説明

熱アブレーションデバイスとしてのDNAデンドリマー

照射吸収ナノ粒子の標的化送達ならびに細胞および組織の熱アブレーションのためのDNAデンドリマーが提供される。また、DNAデンドリマーの作成方法および使用方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射吸収ナノ粒子の標的化送達を使った細胞および組織の熱アブレーションのための材料および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
3DNA(登録商標)デンドリマーは、DNA単独からなる、特許権により保護されている樹状分子である。分類上は、デンドリマーは、相互に接続した天然または合成単量体サブユニットから構築される複雑な、高度に分岐した分子である。3DNA(登録商標)デンドリマーは、DNAモノマーから構築され、それぞれのDNAは、各鎖の中央部に位置する配列相補性領域を共有する2つのDNA鎖から作られる(図1)。モノマーは、製造プロセス中で組み合わされ、異なるサイズと形状のDNAデンドリマーが調製される(図2)。DNAデンドリマーが時間経過に伴い崩壊するのを防ぐために、UV光を使って、化学的「スポット溶接」が、ソラレン架橋剤のインターカレーションおよび活性化を介してプロセス中に成長している構築物に付加される。デンドリマーは、超遠心分離後の変性ショ糖勾配によりサイズと分子量に応じて精製される(図3)。
【0003】
DNAデンドリマーは、多くの種々の異なる型の分子および粒子に共有結合および非共有結合する能力を有する。これらの分子および粒子は、典型的には、DNAデンドリマーに対するシグナル伝達およびターゲティングデバイスとして使用されており、特異的分子標的に対するDNAデンドリマーのターゲティング、およびシグナル伝達成分の検出により標的に対するデンドリマーの結合の検出を可能とする。シグナル生成成分には、多くの蛍光染料、ハプテン、酵素およびその他の分子材料、ならびに粒子、例えば、金ナノ粒子および量子ドットが含まれる。ターゲティングデバイスには、DNA、RNAおよびPNAオリゴヌクレオチド、抗体、抗体断片、ハプテン、アプタマー、ペプチド、その他が含まれる。これらのDNAデンドリマー構築物は、様々なインビトロへの適用、通常は、特異的核酸およびタンパク質の検出におけるシグナル増幅器として使用されているが、電子デバイスにおける検出にも使用される。用途には、DNAおよびタンパク質マイクロアレイのシグナル増幅、ELISAならびにELOSA、Luminexビーズアッセイ、インサイツハイブリダイゼーション、等が含まれる。標識した標的化DNAデンドリマーの使用に関する調査研究が広範囲にわたり報告されており、これらの材料は、Genisphere LLC(Hatfield、PA)により研究成果として販売・製造されており、入手可能である。
【0004】
DNAデンドリマーは、また、インビトロおよびインビボ適用の両方で送達およびトランスフェクションデバイスとしての潜在的用途があることが示された。例えば、米国特許公開第2005/0089890号、同2008/147526号および国際公開第2010/017544号を参照。これらの特許は、参照によってその全体が組み込まれる。特に、DNAデンドリマーは、標的細胞上の表面特徴部に結合して積荷(例えば、薬剤)の送達を受けるターゲティングデバイス(例えば、細胞エンドサイトーシス内部移行イベントを誘発することができる細胞表面特性に対し特異的な抗体)に結合する。積荷は、標的DNAデンドリマーと受動的に結合し、デンドリマーとの単なる空間的会合により細胞中に入るか、または積荷は、多くの付着方策により直接デンドリマーに結合することができる。
【0005】
100〜2000ワット(13.56MHzの波長)のRF場に5分間曝された金ナノ粒子(および銀、カドミウム、鉄、等の他の金属を含むナノ粒子)は、インビトロおよびインビボの両用途での細胞の熱アブレーション用として使用されている。例えば、Cardinal et al.、2008、Surgery 144:125−132、およびGannon et al.、2008、J.Nanobiotechnology 6:2を参照。これらの文献は、参照によってその全体が組み込まれる。このような方法は、高周波アブレーション(RFA)とも呼ばれ、診療に使用されて腫瘍の治療が行われている。しかし、現在の治療は、腫瘍中に針電極を直接挿入することが必要な侵襲的方法であり、特に比較的大きな腫瘍に対しては、完全に腫瘍破壊を行うことが困難であり、また、治療は、熱損傷を受ける電極周辺の悪性および正常組織の両方に対し相対的に非特異的であることから、腫瘍の治療用の熱アブレーションの改良技術開発に対する特段の必要性がある。焦点を絞った外部RFエネルギー場によるヒト組織への浸透は効果的であるが、外部エネルギーソースの使用は、悪性細胞に対し熱治療を標的化するRFAに特異的に反応する細胞内または腫瘍内試薬の存在が必要である。さらに、ターゲティングまたはキャリア分子により送達される熱アブレーション能力を最大化し、従って、患者に送達されるべき熱アブレーション組成物の量を最小限に抑え、組成物自体のあらゆる潜在的毒性を減らす組成物と方法が必要である。さらに、ナノ粒子を標的組織に送達するために、キャリアは、細網内皮系(RES)によるクリアランスを避けるために充分大きく無ければならないが、しかし、血液循環から腫瘍組織に入る(例えば、血管外遊走により)のに充分小さくなければならない。このことが、このような組成物に対し寸法的制約を課すことになる。
【発明の概要】
【0006】
要約
本発明は、遠隔電磁場、例えば、高周波(RF)または赤外場の使用によりインサイツに加熱可能な粒子を含むDNAデンドリマーの使用、ならびにその調製を含む。電磁場の存在下、発熱する要素を含む粒子と結合したDNAデンドリマーは、インビトロ、エクスビボおよびインビボ適用で標的に熱アブレーションを加えることができるデバイスとして好適である。標的細胞および組織の熱アブレーション効率の顕著な増加は、デンドリマー分子当たり複数の金属ナノ粒子を含むDNAデンドリマーの使用により、特に、DNAデンドリマーが目的標的細胞および組織の表面に対し粒子積載デンドリマーを標的化できるターゲティング装置も含む場合、達成可能である。
【0007】
本発明の熱アブレーションを目的としたデンドリマーの適用には、1)罹患細胞および組織、例えば、腫瘍中に濃縮された癌細胞、全身転移細胞、または白血病および他のリンパ増殖性疾患に見られるような血液中癌細胞の熱アブレーション;2)それ以外の方法では手術的に除去する意外に術がない細胞および組織のアブレーション;3)他の治療に対し耐性を示すインビボの微生物(例えば、抗生物質耐性細菌および他の生物)のアブレーション;4)移植器官、血液製剤および骨髄を含む移植の前の細胞、組織および器官のエクスビボ治療;ならびに5)広範囲のインビボ、エクスビボおよびインビトロプロセスを含む熱反応ナノ装置の近くで利益が得られると思われる他の適用、が含まれる。
【0008】
内在性または外因性のタンパク質ヌクレアーゼによるDNAデンドリマーの分解の可能性を考慮すれば、インビトロ、エクスビボおよびインビボの生存細胞の存在中でDNAデンドリマーの安定性は、また、重大な対象事であり、例えば、以前のデータは、DNAデンドリマーは、新しいヒトまたは動物血清の存在下、数分間を超えて無傷で生存できないことを示していた。予想外にも、インターカレーション架橋剤ソラレンおよび結合標識(および他の)成分(例えば、FITC)およびタンパク質(例えば、ターゲティング抗体)を含むDNAデンドリマーは、ヒトまたは動物血清試料の存在下、ヌクレアーゼ分解に対し非常に耐性があることを見出した。国際公開第2010/017544号参照。本特許は、参照によってその全体が組み込まれる。非樹状単鎖DNAまたはdsDNA分子は、通常、ヌクレアーゼの存在下、かなり急速に分解することから、これは驚くべき結果であった。
