熨斗紙胴巻き装置
【課題】贈答物などの被包装物に熨斗紙を自動で胴巻きできると共に、熨斗紙と被包装物の組合せが正しいか照合できる装置を提供する。
【解決手段】熨斗紙胴巻き装置1は、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつフィードし、フィードされた熨斗紙2を被包装物(贈答物3)に胴巻きする胴巻き機構12と、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2に印刷された光学コード20を読み取る第1の光学コードリーダ110と、胴巻き機構10に投入された贈答物3の裏側に付加された光学コードを読み取る第2の光学コードリーダ111が接続され、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の光学コード20から読み取ったデータと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の光学コード30から読み取ったデータを照合する照合部11と、照合部11が照合に失敗すると、胴巻き機構12の動作を停止させる制御部10を備えている。
【解決手段】熨斗紙胴巻き装置1は、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつフィードし、フィードされた熨斗紙2を被包装物(贈答物3)に胴巻きする胴巻き機構12と、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2に印刷された光学コード20を読み取る第1の光学コードリーダ110と、胴巻き機構10に投入された贈答物3の裏側に付加された光学コードを読み取る第2の光学コードリーダ111が接続され、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の光学コード20から読み取ったデータと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の光学コード30から読み取ったデータを照合する照合部11と、照合部11が照合に失敗すると、胴巻き機構12の動作を停止させる制御部10を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱などの贈答品に熨斗紙を自動で胴巻きするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熨斗や水引が印刷された熨斗紙を胴巻きして贈答物を送る風習が日本に有り、数多くの贈答物に熨斗紙を胴巻きする作業を省力化できるように、例えば、特許文献1において、熨斗紙を自動で贈答物に包装する自動包装械が開示されている。
【0003】
また、贈り主などが熨斗紙には手書きされていたが、数多くの熨斗紙に贈り主などを手書きする作業を省力化するために、例えば、特許文献2において、熨斗紙をオンデマンドで印刷できるシステムが開示され、慶事、弔事などの用途や贈り主の異なる熨斗紙を同一のロットで印刷することが可能になった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6―032324号公報
【特許文献2】特許第4564181号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
慶事、弔事などの用途や贈り主の異なる熨斗紙を同一のロットで印刷すると、用途や贈り主の異なる熨斗紙が積み重なった状態になり、上述した自動包装機を用いて贈答物に熨斗紙を胴巻きすると、用途や贈り主の異なる熨斗紙が積み重なった状態の熨斗紙の束から、一枚ずつ熨斗紙が該自動包装械にフィードされて贈答物に胴巻きされるため、該自動包装械からフィードされる熨斗紙と熨斗紙が巻かれる贈答物の組合せが正しいか照合が必要になっていた。
【0006】
そこで、本発明は、贈答物などの被包装物に熨斗紙を自動で胴巻きできると共に、熨斗紙と被包装物の組合せが正しいか照合できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する本発明は、積み重ねられた状態の熨斗紙を一枚ずつフィードし、フィードされた熨斗紙を被包装物に胴巻きする胴巻き機構と、前記胴巻き機構にフィードされた熨斗紙に印刷された光学コードを読み取る第1の光学コードリーダと、前記胴巻き機構に投入された被包装物の裏側に付加された光学コードを読み取る第2の光学コードリーダが接続され、前記第1の光学コードリーダにより熨斗紙の光学コードから読み取ったデータと、前記第2の光学コードリーダにより被包装物の光学コードから読み取ったデータを照合する照合部と、前記照合部が照合に失敗すると、前記胴巻き機構の動作を停止させる制御部を備えたことを特徴とする熨斗紙胴巻き装置である。
