熱サイフォン冷却器の配置を有するモジュールを備えたキャビネット
【課題】電気および/または電子部品の冷却に関し、特に冷却空気流を受け取るための第1の開口部を有するキャビネットハウジングを含むキャビネットを備える電気および/または電子システムに関する。
【解決手段】キャビネットハウジング406は、キャビネットの作動状態において、その後に冷却空気を放出するための第2の開口を備える。入口と出口を有するガイド機構をそれぞれ備える少なくとも2つのモジュール102がキャビネット内に設けられる。少なくとも2つのモジュール102は、前記キャビネットハウジング406の第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分の支流が入口を介して各モジュール102に流れ込み、ガイド機構に案内されて専用のモジュール102を出口へと通過し、その後に第2の開口部を通ってキャビネットハウジング406から排出されるように、キャビネットハウジング406内に配置される。
【解決手段】キャビネットハウジング406は、キャビネットの作動状態において、その後に冷却空気を放出するための第2の開口を備える。入口と出口を有するガイド機構をそれぞれ備える少なくとも2つのモジュール102がキャビネット内に設けられる。少なくとも2つのモジュール102は、前記キャビネットハウジング406の第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分の支流が入口を介して各モジュール102に流れ込み、ガイド機構に案内されて専用のモジュール102を出口へと通過し、その後に第2の開口部を通ってキャビネットハウジング406から排出されるように、キャビネットハウジング406内に配置される。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、キャビネット内の電気および電子部品からの熱の除去に関する。特に、本発明は、熱サイフォン冷却器をそれぞれ有する少なくとも2つのモジュールを含むキャビネットを備えた電気および/または電子システムに関する。
【0002】
[発明の背景]
電気および電子装置あるいはシステムは、装置、特にキャビネットを備える電気および/または電子システムにおける電気および電子装置の過度温度およびそれに起因する障害を避けるために、動作中に冷却されなければならない。電気および電子アプリケーションは、装置による高い発熱率だけでなく、高い出力密度すなわち熱流束にも特徴がある。
【0003】
キャビネットに挿入される中電圧の電子変換器は、順応性があり経済的な製品、顧客仕様の構成およびサービスを容易とするために多数の独立したユニットを使用し、モジュール形式で構成され得る。ある電圧変換器のトポロジーは、多数の独立したセルによって構成することができ、この場合において各セルは2つのスイッチと1つのコンデンサで機能的に構成される。スイッチは、逆並列ダイオードを備えるIGBTとし得る。両スイッチは、IGBTモジュールの形式で利用され得る。いくつかのIGBTモジュールは、定格電流を上昇させるために並行に配置され得る。
【0004】
キャビネット内の電気あるいは電子装置を冷却するための空冷システムは、基板から延びる多数のフィンを備えるかもしれず、電子あるいは電気装置から離れた位置に熱を排出することにより電気あるいは電子装置の熱負荷を軽減するために熱伝達を強いる少なくとも1つのファンを必要とするかもしれない。
【0005】
[発明の説明]
電気および/または電子部品からの、改善された効率的な熱除去を提供することが本発明の目的となり得る。
【0006】
この目的は、独立請求項に係る熱サイフォン冷却器をそれぞれ有する少なくとも2つのモジュールを含むキャビネットを備える電気および/または電子システムによって達成される。さらなる実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、キャビネットを備える電気および/または電子システムが提供される。キャビネットのキャビネットハウジングは、冷却空気流を受けるための第1の開口部と、キャビネットの作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2の開口部とを備える。キャビネットは少なくとも2つのモジュールをさらに備え、各モジュールは入口と出口を有するガイド機構を備える。キャビネットの作動状態において、前記キャビネットハウジングの第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分が冷却空気の部分的な流れに分割されるように少なくとも2つのモジュールが前記キャビネットハウジング内に配置され、冷却空気の部分的な流れの少なくとも2つが互いに平行に結合されるとともに、その後にキャビネットハウジングの第2の開口部を共に通過してキャビネットを去るように、部分的な流れの少なくともいくつかがそれぞれ入口を介してそれらの各モジュールに流れ込み、それら専用のモジュールを通って専用のモジュールの出口へと向かうことがガイド機構により可能とされる。前記少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも2つは、モジュールの作動状態において各モジュールの少なくとも1つの電気および/または電子部品により生成される第1の熱負荷を受けるための蒸発器を含む熱サイフォン冷却器をそれぞれ備え、熱サイフォン冷却器は、キャビネットの作動状態において前記冷却空気に前記第1の熱負荷の大部分を伝達するための凝縮器を備える。
【0008】
大部分との用語は、50%より大きい量であると理解できる。モジュールは、電力モジュールとすることができる。モジュールは、ユニットセルとすることがでる。キャビネットは、ラックとすることができる。熱サイフォン冷却器は、モジュールの作動状態において蒸発点以上まで加熱された際に蒸気状態と液体状態との間で相が少なくとも部分的に変化する冷媒を備えるループタイプ(loop-type)熱サイフォンを蒸発器と凝縮器が形成する2相冷却器とすることができる。凝縮器は、モジュールの作動状態において地球の重力の作用方向と反対方向に延びる複数の第1の導管を備えることができ、液体状態における冷媒の重力の中心はモジュールの作動状態において凝縮器の複数の第1の導管の下方に位置させることができる。
【0009】
換言すれば、キャビネットを備える電気および/または電子システムが提供され、ここにおいて冷却空気がキャビネット前面で第1の開口部を通り、そして入口保護網に隣接するフィルタを含み得る各モジュールの入口あるいはモジュール扉を通って吸引され、その後に冷却空気が各モジュールを通って吸引されるとともにモジュール出口から排出され、その後にファンが設けられ得るキャビネット上面へと上向く。そのような空気流のアレンジは、極めて短い空気流経路を作り出し、スペースを取らない。それ故に、IGBTモジュールのような電気および/または電子部品および各モジュールのコンデンサは、限界部品温度に十分冷やされ、所要の寿命を達成することができる。
【0010】
上述したキャビネットを備える電気および/または電子システムは、キャビネット内のモジュールを冷却するための単純で経済的な方法を実現する。モジュールはIGBTおよびコンデンサを備えることができ、IGBTは高い冷却力を要する大幅な損失密度を有することができる。IGBTを冷却するためのモジュールにおける熱サイフォン冷却器の使用は、例えば水冷と同様の高い冷却力の達成を可能とし、この場合、熱サイフォンはポンプを用いずに構成されるので安価であり、サービスを必要としない。熱サイフォン冷却器において、熱は、モジュール内の例えばIGBTおよび/またはコンデンサのような電気および電子部品から蒸発器へ伝達され、二相流体によって蒸発器から凝縮器へ送られ、更に凝縮器からキャビネット内のチャネルを通過し、その後外気に向けてキャビネットの第2の開口部を通過する。凝縮器は、熱サイフォン内で浮力が流れを動かすことができるように、蒸発器の上方に配置されなければならない。モジュール内の冷却空気流は、モジュール前面にある入口から与えられ、モジュール背面にある出口へ向かってモジュールを通り抜ける。
【0011】
キャビネットの動作状態において、冷却空気はモジュールの上部を通って流れることができ、コンデンサは、熱サイフォンの凝縮器と同じく空気流における上部に配置され、IGBTのような電気および/または電子部品は、冷却空気流の外にある部品を冷却する蒸発器と共にモジュールの底部に配置される。したがって、冷却空気流は、蒸発器に妨害されず、コンデンサおよび凝縮器を効率的に冷却することができる。モジュールの底部の多くは空であるため、モジュールのコンパクトさおよびキャビネットのコンパクトさが限定され得るか、減らされ得る。
【0012】
モジュールのコンパクトさおよびキャビネットのコンパクトさは、コンデンサを収容するための全モジュール高を用いて改善され得るので、モジュールの上部においてのみのコンデンサの配置に比べてモジュールの幅を短くするか深さを浅くすることを可能とし、その結果、モジュール体積を減らして同数のコンデンサに関してコンパクトさを高める。
【0013】
本発明の一側面によれば、少なくとも2つのモジュールの投影は、キャビネットの垂直方向および水平方向にて定義される平面における背面上に配置され、垂直方向は水平方向に対する横断線である。投影は、キャビネットの垂直方向および水平方向にて定義される投影面上の、少なくとも2つのモジュールのパターンであると理解されるものである。したがって、少なくとも2つのモジュールは、本発明の要旨を逸れることなく、上記水平方向の方向において互いに置き換えることが可能となる。冷却空気は、キャビネットの作動状態において、上記の面を横断する方向に流れる。
【0014】
もし、少なくとも2つのモジュールを備えるキャビネットの内部における効率的な冷却およびコンパクトさが望まれるならば、冷却空気の大部分、例えば50%以上が各モジュールの前方からモジュールを通り、出口を介して各モジュールの後方を通り、空気対流によってキャビネットの第2の開口部に向かうとともに外気に向かって流れるように、少なくとも2つのモジュールが1つの平面に配置され、冷却空気がその平面を横断するかあるいはその平面に衝突するような電気および/または電子システムによって、この目的が達成され得る。
【0015】
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも2つのモジュールは、キャビネットの垂直方向に沿って互いに近接して配置され、冷却空気は、キャビネットの作動状態において、モジュールを通ってキャビネットの垂直方向を横断する方向に流れる。
【0016】
もし、効率的に冷却され得るキャビネットを備えるコンパクトな電気および/または電子システムが望まれるならば、キャビネットの第1の開口部を流れる冷却空気が垂直方向を横断する方向においてモジュールに衝突して流れ、冷却空気の大部分が各モジュールを通り抜けるように、少なくとも2つのモジュールをキャビネットの内側において垂直方向に沿って互いに近接して配置することにより、この目的が達成され得る。すなわち、モジュールは、キャビネットの内側で省空間な方法で配置され、一方でそれと同時に、第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分が各モジュールを通って流れることになる。必要ならば、各モジュールの効率的な冷却を提供する一方で、キャビネットの性能を向上させるべく追加のモジュールが互いに近接して配置されてもよい。
【0017】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールは、キャビネットの水平方向に互いに並んで配置され、この場合において垂直方向は水平方向に対する横断線である。冷却空気は、キャビネットの作動状態において、キャビネットの水平方向を横断する方向に流れる。
【0018】
キャビネットの内側においてモジュールをそのように配置することにより、キャビネットの入口を通って流れる冷却空気が各モジュールを効率的に冷却することを達成すると同時に、キャビネットの内側におけるモジュールのコンパクトな配置が達成され得る。
【0019】
もし、経済的な冷却を提供する一方で、キャビネット内のモジュールの順応性の有る配置が望まれるならば、少なくとも2つのモジュールはキャビネットの横方向に沿って互いに並んで配置されてもよく、この場合において横方向は垂直方向および水平方向に対する横断線であり、冷却空気はキャビネットの作動状態においてキャビネットの横方向を横断する方向に流れる。
【0020】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールは、少なくとも1つのモジュール行と、少なくとも1つのモジュール列とを有するマトリクス型でキャビネットハウジング内に配置される。
【0021】
キャビネットハウジングの内部において少なくとも2つのモジュールをそのように配置することにより、複数のモジュールを備えた順応性の有る電気および/または電子システムが提供され、この場合には、電気および/または電子部品を備える各モジュールの効率的かつ経済的な冷却を提供すると同時に、最適な方法でキャビネットの内部の空間を使用することによって各モジュールがキャビネットから簡単に交換可能となる。すなわち、順応性が有りかつ経済的な顧客固有のキャビネットの構成およびサービスが提供され得る。
【0022】
もし、キャビネットの内部空間の使用をさらに最適化し、キャビネットの内部にできるだけ多くのモジュールを搭載することが望まれるならば、マトリクスは、キャビネットの水平方向に延びる少なくとも1つのモジュール行と、キャビネットの垂直方向に延びる少なくとも1つのモジュール列とを有する矩形マトリクスとしてもよい。
【0023】
本発明の他の側面によれば、キャビネットは、前記少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つのモジュール(実施形態においては少なくとも2つのモジュール)を含む少なくとも1つのモジュールブロックと、モジュールブロック容器と、をさらに備える。少なくとも2つのモジュールは、電気モジュールブロックコネクタの数がモジュールブロックの内側のモジュールの数と無関係に一定となり得るように、モジュールブロックの外側から、あるいは内側またはモジュールブロックの内側の少なくとも一方から、コネクタを介して電気的に接続可能である。それぞれのモジュールの入口に冷却空気を案内するための前記モジュールブロック容器は、冷却空気の流れを受け取るための第1のポートを備え、モジュールブロック容器は、キャビネットの作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2のポートを備える。モジュールブロックは、変換器モジュールとしてもよい。
【0024】
換言すれば、少なくとも2つのモジュールは、冷却空気を取り込むための第1のポートと、キャビネットの作動状態において各モジュールの入口を通り、モジュールを通り、そして各モジュールの出口に向かった後の冷却空気を排出する第2のポートと、を備えるモジュールブロックに搭載され得る。
【0025】
そのようなモジュールブロックを提供することにより、必要十分な冷却を提供すると同時に、モジュールブロック内で少なくとも2つのモジュールを組み合わせることによって、キャビネット内に配置される所望の数のモジュールが、迅速にキャビネットの内部に挿入され得ることが達成され得る。
【0026】
また、モジュールブロックは、奇数のモジュールがキャビネットハウジング内に求められる場合にも、キャビネットハウジング内にモジュールブロックを排他的に設けることを可能とする1つのみのモジュールを備えてもよい。
【0027】
モジュールブロックは1つのみモジュールを含んでもよいので、例えば、モジュールを1つのみ含む追加のモジュールブロックを要するキャビネット内の電気および/または電子システムのためにいくらかの特定の数のモジュールが必要とされる場合において、排他的なモジュールブロックを備えるキャビネットハウジングが提供され得ることが達成され得る。
【0028】
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも2つのモジュールを含む少なくとも1つのモジュールブロックは、引き出しのような方法でキャビネットに挿入可能かつ配置可能である。その目的のために、少なくとも2つのモジュールはそれぞれ第1のガイド手段を有し、キャビネットは第2のガイド手段を有する。第1のガイド手段および第2のガイド手段は、少なくとも1つのモジュールブロックおよび少なくとも2つのモジュールが、ラックのようにキャビネットに入れられ、引き出されることが可能となるように形成される。
【0029】
もし、複数のモジュールの簡素で、順応性が有り、かつ効率的なキャビネットからの交換、例えばモジュールあるいはモジュールブロックのメンテナンスを達成することが望まれるならば、この目的は、少なくとも1つのモジュールブロックがキャビネットに挿入可能かつ配置可能である電気および/または電子システムによって達成され得る。
【0030】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つのモジュールブロックは、少なくとも1つのモジュールブロック行と少なくとも1つのモジュールブロック列とを含むマトリクス型でキャビネット内に配置される。
【0031】
キャビネットハウジングの内部にそのようなモジュールブロックの配置を与えることにより、効率的かつ経済的な冷却を提供すると同時に、キャビネットハウジングの内部におけるモジュールブロックのコンパクトな搭載が達成され得る。
【0032】
もし、キャビネットハウジングの内部におけるモジュールブロックについて、順応性が有り、コンパクトかつモジュール形式の配置が望まれるならば、マトリクスは、キャビネットの水平方向に延びる少なくとも1つのモジュールブロック行と、キャビネットの垂直方向に延びる少なくとも1つのモジュールブロック列とを有する矩形マトリクスとしてもよい。
【0033】
本発明の他の側面によれば、モジュールブロックは、第1のポートおよび少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの入口と、第2のポートおよび少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの出口と、のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第2のファンを備える。
【0034】
換言すれば、第2のファンは、第1のポート、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの入口、第2のポート、または、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの出口あるいは第1のポートおよび入口あるいは第2のポートおよび出口、または、第1のポートおよび出口、または、第2のポートおよび入口、または、第1のポートおよび第2のポート、または、入口および出口、のいずれかに配置され得る。
【0035】
もし、例えば各モジュールを通って流れる冷却空気の速度および量を高めることにより、キャビネットを備える電気および/または電子システムのさらに効率的な冷却を達成することが望まれるならば、上記の第2のファンを設けることによりこの目的が達成され得る。
【0036】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つは、入口および出口のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第1のファンを備える。
【0037】
上記第1のファンを設けることにより、ファンを有さないキャビネットを備える電気および/または電子システムと比較して、単位時間当たりにより多くの冷却空気あるいは空気がキャビネットの内部における少なくとも1つのモジュールを備えるモジュールブロックあるいは各モジュールを通り抜けることが可能となるので、空気流によるキャビネットの冷却効率が改善される。
【0038】
本発明の他の側面によれば、キャビネットは、第1の開口部および第2の開口部のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第3のファンをさらに備える。
【0039】
第1の開口部と第2の開口部に上記第3のファンを設けることにより、キャビネット、モジュールブロックおよびモジュールのそれぞれを通り抜ける単位時間当たりの冷却空気の量が増えるので、冷却空気によるキャビネットの冷却が増強され得ることが達成され得る。
【0040】
本発明の他の側面によれば、蒸発器が凝縮器に対し、傾斜軸に関して傾斜角度に傾けられる。少なくとも1つの電気および/または電子部品は、少なくとも1つの電気および/または電子部品が入口と出口との間に位置するように、蒸発器の平面状の第2の面と熱的に接続可能である。そのようにすることで、冷却空気流によって少なくとも1つの電気および/または電子を付加的に冷却することが可能となる。
【0041】
さらに、蒸発器は、蒸発器の第2の面の下方で同面に平行して延びる複数の第1の導管を備える。蒸発器の好適な実施形態において、熱サイフォン熱交換器全体の良好な熱効率に寄与すべく、蒸発器の第1の導管は、冷媒が対流沸騰によって蒸発されるように寸法が決められる。
【0042】
凝縮器は、キャビネットの作動状態において前記冷却空気の大部分が凝縮器の平面形状の第1の面を横断する流れ方向に流れ、第1の熱負荷の大部分を冷却空気に伝達するように、入口と出口との間に配置される。冷却空気流の大部分が凝縮器を通って流れることを可能とするために、凝縮器は、例えば構成要素の間に開口を有する網目状の構造にて特徴付けられる。網目状の凝縮器の内面が熱サイフォン内における相変換冷媒との接触面を形成する一方で、上記開口は冷却空気流との接触面を形成する。
【0043】
もし、冷却空気によるキャビネットのより効率的で改善された冷却の達成が望まれるならば、これは、それぞれが熱サイフォン冷却器を有する少なくとも2つのモジュールを含むキャビネットを備え、モジュールの水平方向あるいはモジュールの垂直方向のいずれかに関して蒸発器を凝縮器に対して傾けることに起因して、蒸発器により阻止されるモジュール内の凝縮器の空気流断面がより小さくなるように、凝縮器に対して蒸発器が傾けられたる電気および/または電子システムによって達成され得る。蒸発器は、凝縮器に対して、例えば凝縮器を通る最も効率的な空気流を与える90°の角度で傾斜軸に関し傾けられ、この場合にはキャビネットの作動状態において蒸発器により阻止される凝縮器の空気流断面が可能な限り小さくなる。傾斜角は、各モジュールの内部における電気および/または電子部品の最適で効率的な冷却および熱除去を提供すべく、30°より大きくかつ150°より小さい値とすることができる。凝縮器は、熱サイフォン冷却器の作動状態において熱サイフォン冷却器の冷媒の動きが重力により与えられるように、蒸発器の複数の第1の導管と流体的に接続される凝縮器の複数の第2の導管によって、蒸発器と流体的に接続される。蒸発器は、凝縮器602をオフセットする位置に配置されてもよい。オフセットとの用語は、凝縮器と蒸発器の双方が同じ方向性を持つ場合、すなわち凝縮器の第1の面と蒸発器の第2の面とが同じ方向を向く場合における、蒸発器に対する凝縮器の軸方向変位量との意味に狭く解釈されるべきものではない。本発明の開示の内容においては、オフセットとの用語は、第1の面と第2の面の垂線が互いに横断するように、凝縮器の第1の面が蒸発器の第2の面に対し他の方向に向けられた熱サイフォン冷却器を含むものである。
【0044】
モジュールの上部に配置された凝縮器に対して傾斜されていない蒸発器がモジュールの底部に配置され、キャビネットおよびモジュールの作動状態にて冷却空気が上部および底部でコンデンサを冷却するためにモジュールの入口を通り、上部において凝縮器を抜け出るように上部および底部を通って流れるモジュール、の内部で生じ得る凝縮器における冷却空気の速い空気速度と高い圧力降下とは、凝縮器に対して蒸発器を傾けた配置により防がれ得るか、少なくとも減らされ得る。もし、圧力降下をさらに増加させるディフューザが凝縮器の後方に存在しないならば、凝縮器の後方の自由噴流における動圧ρv2/2が消失することを避け得る。
【0045】
凝縮器に対して傾けられた蒸発器を備える熱サイフォン冷却器を各モジュール内に設けることにより、モジュールおよびキャビネットの低いコンパクトさや、一般的なヒートシンクに比べた凝縮器における冷却空気流の高い圧力降下という欠点を有することなく、キャビネット内のモジュールのモジュール形式による配置、各モジュール内の熱サイフォン冷却器によるキャビネット二層冷却、および空気流管理の利点が活用され得る。
【0046】
もし、モジュールの内部に配置された電気または電子部品からの熱負荷の簡素かつ効率的な交換あるいは伝達が望まれるならば、モジュールの水平方向および垂直方向に対する横断線である横方向に延びる平面形状の第2の面を有する蒸発器を設け、その結果凝縮器に伝達される電気または電子部品の熱負荷の大分部を受け取ることにより、この目的が達成され得る。
【0047】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの電気および/または電子部品と電気的に接続された少なくとも1つの電気コンデンサを備え、少なくとも1つのコンデンサの作動状態において少なくとも1つの電気コンデンサによって生成されかあるいは生成可能な第2の熱負荷の大部分は、キャビネットの作動状態において出口を通る冷却空気によって除去可能である。
【0048】
そのようなキャビネットを備える電気および/または電子システムを提供することにより、IGBTのような電気および/または電子部品によって生成された第1の熱負荷と、モジュール内の少なくとも1つのコンデンサによって生成された第2の熱負荷とが、入口を通り、ガイド機構に案内されて各モジュールを通り、各モジュールの出口に向かい、それによってモジュール内のコンデンサと凝縮器を通過して流れる冷却空気によって除去可能となり得ることが達成され得る。コンデンサは、いくつかの物理的なコンデンサによって構成されてもよい。 一般的に、要求される電圧を得るためにn(物理的)のコンデンサが直列に取り付けられ、要求される容量を得るためにmのコンデンサが並列に取り付けられる。多くの部品が存在するならば、モジュールは、1またはいくつかのIGBTモジュールと、n×mのコンデンサを含むコンデンサバンクとを物理的に備えてもよい。
【0049】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つの電気コンデンサは、底面および上面を備える円筒形状のコンデンサ本体を有し、垂直方向に対する横断線である少なくとも2つのモジュールそれぞれの垂直方向あるいは水平方向において、前記円筒形状のコンデンサ本体が底面から上面に延びる。コンデンサ本体は、長尺のコンデンサ本体であり、必ずしも円筒形状の本体である必要はない。垂直方向に方向付けられるかあるいは延びるいくつかのコンデンサの複数の層、あるいは、水平方向に方向付けられるかあるいは延びるいくつかのコンデンサの複数の層が、それぞれのモジュールに配置され得る。
【0050】
もし、コンデンサの作動状態においてコンデンサによって生成される第2の熱負荷の経済的で効率的な除去が望まれるならば、垂直方向あるいは水平方向に延びる円筒形状のコンデンサ本体を横断して冷却空気が流れるように配置された円筒形状のコンデンサ本体あるいは長尺のコンデンサ本体を備えるコンデンサを与えることによって、この目的は達成され得る。
【0051】
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも1つの電気コンデンサは、入口と、凝縮器の平面形状の第1の面および蒸発器の平面形状の第2の面のうちの少なくとも1つとの間に配置される。
【0052】
換言すれば、IGBTモジュールのような電気および/または電子部品を冷却する熱サイフォンがコンデンサの下流に配置され、それは、IGBTを冷却しているときよりもコンデンサを冷却しているときの方が冷却空気が冷たいことを意味する。そのような配置は、特にコンデンサが電解型である場合のように、例えば30年という長寿命を達成するためにコンデンサを特に冷たく保つ必要がある場合に有利となり得る。電解コンデンサは、その低いコストと高い出力密度のために好まれ得る。さらに、一般的には損失の大部分がIGBTによって生じ、損失の小部分のみがコンデンサによって生じる。これは、凝縮器に入る冷却空気は、コンデンサによって僅かに予熱されるだけであることを意味する。もし、コンデンサが凝縮器の下流にあるならば、冷却空気はコンデンサに到達した際には強力に予熱されていることになるため、寿命を縮める結果となる。
【0053】
