説明

照明装置

【課題】発光素子を有する照明装置であって、一般的な発光素子の配光特性において光量不足となる半値角より大きな角度方向へも光を振り分けることができ、前方方向、側方方向および後方方向のすべてにバランスよく配光することができる照明装置を提供すること。
【解決手段】照明装置100は、基板110上に配置された発光素子120と、発光素子120から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる光束制御部材130とを有する。光束制御部材130は、発光素子120と対向し、かつ発光素子120から出射された光の一部を反射させる反射面132を有する。反射面132は、中心部から外周部に向かうにつれて発光素子120からの高さが高くなる非球面形状の曲面を有する。反射面132は、中心部側の領域では側方方向に向けて光を反射させ、外周部側の領域では後方方向に向けて光を反射させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子および光束制御部材を有し、白熱電球に代えて使用できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境保全の観点から、発光ダイオード(以下「LED」ともいう)を光源とする照明装置(例えば、LED電球)が、白熱電球に代わるものとして使用されている。
【0003】
しかしながら、従来のLEDを光源とする照明装置は、前方方向のみに光を出射し、白熱電球のように幅広い方向に光を出射することができない。このため、従来の照明装置は、白熱電球のように天井や壁面からの反射光を利用して室内を広範囲に照らすことができない。
【0004】
このような従来のLEDを光源とする照明装置の配光特性を白熱電球の配光特性に近づけるため、LEDからの出射光の進行方向を光束制御部材で制御することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
図1は、特許文献1に記載の照明装置の構成を示す模式図である。図1に示されるように、照明装置10は、基板上に配置された複数のLED12と、LED12の周囲に配置された光透過性材料からなる円筒形のカバー14とを有する。カバー14の上面は、逆円錐台形状に形成されている。円錐台の斜面は、光を反射させるアルミ板16が貼り付けられており、反射面として機能する。一方、円錐台の平面は、光を透過させる透過窓18として機能する。図1において矢印で示されるように、LED12から出射された光の一部は、透過窓18を通過して前方方向(上方向)への出射光となる。また、LED12から出射された光の一部は、アルミ板16で反射して側方方向(水平方向)への出射光となる。
【0006】
図2は、特許文献2に記載の照明装置の構成を示す模式図である。図2に示されるように、照明装置20は、装置本体上に配置された複数のLED22と、LED22の周囲に配置された拡散カバー24および透明カバー26とを有する。拡散カバー24は、光拡散性を有しており、入射光を拡散させながら透過させる。また、拡散カバー24の内面には反射面が形成されており、拡散カバー24は、入射光の一部を透明カバーに向けて反射させる。一方、透明カバー26は、光拡散性を有しておらず、入射光をそのまま透過させる。図2において矢印で示されるように、LED22から出射された光の一部は、拡散カバー24を通過して前方方向(上方向)への出射光となる。また、LED22から出射された光の一部は、拡散カバー24で反射し、透明カバー26を透過して後方方向(下方向)への出射光となる。
【0007】
このように光束制御部材を用いてLEDからの出射光の進行方向を制御することにより、前方方向だけでなく、側方方向または後方方向への出射光を得ることができる。したがって、特許文献1,2に記載の光束制御部材(反射面)を使用することで、照明装置(LED電球)の配光特性を白熱電球の配光特性にある程度近づけることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−258319号公報
【特許文献2】特開2010−176890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1,2に記載の照明装置には、配光特性のバランスが悪いという問題がある。すなわち、特許文献1に記載の照明装置は、前方方向および側方方向にはある程度配光できるものの、後方方向に適切に配光することができない。そのため、図1に示されるAの領域が暗くなってしまう。また、特許文献2に記載の照明装置は、前方方向および後方方向にはある程度配光できるものの、側方方向に適切に配光することができない。そのため、図2に示されるBの領域が暗くなってしまう。このように、特許文献1,2に記載の照明装置は、白熱電球に比べて配光特性のバランスが悪かった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、発光素子を有する照明装置であって、一般的な発光素子の配光特性において光量不足となる半値角より大きな角度方向へも光を振り分けることができ、前方方向、側方方向および後方方向のすべてにバランスよく配光することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の照明装置は、基板上に配置された1または2以上の発光素子と、前記発光素子の光軸とその中心軸が一致するように前記発光素子に対して空気層を介して配置され、前記発光素子から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる光束制御部材と、を有し、前記光束制御部材は、前記発光素子と対向し、かつ前記発光素子から出射された光の一部を反射させる反射面を有し、前記反射面は、前記発光素子の光軸との交点である中心部から外周部に向かうにつれて前記発光素子からの高さが高くなる非球面形状の曲面を有し、前記反射面の外周部は、前記反射面の中心部の位置と比較して、前記発光素子の光軸の方向における前記発光素子からの距離が離れた位置に形成され、前記反射面は、前記発光素子から前記発光素子の光軸に沿って出射された光の角度を0°としたときに、以下の式(1)を満たすように前記発光素子から出射された光の一部を反射させる、構成を採る。
θ(a2)<θ(b2) …(1)
