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熱ショックをかけたメラノーマ細胞体が装填された樹状細胞
説明

熱ショックをかけたメラノーマ細胞体が装填された樹状細胞

【課題】癌に対する免疫を誘導するための組成物および方法、そして免疫原性癌特異的抗原の調製、処置および作成法の提示。
【解決手段】熱ショックをかけた癌細胞を含む抗原と接触した樹状細胞を含むカスタマイズされたワクチンを生産するための免疫原性抗原を単離、精製および調製するための組成物および方法を含む。すなわち、一法として、複数の癌細胞に少なくとも約42℃の温度で少なくとも2時間、熱ショックをかけて、熱ショックをかけた癌細胞を形成し;殺した癌細胞を形成し;患者から単離した1もしくは複数の抗原提示細胞を、熱ショックをかけ、殺した癌細胞とともに少なくとも3時間インキュベーションし、1もしくは複数の単離され、装填された抗原提示細胞を患者に投与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は癌に対する免疫を誘導するための組成物および方法、そしてより詳細には免疫原性癌特異的抗原の調製、処置および作成法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景は本発明の範囲を限定するわけではないが、ワクチン接種と関連して説明される。特異的な標的に対する適応免疫応答の賦活化は、免疫学において最も複雑で、しかも求められることが多い目標の1つである。免疫賦活化プロセスにおいて重要な細胞は、主要組織適合抗原(MHC)クラスIおよびII分子の両方に関する抗原を効果的にプロセシングし、そして提示するその能力から樹状細胞である。遺伝的および環境的な多くの因子が、樹状細胞のような抗原提示細胞(APC)により提示されるプロセシングされた抗原を認識し、そして応答するための免疫応答の能力に影響を与える。
【0003】
細胞傷害性免疫応答の場合、古典的なクラスI経路のモデルはCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導するためのインフルエンザウイルスの使用であり、これには正しい抗原性エピトープを持つペプチドの正確なプロセシング、トランジットおよび細胞表面への送達が必要である。十分なT細胞受容体(TcR)による認識および正しい同時刺激で、抗原特異的な免疫応答が可能である。樹状細胞は効率的にクラスI−拘束CTLを活性化するが、CD8+T細胞を誘導するためのMHCクラスI経路へのアクセスには通常、抗原の合成を要する。多くのモデルが抗原をMHCクラスI−拘束抗原提示経路に効率的に送達して抗原特異的CD8+T細胞応答を生成する、抗原および抗原送達系の使用を含む。
【0004】
抗原提示に関する他の取り組みには、例えば抗原の有力なアジュバントへのカップリング、浸透圧溶解、エンドサイトーシスされた抗原、および抗原のpH感受性リポソームへの挿入による、外因性抗原の、樹状細胞のMHCIプロセシング経路への送達を含む。インビトロ分析について有用であるが、このような取り組みは治療的応用には難しいことが分かった。今日まで、樹状細胞は、生存可能な、または照射された状態の全細胞、膜調製物、アポトーシス細胞または細胞体、および天然資源から精製された、または組換え産物として発現された抗原を使用して、外因性抗原で直接パルスされる(pulsed)ことができる(例えば特許文献1および2を参照にされたい)。しかしこれらの従来技術は細胞死の形態、または樹状細胞に接近している死んだ、または死につつある細胞からのプロセシング経路の抗原を認識しない。
【0005】
樹状細胞の使用の1例は、宿主における寛容原性(tolerogenicity)を強化するための寛容原性樹状細胞の使用、およびその作成法に関するRobbins et al.へ発行された特許文献3に教示されている。簡単に説明すると、寛容原性の哺乳動物の樹状細胞(DC)および寛容原性DCの生産法が開示されている。宿主における寛容原性の強化法は、寛容原性の哺乳動物のDCを宿主に投与することにより提供される。寛容原性DCには、1もしくは複数のNF−κB結合部位を有するオリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)を含む。寛容原性DCにはウイルスベクター、例えばアデノウイルスベクターも含むことができ、これは寛容原性DC中に存在する場合、寛容原性DCの寛容原性に影響を及ぼさない。宿主における強化された寛容原性は、外来移植片の生存を延長し、そして自己免疫疾患のような炎症に関連する疾患の処置に有用であると述べている。
【0006】
樹状細胞のさらに別の使用は、樹状細胞を形質転換し、そしてT細胞を活性化するための方法および組成物に関してHwu,et al.に発効された特許文献4に教示されている。簡単に説明すると、組換え樹状細胞が、幹細胞を形質転換し、そして幹細胞を樹状細胞に分化させることにより作成される。生じた樹状細胞はMHCクラスI抗原標的に対してT細胞を活性化する抗原提示細胞になると述べている。またこの開示は組換え樹状細胞によるT細胞活性化に基づくキット、アッセイおよび治療薬も含む。癌、ウイルス感染および寄生生物感染が組換え樹状細胞により、または対応する活性化T細胞により緩和されると述べている。
【0007】
樹状細胞の装填(loading)に使用する抗原は、例えばAlbert,et al.に発行された特許文献2に教示されている。この特許はT細胞の誘導または寛容化(tolerization)のために抗原を樹状細胞に送達するためのアポトーシス細胞の使用方法を教示する。この方法および組成物は、抗原特異的な細胞傷害性Tリンパ球およびTヘルパー細胞の誘導に有用な樹状細胞に抗原を送達するために有用になると述べている。この開示には細胞傷害性Tリンパ球の活性を評価するためのアッセイを含む。樹状細胞を標的とする抗原は、樹状細胞に提示するために非天然抗原を発現するように修飾されることもできるアポトーシス細胞である。樹状細胞は、プロセシングされた抗原をプロセシングし、そして提示し、そして細胞傷害性Tリンパ球活性を誘導することができるアポトーシス細胞(およびその断片)により感作されるか、またはワクチン療法に使用できるとも述べられている。
【0008】
最後にSteinman et al.に発行された特許文献5は、抗原を樹状細胞に送達するためのウイルスベクターの使用方法を教示する。方法および組成物は、抗原を樹状細胞に送達するために有用であり、これは次いでT抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球の誘導に有用であると述べている。この開示は細胞傷害性Tリンパ球の活性を評価するためのアッセイを提供する。抗原は、樹状細胞へ提示するための非天然抗原を発現するように修飾され得るインフルエンザウイルスのようなウイルスベクターを使用して樹状細胞に提供される。樹状細胞はベクターで感染され、そして抗原を提示し、そして細胞傷害性Tリンパ球活性を誘導することができるか、またはワクチンとしても使用できると述べられている。
【特許文献1】国際公開第94/02156号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,602,709号明細書
【特許文献3】米国特許第第6,936,468号明細書
【特許文献4】米国6,734,014号明細書
【特許文献5】米国6,455,299号明細書
【発明の開示】
【0009】
発明の要約
今、熱ショックで殺した腫瘍細胞、または熱ショックタンパク質またはペプチドを過剰発現している殺した腫瘍体(tumor body)のいずれかを装填した単球誘導化(monocyte−derived)DCが、ナイーブなT細胞を感作し、そしてそれらのより有力な高度に効率的な抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)への分化を誘導するために使用できることが見いだされた。これらDCの組成物、使用法および調製法を本明細書に開示する。
【0010】
本発明は、熱ショックをかけ、そして殺した1もしくは複数の癌細胞に暴露することにより感作された、単離され、そして精製された抗原提示細胞を使用することにより、患者に癌に対する免疫を誘導するための組成物および方法を含む。抗原提示細胞は専門的な抗原提示細胞、例えば樹状細胞でよい。一般に抗原提示細胞には、熱ショックをかけ、熱で殺した癌細胞が装填され、例えば癌細胞は患者から単離され、かつ/または同種異系癌細胞もしくは細胞系(cell line)である。熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞はインターナライズされ、そして抗原提示細胞により少なくとも2時間、プロセシングされる。
【0011】
また本発明は、1もしくは複数の癌細胞に少なくとも約42℃の温度で少なくとも2時間、熱ショックをかけて、熱ショックをかけた癌細胞を形成し;熱ショックをかけた癌細胞を殺して、熱ショックをかけ、殺した癌細胞を形成し;患者から単離した1もしくは複数の抗原提示細胞を、熱ショックをかけ、殺した癌細胞と少なくとも3時間インキュベーションし;そして1もしくは複数の単離され、装填された抗原提示細胞を患者に投与することにより患者に癌に対する免疫を誘導する方法を含む。抗原提示細胞は、患者に投与される前に1もしくは複数のサイトカインで成熟化されることができる。
【0012】
本発明の別の方法は、患者から抗原提示細胞を得;同種異系(allogeneic)癌細胞を少なくとも約42℃の温度で少なくとも2時間インキュベーションして、熱ショックをかけた同種異系癌細胞を形成し;熱ショックをかけた同種異系癌細胞を殺して、熱ショックをかけ、殺した同種異系癌細胞を形成し;抗原提示細胞を、熱ショックをかけ、殺した同種異系癌細胞に少なくとも3時間暴露して装填された抗原提示細胞を形成し;単離された装填抗原提示細胞を成熟させ;そして単離された、装填抗原提示細胞を患者に投与することにより患者に癌に対する免疫を誘導することを含む。抗原提示細胞は1もしくは複数のサイトカインにより成熟化されるので、当業者は抗原提示細胞が種々の成熟段階の樹状細胞でよく、そして熱ショックをかけ、殺した癌細胞は抗原提示細胞(例えば樹状細胞)によりインターナライズされることができると認識している。同種異系の癌細胞の例は表IIから選択することができる。
【0013】
さらに別の免疫原性の単離された抗原提示細胞の調製法は、個体から抗原提示細胞を単離し;1もしくは複数の癌細胞にストレスをかけ、そして癌細胞を殺すことにより抗原を調製し;抗原提示細胞に抗原を少なくとも3時間装填し;そして装填された抗原提示細胞を単離し、そして精製する工程を含むことができる。癌細胞には癌細胞を殺す前に熱ショック、低温ショック、グルコース欠乏、酸素欠乏、細胞代謝を改変する少なくとも1つの薬剤への暴露、および少なくとも1つの細胞傷害剤への暴露からなる群から選択される方法によりストレスをかけることができる。癌細胞はオートロガス(autologous)または同種異系癌細胞であることができる。実際には抗原提示細胞に抗原を装填する工程も、熱ショック条件下で行うことができる。1つの単純な工程では、本発明は癌細胞を殺す前に癌細胞にストレスをかけることにより、ストレスをかけ、そして殺した癌細胞における腫瘍抗原の発現を上昇させる方法を含む。癌細胞には癌細胞を殺す前に熱ショック、低温ショック、グルコース欠乏、酸素欠乏、細胞代謝を改変する少なくとも1つの薬剤への暴露、および/または少なくとも1つの細胞傷害剤への暴露によりストレスをかけることができる。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、抗原提示細胞を、ストレスをかけ、そして殺した癌細胞に暴露する前に、癌細胞にストレスをかけ、そして癌細胞を殺すことにより、ストレスをかけ、そして殺した癌細胞を装填した抗原提示細胞の腫瘍抗原の抗原性を上げる方法を含む。癌細胞の抗原性は、癌細胞を殺す前に熱ショック、低温、グルコース欠乏、酸素欠乏、細胞代謝を改変する少なくとも1つの薬剤への暴露、および少なくとも1つの細胞傷害剤への暴露により癌細胞にストレスをかけることにより上げることができる。このように本発明は熱ショックをかけた癌細胞およびその部分を含む抗原を含む。
【0015】
本発明の抗原は、1もしくは複数の癌細胞系を熱処理し、そして細胞を細胞死誘導剤で殺すことを含む方法により調製することができる。細胞死は、ベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせを含んでなる致死剤(killing agent)により行うことができる。別法として、あるいは一緒に、細胞死は癌細胞を照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせに暴露することにより達成することができる。癌細胞は2、4、6または8時間、熱処置されることができ、そして殺した後に、凍結乾燥され、加熱乾燥され、吸引乾燥され、加熱吸引乾燥され、水溶液への蒸発沈殿により凍結され(EPAS)、液体へ噴霧乾燥され(SFL)、貧溶媒沈殿され、または凍結噴霧された状態で使用前に保存することができる。キットの一部として使用する場合、抗原はさらに抗原を再懸濁するための希釈剤、例えば塩水、pH緩衝化塩水、1もしくは複数のサイトカインを含む塩水、アジュバントまたは抗原および/または再懸濁のための任意の他の溶液を含んだものを含むことができる。
【0016】
1つの態様では、癌細胞は高温メラノーマおよびその部分としてさらに定義される。抗原は熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞およびその部分、例えば1もしくは複数の抗原提示細胞および/またはアジュバントを含むことができる。癌細胞は熱で殺してもよく、または種々の既知の方法により殺してもよい。1つの方法は化学的、機械的および照射的方法により細胞を直接的に殺すことである。さらに別の態様にはプログラムされた細胞死またはアポトーシスの使用を含み、これは癌細胞の抗原性を上げるために細胞の熱ショック後に、本発明と使用することができる。熱ショックをかけた癌細胞およびその部分は、ベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせにより殺すことができる。熱ショックをかけた癌細胞およびその部分は、照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせ、または化学的および非化学的工程の両方により殺すことができる。1つの態様では、細胞はナチュラルキラー細胞を使用して殺す。
【0017】
また本発明は熱ショックをかけた同種異系癌細胞を形成するために、少なくとも42℃の温度で少なくとも2時間、熱ショックをかけて殺した、同種異系癌細胞を含むワクチンを含む。癌ワクチンは、癌細胞を少なくとも42℃の温度で少なくとも2時間、インキュベーションし;熱ショックをかけた癌細胞を殺し;そして抗原提示細胞に癌細胞を装填する工程を含む方法により製造することができる。一般にこの方法およびワクチンは、単離され、装填された抗原提示細胞を患者に投与するために適合されている。1つの態様では患者に使用する癌ワクチンはまた、非アポトーシス性の、熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を装填した1もしくは複数の少なくとも部分的には成熟した抗原提示細胞を含むことができる。
