説明

照明装置

【課題】複数の照明器具を一体的に配置して照明でき、かつ分散的に配置して照明することもでき、しかも利用者の手間をかけることなく効果的な省エネルギーを実現することができる照明装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の照明装置1は、各々に光源及び点灯回路を備えた取外し可能な複数の照明器具10と;前記複数の照明器具を取り付けて一体に組み合わせたとき、及び前記複数の照明器具の一部又は全部を取り外して個々に配置したときにも、前記複数の照明器具の点灯状態を全体的に制御する制御部20と;を具備したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明器具同士の連結と分離が可能である照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無駄な明るさをコントロールして快適に省エネを実現する照明手法として多灯分散照明が奨励されている。多灯分散照明は、住宅などにおいて一室全体を一灯の照明器具で照らすのでなく、消費電力の低い器具を分散させて配置し、目的に応じて必要な場所に必要なだけの明るさを確保することにより、省エネと生活シチュエーションに合った効果的な照明演出を実現しようとするものである。
【0003】
多灯分散照明では、消費電力の少ない複数の照明器具を生活シーンに合わせ、必要なだけ点灯すれば、快適性を増すと同時に経済的にも節約になり、結果としてCO2の排出を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−303501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多灯分散照明では、計画的に配置しなければ、照明器具が増え全体の消費電力が一室一灯の場合より増加する可能性がある。また、効果的な省エネルギーのためには、複数の照明器具をこまめにオンオフする必要があり、利用者の手間が増える。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、複数の照明器具を一体的に配置して照明でき、かつ分散的に配置して照明することもでき、しかも利用者の手間をかけることなく効果的な省エネルギーを実現することができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の照明装置は、各々に光源及び点灯回路を備えた取外し可能な複数の照明器具と;前記複数の照明器具を取り付けて一体に組み合わせたとき、及び前記複数の照明器具の一部又は全部を取り外して個々に分散して配置したときにも、前記複数の照明器具の点灯状態を全体的に制御する制御部と;を具備したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の照明器具を一体的に配置して照明でき、かつ分散的に配置して照明することもでき、しかも利用者の手間をかけることなく効果的な省エネルギーを実現することができる照明装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具を一体に組み合わせたときの構成図である。
【図2】第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具を取り外して分散して配置したとき(有線給電時)の構成図である。
【図3】第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具の各照明器具の構成図である。
【図4】第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具を取り外して分散して配置したとき(無線給電時)の構成図である。
【図5】第2の実施形態の照明装置における複数の照明器具を一体に組み合わせたときの構成図である。
【図6】第2の実施形態の照明装置における複数の照明器具を取り外して分散して配置したとき(有線給電時)の構成図である。
【図7】第2の実施形態の照明装置における複数の照明器具の各照明器具の構成図である。
【図8】第2の実施形態の照明装置における複数の照明器具を取り外して分散して配置したとき(無線給電時)の構成図である。
【図9】第3の実施形態の照明装置における、コネクタ及び照明器具の構成図。
【図10】図9の照明装置の応用例の構成図。
【図11】第4の実施形態の照明装置における、複数の照明空間における明るさ優先順位に応じた消費電力分配の変化の一例を示したグラフ。