ただし、式(1)において、θ(a2)は、前記発光素子の発光中心から前記発光素子の光軸に対してθ(a1)の角度で出射され、かつ前記反射面により反射された光の、前記発光素子の光軸に対する角度であり、θ(b2)は、前記発光素子の発光中心から前記発光素子の光軸に対してθ(b1)の角度で出射され、かつ前記反射面により反射された光の、前記発光素子の光軸に対する角度であり、前記発光素子において前記発光素子の発光中心から一番遠い点から、前記発光素子の光軸と平行方向に出射した光が前記反射面に到達する点と、前記発光素子の発光中心とを結ぶ線の、前記発光素子の光軸に対する角度をθ(c1)としたときに、θ(c1)≦θ(a1)<θ(b1)である。
【0012】
本発明の照明装置は、基板上に配置された1または2以上の発光素子と、前記発光素子の光軸とその中心軸が一致するように前記発光素子に対して空気層を介して配置され、前記発光素子から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる光束制御部材と、を有し、前記光束制御部材は、前記発光素子と対向し、かつ前記発光素子から出射された光の一部を反射させる反射面を有し、前記反射面は、前記発光素子の光軸との交点である中心部から外周部に向かうにつれて前記発光素子からの高さが高くなる非球面形状の曲面を有し、前記反射面の外周部は、前記反射面の中心部の位置と比較して、前記発光素子の光軸の方向における前記発光素子からの距離が離れた位置に形成され、前記反射面は、前記光束制御部材の中心軸を中心とする回転対称面であり、かつその母線が前記発光素子に対して凹形状である、構成を採る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明装置は、従来の照明装置に比べて、より白熱電球に近い配光特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】特許文献1に記載の照明装置の構成を示す模式図である。
【図2】特許文献2に記載の照明装置の構成を示す模式図である。
【図3】実施の形態1の照明装置の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図5】実施の形態1の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図6】実施の形態1の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図7】比較例1の照明装置の構成を示す断面図である。
【図8】比較例1の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図9】比較例1の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図10】比較例1の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図11】実施の形態2の照明装置の構成を示す断面図である。
【図12】実施の形態2の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図13】実施の形態2の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図14】実施の形態2の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図15】比較例2の照明装置の構成を示す断面図である。
【図16】比較例2の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図17】比較例2の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図18】比較例2の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図19】実施の形態3の照明装置の構成を示す断面図である。
【図20】実施の形態3の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図21】実施の形態3の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図22】実施の形態3の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図23】実施の形態4の照明装置の構成を示す断面図である。
【図24】実施の形態4の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図25】実施の形態4の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図26】実施の形態4の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図27】実施の形態5の照明装置の構成を示す断面図である。
【図28】実施の形態5の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図29】実施の形態5の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図30】実施の形態5の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図31】実施の形態6の照明装置の構成を示す断面図である。
【図32】実施の形態6の照明装置における光路の一例を示す断面図である。
【図33】実施の形態6の照明装置における出射光の角度と反射光の角度との関係を示すグラフである。
【図34】実施の形態6の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図35】実施の形態7の電球型の照明装置の構成を示す断面図である。
【図36】実施の形態1の照明装置を含む電球型の照明装置の例を示す断面図である。
【図37】実施の形態1の照明装置を含む電球型の照明装置の別の例を示す断面図である。
【図38】図36に示される照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図39】図37に示される照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図40】実施の形態7の電球型の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図41】実施の形態8の電球型の照明装置の構成を示す断面図である。
【図42】実施の形態8の電球型の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図43】実施の形態9の電球型の照明装置の構成を示す断面図である。