【0018】
本明細書で教示するワクチンおよび抗原は、熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を装填した1もしくは複数の少なくとも部分的に成熟した抗原提示細胞を含む癌ワクチンで患者を免疫感作することにより、癌患者を処置する方法に使用することができる。少なくとも部分的に成熟した抗原提示細胞はオートロガスであることができ、そして熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞はオートロガスまたは同種異系であることができる。例えば本発明は以下に列挙する細胞から選択される熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を用いた特定の用途を見いだし、そしてこれは殺す前の癌細胞の熱ショックタンパク質、例えばHSP60、HSP90およびgp96の発現のモジュレーション(例えばアップレギュレーション)を測定し、そして検出するために有用となり得る。特定の場合では、癌細胞はHSP60、HSP90およびgp96を過剰発現するようにトランスフェクトされ、これにより実際の熱ショックの必要性を下げ、または排除するが、これらの細胞は本発明の癌細胞の抗原性の上昇に役立つ1もしくは複数の熱ショックタンパク質および/またはシャペロンを発現するので、そのような細胞は本発明の範囲に入る。
【0019】
また別の態様は、抗原提示のために1もしくは複数の抗原をインターナライズすることができる樹状細胞を、1もしくは複数の抗原がインターナライズされて免疫細胞へ提示できるために十分な時間、接触させることにより、インビトロで抗原を樹状細胞に送達する方法を含み、ここで抗原は熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を含んでなる。樹状細胞はヒトの細胞であることができ、そして熱ショックをかけた細胞は例えば細胞系、外来抗原を発現するように形質転換された細胞、腫瘍細胞系、異種細胞または腫瘍細胞でよい。熱ショックをかけた細胞は表IIに列挙された細胞系およびその組み合わせからなる群から選択され、そして化学処理、照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせにより殺すことができる。任意の細胞または細胞断片を樹状細胞、例えば熱ショックをかけ、殺した、および/またはアポトーシス細胞断片、泡状突起、またはボディと接触させることができる。しばしば樹状細胞は未成熟であり、そして食作用性(phagocytic)である。当業者は正確な比率を調整しなければならないかもしれないが、熱ショックをかけた細胞 対 樹状細胞の通常の割合の1例は、約1〜10個の熱ショックをかけた細胞 対 約100個の樹状細胞である。
【0020】
抗原と接触した後、抗原提示細胞は例えば樹状細胞の成熟化を誘導するために十分な時間、1もしくは複数の成熟因子に暴露することによりさらに成熟され得る。1例として樹状細胞を使用することにより、成熟化工程はCD83、TNFα、IL−1β,IL−6、PGE、IFNα、CD40リガンドを発現するようにCD83ネガティブ樹状細胞を成熟させる単球コンディショニング培地、および熱ショックをかけ、そして殺した細胞からなる群から選択される少なくとも1つの成熟化因子とCD83ネガティブ樹状細胞を接触させることを含んでなることができる。他の抗原提示細胞は単球コンディショニング培地;IFNα、およびIL−1β、IL−6およびTNFαからなる群から選択される少なくとも1つの他の因子;および熱ショックをかけた細胞の使用により成熟化されることができる。
【0021】
発明の詳細な説明
本発明の様々な態様を作成し、そして使用することを以下に詳細に検討するが、これは本発明が広い種々の具体的内容において具現することができる多くの応用可能な革新的概念を提供すると考えるべきである。本明細書で検討する具体的態様は、本発明を作成し、そして使用するための単なる具体的説明であり、そして本発明の範囲を定めるものではない。
【0022】
本発明の理解を容易にするために、多数の用語を以下に定義する。本明細書で定義する用語は、本発明に関連する分野の当業者により通常に理解されている意味を有する。“a”、“an”および“the”のような用語は、単数の物体を指すことのみを意図せず、特別な例を具体的説明に使用することができる一般的種類を含むことをも意図する。本明細書の用語は本発明の具体的態様を記載するために使用するが、それらの使用は特許請求で境界を引く場合を除き、本発明を限定しない。
【0023】
本明細書で使用する用語「抗原提示細胞」または「APC」は、T細胞に抗原を提示する、MHCクラスIおよび/またはクラスII分子を発現するオートロガスな細胞を指す。抗原提示細胞の例には例えば、専門的または非専門的な抗原プロセシングおよび提示細胞を含む。専門的なAPCの例には例えばB細胞、全脾臓細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、繊維芽細胞、または非分画の末梢血単核細胞(PMBC)を含む。造血APCの例には、樹状細胞、B細胞およびマクロファージがある。もちろん当業者は他の抗原提示細胞も本発明に有用であり、そして本発明が本明細書に記載する例示的な細胞型に限定されないと認識している。
【0024】
APCは抗原を「装填(loaded)」することができる。抗原性ペプチドまたは1もしくは複数の抗原に由来する組換えペプチドによりパルスされる又は装填する、即ち1つの態様ではペプチドは抗原であり、そして一般に悪性または哺乳動物による感染に対して向けられるヘルパーT細胞、細胞溶解性Tリンパ球(細胞溶解性T細胞またはCTL)の活性化を特徴とする免疫応答を誘導することができる抗原性断片である。1つの態様では、ペプチドはクラスI MHCまたはクラスII MHC分子により提示される抗原の1もしくは複数のペプチド断片を含む。ペプチド断片は肉腫、リンパ腫、メラノーマまたは他のオートロガスもしくはヘテロロガスな腫瘍または癌により発現される抗原でよい。もちろん当業者は他の抗原の1もしくは複数の断片であるペプチドまたはタンパク質断片を本発明で使用することができ、そして本発明が本明細書に記載する例示的ペプチド、腫瘍細胞、細胞クローン、細胞系、細胞上清、細胞膜および/または抗原に限定されないと認識している。
【0025】
本明細書で使用する用語「樹状細胞」または「DC」は本発明で有用なすべてのDCを指し、すなわちDCは分化、成熟および/または活性化の様々な段階にある。本発明の1つの態様では、樹状細胞および応答するT細胞は健康なボランティアに由来する。別の態様では、樹状細胞およびT細胞は癌または他の状態の腫瘍疾患の患者に由来する。さらに別の態様では、樹状細胞はオートロガスまたは同種異系のいずれかに適用するために使用される。
【0026】
本明細書で使用するように、「有効量」とは腫瘍抗原、例えば腫瘍細胞に対する免疫応答を誘導または増幅するために十分な抗原またはエピトープの量を指す。
【0027】
本明細書で使用する用語「ワクチン」は適応免疫応答の細胞、すなわちB細胞および/またはT細胞に影響を及ぼすことにより疾患の経過に影響を与える組成物を指す。ワクチンの効果には例えば、細胞性免疫の誘導またはT細胞のその抗原への応答の改変を含む。
【0028】
本明細書で使用する用語「免疫学的に有効な」とは、癌を防止または処置するための免疫応答において、変化を誘導する抗原、および熱ショックをかけ、かつ/または殺した1もしくは複数の腫瘍細胞を装填した抗原提示細胞の量を指す。患者に挿入または再挿入される、装填される抗原および/または抗原を装填したAPCの量(amount of antigen−loaded and/or antigen−loaded APCs)は多くの因子に依存して個々の間で変動する。例えば異なる用量が充実性腫瘍または転移性腫瘍をもつヒトの有効な免疫応答に必要となるかもしれない。
【0029】
本明細書で使用する用語「癌細胞」は、異常な形態学的または増殖的表現型を現す細胞を指す。癌細胞は腫瘍の一部を形成することができ、この場合、腫瘍細胞と定義することができる。インビトロで癌細胞は当業者に知られているような足場非依存性の(anchorage independent)細胞増殖、接触阻害の喪失等を特徴とする。正常細胞と比較して、癌細胞は異常な組織の新規増殖、例えば周囲の組織に侵襲し、そして他の身体部位へ転移する充実性腫瘍または細胞を示す。腫瘍または癌「細胞系」は一般に不死であり、そしてインビトロで成長することができる細胞を説明するために使用する。初代細胞は初代培養中の細胞、すなわち患者、組織または腫瘍から単離されたばかりの細胞を記載するためにしばしば使用される。細胞クローンは一般に単一の細胞から単離され、またはクローン化され、そしてインビトロ培養を通してもよいし、通さなくてもよい細胞を記載するために使用する。
【0030】
本明細書で使用する用語「癌細胞抗原」は、本発明に従いストレスをかけ、そして殺した細胞を指す。簡単に説明すると、癌細胞には癌細胞がHSP70、HSP60およびGP96のような熱ショックタンパク質(これらは分解(degraded)されるか、または分解されることができるタンパク質の分子シャペロンとして作用することが知られている種類のタンパク質である)の発現を増すように処理またはストレスをかけることができる。一般にこれらの熱ショックタンパク質は癌細胞がより高い免疫原性の癌細胞特異的抗原を含むことができるように、内部の癌細胞抗原を安定化する。
【0031】
本明細書で使用するように、抗原およびAPCに適用する場合、用語「接触した」または「暴露した」とは、抗原がAPCと直接隣接して置かれる工程を記載するために本明細書では使用する。APCによる抗原提示を達成するために、抗原は、APCを「感作(prime)」して抗原を装填したMHCクラスIおよび/またはクラスII抗原を細胞表面上に発現するために有効な量で提供される。
【0032】
本明細書で使用する用語「殺す」とは、例えばベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせを使用した化学的致死のような多数の因子により引き起こされる細胞死を引き起こすことを指す。任意の数の方法または作用物質、(例えば任意の、または広い種類の照射(ガンマ、紫外線、マイクロ波、超音波等)、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、乾燥、凍結噴霧、吸引乾燥、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせ)を、本発明の抗原として役立つ熱ショックをかけた癌細胞を殺すために使用することができる。別の種類の細胞の致死または死は、通常の「アポトーシス」を指し、これには例えば細胞核の退縮および核DNAの断片化を導く細胞内プロテアーゼおよびヌクレアーゼの活性化が関与する。種々の細胞内分子が相互作用して細胞死を達成する正確なメカニズムの理解は、本発明の実施にかならずしも必要ではない。
【0033】
本明細書で使用する句「治療に有効な量」とは、組み合わせて動物に投与した時に癌細胞を動物内で殺すために効果的な抗原装填APCの量を指す。本発明の方法および組成物は癌細胞(1もしくは複数)をインビトロおよびインビボの両方で殺すために等しく適している。殺すべき細胞が動物内に存在する場合、本発明は1もしくは複数の抗腫瘍剤、例えば化学薬品、照射、X−線、UV−照射、マイクロ波、放電等も含むことができる処置の過程と一緒に、またはその一部として一緒に使用することができる。当業者は本発明が、アドリアマイシン、5−フルオロウラシル、エトポシド、カンプトテシン、アクチノマイシン−D、マイトマイシンC、シスプラチン等を初めとするDNA傷害化合物のような治療に有効量の製薬学的組成物と一緒に使用できると認識するだろう。しかし本発明はDNA傷害剤により影響を受ける可能性がある他の免疫細胞を活性化することになっている生きている細胞を含む。そのように任意の化学的および/または他の処置過程は一般に適用免疫応答を最大とするための時期を合わせられるが、同時にできるだけ多くの癌細胞を殺す手助けをする。
【0034】
本明細書で使用する用語「抗原装填樹状細胞」、「抗原でパルスされた樹状細胞」等の用語は、抗原、この場合、熱ショックをかけた癌細胞と接触したDCを指す。しばしば樹状細胞は、ナイーブおよび記憶T細胞に抗原を提示する抗原をプロセシングするために数時間から最高1日間を要する。抗原の取り込みおよびプロセシングを強化するために、1日または2日後にDCに抗原を再度パルスし、かつ/またはDCの成熟のレベルを変化させる1もしくは複数のサイトカインを提供することが望ましいかもしれない。いったんDCが抗原を包み込めば(例えば、プレプロセシングされた(pre−processed)熱ショックをかけ、かつ/または殺した癌細胞)、「抗原を感作したDC(antigen−primed DC)」と呼ぶ。抗原の感作は例えば適用に使用した特異的癌細胞に対する抗体で免疫染色することによりDC中に見ることができる。
【0035】
抗原装填またはパルスされたDC群は、洗浄し、濃縮し、そして1つの型のワクチンとして、または抗原がそこから派生した病原体または腫瘍細胞に対する処置として患者に直接注入することができる。一般に抗原装填DCはインビボでナイーブおよび/または記憶Tリンパ球と相互作用すること、すなわちそれらの表面に抗原を提示する細胞の認識、および破壊を引き起こすことが期待される。1つの態様では、抗原装填DCは患者への再導入前にインビトロでT細胞と相互作用することもできる。当業者は注入あたりの抗原装填DCの数、注入の回数および時期をどのように至適化するかを知っている。例えば注入あたり1〜2百万個の抗原でパルスされた細胞を患者に注入することが通常であろうが、より少数の細胞でも所望の免疫応答を誘導するかもしれない。
【0036】
抗原装填DCはTリンパ球と共存培養されて、抗原特異的T細胞を生産することができる。本明細書で使用する用語「抗原特異的T細胞」とは、本発明の抗原装填APCに暴露されると増殖し、ならびにそれらの表面に特異的抗原を有する細胞を攻撃する能力を発達させるT細胞を指す。そのようなT細胞、例えば細胞傷害性T細胞は標的細胞を多くの方法、例えばグランザイムおよびパーフォリンのような毒性酵素を標的細胞の表面上に放出する多数の方法により、またはこれら溶解酵素を標的細胞の内部に入れることにより標的細胞を溶解する。一般に細胞傷害性T細胞はCD8をそれらの細胞表面に発現する。通常、「ヘルパー」T細胞として知られるCD4抗原CD4を発現するT細胞も、特異的な細胞傷害活性を促進するために役立ち、そして本発明の抗原装填APCにより活性化され得る。特定の態様では、癌細胞、APCそしてさらにT細胞はDCを生産するMNCと同じドナーに由来することができ、これは患者またはHLA−もしくは処置する予定の個体から得たものであることができる。あるいは癌細胞、APCおよび/またはT細胞は同種異系であることができる。
【0037】
