説明

熱い食品をパッケージングするための多層シートまたはライナー

本発明は、「持ち帰り用の」市場で特に有用な熱い食品をパッケージングするための多層シートを開示する。多層シートは、2つ、および場合により3つの層を有する。第1内層は水分吸い上げ材、好ましくは少なくとも約20,000g/m2−日の水蒸気透過度(MVTR)および約5cmH2O未満の静水頭圧の不織布を含む。第2層は幾分吸収性のおよび高断熱性の材料を含む。多層シートは様々なパッケージング実施形態で、例えば、ラップ、パウチまたはバッグなどとして使用されてもよい。多層シートは、保温性および水分制御を改善することによって調理したての食品品質を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱い食品などの食品のラッピングおよび/またはパッケージングでの使用のための多層シートまたはライナーに関する。
【背景技術】
【0002】
複合または多層シートまたはラップは、食品をパッケージングするために長年使用されてきた。かかるシートは、作りたての食品をそれが調製されたときからそれが消費されるまで熱く保つためのものである。現在の商業シートまたはラップには、ポリエチレンコート紙またはティッシュ、ホットメルトコート紙、箔/ティッシュ積層、ティッシュ/アルミ箔/ポリエチレンフィルム、ドライワックスなどが含まれる。これらのラップ材料は、保温性を最大にするために高耐湿性である。凝縮からの液体水はしばしば食品と接触して残ったままとなり、それは食品を望ましくなく湿った状態のままにし得る。
【0003】
公知のシートまたはラップのほとんどは吸収層および不透過性層を含む。例えば、米国特許第5,128,182号明細書、米国特許第5,310,587号明細書、および特開平11−094260号公報を参照されたい。これらのラップおよびシートの使用の結果として生じる食品品質は決して最適なものではない。このように、特に「持ち帰り用の」市場向けの調理したての食品をパッケージングするための、パッケージで例えば保温性および水分制御を改善することなどによって、熱い食品が調理したての特性を維持するために熱い食品用のパッケージングを改善するニーズが存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1層、第2層、および場合により第3層を含む少なくとも2つの層を含むまたはそれらから製造される物品であって、物品が多層シートまたはライナーであり、第1層が水分吸い上げ材を含みまたはそれから製造され、第2層が吸収および断熱材を含みまたはそれから製造され、第3層が構造材料を含むまたはそれから製造される物品を包含する。
【0005】
本発明はまた、(1)熱可塑性接着スクリムの層を第1内層と第2層との間に置き、好適な熱および圧力下に第1内層を第2層に積層する工程、または(2)第1内層を好適なパターン−塗布接着剤で1サイドにコートしてコーティング面を生み出し、コーティング面を積層前に第2層と接触させる工程を含むことができる、多層シートの製造方法も包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
熱い食品をパッケージングするための多層シートまたはライナーは、吸収および高断熱材料を含む第2層と共に水分吸い上げ材を含む第1内層を含む。本多層シートは、保温性を維持しながら改善された水分制御を提供する。調理したての食品品質(例えば、特に揚げ物または焼いた食品での「パリパリさ」)は周囲条件下に少なくとも約30分の時間維持することができ、食品品質は「優秀」であると判断される。
【0007】
多層シートまたはライナーの第1内層は水分吸い上げ材を含むことができる。この層はシートの最内層であり、熱い食品または熱い食品を収容するパッケージの内部と直接接触した層である。水分吸い上げ能力は、熱い食品が冷えるときにパッケージでの水分の蓄積を防ぎ、それによって食品が望ましくなく湿るのを回避する。
【0008】
第1層は、多層シートのパッケージの内部から第2層への水および水蒸気の通過(すなわち、吸い上げ)を容易にする。そうするために、水分吸い上げ材は非凝縮性表面を有することができ、そして好ましくは、ASTM(米国材料試験協会)D−6701によって試験される際に、少なくとも約20,000g/m2/日、少なくとも約100,000g/m2/日、少なくとも約150,000g/m2/日、または少なくとも約170,000g/m2/日の水蒸気透過度、ならびにAATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会)方法127−1989の下で試験される際に、約5cmH2O未満または約2cmH2O未満の静水頭圧を実証する。
【0009】
第1層は不織布、好ましくは「スパンレース」または「水流交絡」布を好ましくは含む。用語「スパンレース布」または「水流交絡布」は、ウェブ中の繊維を絡ませてバインダーを含まない強い布を提供することによって製造される不織布を意味する。かかるスパンレース布は、繊維の不織ウェブをメッシュスクリーンなどの多孔性支持体上に担持させ、担持されたウェブを水圧ニードリング法などで水ジェットの真下に通すことによって製造することができる。繊維は繰り返しパターンで絡ませることができる。
【0010】
不織布は、ポリエステル、ナイロン6,6などの繊維、または、好ましくは、木材パルプとステープル・ポリ(エチレンテレフタレート)ファイバーとの組合せから製造することができる。かかる布は、商品名Sontara(登録商標)でE.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DE(DuPont)から入手可能である。これらの布の厚さは変わることができ、一般には約10〜50ミル(0.01〜0.05インチ)の範囲の厚さである。
