説明

熱アシスト磁気記録媒体とその温度上昇特性の測定方法および加熱方法

【課題】熱アシスト記録における記録時の磁気記録媒体の表面温度を高い精度で測定し、以って記録時に適切に加熱することが可能な熱アシスト磁気記録媒体とその温度上昇特性の測定方法および加熱方法を提供する。
【解決手段】記録時にスポット加熱される磁気記録層3を備える熱アシスト磁気記録媒体10において、加熱パワーに対応する不可逆な膜質変化を起こす温度検知層4が前記磁気記録層3上に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録時にスポット加熱される磁気記録層を備える熱アシスト磁気記録媒体とその温度上昇特性の測定方法および加熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱アシスト記録とは、磁気記録媒体の表面に光を照射し、媒体の光吸収による加熱を利用して、記録層の保磁力Hcを低下させ、磁気ヘッドによる書込みをアシストすることでより高い記録密度での磁気記録を可能とする技術である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このとき媒体表面をどの程度加熱するかの制御が、適切なデータ書込みを実現するために重要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−74647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、熱アシスト記録では高い記録密度を得るために、記録を行なうビットサイズと同程度、理想的には50nm以下のサイズまで加熱スポットを小さくする必要があり、またハードディスクのデータ記録時の媒体は高速で回転しており、結果として加熱領域は非常に微小でかつ温度上昇の時間はごく瞬間的なものとなる。
【0006】
このような微小領域の瞬間的な加熱における温度上昇のプロファイルを十分な精度で測定する実験的手法は従来存在しなかった。
このため、従来の熱アシスト記録では、熱アシスト記録実施時において高速で回転する磁気記録媒体の、光照射による加熱箇所における瞬間的、局所的な温度上昇を定量的に精度よく測定する手法がなく、媒体表面の温度上昇特性を詳しく知る事が困難である。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑み、熱アシスト記録における記録時の磁気記録媒体の表面温度を高い精度で測定し、以って記録時に適切に加熱することが可能な熱アシスト磁気記録媒体とその温度上昇特性の測定方法および加熱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の熱アシスト磁気記録媒体は、記録時にスポット加熱される磁気記録層を備える熱アシスト磁気記録媒体において、加熱パワーに対応する不可逆な膜質変化を起こす温度検知層が前記磁気記録層上に設けられていることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記温度検知層が前記磁気記録層上に設けられたカーボン保護膜からなることが好ましい。
また、本発明の熱アシスト磁気記録媒体の温度上昇特性の測定方法は、本発明の熱アシスト磁気記録媒体を所定の加熱パワーでスポット加熱するステップと、当該スポット加熱による前記温度検知層の加熱部分の膜質変化量を測定するステップとを備え、前記膜質変化量を前記加熱パワーを変えて測定することにより、当該加熱パワーに対する膜質変化量の関係を前記磁気記録層の加熱パワーに対する温度上昇特性とすることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記温度検知層の加熱部分の膜質変化量の測定に単色エリプソメトリーによる複屈折率測定を用いることができる。
また、前記熱アシスト磁気記録媒体が磁気ディスク媒体からなり、当該磁気ディスク媒体を回転しながらスポット加熱し、当該スポット加熱による前記温度検知層の加熱部分の膜質変化量を測定することでき、前記磁気ディスク媒体の加熱部分の周速を変えてスポット加熱し、周速に対する温度検知層の膜質変化傾向の違いから所定の周速に対する温度上昇変化の比率を求めることが好ましい。
【0011】