【0009】
熱アブレーションの標的は、主に、生きているおよび生物学的対象を含むが、無生物対象でも、非常に小容量の粒子積載DNAデンドリマー内に含まれる高温度への露出により特定のプロセスに対し価値を付加すると思われる熱アブレーションに対して、デンドリマーを使うことにより利益が得られる可能性がある。ナノ粒子を含む標的DNAデンドリマーによる熱アブレーションの使用により、エレクトロニクスおよび材料等の種々のナノ粒子の製造への適用を含む、広範囲のナノ材料が利益を得ることができる。
【0010】
一態様では、本発明は、1つまたは複数のターゲティング成分および電磁エネルギーによりインサイツで発熱することができる1つまたは複数の照射吸収ナノ粒子に結合したDNAデンドリマーに関する。特定の実施形態では、DNAデンドリマーと結合している照射吸収ナノ粒子は、外部からの印加電磁照射により、少なくとも40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃または70〜80℃まで発熱することができる。さらなる特定の実施形態では、ターゲティング成分は、細胞表面上の腫瘍特異的または腫瘍関連抗原、例えば、受容体を認識し、結合する抗体である。またさらなる特定の実施形態では、照射吸収ナノ粒子は、金ナノ粒子である。またさらなる特定の実施形態では、電磁エネルギーは、RF照射である。
【0011】
別の態様では、本発明は、熱アブレーションDNAデンドリマーを作成する方法に関し、この方法は、DNAデンドリマーに共有結合した1つまたは複数の照射吸収ナノ粒子および1つまたは複数のターゲティング成分を含む。具体的態様では、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、DNAデンドリマーアームに付加でき、ナノ粒子に結合した相補的なオリゴヌクレオチドは、キャプチャーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる。ターゲティング成分は、また、DNAデンドリマーアーム上のキャプチャー配列に相補的なオリゴヌクレオチドに共有結合し、キャプチャーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。キャプチャーオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーション後、相補的なオリゴヌクレオチドの片方または両方は、任意選択で、DNAデンドリマーのキャプチャーオリゴヌクレオチドと架橋してもよい。
【0012】
さらなる態様では、本発明は、熱アブレーションDNAデンドリマーを使った細胞または組織の熱アブレーション方法、ならびに組成物を提供する。例えば、DNAデンドリマーのターゲティング成分を細胞または組織上の相補的な標的に結合させる条件下で、細胞表面上の特徴部位を標的とする熱アブレーションDNAデンドリマーを含む医薬組成物を細胞または組織と接触させることができる。次に、熱アブレーションDNAデンドリマーと結合した細胞または組織は、外部的に印加された電磁照射、例えば、RF照射中に、結合ナノ粒子に対し熱放出させるのに充分な出力で少しの間暴露される。ナノ粒子は、電磁照射、例えば、RF照射に暴露され、それにより、ナノ粒子が少なくとも40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃の熱を生じ、熱アブレーションDNAデンドリマーに結合した細胞または組織の熱アブレーションが起こることが好ましい。具体的実施形態では、インビトロで細胞培養中の細胞が、熱アブレーションDNAデンドリマーと接触下、外部ソースからの細胞培養を標的としたRF照射等の電磁照射に暴露されて、標的細胞の熱アブレーションが実行される。別の具体的実施形態では、細胞または組織は、インビボまたはエクスビボで熱アブレーションDNAデンドリマーとの接触下、熱アブレーションDNAデンドリマーに結合した細胞または組織を標的とした外部ソースからのRF照射等の電磁照射に暴露され、細胞または組織の熱アブレーションが実行される。インビボまたはエクスビボでの熱アブレーションのための細胞および組織の例には、腫瘍および生物学的移植材料が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】は、照射吸収ナノ粒子で標識したオリゴヌクレオチドを延長オリゴヌクレオチドおよびDNAデンドリマーのアームにハイブリダイズする種々の方法を示す図である。
【図2】は、図1に示す結合照射吸収ナノ粒子を有するDNAデンドリマーへのターゲティング成分の結合を示す図である。
【図3】は、照射吸収ナノ粒子で標識したオリゴヌクレオチドの延長オリゴヌクレオチドおよび非球状DNAデンドリマーのアームに対するハイブリダイゼーションを示す図である。
【図4】は、照射吸収ナノ粒子で標識したオリゴヌクレオチドのDNAデンドリマーモノマーの延長オリゴヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションを示す図である。
【図5】は、照射吸収ナノ粒子で標識したオリゴヌクレオチドの直鎖DNAデンドリマーに対するハイブリダイゼーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施例は、制限の意図はなく、また、それらに対する修飾および変更は、当業者の知識の範囲内で十分可能である。
【0015】
詳細な説明
本明細書で使われる用語の「熱アブレーションDNAデンドリマー」は、共有結合または非共有結合でa)1つまたは複数のターゲティング成分およびb)1つまたは複数の照射吸収ナノ粒子に結合したDNAデンドリマーを指す。
【0016】
本明細書で使われる用語の「ターゲティング成分」または「ターゲティングデバイス」は、細胞または組織の表面上の相補的な分子を認識し、これに結合する分子を指す。ターゲティング成分の非制限的例には、抗体、抗体断片、結合タンパク質およびペプチド、受容体ならびに受容体に対するリガンドが含まれる。
【0017】
本明細書で使われる用語の「照射吸収ナノ粒子」は、電磁照射(例として、赤外、近赤外(NIR)および高周波(RF)照射を含む)を吸収し、吸収エネルギーを変換して、局所的高熱を作り出すのに使用できる熱を放出するナノ粒子を指す。
【0018】
電磁照射への暴露に関連して本明細書で使われる用語の「外部ソース」または「外部から印加した」は、患者の身体または細胞もしくは組織培養液の外部から細胞または組織標的を狙って電磁照射することを指す。生物医学的な目的のために目的部位に電磁照射を送達するこの方法は、部位に埋め込まれた針またはプローブ経由で標的部位に送達される従来方法とは区別されるべきである。
【0019】
DNAデンドリマーに関連して本明細書で使われる用語「アーム」は、DNAデンドリマーを形成するモノマーの単鎖末端を指し、機能性分子、例えば、検出、送達およびキャプチャー試薬のハイブリダイゼーションまたは結合に利用される。
【0020】
最初の実施形態では、本発明は、熱アブレーションDNAデンドリマーを提供する。熱アブレーションデンドリマーは、1つまたは複数のデンドリマーアームに結合した1つまたは複数のターゲティング成分および1つまたは複数のデンドリマーアームに結合した1つまたは複数の照射吸収ナノ粒子を含む。ターゲティング成分およびナノ粒子の片方または両方が、DNAデンドリマーに直接共有結合可能である。あるいは、図1と図2に示すように、ターゲティング成分およびナノ粒子の片方または両方が、ターゲティング成分またはナノ粒子をDNAデンドリマーに運ぶオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによりDNAデンドリマーに結合可能である。さらなる別の態様では、ターゲティング成分およびナノ粒子の片方または両方が、ターゲティング成分またはナノ粒子に結合したキャリアオリゴヌクレオチドのDNAデンドリマーへのハイブリダイゼーションによりDNAデンドリマーに結合可能である。キャリアオリゴヌクレオチドは、任意選択で、DNAデンドリマーに架橋してもよい。