【0011】
かかる布を製造するときに、出発不織層は、ステープルファイバー、連続フィラメント、プレキシフィラメント状ストランドなどの薄い柔軟なウェブを含む。繊維は天然繊維、例えば、セルロース系であってもよいし、または合成有機ポリマーから形成されてもよい。好ましくは繊維は互いに接合されていない。好適な出発不織繊維層は、製造されることになっている不織布の所望の最終用途に基づいて選択することができる。例えば、出発不織繊維層は好ましくは実質的に接合されておらず、本質的に液体を吸収するまたは吸い上げることができる繊維、例えば、ポリエステルおよび木材パルプ、またはレーヨンおよび木材パルプよりなる。
【0012】
第1層はまた、好ましくは本明細書に記載されるような水分吸い上げ材として機能するために十分な多孔性の紙を含んでもよい。
【0013】
第2層は吸収および断熱材を含む。この層は高断熱性で、幾らか吸収性であってもよい。高い断熱能力は効果的に保温し、凝縮を遅らせ、それによって所与のパッケージ内での液体水分形成を減らす。同時に、生み出されるいかなる凝縮物も第1層によって吸い上げられ、第2層によって吸収される。高い断熱能力と幾らかの吸収性とのこれらの組合せ特性は、パッケージでの凝縮物の蓄積を防ぎ、食品が望ましくなく湿るのを回避することへの鍵であり得る。
【0014】
いかなる特定の理論にも縛られないが、多層シートまたはライナーは、第2層中の吸収および断熱材が所与のパッケージ内の温度を露点より上に保ち、パッケージ内での凝縮形成を防ぐためのものであるので、成功裡に働いてもよいと思われる。温度が露点のほんのわずか下に低下した場合に、第1層の水分吸上げ材は液体をパッケージ内部から第2層へ吸い上げる。従って、パッケージの内部は暖かいが、パリパリした食品を湿らせる液体水分を含まない。
【0015】
第2層は、断熱の単位、またはCLOで測定される際に、少なくとも約0.05、または少なくとも約0.1、または約0.1〜約2.5、または0.1〜0.5の熱抵抗を好ましくは有する。
【0016】
CLO単位は衣服の熱抵抗の単位と定義される。熱抵抗のSI単位はワット当たりの平方メートル−ケルビン(m2・K/W)である(「テキスタイル用語および定義(Textile Terms and Definitions)」、第10版、The Textile Institute、(1995)、66、350ページを参照されたい)。従って、本発明の吸収および断熱材のSI単位での熱抵抗の範囲は、少なくとも約0.0077、好ましくは少なくとも約0.0154m2・K/Wである。CLOは衣服の観点から定義されるが、この測定値は任意のテキスタイル・システムの熱抵抗を記載するために用いることができ、本明細書では本発明の吸収および断熱材の熱抵抗を記載するために用いられる。CLO値は、層のために使用される材料およびその厚さに依存する。
【0017】
「持ち帰り用の」食品パッケージング市場向けには、熱抵抗のレベルは好ましくは、パッケージが周囲条件に曝されたときに少なくとも約30分間パッケージ内の温度を露点より上に維持するために十分なほど高い。第1層の水分吸い上げ材はまた幾らかの熱抵抗にも貢献することが期待される。
【0018】
第2層はまた、断熱能力の高い効率のために高レベルは必要ではないかもしれないが、幾らかの吸収性を有し、そして結果として生じる凝縮形成の最小化を有する。吸収性は、耐水圧性の観点から、約50cmH2O未満であり得る。
【0019】
第2層は、例えば、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む有機熱可塑性繊維ベースの材料を含んでもよい。好ましい実施形態では、断熱層はポリエステルを含む繊維入りバットである。DuPontによってThermolite(登録商標)Active Originalとして販売される繊維入りバットが特に使用に好適である。本発明に有用な繊維入りバットは一般に、10g/m2〜200g/m2の範囲の目付、および0.3g/cm3未満の嵩密度を有する。あるいはまた、断熱層は、3MによってTHINSULATE(登録商標)として販売されるメルトブローン・ポリオレフィンなどの、メルトブローン繊維を含んでもよい。
【0020】
吸収および断熱材のための材料の多くの他の変形を用いることができる。例えば、吸収および断熱材は、グラスウール、ホウケイ酸ガラスまたはロックウールを含む無機熱可塑性繊維ベースの材料を場合により含んでもよい。
【0021】
あるいはまた、吸収および断熱材は、例えば、DuPontによって商標Coolmax(登録商標)で販売される4チャネルまたはスカラップ卵形繊維から製造された編布を含んでもよい。または吸収および断熱材は織布またはフリース材であってもよい。吸収および断熱材はまた、フェルト、または高ロフト不織布もしくはニードル不織布などの、ある種の不織布を含むこともできよう。
【0022】
第2層の厚さは変わってもよいし、断熱能力、すなわち、熱抵抗の所望のレベルに依存してもよい。より大きい熱抵抗が必要とされるにつれて、層の厚さは増える。一般に、厚さは約10〜約500ミル、または約10〜約200ミル、または約10〜約50ミルの範囲に入り得る。
【0023】
多層シートまたはライナーは、構造材料を含む任意の第3の最外層を含んでもよい。第3層の使用は、実際のパッケージをデザインするときにある種の考慮事項(例えば、不透過性、強度、柔軟性)にとって有用であるかもしれないが、他の実施形態(例えば、下に記載されるようなパッケージ・ライナーのような)では全く不必要であるかもしれない。従って、この層は任意である。