【図12】第5の実施形態の照明装置における、複数の照明空間における明るさ優先順位の判定方法の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態の照明装置は、複数の照明器具と、制御部とを備えている。
複数の照明器具は各々に、LED等の光源及びその点灯回路を含んでいる。
制御部は、前記複数の照明器具が着脱可能に取り付けられ、前記複数の照明器具を取り付けて一体に組み合わせたとき、及び前記複数の照明器具の一部又は全部を取り外して個々に配置したときにも、前記複数の照明器具の点灯状態を全体的に制御する。
【0011】
本実施形態において、特に限定しない限り、用語の定義及び技術的意味は以下による。
【0012】
光源は、その発光体が例えばLEDである場合、1つのLEDであってもよく、或いは、複数のLEDの直列回路でもよく、さらにそのLED直列回路を複数個並列接続したものであってもよい。また、複数のLEDの並列回路であってもよい。LED配列モジュールの代わりに有機EL等の発光体であってもよい。
【0013】
点灯状態とは、複数の照明器具全体の点灯時の消費電力量や、複数の照明エリアそれぞれに配置された複数の照明器具間での点灯時の消費電力分配割合などをいう。
【0014】
無線給電の方式としては、例えば磁場共鳴型の非接触給電技術であって、送電用の無線給電部から供給された電力エネルギーが空間を介して同じ振動周波数で共鳴する受電用無線受電部に伝播する。より具体的には、制御部或いは親機の無線給電部のコイルに電流が流れることにより発生する磁場の振動が、照明器具の無線受電部のコイルに伝わり共鳴電流が流れることによって、電力エネルギーが伝搬する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1乃至図4は本発明の第1の実施形態の照明装置の構成の一例である。第1の実施形態の照明装置1は、子機としての複数の照明器具10の全ての接続端子11が天井裏などに配設されている中央コントロール部としての制御部20に設けられた商用交流電源供給用の接続端子21、或いは、制御部20以外の天井面に配設された商用交流電源供給用の接続端子21aに電気的に接続可能な構成となっている。なお、商用交流電源供給用の接続端子21aは天井面に限らず、壁面や床面に配設されているものであってもよい。
【0016】
図1は第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具10を制御部20に接続端子21,11を介して一体的に結合したときの構成図を示している。
例えば、照明装置1が部屋の天井面に設置されている場合、天井40の図示上側の天井裏空間42には制御部20及び給電線30が配設されており、天井40の下側の室内空間41には制御部20の下面に照明器具10が接続端子21,11を介して複数個取り付けられている。制御部20の下面には複数個の照明器具10を接続するための接続端子21が複数個設けられ、複数個の照明器具10の上面側にはそれぞれ接続端子11が設けられている。接続端子21は給電線30に電気的に接続する商用交流電源供給用の電源コンセントに相当し、接続端子11は照明器具10の電源部(図3の符号12)に電気的に接続する電源プラグに相当するものである。
【0017】
図1の照明器具の配置状態では、制御部20の下面に集中的に設けられた複数の接続端子21に対して、複数の照明器具10が接続して配置されるので、一室一灯と同様に部屋の例えば中央部分からの照明光が部屋全体を照明することになり、部屋の中央付近では明るく部屋の中央付近から離れるほど暗くなる照明状態となる。
【0018】
図2は第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具10を制御部20の接続端子から取り外して天井面の他の位置に配設されている商用交流電源供給用の接続端子21aに分散して配置したとき(有線給電時)の構成図を示している。前述したように、商用交流電源供給用の接続端子21aは天井面に限らず、壁面や床面に配設されているものであってもよい。
【0019】
図2では、部屋の中央付近の天井面には、図1の照明器具の配置状態から例えば複数の照明器具10のうちの1個の照明器具を残してその他の照明器具10を部屋の中央付近以外の天井面に適宜に配設された電源コンセントとしての複数の接続端子21aに対して、前記その他の複数の照明器具10が分散して配置されているので、前述した多灯分散照明と同様な効果を実現することが可能となり、部屋全体又は一部を適宜の明るさで照明することができる。
【0020】
