説明

熱交換器およびその適用

液体を含む媒体とガスとの間の熱を交換する熱交換器は、媒体入口と、媒体出口と、平坦な面熱交換器マットとを含む。上記マットは、幾つかの平行で等距離の熱伝導材製細管8と、上記細管8に熱伝導接触して取付けられた熱伝導材製ワイヤー10とを備える。上記ワイヤーは、上記細管を横切る方向に延在し、上記ワイヤーの直径程度の相互距離を有する。ガスはマットに沿って流れる。ガスの少なくとも主要部分は、マットを貫いて流れることが阻止される。ガスはワイヤー10の長手方向に沿って流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の冒頭部に記載の熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような熱交換器は、例えばJP 61-153388(日本国特許出願公開公報)やEP-A0 735 328によって知られている。
【0003】
これらの刊行物から知られている熱交換器では、細管とワイヤーとによって形成されたマットの開口部を通ってガスが流れる。その結果、熱交換器を貫流するガスは相当な流動抵抗を受ける。この流動抵抗は、ファン手段(送風手段)の影響下において、交換器を流れるガスを導くことにより克服しなければならない。この目的に要する電力は、好ましいことではないが、熱交換器性能の実効的減少となる。
【0004】
さらに、上記既知の熱交換器では、非常に短時間にマット内に蓄積するダストを防止することは不可能である。したがって、熱交換器は非常に短時間に詰まるようになる。メンテナンス或いはガスの逆流すなわちマットの清掃によってのみ、設計性能を一時的に回復させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したタイプの熱交換器の性能を大いに改善すること、また、熱交換器を実質的にメンテナンス・フリーにすることが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を考慮して、本発明は、請求項1の特徴を有する上記タイプの熱交換器を提供する。
【0007】
熱交換器の可能な実際的具体例は、請求項2に明示されている。
【0008】
請求項3は、発明の教示によるウィービング・プロセス(織り工程)を用いて、ワイヤーを細管に接続可能であることに関する。
【0009】
請求項4は、ワイヤーが細管にウィービング・プロセスを用いて接続されるのではなく、これら細管の片側と互いに平行な関係において細管に接続されるという代替に関する。請求項4に記載の構造は、請求項3による構造と比較すると、細管の間の中心間距離が相当に小さくなり得るという大きな長所を持つ。これによって、熱交換器の性能はさらに向上する。例えば、請求項3の場合、熱交換器は請求項13の詳細を満たすことができる。また、請求項4の場合、熱交換器は請求項14の詳細を満たすことができる。
【0010】
請求項5は、多くの、好ましくは同数の細管群の平行接続が可能なこと、および、上記細管群をそれぞれ入口マニホルドと出口マニホルドに集合的な接続が可能なことに関する。上記入口マニホルドは、前群の細管の出口マニホルドの一部を形成することができる。一方、出口マニホルドは、次群の細管の入口マニホルドの一部を形成することができる。このように配列されたマニホルドは、作動時には両者間に温度差が存在するので、互いに熱的に分離されなければならないことは明らかである。
【0011】
請求項6には、重要な代替えとなるものが記載されている。この実施態様では、細管は、互いに連続して接続されており、入口マニホルドや出口マニホルドは使用されない。また、隣接する細管の媒体は互いに反対方向に流れる。この実施態様では、貫流する媒体に、例えば請求項5の実施態様よりも、大きな流動抵抗が加わる。しかし、この実施様態は、非常に小さな容積の媒体で足りるという長所を有する。特に、この媒体が有害あるいは危険な特性を有する場合、例えば空気調和装置用のCFCやプロパンなどの場合、熱交換器内の媒体の量は、たとえ熱交換器が複数のマットを備えていても、無視できるもので、例えば数十ミリリットルに過ぎない。マニホルドを用いる実施様態では、熱交換器内に存在する媒体の量は実質的に大きく、例えばおよそ数リットルである。このような熱交換器は、法的規制によって定めた要求を満たさないことさえ考えられる。したがって、関連する適用例としては適切でない。