そして、本発明の熱アシスト磁気記録媒体の加熱方法は、本発明の熱アシスト磁気記録媒体の温度上昇特性の測定方法を用いて測定した温度上昇特性に基づいて、異なる半径位置で等価な温度上昇とするために必要な各半径位置での加熱パワーを求めるステップと、求めた各半径位置での加熱パワーに従って記録時の各半径位置でのスポット加熱を実行するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熱アシスト記録における記録時の磁気記録媒体の表面温度を高い精度で測定し、以って記録時に適切に加熱することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の熱アシスト磁気記録媒体の実施形態を示す断面模式図である。
【図2】本発明の実施例における温度検知層の膜質変化量と光照射パワーの関係を異なる周速について示すグラフである。
【図3】本発明の実施例における温度検知層の膜質変化量と膜質変化量が等価になるよう定数倍した『等価照射パワー』の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の熱アシスト磁気記録媒体の実施形態を示す断面模式図である。図1に示すように、本発明の実施形態の熱アシスト磁気記録媒体10は、好ましくはディスク形状の非磁性基板1上に、下地層2、磁気記録層3、温度検知層4がこの順に積層されてなる。
【0015】
非磁性基板1は、磁気記録媒体に従来から用いられているものであれば特に限定されない。例えば、従来から汎用的に使用されているNi−Pめっきアルミ合金基板、あるいは、ガラス、セラミック、プラスチックなどの材料から構成されていてもよい。
【0016】
下地層2は、非磁性基板1と磁気記録層3との間の設けられる層であって、磁気記録層3の結晶成長を制御するRuないしRu合金などからなる層を含み、中間層、シード層、軟磁性裏打ち層などの公知の層を含んでよい。
【0017】
磁気記録層3は、好適には、少なくともCoとPtを含む合金の強磁性材料、例えばCoPt、CoPtNi、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTaなどの合金材料、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に磁性結晶粒子が分散されているグラニュラー構造を有する材料、例えばCoPt−SiO2、CoCrPt−TiO2、CoCrPtO、CoCrPt−SiO2、CoCrPt−Al23、CoPt−AlN、CoCrPt−Si34などを用いて形成することができるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
下地層2と磁気記録層3の形成には、スパッタ法、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法を用いることができる。
温度検知層4としては、磁気記録層3を腐食や磨耗から保護するために一般的に設けられるダイヤモンド状カーボン(DLC)膜などのカーボン保護膜をそのまま用いることができる。
【0019】
このカーボン保護膜は、一般的なスパッタ法、真空蒸着法、プラズマCVD法、FCVA法(Filtered Cathodic Vacuum Arc)などを用いて形成することができる。
なお、カーボン保護膜上には必要に応じて液体潤滑剤塗布してもよい。
【0020】
そして、本発明では、新たに媒体10の回転周速の違いによるレーザー照射時の媒体表面温度の上昇比率の差を実験的に検証する方法を発見した。
熱アシスト記録では、回転する磁気記録媒体の表面を光照射加熱し、加熱により保磁力が低下した部分に磁気ヘッドからの磁場を印加することで記録を行なう。
【0021】
媒体表面の光照射された部分では、光吸収によるエネルギー利得による温度上昇傾向と、光照射範囲から外れた周囲の低温部への熱拡散による温度低下傾向が存在し、両者のバランスの拮抗によって実際の温度は定まる。前者は媒体の屈折率等の光学的物性、後者は熱伝導率や比熱等の熱学的物性が主な支配要因となる。
【0022】
レーザー光の位置やスポット径、照射パワー等の光照射条件やディスクの素材・構成は同じままにディスクの回転周速のみを変更した場合、ディスクの回転周速が早くなるに従い、一回の照射においてディスク上の一点が光照射スポット内に居られる時間は短くなり、その結果として温度上昇のピーク温度はより低温になる。逆にディスクの回転周速が遅くなれば、一回の照射の中でより長時間にわたりディスク上の一点が光照射を受けることになり、ピーク温度はより高温に到達する。このとき、媒体の素材や構成の違いにより、回転周速変化量に対するピーク温度の変化率は異なることとなる。