図1の集中的な点灯では、照明器具個々の明るさ制御は全ての照明器具に対して一様に明るさを下げたり上げたりする調光制御を行うことがあっても、複数の照明器具個々に明るさを制御する必要はない、と考えられる。これに対して、図2の分散点灯では、広い部屋では同じ室内でも室内の場所によって明るさを制御することが好ましいことがあり、或いは、部屋ごとの明るさ制御を行う場合には、部屋ごとに明るさを制御することが好ましいことがあるが、分散点灯はこのような要望に応えることができる。
【0021】
制御部20は、複数の照明器具10に対する制御機能を備えている。制御部20は、メモリ部23を有し、外部より通信部22を介して入力される、複数の照明器具全体の消費電力量を一定値以下に制限するための上限などの制限データや、消費電力量を一定値以下に制限するという前提のもとで総消費電力量を配分する際の複数の照明器具10のそれぞれの器具に対応する消費電力量の分配率などの配分データを保存することが可能である。
【0022】
従って、例えば広い室内の位置によって分散配置された照明器具の明るさを制御する場合には、制御部20からの明るさ増減を指示する制御信号を通信部22(図3参照)を介して無線通信で、室内の被制御位置に存在する照明器具10に対して送信することにより、被制御位置の照明器具10は通信部17(図3参照)でその無線指示を受け取り制御部18(図3参照)でエンコードして点灯制御信号(例えばPWM信号)を生成し、点灯回路15(図3参照)をPWM制御することによって光源16(図3参照)の点灯照度を制御し、所望の明るさで照明光を出力することができる。
【0023】
なお、図2では、分散配置の例として天井面に電源コンセントとしての接続端子21aを設けた場合について説明しているが、壁や床に配設した電源コンセントを接続端子として利用してもよいことは勿論である。
【0024】
図3は第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具の各照明器具の詳細な構成を示している。
図3において、照明器具10は、電源部12と、無線受電部13と、切替部14と、点灯回路15と、光源16と、通信部17と、制御部18と、を備えている。
【0025】
電源部12は、商用交流電圧を整流し、さらに安定化直流電圧を生成して出力する直流電圧生成装置と、蓄電するためのバッテリとを備えで構成されており、制御部18,点灯回路15及び光源16等に直流電源電圧を供給する一方、電源部12で直流化した電源電圧を充電して蓄えることも可能となっている。
【0026】
無線受電部13は、例えばコイルを備えた磁場共鳴型の無線給電に対応した無線受電部である。図4で述べるが、複数の照明器具10を制御部20から分離して、室内に分散配置した場合に、分離された照明器具10はこの分離に基づいて切替部14にて無線給電部24を選択し、かつ制御部20は複数の照明器具10が分離したことを検知することによって無線給電部24を駆動して無線給電を開始する。これによって、照明器具10の無線受電部13は無線電力を受電して直流電圧を生成し、点灯回路15、光源16及び制御部18などに直流電源として供給することが可能となる。
【0027】
切替部14は、照明器具10と制御部20間が接続されているか分離されているかを検出することによって、有線給電による電源部12を選択するか、無線給電による無線受電部13を選択するかを切り替えるための給電方式の切替スイッチ回路である。
【0028】
点灯回路15は、スイッチング素子を備え、光源16を点灯させるための点灯制御信号(例えばPWM信号)に基づいて、光源16に供給される点灯電流の単位時間当りの電流量をスイッチング素子のデューティ比を変えることによって明るさ即ち消費電力量の制御をするための回路である。スイッチング素子をオフに固定すれば、光源16をオフ状態に制御することもできる。
光源16は、発光体として例えばLEDを備えている。
【0029】
通信部17は、制御部20から明るさを制御するための指示が無線信号で複数の照明器具10に送信されとき、各器具用の無線信号を受信するための通信部である。
制御部18は、通信部17で受信した無線信号に基づいて点灯制御信号(例えばPWM信号)を生成して点灯回路15に供給するためのものである。
【0030】
図4は、第1の実施形態の照明装置における複数の照明器具を交流電源供給用の接続端子21又は21aから取り外して室内に分散して配置したとき(無線給電時)の構成例を示している。
【0031】
