説明

熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法

【課題】放熱フィンと伝熱管との組立初期の密着性を維持しながら、接着剤によってフィンと伝熱管を固定できる、熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る熱交換器100は、伝熱管2と、伝熱管2に、伝熱管2の軸方向に対して垂直方向に装着され、伝熱管2を通過する媒体と外気との間で熱交換するフィン3とを備え、フィン3は、伝熱管2に装着するための開口部32を有し、開口部32の縁の伝熱管2を取り囲む部分に、伝熱管2の軸方向に張り出したフィンカラー33を有し、フィンカラー33と伝熱管2は、溶接によって仮留めされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィン・チューブ型熱交換器における、フィンと断面円形の伝熱管との接合方法として、フィンに設けられた孔に伝熱管を挿入後、伝熱管内部から外側へ圧力を加え、拡管することにより、フィンと伝熱管を密接させる拡管方式が最も一般的な方法として知られている。
しかし、熱交換器の性能向上のために、伝熱管に円管を用いず、扁平管を適用した場合には、拡管方式は加工技術上、もしくは製造コスト上の理由から採用できない。
【0003】
そこで、扁平管を用いた熱交換器においては、従来、扁平管と放熱フィンとの接合には、ろう付け方式が採用されてきた。
しかし、室内機向け扁平管熱交換器の扁平管とフィンの接合方法として、ろう付け方式を採用すると、製造コストが大幅に上がる。
すなわち、室内機向け熱交換器のフィン表面には、フィン表面に結露した水滴が製品の送風口から飛び出すこと(露飛び)を防止するために、親水性膜のコーティングを施す必要がある。
【0004】
扁平管とフィンの接合をろう付けで行う場合、ろう材の溶融温度が親水性膜の溶融温度よりも高いため、ろう付けを行った後にフィン表面へ親水性膜を塗布するポストコート加工工程が必要となる。
これは、円管熱交換器に用いられるフィン用板材に親水性膜を先にコーティングし、プレコートされた板材をプレス加工してフィン形状を成形する加工方法に比べて、製造工程の増加、大幅な製造コストの上昇となる。
【0005】
このため、特にフィン表面に親水性膜が必要とされる室内機向け扁平管熱交換器においては、扁平管とフィンの接合には、加熱処理を要しない、または溶融、硬化温度が親水性
膜の溶融温度よりも低い接着剤を用いた方法が用いられる。
【0006】
このような公知技術として、開口部からフィンに管材を挿入し、伝熱管を加締め、その後フィンと伝熱管の隙間に塗装膜を形成する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0007】
また、フィンと伝熱管とを電気抵抗溶接による溶着によって接合する方法として特許文献2に記載するような技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平09−145282号公報
【特許文献2】昭61−106783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、伝熱管とフィンとの固定に接着剤を用いる場合、次のような問題が生じていた。
接着剤の熱伝導率がろう付けの金属結合に対して低くなるため、高い熱交換率を得るためには、フィンと伝熱管との密着性を高める必要がある。
そのため、特許文献1では、塗装膜を利用するのであるが、塗装の前処理として、フィンを伝熱管に装着して伝熱管の直管部を加締めて、塗装中にフィンが動かないように仮固定している。(段落0038)
このような方法で、伝熱管を変形させると、変形部分ではフィンと伝熱管との密着性が大きく低下するという課題があった。
【0010】
また、伝熱管として扁平管を採用し、フィンの伝熱管装着部がU字形状で、片側が開放孔となる場合においては、更に次のような課題があった。
すなわち、フィンの伝熱管装着部に設けたフィンカラーと熱伝導管とを密着させるためには、フィンカラーを扁平伝熱管に押し付けながら、扁平伝熱管を断面長手方向の両端部から加締める必要がある。
その押し付け荷重及び加締め荷重により、フィンに歪みが生じる。
この歪みにより、扁平伝熱管がフィンの伝熱管用開口部の外側方向へずれる現象が起こり、フィンの開口部のU字形状閉塞端部におけるフィンカラーと扁平伝熱管との密着性が損なわれるという課題があった。
【0011】