【0023】
一般的なハードディスクドライブでは、ディスク回転数はスペックで定められた一定の値で動作する仕組みになっており、ディスクの内周側と外周側でヘッドに対するディスクの相対速度は異なっている。
【0024】
熱アシスト記録においては、ヘッドの印加する磁場で磁気データの書込みが可能で、かつ書き込まれた磁気データが熱ゆらぎによって劣化しない程度に、書き込み時の媒体温度を精密に制御する必要がある。
【0025】
よって、レーザー照射時の表面温度そのものを実験的に定量することが出来なくとも、この回転周速の変化に対する表面温度の変化を求めることができれば、ディスク内外周においてヘッドからディスクに照射する光の最適照射パワーがどの程度変化するかを導き出すことができ、ディスク全面において最適な加熱温度での熱アシスト記録を行なうことができる。
【0026】
そのためには、加熱温度・時間等を定めたある加熱条件に対し、常に一意な(再現性の高い)変化を示すような何らかのパラメータを、温度の代わりの実験的評価指標として使用することが有効である。
【0027】
例えば、ディスク媒体上に加熱により膜質変化を起こすような素材からなる温度検知層を設け、レーザー照射を行なった後の膜質変化を評価する方法が有効である。
このときの温度検知層は、それを導入すること自体によって実際の熱アシスト記録媒体における熱的・光学的特性を大きく変化させるものであってはならない。よって実際の熱アシスト記録媒体に使用されるカーボン保護膜をそのまま温度検知層として使用することは最も理想的な方法の一つである。また後述するように、記録層を温度検知層として使用することも可能である。
【0028】
このように既存の熱アシスト記録媒体と同構成のまま、既存の層を温度検知層として使用する場合、温度検知層の膜厚、構成元素およびその比率、密度や結晶性などの膜質、光学的・熱学的特性等は、熱アシスト記録媒体としての適性によってのみ定めればよく、温度検知層としての新たな制約条件はない。任意の膜厚、膜質、構成元素比率、製造法からなるものを用いてよい。
【0029】
一方で温度検知層は必ずしもカーボン保護膜や磁気記録層のような既存の層に限らなくともよい。例えば加熱によって何らかの相転移を示す性質があり、その相転移温度が厳密に実験的あるいは理論的に既知である物質からなる層を温度検知層として新たに導入すれば、相対温度上昇比率のみならず、絶対温度についても知ることができるようになるため、本評価法をより効果的なものとすることができる。
【0030】
この場合、温度検知層を新たに導入することで媒体の熱的・光学的特性が大きく変化してしまうと、本評価法で評価した媒体の温度上昇特性が、実際に熱アシスト記録媒体として使う媒体の温度上昇特性とは異なってしまうため、新たな温度検知層の導入は、熱的・光学的特性に大きな影響を与えない形で行なう必要がある。
【0031】
このため、新たな層として導入する場合、温度検知層は0.5nm〜10nm程度の膜厚であることが好ましい。また、熱アシスト記録において加熱に使用されるレーザー光の波長範囲、例えば800nm〜200nmの波長範囲から選ばれるある波長の光に対し、屈折率が1〜2の範囲にあり、また透過率が温度検知層全体として0.9以上あることが好ましい。
【0032】
温度検知層の膜質変化の評価法は、例えば検査光の吸収強度のような形で定量的に測定し得るものがより望ましい。この膜質変化に対して定量されたパラメータを仮に『膜質変化量』とする。
【0033】
たとえば、KLA Tencor社製の走査型単色エリプソメトリー装置Candela6100を使用し、P偏光検査光とS偏光検査光の位相差「QPhase」のレーザー照射加熱前後での変化量を『膜質変化量』と定義することができる。P偏光とS偏光の位相差は検査光の光路長の差に由来している。記録層の上に温度検知層を設けた構造の熱アシスト記録媒体の場合、検査光は金属である記録層表面で反射され、検出器に戻ることから、この場合の『膜質変化量』であるP偏光とS偏光の位相差変化は温度検知膜の複屈折率の変化によってもたらされた光路長の差に対応する。
【0034】