【0021】
熱アブレーションDNAデンドリマーのDNAデンドリマー成分は、当技術分野で既知のいずれのDNAデンドリマー、例えば、米国特許第5、175、270号、同5、484、904号、同5、487、973号、同6、110、687号および同6、274、723号に記載されているようなDNAデンドリマーであってもよく、また、非球状、および3次元的または球状DNAデンドリマーであってもよい。3次元または球状DNAデンドリマーは、一層、二層、三層または四層DNAデンドリマーでもよく、また、五層以上であってもよい。最初の具体的な例では、DNAデンドリマーは、少なくとも四層を含む。非球状直鎖DNAデンドリマーは、3次元DNAデンドリマーよりもよりコンパクトな構造ならびにデンドリマー量に対するより高い比率のナノ粒子を与え、これにより、組織中への取り込みを改善し、熱アブレーション効率を高めることができる。例えば、図3、図4および図5は、照射吸収ナノ粒子で標識したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズした種々のタイプの非球状および直鎖DNAデンドリマーを示す。一部の例では、約30〜35のナノ粒子が、4つの鎖のみからなる直鎖ダイマーDNAデンドリマーに結合することができる。
【0022】
3次元DNAデンドリマーの層の数または直鎖DNAデンドリマーの鎖の数は、DNAデンドリマーのサイズを決める。これを使って、本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーを選択し、最適化できる。その理由は、サイズが、熱アブレーションDNAデンドリマーの熱アブレーション標的部位に接近する能力、および、インビボ適用に際し非経口的に投与する場合、食細胞のクリアランスを回避する能力に影響を与えるためである。従って、開業医は、層または鎖の数に基づいて選択されたサイズのDNAデンドリマーを構築し、非経口の投与で目的の半減期および所望量の熱アブレーション能力の送達を得ることができる。例えば、四層DNAデンドリマーは、通常、直径約170nmであり、食細胞によるクリアランスを特に受けやすいとは思われない。また、実質的な数のターゲティング成分および実質的な数の照射吸収ナノ粒子を運ぶのに充分であり、目的の細胞または組織に対する熱アブレーション効力および効率的ターゲティングを提供できる。
【0023】
DNAデンドリマーコアのモノマーは、インビボでの使用の間の安定性を確保するために、例えば、ソラレンと架橋してもよい。しかし、架橋なしで(すなわち、モノマーのアームのハイブリダイゼーションのみに基づいて)構築されたDNAデンドリマーは、37℃で安定であり、従って、インビボでハイブリダイゼーションを維持することが予測される。さらに、アームの結合部位は、典型的には、31ヌクレオチド以上の長さで、推定Tは、65℃であり、モノマーの「ウエスト」は、少なくとも50ヌクレオチド長さで、80〜90℃超のTであると推定される。これらの理由により、架橋試薬がインビボでの使用に望ましくないと考えられる場合でも、ハイブリダイゼーションのみで構築された本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、インビボの温度下で安定であると予測される。
【0024】
熱アブレーションDNAデンドリマーのアームに結合した照射吸収ナノ粒子は、選択した適用における熱アブレーションの所望効力を生成するのに適するどのような数で存在してもよい。デンドリマー当たりのナノ粒子の数は、結合するDNAデンドリマーのサイズにより制限されるが、DNAデンドリマーのサイズは、前に考察したように、適宜変えることができることは理解されよう。また、少なくとも一部の利用可能なデンドリマーアームは、ターゲティング成分の結合用として、未結合のまま残すことができることも理解されよう。一例として挙げるが、熱アブレーションDNAデンドリマーは、15〜1200照射吸収ナノ粒子、25〜500照射吸収ナノ粒子、50〜350照射吸収ナノ粒子、100〜500照射吸収ナノ粒子、200〜400照射吸収ナノ粒子、または約300照射吸収ナノ粒子を含んでもよい。照射吸収ナノ粒子は、典型的には、約5〜20nm、5nm、10nm、15nm、または20nmのサイズである。
【0025】
熱アブレーションDNAデンドリマーのアームに結合したターゲティング成分は、選択された適用における標的組織または細胞に対する所望の程度の結合を得るのに適するどのような数で存在してもよい。デンドリマー当たりのターゲティング成分の数は、結合するDNAデンドリマーのサイズにより制限されるが、DNAデンドリマーのサイズは、前に考察したように、適宜変えることができることは理解されよう。また、少なくとも一部の利用可能なデンドリマーアームは、照射吸収ナノ粒子の結合用として、未結合のまま残すことができることも同様に理解されよう。一例として挙げるが、熱アブレーションDNAデンドリマーは、外部から印加された電磁照射、例えば、RF照射を使って、少なくとも40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃または70〜80℃へのインサイツ加熱を提供するのに充分な照射吸収ナノ粒子の数を含むことができる。本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、デンドリマーのサイズと構造(直鎖または3次元)に応じて、平均で、1未満〜100超、2〜120、15〜50または30〜35のアームに結合したターゲティング成分を有してもよい。具体的な例では、約25ターゲティング成分を四層DNAデンドリマーに結合することができる。
【0026】
2つ目の実施形態では、本発明は、熱アブレーションDNAデンドリマーを作成する方法を提供する。DNAデンドリマーの構築方法は前に参照している。次に、ターゲティング成分および照射吸収ナノ粒子を、DNAデンドリマーのアームに結合できる。最初の例では、ターゲティング成分および/または照射吸収ナノ粒子は、当技術分野で既知の化学結合を介してDNAデンドリマーのアームに直接結合される。しかし、2つめの例では、ターゲティング成分および/または照射吸収ナノ粒子は、DNAデンドリマーのアームに結合したキャプチャーオリゴヌクレオチドを介してDNAデンドリマーに結合される。キャプチャーオリゴヌクレオチドは、通常、DNAデンドリマーアームの末端に結合している。典型的には、DNAデンドリマーアームの末端に結合しているが、また、その末端にハイブリダイズでき、任意選択で、それと架橋するか、または以下に示すように延長オリゴヌクレオチドを使ってアームに結合することができる。キャプチャーオリゴヌクレオチドは、ターゲティング成分またはナノ粒子に結合した相補的なキャリアオリゴヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションのために一定量の特異的な一定の配列を提供する。キャリアオリゴヌクレオチドは、各成分により占有される所望の数のDNAデンドリマーアームを生成する一定の濃度で、キャプチャーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができるために、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、また、ターゲティング成分およびDNAデンドリマーに結合したナノ粒子の数を制御する手段も提供する。このように、キャリアオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション濃度と容量は、デンドリマー当たりのナノ粒子およびターゲティング成分の数を調整するために、変えることができる。