更に、フィンと扁平形状伝熱管にフィンを組み付けた後、接着剤を塗布、硬化させるまでの間は、フィンと扁平形状伝熱管は固定されていないので、例えば、搬送時の振動、取り扱い時の外部からの荷重負荷などの外乱を受けた場合、フィンの伝熱管装着部において扁平形状伝熱管がずれて、上述のU字形状閉塞端部におけるフィンカラーと扁平伝熱管との密着性が損なわれるという課題があった。
【0012】
この発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、フィンと伝熱管との初期の密着性を維持しながら、接着剤によってフィンと伝熱管を固定できる、熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る熱交換器は、
伝熱管と、
伝熱管に、伝熱管の軸方向に対して垂直方向に装着され、伝熱管を通過する媒体と外気との間で熱交換するフィンとを備えた熱交換器において、
フィンは、伝熱管に装着するための開口部を有し、
開口部の縁の伝熱管を取り囲む部分に、伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
フィンカラーと伝熱管は、溶接によって仮留めされているものである。
【0014】
また、本発明に係る熱交換器用フィンは、
伝熱管に、伝熱管の軸方向に対して垂直方向に装着され、伝熱管を通過する媒体と外気との間で熱交換する熱交換器用フィンにおいて、
フィンは、伝熱管に装着するための開口部を有し、開口部の伝熱管を取り囲む部分に、伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
フィンカラーは、更に伝熱管の軸方向に突出する溶接用突出部を有するものである。
【0015】
また、本発明に係る熱交換器の製造方法は、
伝熱管と、
伝熱管に、伝熱管の軸方向に対して垂直方向に装着され、伝熱管を通過する媒体と外気との間で熱交換するフィンとを備えた熱交換器の製造方法において、
フィンは、伝熱管に装着するための開口部を有し、
開口部の縁には、伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
フィンを、フィンカラーが伝熱管に密着するように開口部に装着するフィン装着工程と、
フィンカラーと、伝熱管を仮留めする溶接工程と、
フィンカラーと、伝熱管を接着固定する接着工程とを有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る熱交換器は、
フィンは、伝熱管に装着するための開口部を有し、
開口部の縁の伝熱管を取り囲む部分に、伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
フィンカラーと伝熱管は、溶接によって仮留めされているものなので、
フィンと伝熱管の間の隙間がフィン装着工程中に広がらず、良好な伝熱性能を発揮できる。
【0017】
また、本発明に係る熱交換器用フィンは、
、伝熱管に装着するための開口部を有し、開口部の伝熱管を取り囲む部分に、伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
フィンカラーは、更に伝熱管の軸方向に突出する溶接用突出部を有するものなので、溶接する場所の位置決め精度にも余裕が生じ、溶接の作業性が向上する。
【0018】
また、本発明に係る熱交換器の製造方法は、
フィンは、伝熱管に装着するための開口部を有し、
開口部の縁には、伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
フィンを、フィンカラーが伝熱管に密着するように開口部に装着するフィン装着工程と、
フィンカラーと、伝熱管を仮留めする溶接工程と、
フィンカラーと、伝熱管を接着固定する接着工程とを有するものなので、仮留めの溶接によりフィンの開口部を伝熱管の所定の位置に仮固定でき、フィンと伝熱管との良好な密着性を有する初期状態を維持しながら伝熱管とフィンの接着工程を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る熱交換器フィンの要部斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る熱交換器用伝熱管の要部拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るフィンの伝熱管への取り付け部近傍の拡大図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るフィンの伝熱管への取り付け部近傍の拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るフィンの伝熱管への取り付け部近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法を図を用いて説明する。