【0024】
一般に、構造材料はフィルム、箔、紙および/または布を含んでもよい。フィルムは、例えば、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む熱可塑性材料でできていてもよい。不透過性および柔軟性が望まれる多くの用途向けには、延伸ポリプロピレンまたは延伸ポリエステルのフィルムが特に好ましい。延伸ポリエステルのフィルムは、商品名Mylar(登録商標)およびMelinex(登録商標)でDuPont Teijin Filmsから入手可能である。
【0025】
任意の第3層のための材料の選択は、どのように多層シートまたはライナーがパッケージングで使用されるか、例えば、どのタイプのパッケージが使用されるか、およびどのタイプの食品がパッケージングされるかに依存するかもしれない。例えば、所望のパッケージングがバッグまたはパウチである場合、紙、箔またはフィルムが有用であるかもしれない。本明細書では本発明の多層シートまたはライナーがパッケージでライナーとして使用される場合、パッケージの内側に多層シートまたはライナーを接着させるための接着層を構造材料に含有させることが役立つかもしれない。剥離性バッキングもまた有用であり得る。
【0026】
構造材料としての使用に好適であるフィルムの一例は、Wilmington,DelawareのDuPont Teijin Filmsから商業的に入手可能なMelinex(登録商標)854である。Melinex(登録商標)854は多層化フィルムであり、1層はヒートシール性であり、第2層と第3層とのヒートシーリングを可能にする。Melinex(登録商標)854は120ゲージ(0.0012インチ、または0.0030cm)厚さの共押出二軸延伸ポリエステルフィルムである。該フィルムの第1層は、2500ppmの無機スリップ添加剤粒子を含有する、約0.590の固有粘度の標準ポリエステルホモポリマーでできている。この層は全フィルム厚さの約65%を占める。2300ppmの無機スリップ添加剤粒子を含有する、約0.635の固有粘度の18重量%イソフタル酸よりなるコポリエステル樹脂が共押出されてヒートシール性層を形成し、全フィルム厚さの35%(15〜40%が好ましい)を占める。ヒートシール性層の反対側の第1層の表面は、(フィルム製造工程中に)0.03g/m2の乾燥コート重量で水性ポリエステル分散系をベースとした印刷プライマーコーティングでグラビア・コーターによりインラインコートされる。
【0027】
多層シートまたはライナーは添加剤をさらに含むことができる。添加剤は、シリカなどの乾燥剤、熱および紫外線(UV)安定剤、UV吸収剤、帯電防止剤、加工助剤、蛍光増白剤、顔料、滑剤などであり得る。これらの添加剤は、本発明で使用される組成物中に一般に0.01〜20、または0.1〜15重量%である量で存在してもよい。
【0028】
構造材料は、その上に印刷を容易にするために第2層とは反対側の表面上をコロナ放電処理によって改質されてもよい。さらに、表面改質(すなわち、コーティングまたはコロナ放電処理)は、上述のように、接着層での別の表面への接合を容易にするために用いられてもよい。別の表面に接合するために、接着プライマー層が構造材料の未処理表面に、またはコロナ放電処理表面に付けられる。この接着プライマー層は、パッケージ・ライナーとして機能するべく多層シートまたはライナーの容器への付着を可能にするために感圧性である。
【0029】
一般に、本発明の多層シートまたはライナーの層は、当該技術で公知の様々な方法によって接合されてもよく、かかる一方法は積層、すなわち、接着剤または他の手段による材料の層の接合である。接着剤は、様々な方法で、例えば、パターン塗布もしくはスプレー塗布で、または接着層、例えば、接着剤のウェブのような層である熱可塑性接着スクリムの使用によって付けることができる。パターン塗布接着剤または接着スクリムの使用は、本明細書では本発明の多層シートまたはライナー内で同様な効果を達成する、すなわち、水分が貫流するのを可能にする接着層内の多数の自由な空間または穴のために、水分移送に対する十分なバリアがない。これは、本明細書では本発明の第1層および第2層を積層するときに特に望ましい。層を接合する他の方法には、当業者に公知のとりわけ、ピンポイントエンボス化、ニードリングおよびキルティングが含まれてもよい。これらの方法は、層間の水分の自由な移送を可能にするかもしれない。
【0030】
または接着剤は、接合されるべき層の1つ上の、例えば、上述されたような構造材料上のヒートシール性コーティングであってもよい。多層シートまたはライナーは場合により、流体がエッジを透過することができないようにそのエッジを、例えばホットナイフなどでシールされてもよい。
【0031】
柔軟な不透過性層が食品から消費者への水分の漏洩を防ぐために使用されてもよい。多層シートまたはライナーは、パッケージ(例えば、持ち帰り用のトレー、ボックス、バッグなど)内で、またはパッケージの外面(例えば、持ち帰り用のトレー蓋での覆い打ち抜き穴(covering perforation))上でさえもライナーとして働くようにシート形で使用することができる。
【0032】
本明細書では本発明の多層シートまたはライナーは、熱い食品をパッケージングするために様々な方法で使用されてもよい。具体的な一実施形態は、多層シートまたはライナーを、熱い食品を直接ラップするための包装ラップとしてシート形で単に使用することである。
【0033】