【発明の効果】
【0008】
上述した本発明によれば、熨斗紙に印刷された光学コード(例えば、バーコード)と、贈答物に付加された光学コードを利用して照合し、照合に失敗すると、熨斗紙を被包装物に胴巻きする動作を停止することで、熨斗紙が胴巻きされた被包装物においては、熨斗紙と熨斗紙が巻かれる贈答物の組合せが正しいことになるため、慶事、弔事などの用途や贈り主が異なる熨斗紙であっても、自動で連続して胴巻きすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置を説明する図。
【図2】本実施形態に係る熨斗紙及び贈答物を説明する図。
【図3】贈答物が積載部材に積載された状態の胴巻き機構を説明する図。
【図4】積載部材が降下した状態の胴巻き機構を説明する図。
【図5】熨斗紙の左側を折った状態の胴巻き機構を説明する図。
【図6】熨斗紙の右側を折った状態の胴巻き機構を説明する図。
【図7】胴巻き後の贈答物を排出した状態の胴巻き機構を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここから,本発明の実施形態について,本発明の技術分野に係わる当業者が,発明の内容を理解し,発明を実施できる程度に説明する。なお、これから説明する実施形態は本発明の一実施形態にしか過ぎず、本発明は,これから説明する実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置1を説明する図である。本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置1は、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつフィードし、被包装物(ここでは、贈答物3)にフィードされた熨斗紙2を胴巻きする胴巻き機構12と、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2と胴巻き機構12に投入された贈答物3を照合する照合部11と、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2と胴巻き機構12に投入された贈答物3を照合部11に照合させ、照合部11が照合に失敗すると、胴巻き機構12を停止させる制御部10を備えている。
【0012】
図2は、本実施形態に係る熨斗紙2及び贈答物3を説明する図である。図2(a)は、本実施形態に係る熨斗紙2を説明する図で、図2(a)に図示したように、本実施形態に係る熨斗紙2の表面には、熨斗2aや水引2bの図柄の加え、水引2bで区切られる上段には贈答の用途2c(例えば、「御祝」)が印刷され、水引2bで区切られる下段には贈答物3の贈り主2dがデジタルプリンタによって印刷される。また、図2(b)に図示したように、本実施形態に係る熨斗紙2の裏面には、熨斗紙2と贈答物3の照合に利用する光学コード20(ここでは、1次元のバーコード)がデジタルプリンタによって印刷される。
【0013】
更に、図2(b)は、本実施形態に係る贈答物3を説明する図である。本実施形態において、贈答物3は箱状をなしており、図2(b)に図示したように、贈答物3の裏側には、熨斗紙2と贈答物3の照合に利用する光学コード30(ここでは、1次元のバーコード)が付加される。贈答物3の裏側に付加される光学コード30は、贈答物3を製造する際に印刷してもよく、また、インクジェットプリンタやシールラベルを利用して、製造後の贈答物3に光学コード30を付加することもできる。
【0014】
デジタルプリンタを利用したオンデマンド印刷により熨斗紙2を印刷すると、ダイレクトメールのように一枚ずつ内容が異なる熨斗紙2が印刷されるため、本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置1には、熨斗紙2の裏面に印刷された光学コード20と贈答物3の裏面に付加された光学コード30を利用して、熨斗紙胴巻き装置1にフィードされた熨斗紙2と熨斗紙2が胴巻きされる贈答物3を照合する照合部11が備えられる。
【0015】