【図44】実施の形態9の電球型の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図45】実施の形態10の電球型の照明装置の構成を示す断面図である。
【図46】実施の形態10の電球型の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【図47】実施の形態11の電球型の照明装置の構成を示す断面図である。
【図48】実施の形態11の電球型の照明装置の配光特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
[照明装置の構成]
図3は、本発明の実施の形態1の照明装置100の構成を示す断面図である。本実施の形態の照明装置100は、白熱電球に代えて使用されうる。
【0017】
図3に示されるように、照明装置100は、基板110、1または2以上の発光素子120、光束制御部材130、側壁部140およびカバー150を有する。
【0018】
発光素子120は、照明装置100の光源であり、基板110上に固定されている。発光素子110は、例えば白色発光ダイオードなどの発光ダイオード(LED)である。基板110上に複数の発光素子120が固定されている場合、各発光素子120は、円周上に配置されていてもよい。光束制御部材130の反射面132(後述)の形状設計をする上では、複数の発光素子120が反射面132と対向する領域に満遍なく配置されていることが好ましい。なお、基板110の形状は、発光素子を固定することができれば特に限定されず、板状でなくてもよい。
【0019】
光束制御部材130は、発光素子120からの出射光の進行方向を制御する、平面視形状が略円形の部材である。光束制御部材130は、光透過性の材料からなる筒状の側壁部140により支持されており、その中心軸CAが発光素子120の光軸LAと一致するように、発光素子120に対して空気層を介して配置されている。すなわち、光束制御部材130は、発光素子120と対向するように配置されている。基板110上に複数の発光素子120が配置されている場合、「発光素子の光軸」とは、複数の発光素子からの立体的な光束の中心における光の進行方向をいう。
【0020】
光束制御部材130は、発光素子120から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる。光束制御部材130にこのような機能を付与する手段は、特に限定されない。たとえば、光透過性の材料からなる光束制御部材130の表面(発光素子120に対向する面)に透過反射膜を形成すればよい。光透過性の材料の例には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの透明樹脂材料や、透明なガラスなどが含まれる。透過反射膜の例には、TiOおよびSiOの多層膜、ZnOおよびSiOの多層膜、TaおよびSiOの多層膜などの誘電体多層膜や、アルミニウム(Al)などからなる金属薄膜などが含まれる。また、光透過性の材料からなる光束制御部材130の内部にビーズなどの光散乱子を分散させてもよい。すなわち、光束制御部材130は、一部の光を反射させ、一部の光を透過させる材料により形成されていてもよい。また、光反射性の材料からなる光束制御部材130に光透過部を形成してもよい。光反射性の材料の例には、白色樹脂や金属などが含まれる。光透過部の例には、貫通孔や有底の凹部などが含まれる。後者の場合、発光素子120からの出射光は、凹部の底部(厚みが薄くなっている部分)を透過する。
【0021】
光束制御部材130は、発光素子120と対向し、かつ発光素子120から出射された光の一部を反射させる反射面132を有する。反射面132は、発光素子120からの出射光を側壁部140に向けて反射させる。別の観点から見ると、反射面132は、任意の反射光の発光素子120の光軸LAに対する角度θ(r2)(図4のθ(a2),θ(b2)参照)が、発光素子120の半値角θ(h1)よりも大きくなるように、発光素子120からの出射光を反射させるともいえる。反射光は、光透過性の材料からなる側壁部140を透過してカバー150に到達する。
【0022】
本発明の照明装置100は、光束制御部材130の反射面132の形状に主たる特徴を有する。そこで、光束制御部材130の反射面132の形状については、別途詳細に説明する。
【0023】
カバー150は、開口部を有する中空領域が形成された部材である。発光素子120、光束制御部材130および側壁部140は、カバー150の中空領域内に配置される。カバー150は、光束制御部材130により進行方向を制御された光(反射光および透過光)を拡散させつつ透過させる。
【0024】
カバー150に光拡散能を付与する手段は、特に限定されない。たとえば、カバー150の内面または外面に光拡散処理(例えば、粗面化処理)を行ってもよいし、光拡散性の材料(例えば、ビーズなどの散乱子を含む光透過性の材料)を用いてカバー150を作製してもよい。なお、カバー150の形状は、所望の配光特性を実現することができれば特に限定されない。たとえば、カバー150の形状は、球冠形状(球面の一部を平面で切り取った形状)である。
【0025】
[光束制御部材の反射面の形状]
光束制御部材130の反射面132は、光束制御部材130の中心軸CAを中心とする回転対称(円対称)面である。また、図3に示されるように、この回転対称面の母線は、発光素子120に対して凹形状である。すなわち、反射面132は、中心部から外周部に向かうにつれて発光素子120からの高さが高くなる非球面形状の曲面を有する。また、反射面132の外周部は、反射面132の中心部と比較して、発光素子120の光軸LA方向における発光素子120からの距離(高さ)が離れた位置に形成されている。たとえば、反射面132は、中心部から外周部に向かうにつれて発光素子120からの高さが高くなる非球面形状の曲面であるか、または、中心部から所定の地点までは中心部から外周部に向かうにつれて発光素子120(基板110)からの高さが高くなり、前記所定の地点から外周部までは中心部から外周部に向かうにつれて発光素子120からの高さが低くなる非球面形状の曲面である。前者の場合、基板110の面方向に対する反射面132の傾斜角度は、中心部から外周部に向かうにつれて小さくなる。一方、後者の場合、反射面132には、中心部と外周部との間であって、かつ外周部に近い位置に、基板110の面方向に対する傾斜角度が零(基板110と平行)となる点が存在する。
【0026】
より具体的には、反射面132は、発光素子120から発光素子120の光軸LAの正方向へ出射された光の角度を0°としたときに、以下の式(1)を満たすように発光素子120から出射された光の一部を反射させる形状である。
θ(a2)<θ(b2) …(1)
【0027】