この場合、温度検知層は加熱による膜質変化の結果として、使用するエリプソメトリー装置のレーザー波長に対する複屈折率が変化し、なおかつ膜質変化前後の屈折率が、完全吸収のように検査光が検出器に返ってこない、あるいは全反射のように温度検知層を通過せずに検出器に返るような現象を起こす屈折率の範囲に入らないことが条件となる。例えば構成元素として主にCからなり、添加元素としてH、N、O、Siを含むDLC膜は、上記の条件を満たす温度検知層である。
【0035】
また、温度検知層としてDLC膜を使用する場合、ラマン分光もまた膜質変化の検出法として有効である。DLCはラマン分光に対しDピークとGピークの二つのガウシアン的ピークを示す。例えばこのDピークのGピークの面積比率であるId/Ig、或いは高さの比率であるDh/Gh、あるいはそれぞれの高さであるDh、Gh、ピーク位置であるDx、Gx、面積であるId、Ig、あるいは両ピークの面積の積算値Id+Ig、あるいは蛍光成分の強度も含んだピーク値B、蛍光成分を除いたピーク値A、両者の比であるB/Aなどのパラメータの加熱前後の変化を、『膜質変化量』として定量的に定義することができる。
【0036】
また、強磁性体である磁気記録層を初期状態として一様に磁化させることで『温度検知層』とする方法もある。この場合、加熱によりその磁化が減少した量を『膜質変化量』として定義することができる。磁化の減少量は、例えばカー磁気回転効果を利用した検査装置により、検査光の偏光の変化を利用して評価する方法や、磁気ヘッドを用いて磁気検出信号の平均強度TAAの変化から求める方法などが考えられる。
【0037】
但し、温度検知層と、その『膜質変化量』の評価法は、上記のように定量化可能な物理的性質と明確に対応付けられるものに限らずに定めることができる。
例えば加熱により変色する温度検知層のような、加熱による変化の定量化が難しいものであっても、色見本との比較でランク付けする等の方法で『膜質変化量』を定義することができる。
【実施例】
【0038】
以下に、上述の実施形態をより具体的にした本発明の実施例について説明する。
本実施例では、ガラス基板上に主にCrTi合金からなる密着層を約5nm積層し、次いで主にCoFeNi合金からなる軟磁性裏打ち層をスパッタ法により約50nm積層し、次いで主にCoCr合金からなるシード層をスパッタ法により約10nm積層し、次いで主にRuからなる中間層をスパッタ法により約10nm積層し、次いで主にCoCrPt−SiO2からなる記録層をスパッタ法により約20nm積層し、次いでカーボン保護膜をCVD法によりC24ガスを原料として3nm成膜することにより、一般的なハードディスクと同様にして作製した媒体を熱アシスト磁気記録媒体として用いる。
【0039】
そして、それに成膜されているカーボン保護膜をそのまま温度検知層として用い、膜質評価法としてはKLA Tencor社製の走査型単色エリプソメトリー装置Candela6100を使用し、P偏光検査光とS偏光検査光の位相差「QPhase」のレーザー照射加熱前後での変化量を『膜質変化量』と定義した。
【0040】
このときレーザー光の照射条件は、パワー(照射密度)を様々な値に変更し、温度検知層の膜質変化量のレーザー光照射パワーに対する関係として求めておくことが好ましい。
一方で、トータルのレーザー照射時間およびレーザー照射半径位置は一定値に固定して評価を行うことが好ましい。これは、温度検知層のレーザー照射部のトータル加熱時間の違いによる膜質変化量の差が発生しないようにするためである。また、照射光のスポット径も固定することが好ましい。これは、加熱範囲が変化することによる熱伝導の変化による温度変化の影響を排除するためである。
【0041】
本実施例では、加熱に用いるレーザーとして波長830nm、スポット径10μmのレーザー光を用い、照射位置はディスク媒体上の半径位置27.5mmに固定し、トータル照射時間は一分に固定した。照射光のパワー値は73mWから146mWの間の複数の値で評価を行い、ディスク回転周速は線速度にして6mm/s、9mm/s、12mm/sの三種類で評価を行った。
【0042】
この温度検知層の膜質変化量とレーザー光照射パワーとの関係を、異なるディスク回転周速ごとに評価していくと、例えば本実施例では表1で示されるような関係が得られた。これをグラフで表すと図2のようになる。
【0043】
【表1】