もし、各モジュールおよびキャビネットの作動状態において、コンデンサによって生成される第2の熱負荷およびIGBTのような電気および/または電子部品によって生成される第1の熱負荷からの最も効率的な熱除去が望まれるならば、モジュールの作動応対において蒸発器の電気部品が凝縮器よりも多量の熱を生成する場合に、コンデンサを通る冷却空気が少量の熱のみを取り込み、さらにモジュール内の熱サイフォン冷却器の凝縮器を通ることで電気および/または電子部品から多量の熱を除去することができるように、電気コンデンサを入口と凝縮器あるいは蒸発器との間に配置することによって、この目的は達成され得る。
【0054】
もし、コンデンサと電気および/または電子部品の冷却が効率的であることが望まれるならば、少なくとも1つの電気コンデンサが、入口と凝縮器との間に少なくとも部分的に配置された第1のコンデンサと、凝縮器と出口との間に少なくとも部分的に配置された第2のコンデンサとを備える電気および/または電子システムが提供され得る。これにより、冷却空気は、電気および/または電子部品を冷却しているときよりも入口と凝縮器との間のコンデンサを冷却しているときの方が冷たくなるが、出口と凝縮器との間に配置された第2のコンデンサを冷却しているときの方が電気および/または電子部品を冷却しているときよりも冷たくなくなる。
【0055】
もし、効率的かつ経済的な冷却を可能とする一方で、モジュール内の蒸発器においてさらなる電気および/または電子部品のコンパクトかつ省空間な配置を提供することが望まれるならば、少なくとも1つの電気および/または電子部品が熱的に接続された蒸発器の平面形状の第2の面と反対の、蒸発器の平面形状の第3の面に対して、少なくとも1つのさらなる電気および/または電子部品を熱的に接続することにより、この目的が達成され得る。
【0056】
上述の実施形態および側面は、各モジュール内における重力駆動の熱サイフォンを好適に提供し、この場合には電動の熱サイフォンが不要となり得る。キャビネットのモジュールの作動状態において少量の圧力降下のみを生じるような、各モジュールを通る広い空気流断面が与えられ得る。モジュール内における空間の効率的な使用、また、それ故にキャビネット内における高いコンパクトさが提供され得る。キャビネット内のモジュールあるいはモジュールブロックの様々な配置に関する上述の側面および実施形態に係る電気および/または電子システムは、高さ方向(垂直方向)のみにおける形成因子に対して影響を持つとともに追加され得るコンデンサのために必要とされる余分な空間に比例するモジュールの出力を設計することを考慮に入れることができる。したがって、IGBTモジュールのような追加の電気および/または電子部品を収納するための既存の空間内で蒸発器の長さを横方向に延ばすことにより、また、凝縮器を垂直方向に延ばすことにより、モジュールの高さを増大させ、高い冷却の必要性に応じたモジュールの出力設計が達成され得る。モジュールの余分な高さは、追加のモジュールコンデンサのために必要であり、使用される。深さ(水平方向に延びる)、幅(横方向に延びる)およびモジュールの基本設計は、同様のままとすることができる。キャビネット内におけるモジュールの上述の配置可能性は、モジュールが変換モジュールであるモジュール多階層変換器(modular multi-level converters)に適した例である。
【0057】
ところで、“電子部品”との用語は、この開示の内容において、例えば工場や輸送機関にエネルギーを供給するための駆動装置や変換器における電力モジュールにおいて使用できるような、ブロック電圧が500V以上であるダイオード、サイリスタ、および他の半導体要素として使用される電力部品と解釈される。
【0058】
上述のいかなる実施形態においても、蒸発器がいくつかの第1の導管を有すると有利である。仮にこれらの第1の導管が同じ外側断面を有するならば、各第1の導管が異なる外側断面を有する場合よりも、蒸発器を製造するに際してより有利である。全ての第1の導管の断面が同一であるならば、特に複雑性の点において有利な蒸発器を得ることが可能である。仮に全ての第1の導管がそれらのチューブ形状によって定義される縦軸の方向において実質的に同じ長さを有するならば、導管が互いに同一であるために、最も経済的に蒸発器を製造することが可能となる。
【0059】
電気および/または電子部品から第1の導管への最適な熱伝達を保障するために、仮に蒸発器が電気および/または電子部品を熱的に接続可能な最適な平面状の取付面を提供するための取付面を有する熱伝達要素を備えると有利である。熱伝達要素は、複数の第1の導管と機械的かつ熱的に接続される。電気および/電子部品のための取付面を形成する平面状の第2の面は、熱伝達要素上に設けられる。取付面の反対側には、第1の導管を受けるための複数の溝が設けられる。溝の形状は、電気および/電子部品から第1の導管への最適な熱伝達を提供すべく、断面を見た場合において第1の導管の外壁の形状と整合するように選択される。複数の溝は、第1の導管が延びる横方向から見たときに、櫛状の断面を熱伝達要素に与える。熱伝達要素は、好ましくはアルミニウムおよび/または銅を含む高熱伝達材料からなる。もし、蒸発器に熱的に接続される必要がある電気および/または電子部品が多過ぎて、取付面上の取り付けスペースが狭すぎるならば、蒸発器を十分に凝縮器への熱伝達に対処可能とする追加の熱伝達要素にて追加の取付面が与えられるように、櫛状の断面を有する2つの熱伝達要素を選択して互いに反対に取り付けてもよい。このようにして、全寸法の点において特にコンパクトなモジュール(電力モジュール)を得ることが可能である。そのような熱伝達要素を使用する追加の効果が、例えば一括ろう着(one-shot brazing)によって第1の導管を機械的に強固な構造と接続する前において第1の導管を組み立てる際に、ゲージとして使用できる点にある。ところで、熱交換器コアの全要素の一括ろう着、搭載、および組み立ては、完全に自動化された方法で行われ得る。
【0060】
上述のいかなる実施形態においても、凝縮器がいくつかの第2の導管を有する場合も有利である。仮にこれらの第2の導管が同じ外側断面を有するならば、各第2の導管が異なる外側断面を有する場合よりも、凝縮器を製造するに際してより有利である。全ての第2の導管の断面が同一であるならば、特に複雑性の点において有利な凝縮器を得ることが可能である。仮に全ての第2の導管がそれらのチューブ形状によって定義される縦軸の方向において同じ長さを有するならば、導管が互いに同一であるために、最も経済的に蒸発器を製造することが可能となる。
【0061】
第1の導管と第2の導管を製造するための少なくとも極めて同種かつ同型のプロファイルを採用することは、製造工程をさらに簡素化するので、さらに有利である。プロファイルは、好適には、例えば押し出しアルミニウムプロファイルのような半製品である。
【0062】
第1の導管の方向に関しては、蒸発器を断面視した際に、各第1の導管が基本的に互いに平行に延びるように蒸発器内に配置されることが、以下の理由により有利である。
【0063】
・ 第1に、実質的に平らな外面部分を有する導管は、円形の断面を有する導管に比べて、機械的により容易な熱伝達要素への取り付けを可能とする。単純な用語で表現すると、実質的に平らな外面部分を有する導管は、導管および多岐管および/または熱伝達要素の組み立て工程を容易にする。
【0064】
・ 第2に、実質的に平らな外面部分を有する導管は、円形の断面を有する導管に比べて、接触面積がより大きいために、冷却対象である電力部品や追加のそのような部品を、より直接的に冷却されるように熱的に取り付けることを可能とする。
【0065】
また、第2の導管の方向に関しては、凝縮器を断面視した際に、複数の第2の導管が基本的に互いに平行に延びるように凝縮器内に配置されることが、以下の理由により有利である。
【0066】
・ 第1に、空気流の圧力降下は、凝縮器を通る空気流の流れ方向と平行に延びる第2の導管の、例えば楕円形である長尺の断面によって、最低限に抑えられ得る。
【0067】
・ 実質的に平らな外面部分を有する導管は、円形断面を有する導管に比べて、接続先である隣接する多岐管へのより容易な機械的な取り付けを可能とする。
【0068】
いくつかの理由により、第1の導管および第2の導管として平らなマルチポートの管を使用することが有利である。これは、マルチポートが共通する平面に配置されている場合に特に当てはまる。そのような平らな管、すなわち楕円形の外断面を有するプロファイルは、一般的な円筒状の丸い外断面を有する管に比べて、空気流の圧力降下の発生が少ない。マルチポートのプロファイルは、自動車の冷却器の分野において低コストな標準の押し出しアルミニウムベースのプロファイルとして知られたMPEプロファイルとしても知られている。導管のマルチポート設計は、1つの単孔あるいはチャネルのみを有する一般的な管あるいはプロファイルと比べて、作用流体と接触するその高湿の表面に起因して内部熱伝達を促進する点で有利である。さらにそれは、気泡膨張効果を促進し、比較的大きな断面を有するチャネルに比べてより高い(内部の)蒸気圧へその圧力抵抗を高める点で理想的である。さらに、マルチポートのプロファイルの複数のサブチャネルは、対流沸騰効果が最大限に高まるように補助する。
【0069】
特に機械的な複雑さが低い基本的な熱サイフォン冷却器は、蒸発器のプロファイル、すなわち第1の導管が傾斜軸と平行に延びる場合に達成され得る。
【0070】
熱交換器の作動状態において、冷媒の動きが重力によって与えられる場合、第2の導管が少なくとも部分的に地球の重力の作用方向に延びる3次元空間内に熱交換器を設計し、配置すると有利である。実施形態によっては、蒸発器が水平方向に延びる場合において、凝縮器のプロファイルを、傾斜軸を横断するように延ばすことができる。
【0071】
特に、所定の流れ方向を有する冷媒の動きが要求される熱サイフォン熱交換器の実施形態において、熱交換器の部品の寸法を非対称、例えば蒸発器多岐管の断面を復水多岐管の断面よりも大きくなるように寸法決めすることにより、所望されない方向における冷媒の自然のチェックバルブ作用を定義することが可能である。いくつかの第1の導管および/またはいくつかの第2の導管がそれらの一端にて多岐管と流体的に接続された熱交換器の実施形態において、仮に多岐管が、導管を受けるオリフィスが取り付けられる丸い管状の断面を有するならば有利である。多岐管の円形の内断面によって、線形の導管要素は、押し出しプロファイルを切り離され、各オリフィス内に挿入されることが可能である。そのようにすることで、多岐管の内壁が線形の導管要素に対する自然の障壁を形成し、その中で、挿入された線形の導管が多岐管の内部空間を切り離さないように、挿入時において多岐管の横端によって塞がることとなる。1つの線形導管の全断面積が多岐管の全内断面の約5〜10%である場合に優れた熱的性能を得られることを、実験が示した。
【0072】
以下の2つの特性は、モジュールのコンパクトさと、そのようなモジュールに合う上位の構成要素とに実質的に寄与する。
【0073】
第1に、第1の導管が熱伝達要素の最大厚さからはみ出ないか僅かにはみ出るだけとなるような、好適には完全に平坦な、例えば熱伝達要素のオリフィスと嵌め合う長方形あるいは楕円形である断面を第1の導管が備える。したがって、熱伝達要素の最大厚さは、蒸発器の平面状の第2の面と垂直な方向に与えられる全蒸発器厚さの主要因を形成し、この場合において蒸発器の第2の面は、熱伝達要素の背面側にある電気/電子部品の熱的な取付面によって形成される。特に、第2および第3の多岐管が熱伝達要素の厚さよりも小さいか、あるいは最大限に同等の直径を有し、第2の主法線方向において熱伝達要素に対し相対的に移動されることがないように前記各多岐管が熱伝達要素のわきに配置される場合の実施形態においては、最終的に熱伝達要素によって最小の蒸発器厚さが決まることになる。
【0074】
換言すれば、第1の導管は、厚切状の平板形状の全体外観を有するような蒸発器内において方向付けられるとともに形作られ、この場合において、最大厚さ対最高幅比(maximum-thickness-to-maximal-width-ratio)が平らな平面状の全体外観を蒸発器に与えるように、蒸発器の平面状の第2の面に垂直な第2の主法線方向に延びる蒸発器の最大厚さを、蒸発器の第2の面における第2の主法線方向に垂直な横方向に延びる蒸発器の最大全幅よりも小さくする。
【0075】
コンパクトさや熱伝達容量の要求に応じて、蒸発器の最大厚さは、蒸発器の最大全幅の50%未満、好ましくは蒸発器の最大全幅の30%未満、さらに好ましくは蒸発器の最大全幅の20%未満に調整する。他の表現によると、蒸発器(604)の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:aの範囲にあり、aは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である。
【0076】
“蒸発器の幅”との用語は、水平方向すなわちモジュールの奥行き方向における第1の導管の長さと、第2の多岐管の厚さと、水平方向に延びる第3の多岐管の厚さとの合計、あるいは、横方向すなわちモジュールの幅方向における複数の第1の導管の全寸法、のいずれか一方によって定義される最大寸法であると解釈される。
【0077】
電気/電子部品から熱サイフォン内の相変換冷媒への熱伝達手段の基本的な機能を維持するために、第1の導管の数は、蒸発器の最大厚さに応じた特定の範囲に収めなければならない。熱流の所定量の実例を与えるべく、蒸発器の第1の実施形態における最大厚さは、より少ない第1の導管を有する蒸発器の第2の実施形態における最大厚さと比べて多くの第1の導管が存在するならば、低く抑えられてもよい。
【0078】
電気/電子部品を蒸発器と熱的に接続するために必要な最小限の取付空間しか存在しないこともあるので、蒸発器の幅および面積に関する特定の第1の最小閾値が設定される。電気/電子部品と、冷却対象である、および/または、一側面で凝縮器と蒸発器とによって定められる空間に配置されかつ第2の主法線方向におけるモジュールの全厚を与えられるだけである他の装置(例えばコンデンサ)とは、凝縮器の最大幅を超えるべきではないので、蒸発器の第2の面と凝縮器の末端部との間に延びる第2の最小閾値が設定される。第2の最小閾値が小さいほど、蒸発器の最大厚さを大きくすることができる。
【0079】
第2に、第2の導管は、第2の導管が凝縮器の(仮想の外面の)最大厚さからはみ出ないか僅かにはみ出るだけとなるような、好ましくは完全に平らな断面、例えば熱伝達要素のオリフィスと嵌め合う長方形あるいは楕円形の断面を有する。したがって、第2の導管の断面における前記最大伸長は、凝縮器の平面状の第1の面と垂直な方向に与えられる全凝縮器厚さの主要因を形成し、この場合において凝縮器の第1の面は、傾斜配置により、蒸発器の第2の面に対する横断線として延びる。特に、第1および第5の多岐管が第2の導管の断面の最大伸長よりも小さいか最大限に同等の直径を有し、第1の主法線方向において第2の導管に対し相対的に移動されることがないように前記各多岐管が一連の第2の導管のわきに配置される場合の実施形態においては、最終的に第2の導管によって最小の凝縮器厚さが決まることになる。
【0080】
換言すれば、第2の導管は、厚切状の平板形状の全体外観を有するような凝縮器内において方向付けられるとともに形作られ、この場合において、最大厚さ対最高幅比が平らな平面状の全体外観を凝縮器に与えるように、凝縮器の第1の面に垂直な第1の主法線方向に延びる凝縮器の最大厚さを、凝縮器の第2の面における第1の主法線方向に垂直な横方向に延びる凝縮器の最大全幅よりも小さくする。他の表現によると、凝縮器の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:aの範囲にあり、aは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である。
【0081】
コンパクトさや熱伝達容量の要求に応じて、凝縮器の最大厚さは、凝縮器の最大全幅の50%未満、好ましくは凝縮器の最大全幅の30%未満、さらに好ましくは凝縮器の最大全幅の20%未満に調整する。
【0082】
“凝縮器の幅”との用語は、垂直方向すなわちモジュールの高さ方向における第2の導管の長さと、第1の多岐管の厚さと、垂直方向に延びる第5の多岐管の厚さとの合計、あるいは、水平方向すなわちモジュールの深さ方向における複数の第2の導管の全寸法、のいずれか一方によって定義される最大寸法であると解釈される。上述の方向は実施形態によって変化し、状況に応じて第2の導管の方向は横方向軸に関して回転される。
【0083】
熱交換器が一度使用中となったときに、熱サイフォン内の相変換冷媒から冷却空気流への熱伝達手段の基本的な機能を維持するために、第2の導管の数は、凝縮器の最大厚さに応じた特定の範囲に収めなければならない。熱流の所定量の実例を与えるべく、凝縮器の第1の実施形態における最大厚さは、より少ない第2の導管を有する凝縮器の第2の実施形態における最大厚さと比べて多くの第2の導管が存在するならば、低く抑えられてもよい。
【0084】
上述のように、電気/電子部品を蒸発器と熱的に接続するために必要な最小限の取付空間しか存在しないこともあるので、蒸発器の幅および面積に関する特定の第1の最小閾値が設定される。電気/電子部品と、冷却対象である、および/または、一側面で凝縮器と蒸発器とによって定められる空間に配置されかつ第1の主法線方向におけるモジュールの全長を与えられるだけである他の装置(例えばコンデンサ)とは、蒸発器の最大幅を超えるべきではないので、凝縮器の第1の面と蒸発器の末端部との間に延びる第3の最小閾値が設定される。第3の最小閾値が小さいほど、凝縮器の最大厚さを大きくすることができる。
【0085】
特に、例えば自然対流冷却に起因して冷却空気流が比較的弱いシステムに係る実施形態においては、冷却空気が網目状の凝縮器内の空間を通って凝縮器に入ることを凝縮器が阻止するかあるいは塞ぎ得るかもしれないので、凝縮器における圧力降下が小さいことが極めて重要である。冷却空気流が強制対流によって形成されるシステムにおいても、凝縮器における圧力降下が小さいことは、やはり非常に重要である。理由は、圧力降下が小さくなるほど、十分な空気流を生み出すためのファンを弱くできることにある。ファンをより弱くすると、一般的に寸法に関してファンが小さくなるとともに、ファンが安価となる。したがって、より小さいファンは、コンパクトなシステムに貢献する。さらには、より小さいファンは、より大きいファンに比べ、使用時にエネルギーをあまり消費せず、騒音も小さいために有利である。
【0086】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つの電気および/または電子熱源から熱を除去するための熱サイフォン冷却器がモジュール内に設けられてもよく、熱サイフォン冷却器は、凝縮器と、凝縮器の第2の導管と流体的に接続される少なくとも1つの第1の導管を有する蒸発器とを備え、凝縮器は、第1の主法線方向に対して平面形状の第1の面を備え、蒸発器は、第2の主法線方向に対して少なくとも1つの熱源を熱的に接続するための平面形状の第2の面を備える。蒸発器は、凝縮器をオフセットするように平行に延びる第1の位置と、第1の主法線方向および第2の主法線方向の間が30°より大きくかつ150°未満の角度となるように傾斜軸に関して凝縮器に対し傾いた第2の位置とのうちの少なくとも1つに配置される。
【0087】
角度は、90°の角度、基本的に90°の角度、鋭角、鈍角、さらには85°〜95°、60°〜120°、45°〜135°、60°〜90°、90°〜120°、45°〜90°、90°〜135°、0°〜45°,135°より大きい値から180°未満の値、の角度範囲によって構成されるグループから選択され得る。凝縮器の第2の導管は、熱交換器の作動状態において冷媒の動きが重力によって与えられるように形成される。
【0088】
本発明の他の側面によれば、凝縮器の第1の面は、熱サイフォン冷却器の水平方向および垂直方向によって定義される第1の平面に配置され、水平方向は熱サイフォン冷却器の横方向に対する横断線であり、かつ垂直方向に対する横断線である。蒸発器の第2の位置は、上記角度にて水平方向に関して傾けられる。
【0089】
本発明の他の側面によれば、凝縮器の第1の面は、熱サイフォン冷却器の水平方向および垂直方向によって定義される第1の平面に配置され、水平方向は、熱サイフォン冷却器の垂直方向に対する横断線であり、かつ垂直方向に対する横断線である。第2の位置において、蒸発器は、上記角度にて垂直方向に関して傾けられる。
【0090】
もし、全寸法に関するモジュール/電力モジュールのサイズが一方向に限られているが、蒸発器および/または凝縮器の熱容量がここに開示された1つの基本的な蒸発器および/または凝縮器の実現可能な最大熱伝達率を超え得る熱伝達率を必要とするならば、蒸発器および/または凝縮器を1つより多くの第1の導管の第1のセットあるいは第2の導管の第2のセットをそれぞれ備えるように設計し、前記セットが例えばEP2246654A1に開示されたように搭載される必要がある。
【0091】
本発明のこれらおよび他の側面は、以下に記載された実施形態を参照して説明され、明瞭になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0092】
発明の要旨は、添付図面に表された代表的な実施形態を参照しながら、以下の本文においてより詳細に説明される。
【図1】図1は、2つのスイッチと1つのコンデンサを備えるモジュールを概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るキャビネットを備える電気および/または電子システムの断面の正面図を概略的に示す。
【図3】図3は、図2の電気および/または電子システムの断面の側面図を概略的に示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムのモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子機器の他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子機器の他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子機器の他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係る熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視側面図を概略的に示す。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図12】図12は、図11の熱サイフォン冷却器の斜視背面図を概略的に示す。
【図13】図13は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図14】図14は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器の断面の側面図を概略的に示す。
【図15】図15は、本発明の他の実施形態に係る2つの熱サイフォン冷却器を備える他の熱サイフォン冷却器の斜視側面図を概略的に示す。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に係る電気および/または電子システムのモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図17】図17は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムの他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図18】図18は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムのモジュールの一部の斜視正面図を概略的に示す。
【図19】図19は、図18の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図20】図20は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムのモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図21】図21は、本発明の一実施形態に係るモジュールブロックの斜視正面図を概略的に示す。
【図22】図22は、図21のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図23】図23は、図21および図22のモジュールブロックの断面の背面図を概略的に示す。
【図24】図24は、図21、図22および図23のモジュールブロックの斜視背面図を概略的に示す。
【図25】図25は、本発明の他の実施形態に係るモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図26】図26は、本発明の他の実施形態に係る他のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図27】図27は、本発明の他の実施形態に係る他のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図28】図28は、本発明の他の実施形態に係る他のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【0093】
各図で使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストとして要約形式で記載されている。
【0094】
原則として、同一の部分には同一の参照符号が付されている。
【0095】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1は、2つのスイッチ202および一つのコンデンサ204を備えるモジュール102を概略的に示す。モジュール102は、モジュラーマルチレベル変換器(modular multi-level converter:MMLC)あるいはモジュラー2レベル変換器(modular two-level converter:M2LC)とすることができ、スイッチ202はIGBTモジュールとすることができる。モジュール102は、引き出しのようなラックやキャビネットに挿入され得る箱型の要素であってもよい。キャビネット内において、多数のモジュールが行および列に配置されてもよい。
【0096】
図2は、冷却空気の流れを受け取るための第1の開口部(502,図示されず,図3参照)と、キャビネット400の作動状態においてその後の冷却空気を放出する第2の開口部(520,図示されず,図3参照)とを有するキャビネットハウジング406を含むキャビネット400を備える電気および/または電子システム200を概略的に示す。少なくとも2つのモジュール102は、各モジュール102が入口と出口を備えるガイド機構(615,図示されず,図4,図7参照)を含む。少なくとも2つのモジュール102は、前記キャビネットハウジング406の第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分が、各モジュール102のガイド機構に案内されて入口を介して出口に向けて各モジュール102に流れ込み、その後にキャビネット400の作動状態においてキャビネットハウジング406の第2の開口部に流れることが可能となるように、キャビネットハウジング406内に配置される。前記少なくとも2つのモジュール102のうちの少なくとも2つは、各モジュール102の作動状態において各モジュール102の少なくとも1つの電気および/または電子部品(202,図1参照,610,図4,7および16参照)によって生成される第1の熱負荷を受け取るための蒸発器をそれぞれ備える熱サイフォン冷却器(600,図示されず,例えば図4,図16参照)を含み、熱サイフォン冷却器はキャビネット400の作動状態において前記冷却空気に前記第1の熱負荷の大部分を伝達するための凝縮器を備える。
【0097】
各モジュール102は、垂直方向634と水平方向632とで定義される平面に配置され、垂直方向634は水平方向632に対する横断線である。冷却空気は、キャビネットの作動状態において上記平面を横断する方向に流れる。少なくとも2つのモジュール102は、キャビネット400の垂直方向634に沿って互いに近接して配置され、冷却空気はキャビネット400の作動状態においてキャビネット400の垂直方向634を横断する方向に流れる。少なくとも2つのモジュール102は、キャビネット400の水平方向632に互いに並んで配置され、垂直方向634は水平方向632に対する横断線である。冷却空気は、キャビネットの作動状態においてキャビネット400の垂直方向632を横断する方向に流れる。
【0098】
少なくとも2つのモジュール102は、キャビネット400の横方向630に沿って互いに並んで配置されてもよく、横方向630は垂直方向634および水平方向632に対する横断線である。冷却空気は、そのときキャビネット400の作動状態においてキャビネット400の横方向630を横断する方向に流れることができる。