図4は、照明装置100における光路の一例を示す断面図である。この図では、側壁部140およびカバー150を省略している。図4に示されるように、上記式(1)におけるθ(a2)およびθ(b2)は、それぞれ、発光素子120の発光中心から発光素子120の光軸LAに対してθ(a1)またはθ(b1)の角度で出射され、かつ反射面132により反射された光の、発光素子120の光軸LAに対する角度である。θ(a1)およびθ(b1)は、いずれもθ(c1)以上の任意の角度である。ただし、θ(b1)は、θ(a1)よりも大きいものとする。すなわち、上記式(1)では、θ(c1)≦θ(a1)<θ(b1)であるものとする。
【0028】
θ(c1)は、発光素子120の大きさおよび配置、ならびに発光素子120と光束制御部材130との間の間隔により定まる角度である。すなわち、図4に示されるように、1または2以上の発光素子120において、発光中心から最も遠い点から、発光素子120の光軸LAと平行方向に出射された光が、反射面132に到達する点をCとする。この点Cに向かって発光素子120の発光中心から出射された光の、発光素子120の光軸LAに対する角度がθ(c1)である。
【0029】
上記式(1)は、反射面132の点Cよりも外周側の領域において反射する光については、より外側の領域で反射した光ほど、より発光素子120の光軸LAに対する角度が大きくなることを示している。すなわち、上記式(1)を満たす反射面132は、中心部側の領域では、側方方向(水平方向)に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向(下方向)に向けて光を反射させる。このように、反射面132の中心部側ではなく、外周部側の領域で、後方方向の光を生成するようにすることで、基板110に妨げられることなく、後方方向の被照射面を効率よく照らすことができるようになる。仮に、反射面132の中心部側の領域で後方方向の光を生成しても、基板110により妨げられてしまうため、後方方向の被照射面を効率よく照らすことができない。
【0030】
[評価試験]
(実施の形態1の照明装置)
図5は、図3に示される実施の形態1の照明装置100における、発光素子120(サイズ:7.6mm×6.6mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフ(シミュレーション結果)である。出射光および反射光の角度は、いずれも発光素子120の光軸LAに対する角度である。この照明装置100では、θ(c1)=26.89°である。
【0031】
このグラフに示されるように、θ(c1)(26.89°)以上の出射角度の光については、出射角度が大きくなるほど反射角度も大きくなっていた。このことから、実施の形態1の照明装置100では、反射面132の中心部側の領域では、側方方向(水平方向)に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向(下方向)に向けて光を反射させることがわかる。
【0032】
次に、実施の形態1の照明装置100の配光特性を測定した。配光特性は、以下の手順で測定した。照明装置100内の発光素子120の発光中心から光軸LAに沿って所定の距離離れた位置(基準位置0°)に照度計を配置した。照度計を発光素子120の発光中心を回転中心として、右回り方向(+θ方向)に5°間隔で180°回転させて照度を測定し、左回り方向(−θ方向)に5°間隔で180°回転させて照度を測定した。測定した照度のうちの最高照度を1とした場合の相対照度(無次元値)を曲線で滑らかに結んで、グラフを作成した。
【0033】
図6は、実施の形態1の照明装置100の配光特性を示すグラフである。このグラフにおいて、0°は前方方向(上方方向)を意味し、90°は側方方向(水平方向)を意味し、180°は後方方向(下方方向)を意味する。図6から、実施の形態1の照明装置100は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0034】
(比較例1の照明装置)
図7は、比較例1の照明装置100’の構成を示す断面図であり、図8は、比較例1の照明装置100’における光路の一例を示す断面図である。図7および図8に示されるように、比較例1の照明装置100’は、実施の形態1の照明装置100と光束制御部材130’の反射面132’の形状が異なる。
【0035】
図9は、図7に示される比較例1の照明装置100’における、発光素子120(サイズ:7.6mm×6.6mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置100’では、θ(c1)=26.89°である。このグラフに示されるように、比較例1の照明装置100’では、出射角度が35°を超えると反射角度が小さくなっていた。このことから、比較例1の照明装置100’では、反射面132’の外周部側の領域において、後方方向(下方向)に向けて光を反射させられないことがわかる(図8参照)。
【0036】
図10は、比較例1の照明装置100’の配光特性を示すグラフである。このグラフから、比較例1の照明装置100’は、後方方向に十分に光を配光できないことがわかる。
【0037】
[効果]
実施の形態1の照明装置100は、光束制御部材130に到達した発光素子120からの出射光のうち、一部の光を反射面132によって側方方向および後方方向へ反射させ、一部の光を前方方向へ透過させる。このとき、光束制御部材130の光の反射率および透過率を調整することで、各方向への出射光量を容易に制御することができる。また、実施の形態1の照明装置100は、反射面132の中心部側の領域において側方方向の反射光を生成し、外周部側の領域において後方方向の反射光を生成する。このため、実施の形態1の照明装置100は、基板110に妨げられることなく、後方方向の被照射面を効率よく照らすことができる。
【0038】
以上のように、実施の形態1の照明装置100は、前方方向、側方方向および後方方向へ向かう出射光量をそれぞれ制御して、白熱電球に近い配光特性を実現することができる。実施の形態1の照明装置100は、白熱電球に代えて室内照明などに使用されうる。また、実施の形態1の照明装置100は、白熱電球よりも消費電力を少なくすることができるとともに、白熱電球よりも長期間使用することができる。
【0039】
(実施の形態2)
[照明装置の構成]
図11は、本発明の実施の形態2の照明装置200の構成を示す断面図であり、図12は、実施の形態2の照明装置200における光路の一例を示す断面図である。実施の形態2の照明装置200は、実施の形態1の照明装置100と、基板210、光束制御部材230および側壁部240の形状がそれぞれわずかに異なる。また、実施の形態2の照明装置200は、カバーを有していない点でも実施の形態1の照明装置100と異なる。