図1又は図3に示した、制御部20に接続している複数の照明器具10を制御部20から全て取り外して、机の上や床面上に配置すると、照明器具10内の切替部14の出力が無線受電部13の出力に切り替えられる一方、制御部20の無線給電部24のコイルからは磁場振動による電力エネルギーが送信され、照明器具10内の無線受電部13にて受電され、直流電圧が生成されて、点灯回路15,光源16及び制御部18等に供給される。
【0032】
ここで採用されている無線給電方式は、例えば磁場共鳴型の非接触給電であり、送電用の無線給電部24から供給された電力エネルギーが空間を介して同じ振動周波数で共鳴する受電用無線受電部13に伝播するものである。詳しくは、制御部20の無線給電部24のコイルに電流が流れることにより発生する磁場の振動が、照明器具10の無線受電部13のコイルに伝わり共鳴電流が流れることによって、電力エネルギーが伝搬する。
【0033】
このように室内(或いは別の部屋)に分散配置された照明器具10に対して無線給電が行われると、制御部20の通信部22と照明器具10の通信部17との間で、無線通信が可能となり、制御部20からの無線制御信号にて各所に置かれた照明器具10に対して明るさなどの制御を行うことが可能となる。
【0034】
なお、照明器具10内の電源部12は直流化した電圧をバッテリに充電し蓄えてあるので、照明器具10を制御部20から取り外した後の一定時間は充電されたバッテリを電源として点灯動作させることが可能である。これは、照明器具10単体で使用することもできることを意味している。
【0035】
(第2の実施形態)
図5乃至図8は本発明の第2の実施形態の照明装置の構成の一例である。本実施形態の照明装置1Aは、第1の実施形態における複数の照明器具のうちの1つ照明器具に、第1の実施形態で述べた制御部20の機能を持たせることにより、前記1つ照明器具を親機の機能を持った照明器具とするものである。
【0036】
図5は第2の実施形態の照明装置における複数の照明器具を一体に組み合わせたときの構成図を示している。
例えば、照明装置1Aが部屋の天井面に設置されている場合、天井40の図示上側の天井裏空間42には給電線30が配設されており、天井40の下側の室内空間41には天井40の下面にコネクタ部60を介して1つの親機としての照明器具50とそれ以外の子機としての複数個の照明器具10が取り付けられている。コネクタ部60の下面には親機用の1つの照明器具50と複数個の照明器具10を接続するための接続端子61が複数個設けられ、親機用の1つの照明器具50と複数個の照明器具10の上面にはそれぞれ接続端子51,11が設けられている。接続端子61は給電線30に電気的に接続する電源コンセントに相当し、接続端子51,11は照明器具50,10の電源部(図7の符号52,12)に電気的に接続する電源プラグに相当する。
【0037】
図5の照明器具の配置状態では、コネクタ部60の下面に集中的に設けられた複数の接続端子61に対して、1つの親機用照明器具50とその他の複数の子機用照明器具10が接続して配置されているので、一室一灯と同様に部屋の例えば中央部分からの照明光が部屋全体を照明することになり、部屋の中央付近では明るく部屋の中央付近から離れるほど暗くなる。
【0038】
図6は第2の実施形態の照明装置における親機用照明器具50以外の複数の照明器具10を取り外して分散配置したとき(有線給電時)の構成図を示している。
図6では、部屋の中央付近の天井面には、図5の照明器具の配置状態から例えば複数の照明器具10のうちの1個の親機用照明器具50を残してその他の照明器具10を、部屋の中央付近以外の天井面に適宜に配設された電源コンセントとしての複数の接続端子61aに対して分散的に接続されているので、前述した多灯分散照明と同様な効果を実現することが可能となり、部屋全体又はその一部を適宜の明るさで照明することが可能となる。
【0039】
図5の集中的な点灯では、照明器具個々の明るさ制御は全ての照明器具に対して一様に明るさを下げたり上げたりする調光制御を行うことがあっても、複数の照明器具個々に明るさを制御する必要はない、と考えられる。これに対して、図6の分散点灯では、同じ室内でも広い部屋では室内の場所によって明るさを制御することが好ましいことがあり、或いは、部屋ごとの明るさ制御を行う場合には、部屋ごとに明るさを制御することが好ましい場合が多々ある。
【0040】
従って、例えば室内の位置によって分散配置された照明器具の明るさを制御する場合には、親機用照明器具50からの明るさ増減を指示する制御信号を通信部56(図7参照)を介して無線通信で、室内の被制御位置に存在する照明器具10に対して送信し、被制御位置の照明器具10は通信部17(図7参照)でその無線指示を受け取り制御部18(図7参照)でエンコードして点灯制御信号(例えばPWM信号)を生成し、点灯回路15(図7参照)内のスイッチング素子をPWM制御することによって光源16(図7参照)に供給する電流量を制御して点灯照度を制御し、所望の明るさで照明光を出力することもできる。