【0099】
少なくとも2つのモジュール102は、少なくとも1つのモジュール行と、少なくとも1つのモジュール列とを有するマトリクス型でキャビネットハウジング406内に配置される。マトリクスは、キャビネット400の水平方向632に延びる少なくとも1つのモジュール行と、キャビネット400の垂直方向634に延びる少なくとも1つのモジュール列とを有する矩形マトリクスである。
【0100】
少なくとも1つのモジュールブロック402は、少なくとも2つのモジュール102のうちの少なくとも2つのモジュール102と、モジュールブロック容器715とを備える。少なくとも2つのモジュール102は、電気モジュールブロックコネクタの数がモジュールブロック402の内側のモジュール102の数と無関係に一定となり得るように、モジュールブロック402の外側あるいは内側からコネクタ(1402,図示されず,図24参照)を介して電気的に接続可能である。それぞれのモジュール102の入口に冷却空気を案内するためのモジュールブロック容器715は、冷却空気の流れを受け取るための第1のポート(508,図示されず,図25〜図28参照)を備える。モジュールブロック容器715は、キャビネット400の作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2のポート(506,図示されず,図25〜図28参照)を備える。モジュールブロック容器715は、垂直方向634に延びるモジュールブロック左面725およびモジュールブロック右面723と、同様に水平方向632に延びるモジュールブロック底面718およびモジュールブロック上面とを備える。
【0101】
図2における各モジュールブロック402は、水平方向632に沿って並んで配置された4つのモジュール102を備える。モジュールブロック402は、少なくとも1つのモジュールブロック行と少なくとも1つのモジュールブロック列とを含むマトリクス型でキャビネット406内に配置され、マトリクスはキャビネット400の水平方向632に延びる少なくとも1つのモジュールブロック行と、キャビネット400の垂直方向634に延びる少なくとも1つのモジュールブロック列とを有する矩形マトリクスである。
【0102】
特に、モジュールブロック402は、6つのモジュール行と3つのモジュール列とを有するマトリクスにて配置されている。モジュールブロック402は、横方向630にも沿って並んで配置されてもよい。
【0103】
キャビネットハウジング406は、垂直方向634に延びるキャビネット左面409およびキャビネット右面411を備え、さらに水平方向632に延びるキャビネット底面410およびキャビネット上面408を備える。キャビネット400は、キャビネット上面408に配置された第3のファン404をさらに備え(例えば、図3参照)、それはキャビネット400の第1の開口部の近傍にあってもよい。
【0104】
図3は、図2の電気および/または電子システム200の断面の側面図を概略的に示す。キャビネット400の第1の開口部502は、垂直方向634に延びるキャビネット前面413に配置され、キャビネットハウジング406の第2の開口部520は、キャビネット上面408に配置される。キャビネット背面412は、垂直方向634に延び、本発明の一側面によれば、第2の開口部520はキャビネット背面412にも配置されてもよい。第3のファン404は、第2の開口部520の上方に配置される。冷却空気は、キャビネット400の作動状態において、第1の開口部502を通って流れ方向510に流れ、そこから冷却空気の大部分はモジュールブロック容器715の第1の部分508を通るとともにモジュールブロック容器715に案内されて各モジュール102の入口に流れることが可能であり、そこからモジュールブロック容器715の第2のポート506を通って放出される。放出された冷却空気は、キャビネットの第2の開口部520に向けて、キャビネットチャネル512を通って放出流れ方向511に進み、第3のファン404に吸引されて第3の開口部504を通って外気540に運ばれ、冷却空気は基本的に横方向630に向く外気流れ方向514に放出される。また、第1の開口部502からの冷却空気をモジュールブロック406に通し、前記冷却空気の大部分を各モジュール102を通して第2の開口部520に送ることを可能とする第3のファン404が、第1の開口部502あるいは第1の開口部502および第2の開口部520の双方に配置されてもよい。第1のポート508は、垂直方向634に延びるモジュールブロック前面535に配置され、第2のポート506は、垂直方向634に延びるモジュールブロック背面536に配置される。
【0105】
図4は、冷却空気あるいは他の熱キャリアを、入口614を介してモジュール102に入り、ガイド機構615に案内されて出口616に向けて各モジュール102を通る流れ方向510に流れることを可能とする、入口614と出口を有するガイド機構615を備えるモジュール102を示す。放出された冷却空気は、その後、図2および図3に示されたキャビネットの作動状態において、キャビネットハウジングの第2の開口部に向けた放出流れ方向511に流れることができる。ガイド機構615は、ガイド部分619を備え、ガイド部分619は、IGBTのような電気および/または電子部品610に接続線621を介して複数の電気コンデンサ612のそれぞれを接続する電気バス・バー(electrical bus bar)とすることができる。コンデンサ612のそれぞれは底面611および上面613を備える円筒形の本体609を有し、前記円筒形の本体609はモジュール102の垂直方向634に底面611から上面613へと延び、垂直方向634はモジュール102の横方向630および水平方向632に対する横断線であり、ガイド部分619は横方向630に延びる。コンデンサ本体609は、円筒形状ではない長尺のコンデンサ本体であってもよい。
【0106】
電気および/または電子部品610は、例えば螺子のような取付装置608によって熱サイフォン冷却器600の蒸発器604に取り付けられる。熱サイフォン冷却器600は、凝縮器602をさらに備える。熱サイフォン冷却器600は、モジュール102の作動状態において、電気および/または電子部品610から熱を取り除く。蒸発器604は、各モジュール102の作動状態において各モジュール102の電気および/または電子部品610によって生成された第1の熱負荷を受け、凝縮器602は、キャビネットおよびモジュール102の作動状態において流れ方向510に流れる冷却空気に前記第1の熱負荷の大部分を伝達する。凝縮器602は、平面形状の第1の面601を第1の主法線方向603に備え、蒸発器は少なくとも1つの電気および/または電子部品610を熱的に接続するための平面形状の第2の面606を第2の主法線方向605に備える。蒸発器604は、傾斜軸622に関し、凝縮器に対して180°の角度620に傾けて配置される。第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度は0°であり、主法線方向603,605は横方向630において互いに平行に延びる。
【0107】
少なくとも1つの電気コンデンサ612は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610と電気的に接続され、少なくとも1つの電気コンデンサ612によって生成可能な第2の熱負荷の大部分は、キャビネットおよびモジュール102の作動状態において出口616を通る冷却空気によって除去可能である。ガイド機構615は、垂直方向634に延び、出口616と入口614とを有するモジュール背面636とモジュール前面635とをさらに備える。ガイド機構615は、横方向630に延びるモジュール底面618とモジュール上面617とをさらに備える。コンデンサ612は、互いに平行に配置され、さらにモジュール102の上部において入口614および出口616と平行な垂直方向634に延びる凝縮器602と平行に配置されているので、流れ方向510に流れる流入冷却空気流はコンデンサ612を通過し、その後に蒸発器604によって逸らされることなく、横方向630に凝縮器602を通って出口616に流れる。蒸発器604および電気および/または電子部品610は、垂直方向634にも延び、モジュール102の底部において凝縮器602およびコンデンサ612の下方に配置されているので、コンデンサ612に占有されないモジュール空間670が存在する。
【0108】
図5は、図4に示したモジュールと同様の部品を備えるモジュール102の断面図を概略的に示しており、蒸発器604が凝縮器602に対して傾けられ、凝縮器602が入口614と出口616との間に配置されることによって、キャビネットおよびモジュール102ぞれぞれの作動状態において冷却空気の大部分が凝縮器602の平面形状の第1の面601を横断する流れ方向510に流れて凝縮器602を通り、モジュール102の作動状態にて少なくとも1つの電気および/または電子部品610によって生成される第1の熱負荷の大部分が冷却空気に移動する。蒸発器604は、横方向630に延びる平面形状の第2の面606を備え、横方向630は、モジュール102の垂直方向634および水平方向632に対する横断線である。コンデンサ612および凝縮器602の平面形状の第1の面601は、平行に配置されるとともに、水平方向632に延びる。同様に、入口614および出口616は、水平方向632に延びる。モジュール102のガイド機構615は、モジュール左面625およびモジュール右面623を備える。
【0109】
蒸発器604は、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度620を約90°にして、凝縮器602に対して傾けて配置される。蒸発器604は、傾斜軸622に関する角度620にて、垂直方向634に関して曲げられるか或いは傾けられている。凝縮器602の第1の面601は、熱サイフォン冷却器600の垂直方向634と水平方向632とで定義される第1の平面に配置され、水平方向632は、モジュール102および熱サイフォン冷却器600それぞれの横方向630に対する横断線であるとともに、垂直方向630に対する横断線である。
【0110】
角度620は、30°よりも大きく、かつ150°よりも小さい角度にすることができる。角度620は、90°の角度、鋭角、鈍角、さらには85°〜95°、60°〜120°、45°〜135°、60°〜90°、90°〜120°、45°〜90°、90°〜135°、0°〜45°,135°より大きい値から180°未満の値、の角度範囲によって構成されるグループから選択されてもよい。凝縮器602から蒸発器604の間の冷媒の動きは、熱サイフォン冷却器600の作動状態において重力により与えられる。ガイド部分619は、横方向630に延び、コンデンサを電気および/または電子部品610に電気的に接続する。
【0111】
モジュール102の作動状態において冷却空気の流れを受け取るための入口614およびその後に冷却空気を放出するための出口616を有し、モジュール102の作動状態において冷却空気を、入口614を通り、そこからモジュール102へ、その後に出口616を通るように案内するためのガイド機構615を、モジュール102は備える。熱サイフォン冷却器600は、モジュール102の作動状態においてモジュール102の少なくとも1つの電気および/または電子部品610が生成する第1の熱負荷を受け取るための蒸発器604を備える。熱サイフォン冷却器600は、モジュール102の作動状態において、前記第1の熱負荷の大部分を前記冷却空気に伝達するための凝縮器602を備える。冷却空気の空気流に晒される広い断面積は、このようなモジュール102を備えることによって達成され得る。本発明のさらなる実施形態によれば、蒸発器604は、凝縮器602をオフセットする位置に配置されてもよい。少なくとも1つの電気コンデンサ612は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610に電気的に接続され、少なくとも1つの電気コンデンサ612によって生成される第2の熱負荷の大部分は、モジュール102の作動状態において出口616を通る冷却空気により除去される。
【0112】
図6は、図4のモジュールと同様のモジュール102の断面図を概略的に示しており、複数のコンデンサ612が図4のモジュール空間670に配置され、入口614が垂直方向において基本的にモジュール前面635の全体に亘って広がることにより、冷却空気が凝縮器602に隣り合うモジュール上方領域に存在する各コンデンサ612を通って横方向630における流れ方向510に流れるとともに、モジュール102の下方領域において蒸発器604に隣り合う各コンデンサ612を通って流れ、この流れを蒸発器604が阻むことにより凝縮器602における湾曲流れ方向513となり、全ての冷却空気が凝縮器602および出口616を通って出る点で相違する。これは、時として凝縮器602に高い圧力降下と速い空気速度とをもたらす。
【0113】
図7は、図6と同様のコンデンサ612の配置を有するモジュール102を概略的に示し、蒸発器604が凝縮器602に対して傾けられ、凝縮器602が入口614と出口との間に配置されることにより、キャビネットの作動状態において前記冷却空気の大部分が凝縮器602の平面形状の第1の面601を横断する流れ方向510に流れ、モジュール102の作動状態において電気および/または電子部品610によって生成される第1の熱負荷の大部分を冷却空気に伝達する。蒸発器604の傾斜は、図5に示された傾斜と同様であるが、蒸発器604が垂直方向632に関して曲げられるか或いは傾けられている点で相違する。電気コンデンサ612は、モジュール102の上方部分と下方部分とに配置され、少なくとも1つの電気および/または電子部品610とガイド部分619を介して電気的に接続される。コンデンサ612によって生成可能な第2の熱負荷の大部分は、モジュール102およびキャビネットそれぞれの作動状態において、出口616を介して流れ方向510に流れる冷却空気によって除去可能である。凝縮器602の第1の面601は、熱サイフォン冷却器600の垂直方向634と水平方向632とで定義される第1の平面に配置される。水平方向632は、熱サイフォン冷却器600あるいはモジュール102の横方向630に対する横断線であるとともに、垂直方向634に対する横断線である。蒸発器604は、凝縮器602に対して、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間が約90°の角度620となるように、ほぼ水平方向632に傾けられている。凝縮器に生じる冷却空気の高い圧力下降が除去され得るように、蒸発器604を90°に傾けることによってモジュール102が空気流を阻止する断面積を減らすことにより、さらに、高いコンパクト性を備えることにより、そのようなモジュール102は、コンデンサ612および電気および/または電子部品610の効率的な冷却を可能にすることができる。冷却空気は、凝縮器602において最小減の圧力降下しか生じずに、流れ方向510に流れるとともに、微小湾曲流れ方向515に流れる。
【0114】
図8は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610およびコンデンサから熱を取り除くための図7に係る熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示す。熱サイフォン冷却器600は、凝縮器602と、凝縮器602の複数の第2の導管902と流体的に接続された複数の第1の導管912を有する蒸発器604とを備える。複数の第1の導管912は、熱伝達要素900と機械的に接続されるとともに、熱的に接触する。これは、第1の導管912が延びる垂直方向から見たときに櫛型断面を熱伝達要素900が有することにより達成される。櫛型断面は、第1の導管912それぞれの部分を受けるために設けられた複数の溝によって、伝達要素900上に与えられる。蒸発器604は、凝縮器602をオフセットする第1の位置に配置されると同時に、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度620が90°となるように凝縮器602に対して傾く第2の位置に配置される。熱サイフォン冷却器600は、蒸発器604から凝縮器602に熱を伝達するための冷媒を備える。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続される。第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続され、前記第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第1の多岐管904に送るために、第4の多岐管908を介して第1の多岐管904と流体的に接続される。第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続され、前記第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を第2の多岐管914に送るために第6の多岐管910を介して第2の多岐管914と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第3の多岐管916および第2の多岐管914の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管902を通って、第3の多岐管916および第2の多岐管914へと重力によって移動することが可能となる。
【0115】
充填多岐管918は、熱サイフォン冷却器600に冷媒を送るための第1の多岐管904に設けられる。凝縮器602は、第1の導管912の間に配置された冷却フィン922を備える。第1の多岐管904、第5の多岐管906、および、第1の導管912は、基本的に水平方向632に延びる。第4の多岐管908、第6の多岐管910、充填多岐管918、および、第2の導管902は、基本的に垂直方向634に延びる。第2の多岐管914および第3の多岐管916は、基本的に横方向630に延びる。
【0116】
図8に示されたものと比較される熱サイフォン熱交換器600の他の実施形態において、凝縮器の方向が横軸630周りの方向に回転されることにより、第2の導管902が傾斜軸622と平行に延びることが考えられる。
【0117】
図9は、垂直方向634に延びる凝縮器602と横方向630に延びる蒸発器604とを有することにより、蒸発器604が約90°の角度620で水平方向632に関して傾いた他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。一つの電気または電子部品610が、取付装置608により蒸発器604の第2の面606に取り付けられる。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために、第3の多岐管916を介して蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続される。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために、第1の導管912の少なくとも1つの復水チャネル913と、第3の多岐管916とを介して、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第2の多岐管914の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管902を通って、第2の多岐管914へと重力によって移動することが可能となる。第1の多岐管904は、第3の多岐管916の上方に配置される。第1の多岐管904、第2の多岐管914、および、第3の多岐管916は、水平方向632に延びるとともに、基本的に互いに平行に配置される。
【0118】
図10は、図9の熱サイフォン冷却器900と同様の他の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示し、第3の多岐管916の近傍に配置された付加的な第5の多岐管906が存在し、第3の多岐管916が熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続され、第3の多岐管916が熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第1の多岐管904に送るために第1の多岐管904と流体的に接続されている点で相違する。第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために、凝縮器602の第2の多岐管902と流体的に接続され、前記第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮された冷媒を第2の多岐管914に送るために、少なくとも1つの復水チャネル913を介して第2の多岐管914と流体的に接続される。
【0119】
図11は、冷却器600が隣り合わせて配置された2つの蒸発器604および2つの凝縮器602を備えている点、換言すれば2つの熱サイフォン冷却器が互いの上に配置されている点において、図9の熱サイフォン冷却器600と相違する他の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示す。一方の蒸発器604は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610から第1の熱負荷を受け、この蒸発器604の下方に配置された他方の蒸発器604は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610が取り付けられるとともに熱的に接続された蒸発器604を介してその第1の熱負荷の一部を受ける。第7の多岐管915は、図9の第2の多岐管914と同様に作用する他方の凝縮器および他方の蒸発器に設けられ、第8の多岐管903は、図9の第1の多岐管904と同様に作用する他方の凝縮器および他方の蒸発器に設けられる。第5の多岐管906は、図9の第3の多岐管916と同様に作用する他方の凝縮器および他方の蒸発器に設けられる。全ての多岐管は、基本的に水平方向932に延びる。
【0120】
図12は、図11の熱サイフォン冷却器600の斜視背面図を概略的に示す。
【0121】
図13は、他の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示し、蒸発器604が凝縮器602をオフセットし、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度620が約90°となるように水平方向632に関して凝縮器602に対し傾いて配置されている。熱サイフォン冷却器600は、図8の熱サイフォン冷却器600と同様の構成要素を有するとともに同様の方法で作用し、第1の導管912が基本的に横方向630に延びる点、第2の多岐管914、第3の多岐管916、および第5の多岐管906が基本的に水平方向632に延びる点、および、第6の多岐管910が基本的に横方向630と垂直方向634とで定義される平面において延び、蒸発器604から蒸発器604の上方に配置された凝縮器602へと傾いている点で相違する。
【0122】
図13に示されたものと比較される熱サイフォン熱交換器600の他の実施形態において、蒸発器604の方向が垂直軸634周りの方向に回転されることにより、第1の導管912が横方向630に延びることが考えられる。
【0123】
図14は、以下に記載された点で相違する、図9に示された熱サイフォン冷却器600と同様の他の熱サイフォン冷却器600の断面の側面図を概略的に示す。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために、傾けられた蒸気チャネル905を介して蒸発器604の第1の導管と流体的に接続される。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、傾けられた復水チャネル907とし得る凝縮器の第2の導管と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために、傾斜された復水チャネル907とし得る凝縮器の第2の導管と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、蒸発器604の第1の導管と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第2の多岐管914の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管を通って第2の多岐管914へと重力により移動することが可能となる。第1の多岐管904および第2の多岐管914は水平方向632に延び、蒸発器604は横方向630に延び、凝縮器602は垂直方向634に延びる。
【0124】
図15は、図9の熱サイフォン冷却器を2つ備え、それらが復水収集多岐管917(図9の第2の多岐管914)の形で第2の多岐管を共有し、互いに反対に互いに向かい合って凝縮器602,1602が垂直方向634に延びるとともに蒸発器604,1604が横方向630に延びることにより、互いに取り付けられた熱サイフォン冷却器600を概略的に示す。蒸発器604および凝縮器602は、図9の蒸発器604および凝縮器602に準じて作用する。当該他方の蒸発器1604および当該他方の凝縮器1602は、同様に作用する。冷媒は、当該他方の蒸発器1604から当該他方の凝縮器1602に熱を伝達しており、その熱は電気および/または電子部品610によって生成可能な第1の熱負荷であってもよい。第8の多岐管1004は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を当該他方の凝縮器1602に送るために、当該他方の凝縮器1602の少なくとも1つの第4の導管1002と流体的に接続される。復水収集多岐管917は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を当該他方の蒸発器1604に戻すために、当該他方の蒸発器1604の第3の導管1012と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を当該他方の蒸発器1604から収集するために、当該他方の蒸発器1604の第3の導管1012と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第7の多岐管904に送るために、第7の多岐管1004と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を当該他方の凝縮器1602から収集するために、当該他方の凝縮器1602の第4の導管1002と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を復水収集多岐管917に送るために、復水収集多岐管917と流体的に接続される。第8の多岐管904は、第13の多岐管1016および復水収集多岐管917の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、当該他方の凝縮器1602の第4の導管1002を通って第13の多岐管1016および復水収集多岐管917へと重力により移動することが可能となる。当該他方の凝縮器1602は、凝縮器602の第1の面601と同様に、当該他方の凝縮器1602の第4の導管1002の間に配置された他の冷却フィン1022を有する第5の面1601を備える。当該他方の蒸発器1604は、蒸発器604の第2の面606と同様の第6の面1606を備える。
【0125】
図6は、コンデンサ612あるいはコンデンサ本体が水平方向632ではなくモジュール102の垂直方向634に延びる点において図5のモジュール102と相違するモジュール102を概略的に示す。電気コンデンサ612は、入口614と、コンデンサ602の平面形状の第1の面601と、蒸発器604の平面形状の第2の面606との間に配置される。
【0126】
図17は、第1のコンデンサ682が設けられ、それらが少なくとも部分的に入口614と凝縮器602との間に配置され、第2のコンデンサ684が少なくとも部分的に凝縮器602と出口616との間に配置されている点で図16のモジュールと相違するモジュール102を概略的に示す。
【0127】
図18は、図5のモジュールの斜視正面図を概略的に示し、コンデンサが水平方向632に延びるとともに、例えばコンデンサを少なくとも1つの電気および/または電子部品と電気的に接続するためのバス・バーであるガイド部分619に取り付けられている。蒸発器604は、垂直方向634に延びるとともに、第1の主法線方向と第2の主法線方向との間で凝縮器602に対し90°の角度で垂直方向634に傾けられている。凝縮器602の第1の面は、熱サイフォン冷却器の垂直方向634と水平方向632とで定義される第1の平面に配置され、水平方向632は垂直方向634に対する横断線であるとともに、熱サイフォン冷却器の横方向630に対する横断線である。蒸発器604の第2の面は、垂直方向634と横方向630とで定義される平面に配置される。