図1は、フィン・チューブ型熱交換器100(以下、熱交換器100という)の概観斜視図である。
図2は、熱交換器100用のフィン3の概観斜視図である。
図3は、熱交換器100用の伝熱管2の要部拡大図である。
図1に示すように、熱交換器100は、2つの分配管1の間に所定の間隔DPを開けて梯子状に配管された扁平な伝熱管2に、帯板状に成形されたフィン3を所定の間隔FPごとに複数枚数装着して構成されている。
【0021】
伝熱管2の端部は、分配管1にろう付によって接合されている。また、伝熱管2とフィン3は、溶接によって仮留めした後、接着剤によって接合されている。
分配管1を通じて伝熱管2の内部に冷媒が流れ、フィン3と外気の間で熱交換を行う。
【0022】
図2に示すフィン3の材料としては、主としてアルミニウムあるいはアルミニウム合金を原料とする厚さ0.09〜0.2mmの薄板が用いられる。
薄板の表面には、防蝕、防汚、親水或いは撥水を目的とする表面膜処理が予め施されていることが望ましい。
【0023】
フィン3のベース面31には、伝熱管2にフィン3を装着するための開口部32が、フィン3の長手方向に所定の間隔DPを開けて設けられている。
開口部32は、伝熱管2の外周面に概略沿う形状であるとともに、一端が開放された切り欠き形状であって、その周縁に沿ってフィンカラー33が成形されている。
フィンカラー33は、上述の薄板からフィン3と一体として構成されていて、伝熱管2とフィン3の密着性を高め、熱交換効率を向上させるために設けられている。
【0024】
フィン3の隣り合う開口部32の間にはフィン3のベース面31から放熱板34,35が切り起こして成形されている。
放熱板34,35の対向する2辺(図2では、上下の2辺)は、ベース面31から切断されていて、スリット36を構成する。
放熱板34,35がベース面31から切り起こされる高さは、フィン3の配置間隔FPの概略半分程度であることが望ましい。
【0025】
フィンカラー33のベース面31からの高さは、複数装着されるフィン3の間隔FPの値を超えない範囲でFPとほぼ等しい高さであることが望ましい。
フィンカラー33のベース面31からの高さを、FPの値を超えない範囲で十分高くすることによって、フィン3と伝熱管2との密着面積を広く取ることができ、伝熱性能を良好にすることができる。
FPの値は、熱交換器の特性により決定されるが、一般に1.0mm〜2.0mm程度である。
【0026】
図3に示すように、伝熱管2は、その長手方向に垂直な断面が略長円形の扁平形状をしていて、短辺となる円弧状R部21と、長辺となる平面部22により外形が構成される。
また、内部に隔壁23を有する多穴管である。
多穴管を用いることによって、伝熱管2の内面と、内部を流れる冷媒との接触面積を大きく取ることが可能となり、熱交換効率の向上を図ることができる。
伝熱管2の材料は主としてアルミニウムあるいはアルミニウム合金であり、押し出し成形、引き抜き成形等の加工方法により成形される。
【0027】
図4は、フィン3の伝熱管2への取り付け部近傍の拡大図である。
熱交換器100は、まず分配管1に接続された伝熱管2に、フィン3を差し込むフィン装着工程によって組み立てられる。
組立時においては、フィン3の開口部32が下側に開口する姿勢で組み立てる。
組み立てられた直後においては、フィンカラー33と伝熱管2の密着性は良好に保たれている。
従って、フィン装着工程に引き続いて、そのままの姿勢で次の溶接工程を実施する。
溶接工程では、フィン3と伝熱管2を、溶接箇所13の部分でスポット溶接、もしくはレーザ溶接等によって金属結合することにより、伝熱管2がフィン3の開口部32からずれることを防止する。
溶接箇所13は、1つのフィンカラー33につき、最低1箇所とし、特に、フィンカラー中央頂部33aを溶接することが望ましい。
フィンカラー33の側面であるフィンカラー側面部33bについても、1点〜4点程度の溶接をしてもよい。
溶接する領域は、約φ0.5mm〜φ2.0mm程度の狭小領域であり、フィン3と伝熱管2の仮留めをできれば良い。
【0028】
溶接工程による仮留めにより、フィン3の開口部32が伝熱管2の所定の位置に仮固定され、良好な密着性を有する初期状態を維持することができる。
開口部32は開放端を有する形状であるが、仮留めの溶接により伝熱管2が外側に抜けることを防止できる。