【0041】
なお、図6では、分散配置の例として天井面に電源コンセントとしての接続端子61aを設けた場合について説明しているが、壁や床に配設した電源コンセントを分散配置用の接続端子として利用してもよいことは勿論である。
【0042】
図7は第2の実施形態の照明装置における複数の照明器具の各照明器具の詳細な構成を示している。
図7において、親機用照明器具50以外の複数の照明器具10は、第1の実施形態の図3に示した照明器具10の構成と同様であるので説明を省略し、親機用照明器具50について説明する。
【0043】
親機用照明器具50は、電源部52と、無線給電部53と、点灯回路54と、光源55と、通信部56と、制御部57と、を備えている。
電源部52は、商用交流電源電圧を整流し、さらに安定化直流電圧を生成して出力する直流電圧生成装置と、バッテリとを備えて構成されており、制御部57,点灯回路54及び光源55等に直流電源電圧を供給する一方、電源部52で直流化した電源電圧を充電して蓄えることができる。
【0044】
無線給電部53は、例えばコイルを備えた磁場共鳴型の無線給電部である。図8で述べるが、子機としての複数の照明器具10をコネクタ部60から分離して、室内に分散配置した場合に、親機用照明器具50内の制御部57は複数の照明器具10のコネクタ部60からの分離操作に基づいて無線給電部53を駆動して無線給電を開始する。これによって、子機用の複数の照明器具10の無線受電部13は無線電力を受電して、点灯回路15、光源16及び制御部18などに直流電源電圧を供給することが可能となる。
【0045】
点灯回路54は、スイッチング素子を備え、光源55を点灯させるための点灯制御信号(例えばPWM信号)に基づいて、光源55に供給される点灯電流の単位時間当りの電流量をスイッチング素子のデューティ比を変えて点灯制御するための回路である。スイッチング素子をオフに固定すれば、光源55をオフ状態にすることもできる。
光源55は、発光体として例えばLEDを備えている。
【0046】
通信部56は、親機用照明器具50の通信部であるため、自機用の通信のほかに、複数の子機用照明器具10に対する通信機能も備えている。例えば、制御部57からの明るさを制御するための指示を制御対象の子機用照明器具10に送信したり、複数の照明器具全体としての電力量制限に対応した電力配分指示などを受信したりするための通信部としても機能する。
【0047】
制御部57は、親機用照明器具50の制御部であるため、自機用の制御のほかに、複数の子機用照明器具10に対する制御機能も備えている。制御部57は、メモリ部(図示せず)を有し、外部より通信部56を介して入力される消費電力量制限のための上限などの制限データや、消費電力量を一定値以下に制限するという前提のもとで総消費電力量を配分する際の親機用照明器具50及び複数の子機用照明器具10のそれぞれの器具に対応する消費電力量の分配率などの配分データを保存することが可能である。自機用の制御としては、通信部56で受信した無線信号に基づいて点灯制御信号(例えばPWM信号)を生成して点灯回路54のスイッチング素子に供給して明るさ制御などを行える。
【0048】
図8は、第2の実施形態の照明装置1Aにおける親機用照明器具50以外の複数の子機用照明器具10を取り外して分散配置したとき(無線給電時)の構成例を示している。
【0049】
図5又は図7に示した、コネクタ部60に接続している複数の照明器具10を全て取り外して、机の上や床面上に配置すると、照明器具10内の切替部14の出力が無線受電部13からの出力に切り替えられる一方、親機用照明器具50の無線給電部53のコイルからは磁場振動による電力エネルギーが送信され、子機用照明器具10内の無線受電部13にて受電され、直流電圧が生成されて、点灯回路15,光源16及び制御部18等に供給される。
【0050】
無線給電方式は、例えば磁場共鳴型の非接触給電技術であり、送電用の無線給電部53から供給された電力エネルギーが空間を介して同じ振動周波数で共鳴する受電用無線受電部13に伝播する。つまり、親機用照明器具50の無線給電部53のコイルに電流が流れることにより発生する磁場の振動が、照明器具10の無線受電部13のコイルに伝わり共鳴電流が流れることによって、電力エネルギーが伝搬する。
【0051】