【0128】
モジュール102は、例えば電力変換器のような上位の構成要素へのモジュール102の挿入や交換を容易にするための第1のガイド手段1320を有する。その目的のために、電力変換器キャビネットのような前記上位の構成要素は、第1のガイド手段1320と協働するための第2のガイド手段1321を備え、それによりモジュール102は引き出しのような方法で前述の電力変換器キャビネットに挿入可能かつ配置可能である(例えば、図2に示されたキャビネット400を参照)。モジュール102の基本的な実施形態において、第1のガイド手段1320は、モジュール102を通る冷却媒体を案内するために設けられたガイド部分619の横端によって形成される。キャビネット400の基本的な実施形態において、第2のガイド手段1321は、キャビネット400の板金構造におけるスロットによって形成され、前記スロットは、ガイド部分619の第1のガイド手段1320を確実に挿入および配置するための十分な空間を与えるように寸法が決められている。しかしながら、必要であれば、操作を改善するとともに摩擦を減らすために、ローラーなどを備えるガイドシステムを採用してもよい。
【0129】
図19は、図18の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示す。冷媒を熱サイフォン冷却器600に充填するための充填多岐管918は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続された第1の多岐管904に設けられる。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、第1の導管(912,図示されず)と流体的に接続される。第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を蒸発器604から収集するために、蒸発器604の第1の導管と流体的に接続される。第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第1の多岐管904に送るために、第4の多岐管908を介して、第1の多岐管904と流体的に接続される。
【0130】
第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を凝縮器602から収集するために凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続され、前記第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を第2の多岐管914に送るために第2の多岐管914と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第5の多岐管906および第2の多岐管914の上方に設けられているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管902を通って第5の多岐管906および第2の多岐管914へと重力により移動することが可能となる。第6の多岐管910は、第2の多岐管914を第5の多岐管906と流体的に接続するために設けられる。第1の導管、第4の多岐管908、および第6の多岐管910は基本的に垂直方向934に延び、第2の多岐管914および第3の多岐管916は基本的に横方向630に延び、第1の多岐管904および第5の多岐管906は基本的に水平方向632に延びる。
【0131】
もし図19における凝縮器602の熱容量がごく限られているならば、ユーザはいくつかの追加的な第2の導管902によって水平方向632に凝縮器を拡張する選択をしてもよい。
【0132】
図19に関して説明されるとともに示されたものと同様の他の代替的な実施形態においては、中間の第4の多岐管908が除外され得るように、第1の多岐管904が第3の多岐管916に直接接続される。実施形態によっては、第2の多岐管914が第5の多岐管906に直接接続可能であることにより、中間の第6の多岐管910が除外され得る。さらにより簡素化した実施形態においては、第1の多岐管904と第3の多岐管916が1つの管を曲げて形成される。同様に、第2の導管914と第5の導管906も他の管を曲げることで形成される。そのような実施形態において、熱サイフォンの最大寸法は、多岐管904,916,914,906に用いる管の最小曲げ半径に依存する。
【0133】
図20は、図16に係る熱サイフォン冷却器600を概略的に示し、高い冷却の必要性に対応すべく、凝縮器602がモジュール102の高さの増大を伴って水平方向632に拡張され(水平矢印1203にて示される)、蒸発器604が横方向630にモジュール102の現在の寸法内でその長さを拡張される(横矢印1206にて示される)ことが破線にて付加的に示され、この場合においては、追加の電気コンデンサ612のために追加のモジュール凝縮器長さが用いられるとともに必要とされ得る。モジュールの基本的な設計、深さおよび長さは、同様のものであってよい。したがって、モジュール102のパワースケーリングは、モジュール102のモジュール特性や基本的な設計を変えることなく達成され得る。
【0134】
図21は、図2および図3に示されたモジュールブロック402の斜視正面図を概略的に示す。熱サイフォン冷却器600は、モジュールブロック402の垂直方向634に延びる凝縮器602および蒸発器604を備えて設けられる。いくつかの電気または電子部品610,607が蒸発器604に取り付けられる。複数の電気および電子部品610は、複数の電気コンデンサ612と向かい合う蒸発器604の平面形状の第1の面606と熱的に接続される。少なくとも1つのさらなる電気および/または電子部品607は、蒸発器604の平面形状の第2の面606の反対側にある、蒸発器604の平面形状の第3の面(677,図示されず,例えば図22参照)と熱的に接続される。各コンデンサ612は、水平方向632においてコンデンサ本体609の底面611から上面613に延びる細長いコンデンサ本体609を有する。
【0135】
第1のコンデンサ部分1310は、垂直方向634および横方向630に延びる第1のガイド部分1311を備えて設けられ、水平方向632に延びる複数のコンデンサ612は、第1のガイド部分1311に取り付けられる。第2のコンデンサ部分1308は、第2のガイド部分1309を備えて設けられ、コンデンサは、第1のコンデンサ部分1310と同様に配置される。第2のコンデンサ部分1308は、水平方向632において第2のコンデンサ部分1310の隣に配置される。第1のコンデンサ部分1310と同様に、第3のガイド部分1307を備える第3のコンデンサ部分1306と、第4のガイド部分1305を備える第4のコンデンサ部分1304とは、水平方向632において第2のコンデンサ部分1308の隣に配置されて設けられる。ガイド部分1311,1309,1307,および1305は、電気および/または電子部品610,677とコンデンサを電気的に接続するために設けられてもよい。冷却空気は、横方向630と平行な流れ方向に流れ、先ずコンデンサ612を通り、その後に凝縮器602を通る。各コンデンサ部分1310,1308,1306,1304は、例えば図2に示された1つのモジュール102に相当してもよく、その場合において熱サイフォン冷却器600は、コンデンサ部分あるいはモジュールによって共有される。基板1302は、コネクタ(1402,図示されず,図22〜24参照)と同じく熱サイフォン冷却器600およびガイド部分1311,1309,1307,1305を取り付けるために設けられる。モジュールブロック402は、2つのモジュール列を有するモジュールブロック402の標準寸法容器統合(standard dimensioned container integration)を考慮に入れたフルブリッジ構造であってもよい。上述のコンデンサ部分は、コンデンサブロックであってもよい。
【0136】
モジュールブロック402は、例えば電力変換器のような上位の構成要素へのモジュールブロック402の挿入や交換を容易にするための第1のガイド手段1320を有する。その目的のために、電力変換器キャビネットのような前記上位の構成要素は、第1のガイド手段1320と協働するための第2のガイド手段1321を備え、それによりモジュールブロック402は引き出しのような方法で前述の電力変換器キャビネットに挿入可能かつ配置可能である(例えば、図2に示されたキャビネット400を参照)。モジュールブロック402の基本的な実施形態において、第1のガイド手段1320は、モジュールブロック402を通る冷媒の案内を補助するために設けられた基板1302の横端によって形成される。キャビネット400の基本的な実施形態において、第2のガイド手段1321は、キャビネット400の板金構造におけるスロットによって形成され、前記スロットは、モジュールブロック402の第1のガイド手段1320を確実に挿入および配置するための十分な空間を与えるように寸法が決められている。
【0137】
図22は、図21のモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、各コンデンサ部分あるいはモジュールがモジュールブロック402の内側および外側からコネクタ1402を介して電気的に接続可能であることが示されている。吸入された冷えた冷却空気は、モジュールブロック402の右方から到来し、その後、横方向630に凝縮器612を通過した後に、左方の凝縮器602を通過する。冷却空気は、銅リンクのような他のパッシブを冷却するか、あるいはバス・バーにおけるより高い電流密度を単に考慮に入れるために使用されてもよい。バス・バーあるいはレールターミナルは、ターミナルへのリンクを形成するために、冷却器600に巻きつけられてもよい。
【0138】
図23は、2つのコネクタ1402を備える図21および図22のモジュールブロック402の断面の正面図を概略的に示す。
【0139】
図24は、図21、図22、図23に係るモジュールブロック402の斜視背面図を概略的に示す。
【0140】
図25は、垂直方向634において互いの上方に配置された複数のモジュール102を備え、各モジュールが例えば図7に応じて設計された、例えば図2および図3に示されるようなモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示す。図25と以下の図26,図27,および図28とにおいて、モジュール102は、先行する図、実施形態、観点、および添付の特許請求の範囲に応じて記載されたいずれの実施形態に従って設けられてもよい。モジュールブロック402は、流れ方向510に流れる冷却空気流を受け取るための第1のポート508を有するモジュールブロック容器715を備え、モジュールブロック402およびキャビネット400それぞれの作動状態において、モジュールブロック容器715は各モジュール102の入口614に冷却空気を案内するように構成され、モジュールブロック容器715はその後に冷却空気を開放するための第2のポート506を備える。第1のポート508は、垂直方向634に延びるモジュールブロック右面535に配置され、第2のポート506は、横方向630に延びるモジュールブロック上面713に配置される。モジュールブロック容器715は、モジュールブロック上面713の下方で横方向に延びるモジュールブロック下面718と、モジュールブロック前面535の反対側で垂直方向634に延びるモジュールブロック背面536とをさらに備える。冷却空気は、各モジュールを通過した後に、モジュールブロックの上部に向いてキャビネット容器の第2のポート506を通過する放出流れ方向511に流れる。
【0141】
図26は、図25に係るモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、第2のファン1900がモジュールブロック402の第2のポート506に配置されている点において相違する。
【0142】
図27は、図25に係るモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、他の第2のファン1902がモジュールブロック502の第1のポート508に配置されている点において相違する。
【0143】
図28は、図25に係るモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、第1のファン1202が各モジュール102の入口に配置されている点において相違する。
【0144】
図26〜図28、さらには図2および図3に示されたファンを設けることで、冷却効率および容量は、キャビネット400を冷却するための冷却空気の強制対流を与えることによって高められ得る。モジュールブロック402は、第1のポート508および少なくとも1つのモジュール102の入口614の少なくとも一方と、第2のポート506および少なくとも1つのモジュール102の出口616の少なくとも一方とに配置された少なくとも1つの第2のファン1900,1902を一般的に備えてもよい。
【0145】
少なくとも2つのモジュール102の少なくとも一方は、入口614および出口616の少なくとも一方に配置された少なくとも1つの第1のファン2002を備えてもよい。
【0146】
発明が図面および先行する記載において詳細に図示および説明された一方で、そのような図示および説明は具体例あるいは好例であって、限定的ではないと考えられ、発明は開示された実施形態に限定されない。
【0147】
開示された実施形態の他のバリエーションは、図面、開示、および添付のクレームの調査により、請求項に記載された発明を実施する当業者によって理解され、もたらされ得る。
【0148】
請求項において、“備える”との用語は、他の要素を排除するものではなく、単数形による記載は複数を除外するものではない。単数の電気および/または電子システム、あるいは単数のキャビネット、モジュールブロック、モジュールは、請求項に記載されたそれぞれの項目の機能を満たす。単に特定の手段が異なる独立項の双方に開示されているという事実は、それらの手段の組み合せが利用され得ないことを意味するものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0149】
[参照符号のリスト]
102…モジュール、200…電気および/または電子システム、202…スイッチ,IGBT、204…コンデンサ、402…モジュールブロック、406…キャビネットハウジング、408…キャビネット上面、409…キャビネット左面、410…キャビネット底面、411…キャビネット右面、412…キャビネット背面、413…キャビネット前面、502…第1の開口部、504…第3の開口部、506…第2のポート、508…第1のポート、510…流れ方向、511…放出流れ方向、512…キャビネットチャネル、513…湾曲流れ方向、514…外気流れ方向、515…微小湾曲流れ方向、520…第2の開口部、535…モジュールブロック前面、536…モジュールブロック背面、540…外気、600…熱サイフォン冷却器、601…第1の面、602…凝縮器、603…第1の主法線方向、604…蒸発器、605…第2の主法線方向、606…第2の面、607…さらなる電気および/または電子部品、608…取付装置、609…コンデンサ本体、610…電気および/または電子部品、611…底面、612…電気コンデンサ、613…上面、614…入口、615…ガイド機構、616…出口、617…モジュール上面、618…モジュール底面、619…ガイド部分、620…角度,傾斜角度、621…接続線、622…傾斜軸、623…モジュール右面、625…モジュール左面、630…横方向、632…水平方向、634…垂直方向、635…モジュール前面、636…モジュール背面、670…モジュール空間、677…第3の面、682…第1のコンデンサ、684…第2のコンデンサ、715…モジュールブロック容器、717…モジュールブロック上面、718…モジュールブロック底面、723…モジュールブロック右面、725…モジュールブロック左面、900…熱伝達要素、902…第2の導管、903…第8の多岐管、904…第1の多岐管、905…傾斜された蒸気チャネル、906…第5の多岐管、907…傾斜された復水チャネル、908…第4の多岐管、910…第6の多岐管、912…第1の導管、913…復水チャネル、914…第2の多岐管、915…第7の多岐管、916…第3の多岐管、917…復水収集多岐管、918…充填多岐管、922…冷却フィン、1002…第4の多岐管、1004…第8の多岐管、1012…第3の導管、1016…第13の多岐管、1022…他の冷却フィン、1203…水平矢印、1206…横矢印、1302…基板、1304…第4のコンデンサ部分、1305…第4のガイド部分、1306…第3のコンデンサ部分、1307…第3のガイド部分、1308…第2のコンデンサ部分、1309…第2のガイド部分、1310…第1のコンデンサ部分、1311…第1のガイド部分、1320…第1のガイド手段、1321…第2のガイド手段1402、1601…第5の面、1602…他の凝縮器、1603…第3の主法線方向、1604…他の蒸発器、1606…第4の面、1900…第2のファン、1902…他の第2のファン、2002…第1のファン。
【発明の概要】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、キャビネット内の電気および電子部品からの熱の除去に関する。特に、本発明は、熱サイフォン冷却器をそれぞれ有する少なくとも2つのモジュールを含むキャビネットを備えた電気および/または電子システムに関する。
【0002】
[発明の背景]
電気および電子装置あるいはシステムは、装置、特にキャビネットを備える電気および/または電子システムにおける電気および電子装置の過度温度およびそれに起因する障害を避けるために、動作中に冷却されなければならない。電気および電子アプリケーションは、装置による高い発熱率だけでなく、高い出力密度すなわち熱流束にも特徴がある。
【0003】
キャビネットに挿入される中電圧の電子変換器は、順応性があり経済的な製品、顧客仕様の構成およびサービスを容易とするために多数の独立したユニットを使用し、モジュール形式で構成され得る。ある電圧変換器のトポロジーは、多数の独立したセルによって構成することができ、この場合において各セルは2つのスイッチと1つのコンデンサで機能的に構成される。スイッチは、逆並列ダイオードを備えるIGBTとし得る。両スイッチは、IGBTモジュールの形式で利用され得る。いくつかのIGBTモジュールは、定格電流を上昇させるために並行に配置され得る。
【0004】
キャビネット内の電気あるいは電子装置を冷却するための空冷システムは、基板から延びる多数のフィンを備えるかもしれず、電子あるいは電気装置から離れた位置に熱を排出することにより電気あるいは電子装置の熱負荷を軽減するために熱伝達を強いる少なくとも1つのファンを必要とするかもしれない。
【0005】
[発明の説明]
電気および/または電子部品からの、改善された効率的な熱除去を提供することが本発明の目的となり得る。
【0006】
この目的は、独立請求項に係る熱サイフォン冷却器をそれぞれ有する少なくとも2つのモジュールを含むキャビネットを備える電気および/または電子システムによって達成される。さらなる実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、キャビネットを備える電気および/または電子システムが提供される。キャビネットのキャビネットハウジングは、冷却空気流を受けるための第1の開口部と、キャビネットの作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2の開口部とを備える。キャビネットは少なくとも2つのモジュールをさらに備え、各モジュールは入口と出口を有するガイド機構を備える。キャビネットの作動状態において、前記キャビネットハウジングの第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分が冷却空気の部分的な流れに分割されるように少なくとも2つのモジュールが前記キャビネットハウジング内に配置され、冷却空気の部分的な流れの少なくとも2つが互いに平行に結合されるとともに、その後にキャビネットハウジングの第2の開口部を共に通過してキャビネットを去るように、部分的な流れの少なくともいくつかがそれぞれ入口を介してそれらの各モジュールに流れ込み、それら専用のモジュールを通って専用のモジュールの出口へと向かうことがガイド機構により可能とされる。前記少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも2つは、モジュールの作動状態において各モジュールの少なくとも1つの電気および/または電子部品により生成される第1の熱負荷を受けるための蒸発器を含む熱サイフォン冷却器をそれぞれ備え、熱サイフォン冷却器は、キャビネットの作動状態において前記冷却空気に前記第1の熱負荷の大部分を伝達するための凝縮器を備える。
【0008】
大部分との用語は、50%より大きい量であると理解できる。モジュールは、電力モジュールとすることができる。モジュールは、ユニットセルとすることがでる。キャビネットは、ラックとすることができる。熱サイフォン冷却器は、モジュールの作動状態において蒸発点以上まで加熱された際に蒸気状態と液体状態との間で相が少なくとも部分的に変化する冷媒を備えるループタイプ(loop-type)熱サイフォンを蒸発器と凝縮器が形成する2相冷却器とすることができる。凝縮器は、モジュールの作動状態において地球の重力の作用方向と反対方向に延びる複数の第1の導管を備えることができ、液体状態における冷媒の重力の中心はモジュールの作動状態において凝縮器の複数の第1の導管の下方に位置させることができる。
【0009】
換言すれば、キャビネットを備える電気および/または電子システムが提供され、ここにおいて冷却空気がキャビネット前面で第1の開口部を通り、そして入口保護網に隣接するフィルタを含み得る各モジュールの入口あるいはモジュール扉を通って吸引され、その後に冷却空気が各モジュールを通って吸引されるとともにモジュール出口から排出され、その後にファンが設けられ得るキャビネット上面へと上向く。そのような空気流のアレンジは、極めて短い空気流経路を作り出し、スペースを取らない。それ故に、IGBTモジュールのような電気および/または電子部品および各モジュールのコンデンサは、限界部品温度に十分冷やされ、所要の寿命を達成することができる。
【0010】
上述したキャビネットを備える電気および/または電子システムは、キャビネット内のモジュールを冷却するための単純で経済的な方法を実現する。モジュールはIGBTおよびコンデンサを備えることができ、IGBTは高い冷却力を要する大幅な損失密度を有することができる。IGBTを冷却するためのモジュールにおける熱サイフォン冷却器の使用は、例えば水冷と同様の高い冷却力の達成を可能とし、この場合、熱サイフォンはポンプを用いずに構成されるので安価であり、サービスを必要としない。熱サイフォン冷却器において、熱は、モジュール内の例えばIGBTおよび/またはコンデンサのような電気および電子部品から蒸発器へ伝達され、二相流体によって蒸発器から凝縮器へ送られ、更に凝縮器からキャビネット内のチャネルを通過し、その後外気に向けてキャビネットの第2の開口部を通過する。凝縮器は、熱サイフォン内で浮力が流れを動かすことができるように、蒸発器の上方に配置されなければならない。モジュール内の冷却空気流は、モジュール前面にある入口から与えられ、モジュール背面にある出口へ向かってモジュールを通り抜ける。
【0011】
キャビネットの動作状態において、冷却空気はモジュールの上部を通って流れることができ、コンデンサは、熱サイフォンの凝縮器と同じく空気流における上部に配置され、IGBTのような電気および/または電子部品は、冷却空気流の外にある部品を冷却する蒸発器と共にモジュールの底部に配置される。したがって、冷却空気流は、蒸発器に妨害されず、コンデンサおよび凝縮器を効率的に冷却することができる。モジュールの底部の多くは空であるため、モジュールのコンパクトさおよびキャビネットのコンパクトさが限定され得るか、減らされ得る。
【0012】
モジュールのコンパクトさおよびキャビネットのコンパクトさは、コンデンサを収容するための全モジュール高を用いて改善され得るので、モジュールの上部においてのみのコンデンサの配置に比べてモジュールの幅を短くするか深さを浅くすることを可能とし、その結果、モジュール体積を減らして同数のコンデンサに関してコンパクトさを高める。
【0013】
本発明の一側面によれば、少なくとも2つのモジュールの投影は、キャビネットの垂直方向および水平方向にて定義される平面における背面上に配置され、垂直方向は水平方向に対する横断線である。投影は、キャビネットの垂直方向および水平方向にて定義される投影面上の、少なくとも2つのモジュールのパターンであると理解されるものである。したがって、少なくとも2つのモジュールは、本発明の要旨を逸れることなく、上記水平方向の方向において互いに置き換えることが可能となる。冷却空気は、キャビネットの作動状態において、上記の面を横断する方向に流れる。
【0014】
もし、少なくとも2つのモジュールを備えるキャビネットの内部における効率的な冷却およびコンパクトさが望まれるならば、冷却空気の大部分、例えば50%以上が各モジュールの前方からモジュールを通り、出口を介して各モジュールの後方を通り、空気対流によってキャビネットの第2の開口部に向かうとともに外気に向かって流れるように、少なくとも2つのモジュールが1つの平面に配置され、冷却空気がその平面を横断するかあるいはその平面に衝突するような電気および/または電子システムによって、この目的が達成され得る。
【0015】
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも2つのモジュールは、キャビネットの垂直方向に沿って互いに近接して配置され、冷却空気は、キャビネットの作動状態において、モジュールを通ってキャビネットの垂直方向を横断する方向に流れる。
【0016】
もし、効率的に冷却され得るキャビネットを備えるコンパクトな電気および/または電子システムが望まれるならば、キャビネットの第1の開口部を流れる冷却空気が垂直方向を横断する方向においてモジュールに衝突して流れ、冷却空気の大部分が各モジュールを通り抜けるように、少なくとも2つのモジュールをキャビネットの内側において垂直方向に沿って互いに近接して配置することにより、この目的が達成され得る。すなわち、モジュールは、キャビネットの内側で省空間な方法で配置され、一方でそれと同時に、第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分が各モジュールを通って流れることになる。必要ならば、各モジュールの効率的な冷却を提供する一方で、キャビネットの性能を向上させるべく追加のモジュールが互いに近接して配置されてもよい。
【0017】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールは、キャビネットの水平方向に互いに並んで配置され、この場合において垂直方向は水平方向に対する横断線である。冷却空気は、キャビネットの作動状態において、キャビネットの水平方向を横断する方向に流れる。
【0018】
キャビネットの内側においてモジュールをそのように配置することにより、キャビネットの入口を通って流れる冷却空気が各モジュールを効率的に冷却することを達成すると同時に、キャビネットの内側におけるモジュールのコンパクトな配置が達成され得る。
【0019】
もし、経済的な冷却を提供する一方で、キャビネット内のモジュールの順応性の有る配置が望まれるならば、少なくとも2つのモジュールはキャビネットの横方向に沿って互いに並んで配置されてもよく、この場合において横方向は垂直方向および水平方向に対する横断線であり、冷却空気はキャビネットの作動状態においてキャビネットの横方向を横断する方向に流れる。
【0020】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールは、少なくとも1つのモジュール行と、少なくとも1つのモジュール列とを有するマトリクス型でキャビネットハウジング内に配置される。
【0021】
キャビネットハウジングの内部において少なくとも2つのモジュールをそのように配置することにより、複数のモジュールを備えた順応性の有る電気および/または電子システムが提供され、この場合には、電気および/または電子部品を備える各モジュールの効率的かつ経済的な冷却を提供すると同時に、最適な方法でキャビネットの内部の空間を使用することによって各モジュールがキャビネットから簡単に交換可能となる。すなわち、順応性が有りかつ経済的な顧客固有のキャビネットの構成およびサービスが提供され得る。
【0022】