【0040】
[評価試験]
(実施の形態2の照明装置)
図13は、実施の形態2の照明装置200における、発光素子120(サイズ:16mm×14mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置200では、θ(c1)=40.55°である。
【0041】
このグラフに示されるように、θ(c1)(40.55°)以上の出射角度の光については、出射角度が大きくなるほど反射角度も大きくなっていた。このことから、実施の形態2の照明装置200では、反射面232の中心部側の領域では、側方方向に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向に向けて光を反射させることがわかる。
【0042】
図14は、実施の形態2の照明装置200の配光特性を示すグラフである。このグラフから、実施の形態2の照明装置200は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0043】
(比較例2の照明装置)
図15は、比較例2の照明装置200’の構成を示す断面図であり、図16は、比較例2の照明装置200’における光路の一例を示す断面図である。図15および図16に示されるように、比較例2の照明装置200’は、実施の形態2の照明装置200と光束制御部材230’の反射面232’の形状が異なる。
【0044】
図17は、比較例2の照明装置200’における、発光素子120(サイズ:16mm×14mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置200’では、θ(c1)=40.54°である。このグラフに示されるように、比較例2の照明装置200’では、出射角度が40°を超えると反射角度が小さくなっていた。このことから、比較例2の照明装置200’では、反射面232’の外周部側の領域において、後方方向(下方向)に向けて光を反射させられないことがわかる(図16参照)。
【0045】
図18は、比較例2の照明装置200’の配光特性を示すグラフである。図18から、比較例2の照明装置200’は、後方方向に十分に光を配光できないことがわかる。
【0046】
[効果]
実施の形態2の照明装置200は、実施の形態1の照明装置100と同様の効果を有する。実施の形態2の照明装置200は、白熱電球に代えて室内照明などに使用されうる。
【0047】
(実施の形態3)
[照明装置の構成]
図19は、本発明の実施の形態3の照明装置300の構成を示す断面図であり、図20は、実施の形態3の照明装置300における光路の一例を示す断面図である。実施の形態3の照明装置300は、実施の形態1の照明装置100と、光束制御部材330の形状がわずかに異なる。また、実施の形態3の照明装置300は、カバーを有していない点でも実施の形態1の照明装置100と異なる。
【0048】
[評価試験]
図21は、実施の形態3の照明装置300における、発光素子120(サイズ:7.6mm×6.6mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置300では、θ(c1)=30.55°である。
【0049】
このグラフに示されるように、θ(c1)(30.55°)以上の出射角度の光については、出射角度が大きくなるほど反射角度も大きくなっていた。このことから、実施の形態3の照明装置300では、反射面332の中心部側の領域では、側方方向に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向に向けて光を反射させることがわかる。
【0050】
図22は、実施の形態3の照明装置300の配光特性を示すグラフである。このグラフから、実施の形態3の照明装置300は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0051】
[効果]
実施の形態3の照明装置300は、実施の形態1の照明装置100と同様の効果を有する。実施の形態3の照明装置300は、白熱電球に代えて室内照明などに使用されうる。
【0052】
(実施の形態4)
[照明装置の構成]
図23は、本発明の実施の形態4の照明装置400の構成を示す断面図であり、図24は、実施の形態4の照明装置400における光路の一例を示す断面図である。実施の形態4の照明装置400は、実施の形態1の照明装置100と、基板410、光束制御部材430および側壁部440の形状がそれぞれわずかに異なる。また、実施の形態4の照明装置400は、カバーを有していない点でも実施の形態1の照明装置100と異なる。
【0053】
[評価試験]
図25は、実施の形態4の照明装置400における、発光素子120(サイズ:16mm×14mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置400では、θ(c1)=40.55°である。
【0054】
このグラフに示されるように、θ(c1)(40.55°)以上の出射角度の光については、出射角度が大きくなるほど反射角度も大きくなっていた。このことから、実施の形態4の照明装置400では、反射面432の中心部側の領域では、側方方向に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向に向けて光を反射させることがわかる(図24参照)。
【0055】
図26は、実施の形態4の照明装置400の配光特性を示すグラフである。このグラフから、実施の形態4の照明装置400は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0056】
[効果]
実施の形態4の照明装置400は、実施の形態1の照明装置100と同様の効果を有する。実施の形態4の照明装置400は、白熱電球に代えて室内照明などに使用されうる。
【0057】
(実施の形態5)
[照明装置の構成]
図27は、本発明の実施の形態5の照明装置500の構成を示す断面図であり、図28は、実施の形態5の照明装置500における光路の一例を示す断面図である。
【0058】
図27に示されるように、照明装置500は、基板510、1または2以上の発光素子120、光束制御部材530、側壁部540および蓋部550を有する。実施の形態5の照明装置500は、実施の形態1の照明装置100と光束制御部材530の形状がわずかに異なる。また、実施の形態5の照明装置500は、側壁部540および蓋部550が一体となり、カバーとして機能する点で実施の形態1の照明装置100と異なる。