【0027】
相補的なキャリアオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションに際して、ターゲティング成分またはナノ粒子は、ワトソン・クリック塩基対形成によりDNAデンドリマーのアームに結合する。図2は、デンドリマーのアームに結合したキャプチャー配列にハイブリダイズしたキャリアオリゴヌクレオチドを介したDNAデンドリマーに対するターゲティング抗体の結合を示す。任意選択で、ハイブリダイズしたキャリアオリゴヌクレオチドは、次に、DNAデンドリマーのアームに、例えば、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドに架橋することにより、共有結合してもよい。1つのこのような方法には、DNA−DNA架橋試薬、例えば、ソラレン(例えば、2、4、トリメチルソラレン)をオリゴヌクレオチド中に組み込み、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドをUV光に暴露することが含まれる。ターゲティング成分は、タンパク質またはペプチドを結合させオリゴヌクレオチドを得るための当技術分野で既知の縮合化学反応、例えば、Solulink、Inc.(San Diego、CA)から入手可能な化学反応を使って、キャリアオリゴヌクレオチドに結合させてもよい。照射吸収ナノ粒子は、例えば、David J.Javier、et al.2008 Bioconjugate Chem.、19(6):1309−1312に記載の方法を使ってキャリアオリゴヌクレオチドに結合してもよい。簡単に述べれば、HPLC精製オリゴヌクレオチドが、TCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)で還元され、コロイド状金ナノ粒子の溶液に添加される。複合体をPBSの濃度増加により1X PBS濃度に達するまで熟成する。未反応キャプチャーオリゴヌクレオチドを遠心分離で除去する。ターゲティング成分および/または照射吸収ナノ粒子が、キャリアオリゴヌクレオチドに結合される場合は、インビボでの分解を防ぐために、二重鎖が少なくとも40℃、40〜70℃、50〜70℃または60〜70℃のTを有するように、キャリアおよびキャプチャーオリゴヌクレオチドの配列および長さを選択することは、インビボでの使用にとって有益である。
【0028】
具体的実施形態では、ターゲティング成分を、上述のように、キャプチャーオリゴヌクレオチドに相補的なキャリアオリゴヌクレオチドを介してDNAデンドリマーに結合させてもよく、また、ナノ粒子を、デンドリマーアームのDNAに直接結合してもよく、またはナノ粒子に結合した相補的なオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによりアームにハイブリダイズしてもよい(図1、上段参照)。この実施形態では、ターゲティング成分を有するキャリアオリゴヌクレオチドを、デンドリマーアーム(キャプチャーオリゴヌクレオチドの追加により延長された)の末端配列へのハイブリダイゼーションにより、同じアームの内部セグメント上に照射吸収ナノ粒子に結合するための充分な空間を残す。例えば、内部セグメントのDNAのビオチン化およびストレプトアビジンコートナノ粒子のビオチンへの結合によりナノ粒子に結合可能である。
【0029】
さらなる具体的実施形態では、DNAデンドリマーの未結合アームは、延長オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより延長可能である(図1および図2、下段参照)。キャプチャーオリゴヌクレオチドは、キャリアオリゴヌクレオチド/ターゲティング成分へのハイブリダイゼーションのために延長オリゴヌクレオチドの末端に結合もしくは他の方法で結合することもでき、または、ターゲティング成分を、延長オリゴヌクレオチドに直接結合することができる。延長オリゴヌクレオチドは、キャプチャーオリゴヌクレオチド単独よりもDNAデンドリマーのコアから遠い距離にターゲティング成分を置くために使用でき、従って、複数の熱アブレーションDNAデンドリマーが細胞または組織に結合する場合に、立体障害を低減することができる。すなわち、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、比較的短い(25〜40ヌクレオチドの長さのオーダー)が、延長オリゴヌクレオチドは、特定の適用の場合の立体障害を低減または克服するのに必要ないずれの長さも可能である。例えば、延長オリゴヌクレオチドは、60〜140ヌクレオチド長さ、80〜130ヌクレオチド長さ、100〜125ヌクレオチド長さまたは124ヌクレオチド長さであってもよい。一例として挙げるが、124ヌクレオチド延長オリゴヌクレオチドは、デンドリマーアームに対するハイブリダイゼーション後、85〜90ヌクレオチド延長部を提供できる。また、延長オリゴヌクレオチドを使って、デンドリマーのアームとキャプチャーオリゴヌクレオチドの間の延長オリゴヌクレオチドの非ハイブリダイズセグメントは、追加の標識またはナノ粒子結合オリゴヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションに利用可能である(図1および図2、下段参照)。
【0030】
最初の態様では、延長オリゴヌクレオチドは、一定のヌクレオチド配列を有してもよい。一定のヌクレオチド配列は、任意の選択された配列でよいが、非生物的配列が好ましい。別の態様では、延長オリゴヌクレオチドは、ホモポリマー配列(例えば、ポリ(dT)、ポリ(dA)、ポリ(dG)またはポリ(dC))でもよく、また、反復配列を含んでもよい。延長オリゴヌクレオチドが、反復配列を含む場合は、反復は、通常、2〜15ヌクレオチド、2〜12ヌクレオチド、2〜10ヌクレオチドまたは2〜8ヌクレオチドの長さである。しかし、反復配列は、延長オリゴヌクレオチド中で少なくとも2回出現する場合は、任意の長さでよいことは理解されよう。反復配列を使った最適標識オリゴヌクレオチドを調製する有用な方法は、米国特許第6072043号および同6046038号に記載されている。
【0031】
第3の実施形態では、本発明は、選択細胞または組織の標的熱アブレーションのための熱アブレーションDNAデンドリマーの使用方法を提供する。一般的に、RF照射等の電磁照射の露出時間と出力は、所望の結果、熱アブレーションの標的とされる細胞または組織の特性、および選択熱アブレーションDNAデンドリマーの熱生成および細胞ターゲティング能力に基づいて選択される。熱アブレーションDNAデンドリマーに結合した細胞または組織は、1W〜2000W、10W〜1500W、10W〜200W、または約50Wの出力で1分〜2時間、または所望の程度の熱アブレーションが得られるまで、外部ソースからの電磁場中に暴露することができる。これらの方法の具体的実施形態では、細胞または組織は、熱アブレーションDNAデンドリマーにインビトロで、例えば、細胞または組織培養液中で接触させられる。さらなるこれらの方法の具体的実施形態では、細胞または組織は、インビボで、例えば、ヒトに対する非経口の投与により、熱アブレーションDNAデンドリマーに接触させられる。インビボでの使用の一例では熱アブレーションDNAデンドリマーは、静脈内にまたは針もしくはカテーテルにより一群の細胞または組織に直接に投与できる。このような投与は、外部電磁場への暴露の前のボーラス注射であっても、持続注入であってもよい。投与後、一般的には、電磁場への露出の前に、熱アブレーションDNAデンドリマーが標的細胞または組織に結合するのに充分な時間を許容するのが望ましい。熱アブレーションDNAデンドリマーが静脈内に投与される場合は、標的細胞または組織に結合するために必要な時間は、デンドリマーの循環と標的部位での蓄積のために必要な時間が原因で、直接注射の場合よりも、長くなると思われる。
