説明

熱ショックタンパク質結合性のCD91断片およびその使用

本発明は、熱ショックタンパク質結合性タンパク質として、天然および組換えのp95形態および断片を使用するための組成物および方法に関する。本発明は、一部には、p95を組換えにより発現させることができるという本発明者らの発見に基づいている。本発明はまた、少なくともp95と、CD91のドメインII、IIIおよびIVからの追加の連続配列とを含むCD91ポリペプチド断片に関する。本発明は、CD91ポリペプチド断片またはその類似体、誘導体もしくは擬似体をコードする核酸分子、CD91ポリペプチド断片またはその類似体、誘導体もしくは擬似体、CD91ポリペプチド断片をコードする核酸分子を含有するベクター、CD91ポリペプチド断片をコードする核酸分子を含有する発現ベクター、CD91ポリペプチド断片を組換えにより発現する真核および原核細胞、CD91ポリペプチド断片と相互作用する化合物またはCD91ポリペプチド断片とCD91リガンドとの相互作用を同定する方法、本発明の組成物および方法により免疫応答をモジュレートする方法、ならびに本明細書に記述する組成物および方法を用いた治療方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子であって、該ヌクレオチド配列は天然のCD91ヌクレオチド配列中で配列番号1に隣接する配列によってその両側を挟まれていない、上記核酸分子。
【請求項2】
配列番号2、3、6、7、8、9、10、11または12のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子。
【請求項3】
1) 配列番号1のヌクレオチド配列とストリンジェントな洗浄条件下で全長にわたってハイブリダイズし、かつ2) (i) 組換え的に産生されて培地中に分泌され、(ii) 熱ショックタンパク質と結合する能力を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子。
【請求項4】
1) 配列番号1、14、15、16または17の核酸配列とストリンジェントな洗浄条件下で全長にわたってハイブリダイズし、かつ2) (i) 組換え的に産生されて培地中に分泌され、(ii) 熱ショックタンパク質と結合する能力を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子。
【請求項5】
配列番号2、3、6、7、8、9、10、11または12のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子であって、該ポリペプチドが熱ショックタンパク質と相互作用する、上記核酸分子。
【請求項6】
異種ヌクレオチド配列をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単離された核酸分子。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の核酸分子を含有するベクター。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の核酸分子を含有する発現ベクターであって、そのヌクレオチド配列が宿主細胞内での該ヌクレオチド配列の発現を制御するヌクレオチド調節配列と機能的に連結されている、上記発現ベクター。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の核酸分子を含有する遺伝子操作された宿主細胞であって、そのヌクレオチド配列が宿主細胞内での該ヌクレオチド配列の発現を制御するヌクレオチド調節配列と機能的に連結されている、上記遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項10】
請求項8に記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
【請求項11】
配列番号2、3、6、7、8、9、10、11または12のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドであって、該アミノ酸配列は天然のCD91ポリペプチド配列中でそれぞれ配列番号2、3、6、7、8、9、10、11または12に隣接する配列によってその両側を挟まれていない、上記ポリペプチド。
【請求項12】
配列番号11のアミノ酸残基852-4420の1個以上連続したアミノ酸に融合された、配列番号11のアミノ酸残基1-851からなる連続したアミノ酸配列を含んでなる、単離されたポリペプチド。
【請求項13】
配列番号1、14、15、16または17の相補体とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子によりコードされる単離されたポリペプチドであって、熱ショックタンパク質と結合する上記ポリペプチド。
【請求項14】
配列番号2、6、8、10、11または12のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列からなる核酸分子の相補体とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子によりコードされる単離されたポリペプチドであって、熱ショックタンパク質と結合する上記ポリペプチド。
【請求項15】
熱ショックタンパク質がgp96、hsp 90、hsp 70、およびカルレティキュリンからなる群より選択される、請求項13または14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
熱ショックタンパク質がgp96である、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項17】
配列番号2、3、6、7、8、9、10、11または12のアミノ酸配列および異種アミノ酸配列を含んでなる融合ポリペプチド。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか1項に記載のポリペプチドを製造するための方法であって、以下のステップ:
(a) 請求項11〜17のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする組換えヌクレオチド配列を含有する細胞を、該ポリペプチドが該細胞により発現される条件下で培養すること、
(b) 発現されたポリペプチドを該細胞培養物から回収すること、
を含んでなる上記方法。
【請求項19】
配列番号2、3、6、7、8、9、10、11または12のアミノ酸配列を含むCD91ポリペプチド断片と免疫特異的に結合する抗体またはそのフラグメント。
【請求項20】
前記抗体がポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはキメラ抗体である、請求項19に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項21】
前記抗体またはそのフラグメントがFabフラグメントである、請求項20に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項22】
請求項19に記載の抗体またはフラグメントと結合する抗イディオタイプ抗体。
【請求項23】
請求項19に記載の抗体と、該抗体を用いてCD91ポリペプチド断片を検出するための使用説明書とを含んでなるキット。
【請求項24】
CD91に関連した疾患または障害を治療するための方法であって、かかる治療が必要な哺乳動物に、請求項11〜17のいずれか1項に記載のポリペプチドを、該疾患または障害を治療するのに有効な量で投与することを含んでなる上記方法。
【請求項25】
前記疾患または障害が自己免疫疾患、抗原提示またはエンドサイトーシスの破壊に関係する疾患または障害、サイトカインのクリアランスまたは炎症に関係する疾患または障害、増殖性疾患、ウイルス性疾患または他の感染性疾患、高コレステロール血症、アルツハイマー病、糖尿病、または骨粗鬆症である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
HSP-CD91介在プロセスをモジュレートする化合物を同定するための方法であって、
(a) 試験化合物を、CD91リガンドに結合するCD91ポリペプチド断片および熱ショックタンパク質に接触させること、
(b) CD91ポリペプチド断片の活性または発現のレベルを測定すること、
を含んでなり、結果的に、(b)で測定された活性または発現のレベルが、熱ショックタンパク質の存在下で、しかし試験化合物の非存在下で測定されたCD91ポリペプチド断片の活性または発現のレベルと相違する場合に、HSP-CD91介在プロセスをモジュレートする化合物が同定される、上記方法。
【請求項27】
同定される化合物が熱ショックタンパク質とCD91ポリペプチド断片との相互作用を妨げるアンタゴニストである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
試験化合物が小分子またはペプチドである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
ペプチドがCD91ポリペプチド断片の少なくとも5個連続したアミノ酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
HSP-CD91介在プロセスが自己免疫疾患、抗原提示またはエンドサイトーシスの破壊に関係する疾患または障害、サイトカインのクリアランスまたは炎症に関係する疾患または障害、増殖性疾患、ウイルス性疾患または他の感染性疾患、高コレステロール血症、アルツハイマー病、糖尿病、または骨粗鬆症に影響を及ぼす、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
熱ショックタンパク質のCD91への結合をモジュレートする化合物を同定するための方法であって、
(a) 熱ショックタンパク質と、CD91リガンドに結合するCD91ポリペプチド断片またはその誘導体とを、試験化合物の存在下に、結合に導く条件下で接触させること、
(b) CD91ポリペプチド断片またはその類似体、誘導体もしくは擬似体に結合した熱ショックタンパク質のレベルを測定すること、
を含んでなり、結果的に、(b)で測定された熱ショックタンパク質の結合レベルが、前記条件下で試験化合物の非存在下に測定されたCD91ポリペプチド断片またはその類似体、誘導体もしくは擬似体に結合した熱ショックタンパク質のレベルと相違する場合に、HSPのCD91ポリペプチド断片への結合をモジュレートする化合物が同定される、上記方法。
【請求項32】
CD91ポリペプチド断片またはその誘導体が固相支持体に固定される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
固相支持体がマイクロタイターディッシュである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
熱ショックタンパク質の結合レベルが熱ショックタンパク質特異的抗体を用いて測定される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
熱ショックタンパク質が標識されており、熱ショックタンパク質の結合レベルが該標識を検出することにより測定される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
熱ショックタンパク質が蛍光標識で標識されている、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−516091(P2006−516091A)
【公表日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543669(P2004−543669)
【出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/032167
【国際公開番号】WO2004/033657
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(503125237)アンティジェニクス インコーポレーテッド (5)
【出願人】(502433438)ユニバーシティー オブ コネティカット ヘルス センター (6)
【Fターム(参考)】