別の実施形態では、多層シートまたはライナーは、熱い食品、例えば、ホットサンドイッチをラップするためのパウチまたはバッグへ成形されてもよい。パウチまたはバッグは任意の周知の方法に従って製造されてもよい。当業者は、「パウチ」が、第4のサイドが開口部であって一般には4サイドの3つでシールされるが、4サイドの少なくとも2つでシールされた閉鎖容器を意味することを認めることができる。パウチは典型的には、フィルムの平らなウェブから、縦シールでそれから管状フィルムを形成し、その後管状フィルムを第1位置で平たくし、平たくされた位置で前記管状フィルムを横にヒートシールすることよって製造される。「バッグ」はパウチであってもよいが、4サイドと開口部の反対側に長方形の底部とを含む、一般に公知の紙ランチバッグに類似の「スタンドアップパウチ」を含むこともできる。
【0034】
熱い食品を本明細書では本発明のパウチまたはバッグ中へ挿入した後に、パウチまたはバッグは当業者に公知の様々な方法でシールするまたは閉鎖することができる。閉鎖手段は、折り重ねるおよび/または押し込むことができる折り蓋またはタブなどの機械的なものであっても、および/または、とりわけ、感圧接着剤などの接着剤であってもよい。
【0035】
これらの様々なパッケージング実施形態では、任意の第3層を使用することが役立つかもしれない。例えば、柔軟な不透過性層は食品から消費者への水分の漏洩を防ぐように選ばれてもよい。しかしながら、多層シートまたはライナーがパッケージ(例えば、持ち帰り用のトレー、ボックス、バッグなど)内で、または場合によりパッケージの外面(例えば、持ち帰り用のトレー蓋での覆い打ち抜き穴)上でさえもライナーとして働くようにシート形で使用されるときには、第3の任意の層は必要とは限らないであろう。実施例で実証されるように、食品温度および食品品質の点でのかなりの改善は、パッケージの内側最上部にライナーを貼ることによって達成することができる。パッケージ内の所望の温度および水分レベルの持続期間の延長はまた、パッケージの内側底部などの、パッケージ内の他の区域にライナーを貼ることによって達成できる可能性がある。
【0036】
多層シートの製造方法が提供される。本方法は、好適な圧力および熱の下で第1内層を第2内層に積層する工程を含む。圧力および熱の好適な量は、選ばれた接着方法のタイプに依存するかもしれない。好適な接着剤は、化学反応によって活性化されても、または熱によって活性化されても、すなわちヒートシール性であってもよい。第1および第2層のために選ばれた材料に依存して、層を積層するための当該技術で公知の他の方法、例えば、上に開示されたようなピンポイントエンボス化もまた用いられてもよい。
【0037】
接合されるべき2層間の接触を確実にするために少なくとも十分な圧力は、例えば、化学反応によって活性化される接着剤については、2つの層を積層するときに層の全域での一様な接合を容易にするために有用であるかもしれない。加熱は、実施例1および2に記載される熱可塑性接着スクリムなどの、熱活性化接着剤にとって必要であるかもしれない。
【0038】
本発明の方法の一実施形態では、第1内層は、積層の前に第2層と接触して置かれるサイドである1サイドを好適なパターン塗布接着剤でコートされてもよい。別の実施形態では、熱可塑性接着スクリムは積層の前に第1内層と第2層との間に置かれる。これらの方法は、また、第2層を任意の第3層に接合するために用いられてもよい。上述されたように、当該技術で公知の多くの他の積層方法は、第2層を任意の第3層に接合するためだけでなく、第1および第2層を接合するためにも好適であり得よう。
【0039】
第1内層、第2層および任意の第3層は上に開示されたものと同じものである。
【実施例】
【0040】
本発明は、本発明の範囲を限定すべきでない次の実施例によって例示される。
【0041】
熱抵抗−CLO測定
断熱能力の測定のために、CLOを、日本国の加藤鉄工株式会社から市販されている、冷凍浴付き機器であり、該浴がPittsburgh,PennsylvaniaのAllied Fisher Scientificから入手可能である、「Thermolabo II」で測定した。ラボ条件は21℃および65%相対湿度であった。各サンプルは10.5cm×10.5cmであるワンピースのサンプルであった。
【0042】
6g/cm2でのサンプルの厚さ(インチ単位)を、Gaithersburg,MarylandのFrazier Precision Instrument Company,Inc.から商業的に入手可能なFrazier Compressometerを用いて測定した。6g/cm2での厚さを測定するために、次式を用いてダイヤル上にPSI(平方インチ当たりのポンド)(平方センチメートル当たりのキログラム)をセットした:(6.4516cm2/in2)(6g/cm2)/453.6g=0.8532ポンド/in2
【0043】
Frazier Compressometer較正チャート(Calibration Chart)(1インチ、または2.54cm直径プレッサーフート)で0.8532の読みは、トップダイヤルを3.5psi(平方センチメートル当たり0.2キログラム)にセットすることによって、6g/cm2での厚さが測定されることを示した。
【0044】
Thermolabo II機器を次に較正した。温度センサー・ボックス(BTボックス)を次に室温より10℃上にセットした。BTボックスは3.3インチ×3.3インチ(8.4cm×8.4cm)であった。2インチ×2インチである熱板がボックスの中央にあり、発泡スチレンで取り囲まれていた。室温水を、金属水ボックスを通して循環させて一定温度を維持した。サンプルを水ボックス上に置き、BTボックスをサンプルの上に置いた。BTボックスがその温度を1分間維持するために必要とされるエネルギーの量(ワット単位)を記録した。サンプルを3回試験し、次の計算を行った。
【0045】
【数1】

