係合部21から取り外す。ここで、被係合部21及び係合部31の係合面21c、31dは、被係合部21と係合部31との係合が外れ易いように傾斜している(図7参照)。また、被係合部21は、遊びを持って装着部2に設けられているので、係合部31が外れ易い方向に傾く。そのため、係合部31は容易に被係合部21から外れる。
【0030】
上述のように、光源部3を装着部2から取り外すには、まず、光源部3を被係合部21方向にスライドさせてから、光源部3を回動させる。しかしながら、場合によっては、光源部3をスライドさせる手順を忘れ、いきなり光源部3を回動させてしまうことがあり得る。ここで、被保持部22及び保持部32の係合面22c、32dは、被保持部22に係合した保持部32が被保持部22から外れる方向に被保持部22の係合面22c上を滑ることができるように傾斜している(図6参照)。従って、誤動作等によりいきなり被保持部22と保持部32との係合を外そうとした場合であっても、保持部32は、被保持部22の係合面22c上を滑り、速やかに被保持部22から外れる。
【0031】
また、光源部3を装着部2から取り外す際に、光源部3は、保持部32が被保持部22から外れた時点でバネ4の弾性力により被保持部22方向にスライドする。このとき、図4に示したように、係合部31近傍のスペーサ35がネジ24のネジ頭と干渉するようにしておけば、スペーサ35がネジ24のネジ頭に乗り上げて光源部3が装着部2から浮き上がる。これにより、光源部3と装着部2との間に指を入れる空間ができるので光源部3の取り外し作業が容易となる。
【0032】
以上のように、本実施形態の照明装置1によれば、係合部31及び保持部32のパッケージ30に連なる部分が斜面になっているので、パッケージ30との接合面積が大きくなって係合部31及び保持部32の強度が高くなる。また、照明装置1内部の有効スペースが増えるので、従来装置と比べて、部材間の干渉が少なくなって装置全厚を薄くしたり、より多くの部材を照明装置1に設けることが可能となる。このような有効スペースは、係合部31及び保持部32の互いに対向する面31a、32aが斜面になっているので、照明装置1の中央領域に形成される。
【0033】
また、被保持部22と保持部32とを互いの非係合面22e、32fを介して当接させた場合に、これら非係合面22e、32fが被保持部22と保持部32との係合が円滑に起こるように傾斜しているので、光源部3の装着部2への装着が容易となる。
【0034】
また、互いに係合した被保持部22と保持部32に誤動作等によって無理な過重が印可された場合に、その係合が速やかに外れるようにそれぞれの係合面22c、32dが傾斜しているので、被保持部22及び保持部32の破損を防止することができる。
【0035】
また、光源部3を装着部2から取り外す作業の際に、被係合部21と係合部31との係合が外れ易いように被係合部21及び係合部31の係合面21c、31dが傾斜しているので、取り外し作業が容易となる。また、被係合部21が装着部2に遊びを持って設けられているので、係合部31が被係合部21から外れ易くなり、更に、被係合部21に無理な力がかかり難くなるので被係合部21の破損や装着部2から脱落を防止することができる。
【0036】
また、ケース30bに面取り面34が設けられているので、この面取り面34と装着部2の装着面2Aとを当接させるだけで、被係合部21と係合部31とを互いに係合する位置に配置することができる。これにより、光源部3の装着部2への装着が容易となる。
【0037】
また、係合部31の非係合面31fがケース30bの係合部31近傍の面取り面34と平行に設けられているので、装着部2の薄型化が可能となり、照明装置1の全厚を薄くすることができる。
【0038】
更に、被係合部21に凸部21fが設けられているので、製造工程における装着部2の組み立てに際して、補強板5を組み込む前であっても被係合部21が装着部2から脱落し難くなる。これにより、照明装置1の組み立て効率が向上する。
【0039】
なお、本発明に係る照明装置は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、光源部を構成する発光体は、有機EL素子に限定されず、無機EL素子やLED(Light emitting diode)等の固体発光素子より構成されてもよい。また、被保持部及び保持部の保持爪は、本実施形態においては両方とも傾斜した非係合面を有するが、どちらか一方の保持爪だけがこのような非係合面を有する構成とされてもよい。同様に、被保持部及び保持部の保持爪のどちらか一方だけが傾斜した係合面を有する構成とされてもよいし、被係合部及び係合部の係合爪のどちらか一方だけが傾斜した係合面を有する構成とされてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 照明装置
2 装着部
2A 装着面
21 被係合部
21a 被係合部の係合爪
21b 被係合部の係合爪先端
21c 被係合部の係合爪の係合面
21d 被係合部の係合爪の係合面の基端
21f 被係合部の凸部
22 被保持部
22a 被保持部の保持爪
22b 被保持部の保持爪先端
22c 被保持部の保持爪の係合面