もし、キャビネットの内部空間の使用をさらに最適化し、キャビネットの内部にできるだけ多くのモジュールを搭載することが望まれるならば、マトリクスは、キャビネットの水平方向に延びる少なくとも1つのモジュール行と、キャビネットの垂直方向に延びる少なくとも1つのモジュール列とを有する矩形マトリクスとしてもよい。
【0023】
本発明の他の側面によれば、キャビネットは、前記少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つのモジュール(実施形態においては少なくとも2つのモジュール)を含む少なくとも1つのモジュールブロックと、モジュールブロック容器と、をさらに備える。少なくとも2つのモジュールは、電気モジュールブロックコネクタの数がモジュールブロックの内側のモジュールの数と無関係に一定となり得るように、モジュールブロックの外側から、あるいは内側またはモジュールブロックの内側の少なくとも一方から、コネクタを介して電気的に接続可能である。それぞれのモジュールの入口に冷却空気を案内するための前記モジュールブロック容器は、冷却空気の流れを受け取るための第1のポートを備え、モジュールブロック容器は、キャビネットの作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2のポートを備える。モジュールブロックは、変換器モジュールとしてもよい。
【0024】
換言すれば、少なくとも2つのモジュールは、冷却空気を取り込むための第1のポートと、キャビネットの作動状態において各モジュールの入口を通り、モジュールを通り、そして各モジュールの出口に向かった後の冷却空気を排出する第2のポートと、を備えるモジュールブロックに搭載され得る。
【0025】
そのようなモジュールブロックを提供することにより、必要十分な冷却を提供すると同時に、モジュールブロック内で少なくとも2つのモジュールを組み合わせることによって、キャビネット内に配置される所望の数のモジュールが、迅速にキャビネットの内部に挿入され得ることが達成され得る。
【0026】
また、モジュールブロックは、奇数のモジュールがキャビネットハウジング内に求められる場合にも、キャビネットハウジング内にモジュールブロックを排他的に設けることを可能とする1つのみのモジュールを備えてもよい。
【0027】
モジュールブロックは1つのみモジュールを含んでもよいので、例えば、モジュールを1つのみ含む追加のモジュールブロックを要するキャビネット内の電気および/または電子システムのためにいくらかの特定の数のモジュールが必要とされる場合において、排他的なモジュールブロックを備えるキャビネットハウジングが提供され得ることが達成され得る。
【0028】
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも2つのモジュールを含む少なくとも1つのモジュールブロックは、引き出しのような方法でキャビネットに挿入可能かつ配置可能である。その目的のために、少なくとも2つのモジュールはそれぞれ第1のガイド手段を有し、キャビネットは第2のガイド手段を有する。第1のガイド手段および第2のガイド手段は、少なくとも1つのモジュールブロックおよび少なくとも2つのモジュールが、ラックのようにキャビネットに入れられ、引き出されることが可能となるように形成される。
【0029】
もし、複数のモジュールの簡素で、順応性が有り、かつ効率的なキャビネットからの交換、例えばモジュールあるいはモジュールブロックのメンテナンスを達成することが望まれるならば、この目的は、少なくとも1つのモジュールブロックがキャビネットに挿入可能かつ配置可能である電気および/または電子システムによって達成され得る。
【0030】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つのモジュールブロックは、少なくとも1つのモジュールブロック行と少なくとも1つのモジュールブロック列とを含むマトリクス型でキャビネット内に配置される。
【0031】
キャビネットハウジングの内部にそのようなモジュールブロックの配置を与えることにより、効率的かつ経済的な冷却を提供すると同時に、キャビネットハウジングの内部におけるモジュールブロックのコンパクトな搭載が達成され得る。
【0032】
もし、キャビネットハウジングの内部におけるモジュールブロックについて、順応性が有り、コンパクトかつモジュール形式の配置が望まれるならば、マトリクスは、キャビネットの水平方向に延びる少なくとも1つのモジュールブロック行と、キャビネットの垂直方向に延びる少なくとも1つのモジュールブロック列とを有する矩形マトリクスとしてもよい。
【0033】
本発明の他の側面によれば、モジュールブロックは、第1のポートおよび少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの入口と、第2のポートおよび少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの出口と、のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第2のファンを備える。
【0034】
換言すれば、第2のファンは、第1のポート、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの入口、第2のポート、または、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つの出口あるいは第1のポートおよび入口あるいは第2のポートおよび出口、または、第1のポートおよび出口、または、第2のポートおよび入口、または、第1のポートおよび第2のポート、または、入口および出口、のいずれかに配置され得る。
【0035】
もし、例えば各モジュールを通って流れる冷却空気の速度および量を高めることにより、キャビネットを備える電気および/または電子システムのさらに効率的な冷却を達成することが望まれるならば、上記の第2のファンを設けることによりこの目的が達成され得る。
【0036】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つは、入口および出口のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第1のファンを備える。
【0037】
上記第1のファンを設けることにより、ファンを有さないキャビネットを備える電気および/または電子システムと比較して、単位時間当たりにより多くの冷却空気あるいは空気がキャビネットの内部における少なくとも1つのモジュールを備えるモジュールブロックあるいは各モジュールを通り抜けることが可能となるので、空気流によるキャビネットの冷却効率が改善される。
【0038】
本発明の他の側面によれば、キャビネットは、第1の開口部および第2の開口部のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第3のファンをさらに備える。
【0039】
第1の開口部と第2の開口部に上記第3のファンを設けることにより、キャビネット、モジュールブロックおよびモジュールのそれぞれを通り抜ける単位時間当たりの冷却空気の量が増えるので、冷却空気によるキャビネットの冷却が増強され得ることが達成され得る。
【0040】
本発明の他の側面によれば、蒸発器が凝縮器に対し、傾斜軸に関して傾斜角度に傾けられる。少なくとも1つの電気および/または電子部品は、少なくとも1つの電気および/または電子部品が入口と出口との間に位置するように、蒸発器の平面状の第2の面と熱的に接続可能である。そのようにすることで、冷却空気流によって少なくとも1つの電気および/または電子を付加的に冷却することが可能となる。
【0041】
さらに、蒸発器は、蒸発器の第2の面の下方で同面に平行して延びる複数の第1の導管を備える。蒸発器の好適な実施形態において、熱サイフォン熱交換器全体の良好な熱効率に寄与すべく、蒸発器の第1の導管は、冷媒が対流沸騰によって蒸発されるように寸法が決められる。
【0042】
凝縮器は、キャビネットの作動状態において前記冷却空気の大部分が凝縮器の平面形状の第1の面を横断する流れ方向に流れ、第1の熱負荷の大部分を冷却空気に伝達するように、入口と出口との間に配置される。冷却空気流の大部分が凝縮器を通って流れることを可能とするために、凝縮器は、例えば構成要素の間に開口を有する網目状の構造にて特徴付けられる。網目状の凝縮器の内面が熱サイフォン内における相変換冷媒との接触面を形成する一方で、上記開口は冷却空気流との接触面を形成する。
【0043】
もし、冷却空気によるキャビネットのより効率的で改善された冷却の達成が望まれるならば、これは、それぞれが熱サイフォン冷却器を有する少なくとも2つのモジュールを含むキャビネットを備え、モジュールの水平方向あるいはモジュールの垂直方向のいずれかに関して蒸発器を凝縮器に対して傾けることに起因して、蒸発器により阻止されるモジュール内の凝縮器の空気流断面がより小さくなるように、凝縮器に対して蒸発器が傾けられたる電気および/または電子システムによって達成され得る。蒸発器は、凝縮器に対して、例えば凝縮器を通る最も効率的な空気流を与える90°の角度で傾斜軸に関し傾けられ、この場合にはキャビネットの作動状態において蒸発器により阻止される凝縮器の空気流断面が可能な限り小さくなる。傾斜角は、各モジュールの内部における電気および/または電子部品の最適で効率的な冷却および熱除去を提供すべく、30°より大きくかつ150°より小さい値とすることができる。凝縮器は、熱サイフォン冷却器の作動状態において熱サイフォン冷却器の冷媒の動きが重力により与えられるように、蒸発器の複数の第1の導管と流体的に接続される凝縮器の複数の第2の導管によって、蒸発器と流体的に接続される。蒸発器は、凝縮器602をオフセットする位置に配置されてもよい。オフセットとの用語は、凝縮器と蒸発器の双方が同じ方向性を持つ場合、すなわち凝縮器の第1の面と蒸発器の第2の面とが同じ方向を向く場合における、蒸発器に対する凝縮器の軸方向変位量との意味に狭く解釈されるべきものではない。本発明の開示の内容においては、オフセットとの用語は、第1の面と第2の面の垂線が互いに横断するように、凝縮器の第1の面が蒸発器の第2の面に対し他の方向に向けられた熱サイフォン冷却器を含むものである。
【0044】
モジュールの上部に配置された凝縮器に対して傾斜されていない蒸発器がモジュールの底部に配置され、キャビネットおよびモジュールの作動状態にて冷却空気が上部および底部でコンデンサを冷却するためにモジュールの入口を通り、上部において凝縮器を抜け出るように上部および底部を通って流れるモジュール、の内部で生じ得る凝縮器における冷却空気の速い空気速度と高い圧力降下とは、凝縮器に対して蒸発器を傾けた配置により防がれ得るか、少なくとも減らされ得る。もし、圧力降下をさらに増加させるディフューザが凝縮器の後方に存在しないならば、凝縮器の後方の自由噴流における動圧ρv2/2が消失することを避け得る。
【0045】
凝縮器に対して傾けられた蒸発器を備える熱サイフォン冷却器を各モジュール内に設けることにより、モジュールおよびキャビネットの低いコンパクトさや、一般的なヒートシンクに比べた凝縮器における冷却空気流の高い圧力降下という欠点を有することなく、キャビネット内のモジュールのモジュール形式による配置、各モジュール内の熱サイフォン冷却器によるキャビネット二層冷却、および空気流管理の利点が活用され得る。
【0046】
もし、モジュールの内部に配置された電気または電子部品からの熱負荷の簡素かつ効率的な交換あるいは伝達が望まれるならば、モジュールの水平方向および垂直方向に対する横断線である横方向に延びる平面形状の第2の面を有する蒸発器を設け、その結果凝縮器に伝達される電気または電子部品の熱負荷の大分部を受け取ることにより、この目的が達成され得る。
【0047】
本発明の他の側面によれば、少なくとも2つのモジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの電気および/または電子部品と電気的に接続された少なくとも1つの電気コンデンサを備え、少なくとも1つのコンデンサの作動状態において少なくとも1つの電気コンデンサによって生成されかあるいは生成可能な第2の熱負荷の大部分は、キャビネットの作動状態において出口を通る冷却空気によって除去可能である。
【0048】
そのようなキャビネットを備える電気および/または電子システムを提供することにより、IGBTのような電気および/または電子部品によって生成された第1の熱負荷と、モジュール内の少なくとも1つのコンデンサによって生成された第2の熱負荷とが、入口を通り、ガイド機構に案内されて各モジュールを通り、各モジュールの出口に向かい、それによってモジュール内のコンデンサと凝縮器を通過して流れる冷却空気によって除去可能となり得ることが達成され得る。コンデンサは、いくつかの物理的なコンデンサによって構成されてもよい。 一般的に、要求される電圧を得るためにn(物理的)のコンデンサが直列に取り付けられ、要求される容量を得るためにmのコンデンサが並列に取り付けられる。多くの部品が存在するならば、モジュールは、1またはいくつかのIGBTモジュールと、n×mのコンデンサを含むコンデンサバンクとを物理的に備えてもよい。
【0049】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つの電気コンデンサは、底面および上面を備える円筒形状のコンデンサ本体を有し、垂直方向に対する横断線である少なくとも2つのモジュールそれぞれの垂直方向あるいは水平方向において、前記円筒形状のコンデンサ本体が底面から上面に延びる。コンデンサ本体は、長尺のコンデンサ本体であり、必ずしも円筒形状の本体である必要はない。垂直方向に方向付けられるかあるいは延びるいくつかのコンデンサの複数の層、あるいは、水平方向に方向付けられるかあるいは延びるいくつかのコンデンサの複数の層が、それぞれのモジュールに配置され得る。
【0050】
もし、コンデンサの作動状態においてコンデンサによって生成される第2の熱負荷の経済的で効率的な除去が望まれるならば、垂直方向あるいは水平方向に延びる円筒形状のコンデンサ本体を横断して冷却空気が流れるように配置された円筒形状のコンデンサ本体あるいは長尺のコンデンサ本体を備えるコンデンサを与えることによって、この目的は達成され得る。
【0051】
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも1つの電気コンデンサは、入口と、凝縮器の平面形状の第1の面および蒸発器の平面形状の第2の面のうちの少なくとも1つとの間に配置される。
【0052】
換言すれば、IGBTモジュールのような電気および/または電子部品を冷却する熱サイフォンがコンデンサの下流に配置され、それは、IGBTを冷却しているときよりもコンデンサを冷却しているときの方が冷却空気が冷たいことを意味する。そのような配置は、特にコンデンサが電解型である場合のように、例えば30年という長寿命を達成するためにコンデンサを特に冷たく保つ必要がある場合に有利となり得る。電解コンデンサは、その低いコストと高い出力密度のために好まれ得る。さらに、一般的には損失の大部分がIGBTによって生じ、損失の小部分のみがコンデンサによって生じる。これは、凝縮器に入る冷却空気は、コンデンサによって僅かに予熱されるだけであることを意味する。もし、コンデンサが凝縮器の下流にあるならば、冷却空気はコンデンサに到達した際には強力に予熱されていることになるため、寿命を縮める結果となる。
【0053】
もし、各モジュールおよびキャビネットの作動状態において、コンデンサによって生成される第2の熱負荷およびIGBTのような電気および/または電子部品によって生成される第1の熱負荷からの最も効率的な熱除去が望まれるならば、モジュールの作動応対において蒸発器の電気部品が凝縮器よりも多量の熱を生成する場合に、コンデンサを通る冷却空気が少量の熱のみを取り込み、さらにモジュール内の熱サイフォン冷却器の凝縮器を通ることで電気および/または電子部品から多量の熱を除去することができるように、電気コンデンサを入口と凝縮器あるいは蒸発器との間に配置することによって、この目的は達成され得る。
【0054】
もし、コンデンサと電気および/または電子部品の冷却が効率的であることが望まれるならば、少なくとも1つの電気コンデンサが、入口と凝縮器との間に少なくとも部分的に配置された第1のコンデンサと、凝縮器と出口との間に少なくとも部分的に配置された第2のコンデンサとを備える電気および/または電子システムが提供され得る。これにより、冷却空気は、電気および/または電子部品を冷却しているときよりも入口と凝縮器との間のコンデンサを冷却しているときの方が冷たくなるが、出口と凝縮器との間に配置された第2のコンデンサを冷却しているときの方が電気および/または電子部品を冷却しているときよりも冷たくなくなる。
【0055】
もし、効率的かつ経済的な冷却を可能とする一方で、モジュール内の蒸発器においてさらなる電気および/または電子部品のコンパクトかつ省空間な配置を提供することが望まれるならば、少なくとも1つの電気および/または電子部品が熱的に接続された蒸発器の平面形状の第2の面と反対の、蒸発器の平面形状の第3の面に対して、少なくとも1つのさらなる電気および/または電子部品を熱的に接続することにより、この目的が達成され得る。
【0056】
上述の実施形態および側面は、各モジュール内における重力駆動の熱サイフォンを好適に提供し、この場合には電動の熱サイフォンが不要となり得る。キャビネットのモジュールの作動状態において少量の圧力降下のみを生じるような、各モジュールを通る広い空気流断面が与えられ得る。モジュール内における空間の効率的な使用、また、それ故にキャビネット内における高いコンパクトさが提供され得る。キャビネット内のモジュールあるいはモジュールブロックの様々な配置に関する上述の側面および実施形態に係る電気および/または電子システムは、高さ方向(垂直方向)のみにおける形成因子に対して影響を持つとともに追加され得るコンデンサのために必要とされる余分な空間に比例するモジュールの出力を設計することを考慮に入れることができる。したがって、IGBTモジュールのような追加の電気および/または電子部品を収納するための既存の空間内で蒸発器の長さを横方向に延ばすことにより、また、凝縮器を垂直方向に延ばすことにより、モジュールの高さを増大させ、高い冷却の必要性に応じたモジュールの出力設計が達成され得る。モジュールの余分な高さは、追加のモジュールコンデンサのために必要であり、使用される。深さ(水平方向に延びる)、幅(横方向に延びる)およびモジュールの基本設計は、同様のままとすることができる。キャビネット内におけるモジュールの上述の配置可能性は、モジュールが変換モジュールであるモジュール多階層変換器(modular multi-level converters)に適した例である。
【0057】
ところで、“電子部品”との用語は、この開示の内容において、例えば工場や輸送機関にエネルギーを供給するための駆動装置や変換器における電力モジュールにおいて使用できるような、ブロック電圧が500V以上であるダイオード、サイリスタ、および他の半導体要素として使用される電力部品と解釈される。
【0058】
上述のいかなる実施形態においても、蒸発器がいくつかの第1の導管を有すると有利である。仮にこれらの第1の導管が同じ外側断面を有するならば、各第1の導管が異なる外側断面を有する場合よりも、蒸発器を製造するに際してより有利である。全ての第1の導管の断面が同一であるならば、特に複雑性の点において有利な蒸発器を得ることが可能である。仮に全ての第1の導管がそれらのチューブ形状によって定義される縦軸の方向において実質的に同じ長さを有するならば、導管が互いに同一であるために、最も経済的に蒸発器を製造することが可能となる。
【0059】
電気および/または電子部品から第1の導管への最適な熱伝達を保障するために、仮に蒸発器が電気および/または電子部品を熱的に接続可能な最適な平面状の取付面を提供するための取付面を有する熱伝達要素を備えると有利である。熱伝達要素は、複数の第1の導管と機械的かつ熱的に接続される。電気および/電子部品のための取付面を形成する平面状の第2の面は、熱伝達要素上に設けられる。取付面の反対側には、第1の導管を受けるための複数の溝が設けられる。溝の形状は、電気および/電子部品から第1の導管への最適な熱伝達を提供すべく、断面を見た場合において第1の導管の外壁の形状と整合するように選択される。複数の溝は、第1の導管が延びる横方向から見たときに、櫛状の断面を熱伝達要素に与える。熱伝達要素は、好ましくはアルミニウムおよび/または銅を含む高熱伝達材料からなる。もし、蒸発器に熱的に接続される必要がある電気および/または電子部品が多過ぎて、取付面上の取り付けスペースが狭すぎるならば、蒸発器を十分に凝縮器への熱伝達に対処可能とする追加の熱伝達要素にて追加の取付面が与えられるように、櫛状の断面を有する2つの熱伝達要素を選択して互いに反対に取り付けてもよい。このようにして、全寸法の点において特にコンパクトなモジュール(電力モジュール)を得ることが可能である。そのような熱伝達要素を使用する追加の効果が、例えば一括ろう着(one-shot brazing)によって第1の導管を機械的に強固な構造と接続する前において第1の導管を組み立てる際に、ゲージとして使用できる点にある。ところで、熱交換器コアの全要素の一括ろう着、搭載、および組み立ては、完全に自動化された方法で行われ得る。
【0060】
上述のいかなる実施形態においても、凝縮器がいくつかの第2の導管を有する場合も有利である。仮にこれらの第2の導管が同じ外側断面を有するならば、各第2の導管が異なる外側断面を有する場合よりも、凝縮器を製造するに際してより有利である。全ての第2の導管の断面が同一であるならば、特に複雑性の点において有利な凝縮器を得ることが可能である。仮に全ての第2の導管がそれらのチューブ形状によって定義される縦軸の方向において同じ長さを有するならば、導管が互いに同一であるために、最も経済的に蒸発器を製造することが可能となる。
【0061】
第1の導管と第2の導管を製造するための少なくとも極めて同種かつ同型のプロファイルを採用することは、製造工程をさらに簡素化するので、さらに有利である。プロファイルは、好適には、例えば押し出しアルミニウムプロファイルのような半製品である。
【0062】
第1の導管の方向に関しては、蒸発器を断面視した際に、各第1の導管が基本的に互いに平行に延びるように蒸発器内に配置されることが、以下の理由により有利である。
【0063】
・ 第1に、実質的に平らな外面部分を有する導管は、円形の断面を有する導管に比べて、機械的により容易な熱伝達要素への取り付けを可能とする。単純な用語で表現すると、実質的に平らな外面部分を有する導管は、導管および多岐管および/または熱伝達要素の組み立て工程を容易にする。
【0064】
・ 第2に、実質的に平らな外面部分を有する導管は、円形の断面を有する導管に比べて、接触面積がより大きいために、冷却対象である電力部品や追加のそのような部品を、より直接的に冷却されるように熱的に取り付けることを可能とする。
【0065】
また、第2の導管の方向に関しては、凝縮器を断面視した際に、複数の第2の導管が基本的に互いに平行に延びるように凝縮器内に配置されることが、以下の理由により有利である。
【0066】
・ 第1に、空気流の圧力降下は、凝縮器を通る空気流の流れ方向と平行に延びる第2の導管の、例えば楕円形である長尺の断面によって、最低限に抑えられ得る。
【0067】
・ 実質的に平らな外面部分を有する導管は、円形断面を有する導管に比べて、接続先である隣接する多岐管へのより容易な機械的な取り付けを可能とする。
【0068】
いくつかの理由により、第1の導管および第2の導管として平らなマルチポートの管を使用することが有利である。これは、マルチポートが共通する平面に配置されている場合に特に当てはまる。そのような平らな管、すなわち楕円形の外断面を有するプロファイルは、一般的な円筒状の丸い外断面を有する管に比べて、空気流の圧力降下の発生が少ない。マルチポートのプロファイルは、自動車の冷却器の分野において低コストな標準の押し出しアルミニウムベースのプロファイルとして知られたMPEプロファイルとしても知られている。導管のマルチポート設計は、1つの単孔あるいはチャネルのみを有する一般的な管あるいはプロファイルと比べて、作用流体と接触するその高湿の表面に起因して内部熱伝達を促進する点で有利である。さらにそれは、気泡膨張効果を促進し、比較的大きな断面を有するチャネルに比べてより高い(内部の)蒸気圧へその圧力抵抗を高める点で理想的である。さらに、マルチポートのプロファイルの複数のサブチャネルは、対流沸騰効果が最大限に高まるように補助する。
【0069】
特に機械的な複雑さが低い基本的な熱サイフォン冷却器は、蒸発器のプロファイル、すなわち第1の導管が傾斜軸と平行に延びる場合に達成され得る。
【0070】
熱交換器の作動状態において、冷媒の動きが重力によって与えられる場合、第2の導管が少なくとも部分的に地球の重力の作用方向に延びる3次元空間内に熱交換器を設計し、配置すると有利である。実施形態によっては、蒸発器が水平方向に延びる場合において、凝縮器のプロファイルを、傾斜軸を横断するように延ばすことができる。
【0071】
特に、所定の流れ方向を有する冷媒の動きが要求される熱サイフォン熱交換器の実施形態において、熱交換器の部品の寸法を非対称、例えば蒸発器多岐管の断面を復水多岐管の断面よりも大きくなるように寸法決めすることにより、所望されない方向における冷媒の自然のチェックバルブ作用を定義することが可能である。いくつかの第1の導管および/またはいくつかの第2の導管がそれらの一端にて多岐管と流体的に接続された熱交換器の実施形態において、仮に多岐管が、導管を受けるオリフィスが取り付けられる丸い管状の断面を有するならば有利である。多岐管の円形の内断面によって、線形の導管要素は、押し出しプロファイルを切り離され、各オリフィス内に挿入されることが可能である。そのようにすることで、多岐管の内壁が線形の導管要素に対する自然の障壁を形成し、その中で、挿入された線形の導管が多岐管の内部空間を切り離さないように、挿入時において多岐管の横端によって塞がることとなる。1つの線形導管の全断面積が多岐管の全内断面の約5〜10%である場合に優れた熱的性能を得られることを、実験が示した。
【0072】
以下の2つの特性は、モジュールのコンパクトさと、そのようなモジュールに合う上位の構成要素とに実質的に寄与する。
【0073】
第1に、第1の導管が熱伝達要素の最大厚さからはみ出ないか僅かにはみ出るだけとなるような、好適には完全に平坦な、例えば熱伝達要素のオリフィスと嵌め合う長方形あるいは楕円形である断面を第1の導管が備える。したがって、熱伝達要素の最大厚さは、蒸発器の平面状の第2の面と垂直な方向に与えられる全蒸発器厚さの主要因を形成し、この場合において蒸発器の第2の面は、熱伝達要素の背面側にある電気/電子部品の熱的な取付面によって形成される。特に、第2および第3の多岐管が熱伝達要素の厚さよりも小さいか、あるいは最大限に同等の直径を有し、第2の主法線方向において熱伝達要素に対し相対的に移動されることがないように前記各多岐管が熱伝達要素のわきに配置される場合の実施形態においては、最終的に熱伝達要素によって最小の蒸発器厚さが決まることになる。
【0074】
換言すれば、第1の導管は、厚切状の平板形状の全体外観を有するような蒸発器内において方向付けられるとともに形作られ、この場合において、最大厚さ対最高幅比(maximum-thickness-to-maximal-width-ratio)が平らな平面状の全体外観を蒸発器に与えるように、蒸発器の平面状の第2の面に垂直な第2の主法線方向に延びる蒸発器の最大厚さを、蒸発器の第2の面における第2の主法線方向に垂直な横方向に延びる蒸発器の最大全幅よりも小さくする。
【0075】
コンパクトさや熱伝達容量の要求に応じて、蒸発器の最大厚さは、蒸発器の最大全幅の50%未満、好ましくは蒸発器の最大全幅の30%未満、さらに好ましくは蒸発器の最大全幅の20%未満に調整する。他の表現によると、蒸発器(604)の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:aの範囲にあり、aは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である。
【0076】
“蒸発器の幅”との用語は、水平方向すなわちモジュールの奥行き方向における第1の導管の長さと、第2の多岐管の厚さと、水平方向に延びる第3の多岐管の厚さとの合計、あるいは、横方向すなわちモジュールの幅方向における複数の第1の導管の全寸法、のいずれか一方によって定義される最大寸法であると解釈される。
【0077】
電気/電子部品から熱サイフォン内の相変換冷媒への熱伝達手段の基本的な機能を維持するために、第1の導管の数は、蒸発器の最大厚さに応じた特定の範囲に収めなければならない。熱流の所定量の実例を与えるべく、蒸発器の第1の実施形態における最大厚さは、より少ない第1の導管を有する蒸発器の第2の実施形態における最大厚さと比べて多くの第1の導管が存在するならば、低く抑えられてもよい。