このように室内(或いは別の部屋)に分散配置された子機用照明器具10に対して無線給電が行われると、親機用照明器具50の通信部56と子機用照明器具10の通信部17との間で、無線通信が可能となり、親機用照明器具50からの無線制御信号にて各所に置かれた子機用照明器具10に対して明るさ(電力量)などの制御を行うことも可能となる。
【0052】
なお、照明器具10内の電源部12は直流化した電圧をバッテリに充電し蓄えてあるので、照明器具10をコネクタ部60から取り外した後の一定時間は充電されたバッテリを電源として点灯動作させることも可能である。従って、照明器具10単体で使用することも可能である。
【0053】
(第3の実施形態)
図9は本発明の第3の実施形態の照明装置に係るものであり、コネクタ部及び照明器具の使用例を示している。
図9に示す照明装置1Bは、球形又は円盤形の外面側に電源コンセントとしての接続端子を突状に複数備えた制御部20A又はコネクタ部60Aと、これに給電線5を用いて連結した複数の球形の照明器具10Aと、を備えている。
【0054】
図10は図9の照明装置の応用例の構成を示している。複数の照明器具10Aを連結させて1つのペンダントライトとして使用している例である。
【0055】
(第4の実施形態)
図11は本発明の第4の実施形態の照明装置に係るものであり、例えば1つの住宅における複数の照明エリアに対して明るさ優先順位を設定した場合の、明るさ優先順位に応じて照明器具の消費電力が変化する様子を示したグラフである。ここでは複数の照明器具全体で90Wに制限されるようにしている。住宅全体での消費電力量に上限を設定し、かつ各部屋の明るさ優先順位を(1)リビング、(2)子供部屋、(3)浴室、(4)廊下、の順に設定したとする。リビング、浴室、廊下で点灯し消費電力上限値(ここでは90W)に達していた状態Aで、子供部屋で照明器具を点灯すると状態Bのように消費電力量の配分が変化する。廊下、浴室、リビングの順に、明るさの低下率が大きくなり、リビングの明るさは優先的に確保される。
【0056】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態の照明装置1Cは、複数の照明器具を、それらの合計の消費電力が一定値を超えないように制御する照明制御システムとなっている。本システムは複数の人感センサを含んでおり、人感センサは人間の在不在だけでなく、感知領域内における一定時間あたりの人間の移動距離を算出し、人間が留まっているか、移動しているのかを判定する。一定値以下に制限された消費電力を複数の照明器具に分配する際、人間が移動している領域の人感センサに対応する照明器具の明るさよりも、留まっていると判定された領域の人感センサに対応する照明器具の明るさが優先される。不在の領域の人感センサに対応する照明器具は消灯される。
【0057】
図12は本発明の第5の実施形態を住宅に適用した例である。複数の照明空間における明るさ優先順位の判定方法の一例を示している。空間80に設置された人感センサ71は照明器具73に、空間90に設置された人感センサ72は照明器具74にそれぞれ対応している。人感センサ71がt秒間隔で信号を送りt秒間ごとの人間の位置から移動距離を算出すると、その移動距離は閾値としての一定値Lを超えており、「人間が移動している」と判定する。
【0058】
一方、人感センサ72が同様にt秒間隔での親子の位置から移動距離を算出すると、その移動距離が一定値L以下であり「人間が留まっている」と判定する。これらの結果をもとに、制御部75は照明器具73の明るさを抑え、人感センサ72に対応した照明器具74の明るさは優先的に確保されるように、かつ照明器具73と照明器具74の合計の消費電力が一定値を超えないように各照明器具に消費可能な電力を割り当てる。これにより、明るさの優先順位を人口密度に応じて自動設定できる。
【0059】
このシステムにより、消費電力が一定値を超えず省エネルギーの効果が得られるだけでなく、人が通過するだけの空間の照明が過剰に明るく点灯したり、またそのために読書をする空間の照明が急に暗くなったりすることがなく、人の活動に合わせた自動制御が実現する。
【0060】
また、明るさの優先順位は、人感センサにより感知した人数と、センシング領域の広さから求めた人口密度に応じて、人口密度の高い空間に存在する照明器具の明るさが優先的に確保されるよう決定してもよい。人感センサにより感知した人数の多少は、感知した人数が多いと、熱線が増加してセンサの感知レベルが上昇するので、これによって人数の多少を検知できる。これにより、明るさの優先順位を人口密度に応じて自動設定することもできる。
【0061】
以上述べた実施形態により、以下の効果が得られる。