【0012】
請求項7は、請求項6による実施態様が或る状況では機械的な強化を必要とすることを記載する。ジグザグに成形された細管は、所詮、非常に限定された機械的剛性を持つに過ぎないからである。
【0013】
請求項8に記載の態様は、本発明の実際的側面に関する。穿孔は、なんらかの適当な方法で、関連する管に設けることができる。例えば、ドリル加工、パンチによる穿孔、フロードリル加工を用いることができる。上記管の代わりに、空気ダクトの壁に、壁を貫通しないスリット状の穴を、例えば真空成形や射出成形によって備えてもよい。上記マットが剛性を有するとともに互いに等間隔となるように、上記スリット状の穴にU字管を嵌合させる。
【0014】
請求項6または請求項8をさらに発展させた重要なものが、請求項9に記載されている。鑞付けは、約500〜800度Cの温度に局部加熱することによって行われる。これにより、非常に単純な既知のやり方で、非常に強力に接続することができる。この接続は、圧縮機の冷却器や空調装置において生ずる約15〜20バールの高圧に耐えることができる。請求項6の実施態様では、同様な利点が得られる。上記請求項6の態様は、その特性により、生じる上記高圧に対して非常に容易に耐えることができる。
【0015】
請求項10は、推奨する前処理に関する。陽極処理はその一例である。その他の錫奪取法も可能と考えられる。しかし、上記陽極処理は、非常に簡単・迅速・確実に実施できる。
【0016】
請求項11には、唯一の限定的要求事項が圧力抵抗と完全密封とからなる適用例に非常に適した実施態様が明記されている。
【0017】
請求項12は、可能で実際的な細管の寸法を与える。
【0018】
請求項15は、ワイヤーの考えられる寸法を与える。特に、錫めっきされた銅製ワイヤーが想定されている。銅は高い熱伝導係数を有する材料である。この意味では、銀ワイヤーがさらに好ましい。しかし、銀は相当に高価という欠点がある。アルミニウムも、熱伝導ワイヤーとして適している。しかし、アルミニウムは、良好ながらも、銅よりも低い熱伝導係数を有するという欠点がある。さらに、アルミ製ワイヤーは、熱が伝導するように金属接触させて確実に、細管に接続させるのが難しい。錫めっきが施された銅の場合には、これは、半田付け工程を用いて容易に実現できる。したがって、銀めっきが施された銅製ワイヤーと細管とから成るマットは、生産工程中に、錫の融点以上に熱される。これにより、接触ゾーンの接着は半田付けによってもたらされる。
【0019】
請求項16は、熱交換器が本質的に向流で作動し得ることを記載した重要な特徴に関する。向流は、周知の如く、最も大きな効率を与える。向流は、とりわけ、この明細書の冒頭で言及した従前刊行物から知られた直交流よりも、効率が大きい。請求項16については、厳密に言えば向流は存在しないが、ガスの流れる方向に対してそれを横切る方向に細管が延在して「実効的な」向流は存在し、隣接する細管は、向流に対応して、温度が異なるということを勿論認識しなければならない。
【0020】
請求項17の熱交換器は、複数の互いに平行なマットを備える。各マットの入口は、例えば共通の主要入口マニホルドによって、他のマットの入口と接続し、上記マットの出口は、主要出口マニホルドによって、互いに接続されねばならないことは、明らかである。
【0021】
請求項18は、請求項17の熱交換器に関する。請求項18によると、スペーサーは上記マニホルドであり得る。マニホルド間に局部的な温度差が存在する限り、これらマニホルドは互いに熱的に絶縁をしなければならない。しかしながら、複数のマットおよびこれに付随する複数のマニホルドは、好ましくは同一であり、あらゆる点に関して互いに平行に接続される。その際、不慮の熱移動をおそれる必要がなくなり、したがって、マニホルド間の断熱は不要となる。