本発明者は、癌患者を腫瘍細胞抗原を装填した抗原提示細胞、例えば樹状細胞(DC)でワクチン接種すると、腫瘍特異的な免疫応答を導くことができることを見いだした。しかし免疫応答を臨床的成果と相関させることは難しいことが示された。Banchereau et al.,(2001);およびPalucka et al.,(2003)は、第IV段階のメラノーマを有する18名のHLA−A*0201患者にペプチドを装填したCD34−DCをワクチン接種し、そしてメラノーマ抗原に由来するペプチドにインビトロで暴露した時、IFN−γ生産(ELISPOT)により測定されるメラノーマ特異的CD8+T細胞免疫が上昇したことが報告された。これらの実験は、免疫応答が初期の臨床的応答と相関することを示した。さらにCD34−DCでのワクチン接種は、メラノーマ特異的CD+8記憶T細胞を誘導することができ、これはリコールアッセイ(recall assay)、すなわちインビトロでペプチドでパルスしたDCでの単回の再刺激で拡大することができ、ここでそれらは特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)に成熟する。疾患の進行はメラノーマ特異的CD8+記憶T細胞の誘導の欠如と関連して示された。これらの努力にもかかわらず、臨床において改良されたワクチン法がこのメラノーマ特異的免疫の選択的欠如を克服するために必要とされる。
【0038】
例えばDCは健康なボランティアおよび第IV段階のメラノーマ患者では免疫リザーバーまたはアジュバントとして作用することが示された(Nestle et al.,1998;Dhodapkar et al.,1999;Thurner et al.,1999;およびDhodapkar et al.,2000)。今日まで一つの限定された臨床的応答が報告されただけであり、これは免疫感作エピトープの選択または1つのエピトープの標的化によるかもしれない。実際には、多くの腫瘍抗原の使用が多くの特異性を有するT細胞の活性化/誘導を促進し、これは疾患をより良く制御し、そして腫瘍のエスケープを防止できるかもしれない。これに関して、幾つかの系を使用してDCに腫瘍関連抗原(TAA)が装填された(Gilboa,E,1999)。MHCクラスI分子に定めた抗原に由来するペプチドを装填することは最も通常に行われ、そしてまた最近同定されたMHCクラスIIヘルパーエピトープにも適用される(Wang et al.,1999;およびKierstead,et al.,2001)。
【0039】
「概念の実証」実験には重要であるが、ペプチドの使用には:(i)所定のHLA型に対するそれらの制限;(ii)定めたTAAの限定された数;および(iii)限定されたレパートリーのT細胞クローンの誘導からくる制限があり、これが腫瘍抗原の変化を制御するための免疫系の能力を限定する。MHCクラスIおよびクラスIIエピトープの両方を提供し、そしてCD4+T細胞およびCTLの多くのクローンが関与する多様な免疫応答を導く代替的な方法が必要である。報告された方法には組換えタンパク質、エキソーム(Zitvogel,et al.,1998)、ウイルスベクター(Ribas,et al.,2002)、プラスミドDNAまたはRNAトランスフェクション(Boczkowski,et al.,1996;Ashley et al.,1997;およびHeiser,et al.,2002)、免疫複合体(Regnault,1999)、そしてさらに最近ではDC表面分子に対する抗体(Gilboa,E.1999;およびFong,et al.,2000)の使用が関与する。
【0040】
免疫応答を多様化するさらに別の方法は、DCが食作用したアポトーシス腫瘍細胞からペプチドを提示する能力、すなわちいわゆる交差感作(cross−priming)を活用することである(Albert et al.,1998a;Albert et al.,1998b;Nouri−Shirazi et al.,2000;Berard et al.,2000;およびLabarriere et al.,2002)。本発明者は全抗原をDCへ導入することがDCのT細胞へ提示するペプチドの選択および調整(tailor)を可能とし、すなわち既知のMHC拘束がある腫瘍特異的ペプチドを同定する必要性を回避することを見いだした。殺した同種異系のメラノーマ細胞を装填したDCは、ナイーブなCD8+T細胞を交差感作してメラノーマ特異的CTLに分化させることができることが示された(Berard et al.,2000)。殺した同種異系メラノーマまたは前立腺癌細胞系を装填したDCは、ナイーブなCD8T細胞を共有する腫瘍抗原に対して感作する(Nouri−Shirazi et al.,2000;およびBerard et al.,2000)。しかし、T細胞は樹立されるべき腫瘍特異的応答について数回の刺激を要する。したがって腫瘍または癌細胞の免疫原性を上げるための組成物および方法を同定し、そして開発することが重要である。
【0041】
本発明者は熱ショックタンパク質(HSP)が、ポリペプチドのそれらの産出(generation)から、例えば小胞体(ER)中のMHCクラスIへの結合へとポリペプチドをトランジットさせるための分子シャペロンを構成すると認識している(Basu et al.,2000;およびFrydman,J.2001)。HSP70、HSP60およびGP96は、抗原性タンパク質またはペプチドで交差感作するための免疫アジュバントとして最近確立された(Srivastava,et al.,1994;およびSrivastava,P.,2002)。このプロセスでは、再構成されたhsp70−ペプチド複合体またはgp96−ペプチド複合体が、抗原提示細胞(APC)によりCD91(Basu et al.,2001)、CD40(Becker,et al.,2002)、LOX−1(Delneste,et al.,2002)またはTLR2/4(Asea,et al.,2002)を介する受容体媒介型の食作用を通してインターナライズされる。HSP:ペプチド複合体はワクチンとして使用されてきた(米国特許第6,468,540号明細書;およびNoessner,et al.2002。「腫瘍由来熱ショックタンパク質70のペプチド複合体はヒト樹状細胞により交差提示される」J.Immunol 169:5424−5432)。HSP70:ペプチド複合体は患者の腫瘍細胞から精製され、そして患者に投与され得る(米国特許第6,468,540号明細書)。HSP70:ペプチド複合体は抗原提示細胞に結合し、そして細胞傷害性T細胞を活性化することができると測定された(Castelli,et al.,2001。「ヒト熱ショックタンパク質70ペプチド複合体は、抗メラノーマT細胞を特異的に活性化する」Can Res 61:222−227;およびNoessner,et al.2002.J.Immunol 169:5424−5423)。またHSP70は樹状細胞を刺激して成熟させるためにも使用されてきた(米国特許出願第20020127718号明細書)。
【0042】
さらに詳細には、本発明は抗原提示細胞、例えばストレスをかけ、かつ/または熱ショックをかけて殺した腫瘍細胞、または熱ショックタンパク質を発現する殺した腫瘍細胞を装填した樹状細胞(DC)を含み、そしてそのような抗原提示細胞の作成法が本明細書に記載される。これらの装填されたDCは、ヒトおよび動物における予防的免疫応答および治療的免疫応答の両方を誘導するために有用である。特にそのような装填されたDCは癌および感染性疾患の管理に有用である。
【0043】
1つの態様では、本発明は以下の免疫原的現象を組み込むメラノーマを処置する樹状細胞(DC)ワクチンを含む:(i)メラノーマ特異的CTLを交差感作するDCの能力;(ii)抗原の供給源として殺した腫瘍細胞を利用する;(iii)ペプチドの保護および輸送におけるHSPの好ましい役割;および(iv)本明細書で示すように、熱ショックによる腫瘍抗原発現のアップレギュレーション。1つの態様では、本発明のDCワクチンには、熱ショックで殺した腫瘍細胞を装填したDCを含み、ここでDCは抗原特異的な細胞傷害性Tリンパ球を交差感作することができる。別の態様では、本発明のDCワクチンはHSPを過剰発現するように誘導した殺した腫瘍細胞を装填したDCを含み、ここでDCは抗原特異的な細胞傷害性Tリンパ球を交差感作することができる。他に特定しない限り、本明細書で言う場合には、熱ショックをかけて殺した腫瘍細胞を装填したDCを含んでなるDCワクチン、HSPを過剰発現するようにトランスフェクトまたは誘導された殺した腫瘍細胞を装填したDCを含んでなるDCワクチンも使用できると理解される。
【0044】
本発明に有用なDCには種々の分化段階(前駆体、未成熟樹状細胞および成熟樹状細胞)の樹状細胞、限定するわけではないが単球を含む血液前駆体から誘導される樹状細胞、CD34−造血祖先細胞から誘導される樹状細胞、ランゲルハンス細胞、腸のDCおよびリンパ節のDCのような樹状細胞のサブセットを含む。1つの態様では、樹状細胞は単球に由来する樹状細胞(MDDC)であり、例えばDCはヒト起源である。
【0045】
ワクチンの処方および投薬。任意のワクチン接種処方にしたがって本発明を使用することができるが、当業者により知られているように以下の例示的処方が大きな効果を上げるために使用された。1もしくは複数のワクチン接種を、数秒から数時間から数日、さらに数週間の範囲の間隔で、ペプチドでパルスしたAPCの投与に先行して、またはさらにそれに続けることができる。1つの態様では、細胞屑でパルスしたAPCおよび1もしくは複数のリンホカインおよび/またはサイトカインが患者に別個に投与される。しばしば2つの抗原でパルスしたAPCの組み合わせおよび/または重複が受容者に有利な効果を発揮するように、各免疫感作の間には有意な期間(1、2、3または4週間)が選択される。
【0046】
例えばTh1からTh2型の応答、またはその逆のT細胞免疫応答を駆動する1もしくは複数のリンホカインと組み合わせる特定の状況で、例えばペプチドでパルスしたAPCの投与が望ましい。種々の組み合わせを使用することができ、例えばここでペプチドでパルスしたAPCは“A”であり、そしてリンホカインは“B”である。
【0047】
【表1】

【0048】
効果的な腫瘍の致死は、ワクチン処方の前、最中および/または後に測定することができる。腫瘍細胞の致死を達成するために、抗原装填APCは腫瘍細胞を殺すために効果的な組み合わせ量で患者に送達される。これらの処置サイクルは多回繰り返されるか、または1回のみ送達することができる。例えば、種、年齢、体重、性別、健康、妊娠、依存症、アレルギー、人種、事前の医学的状態、現行の医学的状態、抗炎症物質での処置、化学療法および処置の長さを含め、当業者は種々の因子がワクチン接種に対する患者の応答に影響を及ぼすことを良く知っている。すなわち当業者は、細胞の致死(例えば癌細胞に対して)または望ましくない免疫応答(例えば悪液質)の減少であっても、最適な免疫応答を達成するために容易に変動させることができる各患者に対する投薬用量および様々なパラメーターを個別化する必要を理解している。また当業者は、適切な投薬用量を選択する前に処置すべき状態も考慮することができる。例えば癌の処置に適切なワクチン接種用量は、引き続き癌の再発を防止するために計画される監視的治療用には望ましい投薬用量とならないかもしれない。
【0049】
ワクチン接種は静脈内に、動脈内に、腫瘍内に、非経口に、腹腔内に、筋肉内に、腎臓の包下に、眼内に、骨内に、膣内に、直腸に、硬膜外に、硬膜内などに投与することができる。しばしば最も多いワクチン接種の経路は皮下(SC)、静脈内(IV)、動脈内、および腹腔内(IP)である。ワクチンがバッファーおよび/または薬理学的に許容され得る塩と適合性がある程度まで、これらは1もしくは複数の添加剤と適当に混合された水溶液に調製することができる。通常の保存および使用条件下で、これらの調製物には微生物の増殖を防止するために制限された量の保存剤および/または抗生物質を含むことができる。
【0050】
注射用の使用に適する製剤の形態には滅菌水溶液または分散物を含む。すべての場合で、形態は滅菌されなければならず、そして容易なシリンジの操作性(syringability)が存在する程度に流体でなければならない。あるとすれば保存条件は、製造および保存条件下で安定なDCの送達と適合しなければならず、そしてバクテリアおよび菌・カビのような微生物の混入作用に対して保護されなければならない。ほとんどの場合、1または等張性の作用物質、例えば糖または塩化ナトリウムを含むことが通例となり得る。APCを含む抗原の長期吸収は、抗原の吸収を遅らせる例えばモノステアリン酸アルミニウム、リン酸カルシウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
【0051】
滅菌された注射可能な溶液は、活性化合物を必要な量で適切な溶媒中に、例えば濾過滅菌され得る上に挙げた種々の他の成分と包含させることにより調製することができる。一般に、分散物は種々の滅菌された有効成分を、基本的な分散媒質および上に挙げたものから他の必要な成分を含む滅菌された賦形剤に包含することにより調製される。抗原の調製用の滅菌粉末の場合、抗原を調製し、そして吸引乾燥し、凍結乾燥し、かつ/または凍結噴霧して、有効成分の粉末に、事前に滅菌濾過した溶液から所望する成分をさらに加えた粉末を得ることができる。
【0052】
本明細書で使用するように、「製薬学的に許容され得る担体」にはありとあらゆる溶媒、分散物、媒質、コーティング、抗バクテリア性および抗菌・カビ剤、等張性および吸収遅延剤等を含む。製薬学的に活性な物質にそのような媒体および作用物質を使用することは当該技術分野では周知である。任意の通例の媒体または作用物質が癌抗原と適合しない場合を除き、作用物質はワクチン生産工程の一部に使用され得る。
【0053】
本明細書で使用するように、「タンパク質複合体の形成を可能とするために効果的な条件下」という句は、APC、例えば樹状細胞のMHCに「装填する」必要がある熱で殺した、殺した、またはそうではなく処理した腫瘍細胞、腫瘍細胞屑、プロセシングした腫瘍抗原、プロセシングした腫瘍細胞、熱で殺した腫瘍細胞および/または抗原のそれら条件および量を指す。本明細書で使用する用語、抗原の装填に「適する」とは、細胞内または細胞表面上であってもDCのMHC上の1もしくは複数の腫瘍抗原との接触、プロセシングおよび提示を可能とするそれら条件である。本開示および本明細書の実施例に基づき、当業者は効果的な結合、プロセシングおよび装填を可能とする十分なインキュベーション、温度および期間を知っている。インキュベーション工程は典型的には約1〜2〜4時間の間で、約25度〜37度C(またはそれより高い)の温度であり、かつ/または約4度Cで一晩等となり得る。
【0054】
本発明の1例では、APCは死んだ、または死につつある腫瘍細胞(本明細書では「殺した腫瘍細胞」と呼ぶ)を装填したDCであり、限定するわけではないが腫瘍細胞系および単離されたオートロガスまたは同種異系の腫瘍細胞を含む。患者から単離された、または他の供給源から入手可能な任意の腫瘍または癌細胞を本発明の態様に使用することができると予想できる。実施例はメラノーマ細胞系の使用を開示するが、本発明の態様は他の癌、および樹状細胞に装填するために使用される癌細胞の種類に依存して、本発明の態様により処置できる種類の癌の処置に使用できることを企図している。
【0055】