熨斗紙胴巻き装置1の照合部11はコンピュータを利用して実現することができ、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11には、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2の裏面に印刷された光学コード20を読み取る第1の光学コードリーダ110と、胴巻き機構12に投入された贈答物3の裏側に付加された光学コード30を読み取る第2の光学コードリーダ111が接続され、更に、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11として利用するコンピュータには、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の裏面から読み取った光学コード20にエンコードされていたデータと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の裏側から読み取った光学コード30にエンコードされていたデータを照合するコンピュータプログラムが実装される。
【0016】
熨斗紙2の光学コード20と贈答物3の光学コード30にエンコードされているデータは同一でもよくまた異なるようにすることもできる。例えば、熨斗紙2の光学コード20と贈答物3の光学コード30に贈答物3の商品コードをエンコードしておき、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11が、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の裏面から読み取った光学コード20にエンコードされていた商品コードと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の裏側から読み取った光学コード30にエンコードされていた商品コードを照合するようにしてもよい。
【0017】
また、熨斗紙2の光学コード20に熨斗紙2の識別コードをエンコードし、贈答物3の光学コード30に贈答物3の商品コードをエンコードしておき、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11が、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の裏面から読み取った光学コード20にエンコードされていた識別コードに対応する商品コードと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の裏側から読み取った光学コード30にエンコードされていた商品コードを照合するようにすることもできる。
【0018】
次に、熨斗紙胴巻き装置1に備えられた胴巻き機構12について説明する。図1に図示したように、熨斗紙胴巻き装置1の胴巻き機構12は、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつフィードし、フィードした熨斗紙2を贈答物3に胴巻きするために熨斗紙胴巻き装置1に備えられ、熨斗紙2が積み重なった状態でスタックされる給紙スタッカ12aと、給紙スタッカ12aにスタックされた熨斗紙2を一枚ずつフィードするフィードローラ12bと、贈答物3が積載される積載部材12dと、贈答物3の位置を規制するガイド部材12cと、積載部材12d及びガイド部材12cの昇降を案内する役割を担う一対の支持部材12eと、熨斗紙2の左側を折る折り込み部12fと、熨斗紙2の右側を折ると共に、折られた状態の熨斗紙2の左側と右側をラベルで接着する機能を有するラベル貼り部12gを有している。
【0019】
ここから、熨斗紙胴巻き装置1の制御部10が実行する動作を説明しながら、熨斗紙胴巻き装置1の胴巻き機構12について詳細に説明する。図3は、贈答物3が積載部材12dに積載された状態の胴巻き機構12を説明する図、図4は、積載部材12dが降下した状態の胴巻き機構12を説明する図、図5は、熨斗紙2の左側を折った状態の胴巻き機構12を説明する図、図6は、熨斗紙2の右側を折った状態の胴巻き機構12を説明する図、そして、図7は、胴巻き後の贈答物3を排出した状態の胴巻き機構12を説明する図である。
【0020】
給紙スタッカ12aとフィードローラ12bは、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつ胴巻き機構12にフィードするために設けられ、裏面が表の状態で給紙スタッカ12aに熨斗紙2がスタックされ、制御部10は、贈答物3に熨斗紙2を胴巻きする際、まず、フィードローラ12bを作動させて、裏面が表の状態の一枚の熨斗紙2を積載部材12dとガイド部材12cの隙間にフィードする。そして、一枚の熨斗紙2をフィードすると、制御部10は、ガイド部材12cの間に贈答物3を投入し、図3に図示したように、ガイド部材12cの間に挟まれ、熨斗紙2の上に載った状態で贈答物3が積載部材12d上に積載される。
【0021】