【0022】
請求項17によるスペーサーと請求項18のマットとは、既知の方法で、互いに支持される。上記マットは、例えば、積み重ねるように形成できるとともに、上記スペーサーは、締め付け手段によって、互いに押圧される。
【0023】
請求項19は請求項7による熱交換器に関する。この熱交換器は、マニホルドを有していなく、強化形状物をマットの両側に有する。これらの形状物はスペーサーとしても機能する。空気ダクトの壁は、スリットが細管のU字屈曲部を正規の位置に保持するように、寸法取りすることができる。
【0024】
請求項20は、ガス流の強制駆動装置の選択肢を提供する。
【0025】
請求項21は、全く外部エネルギーなしで作動する変形例である。熱併給発電所の二酸化炭素を含む排ガスは、植物成長を促すために、しばしば温室へ導入される。これら排ガスの流推力は、熱交換器を通る自然通風を促すために用いることができる。
【0026】
従来技術によると、業務用温室は、日照時に、屋根の窓を開けることによって冷却される。これは、熱い内部空気を冷たい外部空気に置き換えるのに有効であるだけでなく、多湿の内部空気を乾燥した外部空気に置き換える。これによって、水分の蒸散の可能性が高まり、植物を培養するのに有効である。しかしながら、温室の窓を開くことは、飛来してくる昆虫による伝染病の危険性があり、その結果、実際に植物が必要とする潅漑用水の全てを失うということになる。
【0027】
窓を閉じた状態にしておいて、温室を水(例えば地下水)で冷やすことが可能である。この地下水は、温室で加熱され、例えば夜または冬に、再度冷却されねばならない。そして、冷却が必要な際に温室から吸収された熱は、蓄えることが可能である。この運用方法として、通常、ヒートポンプが用いられる。例えば、空調システムにおけるヒートポンプである。従来技術の空調システムでは、標準的な熱交換器を備え、上記熱交換器は板状のフィンが付いた管の束を有する。この管の中を熱交換器の媒体が流れ、管の周りを空気が流れる。ヒートポンプは、地下水を再度冷やすことができるとともに、夜や冬に温室を加熱するためにその熱を用いることができる。これらの期間、燃料を燃焼させることによって温室が加熱される場合には、燃料の節約となる。しかし、これによる燃料の節約は小さく、また、投資額が大きい。したがって、この運用方法は、エネルギー節約のための付加的利点や政府補助金がなければ、経済的に見合わない。
【0028】
NL-A-9301439には、細いワイヤーを有する熱交換器が記述されている。このような熱交換器は、温度差が僅か3〜5度Cになると、水から空気に或いは空気から水に、経済的に熱を移動させることができる。最も重要なことは、これらの熱交換器が、移動する熱の僅か数パーセントの電気エネルギーを用いながら、熱交換を行うことである。これは、ヒートポンプや冷却機構は最早不要であり、かつ、エネルギーの節約が非常に改善されることを意味する。こうして、一般に加熱のために使用される燃料が、かなりの量、節約できる。このことは、当時、空調制御技術における飛躍的進歩と考えられた。
【0029】
NL-C-10.12114には、細いワイヤーを有し、ラジアルファンを備えた熱交換器が記述されている。これには、縦糸としての細い銅製ワイヤーと、横糸としての銅製細管とから成る織物構造のストリップやマットが含まれている。各ワイヤーは、各細管に鑞付けされて、ストリップ状またはマット状になる。細管は、全て、用水入口マニホルドおよび用水出口マニホルドに接続されている。両マニホルドは、ファンの周りに配置されたトロイダル管の形態(ドーナツ状の管)を有する。この既知の技術によると、空気は、ストリップやマットの間に吹き付けられる。したがって、これは、上述した直交流の原理に少なくとも部分的に一致している。
【0030】