本明細書に示す実施例では、腫瘍細胞の死はベツリン酸(BA)での処理により達成される。BAはカスパーゼ−8およびカスパーゼ−3の活性化を通してミトコンドリア−依存的な死を誘導する、メラノーマに対して特に活性な作用物質である。ベツリン酸(BA)は本明細書で提示する実施例で使用されるメラノーマ細胞系のアポトーシスまたは細胞死を誘導するために使用されるが、本発明の態様において他の細胞死誘導剤をBAの代わりに使用してもよい。他の細胞死誘導剤には、限定するわけではないがベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチンおよびビンクリスチンがある。
【0056】
本発明のDCワクチンは、熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導するように処理されたか、またはHSPを過剰発現するようにトランスフェクトされたいずれかの殺した腫瘍細胞を装填したDCを含んでなる。好適な態様では、DCワクチンはHSP発現を誘導するために、少なくとも42度Cで(本明細書では「熱ショック」と呼ぶ)、少なくとも4時間、事前にインキュベーションし、殺した腫瘍細胞を装填した単球由来の樹状細胞(MDDC)を含んでなる。別の好適な態様では、DCワクチンはHSP過剰発現遺伝子を含んでなるベクター、例えば本明細書に記載するようなRRL−pgk−HSP70−EGFPレンチウイルスベクターでトランスフェクトされた腫瘍細胞体を装填したMDDCを含んでなる。本発明に使用することができる他のHSPには、限定するわけではないがHSP60、HSP90およびgp96がある。実施例では腫瘍体または細胞に熱ショックを与えるために42度Cが使用されているが、HSPの発現を上げ、しかもHSPの機能を保持するために十分な任意の温度を本発明の態様で使用することができる(例えば約39〜55度C)。細胞中のHSPの発現を上げる他の方法には、限定するわけではないが低温、グルコース欠乏または酸素欠乏、細胞代謝を改変する薬剤への暴露、細胞傷害剤への暴露および他のストレスシグナルがある。さらに実施例は2、4または8時間の熱ショッキングを示すが、HSP70または他のHSPの発現を上げるために十分な期間を本発明の態様に使用することができる。
【0057】
本発明に従い、殺した腫瘍細胞を装填したDCは、腫瘍細胞ならびに腫瘍関連抗原に由来するペプチドを装填した標的細胞を殺すことができる細胞傷害性細胞(CTL)を誘導することができる。細胞傷害性細胞には限定するわけではないが、CD8T細胞、CD4T細胞、ナチュラルキラー細胞、およびナチュラルキラーT細胞を含む。今後、特に言及しない限り、細胞傷害性T細胞については1もしくは複数の細胞傷害性細胞を指す。本発明に従い、CTLはCD8+T細胞のような細胞傷害性細胞を、熱ショックで殺した腫瘍細胞を装填したDCと共存培養することにより調製される。1つの方法では、熱ショックで殺した腫瘍細胞はMDDCと1:1の比率で37度Cでコー(co)インキュベーションされ;3時間のコーインキュベーション後、細胞は0.05%トリプシン/0.02%EDTA PBS溶液に5分間再懸濁されて、細胞−細胞結合が破壊され;CD11c+DCが分類され(sorted)、sCD40L(1ミリリットルあたり200ナノグラム)で24時間、成熟化され、次いで細胞傷害性細胞を感作するために使用される。免疫学の当業者は知っているように、本発明に従いDCによるHSP:腫瘍抗原複合体の取り込みを可能とする装填された樹状細胞の共存培養(co−culture)の任意のインキュベーション温度および時間を使用することができる。
【0058】
熱ショックで殺した腫瘍細胞を装填したDCは、ナイーブなT細胞を感作して、樹状細胞を装填するために使用される腫瘍細胞および/または他の腫瘍細胞上に発現される特異的抗原または多くの(multiple)および/または共有する腫瘍抗原のいずれかを認識することができるエフェクター細胞に分化させることができる。異なる細胞間、例えば腫瘍細胞間で共有される多くの抗原に対するこの交差感作は、広い免疫応答を誘導するために重要である。本発明では、1つの特異的な同種異系腫瘍源に由来する細胞体を装填したDCにより誘導されるCTLが、他の腫瘍に致死効果を提供するために使用することができる。例えばMe275のような特異的な同種異系のメラノーマ癌腫細胞系から誘導された殺した腫瘍細胞を装填したDCにより誘導されるCTLは、Me290のような他の腫瘍細胞系を殺すことができる。
【0059】
また本発明の方法は、ワクチン接種に適当なベクター中に本発明の抗原、例えば熱ショックをかけて殺した腫瘍細胞を装填したオートロガスな樹状細胞で患者を処置することよる患者の腫瘍の処置を含む。1つの態様では、患者は同じ患者に由来する熱ショックをかけて殺した腫瘍細胞を装填したDCで処置される。別の態様では、患者は事前にHSPを過剰発現するように誘導された、殺した腫瘍細胞を装填されたDCで処置される。別の態様では、患者はオートロガスまたは同種異系の熱ショックをかけ、殺した腫瘍細胞を装填したオートロガスまたは同種異系の樹状細胞により感作されたオートロガスなT細胞で処置される。さらに別の態様では、患者は事前に熱ショックをかけ、かつ/またはHSPを過剰発現するようにトランスフェクトされた殺した腫瘍細胞を装填したオートロガスまたは同種異系の樹状細胞により感作されたオートロガスなT細胞で処置される。同様のプロトコールに予防的処置も従う。本発明におけるワクチン投与の経路には、限定するわけではないが皮下、皮内(intracutaneous)、腎臓包内、眼内または皮内(intradermal)注射を含む。
【0060】
ワクチン投与の頻度は、初回ワクチン接種後の血中免疫応答の評価に基づき個別化することができる。そのような早い段階での免疫応答の存在は、頻度が低いワクチン接種、例えば月に1回基準のワクチン接種を要する患者を同定する。この段階で免疫応答が無ければ、より頻繁なワクチン接種、例えば隔週毎のワクチン接種を要する患者を同定する。本発明では、患者は一生、あるいは悪性疾患に進行するまでワクチン接種を受けるべきである。同様のプロトコールが予防的処置にもあてはまる。
【0061】
本発明では、腫瘍抗原に対して誘導された免疫の包括的評価を、当該技術分野で知られている任意の方法により測定することができる。例えば本発明のDCの免疫原性は以下を含め、CD8+T細胞の交差感作の幾つかのパラメーターにより測定されることができる:(i)ナイーブなCD8+T細胞の分化に必要な装填されたDCでの刺激数;(ii)標準的な4時間の51Cr放出アッセイにおいて、HLA−A*0201メラノーマ細胞の致死;(iii)腫瘍退縮アッセイにおいて、インビトロでの腫瘍細胞の増殖を防止する能力;(iv)メラノーマペプチド−でパルスされたT2細胞の致死;および(v)メラノーマ四量体の結合。
【0062】
本発明の組成物および使用法は、以下に提供する実施例でさらに詳細に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲をどのようにも限定するものではないとは解釈される。これらの実施例は本発明を説明するが、組成物および方法に対する修飾も当業者の技術の範囲であり、そしてそのような修飾は本発明の範囲内にあると考える。
【実施例】
【0063】
実施例1.細胞系および細胞培養。ヒトメラノーマ細胞系:HLA−A*0201+Me275およびHLA−A*0201+Me290系は、ローザンヌのルードヴィヒガン研究所(Ludwig Cancer Institute)で樹立され、そしてJ−C.Cerottini博士およびD.Rimoldi博士の好意により贈られた。乳癌細胞系MCF−7(HLA−A2+)(ATCC No.HTB−22)およびT2(HLA−A2+)(ATCC No.CRL−1922)はアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC;バージニア州、マナッサス)からであった、。K563(ATCC No.CCL−243)は多型潜在性の造血悪性細胞系である。Colo829(ATCC No.CRL−1974)は悪性メラノーマ細胞系である。HLA−A*0201negSKMel28およびHLA−A*0201+SKMel24はATCCから得た悪性メラノーマ細胞系である。すべてのこれらの細胞系は、RPMI1640(GUBCOBRL)、1%L−グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS)からなるを完全培養基(CM)で維持された。T細胞培養に関して、FCSは10%の熱不活化ヒトAB血清に代えた。
【0064】
実施例2.EGFP+細胞系の産出。HLA−A201+同種異系細胞系T2、K562、Me275、Me290およびMCF7は、延長因子1αプロモーターの制御下に置かれたEGFPをコードするレンチウイルスベクターpHREF1α−EGFP(Patrice Mannoni博士の好意により提供された)でトランスフェクトされた。細胞系の形質導入は15の感染多重度(MOI)で6時間、1ミリリットルのポリブレン(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)、セントルイス、ミズーリ州)あたり8マイクログラムを用いて、37度Cで5%COインキュベーター中で行った。新しい培地を加え、そして培養を再開した。形質導入から2日後に、EGFP発現をフローサイトメトリーで監視した。細胞を拡大し、そして>95%EGFP+細胞の純度に分類した。それらを計数し、そしてcRPMI+10%AB中に5.104/mlで再懸濁した。
【0065】
実施例3.試薬およびペプチド。使用した組換えヒトサイトカインは、GM−CSF(イムネックス:Immunex)、可溶性CD40リガンド(sCD40L)、IL−2、IL−7およびIL−4(R&Dシステムズ、ミネアポリス、ミネソタ州)であった。ベツリン酸(BA)およびDNA色素7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)をシグマ−アルドリッチ(セントルイス、ミズーリ州)から購入した。ペプチド:gp100209−217(IMDQVPFSV;配列番号1)、チロシナーゼ368−376(YMDGTMSQV;配列番号2)、MARTI27−35(AAGIGILTV;配列番号3)、MAGE3271−279(FLWGPRALV;配列番号4)、およびPSA1141−150(FLTPKKLQCV;配列番号5)を、Bio−Synthesis(ルイスヴィル、テキサス州)により合成した。凍結乾燥したペプチドをDMSOに溶解し、発熱物質を含まない水中に1ミリリットルあたり1マイクログラムに希釈し、そして−80度Cで保存した。
【0066】
実施例4.熱ショックで殺したメラノーマ細胞の調製。メラノーマ細胞系を250mlのフラスコにCM中、1ミリリットルあたり3x10細胞の濃度で播いた。熱ショックをかけ、および殺した両方のメラノーマ細胞系を以下のように調製した。37度Cで24時間の培養後、細胞を42度Cのインキュベーターに2時間または4時間移した。次いで細胞は1ミリリットルあたり10マイクログラムのBA(アポトーシスまたは細胞死を誘導することが報告されている化合物)を加えて37度Cでインキュベーションし、そしてさらに24時間インキュベーションした。今後、これらの細胞を「高温メラノーマ体(hot melanoma body)」と呼ぶ。高温メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞を今後、「CTLhot」と呼ぶ。
【0067】
殺したが、熱ショックをかけなかったメラノーマ細胞について、細胞は1ミリリットルあたり10マイクログラムのBAで37度Cで24または48時間処理した。今後これらの細胞を「低温メラノーマ体(cold melanoma body)」と呼ぶ。低温メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞を今後、「CTLcold」と呼ぶ。熱ショックをかけたが、BAで処理しなかったメラノーマ細胞については、この細胞を42度Cのインキュベーターに2時間または4時間移し、次いでBAを加えずにさらに24時間、37℃でインキュベーションした。今後、これらの細胞を「熱ショックをかけたメラノーマ細胞」と呼ぶ。
【0068】
非装填DCで感作したCD8T細胞は、本明細書に提示する多くの実験において対照として使用した。これらの対照は「CTLun」と呼ぶ。APC−結合アネキシン−Vおよびプロピジウムヨージド(PI)染色を使用して、種々の条件下で腫瘍細胞のアポトーシスの割合を検出した。
【0069】
実施例5.HSP発現の測定。メラノーマ細胞系、SKMel28、SKMel24、Me275、Me290およびColo829は、熱ショックをかけたか、熱ショックをかけてさらにBA処理したか、またはBA処理したかのいずれかであった。代表的な細胞を集め、そして冷リン酸緩衝化食塩水(PBS)で2回洗浄した。細胞ペレットは、プロテアーゼインヒビターカクテル(0.1mM PMSF、1ミリリットルあたり1マイクログラムのロイペプチン、1ミリリットルあたり1マイクログラムのアプロチニン、および1ミリリットルあたり1マイクログラムのペプスタチン)を補充した適当容量の溶解バッファーに再懸濁し、そして氷上で30分間、細胞懸濁液が均一になり、そして固まりが見えなくなるまで時折混合しながらインキュベーションした。細胞溶解物を12,000rpmで20分間、4度Cで遠心した。上清のHSP60およびHSP70レベルは、ELISAキットにより検出した(ストレッスジーンズ(Stressgenes)、カナダ)(図1Aおよび1B)。細胞上清の全タンパク質は、Micro BSA(商標)タンパク質アッセイ試薬キットで調査した(ピアス バイオテクノロジー社(Pierce Biotechnology,Inc.)、ロックフォード、イリノイ州)。細胞溶解物中のHSP60またはHSP70の濃度は、上清中、1マイクログラムのタンパク質あたりナノグラムのHSPと定めた(ng/mg Pr)。図1Aに示すように、各メラノーマ細胞系におけるHSP70発現は、熱ショックをかけたメラノーマ細胞および熱ショックをかけてさらにBA処理した細胞(高温メラノーマ体)で4倍に大きく上昇した。図1Bでは、HSP60の発現における上昇を、2時間および4時間熱ショックをかけたメラノーマ細胞および熱ショックをかけてさらにBA処理した細胞(高温メラノーマ体)について示す。
【0070】
またウエスタンブロッティングを使用して、熱ショック細胞(2時間または4時間)、熱ショックをかけてさらにBA処理した細胞(高温メラノーマ体)、およびBA処理した細胞(低温メラノーマ体)(24時間)についてSKMel28細胞系でのHSP70、HSP60およびGP96発現パターンを測定した。30マイクログラムの全タンパク質を含有する各細胞溶解物を乗せ、そして8%SDS−ポリアクリルアミドゲルで分離し、そしてPVDF膜(ノベックス(Novex)、サンディエゴ)に移した。膜は4度Cで一晩、Super Blockingバッファー(ピアス バイオテクノロジー社)を使用することによりブロッキングし、そして1ミリリットルあたり1マイクログラムのマウス抗ヒトHSP60(SPA60)、HSP70(SPA810)またはgp96(SPA851)モノクローナル抗体(ストレッスジーン)と2時間、室温でインキュベーションした。膜をPBS−Tバッファーで洗浄した後、HRP結合ヤギ抗マウスIgGを1時間のインキュベーションに加え、そしてタンパク質のブロットをFluoro Blot(商標)ペルオキシダーゼ基質(ピアス バイオテクノロジー社)で明らかにした。結果は4時間熱ショックをかけたメラノーマ細胞および熱ショックをかけてさらにBA処理した細胞(高温メラノーマ体)について、HSP60、HSP70およびgp96発現に上昇が示された(データは示さず)。