贈答物3が胴巻き機構12内に投入されると、制御部10は照合部11に対して、熨斗紙2と贈答物3を照合する指示を通知し、照合部11は、第1の光学コードリーダ110及び第2の光学コードリーダ111を作動させて、熨斗紙2の光学コード20及び贈答物3の光学コード30にそれぞれエンコードされていたデータを読み取り、読み取ったデータを照合する動作を行う。
【0022】
胴巻き機構12のガイド部材12cと積載部材12dはそれぞれ独立して昇降する機能を有し、制御部10は、熨斗紙2及び贈答物3の光学コードから読み取ったデータの照合に成功したことが照合部11から通知されると、ガイド部材12cと積載部材12dを同時に降下させる。なお、熨斗紙2の光学コード20及び贈答物3の光学コード30から読み取ったデータの照合に失敗したことが照合部11から通知されると、ガイド部材12cと積載部材12dを同時に降下させることなく、警報を発するなどの動作を行う。
【0023】
熨斗紙2は、ガイド部材12cと積載部材12dの間に挟まれた状態になっているため、ガイド部材12cと積載部材12dが同時に降下することで、図4に図示したように、熨斗紙2の両側は、支持部材12eとガイド部材12cの隙間に沿ってコの字状の状態になる。
【0024】
そして、図5に図示したように、ガイド部材12cと積載部材12dを所定位置まで降下させると、制御部10はガイド部材12cのみを所定位置まで上昇させ、ガイド部材12cを所定位置まで上昇させると、制御部10は、熨斗紙2を贈答物3に胴巻きする動作として、まず、折り込み部12fを作動させて、熨斗紙2の左側を贈答物3に巻くように折り込む。
【0025】
熨斗紙2の左側を贈答物3に巻くように折り込むと、熨斗紙2を贈答物3に胴巻きする動作として、制御部10は、図6に図示したように、ラベル貼り部12gを作動させて、熨斗紙2の右側を贈答物3に巻くように折り込むと共に、熨斗紙2の左側と右側を留めるためのラベルを貼付け、熨斗紙2を贈答物3に胴巻きする。
【0026】
熨斗紙2を贈答物3に胴巻きすると、制御部10は、胴巻き後の贈答物3を排出する動作として、図7に図示したように、積載部材12dを所定位置まで降下させ、折り込み部12f及びラベル貼り部12gを所定位置に戻した後、積載部材12dを左右に分割するようにスライドさせて、胴巻き後の贈答物3を落下させる。
【符号の説明】
【0027】
1 熨斗紙胴巻き装置
10 制御部
11 照合部
110 第1の光学コードリーダ
111 第2の光学コードリーダ
12 胴巻き装置
12a 給紙スタッカ
12b フィードローラ
12c ガイド部材
12d 積載部材
12e 支持部材
12f 折り込み部
12g ラベル貼り部
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱などの贈答品に熨斗紙を自動で胴巻きするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熨斗や水引が印刷された熨斗紙を胴巻きして贈答物を送る風習が日本に有り、数多くの贈答物に熨斗紙を胴巻きする作業を省力化できるように、例えば、特許文献1において、熨斗紙を自動で贈答物に包装する自動包装械が開示されている。
【0003】
また、贈り主などが熨斗紙には手書きされていたが、数多くの熨斗紙に贈り主などを手書きする作業を省力化するために、例えば、特許文献2において、熨斗紙をオンデマンドで印刷できるシステムが開示され、慶事、弔事などの用途や贈り主の異なる熨斗紙を同一のロットで印刷することが可能になった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6―032324号公報
【特許文献2】特許第4564181号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
慶事、弔事などの用途や贈り主の異なる熨斗紙を同一のロットで印刷すると、用途や贈り主の異なる熨斗紙が積み重なった状態になり、上述した自動包装機を用いて贈答物に熨斗紙を胴巻きすると、用途や贈り主の異なる熨斗紙が積み重なった状態の熨斗紙の束から、一枚ずつ熨斗紙が該自動包装械にフィードされて贈答物に胴巻きされるため、該自動包装械からフィードされる熨斗紙と熨斗紙が巻かれる贈答物の組合せが正しいか照合が必要になっていた。
【0006】