温室を冷却するために、このような熱交換器は、植物に入射する太陽光を妨げることのないように、植物の層の下に配置されている。温室内の冷たい空気の上に浮遊する傾向のある暖かい空気の転置状態を壊すために、上記熱交換器の冷却空気は、上方に吹き上げなければならない。しかし、このような熱交換器には、幾つかの欠点がある。熱交換器を互いに組み合わせて用いるとき、このような多くの熱交換器の用水出口温度を制御するのが困難なことである。また、一つの熱交換器において、異なる細管の用水出口温度を制御するのが困難なことである。しかし、温室の熱を貯蔵するためには、用水の温度差を正確に制御することが必要である。したがって、上記従来技術によると、用水入口と用水出口の温度差が常に確実に好適な値となるよう、各熱交換器は、ファン速度を制御する電子装置を必要とする。上述した既知の熱交換器では、内側の細管は、傍を流れる空気によって、外側に位置する細管よりも、より大きな熱流に晒される。そのため、たとえ一つの熱交換器の中であっても、異なる温度の水流が混ざり合うという問題が生じる。
【0031】
上述した既知の熱交換器は、螺旋形のハウジングを必要とする。この螺旋形ハウジングは、半径方向および接線方向に流出する空気を、温室内の空気の移動を制御できるような方向の空気の流れに変える。本発明による熱交換器は、簡単なハウジングを必要とするのみである。このハウジングでは、例えば入口側に、空気流を発生させるファンが配置されて、本発明による熱交換器を通る空気を案内する。
これらの熱交換器は、螺旋形ケーシングを有する円形熱交換器とは対照的に、狭小な形状が与えられ、温室の屋根を支持する支柱の間に、長い列にして配置することができる。このようにして、これらの熱交換器は、栽培に使用できる空間を占有することはない。
【0032】
請求項22は、本発明による熱交換器を有する温室に関する。
【0033】
請求項23は、請求項22をさらに発展させた重要なものである。
【0034】
請求項24は、請求項23の原理を発展させたものである。
【0035】
請求項25には、請求項22の別の非常に重要な様相が記述されている。夏の間、帯水層の水は、温室の空気を冷やすために用いることができる。これによって熱せられた水は、再度帯水層に格納することができる。冬の間、帯水層から、蓄えられた熱が再度引き出され、温室の空気を加熱するために用いられる。
【0036】
請求項26は、本発明による熱交換器を有する空気処理プラントに関し、特には空気調和装置に関する。
【0037】
請求項27および28は、本発明による熱交換器のさらなる他の用途に関する。
【0038】
この明細書では、熱交換器の用途が余すところなく列挙されてはいない。
【0039】
さて、本発明による熱交換器の実施可能な用途の幾つかの特徴と、上記熱交換器に関して設定された要求事項と、上記熱交換器の製造方法とが、次に記載される。
【0040】
温室を閉め、そして閉めた状態を維持する。これによって、冷却および供給二酸化炭素の損失を回避することが、温室内で育てられる植物とって非常に好都合であるということは、知られている。また、殺虫剤を使用することなく済ますことが可能である。潅漑用水を再使用できる。空気を介して肥沃化が生じ得る。そして、湿度は所望の高いレベルに維持できる。これらの特徴の全ては、温室が生み出す生産物に対する生産コストの低減や、増大する製造に貢献する。
【0041】
近年における研究は、90%の相対湿度と、1,000ppmのCO2濃度と、閉じた屋根と、600W/m2の冷却能力の装置とが、上級の温室に対する最適の選択であることを示している。
【0042】