【0046】
式中、W=ワットであり、D=6g/cm2でのインチ単位で測定されたサンプルの厚さである。(6g/cm2は、BTボックスの重量が150gであり、BTボックス上の熱板の面積が25cm2であったので使用された)。厚さに2.54を乗じてそれをセンチメートルに変換した。
A=BTプレートの面積(25cm)
ΔT=10℃
CLO=厚さ×0.00164/熱伝導度
【0047】
0.00164の値は、2.54の補正(厚さをインチからセンチメートルに補正する)掛け熱抵抗をcm2×℃/ワット単位に変換するための0.0006461の補正係数を含む結合係数(combined factor)であった。熱伝導度を抵抗に変換するために、伝導度を方程式の分母に置いた。
【0048】
実施例1.多層シートの製造
熱い食品パッケージング用の多層シートまたはライナーを、上記の方法に従って、および第1層1が水分吸上げ材であり、第2層2が吸収および断熱材であり、そして第3層3が構造層である図1に例示されるように製造した。本実施例では、多孔性の熱可塑性接着スクリム4をこれらの層の間に置く。これらの接着スクリム4は、スパンレースされているポリエステル材料で構築される。それらは多数の穴付きウェブのような層を提供し、それを通って水蒸気または凝縮水は容易に通過することができる。これらの層を、Richmond,VirginiaのInta−Roto Machine Companyによって提供されるものなどの、カレンダーロール付きトンネル・ラミネーターでの熱積層法によって一緒に接合した。接着層4を温度240〜350°F(116〜177℃)で活性化した。
【0049】
本実施例で構造層1は、商品名Mylar(登録商標)でDuPont−Teijinによって販売されるタイプのフィルムであった。フィルムは、厚さが1.2ミル(0.0012インチまたは0.0030cm)であった。吸収および断熱材2は、商標Thermolite(登録商標)Active OriginalでDuPontによって販売されるタイプの繊維入りバットであった。繊維入りバット2は、0.25インチ(0.63cm)の規定厚さで80g/m2の目付または0.013g/cm3の嵩密度を有した。水分吸い上げ材3は、商標Sontara(登録商標)でDuPontから入手可能な不織布であった。Sontara(登録商標)は、68グラム/m2の目付および13ミル(0.013インチまたは0.033cm)の厚さを有する水流交絡白色繊維(45%ポリエステル/55%木材パルプ)を含んだ。接着ウェブは、Bostik Findley,Inc.によって販売されるタイプのものであり、厚さが約8〜10ミル(0.008〜0.01インチ)であった。(厚さは、どれほど多くの圧力が測定中にウェブにかけられるかに依存して変化した。)
【0050】
実施例2.多層シート:複合第3層の製造
熱い食品パッケージング用の多層シートまたはライナーを、上記の方法に従って、および第1層1が水分吸上げ材であり、第2層2が吸収および断熱材であり、そして第3層3が構造層である図2に例示されるように製造した。本実施例では、構造層1はポリエステルの複合フィルムであり、ヒートシール性層であった。ヒートシール性層は、構造層を吸収および断熱層に積層するために必要とされる接着剤として働く。実施例1(上の)に記載したような接着スクリム4を、吸収および断熱層1を水分吸い上げ不織層2に接着させるために使用した。これらの層を、Richmond,Va.のInta−Roto Machine Companyによって提供されるものなどの、カレンダーロール付きトンネル・ラミネーターで熱積層法によって一緒に接合した。接着層を240〜350°F(116〜177℃)の温度で活性化した。
【0051】
本実施例で構造フィルム層1は、商品名Mylar(登録商標)OLでWilmington,DelawareのDuPont Teijin Filmsによって販売されるタイプのものであり、ヒートシール性層を有する二軸延伸PETフィルムであった。本実施形態では、フィルムは、厚さが1.5ミル(0.0015インチまたは0.00375cm)であった。ヒートシール性層の組成物はイソフタル酸ベース・コポリエステルであり、全フィルム厚さの10〜50%を占め、15〜30%が好ましかった。吸収および断熱材2は、商標Thermolite(登録商標)Active OriginalでE.I.du Pont de Nemours and Companyによって販売されるタイプの繊維入りバットであった。繊維入りバットは0.25インチ(0.63cm)の規定厚さで80g/m2の目付または0.013g/cm3の嵩密度を有した。水分吸い上げ層3は、商標Sontara(登録商標)でE.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能な不織布であった。本実施例で使用したSontara(登録商標)は、68グラム/m2の目付および13ミル(0.013インチまたは0.033cm)の厚さを有する水流交絡白色繊維(45%ポリエステル/55%木材パルプ)を含んだ。接着ウェブは、Bostik Findley,Inc.によって販売されるタイプのものであり、厚さが約8〜10ミル(0.008〜0.01インチ)であった。(厚さは、どれほど多くの圧力が測定中にウェブにかけられるかに依存して変化した。)
【0052】
実施例3.チキンナゲット−断熱対非断熱トレー
小型てんぷら鍋を用いて、2個のチキンナゲットを作って水分制御と共に保温性のためのパッケージングでの多層シートまたはライナーの有効性を試験した。てんぷら鍋を植物油で満たし、340°Fにセットした。18の冷凍「Banquet」ブランド・チキンナゲットよりなるバッチを熱油中へ4分間入れた。調理後に、熱いナゲットを15秒間油抜きさせた。油抜き後に、ナゲットを、出来たての熱い食品をパッケージングするためにスーパーマーケットまたはレストランで典型的に利用可能な「持ち帰り用の」スタイルのポリエステル(PET)トレーへ素早く入れた。
【0053】
PETトレーは、底部トレー・リザーバ部分とサイズおよび形状が底部トレーに類似のトップ・トレーまたは蓋とを含んだ。蓋は底部分の一面にぴったり合って周囲(そこで蓋と底部分とが交わる)に沿って概してシールして、典型的には、底部分中の整合空洞(matching cavities)にぴったり収まる蓋の周囲上の小さな突き出た刻み目の使用によって、または逆も同様に、適所にロックし、こうしてトレー容器をロックし、シールした。本試験のために使用したトレーは、Ivex Model #5720−9MO、Microwave Supreme、並のアントレスタイル・トレーであった。1トレーは、本明細書では本発明に記載するような多層シートまたはライナーを使用して断熱した。多層シートまたはライナーを内側の蓋上で内部上に置いた(実施例3)。多層シートは、実施例2で構築され、記載されたように、Sontara(登録商標)の第1層、繊維入りバットの第2層、およびMylar(登録商標)の外層を含んだ。他のトレーは断熱しなかった(比較例I)。
【0054】
トレーに熱い食品、チキンナゲットを入れた後、蓋を所定の位置にパチンとかみ合わせ、2つの別個のデジタル温度プローブをトレーの内部へ挿入した。1プローブは容器最上部の空域の温度を測定するために用いたが、第2プローブは食品の間でトレーの底部に置いた。容器を周囲条件で台所調理台上に置き、表1に示すように様々な間隔で1〜20分に読み取りを行った。
【0055】
表1−チキンナゲット油揚げ試験