【0078】
電気/電子部品を蒸発器と熱的に接続するために必要な最小限の取付空間しか存在しないこともあるので、蒸発器の幅および面積に関する特定の第1の最小閾値が設定される。電気/電子部品と、冷却対象である、および/または、一側面で凝縮器と蒸発器とによって定められる空間に配置されかつ第2の主法線方向におけるモジュールの全厚を与えられるだけである他の装置(例えばコンデンサ)とは、凝縮器の最大幅を超えるべきではないので、蒸発器の第2の面と凝縮器の末端部との間に延びる第2の最小閾値が設定される。第2の最小閾値が小さいほど、蒸発器の最大厚さを大きくすることができる。
【0079】
第2に、第2の導管は、第2の導管が凝縮器の(仮想の外面の)最大厚さからはみ出ないか僅かにはみ出るだけとなるような、好ましくは完全に平らな断面、例えば熱伝達要素のオリフィスと嵌め合う長方形あるいは楕円形の断面を有する。したがって、第2の導管の断面における前記最大伸長は、凝縮器の平面状の第1の面と垂直な方向に与えられる全凝縮器厚さの主要因を形成し、この場合において凝縮器の第1の面は、傾斜配置により、蒸発器の第2の面に対する横断線として延びる。特に、第1および第5の多岐管が第2の導管の断面の最大伸長よりも小さいか最大限に同等の直径を有し、第1の主法線方向において第2の導管に対し相対的に移動されることがないように前記各多岐管が一連の第2の導管のわきに配置される場合の実施形態においては、最終的に第2の導管によって最小の凝縮器厚さが決まることになる。
【0080】
換言すれば、第2の導管は、厚切状の平板形状の全体外観を有するような凝縮器内において方向付けられるとともに形作られ、この場合において、最大厚さ対最高幅比が平らな平面状の全体外観を凝縮器に与えるように、凝縮器の第1の面に垂直な第1の主法線方向に延びる凝縮器の最大厚さを、凝縮器の第2の面における第1の主法線方向に垂直な横方向に延びる凝縮器の最大全幅よりも小さくする。他の表現によると、凝縮器の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:aの範囲にあり、aは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である。
【0081】
コンパクトさや熱伝達容量の要求に応じて、凝縮器の最大厚さは、凝縮器の最大全幅の50%未満、好ましくは凝縮器の最大全幅の30%未満、さらに好ましくは凝縮器の最大全幅の20%未満に調整する。
【0082】
“凝縮器の幅”との用語は、垂直方向すなわちモジュールの高さ方向における第2の導管の長さと、第1の多岐管の厚さと、垂直方向に延びる第5の多岐管の厚さとの合計、あるいは、水平方向すなわちモジュールの深さ方向における複数の第2の導管の全寸法、のいずれか一方によって定義される最大寸法であると解釈される。上述の方向は実施形態によって変化し、状況に応じて第2の導管の方向は横方向軸に関して回転される。
【0083】
熱交換器が一度使用中となったときに、熱サイフォン内の相変換冷媒から冷却空気流への熱伝達手段の基本的な機能を維持するために、第2の導管の数は、凝縮器の最大厚さに応じた特定の範囲に収めなければならない。熱流の所定量の実例を与えるべく、凝縮器の第1の実施形態における最大厚さは、より少ない第2の導管を有する凝縮器の第2の実施形態における最大厚さと比べて多くの第2の導管が存在するならば、低く抑えられてもよい。
【0084】
上述のように、電気/電子部品を蒸発器と熱的に接続するために必要な最小限の取付空間しか存在しないこともあるので、蒸発器の幅および面積に関する特定の第1の最小閾値が設定される。電気/電子部品と、冷却対象である、および/または、一側面で凝縮器と蒸発器とによって定められる空間に配置されかつ第1の主法線方向におけるモジュールの全長を与えられるだけである他の装置(例えばコンデンサ)とは、蒸発器の最大幅を超えるべきではないので、凝縮器の第1の面と蒸発器の末端部との間に延びる第3の最小閾値が設定される。第3の最小閾値が小さいほど、凝縮器の最大厚さを大きくすることができる。
【0085】
特に、例えば自然対流冷却に起因して冷却空気流が比較的弱いシステムに係る実施形態においては、冷却空気が網目状の凝縮器内の空間を通って凝縮器に入ることを凝縮器が阻止するかあるいは塞ぎ得るかもしれないので、凝縮器における圧力降下が小さいことが極めて重要である。冷却空気流が強制対流によって形成されるシステムにおいても、凝縮器における圧力降下が小さいことは、やはり非常に重要である。理由は、圧力降下が小さくなるほど、十分な空気流を生み出すためのファンを弱くできることにある。ファンをより弱くすると、一般的に寸法に関してファンが小さくなるとともに、ファンが安価となる。したがって、より小さいファンは、コンパクトなシステムに貢献する。さらには、より小さいファンは、より大きいファンに比べ、使用時にエネルギーをあまり消費せず、騒音も小さいために有利である。
【0086】
本発明の他の側面によれば、少なくとも1つの電気および/または電子熱源から熱を除去するための熱サイフォン冷却器がモジュール内に設けられてもよく、熱サイフォン冷却器は、凝縮器と、凝縮器の第2の導管と流体的に接続される少なくとも1つの第1の導管を有する蒸発器とを備え、凝縮器は、第1の主法線方向に対して平面形状の第1の面を備え、蒸発器は、第2の主法線方向に対して少なくとも1つの熱源を熱的に接続するための平面形状の第2の面を備える。蒸発器は、凝縮器をオフセットするように平行に延びる第1の位置と、第1の主法線方向および第2の主法線方向の間が30°より大きくかつ150°未満の角度となるように傾斜軸に関して凝縮器に対し傾いた第2の位置とのうちの少なくとも1つに配置される。
【0087】
角度は、90°の角度、基本的に90°の角度、鋭角、鈍角、さらには85°〜95°、60°〜120°、45°〜135°、60°〜90°、90°〜120°、45°〜90°、90°〜135°、0°〜45°,135°より大きい値から180°未満の値、の角度範囲によって構成されるグループから選択され得る。凝縮器の第2の導管は、熱交換器の作動状態において冷媒の動きが重力によって与えられるように形成される。
【0088】
本発明の他の側面によれば、凝縮器の第1の面は、熱サイフォン冷却器の水平方向および垂直方向によって定義される第1の平面に配置され、水平方向は熱サイフォン冷却器の横方向に対する横断線であり、かつ垂直方向に対する横断線である。蒸発器の第2の位置は、上記角度にて水平方向に関して傾けられる。
【0089】
本発明の他の側面によれば、凝縮器の第1の面は、熱サイフォン冷却器の水平方向および垂直方向によって定義される第1の平面に配置され、水平方向は、熱サイフォン冷却器の垂直方向に対する横断線であり、かつ垂直方向に対する横断線である。第2の位置において、蒸発器は、上記角度にて垂直方向に関して傾けられる。
【0090】
もし、全寸法に関するモジュール/電力モジュールのサイズが一方向に限られているが、蒸発器および/または凝縮器の熱容量がここに開示された1つの基本的な蒸発器および/または凝縮器の実現可能な最大熱伝達率を超え得る熱伝達率を必要とするならば、蒸発器および/または凝縮器を1つより多くの第1の導管の第1のセットあるいは第2の導管の第2のセットをそれぞれ備えるように設計し、前記セットが例えばEP2246654A1に開示されたように搭載される必要がある。
【0091】
本発明のこれらおよび他の側面は、以下に記載された実施形態を参照して説明され、明瞭になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0092】
発明の要旨は、添付図面に表された代表的な実施形態を参照しながら、以下の本文においてより詳細に説明される。
【図1】図1は、2つのスイッチと1つのコンデンサを備えるモジュールを概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るキャビネットを備える電気および/または電子システムの断面の正面図を概略的に示す。
【図3】図3は、図2の電気および/または電子システムの断面の側面図を概略的に示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムのモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子機器の他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子機器の他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子機器の他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係る熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視側面図を概略的に示す。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図12】図12は、図11の熱サイフォン冷却器の斜視背面図を概略的に示す。
【図13】図13は、本発明の他の実施形態に係る他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図14】図14は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器の断面の側面図を概略的に示す。
【図15】図15は、本発明の他の実施形態に係る2つの熱サイフォン冷却器を備える他の熱サイフォン冷却器の斜視側面図を概略的に示す。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に係る電気および/または電子システムのモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図17】図17は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムの他のモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図18】図18は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムのモジュールの一部の斜視正面図を概略的に示す。
【図19】図19は、図18の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。
【図20】図20は、本発明の他の実施形態に係る熱サイフォン冷却器を備える電気および/または電子システムのモジュールの断面の側面図を概略的に示す。
【図21】図21は、本発明の一実施形態に係るモジュールブロックの斜視正面図を概略的に示す。
【図22】図22は、図21のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図23】図23は、図21および図22のモジュールブロックの断面の背面図を概略的に示す。
【図24】図24は、図21、図22および図23のモジュールブロックの斜視背面図を概略的に示す。
【図25】図25は、本発明の他の実施形態に係るモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図26】図26は、本発明の他の実施形態に係る他のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図27】図27は、本発明の他の実施形態に係る他のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【図28】図28は、本発明の他の実施形態に係る他のモジュールブロックの断面の側面図を概略的に示す。
【0093】
各図で使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストとして要約形式で記載されている。
【0094】
原則として、同一の部分には同一の参照符号が付されている。
【0095】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1は、2つのスイッチ202および一つのコンデンサ204を備えるモジュール102を概略的に示す。モジュール102は、モジュラーマルチレベル変換器(modular multi-level converter:MMLC)あるいはモジュラー2レベル変換器(modular two-level converter:M2LC)とすることができ、スイッチ202はIGBTモジュールとすることができる。モジュール102は、引き出しのようなラックやキャビネットに挿入され得る箱型の要素であってもよい。キャビネット内において、多数のモジュールが行および列に配置されてもよい。
【0096】
図2は、冷却空気の流れを受け取るための第1の開口部(502,図示されず,図3参照)と、キャビネット400の作動状態においてその後の冷却空気を放出する第2の開口部(520,図示されず,図3参照)とを有するキャビネットハウジング406を含むキャビネット400を備える電気および/または電子システム200を概略的に示す。少なくとも2つのモジュール102は、各モジュール102が入口と出口を備えるガイド機構(615,図示されず,図4,図7参照)を含む。少なくとも2つのモジュール102は、前記キャビネットハウジング406の第1の開口部を通って流れる冷却空気の大部分が、各モジュール102のガイド機構に案内されて入口を介して出口に向けて各モジュール102に流れ込み、その後にキャビネット400の作動状態においてキャビネットハウジング406の第2の開口部に流れることが可能となるように、キャビネットハウジング406内に配置される。前記少なくとも2つのモジュール102のうちの少なくとも2つは、各モジュール102の作動状態において各モジュール102の少なくとも1つの電気および/または電子部品(202,図1参照,610,図4,7および16参照)によって生成される第1の熱負荷を受け取るための蒸発器をそれぞれ備える熱サイフォン冷却器(600,図示されず,例えば図4,図16参照)を含み、熱サイフォン冷却器はキャビネット400の作動状態において前記冷却空気に前記第1の熱負荷の大部分を伝達するための凝縮器を備える。
【0097】
各モジュール102は、垂直方向634と水平方向632とで定義される平面に配置され、垂直方向634は水平方向632に対する横断線である。冷却空気は、キャビネットの作動状態において上記平面を横断する方向に流れる。少なくとも2つのモジュール102は、キャビネット400の垂直方向634に沿って互いに近接して配置され、冷却空気はキャビネット400の作動状態においてキャビネット400の垂直方向634を横断する方向に流れる。少なくとも2つのモジュール102は、キャビネット400の水平方向632に互いに並んで配置され、垂直方向634は水平方向632に対する横断線である。冷却空気は、キャビネットの作動状態においてキャビネット400の垂直方向632を横断する方向に流れる。
【0098】
少なくとも2つのモジュール102は、キャビネット400の横方向630に沿って互いに並んで配置されてもよく、横方向630は垂直方向634および水平方向632に対する横断線である。冷却空気は、そのときキャビネット400の作動状態においてキャビネット400の横方向630を横断する方向に流れることができる。
【0099】
少なくとも2つのモジュール102は、少なくとも1つのモジュール行と、少なくとも1つのモジュール列とを有するマトリクス型でキャビネットハウジング406内に配置される。マトリクスは、キャビネット400の水平方向632に延びる少なくとも1つのモジュール行と、キャビネット400の垂直方向634に延びる少なくとも1つのモジュール列とを有する矩形マトリクスである。
【0100】
少なくとも1つのモジュールブロック402は、少なくとも2つのモジュール102のうちの少なくとも2つのモジュール102と、モジュールブロック容器715とを備える。少なくとも2つのモジュール102は、電気モジュールブロックコネクタの数がモジュールブロック402の内側のモジュール102の数と無関係に一定となり得るように、モジュールブロック402の外側あるいは内側からコネクタ(1402,図示されず,図24参照)を介して電気的に接続可能である。それぞれのモジュール102の入口に冷却空気を案内するためのモジュールブロック容器715は、冷却空気の流れを受け取るための第1のポート(508,図示されず,図25〜図28参照)を備える。モジュールブロック容器715は、キャビネット400の作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2のポート(506,図示されず,図25〜図28参照)を備える。モジュールブロック容器715は、垂直方向634に延びるモジュールブロック左面725およびモジュールブロック右面723と、同様に水平方向632に延びるモジュールブロック底面718およびモジュールブロック上面とを備える。
【0101】
図2における各モジュールブロック402は、水平方向632に沿って並んで配置された4つのモジュール102を備える。モジュールブロック402は、少なくとも1つのモジュールブロック行と少なくとも1つのモジュールブロック列とを含むマトリクス型でキャビネット406内に配置され、マトリクスはキャビネット400の水平方向632に延びる少なくとも1つのモジュールブロック行と、キャビネット400の垂直方向634に延びる少なくとも1つのモジュールブロック列とを有する矩形マトリクスである。
【0102】
特に、モジュールブロック402は、6つのモジュール行と3つのモジュール列とを有するマトリクスにて配置されている。モジュールブロック402は、横方向630にも沿って並んで配置されてもよい。
【0103】
キャビネットハウジング406は、垂直方向634に延びるキャビネット左面409およびキャビネット右面411を備え、さらに水平方向632に延びるキャビネット底面410およびキャビネット上面408を備える。キャビネット400は、キャビネット上面408に配置された第3のファン404をさらに備え(例えば、図3参照)、それはキャビネット400の第1の開口部の近傍にあってもよい。
【0104】
図3は、図2の電気および/または電子システム200の断面の側面図を概略的に示す。キャビネット400の第1の開口部502は、垂直方向634に延びるキャビネット前面413に配置され、キャビネットハウジング406の第2の開口部520は、キャビネット上面408に配置される。キャビネット背面412は、垂直方向634に延び、本発明の一側面によれば、第2の開口部520はキャビネット背面412にも配置されてもよい。第3のファン404は、第2の開口部520の上方に配置される。冷却空気は、キャビネット400の作動状態において、第1の開口部502を通って流れ方向510に流れ、そこから冷却空気の大部分はモジュールブロック容器715の第1の部分508を通るとともにモジュールブロック容器715に案内されて各モジュール102の入口に流れることが可能であり、そこからモジュールブロック容器715の第2のポート506を通って放出される。放出された冷却空気は、キャビネットの第2の開口部520に向けて、キャビネットチャネル512を通って放出流れ方向511に進み、第3のファン404に吸引されて第3の開口部504を通って外気540に運ばれ、冷却空気は基本的に横方向630に向く外気流れ方向514に放出される。また、第1の開口部502からの冷却空気をモジュールブロック406に通し、前記冷却空気の大部分を各モジュール102を通して第2の開口部520に送ることを可能とする第3のファン404が、第1の開口部502あるいは第1の開口部502および第2の開口部520の双方に配置されてもよい。第1のポート508は、垂直方向634に延びるモジュールブロック前面535に配置され、第2のポート506は、垂直方向634に延びるモジュールブロック背面536に配置される。
【0105】
図4は、冷却空気あるいは他の熱キャリアを、入口614を介してモジュール102に入り、ガイド機構615に案内されて出口616に向けて各モジュール102を通る流れ方向510に流れることを可能とする、入口614と出口を有するガイド機構615を備えるモジュール102を示す。放出された冷却空気は、その後、図2および図3に示されたキャビネットの作動状態において、キャビネットハウジングの第2の開口部に向けた放出流れ方向511に流れることができる。ガイド機構615は、ガイド部分619を備え、ガイド部分619は、IGBTのような電気および/または電子部品610に接続線621を介して複数の電気コンデンサ612のそれぞれを接続する電気バス・バー(electrical bus bar)とすることができる。コンデンサ612のそれぞれは底面611および上面613を備える円筒形の本体609を有し、前記円筒形の本体609はモジュール102の垂直方向634に底面611から上面613へと延び、垂直方向634はモジュール102の横方向630および水平方向632に対する横断線であり、ガイド部分619は横方向630に延びる。コンデンサ本体609は、円筒形状ではない長尺のコンデンサ本体であってもよい。
【0106】
電気および/または電子部品610は、例えば螺子のような取付装置608によって熱サイフォン冷却器600の蒸発器604に取り付けられる。熱サイフォン冷却器600は、凝縮器602をさらに備える。熱サイフォン冷却器600は、モジュール102の作動状態において、電気および/または電子部品610から熱を取り除く。蒸発器604は、各モジュール102の作動状態において各モジュール102の電気および/または電子部品610によって生成された第1の熱負荷を受け、凝縮器602は、キャビネットおよびモジュール102の作動状態において流れ方向510に流れる冷却空気に前記第1の熱負荷の大部分を伝達する。凝縮器602は、平面形状の第1の面601を第1の主法線方向603に備え、蒸発器は少なくとも1つの電気および/または電子部品610を熱的に接続するための平面形状の第2の面606を第2の主法線方向605に備える。蒸発器604は、傾斜軸622に関し、凝縮器に対して180°の角度620に傾けて配置される。第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度は0°であり、主法線方向603,605は横方向630において互いに平行に延びる。
【0107】
少なくとも1つの電気コンデンサ612は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610と電気的に接続され、少なくとも1つの電気コンデンサ612によって生成可能な第2の熱負荷の大部分は、キャビネットおよびモジュール102の作動状態において出口616を通る冷却空気によって除去可能である。ガイド機構615は、垂直方向634に延び、出口616と入口614とを有するモジュール背面636とモジュール前面635とをさらに備える。ガイド機構615は、横方向630に延びるモジュール底面618とモジュール上面617とをさらに備える。コンデンサ612は、互いに平行に配置され、さらにモジュール102の上部において入口614および出口616と平行な垂直方向634に延びる凝縮器602と平行に配置されているので、流れ方向510に流れる流入冷却空気流はコンデンサ612を通過し、その後に蒸発器604によって逸らされることなく、横方向630に凝縮器602を通って出口616に流れる。蒸発器604および電気および/または電子部品610は、垂直方向634にも延び、モジュール102の底部において凝縮器602およびコンデンサ612の下方に配置されているので、コンデンサ612に占有されないモジュール空間670が存在する。
【0108】
図5は、図4に示したモジュールと同様の部品を備えるモジュール102の断面図を概略的に示しており、蒸発器604が凝縮器602に対して傾けられ、凝縮器602が入口614と出口616との間に配置されることによって、キャビネットおよびモジュール102ぞれぞれの作動状態において冷却空気の大部分が凝縮器602の平面形状の第1の面601を横断する流れ方向510に流れて凝縮器602を通り、モジュール102の作動状態にて少なくとも1つの電気および/または電子部品610によって生成される第1の熱負荷の大部分が冷却空気に移動する。蒸発器604は、横方向630に延びる平面形状の第2の面606を備え、横方向630は、モジュール102の垂直方向634および水平方向632に対する横断線である。コンデンサ612および凝縮器602の平面形状の第1の面601は、平行に配置されるとともに、水平方向632に延びる。同様に、入口614および出口616は、水平方向632に延びる。モジュール102のガイド機構615は、モジュール左面625およびモジュール右面623を備える。
【0109】
蒸発器604は、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度620を約90°にして、凝縮器602に対して傾けて配置される。蒸発器604は、傾斜軸622に関する角度620にて、垂直方向634に関して曲げられるか或いは傾けられている。凝縮器602の第1の面601は、熱サイフォン冷却器600の垂直方向634と水平方向632とで定義される第1の平面に配置され、水平方向632は、モジュール102および熱サイフォン冷却器600それぞれの横方向630に対する横断線であるとともに、垂直方向630に対する横断線である。
【0110】
角度620は、30°よりも大きく、かつ150°よりも小さい角度にすることができる。角度620は、90°の角度、鋭角、鈍角、さらには85°〜95°、60°〜120°、45°〜135°、60°〜90°、90°〜120°、45°〜90°、90°〜135°、0°〜45°,135°より大きい値から180°未満の値、の角度範囲によって構成されるグループから選択されてもよい。凝縮器602から蒸発器604の間の冷媒の動きは、熱サイフォン冷却器600の作動状態において重力により与えられる。ガイド部分619は、横方向630に延び、コンデンサを電気および/または電子部品610に電気的に接続する。
【0111】
モジュール102の作動状態において冷却空気の流れを受け取るための入口614およびその後に冷却空気を放出するための出口616を有し、モジュール102の作動状態において冷却空気を、入口614を通り、そこからモジュール102へ、その後に出口616を通るように案内するためのガイド機構615を、モジュール102は備える。熱サイフォン冷却器600は、モジュール102の作動状態においてモジュール102の少なくとも1つの電気および/または電子部品610が生成する第1の熱負荷を受け取るための蒸発器604を備える。熱サイフォン冷却器600は、モジュール102の作動状態において、前記第1の熱負荷の大部分を前記冷却空気に伝達するための凝縮器602を備える。冷却空気の空気流に晒される広い断面積は、このようなモジュール102を備えることによって達成され得る。本発明のさらなる実施形態によれば、蒸発器604は、凝縮器602をオフセットする位置に配置されてもよい。少なくとも1つの電気コンデンサ612は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610に電気的に接続され、少なくとも1つの電気コンデンサ612によって生成される第2の熱負荷の大部分は、モジュール102の作動状態において出口616を通る冷却空気により除去される。
【0112】
図6は、図4のモジュールと同様のモジュール102の断面図を概略的に示しており、複数のコンデンサ612が図4のモジュール空間670に配置され、入口614が垂直方向において基本的にモジュール前面635の全体に亘って広がることにより、冷却空気が凝縮器602に隣り合うモジュール上方領域に存在する各コンデンサ612を通って横方向630における流れ方向510に流れるとともに、モジュール102の下方領域において蒸発器604に隣り合う各コンデンサ612を通って流れ、この流れを蒸発器604が阻むことにより凝縮器602における湾曲流れ方向513となり、全ての冷却空気が凝縮器602および出口616を通って出る点で相違する。これは、時として凝縮器602に高い圧力降下と速い空気速度とをもたらす。
【0113】