そこで、次の接着工程において、フィン3の開口部32が上側になるように熱交換器100を設置し直し、開放端部側からフィンカラー33と伝熱管2の隙間に接着剤を注入して当該隙間に接着層を形成し、両部材を完全に固定する。
【0029】
この発明の実施の形態1に係る熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法によれば、フィン3を伝熱管2に装着するための開口部32の、一番奥のフィンカラー中央頂部33aにおいて、伝熱管2とフィンカラー33との良好な密着性を確保できる。
これにより、所期の熱伝導性能を有する熱交換器100を得ることができる。
【0030】
また、フィン3と伝熱管2を複数箇所において溶接により金属結合させれば、フィン3と伝熱管2の間の熱伝導性も向上し、熱交換性能は更に増大する。
【0031】
さらに、開口部32は開放端を有する形状であるが、仮留めの溶接により伝熱管2が外側に抜けることを防止できるので、フィン3と伝熱管2を溶接後、フィン3の開放端部側を上側に向け直して熱交換器100を設置し、フィン3と伝熱管2の間の隙間に容易に接着剤を注入できる。
これにより、接着工程を容易な方法で実施することができる。
【0032】
また、接着材が完全に硬化する前であっても、フィン3と伝熱管2は溶接により仮固定されているので、熱交換器100を移動等させてもフィン3と伝熱管2の密着関係が損なわれることはない。
【0033】
なお、本実施の形態においては、フィン3を1枚ずつ伝熱管2に装着する例を示したが、フィン3を所定の数だけまとめて積層し、積層したフィン部材として伝熱管2に装着しても良い。
【0034】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図5は、フィン203の伝熱管2への取り付け部近傍の拡大図である。
本実施の形態に係る熱交換器は、実施の形態1と同様のフィン・チューブ型熱交換器であり、フィン203、伝熱管2、分配管1は、実施の形態1と同様に構成される。
【0035】
フィンカラー233は、フィンカラー中央頂部233a及びフィンカラー側面部233bから外側にはり出した突出部233c及び突出部233dを有している。
これらの突出部233c,233dは、フィンカラー中央頂部233aに一箇所、フィンカラー側面部233bに1〜4箇所程度設けられていて、伝熱管2の軸方向に張り出す量は、前後に配置されたフィン203に干渉しない程度の量である。
フィンカラー233を伝熱管2に溶接する際は、スポット溶接を採用する場合であれば、電極をこれらの突出部233c,233dに接触させて溶接を行う。
【0036】
この発明の実施の形態2に係る熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法によれば、突出部233c,233dを設けることで、電極の接触面積を大きく取ることができ、より強固に溶接を行うことが可能となる。
また、電極を接触させる際の位置決め精度にも余裕が生じるため、溶接工程における作業性が向上するといった利点もある。
【0037】
また、レーザ溶接を採用する場合も同様に、溶接面積を大きく確保することができるので、より強靭な仮固定をすることでフィン203と伝熱管2との良好な密着性を維持することが可能となる。
さらに、レーザの照射位置精度に余裕が生まれるため、溶接作業性の向上が可能となる。
【0038】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3に係る熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図6は、フィン3の伝熱管2への取り付け部近傍の拡大図である。
本実施の形態に係る熱交換器は、実施の形態1と同様のフィン・チューブ型熱交換器であり、フィン3、伝熱管2、分配管1は、実施の形態1と同様に構成される。
【0039】
図6に示すとおり、複数本、等間隔で配置される伝熱管2の間にフィン3のベース面31が挟まれる基本構成であるが、両端の伝熱管2の外側に位置するフィン3のベース面31については、片側が開放端となり、伝熱管2の間に挟まれる構成とはならない。
このため、フィン3の両端に位置するフィンカラー中央頂部33aと伝熱管2の密着性が最も悪くなり、当該部分の密着性が劣化する方向へのフィンが変形すると、これが伝熱管2の間に挟まれている他の部分にも連鎖して悪影響をもたらす。
【0040】
そこで、本実施の形態ではスポット溶接またはレーザー溶接する箇所を、当該フィン3の最も外側にあるフィンカラー中央頂部33aのみとすることにした。