【0032】
選択細胞または組織の標的熱アブレーション用に使用する場合は、熱アブレーションの対象として選択された細胞または組織に接触させる前に、DNAデンドリマーを構築してもよい。すなわち、熱アブレーションをインビボで行う予定である場合は、熱アブレーションDNAデンドリマーは、患者への投与の前に完全に組み上げてもよい(照射吸収ナノ粒子およびターゲティング成分に結合したデンドリマーの形に)。熱アブレーションを、インビトロまたはエクスビボで行う予定の場合は、熱アブレーションDNAデンドリマーは、熱アブレーションを行う細胞または組織に接触させる前に完全に構築してもよい。あるいは、熱アブレーションDNAデンドリマーは、熱アブレーションDNAデンドリマーの成分を別々に投与し、標的細胞または組織上で、投与後構築を可能とすることにより、インビボで構築してもよい。例えば、DNAデンドリマー(結合した照射吸収ナノ粒子またはターゲティング成分を持たない)を投与し、続いて、ターゲティング成分および照射吸収ナノ粒子を順次または同時に投与する。別の例では、ターゲティング成分を、投与し、続いて、DNAデンドリマーおよび照射吸収ナノ粒子を順次または同時に投与する。この逐次構築手法は、また、インビトロおよびエクスビボでの使用にも提供できる。
【0033】
具体的使用方法では、本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、記載のように、腫瘍、例えば、肝臓癌、消化管癌、乳癌、膵臓癌、肺癌、前立腺癌、およびDNAデンドリマーにより標的化可能で、外部電磁場暴露を適用できるいずれかの他の局在型固形腫瘍のアブレーションに使用可能である。さらなる具体的使用方法では、本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、記載のように、血液中腫瘍細胞、例えば、白血病もしくはリンパ腫細胞のアブレーションを目的として、または癌転移病巣の熱アブレーションを目的として使用可能である。さらに、本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、微生物、例えば、ボレリア、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、MRSAを含む)、およびバンコマイシン耐性細菌のアブレーションに使用可能である。エクスビボでの適用では、生物学的材料、例えば、器官、細胞および移植用組織は、移植の前に、望ましくない細胞、例えば、癌細胞を切除するために、熱アブレーションDNAデンドリマーを使って処理することができる。具体的な例では、本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、自家骨髄移植に使用して、患者への骨髄の再導入の前に癌患者の穿刺骨髄から癌細胞を除去することができる。
【0034】
第4の実施形態では、本発明は、記載した癌および腫瘍の治療方法での使用のための熱アブレーションDNAデンドリマーを含む医薬組成物を提供する。このような医薬組成物は、通常、全身性または局所的非経口投与、例えば、シリンジまたはカテーテルを使って、静脈内投与または治療部位への直接注射用として処方される。医薬組成物は、通常、当技術分野で知られているように、少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤をさらに含む。例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients、4thed.」(2003)Raymond C.Cowe、et al.eds.Pharmaceutical Press、Chicagoを参照。薬学的に許容可能なキャリアおよび賦形剤には、安定化剤、緩衝剤、可溶化剤、等、例えば、デンプン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、ショ糖、等が含まれる。適切な医薬組成物の処方は、「Remington′s Pharmaceutical Sciences」Mack Publishing Co.、Easton、PA、中に認められる。本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、水溶液に可溶であり、これにより、生理学的に親和性のある水性緩衝液、例えば、ハンクス液、リンゲル液、生理食塩水または生理的な塩緩衝液中での医薬組成物の調製が可能となる。
【0035】
いずれかの前出の実施形態で、熱アブレーションDNAデンドリマーに結合したターゲティング成分は、熱アブレーション対象細胞または組織上の選択標的に特異的に結合するいずれの成分であってもよい。選択標的への特異的結合には、熱アブレーション対象細胞または組織に対する独占的結合のみでなく、熱アブレーション対象細胞または組織と、熱アブレーションの標的になっていない細胞または組織の間の差次的結合が含まれる。例えば、同じ標的を呈示している他の細胞または組織に比較して、より高い標的密度を示す細胞または組織は、より大きな量のDNAデンドリマーの結合および、その結果としての、照射吸収ナノ粒子へのより多くの暴露に基づいて、選択的にアブレーションされうる。ターゲティング成分には、タンパク質、ペプチドおよびアプタマーが含まれる。具体的実施形態では、このようなターゲティング成分は、抗体または抗体断片(Fab、F(ab)2、scFv、ダイアボディ、およびミニボディを含む)であってもよい。抗体または抗体断片は、熱アブレーション対象細胞または組織の表面の結合相手、好ましくは、熱アブレーション標的ではない他の細胞または組織から標的細胞または組織を識別する特異的結合相手を標的とする。熱アブレーションの標的の細胞または組織が、悪性細胞または腫瘍である場合、抗体または抗体断片は、腫瘍特異的または腫瘍関連抗原、例えば、αフェトプロテイン、癌胎児抗原、CA−125、MUC−1、上皮性腫瘍抗原、チロシナーゼ、黒色腫関連抗原、またはrasもしくはp53遺伝子産物、に結合できる。あるいは、ターゲティング成分の抗体または抗体断片は、熱アブレーションの標的細胞または組織の表面の受容体、例えば、EGFRまたはHER2に結合できる。細胞または組織の表面のペプチドまたはタンパク質、例えば、LHRHペプチドまたはインテグリンも、抗体または抗体断片の標的とすることができる。あるいは、さらなる具体的実施形態では、熱アブレーションDNAデンドリマーに結合したターゲティング成分は、細胞または組織表面上の受容体に対するリガンドであってもよい。このようなリガンドは、通常、ペプチドまたは低分子タンパク質、例えば、TNF−α、リンホトキシン、形質転換増殖因子−β、インスリン、インスリン様増殖因子−1、VEGF、PDGF、EGF、FGF、TSH、およびACTHである。
【0036】
前出の実施形態のいずれかで、熱アブレーションDNAデンドリマーに結合した照射吸収ナノ粒子は、電磁エネルギー、例えば、RFエネルギーを吸収し、そのエネルギーを熱として放出する、金属のナノ粒子および炭素ベースナノ粒子を含む任意の組成物であってよい。このような照射吸収ナノ粒子は、当技術分野で既知のナノ球体、ナノロッド、ナノシェル、ナノケージ、ナノチューブ、または表面増強ラマン散乱(SERS)ナノ粒子の形態であってもよい。具体的な例では、ナノ粒子は、炭素、銀または金を含む。さらなる具体的な例では、ナノ粒子には、金が含まれるが、金は医学適用における先使用の利点があり、従って、医学上の受容性が証明されている。