そこで、本発明は、贈答物などの被包装物に熨斗紙を自動で胴巻きできると共に、熨斗紙と被包装物の組合せが正しいか照合できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する本発明は、積み重ねられた状態の熨斗紙を一枚ずつフィードし、フィードされた熨斗紙を被包装物に胴巻きする胴巻き機構と、前記胴巻き機構にフィードされた熨斗紙に印刷された光学コードを読み取る第1の光学コードリーダと、前記胴巻き機構に投入された被包装物の裏側に付加された光学コードを読み取る第2の光学コードリーダが接続され、前記第1の光学コードリーダにより熨斗紙の光学コードから読み取ったデータと、前記第2の光学コードリーダにより被包装物の光学コードから読み取ったデータを照合する照合部と、前記照合部が照合に失敗すると、前記胴巻き機構の動作を停止させる制御部を備えたことを特徴とする熨斗紙胴巻き装置である。
【発明の効果】
【0008】
上述した本発明によれば、熨斗紙に印刷された光学コード(例えば、バーコード)と、贈答物に付加された光学コードを利用して照合し、照合に失敗すると、熨斗紙を被包装物に胴巻きする動作を停止することで、熨斗紙が胴巻きされた被包装物においては、熨斗紙と熨斗紙が巻かれる贈答物の組合せが正しいことになるため、慶事、弔事などの用途や贈り主が異なる熨斗紙であっても、自動で連続して胴巻きすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置を説明する図。
【図2】本実施形態に係る熨斗紙及び贈答物を説明する図。
【図3】贈答物が積載部材に積載された状態の胴巻き機構を説明する図。
【図4】積載部材が降下した状態の胴巻き機構を説明する図。
【図5】熨斗紙の左側を折った状態の胴巻き機構を説明する図。
【図6】熨斗紙の右側を折った状態の胴巻き機構を説明する図。
【図7】胴巻き後の贈答物を排出した状態の胴巻き機構を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここから,本発明の実施形態について,本発明の技術分野に係わる当業者が,発明の内容を理解し,発明を実施できる程度に説明する。なお、これから説明する実施形態は本発明の一実施形態にしか過ぎず、本発明は,これから説明する実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置1を説明する図である。本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置1は、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつフィードし、被包装物(ここでは、贈答物3)にフィードされた熨斗紙2を胴巻きする胴巻き機構12と、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2と胴巻き機構12に投入された贈答物3を照合する照合部11と、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2と胴巻き機構12に投入された贈答物3を照合部11に照合させ、照合部11が照合に失敗すると、胴巻き機構12を停止させる制御部10を備えている。
【0012】
図2は、本実施形態に係る熨斗紙2及び贈答物3を説明する図である。図2(a)は、本実施形態に係る熨斗紙2を説明する図で、図2(a)に図示したように、本実施形態に係る熨斗紙2の表面には、熨斗2aや水引2bの図柄の加え、水引2bで区切られる上段には贈答の用途2c(例えば、「御祝」)が印刷され、水引2bで区切られる下段には贈答物3の贈り主2dがデジタルプリンタによって印刷される。また、図2(b)に図示したように、本実施形態に係る熨斗紙2の裏面には、熨斗紙2と贈答物3の照合に利用する光学コード20(ここでは、1次元のバーコード)がデジタルプリンタによって印刷される。
【0013】
更に、図2(b)は、本実施形態に係る贈答物3を説明する図である。本実施形態において、贈答物3は箱状をなしており、図2(b)に図示したように、贈答物3の裏側には、熨斗紙2と贈答物3の照合に利用する光学コード30(ここでは、1次元のバーコード)が付加される。贈答物3の裏側に付加される光学コード30は、贈答物3を製造する際に印刷してもよく、また、インクジェットプリンタやシールラベルを利用して、製造後の贈答物3に光学コード30を付加することもできる。
【0014】
デジタルプリンタを利用したオンデマンド印刷により熨斗紙2を印刷すると、ダイレクトメールのように一枚ずつ内容が異なる熨斗紙2が印刷されるため、本実施形態に係る熨斗紙胴巻き装置1には、熨斗紙2の裏面に印刷された光学コード20と贈答物3の裏面に付加された光学コード30を利用して、熨斗紙胴巻き装置1にフィードされた熨斗紙2と熨斗紙2が胴巻きされる贈答物3を照合する照合部11が備えられる。
【0015】