【0071】
実施例6.単球由来樹状細胞の産出および抗原装填。HLA−A*0201健康ドナーまたはG−CSF可動化HLA−A*0201健康ドナーに由来するPBMCを6ウェルプレートに播き、そして37度Cで2時間、接着させた。非接着細胞を除去し、そして接着細胞をGM−CSF(1ミリリットルあたり100ナノグラム)およびIL−4(1ミリリットルあたり25ナノグラム)を補充したCM中で培養した。DCは新しいGM−CSFおよびIL−4培地を2日毎に加えることにより供給した。5日目に、未成熟単球由来樹状細胞(MMDDC)を回収し、そしてPBSで洗浄し、次いで4度Cで30分間、CD11c−APCで標識した。
【0072】
殺した腫瘍細胞を標識したMDDCと1:1の比率で37度Cでコーインキュベーションした。3時間のコーインキュベーション後、細胞は0.05%トリプシン/0.02%EDTA PBS溶液に5分間懸濁して、細胞−細胞結合を破壊した。CD11cDCを分類し、sCD40L(1ミリリットルあたり200ナノグラム)で24時間成熟させ、そしてナイーブなCD8T細胞を感作するために使用した。
【0073】
樹状細胞による腫瘍体の食作用の確認。殺した腫瘍細胞が未成熟MDDCにより捕捉されたことを確認するために、殺した腫瘍細胞をDNA特異的色素、7AADで30分間、4度Cで染色し、次いでCD11c−APC標識未成熟MDDCと異なる比率(3:1、1:1または1:3)で4度Cまたは37度Cのいずれかでコーインキュベーションした。2時間の培養後、殺した腫瘍体のDCによる食作用は、全CD11cDC群における二重−ポジティブDC(すなわちCD11cに7AAD)の割合としてFACSにより証明された(データは示さず)。また殺した腫瘍体のDCによるインターナリゼーションも、共焦点顕微鏡により確認された。簡単に説明すると、DCと腫瘍体との共存培養混合物をポリ−リシンを被覆したスライドに乗せ(バクスター ダイアグノスティック(Baxter Diagnostics)、ディアフィールド、イリノイ州)、4%パラホルムアルデヒドで固定し、そして0.5%サポニン/0.2%BSA/0.2%ゼラチン溶液で透過した。gp100モノクローナル抗体(NKI/beteb、バイオデザイン インターナショナル(Biodesign International)、サコ、メリーランド州)およびCD1a−FITC結合mAbを使用して、腫瘍体およびDCを各々同定した。細胞質中で起こるCD1a+標識MDDCのgp100染色は、殺した腫瘍体がMDDCにより捕捉されたことの指標であった(データは示さず)。
【0074】
実施例7.ナイーブなCD8+T細胞の精製および感作。熱ショックをかけて殺した腫瘍細胞を装填した単球由来樹状細胞(MDDC)が、ナイーブなCD8+Tリンパ球を感作する能力を調査した。
【0075】
CD8T細胞は、マウス抗ヒトCD4、CD14、CD16、CD56、CD19およびグリコホリン(glycophorin)Aマイクロビーズ(ミルテニー バイオテック社(Miltenyi Biotec,Inc.)、オーバン、カリフォルニア州)を使用して他の細胞の除去(depletion)よりHLA−A*0201の健康なドナーのPBMCから濃縮した。除去の実行はAutoMACSシステム(ミルテニー バイオテック社)により行った。濃縮したCD8T細胞は抗−CD27−FITC、CD45RA−PE、CD8−QRおよびCD45RO−APCで染色し、そしてCD8CD45RACD27CD45ROナイーブT細胞で染色した(>95%純度)。ナイーブなT細胞を、1週目は10IU/mlのIL−7を、そして2週目はIL−2を10:1比で補充した成熟した非装填DCまたは装填DCと共存培養した。T細胞は7日目に再刺激した。
【0076】
実施例8.51Cr放出アッセイ。標的細胞はNa51CrOで1時間、37度Cで標識した。T2細胞には4種のメラノーマペプチド(gp100、Tyr、MART1およびMAGE3)を3時間パルスさせた後に標識した。4時間の標準致死アッセイは以前に記載されたように行った(Paczesny et al.,2004)。簡単に説明すると、エフェクター細胞(30x10/ウェル)を96ウェルの丸底プレートに51Cr標識標的細胞と一緒に播いた。4時間後、上清は回収フレームを使用して回収し、そしてクロムで標識したタンパク質をγ−カウンター(パッカード インスツルメンツ社(Packard Instruments Co)、メリデン、コネチカット州、米国)を使用して測定した。次いで抗原特異的溶解の割合を決定した。
【0077】
ブロッキングに関しては、51Cr標識標的を1ミリリットルあたり10マイクログラムの精製されたマウス抗ヒトHLA−ABC mAb(クローンW6/32、DAKO、カルピンテリア、カリフォルニア州)、またはHLA−DR mAb(クローンG46−6、BD バイオサイエンス ファミンゲン(Bioscience Pharmingen)、サンディエゴ、カリフォルニア州)、または対合するマウスIgGアイソタイプ(クローンG155−178またはG46−6、BD バイオサイエンス ファミンゲン)と、96ウェルプレート中で30分間コーインキュベーションし、次いでT細胞を4時間の標準致死アッセイに加えた。各サンプルについて3連ウェルの平均を算出し、そして特異的な51Cr放出の割合を以下の式に従い決定した:
【0078】
【数1】

【0079】
実施例9.腫瘍退縮アッセイ。腫瘍細胞系は以前に記載され(Paczesny et al.,2004)、そして実施例2で簡単に提示したようにEGFPをコードするレンチウイルスベクターでトランスフェクトした。細胞系を5x10細胞/mlの濃度で、10%AB血清を含有するRPMI1640培地と懸濁した。感作したT細胞系を10細胞/mlで懸濁した。標的およびT細胞は、96ウェルのU底プレート中に全容量200マイクロリットルで、0時間、4時間、24時間、48時間および72時間、コーインキュベーションした。各時点で、細胞混合物を回収し、そして0.05%トリプシン/0.02%EDTA PBS溶液で5分間処理した。細胞ペレットをPE−結合CD8mAbで染色し、そしてFACS Calibur(商標)(ベクトン デッキンソン(Becton Dickinson)、サン ホセ、カリフォルニア州)を使用して分析した。各サンプルについて、50,000個の細胞を得た。全集団(ゲートなし)中のEGFP+集団(ゲートR1)の割合は、CELLQuest(商標)ソフトウェア(ベクトン デッキンソン)により定量した。腫瘍の増殖率は以下の式を使用して算出した:
【0080】
【数2】

【0081】
0時間の腫瘍の増殖率を100%と定めた。光学顕微鏡を使用して生きている細胞を計数するために、トリパンブルー排除を使用した。
【0082】
実施例10.四量体の染色。iTAgTMMHC四量体:HLA−A0201/gp100(IMDQVPFSV)、HLA−A0201/MAGE3(FLWGPRALV)、HLA−A0201/チロシナーゼ(YMDGTMSQV)、およびHLA−A0201/MARTI(ELAGIGILTV)ペプチド四量体は、ベックマン−コールター(Beckman−Coulter)から購入した。感作したT細胞系は、PE−結合四量体で30分間染色し、そしてPerCP−もしくはFITC結合抗CD8mAbでさらに30分間、室温で染色した。細胞はフローサイトメトリーで分析した。
【0083】
実施例11.リコールアッセイ(Recall Assay)。メラノーマ体を装填したDCで2回刺激した後、CD8T細胞はペプチドを適用したオートロガスDCと10:1の比率で播いた。T細胞はメラノーマ特異的CD8T細胞の頻度について7日後の培養物を分析した。
【0084】
実施例12.メラノーマ特異的CTLの交差感作。図2に具体的に説明するように、未成熟DCは、GM−CSFおよびIL−4と培養することによりHLA−A*0201の健康なボランティアに由来する単球から産出した。メラノーマ細胞系は4時間、42度C(熱ショック)でインキュベーションした後に殺した。メラノーマ体は、実施例4に与え、そして以前に記載されたように(Berard et al.,2000)、非加熱(低温メラノーマ体)または加熱(高温メラノーマ体)メラノーマ細胞のいずれかから、ベツリン酸(BA)を用いた24時間の処理により産出した。これらの殺した腫瘍細胞を未成熟MDDCと1:1の比率で3時間、共存培養して低温メラノーマ体を装填したDCおよび高温メラノーマ体を装填したDCを実施例6に記載したように産出した。非装填DC、低温メラノーマ体を装填したDC、および高温メラノーマ体を装填したDCを分類し、そして精製したCD8CD45RACD27CD45ROナイーブT細胞と培養した。DC/T細胞(1:10比率)の共存培養には、可溶性CD40リガンド(1ミリリットルあたり200ナノグラム)、IL−7(培養を通して10U/ml)、および2週目のIL−2(10U/ml)を補充した。細胞は外に示さない限り抗原を装填したDCで1回、再刺激した。2回目の刺激から7日後、4時間の51Cr放出アッセイならびにメラノーマ特異的エフェクターT細胞の頻度で検出されるように、細胞を回収して細胞傷害性致死活性を検出した。実施例7で示したこの工程は、非装填DC(CTLun)、低温メラノーマ体を装填したDC(CTLcold)および高温メラノーマ体を装填したDC(CTLhot)で感作されたT細胞を生じた。
【0085】
実施例13:高温メラノーマ体を装填したDCは、4時間の51Cr放出アッセイでメラノーマ細胞を殺すことができるCTLを急速に生じる。以前にナイーブなCD8T細胞はメラノーマ特異的CTLに分化するために低温メラノーマ体を装填したDCでの3回の刺激を要する(Berard et al.,2000)ことが報告された。したがって高温メラノーマ体を装填することが装填したDCの免疫原性を強化するかどうかに取り組むために、2回の刺激後のCTL分化を測定した。図3A〜3Cに示すように、高温メラノーマ体を装填したDCで2回刺激したHLA−A*0201CD8T細胞は、メラノーマ体の供給源として使用したHLA−A*0201Me275メラノーマ細胞を、30:1のE:Tで33%±3の特異的溶解で殺すことができた(n=3、図3A)。この致死はK562細胞の溶解が見られなかったので特異的であった。予想どおり、低温メラノーマ体を装填したDCで2回刺激したCD8T細胞は、メラノーマ細胞を殺すことができなかった(図3A)。さらに2回の刺激の後、高温Me275メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞はHLA−A*0201Me290メラノーマ細胞を殺すことができ(n=3、図3B)、これら2つのメラノーマ細胞系の間で共有される抗原に対する感作が示唆された。メラノーマ細胞を殺すことは、標的細胞をMHCクラスIブロッキングmAb W6/32を用いて前処理することにより、異なるE:T比率でMe275およびMe290の致死>60%阻害を生じるので(W6/32mAb無しでは15:1のE:T比率で15%の溶解、そしてW6/32mAb有りでは4%の溶解、図3C、データは示さず)、それらのMHCクラスIの発現により制限される。
【0086】
さらにHLA−A*0201negSk−Mel28メラノーマ細胞から誘導された高温メラノーマ体を装填したHLA−A*0201DCは、低い効率であるがHLA−A*0201Sk−Mel24メラノーマ細胞を殺すことができるCD8T細胞を誘導した(30:1のE:T比率で16%の特異的溶解、図4)。これらの結果は共通するメラノーマ抗原に対する交差感作を示す。すなわち2回の刺激がナイーブなCD8T細胞の、メラノーマ細胞系を殺すことができるCTLへの分化を誘導するに十分であるので、高温メラノーマ体のDCへの装填はそれらの免疫原性を強化する。
【0087】
実施例14.高温メラノーマ体を装填したDCは、メラノーマ細胞の生存/増殖を制御することができるCTLを急速に生じる。本発明者は腫瘍退縮アッセイ(TRA)が、再発を防止するT細胞能の尺度として役立つ腫瘍の生存/増殖のT細胞依存的阻害の検出を可能にすることを示した(Paczesny et al.,2004)。したがってTRAは高温メラノーマ体を装填したDCの強化された免疫原性の別の尺度として使用された。このために、低温または高温メラノーマ体を装填したDCを含む培養物に由来するCD8T細胞を、EGFP標識メラノーマ細胞と(20:1のE:T比率で)共存培養し、そして培養物を異なる時点で回収し、抗CD8−PEで標識し、そしてフローサイトメトリーにより分析した。
【0088】
図5A〜5Dは、HLA−A*0201Me290メラノーマ細胞に対して2週間の培養で感作したHLA−A*0201T細胞を、それらがMe290メラノーマおよび対照K562細胞の生存/増殖を阻害する能力について試験した代表的な実験を示す。予想どおり、低温Me290体で感作したCD8T細胞は、Me290増殖の制御にそれほど効率的ではなかった。実際に4時間の共存培養後、EGFP(生存)メラノーマ細胞の画分は共存培養の開始と比べてほぼ同一であった(図5A)。24時間後、約20%の減少が生存メラノーマ細胞の画分で観察された(図5A)。対照的に、高温メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞は、Me290細胞の生存/増殖の制御に大変効率的であった(図5B);4時間の培養後、EGFPメラノーマ細胞の画分は>80%減少し、そして共存培養の48時間にわたり低いままであった。NK−感受性K562細胞の生存/増殖は変化しなかったので、生存腫瘍細胞の画分において観察された減少はメラノーマに特異的であった(図5C)。
【0089】
メラノーマ細胞系に特異的なCD8T細胞の感作は、HLA−A*0201Me275メラノーマ細胞に対して感作したHLA−A*0201CD8T細胞がHLA−A*0201Me290メラノーマ細胞の増殖を阻害する能力によりさらに確認した(図5D)。すなわちメラノーマ細胞の生存/増殖はトリパンブルー排除および光学顕微鏡を使用した生存細胞の計数により測定した。3回の実験ではMe290メラノーマ細胞の増殖/生存の制御において、高温Me275メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞が低温Me275体を装填したDCよりもかなり効率的であった(図5D)。すなわちナイーブなCD8T細胞の、メラノーマ細胞系の増殖/生存を制御することができるCTLへの分化を誘導するためにわずか2回の刺激が必要であるので、DCに高温メラノーマ体を装填することはそれらの免疫原性を強化する。
【0090】