【0056】
チキンナゲット・サンプルの調製および測定後に、内側の蓋上に本明細書では本発明の多層シートを含有するトレー、実施例3は非断熱のものと比較したときに明らかな利点を提供すると判断された。断熱トレーからのナゲットは両方とも、より熱く、よりパリパリであった。
【0057】
実施例4.チキン胸肉ストリップ−トレーライナーおよびパウチ
実験は、使用した食品がチキンナゲットではなく、冷凍チキン胸肉ストリップであったことを除いて、実施例3に記載したように行った。4つのチキンストリップを各パッケージに入れた。温度、湿度、および露点を、デジタル湿度計を用いて記録した。2つはPET「持ち帰り用の」トレーの修正である、3つの異なるパッケージング方法を試験した。実施例4Aのためのパッケージは、本明細書では本発明の多層シート(実施例2に記載したものに類似の)が水分を容器の内側から逃げさせるために蓋中に開けられた穴をカバーするPETトレーの外側で蓋に貼り付けられた。各穴は直径が1/2インチであり、7平方インチの総面積のために、36の穴が蓋中にあった。実施例4Bで使用したパッケージは、本明細書では本発明の多層シートから形成したパウチ(実施例2に記載したものに類似の)であった。パウチは実施例6に記載するように形成した。実施例4Cで使用したパッケージは、本明細書では本発明の多層シートを含むライナーが内側の蓋に貼り付けられたPET「持ち帰り用の」トレーであった。結果を表2に示す。