【0037】
前出の実施形態のいずれかで、本発明の熱アブレーションDNAデンドリマーは、本明細書記載のいずれかの方法と構造によるデンドリマーアームに結合した追跡標識を含んでもよい。追跡標識は、熱アブレーションDNAデンドリマーの位置検出とモニターを可能とし、これは、目的標的部位にデンドリマーを蓄積させるために投与後に時間が必要な場合のインビボでの適用に、特に、有用である。追跡標識を含めることにより、デンドリマーの時間による蓄積をモニターでき、標的部位へ外部電磁場を適用する最適時間を決定することができる。有用な追跡標識には、蛍光の標識、例えば、近赤外蛍光染料(光学的画像処理用)、放射性標識、例えば、18F(PETスキャンに使用される放射性トレーサ)、および造影剤、例えば、ガドリニウム(MRIで使用される常磁性材料)が含まれる。
【0038】
特定の実施形態では、少なくとも1つのターゲティング成分および少なくとも1つの金属の照射吸収ナノ粒子を含む本発明のDNAデンドリマーは、また、インビボ、エクスビボまたはインビトロでの造影剤として使用してもよい。この実施形態では、DNAデンドリマーは、患者、細胞培養または組織に投与され、画像処理のために、対象細胞または組織の標的と結合させる。熱の生成のために結合DNAデンドリマーを外部電磁場に露出させる代わりに、DNAデンドリマーに結合した照射吸収ナノ粒子を検出する画像処理技術により結合DNAデンドリマーの位置が検出される。例えば、画像処理DNAデンドリマーは、反射率イメージング(Javier、et al.、同上)、光熱干渉コントラスト(photothermal interference contrast)、暗視野画像処理、走査電子顕微鏡、蛍光顕微鏡、光音響トモグラフィー、光干渉断層法、磁気共鳴画像、およびラマン分光法、のための分子特異的造影剤として使用可能である(概説:Cal、et al.、Nanotechnology、Science and Applications 2008:117−32)。
【0039】
細胞または組織の画像処理の目的で使用される場合、DNAデンドリマーは、細胞または組織に接触の前に構築してもよい。すなわち、画像処理がインビボで行われる予定の場合は、DNAデンドリマーは、(結合した照射吸収ナノ粒子およびターゲティング成分に結合したデンドリマー)患者への投与の前に完全に構築してもよい。画像処理が、インビトロまたはエクスビボで行われる予定の場合、DNAデンドリマーは、細胞または組織に接触させる前に完全に構築してもよい。あるいは、DNAデンドリマーは、DNAデンドリマーの成分を別々に投与して、標的細胞または組織上で、投与後にインビボで構築させてもよい。例えば、DNAデンドリマー(照射吸収ナノ粒子またはターゲティング成分に結合していない)を投与し、続いて、ターゲティング成分および照射吸収ナノ粒子を順にまたは同時に投与してもよい。別の例では、ターゲティング成分を投与し、続いて、DNAデンドリマーおよび照射吸収ナノ粒子を順にまたは同時に投与してもよい。また、この逐次構築手法は、インビトロおよびエクスビボでの使用にも適用可能である。
【0040】
実施例
実施例1:キャプチャーオリゴヌクレオチド含有DNAデンドリマーの製造
DNAデンドリマーを、以前に開示のように製造した(例えば、米国特許第5、175、270号、同5、484、904号、同5、487、973号、同6、110、687号および同6、274、723号を参照。これらの特許は、参照によってその全体が組み込まれる。簡単に述べれば、DNAデンドリマーは、DNAモノマーから構築され、各モノマーは、各鎖の中央部の位置の相補性配列の領域を共有する2つのDNA鎖から作られる。2つの鎖をアニールしモノマーを形成する場合、得られた構造は、4つの単鎖「アーム」に隣接する中央部の二重鎖「ウエスト」を有するものとして記述できる。このウエスト−プラス−アーム構造は、基本的な3DNA(登録商標)モノマーから構成される。各5つのモノマー型の末端の単鎖アームは、的確で特異的な方式で相互作用するように設計された。相補的なモノマーアーム間の塩基対形成は、モノマー層の逐次追加によるデンドリマーの定方向構築を可能とする。デンドリマーの各層の構築には、DNA鎖が相互に共有結合する結果、変性条件に影響されない完全に共有結合の分子が形成される架橋プロセスを含めた(変性条件の影響を受けると、デンドリマー構造の変形の原因となる)。さらに、相補的なキャプチャーオリゴの役割をする38塩基オリゴヌクレオチドを、以下に示す、単純T4DNAリガーゼ依存性連結反応により、利用可能なデンドリマーアームの5′末端に結合した:
【0041】
重複デンドリマーアームおよびキャプチャーオリゴヌクレオチドの隣接部分にオーバーラップし、キャプチャーオリゴヌクレオチドをデンドリマーアームの末端に架橋結合する「架橋オリゴヌクレオチド」を利用して、単純核酸連結反応により、38塩基DNAキャプチャーオリゴヌクレオチドをデンドリマーアームの末端に共有結合させる。架橋結合オリゴヌクレオチドを、隣接デンドリマーアームおよびキャプチャーオリゴヌクレオチド配列のそれぞれの少なくとも5塩基とオーバーラップさせて、核酸リガーゼ酵素(このましくはT4DNAリガーゼ酵素)の連結反応活性を促進した。各配列の少なくとも7塩基のオーバーラップが好ましい。デンドリマーが非デンドリマー核酸または他の分子の特異的ターゲティング用として使用される場合は、架橋結合オリゴは、その相補的配列のための核酸遮断薬としても使用可能である。
【0042】
下記成分を微量遠心管チューブに添加した:
1X TE緩衝液中の4層DNAデンドリマー(500ng/μL) 5.4μL(2680ng)
a(−)LIG−BR7架橋オリゴ(14マー)(50ng/μL) 2.7μL(134ng)
10X リガーゼ緩衝液 10.2μL
ヌクレアーゼ不含水 81.7μL
Cap03キャプチャーオリゴ(38マー)(50ng/μL) 4.0μL(200ng)
T4DNAリガーゼ(1U/μL) 10.0μL(10ユニット)
【0043】
最初の4つの反応剤を一緒に添加し、65℃に加熱後、室温に冷却した。その後、5番目と6番目の反応剤を添加し、45分間インキュベートした。2.8μLの0.5M EDTA溶液を添加して連結反応を停止させた。サイズ排除スピンカラムを使って、非結合オリゴヌクレオチドを除去した。金ナノ粒子および抗体をDNAデンドリマーに結合させる後続ステップで使うために、Cap03配列と結合したデンドリマーを、1X TE緩衝液中で50ng/μLに調整した。
【0044】
実施例2:ビオチン標識オリゴヌクレオチド結合金ナノ粒子(AuNP)およびキャリアオリゴヌクレオチド結合ターゲティング抗体のDNAデンドリマーへの付加
下記成分を微量遠心管チューブに添加した:
Cap03配列結合4層DNAデンドリマー(50ng/μL) 50.0μL
c(+)3′末端ビオチン標識オリゴ(500ng/μL) 2.6μL
a(+)5′末端ビオチン標識オリゴ(500ng/μL) 2.6μL
5M NaCl 4.0μL
2、4、8トリメチルソラレン飽和エタノール溶液 7.0μL
【0045】
上記反応剤を一緒に添加し、よく混合後、65℃の水の容器中へ入れ、42℃までゆっくり冷却した。UV光(320〜400nm)への10分間(X2)の暴露により、ビオチン化されたオリゴをDNAデンドリマーのアームに共有結合させる架橋を開始する。サイズ排除スピンカラムを使用して非架橋オリゴヌクレオチドを除去する。少量の蛍光c(+)および/またはa(+)オリゴを一部の調製物に添加し、蛍光標識を付加してデンドリマーの細胞表面への結合の追跡を支援する。