実施例15.高温メラノーマ体を装填したDCは、メラノーマ分化抗原由来ペプチドを認識することができるCTLを急速に生じる。さらに高温体を装填したDCで感作したCD8T細胞がメラノーマ分化抗原:MART−1/MelanA、gp100、チロシナーゼおよびMAGE−3に特異的であるかどうかについても決定された。T細胞の特異性は2つのアッセイでT2細胞上に提示されるメラノーマペプチドを認識するそれらの能力により評価された:1)分化抗原から誘導された4種のメラノーマペプチドの混合物でパルスされた51Cr標識T2細胞と4時間共存培養した後の51Cr放出、および2)TRAにおけるメラノーマペプチドでパルスされたEGFP発現T2細胞の生存。高温HLA−A*0201Me290メラノーマ体で感作したCD8T細胞は、40:1のE:T比率で51Cr放出アッセイにおいてメラノーマ−ペプチドでパルスされたT2細胞を40%の特異的溶解で殺すことができることが分かった(図6A)。この致死は、対照PSAペプチドでパルスされたT2細胞が殺されなかったので特異的であった。予想どおり低温Me290メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞は、ペプチドでパルスされたT2細胞を殺すことができず(図6A)、3回の刺激が必要であるという我々の以前の考察と一致した(Berard et al.,2000)。メラノーマ分化抗原特異的T細胞の誘導は、さらに交差感作実験で確認した。HLA−A*0201CD8T細胞を、HLA−A*0201negSk−Mel28細胞から誘導された高温メラノーマ体を装填したDCで2回刺激した。図6Bに示すように、感作したCD8T細胞はメラノーマ−ペプチドでパルスされたT2細胞を48%±8の特異的溶解で殺したが(40:1のE:T比率、n=3)、PSAペプチドでパルスされたT2細胞を殺さず、これは交差感作を示す。
【0091】
感作したCD8T細胞がメラノーマ抗原を認識する能力も、腫瘍退縮アッセイで確認した。装填したDCでの2週間の培養に由来するCD8T細胞を、対照PSAペプチドでパルスしないか、またはでパルスされた、あるいは4種のメラノーマペプチドの混合物でパルスされたいずれかのEGFP発現T2細胞と共存培養した。T2細胞の生存は種々の時点で、フローサイトメトリーにおけるEGFP細胞の画分として測定した。図6Eに示すように、感作したCD8T細胞はすでに4時間の共存培養後にEGFPメラノーマペプチドでパルスされたT2細胞の画分にかなりの低下(約70%)を誘導し、そしてEGFPT2細胞の画分は48時間の共存培養にわたり低いままであった。対照T2細胞の生存(パルスされないかまたはSPAでパルスされたのいずれか)は変化しなかったので、この効果は特異的であった(それぞれ図6Cおよび6D)。FACSデータに従い、ペプチドでパルスされたT2−EGFP細胞の増殖率は、以下の式を使用することにより算出した:
【0092】
【数2】

【0093】
式中、0時間での腫瘍増殖率を100%と定めた。図6Fに示すように、高温メラノーマ体を装填したDCで感作したCD8T細胞は、低温メラノーマ体を装填したDCで感作した細胞よりもさらに一層効率的であったが、低温メラノーマ体装填DCで感作したCD8Tは、3回の独立した実験でメラノーマペプチドでパルスされたT2細胞の生存/増殖を制御することができなかった。このようにDCに高温メラノーマ体を装填することは、それらの免疫原性を強化し、そしてナイーブなCD8T細胞のメラノーマ特異的CTLへの分化を誘導するために2回の刺激で十分であった。
【0094】
実施例16.高温メラノーマ体を装填したDCは、CD8T細胞に結合するメラノーマ四量体を即座に生じる。メラノーマ特異的CD8T細胞の頻度は、4種のメラノーマペプチド、すなわちgp100、MART−1/MelanA、チロシナーゼおよびMAGE−3を装填した4量体を使用して測定した。図7A−7Cは四量体染色の代表的パターンを示す。高温HLA−A*0201Me290メラノーマ体装填DCで2回刺激した後、0.4%のでCD8T細胞はMART−1/MelanAに対して特異的であった(図7A)。しかし他の特異性は分析に関する5x10T細胞の取得ではほとんど検出することができず、T細胞がMART−1に対してのみ感作されたか、または誘導されたレパートリーは広かったが所定のペプチドに関する頻度は低く、したがって特定の特異性を持つT細胞を検出することを難しくしているかのいずれかを示す。
【0095】
これに取り組むため、リコール記憶CD8T細胞(すなわち定めたペプチドでパルスされたDCでの1回の再刺激が発現に必要なT細胞)の存在を分析した。上記のように、ナイーブなCD8T細胞を2週間の培養で高温Me290メラノーマ体を装填したDCで感作した。2回目の刺激から7日後、T細胞を洗浄し、各4種のいずれかのメラノーマペプチドを、または対照PSAペプチドでパルスされたオートロガスDCで再刺激し、そしてさらに7日培養した後に分析した。図7Bに示すように、CD8T細胞に結合するメラノーマ四量体の頻度は、PSAペプチドでパルスされたDCで再刺激した後に安定なままであった。しかしメラノーマペプチドでパルスされたDCでの追加免疫でメラノーマ特異的CD8T細胞の拡大がもたらされた(図7C)。このようにCD8T細胞に結合するMART−1/MelanAの頻度は1.49%まで上昇し、そして他の特異性を有するT細胞が明らかに検出可能となった:0.35%のMAGE−3特異的CD8T細胞、0.25%のgp100特異的CD8T細胞および0.16%のチロシナーゼ特異的CD8T細胞。
【0096】
同様の結果が、高温HLA−A*0201Me290メラノーマ細胞に対して感作したCD8T細胞を用いた実験、ならびにHLA−A*0201T細胞がHLA−A*0201negSk−Mel28メラノーマ細胞に対して感作された交差感作の状況の2つで得られた(表I)。後者の場合、メラノーマ体を装填したDCにより感作され、そしてメラノーマペプチドでパルスされたDCでの追加免疫により拡大したリコール記憶T細胞は、明らかにMART−1/MelanA、チロシナーゼおよびMAGE−3に対して優勢な特異性で検出可能であった(表I)。最後に両方の場合で、T細胞がHLA−A*0201Me290メラノーマ体で感作されているか、またはHLA−A*0201negSk−Mel28メラノーマ体で感作されていても、高温体を装填したDCは低温体を装填したDCよりもメラノーマ特異的CD8T細胞の感作においてさらに一層効率的であった(表I)。
【0097】
【表2】

【0098】
実施例17.熱処理は、腫瘍抗原をコードする遺伝子の転写のアップレギュレーションを介して交差感作を上昇させる。熱処理が腫瘍抗原をコードする遺伝子の転写に及ぼす効果を、リアルタイム逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析を使用して調査した。
【0099】
目的とする所定の細胞系について、全RNAをRNeasyキット(キアゲン(Qiagen)、バレンシア、カリフォルニア州)を使用して製造元の使用説明に従い抽出し、そしてAgilent2100 Bioanalyzer(アギレント(Agilent)、パロ アルト、カリフォルニア州)を使用して評価した。RNAはTURBO DNA−フリーキット(アンビオン社(Ambion,Inc.)、オースチン、テキサス州)を用いて2回目のDNase処理にかけた。100ナノグラムのRNAから、cDNAをTwo−Cycle cDNA合成キットを使用して合成し(アフィメトリックス社(Affymetrix,Inc.)、サンタクラーラ、カリフォルニア州)、続いてインビトロ転写にかけた(MEGAscript T7キット、アンビオン社)。2工程のRT−PCRは、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)のTaqMan Assay on Demandプローブおよびプライマーの組を使用して製造元の使用説明に従い行った(アプライドバイオシステムズ社、フォスターシティ、カリフォルニア州)。逆転写は、High Capacity cDNA Archiveキット(アプライドバイオシステムズ)を使用して行った。リアルタイムPCRは、ABI Prism7700Sequence Detection Systemで行った。相対的なmRNA発現を、アフィメトリックスユーザーニュースレター(Affymetrix User Bulletin)#2(2001年10月更新)に記載されている比較用C法を使用して算出した。結果は未処理メラノーマ細胞に対して熱処理メラノーマ細胞に関するCにおいて標準化された差異として算出した(ΔΔCt,q)。
【0100】
実験の結果は図9A−9Fに与える。MAGE−B3(図9A)、MAGE−B4(図9C)、またはMAGE−A8(図9E)のmRNA発現のリアルタイム分析前に、SkMel28細胞は加熱しなかったか(「非」);42度Cで4時間加熱したか(「4時間加熱」);42度Cで4時間の熱処理中にアクチノマイシンD(既知の転写インヒビター)に暴露されたか(「加熱プラスAD」);対照ベクターEGFPでトランスフェクトされたか(「EGFP」);またはベクター発現HSP70でトランスフェクトされた(「HSP70」)。加熱処理細胞に対して非加熱細胞を比べると、腫瘍抗原MAGE−B3、MAGE−B4およびMAGE−A8の転写の明らかなアップレギュレーションが熱処理後に観察された。アクチノマイシンDの添加はアップレギュレーションを阻害し、転写調節を確認した。HSP70の過剰発現はメラノーマ抗原の転写を増加させなかった。類似の結果がMe290細胞系で得られた。細胞はMAGE−B3(図9B)、MAGE−B4(図9D)、またはMAGE−A8(図9F)のmRNA発現のリアルタイム分析前に、加熱しなかったか(「非」);42度Cで4時間加熱したか(「4時間加熱」);42度Cで4時間の熱処理中にアクチノマイシンD(既知の転写インヒビター)に暴露されたか(「加熱プラスAD」)のいずれかであった。加熱処理細胞に対して非加熱細胞を比べると、腫瘍抗原MAGE−B3、MAGE−B4およびMAGE−A8の転写の明らかなアップレギュレーションが熱処理後に観察された。アクチノマイシンDの添加はアップレギュレーションを阻害し、転写調節を確認した。すなわち加熱処理または高体温(hyperthermia)は、メラノーマ抗原をコードする遺伝子の転写のアップレギュレーションを介して交差感作を上昇させた。
【0101】
まとめると、本発明による方法に従いメラノーマ細胞死の誘導前にメラノーマ細胞の熱処理、およびDCワクチンに装填されるメラノーマ体の生成(generation)は、そのようなDCワクチンの免疫原性にかなりの増強をもたらす。増強された免疫原性、すなわちそのような治療に対する患者の応答は、ナイーブなCD8T細胞の感作を測定する幾つかのアッセイで容易に検出することができる:i)ナイーブなCD8T細胞の分化に必要な装填されたDCでの刺激数;ii)標準的な4時間の51Cr放出アッセイにおいて、HLA−A*0201メラノーマ細胞の致死、iii)腫瘍退縮アッセイにおいてインビトロで腫瘍増殖を防止する能力、iV)メラノーマペプチド適用T2細胞の致死、およびv)メラノーマ四量体の結合。すべてのアッセイで、加熱したメラノーマ体を装填したDCは、非加熱または低温のメラノーマ体を装填したDCに優る。これらの結果は加熱したメラノーマ細胞がDCワクチンに装填されるメラノーマ抗原の供給源として使用される場合に、感作したT細胞の量だけでなく質も優れていることを示唆している。DCに基づく、またはT細胞に基づく腫瘍免疫治療について、本発明の方法の臨床的応用は、1)養子T細胞療法のプロトコールにT細胞の顕在化/拡大に必要な時間を短くするために、そして2)DCに基づく免疫療法のプロトコールにおける注射あたりのDCの数および/またはDC注射の回数を制限するために、本発明のDCワクチンの増大した免疫原性の使用を含む。
【0102】
本発明で使用することができるさらなるヒト腫瘍細胞系の例は、例えば以下を含む:
表II.癌細胞
細胞系 腫瘍型
J82 移行性−細胞癌腫、膀胱
RT4 移行性−細胞乳頭腫、膀胱
ScaBER 鱗状癌腫、膀胱
T24 移行性−細胞癌腫、膀胱
TCCSUP 移行性−細胞癌腫、膀胱,1次段階IV
5637 癌腫、膀胱、1次
SK−N−MC 神経芽腫、眼窩上の領域への転移
SK−N−SH 神経芽腫、骨髄への転移
SW1088 星状細胞腫
SW1783 星状細胞腫
U−87 MG 多形グリア芽腫、星状細胞腫、段階III
U−118 MG 多形グリア芽腫
U−138 MG 多形グリア芽腫
U−373 MG 多形グリア芽腫、星状細胞腫、段階III
Y79 網膜芽腫
BT−20 癌腫、乳房
BT−474 腺癌腫、乳房
MCF7 乳房腺癌、胸水
MDA−MB−134−V 乳房、腺管癌(ductal
carcinoma)、胸膜I滲出
MDA−MD−157 乳房髄質、癌腫、胸水
MDA−MB−175−V 乳房、腺管癌(ductal
carcinoma)、胸膜II滲出
MDA−MB−361 腺癌、乳房、脳への転移
SK−BR−3 腺癌、乳房、悪性胸水
C−33A 癌腫、頚
HT−3 癌腫、頚、リンパ節への転移
ME−180 類表皮癌、頚、網への転移
MEL−175 メラノーマ
MEL−290 メラノーマ
HLA−A*0201 メラノーマ細胞
MS751 類表皮癌、頚、リンパ節への転移
SiHa 鱗状癌腫、頚
JEG−3 絨毛癌、Caco−2 腺癌、結腸
HT−29 腺癌、結腸、穏やかに十分分化した段階II
SK−CO−1 腺癌、結腸、腹水
HuTu80 腺癌、十二指腸
A−253 類表皮癌、顎下腺
FaDu 鱗状細胞癌腫、咽頭
A−498 癌腫、腎臓
A−704 腺癌、腎臓
Caki−1 澄んだ細胞癌腫、腎性原始に一致、
皮膚への転移
Caki−2 澄んだ細胞癌腫、腎性原始に一致
SK−NEP−1 ウィルムス腫瘍、胸水
SW839 腺癌、腎臓
SK−HEP−1 腺癌、肝臓、腹水
A−427 癌腫、肺
Calu−1 類表皮癌段階III、肺、胸膜への転移
Calu−3 腺癌、肺、胸水
Calu−6 未分化癌、恐らく肺
SK−LU−1 腺癌、不十分な分化と一致、段階III
SK−MES−1 鱗状癌腫、肺、胸水
SW900 鱗状細胞癌腫、肺
EB1 バーキットリンパ腫、上顎骨
EB2 バーキットリンパ腫、卵巣
P3HR−1 バーキットリンパ腫、腹水
HT−144 悪性メラノーマ、皮下組織への転移
Malme−3M 悪性メラノーマ、肺への転移
RPMI−7951 悪性メラノーマ、リンパ節への転移
SK−MEL−1 悪性メラノーマ、リンパ系への転移
SK−MEL−2 悪性メラノーマ、大腿の皮膚への転移
SK−MEL−3 悪性メラノーマ、リンパ節への転移
SK−MEL−5 悪性メラノーマ、腋窩節への転移
SK−MEL−24 悪性メラノーマ、節への転移
SK−MEL−28 悪性メラノーマ
SK−MEL−31 悪性メラノーマ
Caov−3 腺癌、卵巣、1次に一致
Caov−4 腺癌、卵巣、ファローピウス管の漿膜下組織へ
の転移SK−OV−3 腺癌、卵巣、悪性腹水
SW626 腺癌、卵巣
Capan−1 腺癌、膵臓、肝臓への転移
Capan−2 腺癌、膵臓、
DU145 癌腫、前立腺、脳への転移
A−204 横紋筋肉腫
Saos−2 骨原性肉腫、1次
SK−ES−1 未分化骨肉腫 対 スイング肉腫、骨
SK−LNS−1 平滑筋肉腫、外陰部、1次
SW684 繊維肉腫
SW872 脂肪肉腫
SW982 腋窩滑液肉腫
SW1353 軟骨肉腫、上腕骨
U−2OS 骨原性肉腫、骨1次
Malme−3 皮膚繊維芽細胞
KATOIII 胃癌腫
Cate−1B 胎生期癌、精巣、リンパ節への転移
Tera−1 胎生期癌、肺への転移と一致する悪性
Tera−2 胎生期癌、肺への転移と一致する悪性
SW579 甲状腺癌腫
AN3 CA 子宮内膜腺癌、転移性
HEC−1−A 子宮内膜腺癌
HEC−1−B 子宮内膜腺癌
SK−UT−1 子宮、混合中胚葉腫瘍、平滑筋肉腫段階III
と一致
SK−UT−1B 子宮、混合中胚葉腫瘍、平滑筋肉腫段階III