22d 被保持部の保持爪の係合面の基端
22e 被保持部の保持爪の非係合面
22f 被保持部の保持爪の非係合面の基端
27 装着部に設けられた段差
3 光源部
30 パッケージ
31 係合部
31a 係合部の保持部と対向する面
31b 係合部の係合爪
31c 係合部の係合爪先端
31d 係合部の係合爪の係合面
31e 係合部の係合爪の係合面の基端
31f 係合部の係合爪の非係合面
32 保持部
32a 保持部の係合部と対向する面
32b 保持部の保持爪
32c 保持部の保持爪先端
32d 保持部の保持爪の係合面
32e 保持部の保持爪の係合面の基端
32f 保持部の保持爪の非係合面
32g 保持部の保持爪の非係合面の基端
34 面取り面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井や壁に取り付けられる装着部と、この装着部に着脱可能に装着され平板状の発光パネルを有する光源部と、を備えた照明装置において、
前記装着部は、前記光源部が装着される装着面の一端部に設けられた被係合部と、前記装着面の前記一端部に対峙する他端部に設けられた被保持部と、を有し、
前記光源部は、前記発光パネルを覆うパッケージと、前記パッケージの前記装着部側に該装着部に向けて突設された係合部及び保持部と、を有し、
前記係合部は前記被係合部と係合し、前記保持部は前記被保持部と係合し、
前記係合部及び保持部は、前記パッケージとの接合面積を大きくするように互いに対向する面が前記光源部の中心方向に向かって傾斜する斜面として構成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記係合部を前記被係合部に係合させた状態で前記装着部に対して回動自在であり、
前記被係合部は、前記装着面の一端部に前記被保持部方向にスライド自在に設けられ、
前記被保持部は、前記被係合部方向に伸びる保持爪を有し、
前記保持部は、前記被保持部の保持爪と係合する保持爪を有し、
これらの保持爪は、互いの係合に関わる係合面と、前記係合面とは反対側の非係合面と、をそれぞれ有し、
前記被係合部及び被保持部を通る側断面において、前記被保持部の保持爪は前記非係合面の該保持爪先端が基端よりも前記装着部側に位置するように形成されている、又は前記保持部の保持爪は前記非係合面の該保持爪先端が基端よりも前記光源部側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源部は、前記係合部を前記被係合部に係合させた状態で前記装着部に対して回動自在であり、
前記被係合部は、前記装着面の一端部に前記被保持部方向にスライド自在に設けられ、
前記被保持部は、前記被係合部方向に伸びる保持爪を有し、
前記保持部は、前記被保持部の保持爪と係合する保持爪を有し、
これらの保持爪は、互いの係合に関わる係合面をそれぞれ有し、
前記被係合部及び被保持部を通る側断面において、前記被保持部の保持爪は前記係合面の該保持爪先端が基端よりも前記光源部側に位置するように形成されている、又は前記保持部の保持爪は前記係合面の該保持爪先端が基端よりも前記装着部側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記被係合部は、前記被保持部方向に伸びる係合爪を有し、
前記係合部は、前記被係合部の係合爪と係合する係合爪を有し、
これらの係合爪は、互いの係合に関わる係合面をそれぞれ有し、
前記被係合部及び被保持部を通る側断面において、前記被係合部の係合爪は前記係合面の該係合爪先端が基端よりも前記光源部側に位置するように形成されている、又は前記係合部の係合爪は前記係合面の該係合爪先端が基端よりも前記装着部側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記パッケージは、前記係合部近傍の装着部側の端部が斜めに面取りされた面取り面を有し、該面取り面を前記装着部の装着面に当接させた状態で前記被係合部及び係合部を近接させたときに該被係合部及び係合部が互いに係合する位置に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記面取り面は、前記係合部の係合爪の非係合面と平行になっていることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記被係合部は、前記装着部に対して傾斜することができるように遊びを持って設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記被係合部は、その外面の前記被保持部側かつ光源部側に凸部を有し、該凸部が前記被係合部が前記装着部から脱落しないように前記装着部に設けられた段差に係合していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−51053(P2013−51053A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187083(P2011−187083)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】