請求項25に記載の如く、夏には、寒い夜や冬季に温室を加熱するのに必要な量よりも相当に多い量の熱が、温室の空気から地下水に移動させることができる。温室内の空気の最高温度は約30度Cになり、一方、最低温度は約19度Cになる。したがって、当該目的は、ヒートポンプを使用することなく、冷却し、熱を蓄え、加熱することである。これは、2003年〜2004年の間にオランダのNaaldwijkのThematoでの試験時に明らかとなったように、既知のフィン管型熱交換器を用いては、実現できない。しかしながら、この目的は、2005年〜2006年の期間中のオランダのHuissenでの大規模な試験によって実証されたように、細いワイヤーを用いた型式の熱交換器を用いて実現できる。密閉した温室への投資は、夏の最大照射量すなわち約600〜700のWmによって決まる。このエネルギーは、空気より僅か10度Cほど冷たい水で、冷却されなければならない。これは、本発明による熱交換器に基づいた自明でない設計様式を必要とする。
【0043】
温室内の熱移動と凝縮液の除去に少し注目してみる。
【0044】
スタントン数は、熱伝達係数と、空気の熱容量および密度および速度の積との間の比率である。通常のフィン型熱交換器では、Stは約0.002の値をとり、したがって、0.02の最小値を有する送風摩擦係数fよりもかなり低い。(運動量の移行に基づいた)流動抵抗と平面への熱移動とを制御する微分方程式のホモロジー(相同)によって説明されるように、St/Pr1/3はf/2よりも決して大きくならないと長い間考えられてきた(いわゆるチルトン・コルバーンの関係)。我々が、細いワイヤーの付いた平坦なマット型の熱交換器を構築して、高い精度の等距離性を確保するならば、St=>fであってSt=2×fに至ることさえ見出し得る。さらに、細いワイヤーを有する熱交換器のStは、たとえ水分がワイヤー上に極度に凝縮したとしても、一定であることが分かっている。このことは、所定の条件下、熱の流れを妨げる凝縮層で自からを自然に覆うフィン型熱交換器とは本質的に異なる。熱交換器を合理的に作動させるためには、この層は、一定間隔で一掃されなければならない。凝縮膜は細いワイヤーの周囲には形成することができない。代わりに、一連の非常に小さな液滴が、蜘蛛の巣の糸の上の露のように形成される。ワイヤー間の距離が正しい値をとるときは、これらの液滴は、ワイヤーが取り付けられた細管の方向にすぐに消滅し、そしてそこからさらに、凝縮排出装置に移動する。この非常に驚くべき全く予想外の結果は、その間温室内で実際に確認され、また、測定によって確かめらるとともに、熱伝達係数が500W/mKの値に達していることを示唆する。この値は、管フィン型熱交換器の僅か25W/mKという対応する値と比較しなければならない。
【0045】
水から銅への伝熱に少し注目してみる。実際的かつ経済的理由のために、細いワイヤーが取り付けられる細管は、約2mmの外径と1mmの内径を有している。この点に関しては請求項12を参照のこと。熱交換器では毎秒数mの経済的な風速を有する暖かく高湿度の温室において、冷却水と細管の内部壁の間の必要伝熱および細いワイヤーに沿った熱伝導は、細管同士の中心間距離が僅か約4〜6mmであることを要する。これは、ワイヤーの製織を注目に値しないものにしている。隣接する各組の細管の間に、織り交差が生じるからである。この位置では、ワイヤーは互いに非常に近接して存在し、これによって、近傍を流れる空気への伝熱が低下する結果になる。したがって、ワイヤーを互いに平行な2つの群にして細管の両側に延在させることが、大幅に効果的となり、これによって織り交差が回避される。
【0046】
温室用冷却器のコストの可成りの部分は、通常は水流である媒体流に細管を接続するために、多くの細管を流体密封状態にしてサブマニホルドに挿入することにある。各マニホルドは、経済的理由のため、安価なポリエチレン管として具体化できる。有効な構造は、請求項11に明示されている。PEは、非常に安く且つ非常に使用に適した材料である。詰まるところ、水が豊富に入手できなら、温室から大気中に多少の漏洩があっても、問題はない。
【0047】
マットの所望の中心間距離と同一となるように、各サブマニホルドすなわち一つの熱交換器のマニホルドの直径を選択することは、さらなる利点がある。サブマニホルドは互いに密に位置して、これによって、空気ダクトの壁を形成することができる。これに関しては、クレーム17と18を参照のこと。
【0048】