と一致
Sk−Mel28 メラノーマ
SW954 鱗状細胞癌腫、外陰部
SW962 癌腫、外陰部、リンパ節転移
NCI−H69 小細胞癌腫、肺
NCI−H128 小細胞癌腫、肺
BT−483 腺管癌、乳房
BT−549 腺管癌、乳房
DU4475 転移性皮膚小節、乳房癌腫
HBL−100 乳房
Hs578Bst 乳房、正常
Hs578T 腺管癌、乳房
MDA−MB−330 癌腫、乳房
MDA−MB−415 腺癌、乳房
MDA−MB−435S 腺管癌、乳房
MDA−MB−436 腺癌、乳房
MDA−MB−453 癌腫、乳房
MDA−MB−468 腺癌、乳房
T−47D 腺管癌、乳房、胸水
Hs766T 癌腫、膵臓、リンパ節への転移
Hs746T 癌腫、胃、左脚への転移
Hs695T メラニン欠乏性メラノーマ、リンパ節への転移
Hs683 神経膠腫
Hs294T メラノーマ、リンパ節への転移
Hs602 リンパ腫、頚部
JAR 絨毛癌、胎盤
Hs445 リンパ系、ホジキン病
Hs700T 腺癌、骨盤への転移
H4 ニューログリオーマ(neuroglioma)、

Hs696 腺癌1次、未知、骨−仙骨への転移
Hs913T 繊維肉腫、肺への転移
Hs729 横紋筋肉腫、左脚
FHs738Lu 肺、正常胎児
FHs173We 全胚、正常
FHs738B1 膀胱、正常胎児
NIH:OVCAR−3 卵巣、腺癌
Hs67 胸腺、正常
RD−ES ユーイング肉腫
ChaGo K−1 気管支癌腫、皮下転移、ヒト
WERI−Rb−1 網膜芽腫
NCI−H446 小細胞癌腫、肺
NCI−H209 小細胞癌腫、肺
NCI−H146 小細胞癌腫、肺
NCI−H441 乳頭腺癌、胚
NCI−H82 小細胞癌腫、肺
H9 T細胞リンパ腫
NCI−H460 大細胞癌腫、肺
NCI−H596 腺偏平上皮癌、肺
NCI−H676B 腺癌、肺
NCI−H345 小細胞癌腫、肺
NCI−H820 乳頭腺癌、胚
NCI−H520 偏平上皮癌、肺
NCI−H661 大細胞癌腫、肺
NCI−H510A 小細胞癌腫、肺外起源、転移性
D283 Med 髄芽種
Daoy 髄芽種
D341 Med 髄芽種
AML−193 急性単球白血病
MV4−11 白血病、2形質性
【0103】
本明細書に記載する特定の態様は、具体的説明を示すものであり、そして本発明を限定するものではないと理解される。本発明の原理的特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく種々の態様に使用することができる。当業者は日常的な実験を行うだけで本明細書に記載する具体的手順に対する多数の均等物を認識し、または確認することができるだろう。そのような均等物は本発明の範囲内にあると考えられ、そして特許請求の範囲に網羅される。
【0104】
本明細書中で言及したすべての刊行物および特許出願は、本発明に関係する当業者の技術レベルを示す。すべての刊行物および特許出願は、各々個別の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に引用により包含されるならば、それと同程度に引用により本明細書に編入される。
【0105】
特許請求の範囲において、「含んでなる」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含有する」、「関与する」等のようなすべての接続句(transitional phrase)は、制限を設けないと理解され、すなわち含むが限定しないことを意味する。それぞれ「〜からなる」および「本質的に〜からなる」という接続句のみが閉鎖型または半閉鎖型の接続句である。
【0106】
本明細書に開示し、そして特許請求するすべての組成物および/または方法は、本開示に照らして過度な実験を行わなくても作成し、そして実行することができる。本発明の組成物および方法は好適な態様という意味で記載してきたが、当業者には本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく本明細書に記載する組成物および/または方法に、および方法の工程または工程の順序に変更を適用できることが明らかである。より詳細には、化学的および生理学的の両方で関連する特定の作用物質を、本明細書に記載する作用物質と置き換えることができると同時に、同じか、または類似する結果を達成することは明らかである。当業者には明白なすべてのそのような類似する置換または修飾は、添付する特許請求の範囲に定める本発明の精神、範囲および概念の中にあると見なされる。
【0107】
【表3】

【0108】
【表4】

【0109】
【表5】

【0110】
【表6】

【0111】
本発明の特徴および利点をより完全に理解するために、これから添付する図面と一緒に本発明の詳細な説明に対する参照を以下に作成する:
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】図1Aおよび1Bは、メラノーマ細胞系における熱ショック後のHSPの発現パターンを表す。左から右に示すように、メラノーマ細胞系、SKMel28、SKMel24、Me275、Me290およびColo829を37度Cでインキュベーションし、42度Cで2時間、4時間または8時間熱ショックにかけるか(本明細書では示さない):あるいは加熱後、10μg/mlのベツリン酸(BA)で24時間処理するか、または10μg/mlのBA単独で24時間および48時間処理した。異なる時点で、細胞を回収し、そして冷PBSで2回洗浄した。細胞ペレットを抽出試薬で溶解した。左から右に、図1Aおよび1Bは結果を示し、ここで図1Aは熱ショックまたはBA処理後のHSP70発現を表す。HSP70発現はELISAキットで測定した。図1Bは熱ショックまたはBA処理後のHSP60発現を表す。HSP60発現はELISAキットで測定した。結果は2回の独立した実験の平均値を表す。
【図2】実施例6および7に提示する実験に関する実験計画を表す。HLA−A*0201+単球由来樹状細胞に、非加熱(低温)または加熱処理(高温)メラノーマ体と1:1の比率で3時間装填し、CD11c発現に基づき分類し、sCD40Lで成熟させ、そしてナイーブなオートロガスCD8+T細胞を感作するために10:1の比率で2週間の培養に使用した。
【図3】図3Aから3Cは、メラノーマ細胞系を殺すことができるCTLの感作を表す。代表的な細胞系はBAで48時間処理するか(「低温」と示す)、または42度Cで4時間の熱ショックにかけ、次いでBAで24時間処理する(「高温」と示す)いずれかであった。これらのメラノーマ体を未成熟MDDCと1:1の比率で3時間共存培養し、次いでCD11c+MDDCを分類し、そしてsCD40L(1ミリリットルあたり200ナノグラム)で24時間、成熟させた。オートロガスのナイーブなCD8T細胞を、第1週の刺激のために10:1比率で10IU/mlのIL−7と加え、そして7日目に刺激はIL−7をIL−2に代えることを除いて第1週のように反復した。7日の2回目の刺激後、T細胞を回収し、そして細胞傷害性の致死活性を標準的な4時間の51Cr放出アッセイで検出した。図3Aは、感作したHLA−A*0201+CD8+T細胞と4時間共存培養した後に、HLA−A*0201+Me275メラノーマ細胞および対照K562細胞からの51Crの放出を表す。CTLun=非装填DCと2週間培養したT細胞、CTLcold=低温Me275体を装填したDCと2週間培養したT細胞、およびCTLhot=高温Me275体を装填したDCと2週間培養したT細胞。結果は3回の実験の平均およびSDを表す。図3BはHLA−A*0201+Me290メラノーマ細胞からの51Cr放出を表し、高温Me275体DCにより感作されたT細胞がMe290細胞系を交差致死(cross−kill)できることを示す。T細胞は図3Aについて記載したものと同じである。結果は3回の実験の平均およびSDを表す。図3Cは示したmAbでの標的細胞の前処理による特異的溶解の阻害を表し、高温Me275体で感作したT細胞の細胞傷害活性は、MHCクラスI経路により主に媒介されたことを示す。この結果は2回の独立した実験の平均値を表す。
【図4】メラノーマ細胞系を殺すことができるCTLの交差感作を表す。T細胞は図3A−3Cに記載したように感作し、ただしDCにはHLA−A*0201negSKMel28メラノーマ細胞を装填し、そして結果はHLA−A*0201+SKMel24メラノーマ細胞からの51Crの放出を示し(2つの実験の代表)、高温SKMel28体により感作されたT細胞がSKMel24細胞を交差致死できることを示す。
【図5】図5A〜5Dは、メラノーマ細胞系の生存/増殖を制御することができるCTLの感作を表す。ナイーブなCD8+T細胞を図3A〜3Cに記載したように感作した。EGFP−レンチウイルスベクターでトランスフェクトしたメラノーマおよびK562細胞系を腫瘍退縮アッセイで標的として使用した。図5A〜5Cに示すように、2回の刺激後、非装填DC(CTLun)(本明細書では示さず)、低温Me290体を装填したDC(CTLcold)、または高温Me290体を装填したDC(CTLhot)と培養したT細胞を、20:1の比率でMe290−EGFP標的細胞と共存培養した。共存培養物を示した時点で回収し、PE結合抗CD8mAbで染色し、そしてフローサイトメトリーにより分析した。右上の値は、生存EGFP+腫瘍細胞のパーセンテージを示す。結果は3回の実験の代表である。図5Dは低温Me275細胞装填DC(CTLcold)、または高温Me290細胞装填DC(CTLhot)により感作し、そしてMe290−EGFP標的細胞と、20:1の比率で4時間、24時間、48時間または72時間、共存培養したT細胞を表す。生存腫瘍細胞をトリパンブルー排除により光学顕微鏡を使用して計数した。結果は3回の実験の平均およびSDを表す。
【図6】図6A〜6Fはメラノーマ特異的CTLの感作を表す:T2致死アッセイ。4時間の51Cr放出アッセイでは、図6AはHLA−A*0201+Me290細胞に対して図3A〜3Cで表すような感作をして、4種のメラノーマペプチド:MART−1/Melan A、gp100、チロシナーゼおよびMAGE−3の混合物によりパルスされたT2細胞(T2+4P)、または対照PSAペプチドによりパルスされたT2細胞(T2+PSA)または使用したパルスされない(used unpulsed)(T2)からの51Cr放出が与えられたことを示す。結果は3回の実験の平均およびSDである。図6BはHLA−A*0201negSk−Mel28細胞に対して図4に記載するような感作を表し、図6Aに与えたように読んだ。結果は3回の実験の平均およびSDである。図6C〜6Eは、それぞれT2−EGFP細胞(30:1のエフェクター:標的比率)、SPAペプチドでパルスされたT2−EGFP細胞(30:1のエフェクター:標的比率)、または4種のメラノーマペプチド(gp100、Tyr、MART1およびMAGE3)でパルスされたT2−EGFP細胞(20:1のエフェクター:標的比率)と共存培養した高温アポトーシスMe290体を装填したMDDCにより感作されたT細胞の、0時間、4時間、24時間および48時間の間標的とした、腫瘍退縮アッセイに関するフローサイトメトリーの結果を表す。結果は2回の実験の代表である。図6C〜6EからのFACSデータに従い、図6Fは以下の式を使用することにより計算されるペプチドでパルスされたT2−EGFP細胞の増殖率を表す:%増殖率=(%EGFP+その時点の集団/%EGFP+0時間での集団)x100%。腫瘍増殖率は0時間を100%と定めた。結果は2回の実験の平均値である。
【図7】図7A〜7Cはメラノーマ特異的CTL:四量体結合アッセイの感作を表し、感作は図3A〜3Cに記載したようにHLA−A*0201+Me290細胞に対する。図7Aに示すように、四量体染色は2回目の刺激後7日目に行い、そして50,000個の細胞が各サンプルについて得られた。結果は、全CD8群(population)における2重陽性群(double positive population)(CD8+四量体+)のパーセンテージを示す。図7Bに示すように、感作したT細胞はPSA1でパルスされたDCにより1回、再刺激し(CTLhot−2R/PSA+DC)、そして再刺激から7日に分析した。図7Cに示すように、感作したT細胞は4種の各メラノーマペプチドでパルスされたDCにより1回、再刺激し(CTLhot−2R/Mel+DC)、そして再刺激から7日後に分析した。結果は2回の実験の代表である。
【図8】図8Aおよび8BはSKMel28メラノーマ細胞系におけるHSP70過剰発現の構築を示す。図8AはレンチウイルスベクターRRL−pgk−hsp70−EGFPの概略地図を表す(腫瘍退縮アッセイで使用した)。図8Bはトランスフェクトされ、そしてmockトランスフェクトされたSKMel28メラノーマ細胞系におけるHSP70発現レベルを表す。SKMel28、SKMel28/RRL−pkg−EGFP(「SKMel28−EGFP」と略す)およびSKMel28/RRL−pkg−HSP70−EGFP(「SKMel28−HSP70−EGFP」と略す)をELISAおよびウエスタンブロッティングにより検出した。結果は3回の独立した実験の平均値を表す。有意なHSP70過剰発現が観察された(SKMel28/RRL−pgk−EGFPまたはSKMel28細胞系と比べた時のSKMel28/RRL−pgk−hsp70−EGFP細胞系におけるHSP70レベルP<0.001)。
【図9】図9A〜9Fは実施例17に記載した3種のメラノーマ抗原、MAGE−B3、MAGE−B4およびMAGE−A8のmRNA発現という意味で、メラノーマ細胞系SKMel28およびMe290のリアルタイムRT−PCR分析からの相対的発現データを示す。図9A〜9Fに示すように、メラノーマ細胞はメラノーマ抗原のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、未処理(「非」);42度Cで4時間の加熱処理(「4時間加熱」);42度Cで4時間の加熱中にアクチノマイシンD(既知の転写インヒビター)へ暴露(「加熱プラスAD」;対照ベクターEGFPでトランスフェクト(「EGFP」);またはベクター発現HSP70でトランスフェクト(「HSP70」)された。図9Aは、MAGE−B3のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、上記のように未処理、加熱処理、またはトランスフェクトしたいずれかのSKMel28細胞を表す。図9BはMAGE−B3のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、上記のように未処理または加熱処理したMe290細胞を表す。図9CはMAGE−B4のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、上記のように未処理、加熱処理、またはトランスフェクトしたSKMel28細胞を表す。図9DはMAGE−B4のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、上記のように未処理または加熱処理したいずれかのMel290細胞を表す。図9EはMAGE−A8のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、上記のように未処理、加熱処理、またはトランスフェクトしたSKMel28細胞を表す。図9FはMAGE−A8のmRNA発現のリアルタイムRT−PCR分析前に、上記のように未処理または加熱処理したいずれかのMe290細胞を表す。