この関係を用いて、次のような方法でディスク回転周速が異なる場合に等価な膜質変化をもたらすのに必要な照射パワーの比を求めることができる。レーザー照射時の上昇温度は照射パワーに比例するため、この等価な膜質変化をもたらすのに必要な照射パワーの比は、そのままディスク回転周速を変えた時の上昇温度の比に読み替えることができる。
【0044】
ある回転周速での膜質変化傾向を基準として、他の回転周速における膜質変化傾向のグラフが重なるように、各々の回転周速におけるレーザー光照射パワーをそれぞれ適切に定数倍する。これは図2のグラフにおける横軸を定数倍に引き伸ばす、あるいは縮めることにあたる。
【0045】
その結果を表2、図3のグラフに示す。ここでは、ディスク回転線速度6mm/s時の照射パワーを1.33倍、線速度9mm/s時の照射パワーを1.11倍としている。この場合、ディスク回転周速12mm/sの場合と比較して、パワー同等時の6mm/sの場合の上昇温度は1.33倍、9mm/sの場合の上昇温度は1.11倍となる。
【0046】
【表2】

このようにして、熱アシスト磁気ディスク媒体の異なる半径位置で等価な温度上昇とするために必要な各半径位置での加熱パワーを求めることができるので、記録時には、それに従って各半径位置でのスポット加熱を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、熱アシスト磁気記録媒体の記録時の加熱パワーを決定するために利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 非磁性基板
2 下地層
3 磁気記録層
4 温度検知層
10 熱アシスト磁気記録媒体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録時にスポット加熱される磁気記録層を備える熱アシスト磁気記録媒体において、加熱パワーに対応する不可逆な膜質変化を起こす温度検知層が前記磁気記録層上に設けられていることを特徴とする熱アシスト磁気記録媒体。
【請求項2】
前記温度検知層が前記磁気記録層上に設けられたカーボン保護膜からなることを特徴とする請求項1に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱アシスト磁気記録媒体を所定の加熱パワーでスポット加熱するステップと、当該スポット加熱による前記温度検知層の加熱部分の膜質変化量を測定するステップとを備え、前記膜質変化量を前記加熱パワーを変えて測定することにより、当該加熱パワーに対する膜質変化量の関係を前記磁気記録層の加熱パワーに対する温度上昇特性とすることを特徴とする熱アシスト磁気記録媒体の温度上昇特性の測定方法。
【請求項4】
前記温度検知層の加熱部分の膜質変化量の測定に単色エリプソメトリーによる複屈折率測定を用いることを特徴とする請求項3に記載の熱アシスト磁気記録媒体の温度上昇特性の測定方法。
【請求項5】
前記熱アシスト磁気記録媒体が磁気ディスク媒体からなり、当該磁気ディスク媒体を回転しながらスポット加熱し、当該スポット加熱による前記温度検知層の加熱部分の膜質変化量を測定することを特徴とする請求項3又は4に記載の熱アシスト磁気記録媒体の温度上昇特性の測定方法。
【請求項6】
前記磁気ディスク媒体の加熱部分の周速を変えてスポット加熱し、周速に対する温度検知層の膜質変化傾向の違いから所定の周速に対する温度上昇変化の比率を求めることを特徴とする請求項5に記載の熱アシスト磁気記録媒体の温度上昇特性の測定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の測定方法を用いて測定した温度上昇特性に基づいて、異なる半径位置で等価な温度上昇とするために必要な各半径位置での加熱パワーを求めるステップと、求めた各半径位置での加熱パワーに従って記録時の各半径位置でのスポット加熱を実行するステップとを備えることを特徴とする熱アシスト磁気記録媒体の加熱方法。



【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−23062(P2011−23062A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166786(P2009−166786)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】