【0059】
側壁部540は、光束制御部材530を支持するとともに、光束制御部材530により反射された光を拡散させる。また、蓋部550は、空気層を介して光束制御部材530を覆い、光束制御部材530を透過した光を拡散させる。すなわち、側壁部540および蓋部550は、光束制御部材530により進行方向を制御された光を拡散させるカバーとして機能する。
【0060】
[評価試験]
図29は、実施の形態5の照明装置500における、発光素子120(サイズ:16mm×14mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置400では、θ(c1)=42.79°である。
【0061】
このグラフに示されるように、θ(c1)(42.79°)以上の出射角度の光については、出射角度が大きくなるほど反射角度も大きくなっていた。このことから、実施の形態5の照明装置500では、反射面532の中心部側の領域では、側方方向に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向に向けて光を反射させることがわかる(図28参照)。
【0062】
図30は、実施の形態5の照明装置500の配光特性を示すグラフである。このグラフから、実施の形態5の照明装置500は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0063】
[効果]
実施の形態5の照明装置500は、実施の形態5の照明装置100と同様の効果を有する。実施の形態5の照明装置500は、白熱電球に代えて室内照明などに使用されうる。
【0064】
(実施の形態6)
[照明装置の構成]
図31は、本発明の実施の形態6の照明装置600の構成を示す断面図であり、図32は、実施の形態6の照明装置600における光路の一例を示す断面図である。実施の形態6の照明装置600は、実施の形態1の照明装置100と、基板610、光束制御部材630および側壁部640の形状がわずかに異なる。また、実施の形態6の照明装置600は、発光素子120を覆うレンズ660を有する点でも実施の形態1の照明装置100と異なる。
【0065】
[評価試験]
図33は、実施の形態6の照明装置600における、発光素子120(サイズ:1mm×1mm)の発光中心からの出射光の角度と、その出射光に対応する反射光の角度との関係を示すグラフである。この照明装置600では、θ(c1)=20.15°である。
【0066】
このグラフに示されるように、θ(c1)(20.15°)以上の出射角度の光については、出射角度が大きくなるほど反射角度も大きくなっていた。このことから、実施の形態6の照明装置600では、反射面632の中心部側の領域では、側方方向に向けて光を反射させ、外周部側の領域では、後方方向に向けて光を反射させることがわかる(図32参照)。
【0067】
図34は、実施の形態6の照明装置600の配光特性を示すグラフである。このグラフから、実施の形態6の照明装置600は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0068】
[効果]
実施の形態6の照明装置600は、実施の形態1の照明装置100と同様の効果を有する。実施の形態6の照明装置600は、白熱電球に代えて室内照明などに使用されうる。
【0069】
(実施の形態7)
[照明装置の構成]
図35は、本発明の実施の形態7の照明装置700の構成を示す断面図である。図35に示されるように、照明装置700は、1または2以上の発光素子120、光束制御部材130、側壁部140、基台710、カバー720、電球筐体730および口金740を有する。実施の形態7の照明装置700は、電球型の形状をしており、白熱電球と同じように使用される。
【0070】
発光素子120、光束制御部材130および側壁部140は、実施の形態1の照明装置100に含まれるものと同じである。発光素子120、光束制御部材130および側壁部140は、基台710の上に配置されている。また、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140は、発光素子120が光束制御部材130よりもカバー720の開口部側に位置し、かつ発光素子120の光軸LAとカバー720の中心軸とが一致するようにカバー720の中空領域内に配置されている。
【0071】
基台710は、電球筐体730の上に設けられており、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140と、カバー720との位置関係を調整する。基台710内には、発光素子120と電球筐体730内の回路とを接続する回路が設けられている。
【0072】
カバー720は、開口部を有する中空領域が形成された部材である。前述の通り、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140は、カバー720の中空領域内に配置される。カバー720は、光束制御部材130からの反射光および透過光を拡散させつつ透過させる。図35に示される例では、カバー720の形状は、略球冠形状である。カバー720は、電球筐体730の上部に固定されており、カバー720の開口部は、電球筐体730により塞がれている。
【0073】
電球筐体730内には、発光素子120を発光させるための回路が設けられている。この電気回路は、口金740および発光素子120と接続されている。また、電球筐体730は、放熱部としても機能する。
【0074】
本実施の形態の照明装置700は、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140が、カバー720内の所定の位置に配置されていることを一つの特徴とする。すなわち、本実施の形態の照明装置700では、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140は、カバー720の最大外径部分(図35において矢印で示す)よりも、上側(開口部の反対側)に位置する。また、本実施の形態の照明装置700では、カバー720の開口部は、発光素子120よりも、下側(発光素子120の光軸に沿った光の出射方向を正とした場合の負方向)に位置する。
【0075】
このように、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140を、カバー720の開口部に対して上方に配置することで、光束制御部材130で反射した後方方向の光が、電球筐体730に妨げられにくくなる。このため、電球筐体730のサイズに関係なく、照明装置700の配光特性を白熱電球に近づけることができるようになる。
【0076】