【図1A−1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱ショックをかけ、そして殺した1もしくは複数の癌細胞に暴露することにより感作された、単離され、そして精製された抗原提示細胞を含んでなる、患者の癌に対する免疫を誘導するための組成物。
【請求項2】
抗原提示細胞が樹状細胞を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
抗原提示細胞が熱ショックをかけ、熱で殺した癌細胞を装填されている請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
癌細胞が患者から単離される請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
癌細胞が同種異系癌細胞を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞がインターナライズされ、そして抗原提示細胞により少なくとも2時間、プロセシングされる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
癌細胞が1もしくは複数の腫瘍細胞系を含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
1もしくは複数の癌細胞に少なくとも約42℃の温度で少なくとも2時間、熱ショックをかけて、熱ショックをかけた癌細胞を形成し;
熱ショックをかけた癌細胞を殺して、熱ショックをかけ、殺した癌細胞を形成し;
患者から単離した1もしくは複数の抗原提示細胞を、熱ショックをかけ、殺した癌細胞とともに少なくとも3時間インキュベーションし;そして
1もしくは複数の単離され、装填された抗原提示細胞を患者に投与する、
工程を含んでなる患者の癌に対する免疫の誘導方法。
【請求項9】
抗原提示細胞が、患者に投与される前に1もしくは複数のサイトカインで成熟化される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
抗原提示細胞が樹状細胞である請求項8に記載の方法。
【請求項11】
癌細胞が1もしくは複数の腫瘍細胞系を含んでなる請求項8に記載の方法。
【請求項12】
患者から抗原提示細胞を取得し;
同種異系癌細胞を少なくとも約42℃の温度で少なくとも2時間インキュベーションして、熱ショックをかけた同種異系癌細胞を形成し;
熱ショックをかけた同種異系癌細胞を殺して、熱ショックをかけ、殺した同種異系癌細胞を形成し;
抗原提示細胞を、熱ショックをかけ、殺した同種異系癌細胞に少なくとも3時間暴露して装填された抗原提示細胞を形成し;
単離された装填抗原提示細胞を成熟させ;そして
単離された装填抗原提示細胞を患者に投与する、
工程を含んでなる患者の癌に対する免疫の誘導方法。
【請求項13】
抗原提示細胞が樹状細胞を含んでなる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
熱ショックをかけ、殺した癌細胞が抗原提示細胞によりインターナライズされ、そして抗原提示細胞が1もしくは複数のサイトカインにより成熟化される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
癌細胞が表IIから選択される請求項12に記載の方法。
【請求項16】
個体から抗原提示細胞を単離し;
1もしくは複数の癌細胞にストレスをかけ、そして癌細胞を殺すことにより抗原を調製し;
抗原提示細胞に抗原を少なくとも3時間装填し;そして
装填された抗原提示細胞を単離し、そして精製する、
工程を含んでなる免疫原性の単離された抗原提示細胞の調製方法。
【請求項17】
癌細胞を殺す前に、癌細胞に熱ショック、低温ショック、グルコース欠乏、酸素欠乏、細胞代謝を改変する少なくとも1つの薬剤への暴露、および少なくとも1つの細胞傷害剤への暴露からなる群から選択される方法によりストレスをかける、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
癌細胞が同種異系癌細胞である請求項16に記載の方法。
【請求項19】
抗原提示細胞に抗原を装填する工程が熱ショック下で行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
癌細胞を殺す前に癌細胞にストレスをかけることを含んでなる、ストレスをかけ、そして殺した癌細胞の腫瘍抗原の発現を増大させる方法。
【請求項21】
癌細胞を殺す前に、癌細胞に熱ショック、低温ショック、グルコース欠乏、酸素欠乏、細胞代謝を改変する少なくとも1つの薬剤への暴露、および少なくとも1つの細胞傷害剤への暴露からなる群から選択される方法によりストレスをかける、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
癌細胞にストレスをかけ、そして癌細胞を殺し、そして抗原提示細胞を、ストレスをかけ、そして殺した癌細胞に暴露することを含んでなるストレスをかけ、そして殺した癌細胞を装填した抗原提示細胞における腫瘍抗原の抗原性を増大させる方法。
【請求項23】
癌細胞を殺す前に、癌細胞に熱ショック、低温、グルコース欠乏、酸素欠乏、細胞代謝を改変する少なくとも1つの薬剤への暴露、および少なくとも1つの細胞傷害剤への暴露からなる群から選択される方法によりストレスをかける、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
熱ショックをかけた癌細胞およびその部分を含んでなる抗原。
【請求項25】
1もしくは複数の癌細胞系を熱処理し、そして細胞を1もしくは複数の細胞死誘導剤又は方法で殺すことを含んでなる抗原の調製法。
【請求項26】
細胞死誘導剤が、ベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
細胞死誘導方法が照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
癌細胞が表IIから選択される請求項25に記載の方法。
【請求項29】
癌細胞が2、4、6または8時間、熱処置される請求項25に記載の方法。
【請求項30】
癌細胞が高温メラノーマおよびその部分を含んでなるとさらに定義される、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞およびその部分を含んでなる抗原。
【請求項32】
抗原が凍結乾燥され、加熱乾燥され、真空乾燥され、加熱真空乾燥され、水溶液への蒸発沈殿により凍結され(EPAS)、液体へ噴霧乾燥され(SFL)、貧溶媒沈殿され、または凍結噴霧される、請求項31に記載の抗原。
【請求項33】
さらにアジュバントを含んでなる請求項31に記載の抗原。
【請求項34】
熱ショックをかけた癌細胞およびその部分が、ベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせにより殺される、請求項31に記載の抗原。
【請求項35】
熱ショックをかけた癌細胞およびその部分が、照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせにより殺される、請求項31に記載の抗原。
【請求項36】
熱ショックをかけ、殺した同種異系癌細胞を形成するために、少なくとも42℃の温度で少なくとも2時間、熱ショックをかけて殺した同種異系癌細胞を含んでなるワクチン。
【請求項37】
癌細胞を少なくとも42℃の温度で少なくとも2時間、インキュベーションし;
熱ショックをかけた癌細胞を殺し;そして
抗原提示細胞に熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を装填する、
工程を含んでなる方法により製造される癌ワクチン。
【請求項38】
単離された装填抗原提示細胞を患者に投与するために適合している請求項37に記載のワクチン。
【請求項39】
非アポトーシス性の、熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を装填した1もしくは複数の少なくとも部分的に成熟した抗原提示細胞を含んでなる、患者に使用するための癌ワクチン。
【請求項40】
非アポトーシス性の、熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を装填した1もしくは複数の少なくとも部分的に成熟した抗原提示細胞を含んでなる癌ワクチンで患者を免疫感作することを含んでなる、癌患者を処置する方法。
【請求項41】
1もしくは複数の少なくとも部分的に成熟した抗原提示細胞がオートロガスである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞がオートロガスである、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞が表IIの細胞から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
癌細胞のHSP60、HSP90およびgp96が殺す前にアップレギュレートされる、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
癌細胞がHSP60、HSP90およびgp96を過剰発現するようにトランスフェクトされる、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
癌細胞が、ベツリン酸、パクリタキセル、カンプトテシン、エリプチシン、ミトラマイシンA、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、イオノマイシンおよびそれらの組み合わせにより殺される、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
癌細胞が照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせにより殺される、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
抗原提示のための1もしくは複数の抗原をインターナライズすることができる樹状細胞を、1もしくは複数の抗原がインターナライズされて免疫細胞への提示を可能にするために十分な時間、接触させることを含んでなり、ここで抗原が熱ショックをかけ、そして殺した癌細胞を含んでなるインビトロで抗原を樹状細胞に送達する方法。
【請求項49】
樹状細胞がヒトの細胞である請求項48に記載の方法。
【請求項50】
熱ショックをかけた細胞が細胞系、外来抗原を発現するように形質転換された細胞、腫瘍細胞系、異種細胞または腫瘍細胞からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
熱ショックをかけた細胞が表IIに列挙された細胞系およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
細胞が化学処理、照射、熱、低温、浸透圧ショック、圧、研削、剪断、超音波、乾燥、凍結噴霧、穿刺、栄養不足およびそれらの組み合わせにより殺される、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
樹状細胞が、熱ショックをかけたアポトーシス細胞断片、泡状突起、または抗原を含んでなるボディの調製物に暴露される、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
樹状細胞が未成熟で、食作用性である請求項48に記載の方法。
【請求項55】
癌細胞がアポトーシスにより殺す請求項48に記載の方法。
【請求項56】
熱ショックをかけた細胞 対 樹状細胞の割合が、約1〜10の熱ショックをかけた細胞対約100の樹状細胞である、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
樹状細胞を成熟因子に、樹状細胞の成熟を誘導するために十分な時間暴露する成熟化工程をさらに含んでなる請求項48に記載の方法。
【請求項58】
成熟化工程が、CD83、TNFα、IL−1β、IL−6、PGE、IFNα、CD40リガンドを発現するようにCD83ネガティブ樹状細胞を成熟させる、単球コンディショニング培地、および熱ショックをかけ、そして殺した細胞からなる群から選択される少なくとも1つの成熟化因子と、CD83ネガティブ樹状細胞を接触させることを含んでなる請求項48に記載の方法。
【請求項59】
成熟化因子が単球コンディショニング培地;IFNα、およびIL−1β、IL−6およびTNFαからなる群から選択される少なくとも1つの他の因子;および熱ショックをかけた細胞からなる群から選択される請求項48に記載の方法。
【請求項60】
抗原が、さらにウイルスを含んでなる腫瘍細胞である、請求項48に記載の方法。
【請求項61】
樹状細胞が抗原と接触している間、CD83ネガティブ樹状細胞である請求項48に記載の方法。

【図2】
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【図3A−3C】
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【図4】
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【図5A−5D】
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【図6A−6B】
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【図7A−7C】
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【図8A−8B】
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【図9A−9B】
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【図9C−9D】
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【図9E−9F】
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【公開番号】特開2013−14603(P2013−14603A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197756(P2012−197756)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2007−538167(P2007−538167)の分割
【原出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(509004712)ベイラー リサーチ インスティテュート (38)
【氏名又は名称原語表記】BAYLOR RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】