この発明の実施の形態3に係る熱交換器、熱交換器用フィン、熱交換器の製造方法によれば、溶接作業時間を最短に抑えるとともに、フィン3と伝熱管2の良好な密着性を維持し、所期の伝熱性能を得ることが可能となる。
【0041】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
100 フィン・チューブ型熱交換器(熱交換器)、1 分配管、2 伝熱管、
21 円弧状R部、22 平面部、23 隔壁、3 フィン、203 フィン、
31 ベース面、32 開口部、33,233 フィンカラー、
33a,233a フィンカラー中央頂部、33b,233b フィンカラー側面部、
233c,233d 突出部、34,35 放熱板、36 スリット、13 溶接箇所。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱管と、
前記伝熱管に、前記伝熱管の軸方向に対して垂直方向に装着され、前記伝熱管を通過する媒体と外気との間で熱交換するフィンとを備えた熱交換器において、
前記フィンは、前記伝熱管に装着するための開口部を有し、
前記開口部の縁の前記伝熱管を取り囲む部分に、前記伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
前記フィンカラーと前記伝熱管は、溶接によって仮留めされている熱交換器。
【請求項2】
前記フィンカラーは、前記伝熱管の軸方向に突出する、溶接用突出部を有する請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記フィンは、前記伝熱管に装着するための複数の開口部を有し、前記溶接は、各前記フィンの両端のフィンカラーにのみ施されている請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記溶接は、前記フィンカラーの少なくとも中央頂部に施している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記溶接は、スポット溶接又はレーザ溶接である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記フィンカラーと前記伝熱管は接着固定されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
伝熱管に、前記伝熱管の軸方向に対して垂直方向に装着され、前記伝熱管を通過する媒体と外気との間で熱交換する熱交換器用フィンにおいて、
前記フィンは、前記伝熱管に装着するための開口部を有し、前記開口部の前記伝熱管を取り囲む部分に、前記伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
前記フィンカラーは、更に前記伝熱管の軸方向に突出する溶接用突出部を有する熱交換器用フィン。
【請求項8】
前記溶接用突出部は、少なくとも前記フィンカラーの中央頂部に設けられている請求項7に記載の熱交換器用フィン。
【請求項9】
伝熱管と、
前記伝熱管に、前記伝熱管の軸方向に対して垂直方向に装着され、前記伝熱管を通過する媒体と外気との間で熱交換するフィンとを備えた熱交換器の製造方法において、
前記フィンは、前記伝熱管に装着するための開口部を有し、
前記開口部の縁には、前記伝熱管の軸方向に張り出したフィンカラーを有し、
前記フィンを、前記フィンカラーが前記伝熱管に密着するように前記開口部に装着するフィン装着工程と、
前記フィンカラーと、前記伝熱管を仮留めする溶接工程と、
前記フィンカラーと、前記伝熱管を接着固定する接着工程とを有する熱交換器の製造方法。
【請求項10】
前記フィンカラーは、前記伝熱管の軸方向に突出する、溶接用突出部を有し、
前記溶接工程では、前記溶接用突出部と前記伝熱管とを溶接する請求項9に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項11】
前記溶接工程では、スポット溶接又は、レーザ溶接を実施する請求項9又は請求項10に記載の熱交換器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−92265(P2013−92265A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232613(P2011−232613)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】