図36は、実施の形態1の照明装置100を含む電球型の照明装置700’を示す断面図である。この図に示されるように、光束制御部材130のサイズと電球筐体730のサイズとの関係が適切であれば、光束制御部材130で反射した後方方向の光は、電球筐体730に妨げられることなく後方方向の被照射面を照らすことができる。
【0077】
図37は、実施の形態1の照明装置100を含む電球型の照明装置700”を示す断面図である。図37に示される照明装置700”は、図36に示される照明装置700’と電球筐体730のサイズが異なる。この図に示されるように、光束制御部材130のサイズと電球筐体730のサイズとの関係が不適切であると、光束制御部材130で反射した後方方向の光は、電球筐体730に妨げられることがある。
【0078】
このように大きな電球筐体730を使用する場合であっても、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140を、カバー720の開口部に対して上方に配置することで、光束制御部材130で反射した後方方向の光が、電球筐体730に妨げられにくくなる。そこで、図35に示されるように、本実施の形態の照明装置700では、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140を基台710の上に配置している。
【0079】
[評価試験]
図38は、図36に示される実施の形態1の照明装置100を含む電球型の照明装置700’の配光特性を示すグラフである。電球筐体730の外径は、35mmであり、発光素子120のサイズは、7.6mm×6.6mmである。このグラフから、図36に示される照明装置700’は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0080】
図39は、図37に示される実施の形態1の照明装置100を含む電球型の照明装置700”の配光特性を示すグラフである。電球筐体730の外径は、52.5mmであり、発光素子120のサイズは、7.6mm×6.6mmである。このグラフから、光束制御部材130に比べて電球筐体730が大きいと、後方方向に十分に配光できないことがわかる。
【0081】
図40は、図35に示される実施の形態7の照明装置700の配光特性を示すグラフである。電球筐体730の外径は、52.5mmであり、発光素子120のサイズは、7.6mm×6.6mmであり、電球筐体730と発光素子120との間隔(基台710の高さ)は、17mmである。このグラフから、光束制御部材130に比べて電球筐体730が大きい場合であっても、発光素子120、光束制御部材130および側壁部140を、カバー720の開口部に対して上方に配置することで、後方方向に十分に配光できることがわかる。
【0082】
[効果]
小型電球用の発光素子120および光束制御部材130を、それよりも大型の電球にそのまま適用すると、後方方向の光が電球筐体730に妨げられてしまい、バランスのよい配光特性を実現することができない(図37参照)。一方で、電球筐体730に合わせて光束制御部材130を大きくすると、成形性や透過反射膜の成膜の観点から製造コストが増大してしまう。
【0083】
これに対し、実施の形態7の照明装置700は、電球筐体730の外径に応じて基台710の高さを調整することで、光束制御部材130の大きさを変えることなく、バランスのよい配光特性を実現することができる。
【0084】
(実施の形態8)
[照明装置の構成]
図41は、本発明の実施の形態8の照明装置800の構成を示す断面図である。実施の形態8の照明装置800は、光束制御部材130および側壁部140が3本の脚部810により支持されている点において実施の形態7の照明装置700と異なる。
【0085】
[評価試験]
図42は、実施の形態8の照明装置800の配光特性を示すグラフである。各構成要素のサイズは、実施の形態7の照明装置700と同一である。円柱形状の脚部810は、それぞれ外径1mm、長さ2mmである。このグラフから、実施の形態8の照明装置800は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0086】
[効果]
実施の形態8の照明装置800は、実施の形態7の照明装置100と同様の効果に加えて、基台710上における光束制御部材130を設置するためのスペースを顕著に削減できるという効果を有する。
【0087】
(実施の形態9)
[照明装置の構成]
図43は、本発明の実施の形態9の照明装置900の構成を示す断面図である。実施の形態9の照明装置900は、光束制御部材130が側壁部の代わりに3本の脚部910により支持されている点において実施の形態7の照明装置700と異なる。光束制御部材130および脚部910は、一体として作製されてもよいし、それぞれ別個に作製されてもよい。
【0088】
[評価試験]
図44は、実施の形態9の照明装置900の配光特性を示すグラフである。各構成要素のサイズは、実施の形態7の照明装置700と同一である。円柱形状の脚部910は、それぞれ外径1mm、長さ2mmである。このグラフから、実施の形態9の照明装置900は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0089】
[効果]
実施の形態9の照明装置900は、実施の形態8の照明装置800と同様の効果を有する。
【0090】
(実施の形態10)
[照明装置の構成]
図45は、本発明の実施の形態10の照明装置1000の構成を示す断面図である。実施の形態10の照明装置1000は、光束制御部材130が側壁部の代わりに3本の吊り下げ部1010により支持されている点において実施の形態7の照明装置700と異なる。吊り下げ部1010は、カバー720の内面に固定されている。吊り下げ部1010は、光束制御部材130またはカバー720と一体として作製されてもよいし、それぞれ別個に作製されてもよい。
【0091】
[評価試験]
図46は、実施の形態10の照明装置1000の配光特性を示すグラフである。各構成要素のサイズは、実施の形態7の照明装置700と同一である。円柱形状の吊り下げ部1010は、それぞれ外径1mm、長さ10.8mmである。このグラフから、実施の形態10の照明装置1000は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0092】
[効果]
実施の形態10の照明装置1000は、実施の形態7の照明装置700と同様の効果に加えて、基台710上における光束制御部材130を設置するためのスペースが不要であるという効果を有する。
【0093】
(実施の形態11)
[照明装置の構成]