【0046】
ターゲティング抗体を最初の共有結合により、標準架橋縮合反応を使って完全抗体または抗体断片(FabまたはFab′(2))を結合したDNAオリゴヌクレオチドを付加しているDNAデンドリマーに結合させ、続いて、抗体結合オリゴヌクレオチドをデンドリマーアーム上の相補的配列にハイブリダイズさせた。このハイブリダイゼーションは、31塩基対を含み、65℃超の融解温度であるため、生理的な温度と条件下で安定な抗体結合デンドリマー複合体を提供する。ターゲティング抗体のデンドリマーへの結合と同時に、ストレプトアビジン−AuNPを適切な化学量論比で添加し、予めデンドリマー構造を付加しているビオチン成分に結合させた。
【0047】
下記成分を微量遠心管チューブに添加した:
Cap03配列を結合した4層ビオチン化DNAデンドリマー 50.0μL
PBS中50%エチレングリコールまたは等価物 125.0μL
(例えば、Superfreeze、Pierce Fine Chemicals)
1X燐酸塩緩衝食塩水(PBS) 57.0μL
5M NaCl 4.3μL
予め抗Cap03オリゴを共有結合した抗体(抗ヒトHLA Class I Mab)(オリゴとして10ng/gL) 13.7μL
ストレプトアビジン−AuNP(20nm)(BBILtd.)(1mL当たり1.7x1012AuNP) 19.5μL
【0048】
上記反応剤を配合し、ゆっくり混合後、37℃で30分間インキュベートする。この配合物は、4℃で少なくとも6ヶ月間安定である。
【0049】
上記ビオチン−ストレプトアビジン結合方法を使って、5nm、10nm、15nm、および20nmの金ナノ粒子を有する下記の金ナノ粒子結合DNAデンドリマーを作成した:
【表1】

【0050】
実施例3:オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションによるAuNPおよびキャリアオリゴヌクレオチド結合ターゲティング抗体のDNAデンドリマーへの付加
金ナノ粒子(または他の標識成分)を結合した低分子DNAまたはRNAオリゴヌクレオチド(および他の生化学的類似体)を、デンドリマーマトリックス構造の末端部のデンドリマー「アーム」単鎖核酸配列にハイブリダイズする。これらの標識オリゴヌクレオチドは、典型的ワトソン・クリック塩基対形成のみにより結合可能であるか、または、ハイブリダイズした隣接DNA鎖上のチミン間で共有結合を形成するUV活性化したソラレンインターカレーターの使用により、デンドリマー構造をさらに共有結合で架橋することができる。
【0051】
下記成分を微量遠心管チューブに添加した:
Cap03配列を結合した4層DNAデンドリマー(50ng/gL) 50.0μL
予めc(+)オリゴに結合させた金ナノ粒子(500ng/μL) 2.6μL
予めa(+)オリゴに結合させた金ナノ粒子(500ng/μL) 2.6μL
5M NaCl 4.0μL
2、4、8トリメチルソラレン飽和エタノール溶液 7.0μL
【0052】
上記反応剤を一緒に添加し、よく混合した後、65℃の水の容器に入れ、ゆっくり42℃に冷却する。UV光(320〜400nm)に10分間(X2)暴露することにより、AuNPオリゴをDNAデンドリマーアームに共有結合させる架橋イベントを開始する。非架橋オリゴヌクレオチドを、サイズ排除スピンカラムの使用により除去する。少量の蛍光c(+)および/またはa(+)オリゴを一部の調製物に添加し、蛍光標識を付加し、デンドリマーの細胞表面への結合の追跡に役立てる。
【0053】
上記の具体的容量は、デンドリマー当たり約300個のナノ粒子を含むデンドリマーの合成のためのものである。c(+)およびa(+)オリゴヌクレオチドの容量の変更は、デンドリマー当たりのナノ粒子の数を変えるのに使用できる。
【0054】
標準架橋縮合反応を使った最初の共有結合によりDNAオリゴヌクレオチドを完全抗体または抗体断片(FabまたはFab′(2))に結合させ、続いて、抗体結合オリゴヌクレオチドをデンドリマーアームの相補的配列にハイブリダイズすることにより、ターゲティング抗体をDNAデンドリマーに結合させた。このハイブリダイゼーションは、31塩基対を含み、65℃超の融解温度を有するため、生理的な温度と条件下で安定な抗体結合デンドリマー複合体を提供する。
【0055】
下記成分を微量遠心管チューブに添加した:
Cap03配列と金ナノ粒子を結合した4層DNAデンドリマー(50ng/μL) 50.0μL
PBS中50%エチレングリコールまたは等価物 125.0μL
(例えば、Superfreeze、Pierce Fine Chemicals)
IX燐酸塩緩衝食塩水(PBS) 57.0μL
5M NaCl 4.3μL
予め共有結合した抗Cap03オリゴを有する抗体(抗ヒトHLA Class I Mab)(オリゴとして10ng/μL) 13.7μL
【0056】
上記反応剤を配合し、ゆっくり混合した後、37℃で30分間インキュベートする。この配合物は、4℃で少なくとも6ヶ月間安定である。
【0057】
実施例4:インビトロ細胞培養により成長させた癌細胞の熱アブレーション用修飾デンドリマーの使用
癌試験細胞を、培養液中で、通常は、最適成長培地を含む96ウエル平底ポリスチレンプレートを用いて成長させた。一例では、Hep G2細胞を、ウエル当たり4〜8000細胞の濃度で、100μLの10%FBS、Hepes緩衝液、25mML−グルタミンおよびゲンタマイシン硫酸塩(10mg/L)含有RPMI1640中に播種した。細胞が集密的(ウエル当たり15〜20、000細胞)になるまで、2〜3日成長させた。
【0058】
上記のように、DNAデンドリマーを、具体的製造条件に応じて、デンドリマー当たり6個未満から900個超の範囲の金ナノ粒子を含むように製造した(上記製造プロセス参照)。マイクロタイタープレートウエル中で、デンドリマー量で0.5〜10ng/μLの最終濃度になるように、培養Hep G2細胞にDNAデンドリマーを加えた。細胞およびデンドリマーを、15〜180分間インキュベートし、37℃でデンドリマーを細胞表面に結合させた。標準的蛍光顕微鏡を使って蛍光標識を含むデンドリマーの細胞表面への結合を確認した。
【0059】
デンドリマーに結合した培養Hep G2細胞は、出力範囲0〜2000ワットで13.56MHzの電波を発生する可変出力RF場発生装置により生成されるRF場に暴露される。トランスミッションヘッド(集束エンドファイアーアンテナ回路)を、生存細胞から約2〜3cmの位置に保持し、0〜5分間、RF場に暴露した。MTT試薬(黄色MTT(3−(4、5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2、5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド、テトラゾールは、生きている細胞のミトコンドリア中で紫色のホルマザンに還元される)の使用を含む、標準的色素排除法の使用により細胞死がモニターされる。この有色溶液の吸光度は、分光光度計により特定の波長を測定することにより定量可能である。この減少は、ミトコンドリア還元酵素が活性の場合のみ起こり、従って、変化は、生存可能な(生きている)細胞の数に直接関連付けることができる。金ナノ粒子含有DNAデンドリマー存在下の顕著な熱アブレーションの成功は、金ナノ粒子を含まない細胞およびデンドリマー含有対照ウエルとの比較で、細胞の過剰死亡により確認される。
【0060】
実施例5:インビボの癌細胞の熱アブレーションのための修飾デンドリマーの使用