地下に熱を蓄えるために必要な入水と出水との間の温度差を利用すること、また、流入空気と流出空気との間の大きな温度差を実現することが、非常に有益となることがわかっている。これは、空気流を減少させ、したがって、必要なファン容量を減少させる。また、空気の温度を露点異以下に低下させることによって凝縮を改善し、熱交換器全体に渡って水と空気の間の温度差が実現される。
【0049】
この効果は、請求項5にしたがって実現することができる。すなわち、マットの両側においてサブマニホルドの管内の水流(実際、一般には媒体流)を計3〜5回阻止することにより、気流に対して水流を有効な向流とする。熱交換器の理論ユニットの最適数またはNTUは、約1である。流れが二度以上阻止されるならば、その阻止に少し漏れがあるが、有効NTUを余り減少させることがない。1方のサブ-マニホルド上の2つの開口端と、他方のマニホルド上の2つの閉塞端とを実現するためには、奇数回阻止することが必要である。
【0050】
サブマニホルド間の中心間距離は、サブマニホルドの直径に等しい。このことは、全てのサブマニホルドを、同一の2つの入口マニホルドと出口マニホルドとに接続できない結果になる。サブマニホルドの端部を互いに接続する穴の間にスペースが存在するように、4つのマニホルド、すなわち2つの入口マニホルドと2つの出口マニホルドを用いることが必要である。主マニホルドは、同様に、PEなどのプラスチックから製造することができるとともに、サブマニホルドの外形よりも小さい直径の穿孔を有して、これにより、これらの穿孔にサブマニホルドを圧入することができる。これは、細流潅漑技術において立証されている非常に簡単な接続である。
【0051】
さて、腐食の抑制に少し注目してみる。水の不足している国々では、温室は、しばしば都市排水用水処理プラントからの排水を用いて潅漑される。この排水には、錫被覆ワイヤーを腐食する揮発性アンモニアが含まれる。この腐食は、気流が上方へ移動すると、防止される。凝縮物の流れは常に下方に移動する。この場合、凝縮物は常に熱交換器の最端部をきれいな状態にする。これによって、アンモニア触媒の腐食が防止される。
【0052】
本発明による熱交換器をヒートポンプ装置に適用する幾つかの態様を簡潔に検討する。
【0053】
空調装置や時々暖房装置に用いられるようなヒートポンプの「成績係数」(COP)は、蒸発器や凝縮器の熱交換器の温度降下に、大いに依存している。
【0054】
従来から知られている熱交換器は、圧縮ヒートポンプあるいは蒸発ヒートポンプの手段として直接用いることができない。平らな銅製マニホルドは、発生する高圧に耐えない場合があり、したがって、安全のために、細管とマニホルドの間は、鑞付けによって接続されなければならない。この点に関しては、請求項9を参照すること。
【0055】
4バールを越える圧力に対しては、丸管形の金属製マニホルドが必要とされる。細管は、例えば500度Cで鑞付けすることによって、上記マニホルドに接続される。これは、長さが僅か15cmの細管では、実現することができない。何故なら、単に鑞付けを必要とする端部があまりにも多くあるからである。従ってまた、この問題を解決するという目的が、本発明の基盤をなす。この解決法は、請求項6による方策に見出されている。媒体の流れは、入口と出口の間では摂氏数度の温度差がある水の場合よりも、可成り小さい。潜熱の量が非常に大きいからである。細管の長さがたとえ数メーターあってとしても、二相媒体内の圧力降下は、依然として、熱交換器の良好な運転を妨げることはない。
【0056】
これらジグザグに湾曲した長い管に基づいて、ワイヤーを配置するために、織り工程(ウィービング・プロセス)を用いることは不可能である。織機の幅は十分に大きくなく、長い細管を往復して、1000を越える細いワイヤーの横糸を織ることは、現時点では技術的に不可能である。したがって、例えば15×15cmのスペースをカバーするために、細管の間が例えば12mmの中心間距離を有するジグザグ構造の互に平行で等距離に置かれた細管に、長い細管を形成することが必要となる。これによって、各々が30の穿孔を有するマニホルドに接続された30の端部ゾーンを有するマットではなくて、僅か2つの端部を有するマットが実現する。これらの端部ゾーンは、酸または塩基環境において陽極法で錫を奪取し、次に、鑞付けによって当該マニホルドに接続される。