図47は、本発明の実施の形態11の照明装置1100の構成を示す断面図である。実施の形態11の照明装置1100は、図37に示される照明装置700”において、カバー150を口金740側に9.1mm延長するとともに(カバー720)、それに合わせて電球筐体730の一部を除去したものである。すなわち、実施の形態7の照明装置700における基台710および電球筐体730の両方の役割を、電球筐体1110に担わせている。
【0094】
[評価試験]
図48は、実施の形態11の照明装置1100の配光特性を示すグラフである。このグラフから、実施の形態11の照明装置1100は、広くかつバランスのよい配光特性であることがわかる。
【0095】
[効果]
実施の形態11の照明装置1100は、実施の形態7の照明装置700と同様の効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の照明装置は、白熱電球に代えて使用されうるため、シャンデリアや間接照明装置などの各種照明機器に幅広く適用されうる。
【符号の説明】
【0097】
10,20 照明装置
12,22 LED
14 カバー
16 アルミ板
18 透過窓
24 拡散カバー
26 透明カバー
100,100’,200,300,400,500,600 照明装置
110,210,410,510,610 基板
120 発光素子
130,130’,230,330,430,530,630 光束制御部材
132,132’,232,332,432,532,632 反射面
140,240,440,540,640 側壁部
150,720 カバー
550 蓋部
660 レンズ
700,700’,700”,800,900,1000,1100 電球型の照明装置
710 基台
730,1110 電球筐体
740 口金
810,910 脚部
1010 吊り下げ部
CA 光束制御部材の中心軸
LA 発光素子の光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置された1または2以上の発光素子と、
前記発光素子の光軸とその中心軸が一致するように前記発光素子に対して空気層を介して配置され、前記発光素子から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる光束制御部材と、を有し、
前記光束制御部材は、前記発光素子と対向し、かつ前記発光素子から出射された光の一部を反射させる反射面を有し、
前記反射面は、前記発光素子の光軸との交点である中心部から外周部に向かうにつれて前記発光素子からの高さが高くなる非球面形状の曲面を有し、
前記反射面の外周部は、前記反射面の中心部の位置と比較して、前記発光素子の光軸の方向における前記発光素子からの距離が離れた位置に形成され、
前記反射面は、前記発光素子から前記発光素子の光軸に沿って出射された光の角度を0°としたときに、以下の式(1)を満たすように前記発光素子から出射された光の一部を反射させる、
照明装置。
θ(a2)<θ(b2) …(1)
ただし、式(1)において、
θ(a2)は、前記発光素子の発光中心から前記発光素子の光軸に対してθ(a1)の角度で出射され、かつ前記反射面により反射された光の、前記発光素子の光軸に対する角度であり、
θ(b2)は、前記発光素子の発光中心から前記発光素子の光軸に対してθ(b1)の角度で出射され、かつ前記反射面により反射された光の、前記発光素子の光軸に対する角度であり、
前記発光素子において前記発光素子の発光中心から一番遠い点から、前記発光素子の光軸と平行方向に出射した光が前記反射面に到達する点と、前記発光素子の発光中心とを結ぶ線の、前記発光素子の光軸に対する角度をθ(c1)としたときに、θ(c1)≦θ(a1)<θ(b1)である。
【請求項2】
前記反射面には、前記発光素子から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる透過反射膜が形成されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光束制御部材は、前記発光素子から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる材料により形成されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光束制御部材は、前記発光素子から出射された光の一部を透過させる透過部を有している、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記透過部は、貫通孔または凹部である、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
開口部を有する中空領域が形成されたカバーをさらに有し、
前記発光素子および前記光束制御部材は、前記カバーの前記中空領域内に配置され、
前記カバーは、前記光束制御部材からの反射光および透過光を拡散させつつ透過させる、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記カバーは、略球冠形状である、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記カバーの開口部は、前記発光素子から出射された光の前記光軸に沿った出射方向を正とした場合に、前記発光素子よりも前記光軸の負の方向に位置する、請求項6に記載の照明装置。
【請求項9】
前記発光素子および前記光束制御部材は、前記カバーの最大外径部分よりも、前記開口部の反対側に位置する、請求項6に記載の照明装置。
【請求項10】
基板上に配置された1または2以上の発光素子と、
前記発光素子の光軸とその中心軸が一致するように前記発光素子に対して空気層を介して配置され、前記発光素子から出射された光の一部を反射し、一部を透過させる光束制御部材と、を有し、
前記光束制御部材は、前記発光素子と対向し、かつ前記発光素子から出射された光の一部を反射させる反射面を有し、
前記反射面は、前記発光素子の光軸との交点である中心部から外周部に向かうにつれて前記発光素子からの高さが高くなる非球面形状の曲面を有し、
前記反射面の外周部は、前記反射面の中心部の位置と比較して、前記発光素子の光軸の方向における前記発光素子からの距離が離れた位置に形成され、
前記反射面は、前記光束制御部材の中心軸を中心とする回転対称面であり、かつその母線が前記発光素子に対して凹形状である、
照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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