修飾デンドリマーは、例えば、Cardinal et al.、2008、Surgery 144:125−132およびGannon et al.、2008、J.Nanobiotechnology 6:2、に記載の方法と装置を使ってインビボでの癌細胞の熱アブレーション用として使用可能である。これらの文献は、参照によってその全体が組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子および少なくとも1つのターゲティング成分に結合したDNAデンドリマー。
【請求項2】
少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子が、炭素ベースのナノ粒子または金属ナノ粒子である請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項3】
少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子が金ナノ粒子である請求項2に記載のDNAデンドリマー。
【請求項4】
照射吸収ナノ粒子が、ナノ球体、ナノロッド、ナノシェル、ナノケージ、ナノチューブまたは表面増強ラマン散乱ナノ粒子である請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項5】
DNAデンドリマーのアームに結合したキャプチャーオリゴヌクレオチドを含み、少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子および少なくとも1つのターゲティング成分の内の片方または両方が、キャリアオリゴヌクレオチドのキャプチャーオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより、DNAデンドリマーに結合している請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項6】
キャプチャーオリゴヌクレオチドが、延長オリゴヌクレオチドの末端に結合し、延長オリゴヌクレオチドが、DNAデンドリマーのアームにハイブリダイズしている請求項5に記載のDNAデンドリマー。
【請求項7】
照射吸収ナノ粒子が、ビオチン/ストレプトアビジンによりDNAデンドリマーに結合している請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項8】
DNAデンドリマーのアームに結合した追跡標識をさらに含む請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項9】
ターゲティング成分が、タンパク質、ペプチド、アプタマー、抗体、抗体断片または受容体リガンドである請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項10】
デンドリマーが、架橋されたモノマーを含む請求項1に記載のDNAデンドリマー。
【請求項11】
細胞または組織の熱アブレーション方法であって、
a)細胞または組織を請求項1に記載のDNAデンドリマーをターゲティング成分が細胞または組織上の相補的な標的に結合するように接触させるステップ;および
b)DNAデンドリマーに結合した細胞または組織を、DNAデンドリマーに結合したナノ粒子に熱を放出させ、それにより、DNAデンドリマーに結合した細胞または組織の熱アブレーションを起こさせるのに充分な出力と時間で外部的に印加された電磁照射に暴露するステップ、
を含む方法。
【請求項12】
細胞または組織を、DNAデンドリマーとインビボまたはエクスビボで接触させる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
細胞または組織が、固形腫瘍、血液中腫瘍細胞、転移癌、微生物および生物学的移植材料からなる群より選択される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
DNAデンドリマーの成分を別々に投与し、投与後に細胞または組織上で構築させる請求項11に記載の方法。
【請求項15】
熱アブレーションDNAデンドリマーおよび薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤を含み、熱アブレーションDNAデンドリマーが、少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子および少なくとも1つのターゲティング成分を含む、医薬組成物。
【請求項16】
生理学的に適合する水性緩衝液を含む請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
非経口投与用に処方されている請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
少なくとも1つのターゲティング成分および少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子をDNAデンドリマーのアームに結合することを含む熱アブレーションDNAデンドリマーの作成方法。
【請求項19】
少なくとも1つのターゲティング成分および少なくとも1つの照射吸収ナノ粒子の片方または両方が、キャリアオリゴヌクレオチドのキャプチャーオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより、アーム末端でDNAデンドリマーのアームに結合している請求項18に記載の方法。
【請求項20】
DNAデンドリマーのアームにハイブリダイズし、その末端にキャプチャーオリゴヌクレオチドを有する延長オリゴヌクレオチドをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
DNAデンドリマーのアームに結合した追跡標識をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項22】
薬物としての使用のための請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNAデンドリマー。
【請求項23】
薬物が、非経口的に投与される請求項22に記載のDNAデンドリマー。
【請求項24】
薬物が、静脈内に投与される請求項23に記載のDNAデンドリマー。
【請求項25】
薬物の製造のための請求項1〜10のいずれか1項に記載のDNAデンドリマーの使用。
【請求項26】
細胞または組織の画像処理の方法であって、
a)ターゲティング成分が、細胞または組織上の相補的な標的に結合し、DNAデンドリマーが、少なくとも1つの金属照射吸収ナノ粒子を含むように、細胞または組織に請求項1に記載のDNAデンドリマーを接触させるステップ;および
b)細胞または組織に結合した金属照射吸収ナノ粒子を使って、細胞または組織を画像処理するステップ、
を含む方法。
【請求項27】
DNAデンドリマーの成分を別々に投与し、投与後に細胞または組織上で構築させる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
細胞または組織を、インビボで接触させる請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520516(P2013−520516A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555129(P2012−555129)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/025999
【国際公開番号】WO2011/106481
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(510099866)ジェニスフィア・エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】