図7は、図6と同様のコンデンサ612の配置を有するモジュール102を概略的に示し、蒸発器604が凝縮器602に対して傾けられ、凝縮器602が入口614と出口との間に配置されることにより、キャビネットの作動状態において前記冷却空気の大部分が凝縮器602の平面形状の第1の面601を横断する流れ方向510に流れ、モジュール102の作動状態において電気および/または電子部品610によって生成される第1の熱負荷の大部分を冷却空気に伝達する。蒸発器604の傾斜は、図5に示された傾斜と同様であるが、蒸発器604が垂直方向632に関して曲げられるか或いは傾けられている点で相違する。電気コンデンサ612は、モジュール102の上方部分と下方部分とに配置され、少なくとも1つの電気および/または電子部品610とガイド部分619を介して電気的に接続される。コンデンサ612によって生成可能な第2の熱負荷の大部分は、モジュール102およびキャビネットそれぞれの作動状態において、出口616を介して流れ方向510に流れる冷却空気によって除去可能である。凝縮器602の第1の面601は、熱サイフォン冷却器600の垂直方向634と水平方向632とで定義される第1の平面に配置される。水平方向632は、熱サイフォン冷却器600あるいはモジュール102の横方向630に対する横断線であるとともに、垂直方向634に対する横断線である。蒸発器604は、凝縮器602に対して、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間が約90°の角度620となるように、ほぼ水平方向632に傾けられている。凝縮器に生じる冷却空気の高い圧力下降が除去され得るように、蒸発器604を90°に傾けることによってモジュール102が空気流を阻止する断面積を減らすことにより、さらに、高いコンパクト性を備えることにより、そのようなモジュール102は、コンデンサ612および電気および/または電子部品610の効率的な冷却を可能にすることができる。冷却空気は、凝縮器602において最小減の圧力降下しか生じずに、流れ方向510に流れるとともに、微小湾曲流れ方向515に流れる。
【0114】
図8は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610およびコンデンサから熱を取り除くための図7に係る熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示す。熱サイフォン冷却器600は、凝縮器602と、凝縮器602の複数の第2の導管902と流体的に接続された複数の第1の導管912を有する蒸発器604とを備える。複数の第1の導管912は、熱伝達要素900と機械的に接続されるとともに、熱的に接触する。これは、第1の導管912が延びる垂直方向から見たときに櫛型断面を熱伝達要素900が有することにより達成される。櫛型断面は、第1の導管912それぞれの部分を受けるために設けられた複数の溝によって、伝達要素900上に与えられる。蒸発器604は、凝縮器602をオフセットする第1の位置に配置されると同時に、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度620が90°となるように凝縮器602に対して傾く第2の位置に配置される。熱サイフォン冷却器600は、蒸発器604から凝縮器602に熱を伝達するための冷媒を備える。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続される。第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続され、前記第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第1の多岐管904に送るために、第4の多岐管908を介して第1の多岐管904と流体的に接続される。第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続され、前記第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を第2の多岐管914に送るために第6の多岐管910を介して第2の多岐管914と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第3の多岐管916および第2の多岐管914の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管902を通って、第3の多岐管916および第2の多岐管914へと重力によって移動することが可能となる。
【0115】
充填多岐管918は、熱サイフォン冷却器600に冷媒を送るための第1の多岐管904に設けられる。凝縮器602は、第1の導管912の間に配置された冷却フィン922を備える。第1の多岐管904、第5の多岐管906、および、第1の導管912は、基本的に水平方向632に延びる。第4の多岐管908、第6の多岐管910、充填多岐管918、および、第2の導管902は、基本的に垂直方向634に延びる。第2の多岐管914および第3の多岐管916は、基本的に横方向630に延びる。
【0116】
図8に示されたものと比較される熱サイフォン熱交換器600の他の実施形態において、凝縮器の方向が横軸630周りの方向に回転されることにより、第2の導管902が傾斜軸622と平行に延びることが考えられる。
【0117】
図9は、垂直方向634に延びる凝縮器602と横方向630に延びる蒸発器604とを有することにより、蒸発器604が約90°の角度620で水平方向632に関して傾いた他の熱サイフォン冷却器の斜視正面図を概略的に示す。一つの電気または電子部品610が、取付装置608により蒸発器604の第2の面606に取り付けられる。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために、第3の多岐管916を介して蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続される。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために、第1の導管912の少なくとも1つの復水チャネル913と、第3の多岐管916とを介して、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第2の多岐管914の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管902を通って、第2の多岐管914へと重力によって移動することが可能となる。第1の多岐管904は、第3の多岐管916の上方に配置される。第1の多岐管904、第2の多岐管914、および、第3の多岐管916は、水平方向632に延びるとともに、基本的に互いに平行に配置される。
【0118】
図10は、図9の熱サイフォン冷却器900と同様の他の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示し、第3の多岐管916の近傍に配置された付加的な第5の多岐管906が存在し、第3の多岐管916が熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために蒸発器604の第1の導管912と流体的に接続され、第3の多岐管916が熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第1の多岐管904に送るために第1の多岐管904と流体的に接続されている点で相違する。第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために、凝縮器602の第2の多岐管902と流体的に接続され、前記第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮された冷媒を第2の多岐管914に送るために、少なくとも1つの復水チャネル913を介して第2の多岐管914と流体的に接続される。
【0119】
図11は、冷却器600が隣り合わせて配置された2つの蒸発器604および2つの凝縮器602を備えている点、換言すれば2つの熱サイフォン冷却器が互いの上に配置されている点において、図9の熱サイフォン冷却器600と相違する他の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示す。一方の蒸発器604は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610から第1の熱負荷を受け、この蒸発器604の下方に配置された他方の蒸発器604は、少なくとも1つの電気および/または電子部品610が取り付けられるとともに熱的に接続された蒸発器604を介してその第1の熱負荷の一部を受ける。第7の多岐管915は、図9の第2の多岐管914と同様に作用する他方の凝縮器および他方の蒸発器に設けられ、第8の多岐管903は、図9の第1の多岐管904と同様に作用する他方の凝縮器および他方の蒸発器に設けられる。第5の多岐管906は、図9の第3の多岐管916と同様に作用する他方の凝縮器および他方の蒸発器に設けられる。全ての多岐管は、基本的に水平方向932に延びる。
【0120】
図12は、図11の熱サイフォン冷却器600の斜視背面図を概略的に示す。
【0121】
図13は、他の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示し、蒸発器604が凝縮器602をオフセットし、第1の主法線方向603と第2の主法線方向605との間の角度620が約90°となるように水平方向632に関して凝縮器602に対し傾いて配置されている。熱サイフォン冷却器600は、図8の熱サイフォン冷却器600と同様の構成要素を有するとともに同様の方法で作用し、第1の導管912が基本的に横方向630に延びる点、第2の多岐管914、第3の多岐管916、および第5の多岐管906が基本的に水平方向632に延びる点、および、第6の多岐管910が基本的に横方向630と垂直方向634とで定義される平面において延び、蒸発器604から蒸発器604の上方に配置された凝縮器602へと傾いている点で相違する。
【0122】
図13に示されたものと比較される熱サイフォン熱交換器600の他の実施形態において、蒸発器604の方向が垂直軸634周りの方向に回転されることにより、第1の導管912が横方向630に延びることが考えられる。
【0123】
図14は、以下に記載された点で相違する、図9に示された熱サイフォン冷却器600と同様の他の熱サイフォン冷却器600の断面の側面図を概略的に示す。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において蒸発器604から少なくとも部分的に蒸発された冷媒を収集するために、傾けられた蒸気チャネル905を介して蒸発器604の第1の導管と流体的に接続される。第1の多岐管904は、熱サイフォン冷却器の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、傾けられた復水チャネル907とし得る凝縮器の第2の導管と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器の作動状態において凝縮器602から凝縮された冷媒を収集するために、傾斜された復水チャネル907とし得る凝縮器の第2の導管と流体的に接続される。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、蒸発器604の第1の導管と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第2の多岐管914の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管を通って第2の多岐管914へと重力により移動することが可能となる。第1の多岐管904および第2の多岐管914は水平方向632に延び、蒸発器604は横方向630に延び、凝縮器602は垂直方向634に延びる。
【0124】
図15は、図9の熱サイフォン冷却器を2つ備え、それらが復水収集多岐管917(図9の第2の多岐管914)の形で第2の多岐管を共有し、互いに反対に互いに向かい合って凝縮器602,1602が垂直方向634に延びるとともに蒸発器604,1604が横方向630に延びることにより、互いに取り付けられた熱サイフォン冷却器600を概略的に示す。蒸発器604および凝縮器602は、図9の蒸発器604および凝縮器602に準じて作用する。当該他方の蒸発器1604および当該他方の凝縮器1602は、同様に作用する。冷媒は、当該他方の蒸発器1604から当該他方の凝縮器1602に熱を伝達しており、その熱は電気および/または電子部品610によって生成可能な第1の熱負荷であってもよい。第8の多岐管1004は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を当該他方の凝縮器1602に送るために、当該他方の凝縮器1602の少なくとも1つの第4の導管1002と流体的に接続される。復水収集多岐管917は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を当該他方の蒸発器1604に戻すために、当該他方の蒸発器1604の第3の導管1012と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を当該他方の蒸発器1604から収集するために、当該他方の蒸発器1604の第3の導管1012と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第7の多岐管904に送るために、第7の多岐管1004と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を当該他方の凝縮器1602から収集するために、当該他方の凝縮器1602の第4の導管1002と流体的に接続される。第13の多岐管1016は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を復水収集多岐管917に送るために、復水収集多岐管917と流体的に接続される。第8の多岐管904は、第13の多岐管1016および復水収集多岐管917の上方に配置されているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、当該他方の凝縮器1602の第4の導管1002を通って第13の多岐管1016および復水収集多岐管917へと重力により移動することが可能となる。当該他方の凝縮器1602は、凝縮器602の第1の面601と同様に、当該他方の凝縮器1602の第4の導管1002の間に配置された他の冷却フィン1022を有する第5の面1601を備える。当該他方の蒸発器1604は、蒸発器604の第2の面606と同様の第6の面1606を備える。
【0125】
図6は、コンデンサ612あるいはコンデンサ本体が水平方向632ではなくモジュール102の垂直方向634に延びる点において図5のモジュール102と相違するモジュール102を概略的に示す。電気コンデンサ612は、入口614と、コンデンサ602の平面形状の第1の面601と、蒸発器604の平面形状の第2の面606との間に配置される。
【0126】
図17は、第1のコンデンサ682が設けられ、それらが少なくとも部分的に入口614と凝縮器602との間に配置され、第2のコンデンサ684が少なくとも部分的に凝縮器602と出口616との間に配置されている点で図16のモジュールと相違するモジュール102を概略的に示す。
【0127】
図18は、図5のモジュールの斜視正面図を概略的に示し、コンデンサが水平方向632に延びるとともに、例えばコンデンサを少なくとも1つの電気および/または電子部品と電気的に接続するためのバス・バーであるガイド部分619に取り付けられている。蒸発器604は、垂直方向634に延びるとともに、第1の主法線方向と第2の主法線方向との間で凝縮器602に対し90°の角度で垂直方向634に傾けられている。凝縮器602の第1の面は、熱サイフォン冷却器の垂直方向634と水平方向632とで定義される第1の平面に配置され、水平方向632は垂直方向634に対する横断線であるとともに、熱サイフォン冷却器の横方向630に対する横断線である。蒸発器604の第2の面は、垂直方向634と横方向630とで定義される平面に配置される。
【0128】
モジュール102は、例えば電力変換器のような上位の構成要素へのモジュール102の挿入や交換を容易にするための第1のガイド手段1320を有する。その目的のために、電力変換器キャビネットのような前記上位の構成要素は、第1のガイド手段1320と協働するための第2のガイド手段1321を備え、それによりモジュール102は引き出しのような方法で前述の電力変換器キャビネットに挿入可能かつ配置可能である(例えば、図2に示されたキャビネット400を参照)。モジュール102の基本的な実施形態において、第1のガイド手段1320は、モジュール102を通る冷却媒体を案内するために設けられたガイド部分619の横端によって形成される。キャビネット400の基本的な実施形態において、第2のガイド手段1321は、キャビネット400の板金構造におけるスロットによって形成され、前記スロットは、ガイド部分619の第1のガイド手段1320を確実に挿入および配置するための十分な空間を与えるように寸法が決められている。しかしながら、必要であれば、操作を改善するとともに摩擦を減らすために、ローラーなどを備えるガイドシステムを採用してもよい。
【0129】
図19は、図18の熱サイフォン冷却器600の斜視正面図を概略的に示す。冷媒を熱サイフォン冷却器600に充填するための充填多岐管918は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を凝縮器602に送るために、凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続された第1の多岐管904に設けられる。第2の多岐管914は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を蒸発器604に戻すために、第1の導管(912,図示されず)と流体的に接続される。第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を蒸発器604から収集するために、蒸発器604の第1の導管と流体的に接続される。第3の多岐管916は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において少なくとも部分的に蒸発された冷媒を第1の多岐管904に送るために、第4の多岐管908を介して、第1の多岐管904と流体的に接続される。
【0130】
第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を凝縮器602から収集するために凝縮器602の第2の導管902と流体的に接続され、前記第5の多岐管906は、熱サイフォン冷却器600の作動状態において凝縮された冷媒を第2の多岐管914に送るために第2の多岐管914と流体的に接続される。第1の多岐管904は、第5の多岐管906および第2の多岐管914の上方に設けられているため、熱サイフォン冷却器600の作動状態において、凝縮された冷媒は、凝縮器602の第2の導管902を通って第5の多岐管906および第2の多岐管914へと重力により移動することが可能となる。第6の多岐管910は、第2の多岐管914を第5の多岐管906と流体的に接続するために設けられる。第1の導管、第4の多岐管908、および第6の多岐管910は基本的に垂直方向934に延び、第2の多岐管914および第3の多岐管916は基本的に横方向630に延び、第1の多岐管904および第5の多岐管906は基本的に水平方向632に延びる。
【0131】
もし図19における凝縮器602の熱容量がごく限られているならば、ユーザはいくつかの追加的な第2の導管902によって水平方向632に凝縮器を拡張する選択をしてもよい。
【0132】
図19に関して説明されるとともに示されたものと同様の他の代替的な実施形態においては、中間の第4の多岐管908が除外され得るように、第1の多岐管904が第3の多岐管916に直接接続される。実施形態によっては、第2の多岐管914が第5の多岐管906に直接接続可能であることにより、中間の第6の多岐管910が除外され得る。さらにより簡素化した実施形態においては、第1の多岐管904と第3の多岐管916が1つの管を曲げて形成される。同様に、第2の導管914と第5の導管906も他の管を曲げることで形成される。そのような実施形態において、熱サイフォンの最大寸法は、多岐管904,916,914,906に用いる管の最小曲げ半径に依存する。
【0133】
図20は、図16に係る熱サイフォン冷却器600を概略的に示し、高い冷却の必要性に対応すべく、凝縮器602がモジュール102の高さの増大を伴って水平方向632に拡張され(水平矢印1203にて示される)、蒸発器604が横方向630にモジュール102の現在の寸法内でその長さを拡張される(横矢印1206にて示される)ことが破線にて付加的に示され、この場合においては、追加の電気コンデンサ612のために追加のモジュール凝縮器長さが用いられるとともに必要とされ得る。モジュールの基本的な設計、深さおよび長さは、同様のものであってよい。したがって、モジュール102のパワースケーリングは、モジュール102のモジュール特性や基本的な設計を変えることなく達成され得る。
【0134】
図21は、図2および図3に示されたモジュールブロック402の斜視正面図を概略的に示す。熱サイフォン冷却器600は、モジュールブロック402の垂直方向634に延びる凝縮器602および蒸発器604を備えて設けられる。いくつかの電気または電子部品610,607が蒸発器604に取り付けられる。複数の電気および電子部品610は、複数の電気コンデンサ612と向かい合う蒸発器604の平面形状の第1の面606と熱的に接続される。少なくとも1つのさらなる電気および/または電子部品607は、蒸発器604の平面形状の第2の面606の反対側にある、蒸発器604の平面形状の第3の面(677,図示されず,例えば図22参照)と熱的に接続される。各コンデンサ612は、水平方向632においてコンデンサ本体609の底面611から上面613に延びる細長いコンデンサ本体609を有する。
【0135】
第1のコンデンサ部分1310は、垂直方向634および横方向630に延びる第1のガイド部分1311を備えて設けられ、水平方向632に延びる複数のコンデンサ612は、第1のガイド部分1311に取り付けられる。第2のコンデンサ部分1308は、第2のガイド部分1309を備えて設けられ、コンデンサは、第1のコンデンサ部分1310と同様に配置される。第2のコンデンサ部分1308は、水平方向632において第2のコンデンサ部分1310の隣に配置される。第1のコンデンサ部分1310と同様に、第3のガイド部分1307を備える第3のコンデンサ部分1306と、第4のガイド部分1305を備える第4のコンデンサ部分1304とは、水平方向632において第2のコンデンサ部分1308の隣に配置されて設けられる。ガイド部分1311,1309,1307,および1305は、電気および/または電子部品610,677とコンデンサを電気的に接続するために設けられてもよい。冷却空気は、横方向630と平行な流れ方向に流れ、先ずコンデンサ612を通り、その後に凝縮器602を通る。各コンデンサ部分1310,1308,1306,1304は、例えば図2に示された1つのモジュール102に相当してもよく、その場合において熱サイフォン冷却器600は、コンデンサ部分あるいはモジュールによって共有される。基板1302は、コネクタ(1402,図示されず,図22〜24参照)と同じく熱サイフォン冷却器600およびガイド部分1311,1309,1307,1305を取り付けるために設けられる。モジュールブロック402は、2つのモジュール列を有するモジュールブロック402の標準寸法容器統合(standard dimensioned container integration)を考慮に入れたフルブリッジ構造であってもよい。上述のコンデンサ部分は、コンデンサブロックであってもよい。
【0136】
モジュールブロック402は、例えば電力変換器のような上位の構成要素へのモジュールブロック402の挿入や交換を容易にするための第1のガイド手段1320を有する。その目的のために、電力変換器キャビネットのような前記上位の構成要素は、第1のガイド手段1320と協働するための第2のガイド手段1321を備え、それによりモジュールブロック402は引き出しのような方法で前述の電力変換器キャビネットに挿入可能かつ配置可能である(例えば、図2に示されたキャビネット400を参照)。モジュールブロック402の基本的な実施形態において、第1のガイド手段1320は、モジュールブロック402を通る冷媒の案内を補助するために設けられた基板1302の横端によって形成される。キャビネット400の基本的な実施形態において、第2のガイド手段1321は、キャビネット400の板金構造におけるスロットによって形成され、前記スロットは、モジュールブロック402の第1のガイド手段1320を確実に挿入および配置するための十分な空間を与えるように寸法が決められている。
【0137】
図22は、図21のモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、各コンデンサ部分あるいはモジュールがモジュールブロック402の内側および外側からコネクタ1402を介して電気的に接続可能であることが示されている。吸入された冷えた冷却空気は、モジュールブロック402の右方から到来し、その後、横方向630に凝縮器612を通過した後に、左方の凝縮器602を通過する。冷却空気は、銅リンクのような他のパッシブを冷却するか、あるいはバス・バーにおけるより高い電流密度を単に考慮に入れるために使用されてもよい。バス・バーあるいはレールターミナルは、ターミナルへのリンクを形成するために、冷却器600に巻きつけられてもよい。
【0138】
図23は、2つのコネクタ1402を備える図21および図22のモジュールブロック402の断面の正面図を概略的に示す。
【0139】
図24は、図21、図22、図23に係るモジュールブロック402の斜視背面図を概略的に示す。
【0140】
図25は、垂直方向634において互いの上方に配置された複数のモジュール102を備え、各モジュールが例えば図7に応じて設計された、例えば図2および図3に示されるようなモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示す。図25と以下の図26,図27,および図28とにおいて、モジュール102は、先行する図、実施形態、観点、および添付の特許請求の範囲に応じて記載されたいずれの実施形態に従って設けられてもよい。モジュールブロック402は、流れ方向510に流れる冷却空気流を受け取るための第1のポート508を有するモジュールブロック容器715を備え、モジュールブロック402およびキャビネット400それぞれの作動状態において、モジュールブロック容器715は各モジュール102の入口614に冷却空気を案内するように構成され、モジュールブロック容器715はその後に冷却空気を開放するための第2のポート506を備える。第1のポート508は、垂直方向634に延びるモジュールブロック右面535に配置され、第2のポート506は、横方向630に延びるモジュールブロック上面713に配置される。モジュールブロック容器715は、モジュールブロック上面713の下方で横方向に延びるモジュールブロック下面718と、モジュールブロック前面535の反対側で垂直方向634に延びるモジュールブロック背面536とをさらに備える。冷却空気は、各モジュールを通過した後に、モジュールブロックの上部に向いてキャビネット容器の第2のポート506を通過する放出流れ方向511に流れる。
【0141】
図26は、図25に係るモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、第2のファン1900がモジュールブロック402の第2のポート506に配置されている点において相違する。
【0142】
図27は、図25に係るモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、他の第2のファン1902がモジュールブロック502の第1のポート508に配置されている点において相違する。
【0143】
図28は、図25に係るモジュールブロック402の断面の側面図を概略的に示し、第1のファン1202が各モジュール102の入口に配置されている点において相違する。
【0144】
図26〜図28、さらには図2および図3に示されたファンを設けることで、冷却効率および容量は、キャビネット400を冷却するための冷却空気の強制対流を与えることによって高められ得る。モジュールブロック402は、第1のポート508および少なくとも1つのモジュール102の入口614の少なくとも一方と、第2のポート506および少なくとも1つのモジュール102の出口616の少なくとも一方とに配置された少なくとも1つの第2のファン1900,1902を一般的に備えてもよい。
【0145】
少なくとも2つのモジュール102の少なくとも一方は、入口614および出口616の少なくとも一方に配置された少なくとも1つの第1のファン2002を備えてもよい。
【0146】
発明が図面および先行する記載において詳細に図示および説明された一方で、そのような図示および説明は具体例あるいは好例であって、限定的ではないと考えられ、発明は開示された実施形態に限定されない。
【0147】