【0058】
表2

【0059】
実施例5.チキン胸肉ストリップ−トレーライナー
試験を、実施例3および4に記載した手順を用いて食品としてチキン胸肉ストリップを使用して行った。本実施例では、実施例5A、5Bおよび5Cのために使用したトレーは実施例4Cでのもの、すなわち、本明細書では本発明の多層シートを含むライナーが内側の蓋に貼り付けられたPET「持ち帰り用の」トレーに似ていた。実施例5Dおよび5Eでは、本明細書では本発明の多層シートを、実施例4に記載したように蓋中の穴をカバーするPETトレーの外部蓋に貼り付けた。比較例IIは非断熱トレーを使用した。結果を表3および4に示す。







【0060】
表3

【0061】
表4

【0062】
実施例5Aについては、30分後に内部チキン温度は140°Fであり、外部空気温度は117°Fであった。食品テスターによる主観的な試験は、食品を「優秀」に格付けした。食品品質格付けは食品のパリパリさに焦点を合わせられ、等級は「優秀」から「非常に良好」、「満足」、「不満足」までである。
【0063】
実施例5Bでは、30分後に内部チキン温度は137°Fであり、外部温度は129°Fであった。食品は再び「優秀」に格付けされた。同様に、比較の目的で、調理したての1チキンフィンガーを容器の外側に30分間放置して保温するためのいかなるパッケーイングもなしに冷却中にどのように温度が変化するかを観察した。30分後に、外部温度は86°Fであったが、内部温度は93.5°Fであった。
【0064】
実施例5Cでは、30分後に内部チキン温度は137°Fであり、外部チキン温度は133°Fであった。食品は「優秀」に格付けされた。再び、比較の目的で、調理したてのチキンフィンガーを試験パッケージの外側に30分間放置した。30分後に、内部温度は103°Fであったが、外部温度は94°Fであった。
【0065】
実施例5Dでは、30分後に内部チキン温度は138°Fであり、外部温度は133°Fであった。食品は「非常に良好」に格付けされた。
【0066】
実施例5Eでは、30分後に内部チキン温度は126°Fであり、外部温度は122°Fであった。食品は「非常に良好」に格付けされた。
【0067】
比較例IIでは、30分後に内部チキン温度は127°Fであり、外部温度は119°Fであった。食品は「不満足〜満足」に格付けされた。
【0068】
これらの実施例で、本明細書では本発明の多層シートが内側の蓋に貼り付けられた持ち帰り用のトレーにパッケージングされた熱い調理したてのチキンストリップは、トレーの外側に多層シート付きの持ち帰り用のトレーにパッケージングされたチキンと比較して熱および食品品質をより良好に保った(すなわち、より良好な味がし、一般により熱く、よりパリパリし、より調理したてのようであると判断された)。
【0069】
実施例6.チキンテンダーおよびステーキフライ−パウチ
実験は、使用される食品がチキンテンダー(Barberブランド「イタリア風」)であり、試験されるパッケージングが実施例1で構築し、記載したような多層シートでできたパウチであったことを除いて、実施例3に記載したように行った(実施例6A)。それぞれが同じサイズ(約12インチ×12インチ)の2片の多層シートを使用して、2シートを整列させ、マスキングテープで3つのサイドをシールすることによってパウチを形成した。
【0070】
表5 実施例6A−パウチ中のチキンテンダー

【0071】
15分後に、チキンテンダーの内部温度は150°Fであり、食品は「満足」に格付けされた。
【0072】
ステーキフライを類似のやり方で試験した(実施例6B)。約370グラムの冷凍ステーキスタイル・フレンチフライ(Ore−Idaブランド)のサンプルを375°Fで4分間調理し、調理油を15秒間排出させ、次にパウチに加えた。温度、相対湿度および露点を15分間記録した。結果を表6に示す。
【0073】
表6 実施例6B−パウチ中のステーキフライ

【0074】
フライの内部温度は15分後に153°Fであった。
【0075】
比較の目的で、調理したてのチキンテンダー(Barberブランド「イタリア風」チキンテンダー)およびステーキフライ(Ore−Idaブランド)もまた、Mylar(登録商標)フィルムでできた非断熱パウチに入れた。パウチは上述したように形成した。これは比較例IIIおよびIVを構成した。温度、相対湿度および露点を15分間記録した。結果を表7および8に示す。
【0076】
表7−比較例III−チキンテンダー、非断熱パウチ