熨斗紙胴巻き装置1の照合部11はコンピュータを利用して実現することができ、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11には、胴巻き機構12にフィードされた熨斗紙2の裏面に印刷された光学コード20を読み取る第1の光学コードリーダ110と、胴巻き機構12に投入された贈答物3の裏側に付加された光学コード30を読み取る第2の光学コードリーダ111が接続され、更に、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11として利用するコンピュータには、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の裏面から読み取った光学コード20にエンコードされていたデータと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の裏側から読み取った光学コード30にエンコードされていたデータを照合するコンピュータプログラムが実装される。
【0016】
熨斗紙2の光学コード20と贈答物3の光学コード30にエンコードされているデータは同一でもよくまた異なるようにすることもできる。例えば、熨斗紙2の光学コード20と贈答物3の光学コード30に贈答物3の商品コードをエンコードしておき、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11が、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の裏面から読み取った光学コード20にエンコードされていた商品コードと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の裏側から読み取った光学コード30にエンコードされていた商品コードを照合するようにしてもよい。
【0017】
また、熨斗紙2の光学コード20に熨斗紙2の識別コードをエンコードし、贈答物3の光学コード30に贈答物3の商品コードをエンコードしておき、熨斗紙胴巻き装置1の照合部11が、第1の光学コードリーダ110により熨斗紙2の裏面から読み取った光学コード20にエンコードされていた識別コードに対応する商品コードと、第2の光学コードリーダ111により贈答物3の裏側から読み取った光学コード30にエンコードされていた商品コードを照合するようにすることもできる。
【0018】
次に、熨斗紙胴巻き装置1に備えられた胴巻き機構12について説明する。図1に図示したように、熨斗紙胴巻き装置1の胴巻き機構12は、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつフィードし、フィードした熨斗紙2を贈答物3に胴巻きするために熨斗紙胴巻き装置1に備えられ、熨斗紙2が積み重なった状態でスタックされる給紙スタッカ12aと、給紙スタッカ12aにスタックされた熨斗紙2を一枚ずつフィードするフィードローラ12bと、贈答物3が積載される積載部材12dと、贈答物3の位置を規制するガイド部材12cと、積載部材12d及びガイド部材12cの昇降を案内する役割を担う一対の支持部材12eと、熨斗紙2の左側を折る折り込み部12fと、熨斗紙2の右側を折ると共に、折られた状態の熨斗紙2の左側と右側をラベルで接着する機能を有するラベル貼り部12gを有している。
【0019】
ここから、熨斗紙胴巻き装置1の制御部10が実行する動作を説明しながら、熨斗紙胴巻き装置1の胴巻き機構12について詳細に説明する。図3は、贈答物3が積載部材12dに積載された状態の胴巻き機構12を説明する図、図4は、積載部材12dが降下した状態の胴巻き機構12を説明する図、図5は、熨斗紙2の左側を折った状態の胴巻き機構12を説明する図、図6は、熨斗紙2の右側を折った状態の胴巻き機構12を説明する図、そして、図7は、胴巻き後の贈答物3を排出した状態の胴巻き機構12を説明する図である。
【0020】
給紙スタッカ12aとフィードローラ12bは、積み重ねられた状態の熨斗紙2を一枚ずつ胴巻き機構12にフィードするために設けられ、裏面が表の状態で給紙スタッカ12aに熨斗紙2がスタックされ、制御部10は、贈答物3に熨斗紙2を胴巻きする際、まず、フィードローラ12bを作動させて、裏面が表の状態の一枚の熨斗紙2を積載部材12dとガイド部材12cの隙間にフィードする。そして、一枚の熨斗紙2をフィードすると、制御部10は、ガイド部材12cの間に贈答物3を投入し、図3に図示したように、ガイド部材12cの間に挟まれ、熨斗紙2の上に載った状態で贈答物3が積載部材12d上に積載される。
【0021】