開示された実施形態の他のバリエーションは、図面、開示、および添付のクレームの調査により、請求項に記載された発明を実施する当業者によって理解され、もたらされ得る。
【0148】
請求項において、“備える”との用語は、他の要素を排除するものではなく、単数形による記載は複数を除外するものではない。単数の電気および/または電子システム、あるいは単数のキャビネット、モジュールブロック、モジュールは、請求項に記載されたそれぞれの項目の機能を満たす。単に特定の手段が異なる独立項の双方に開示されているという事実は、それらの手段の組み合せが利用され得ないことを意味するものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0149】
[参照符号のリスト]
102…モジュール、200…電気および/または電子システム、202…スイッチ,IGBT、204…コンデンサ、402…モジュールブロック、406…キャビネットハウジング、408…キャビネット上面、409…キャビネット左面、410…キャビネット底面、411…キャビネット右面、412…キャビネット背面、413…キャビネット前面、502…第1の開口部、504…第3の開口部、506…第2のポート、508…第1のポート、510…流れ方向、511…放出流れ方向、512…キャビネットチャネル、513…湾曲流れ方向、514…外気流れ方向、515…微小湾曲流れ方向、520…第2の開口部、535…モジュールブロック前面、536…モジュールブロック背面、540…外気、600…熱サイフォン冷却器、601…第1の面、602…凝縮器、603…第1の主法線方向、604…蒸発器、605…第2の主法線方向、606…第2の面、607…さらなる電気および/または電子部品、608…取付装置、609…コンデンサ本体、610…電気および/または電子部品、611…底面、612…電気コンデンサ、613…上面、614…入口、615…ガイド機構、616…出口、617…モジュール上面、618…モジュール底面、619…ガイド部分、620…角度,傾斜角度、621…接続線、622…傾斜軸、623…モジュール右面、625…モジュール左面、630…横方向、632…水平方向、634…垂直方向、635…モジュール前面、636…モジュール背面、670…モジュール空間、677…第3の面、682…第1のコンデンサ、684…第2のコンデンサ、715…モジュールブロック容器、717…モジュールブロック上面、718…モジュールブロック底面、723…モジュールブロック右面、725…モジュールブロック左面、900…熱伝達要素、902…第2の導管、903…第8の多岐管、904…第1の多岐管、905…傾斜された蒸気チャネル、906…第5の多岐管、907…傾斜された復水チャネル、908…第4の多岐管、910…第6の多岐管、912…第1の導管、913…復水チャネル、914…第2の多岐管、915…第7の多岐管、916…第3の多岐管、917…復水収集多岐管、918…充填多岐管、922…冷却フィン、1002…第4の多岐管、1004…第8の多岐管、1012…第3の導管、1016…第13の多岐管、1022…他の冷却フィン、1203…水平矢印、1206…横矢印、1302…基板、1304…第4のコンデンサ部分、1305…第4のガイド部分、1306…第3のコンデンサ部分、1307…第3のガイド部分、1308…第2のコンデンサ部分、1309…第2のガイド部分、1310…第1のコンデンサ部分、1311…第1のガイド部分、1320…第1のガイド手段、1321…第2のガイド手段1402、1601…第5の面、1602…他の凝縮器、1603…第3の主法線方向、1604…他の蒸発器、1606…第4の面、1900…第2のファン、1902…他の第2のファン、2002…第1のファン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット(400)を備える電気および/または電子システム(200)であって、キャビネット(400)は、
冷却空気流を受け取るための第1の開口部(502)と、キャビネット(400)の作動状態においてその後に冷却空気流を放出するための第2の開口部(520)とを備えるキャビネットハウジング(406)と、
入口(614)および出口(616)を有するガイド機構(615)をそれぞれ備える少なくとも2つのモジュール(102)と、
を備え、
キャビネット(400)の作動状態において、前記キャビネットハウジング(406)の第1の開口部(502)を通って流れる冷却空気流の大部分が冷却空気の部分的な流れに分割されるように、少なくとも2つのモジュール(102)が前記キャビネットハウジング(406)内に配置され、冷却空気の部分的な流れの少なくとも2つが互いに平行に接続されるとともに、その後にキャビネットハウジング(406)の第2の開口部(520)を共に通過してキャビネットを去るように、部分的な流れの少なくともいくつかがそれぞれ入口(614)を介してそれらの専用のモジュール(102)に流れ込み、専用のモジュール(102)を通って専用のモジュール(102)の出口(616)へと向かうことがガイド機構(615)により可能とされ、
前記少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも2つは、モジュール(102)の作動状態において各モジュール(102)の少なくとも1つの電気および/または電子部品(202,610)により生成される第1の熱負荷を受けるための蒸発器(604)を含む熱サイフォン冷却器(600)をそれぞれ備え、熱サイフォン冷却器(600)は、キャビネット(400)の作動状態において前記冷却空気流に前記第1の熱負荷の大部分を伝達するための凝縮器(602)を備える、
電気および/または電子システム(200)。
【請求項2】
少なくとも2つのモジュール(102)の投影のそれぞれは、キャビネット(400)の垂直方向(634)および水平方向(632)にて定義される平面における背面上に配置され、垂直方向(634)は水平方向(632)に対する横断線であり、
冷却空気は、キャビネット(400)の作動状態において前記平面を横断する方向に流れる、
請求項1の電気および/または電子システム(200)。
【請求項3】
少なくとも2つのモジュール(102)は、キャビネット(400)の垂直方向(634)に沿って互いに近接して配置され、
冷却空気は、キャビネット(400)の作動状態において、モジュール(102)を通ってキャビネット(400)の垂直方向(634)を横断する方向に流れる、
請求項1または2の電気および/または電子システム(200)。
【請求項4】
少なくとも2つのモジュール(102)は、キャビネット(400)の水平方向(632)に互いに並んで配置され、垂直方向(634)は水平方向(632)に対する横断線であり、
冷却空気は、キャビネットの作動状態においてキャビネット(400)の垂直方向(632)を横断する方向に流れる、
先行する請求項のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項5】
少なくとも3つのモジュール(102)は、少なくとも1つのモジュール行と、少なくとも1つのモジュール列とを有するマトリクス型でキャビネットハウジング(406)内に配置される、
先行する請求項のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項6】
キャビネット(400)は、前記少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つのモジュール(102)、実施形態においては少なくとも2つのモジュール(102)を含む少なくとも1つのモジュールブロック(402)と、モジュールブロック容器(715)と、をさらに備え、
少なくとも2つのモジュール(102)は、モジュールブロック(402)の内側あるいは外側の少なくとも一方からコネクタ(1402)を介して電気的に接続可能であり、
それぞれのモジュール(102)の入口(614)に冷却空気を案内するための前記モジュールブロック容器(715)は、冷却空気の流れを受け取るための第1のポート(508)を備え、モジュールブロック容器(715)は、キャビネット(400)の作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2のポート(506)を備える、
先行する請求項のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項7】
少なくとも2つのモジュール(102)を含む少なくとも1つのモジュールブロック(402)は、それぞれ第1のガイド手段(1320)を有し、キャビネットは、第2のガイド手段(1321)を有し、第1のガイド手段(1320)および第2のガイド手段(1321)は、少なくとも1つのモジュールブロック(402)および少なくとも2つのモジュール(102)が引き出しのような方法でキャビネット(400)に挿入可能かつ配置可能となるように形成された、
請求項6の電気および/または電子システム(200)。
【請求項8】
少なくとも3つのモジュールブロック(402)は、少なくとも1つのモジュールブロック行と少なくとも1つのモジュールブロック列とを含むマトリクス型でキャビネット(406)内に配置された、
請求項6または7の電気および/または電子システム(200)。
【請求項9】
モジュールブロック(402)は、
a)第1のポート(508)および少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つの入口(614)、
b)第2のポート(506)および少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つの出口(616)、
のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第2のファン(1900,1902)を備える、
請求項6乃至8のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項10】
少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つは、
a)入口(614)、および、
b)出口(616)、
のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第1のファン(2002)を備える、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項11】
キャビネット(400)は、
a)第1の開口部(502)、および、
b)第2の開口部(520)、
のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第3のファン(404)をさらに備える、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項12】
蒸発器(604)が凝縮器(602)に対し、傾斜軸(622)に関して特に90度の角度(620)である角度(620)に傾けられ、
少なくとも1つの電気および/または電子部品(607)は、少なくとも1つの電気および/または電子部品(607)が入口(614)と出口(616)との間に位置するように、蒸発器(604)の平面状の第2の面(606)と熱的に接続可能であり、
蒸発器(604)は、蒸発器(604)の第2の面(606)の下方で同面に平行して延びる複数の第1の導管(912)を備え、
凝縮器(602)は、キャビネット(400)の作動状態において前記冷却空気の大部分が凝縮器(602)の平面形状の第1の面(601)を横断する流れ方向(510)に流れ、第1の熱負荷の大部分を冷却空気に伝達するように、入口(614)と出口(616)との間に配置される、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項13】
少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの電気および/または電子部品(202,610)と電気的に接続された少なくとも1つの電気コンデンサ(612)を備え、
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)によって生成可能な第2の熱負荷の大部分は、キャビネット(400)の作動状態において出口(616)を通る冷却空気によって除去可能である、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項14】
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)は、底面(611)および上面(613)を備える円筒形状のコンデンサ本体(609)を有し、
a)横方向(630)に対する横断線であるモジュール(102)の垂直方向(634)において、あるいは、
b)横方向(630)に対する横断線である少なくとも2つのモジュール(102)それぞれの水平方向(632)において、
前記円筒形状のコンデンサ本体(609)が底面(611)から上面(613)に延びる、
請求項13の電気および/または電子システム(200)。
【請求項15】
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)は、入口(614)と、
a)凝縮器(602)の平面形状の第1の面(601)、および、
b)蒸発器(604)の平面形状の第2の面(606)、
のうちの少なくとも1つとの間に配置される、
請求項13または14の電気および/または電子システム(200)。
【請求項16】
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)は、入口(614)の間に配置され、
蒸発器(604)は、蒸発器の平面状の第2の面(606)と垂直に延びる第2の主法線方向(605)において最大厚さを有し、その蒸発器(604)の最大厚さは、最大厚さ対最高幅比が平板状の全体外観を蒸発器(604)に与えるように、第2の主法線方向(605)と垂直に延びる横方向における蒸発器(604)の最大全幅よりも小さい、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項17】
蒸発器(604)の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:aの範囲にあり、aは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である、
請求項16の電気および/または電子システム(200)。
【請求項18】
凝縮器(602)は、凝縮器(602)の平面状の第1の面(601)に対して垂直に延びる第1の主法線方向(603)において最大厚さを有し、その凝縮器(602)の最大厚さは、最大厚さ対最高幅比が平板状の全体外観を凝縮器(602)に与えるように、第1の主法線方向(603)と垂直に延びる横方向における凝縮器(602)の最大全幅よりも小さい、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項19】
凝縮器(602)の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:bの範囲にあり、bは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である、
請求項18の電気および/または電子システム(200)。
【請求項20】
蒸発器(604)の第1の導管(912)は、冷媒が対流沸騰によって蒸発されるように寸法が決められた、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項21】
蒸発器(604)は、熱伝達要素(900)を備え、この熱伝達要素(900)は、複数の第1の導管(912)と機械的かつ熱的に接続され、
平面状の第2の面(606)は、熱伝達要素(900)上に設けられる、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項1】
キャビネット(400)を備える電気および/または電子システム(200)であって、キャビネット(400)は、
冷却空気流を受け取るための第1の開口部(502)と、キャビネット(400)の作動状態においてその後に冷却空気流を放出するための第2の開口部(520)とを備えるキャビネットハウジング(406)と、
入口(614)および出口(616)を有するガイド機構(615)をそれぞれ備える少なくとも2つのモジュール(102)と、
を備え、
キャビネット(400)の作動状態において、前記キャビネットハウジング(406)の第1の開口部(502)を通って流れる冷却空気流の大部分が冷却空気の部分的な流れに分割されるように、少なくとも2つのモジュール(102)が前記キャビネットハウジング(406)内に配置され、冷却空気の部分的な流れの少なくとも2つが互いに平行に接続されるとともに、その後にキャビネットハウジング(406)の第2の開口部(520)を共に通過してキャビネットを去るように、部分的な流れの少なくともいくつかがそれぞれ入口(614)を介してそれらの専用のモジュール(102)に流れ込み、専用のモジュール(102)を通って専用のモジュール(102)の出口(616)へと向かうことがガイド機構(615)により可能とされ、
前記少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも2つは、モジュール(102)の作動状態において各モジュール(102)の少なくとも1つの電気および/または電子部品(202,610)により生成される第1の熱負荷を受けるための蒸発器(604)を含む熱サイフォン冷却器(600)をそれぞれ備え、熱サイフォン冷却器(600)は、キャビネット(400)の作動状態において前記冷却空気流に前記第1の熱負荷の大部分を伝達するための凝縮器(602)を備える、
電気および/または電子システム(200)。
【請求項2】
少なくとも2つのモジュール(102)の投影のそれぞれは、キャビネット(400)の垂直方向(634)および水平方向(632)にて定義される平面における背面上に配置され、垂直方向(634)は水平方向(632)に対する横断線であり、
冷却空気は、キャビネット(400)の作動状態において前記平面を横断する方向に流れる、
請求項1の電気および/または電子システム(200)。
【請求項3】
少なくとも2つのモジュール(102)は、キャビネット(400)の垂直方向(634)に沿って互いに近接して配置され、
冷却空気は、キャビネット(400)の作動状態において、モジュール(102)を通ってキャビネット(400)の垂直方向(634)を横断する方向に流れる、
請求項1または2の電気および/または電子システム(200)。
【請求項4】
少なくとも2つのモジュール(102)は、キャビネット(400)の水平方向(632)に互いに並んで配置され、垂直方向(634)は水平方向(632)に対する横断線であり、
冷却空気は、キャビネットの作動状態においてキャビネット(400)の垂直方向(632)を横断する方向に流れる、
先行する請求項のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項5】
少なくとも3つのモジュール(102)は、少なくとも1つのモジュール行と、少なくとも1つのモジュール列とを有するマトリクス型でキャビネットハウジング(406)内に配置される、
先行する請求項のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項6】
キャビネット(400)は、前記少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つのモジュール(102)、実施形態においては少なくとも2つのモジュール(102)を含む少なくとも1つのモジュールブロック(402)と、モジュールブロック容器(715)と、をさらに備え、
少なくとも2つのモジュール(102)は、モジュールブロック(402)の内側あるいは外側の少なくとも一方からコネクタ(1402)を介して電気的に接続可能であり、
それぞれのモジュール(102)の入口(614)に冷却空気を案内するための前記モジュールブロック容器(715)は、冷却空気の流れを受け取るための第1のポート(508)を備え、モジュールブロック容器(715)は、キャビネット(400)の作動状態においてその後に冷却空気を放出するための第2のポート(506)を備える、
先行する請求項のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項7】
少なくとも2つのモジュール(102)を含む少なくとも1つのモジュールブロック(402)は、それぞれ第1のガイド手段(1320)を有し、キャビネットは、第2のガイド手段(1321)を有し、第1のガイド手段(1320)および第2のガイド手段(1321)は、少なくとも1つのモジュールブロック(402)および少なくとも2つのモジュール(102)が引き出しのような方法でキャビネット(400)に挿入可能かつ配置可能となるように形成された、
請求項6の電気および/または電子システム(200)。
【請求項8】
少なくとも3つのモジュールブロック(402)は、少なくとも1つのモジュールブロック行と少なくとも1つのモジュールブロック列とを含むマトリクス型でキャビネット(406)内に配置された、
請求項6または7の電気および/または電子システム(200)。
【請求項9】
モジュールブロック(402)は、
a)第1のポート(508)および少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つの入口(614)、
b)第2のポート(506)および少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つの出口(616)、
のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第2のファン(1900,1902)を備える、
請求項6乃至8のうちいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項10】
少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つは、
a)入口(614)、および、
b)出口(616)、
のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第1のファン(2002)を備える、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項11】
キャビネット(400)は、
a)第1の開口部(502)、および、
b)第2の開口部(520)、
のうちの少なくとも1つに配置された少なくとも1つの第3のファン(404)をさらに備える、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項12】
蒸発器(604)が凝縮器(602)に対し、傾斜軸(622)に関して特に90度の角度(620)である角度(620)に傾けられ、
少なくとも1つの電気および/または電子部品(607)は、少なくとも1つの電気および/または電子部品(607)が入口(614)と出口(616)との間に位置するように、蒸発器(604)の平面状の第2の面(606)と熱的に接続可能であり、
蒸発器(604)は、蒸発器(604)の第2の面(606)の下方で同面に平行して延びる複数の第1の導管(912)を備え、
凝縮器(602)は、キャビネット(400)の作動状態において前記冷却空気の大部分が凝縮器(602)の平面形状の第1の面(601)を横断する流れ方向(510)に流れ、第1の熱負荷の大部分を冷却空気に伝達するように、入口(614)と出口(616)との間に配置される、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項13】
少なくとも2つのモジュール(102)のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの電気および/または電子部品(202,610)と電気的に接続された少なくとも1つの電気コンデンサ(612)を備え、
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)によって生成可能な第2の熱負荷の大部分は、キャビネット(400)の作動状態において出口(616)を通る冷却空気によって除去可能である、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項14】
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)は、底面(611)および上面(613)を備える円筒形状のコンデンサ本体(609)を有し、
a)横方向(630)に対する横断線であるモジュール(102)の垂直方向(634)において、あるいは、
b)横方向(630)に対する横断線である少なくとも2つのモジュール(102)それぞれの水平方向(632)において、
前記円筒形状のコンデンサ本体(609)が底面(611)から上面(613)に延びる、
請求項13の電気および/または電子システム(200)。
【請求項15】
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)は、入口(614)と、
a)凝縮器(602)の平面形状の第1の面(601)、および、
b)蒸発器(604)の平面形状の第2の面(606)、
のうちの少なくとも1つとの間に配置される、
請求項13または14の電気および/または電子システム(200)。
【請求項16】
少なくとも1つの電気コンデンサ(612)は、入口(614)の間に配置され、
蒸発器(604)は、蒸発器の平面状の第2の面(606)と垂直に延びる第2の主法線方向(605)において最大厚さを有し、その蒸発器(604)の最大厚さは、最大厚さ対最高幅比が平板状の全体外観を蒸発器(604)に与えるように、第2の主法線方向(605)と垂直に延びる横方向における蒸発器(604)の最大全幅よりも小さい、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項17】
蒸発器(604)の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:aの範囲にあり、aは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である、
請求項16の電気および/または電子システム(200)。
【請求項18】
凝縮器(602)は、凝縮器(602)の平面状の第1の面(601)に対して垂直に延びる第1の主法線方向(603)において最大厚さを有し、その凝縮器(602)の最大厚さは、最大厚さ対最高幅比が平板状の全体外観を凝縮器(602)に与えるように、第1の主法線方向(603)と垂直に延びる横方向における凝縮器(602)の最大全幅よりも小さい、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項19】
凝縮器(602)の最大厚さ対最高幅比は、約1:2から約1:bの範囲にあり、bは少なくとも5、好ましくは少なくとも10である、
請求項18の電気および/または電子システム(200)。
【請求項20】
蒸発器(604)の第1の導管(912)は、冷媒が対流沸騰によって蒸発されるように寸法が決められた、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【請求項21】
蒸発器(604)は、熱伝達要素(900)を備え、この熱伝達要素(900)は、複数の第1の導管(912)と機械的かつ熱的に接続され、
平面状の第2の面(606)は、熱伝達要素(900)上に設けられる、
先行する請求項のうちのいずれか1項の電気および/または電子システム(200)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−98568(P2013−98568A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−240329(P2012−240329)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(505063441)アーベーベー・テヒノロギー・アーゲー (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−240329(P2012−240329)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(505063441)アーベーベー・テヒノロギー・アーゲー (96)
【Fターム(参考)】
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