【0077】
凝縮が2分後にパウチ中に観察された。パリパリさは「不満足〜満足」に格付けされた。食品の内部温度は15分後に144°Fであった。


【0078】
表8−比較例IV−ステーキフライ、非断熱パウチ

【0079】
4分後にパウチ中に明らかな大量の凝縮があった。食品の内部温度は15分後に138°Fであった。ステーキフライは「不満足」に格付けされた。
【0080】
比較例V.メルトブローン・ポリオレフィン不織第1層のパウチ
本比較例は、実施例6でのものに類似のやり方で行った。パウチを、第1内層がDuPontから商品名Tyvek(登録商標)で入手可能なポリオレフィン不織布であったことを除いて、実施例1に記載したものに類似の多層シートから製造した。パウチを、それぞれが同じサイズ、ここではマスキングテープで3つのサイドをシールした、約10インチ×10インチの2片の多層シートから形成した。
【0081】
4片のチキンテンダー(約240g)を340°Fで4分間調理し、調理油を15秒間排出させ、次にパウチに入れた。温度、相対湿度および露点を15分間記録した。結果を表9に示す。
【0082】
表9

【0083】
結果は実施例6でのチキンテンダー(表5を参照されたい)と比較したときに15分後にパウチ内での20度より高い温度の低下(83.9°F対105°F)を示すが、相対湿度は非常に高いままであった(100%対86.9%)。パウチ内に生じたより低い温度およびより高い湿度で、食品品質およびパリパリさは実施例6Aと比較して望ましくないと予期されるであろう。
【0084】
Sontara(登録商標)に関する物理的特性データ
次の表は、水分吸い上げ材として本明細書では本発明での使用に好適な、商品名Sontara(登録商標)で販売される(E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから入手可能な)スパンレース不織布に関する様々な物理的パラメーターを提供する。下の表10および11にリストされる様々なグレードは、変化する百分率の木材パルプだけでなく、水流交絡白色ステープル・ポリエステルファイバーも含む。水蒸気透過度(MVTR)はASTM D−6701を用いて試験した。静水頭はAATCC方法127−1989を用いて試験した。
【0085】
表10

【0086】
表11

【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】2つの別個の接着層によって、最外層の構造材料としてのフィルムと、内層としての水分吸い上げ材との間に置かれ、フィルムに接着接合された、第2層の断熱および吸収材としての繊維入りバットを例示する多層シートの具体的な実施形態の断面図である。
【図2】繊維入りバットと内部水分吸い上げ材との間に接着層を用いる、最外層の構造材料としてのフィルムと、内層としての水分吸い上げ材との間に同様に置かれた、第2層の断熱および吸収材としての繊維入りバットを例示する多層シートの別の実施形態の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層、第2層、および場合により第3層を含む少なくとも2つの層を含む物品であって、該物品が多層シートまたはライナーであり、該第1層が水分吸い上げ材を含みまたはそれから製造され、該第2層が吸収および断熱材を含みまたはそれから製造され、該第3層が構造材料を含みまたはそれから製造され、そして場合により乾燥剤、熱および紫外線(UV)安定剤、UV吸収剤、帯電防止剤、加工助剤、蛍光増白剤、顔料、滑剤、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せをはじめとする添加剤を含んでもよい物品。
【請求項2】
前記第1層が少なくとも約20,000g/m2−日、または少なくとも約150,000g/m2−日、または少なくとも約170,000g/m2−日の水蒸気透過度を有する請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1層が約5cmH2O未満の静水頭圧を有する請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記第1層が、ポリ(エチレンテレフタレート)の繊維と木材パルプとの混合物を含むスパンレース布を含む不織布である、またはそれから製造される請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記第2層が、断熱の単位で測定した際に、少なくとも約0.0077m2K/W(0.05CLO)の熱抵抗を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記第2層が繊維入りバット、メルトブローン繊維、フォーム、ニット材料、フェルト、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せを含み、そしてポリ(エチレンテレフタレート)を含むまたはそれから製造される繊維入りバットを好ましくは含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記第2層が約10ミル(0.254mm)〜約100ミル(2.54mm)の厚さの範囲である請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記第3層を含み、そして前記構造材料が延伸ポリプロピレン、延伸ポリエステル、またはそれらの組合せであり、前記スパンレース布がポリ(エチレンテレフタレート)の繊維と木材パルプとの混合物を含み、かつ、前記第2層が繊維入りバットを含む請求項4〜7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の多層シートまたはライナーを含むまたはそれから製造された包装ラップ、バッグ、またはパウチ。
【請求項10】
好適な圧力および熱下に接触させることによって、第1層を第2層に積層する工程、および場合により熱可塑性接着スクリムの層を該第1層と第2層との間に置き、そして該第1層を第2層に積層する工程を含む方法であって、該第1層および第2層がそれぞれ請求項1〜8のいずれか一項に記載のものである方法。
【請求項11】
積層する工程の前に、熱可塑性接着スクリムの層を前記第2層と第3層との間に置く工程をさらに含む請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−529347(P2007−529347A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504025(P2007−504025)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/008560
【国際公開番号】WO2005/092606
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】