1つの照明器具でありながら、分離して複数の照明器具として使用することができる。また、複数の器具を連結して一つの照明器具として使用することができる。これにより一つの器具をペンダントライト、読書灯、フロアライト、べッドライトなど様々な用途に利用でき、ユーザーは様々な種類の照明器具を用意せずに済む。
【0062】
無線給電により、引掛けシーリングやコンセントの位置による制約を受けず、分離させたあるいは連結させた照明器具を空間内に自由に設置し給電できる。それにより、必要な場所を効果的に照らすことができ、利便性が高まるだけでなく電力エネルギーの無駄を抑えることができる。
【0063】
分離した照明器具を独立した照明器具として自由に使用しながら、トータルの消費電力が一定値を超えることがないようにできる。節電のためのオンオフや調光の操作量が減り、ユーザーの手を煩わせない。
【0064】
消費電力が一定値を超えないようどれかの照明器具を消灯あるいは明るさを下げる場合、どの照明器具の明るさを優先的に確保したいかをユーザーが設定できる。例えばリビングの明るさを優先するよう設定すれば、他のエリアの照明器具を点灯してもリビングは暗くならず、廊下など優先順位を低く設定した場所が暗くなる、などの設定が可能である。
【0065】
優先順位などの設定はリモコンや携帯端末などによりユーザーが好きな場所で、好きな時に変更できるため自由度が高まる。
【0066】
明るさの優先順位が人口密度に応じて自動設定され、人口密度の高い空間に存在する照明器具の明るさが優先的に確保されるよう決定されるため、明るさ優先順位を設定する手間を省くことができる。また、人がいない空間のユニットの消し忘れを防ぐことができる。
【0067】
人間が留まっているか、移動しているのかを判定することにより、一定値以下に制限された消費電力を複数の照明器具に分配する際、人間が移動している領域のセンサに対応する照明器具よりも、留まっていると判定された領域のセンサに対応する照明器具が優先される。これにより、人が通過するだけの空間の照明が過剰に明るく点灯したり、またそのために読書をする空間の照明が急に暗くなったりすることがなく、人の活動に合わせた自動制御が実現できる。
【0068】
電力会社の供給可能量に応じて各家庭で使用可能な電力量を決めることができるため、電力需要ピーク時における地域規模の突然の停電を防ぐことができる。
【0069】
省エネルギーのより積極的な実行が可能になる。また、自家発電システムを導入している家庭では、設定した上限値に自家発電により利用可能な電力量を上乗せして使用できるようにしてもよい。
【0070】
本発明は、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変
えない範囲において、種々の変更、改変、実施形態及び変形例間の置換、組合せ等が可能
である。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B…照明装置、10…照明器具(子機)、11,51…接続端子(受電側)、21,21a,61,61a…接続端子(給電側)、20…制御部、30…給電線、41…室内空間、50…照明器具(親機)、60…コネクタ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に光源及び点灯回路を備えた取外し可能な複数の照明器具と;
前記複数の照明器具を取り付けて一体に組み合わせたとき、及び前記複数の照明器具の一部又は全部を取り外して個々に分散して配置したときにも、前記複数の照明器具の点灯状態を全体的に制御する制御部と;
を具備したことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記取外し可能な複数の照明器具の各々は、独立した照明器具として利用可能であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明器具の給電方式は、有線または無線であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の照明器具が個々に通信部と制御部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−58455(P2013−58455A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197624(P2011−197624)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】