贈答物3が胴巻き機構12内に投入されると、制御部10は照合部11に対して、熨斗紙2と贈答物3を照合する指示を通知し、照合部11は、第1の光学コードリーダ110及び第2の光学コードリーダ111を作動させて、熨斗紙2の光学コード20及び贈答物3の光学コード30にそれぞれエンコードされていたデータを読み取り、読み取ったデータを照合する動作を行う。
【0022】
胴巻き機構12のガイド部材12cと積載部材12dはそれぞれ独立して昇降する機能を有し、制御部10は、熨斗紙2及び贈答物3の光学コードから読み取ったデータの照合に成功したことが照合部11から通知されると、ガイド部材12cと積載部材12dを同時に降下させる。なお、熨斗紙2の光学コード20及び贈答物3の光学コード30から読み取ったデータの照合に失敗したことが照合部11から通知されると、ガイド部材12cと積載部材12dを同時に降下させることなく、警報を発するなどの動作を行う。
【0023】
熨斗紙2は、ガイド部材12cと積載部材12dの間に挟まれた状態になっているため、ガイド部材12cと積載部材12dが同時に降下することで、図4に図示したように、熨斗紙2の両側は、支持部材12eとガイド部材12cの隙間に沿ってコの字状の状態になる。
【0024】
そして、図5に図示したように、ガイド部材12cと積載部材12dを所定位置まで降下させると、制御部10はガイド部材12cのみを所定位置まで上昇させ、ガイド部材12cを所定位置まで上昇させると、制御部10は、熨斗紙2を贈答物3に胴巻きする動作として、まず、折り込み部12fを作動させて、熨斗紙2の左側を贈答物3に巻くように折り込む。
【0025】
熨斗紙2の左側を贈答物3に巻くように折り込むと、熨斗紙2を贈答物3に胴巻きする動作として、制御部10は、図6に図示したように、ラベル貼り部12gを作動させて、熨斗紙2の右側を贈答物3に巻くように折り込むと共に、熨斗紙2の左側と右側を留めるためのラベルを貼付け、熨斗紙2を贈答物3に胴巻きする。
【0026】
熨斗紙2を贈答物3に胴巻きすると、制御部10は、胴巻き後の贈答物3を排出する動作として、図7に図示したように、積載部材12dを所定位置まで降下させ、折り込み部12f及びラベル貼り部12gを所定位置に戻した後、積載部材12dを左右に分割するようにスライドさせて、胴巻き後の贈答物3を落下させる。
【符号の説明】
【0027】
1 熨斗紙胴巻き装置
10 制御部
11 照合部
110 第1の光学コードリーダ
111 第2の光学コードリーダ
12 胴巻き装置
12a 給紙スタッカ
12b フィードローラ
12c ガイド部材
12d 積載部材
12e 支持部材
12f 折り込み部
12g ラベル貼り部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねられた状態の熨斗紙を一枚ずつフィードし、フィードされた熨斗紙を被包装物に胴巻きする胴巻き機構と、前記胴巻き機構にフィードされた熨斗紙に印刷された光学コードを読み取る第1の光学コードリーダと、前記胴巻き機構に投入された被包装物の裏側に付加された光学コードを読み取る第2の光学コードリーダが接続され、前記第1の光学コードリーダにより熨斗紙の光学コードから読み取ったデータと、前記第2の光学コードリーダにより被包装物の光学コードから読み取ったデータを照合する照合部と、前記照合部が照合に失敗すると、前記胴巻き機構の動作を停止させる制御部を備えたことを特徴とする、熨斗紙胴巻き装置。
【請求項1】
積み重ねられた状態の熨斗紙を一枚ずつフィードし、フィードされた熨斗紙を被包装物に胴巻きする胴巻き機構と、前記胴巻き機構にフィードされた熨斗紙に印刷された光学コードを読み取る第1の光学コードリーダと、前記胴巻き機構に投入された被包装物の裏側に付加された光学コードを読み取る第2の光学コードリーダが接続され、前記第1の光学コードリーダにより熨斗紙の光学コードから読み取ったデータと、前記第2の光学コードリーダにより被包装物の光学コードから読み取ったデータを照合する照合部と、前記照合部が照合に失敗すると、前記胴巻き機構の動作を停止させる制御部を備えたことを特徴とする、熨斗紙胴巻き装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−232794(P2012−232794A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104607(P2011−104607)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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