【0057】
その後、上記マットは鑞付けによって、作動媒体を圧縮機から或いは圧縮機に運搬する銅製の薄く丸い管に接続される。
【0058】
全ての空気調和機は、管フィン型熱交換器と一緒に作動する。これらの熱交換器は、大きな直径の硬質銅管を有している。さもなければ、管は、アルミニウム製フィンを管に押圧するのに必要な圧縮力の下で、崩れてしまう。このように、蒸発器および凝縮器は相当な量の作動媒体を有している。安全上の理由により、この大量の作動媒体は可燃性ではあり得ない。しかし、この理由により、環境のことを考えると問題となるようなフッ素化合物や塩素化合物さえもが使用される。本発明の細いワイヤーの熱交換器では、肉厚の大きな管がなく、容積が小さいので、プロパンやブタンを用いることができる。そして、作動媒体の全使用量は、最小の比率に低減できる。例えば、どこにでも市販されているライターの充填用ホルダーの量であり、これは非常に少ないので、完全に耐火性となる。非常に小さな容積の熱交換器は、特に請求項6による構造を用いて得られる。
【0059】
例えば15×15cmのマットは、2つの薄い端部において接続されているのみであり、機械的には十分に安定していない。隣接する細管の間は、すべて180°屈曲管で固定されねばならない。この目的のために、マットを正規の位置に保持する剛体構造が用いられる。この点について、請求項7と請求項19を参照のこと。
【0060】
最後に、地域暖房に関する幾つかの様相に簡単に言及する。
【0061】
人口密度の高い寒い国々では、地域暖房は、空間を加熱するのに非常に有効な方法である。発電における廃熱は、ここにおいては、出来る限り低い温度で用いられる。家庭やユーザーステーション(利用者局)は、蒸気タービンの凝縮器の役割を果たす。最近では、地域暖房ネットワークの戻り温度は約40〜50度Cである。もしこの温度を、例えば25度Cに低下させることができるならば、非常に有益となる。そのとき、同じ水で2倍多くの家を加熱することが可能となるとともに、凝縮器の蒸気圧が低下し、このことによって、発電の効率が増大する。これらの願いは、本発明による熱交換器を用いて、実現することができる。
【0062】
多くの場合、地域暖房システムの供給水温は100度Cである。戻り温度は25〜27度Cに設計できる。これらの間の温度差は、非常に長い細管を用いるのに十分に大きく、また、空気調和機の蒸発器または凝縮器に直接接続するために使用できる細管と同じ形態を熱交換器に与えるのに十分に大きい。
【0063】
地域暖房に適用されるような長い管は、圧力衝撃の影響を受け易い。しかし、例えば、請求項6と請求項9の実施態様における本発明による熱交換器は、非常に高い圧力に耐えることができる。
【0064】
上述の構造を用いて、空気を例えば50度Cに加熱できる。また、この要求のために、NTUを設計することができる。これにより、熱交換器から必要な熱を引き出すのに要する気流は非常に少量になって、ファンは極めて低ノイズになる。利用可能な屋内空間との和合性を考えると、上記熱交換器は、例えば幅15cm,長さ1m,高さ15cmの細長い形状に設計することができる。また、低回転で静寂な直交流ファンが適用できる。
【0065】
本発明は、添付の図面に言及して説明される。
【0066】
図1は、発明による熱交換器1を示す。この熱交換器1は、空気入口3と空気出口4とを備えたハウジング2を有する。軸流ファン5は、空気入口3に配置されている。
【0067】
2つの水入口マニホルド6と、2つの水出口マニホルド7とが、ハウジング2内に存在する。上記マニホルド6,7は、それぞれ、サブマニホルド91,92を介して、マット状の群として配置された細管8に接続されている。細管8は、入口マニホルド91から出口マニホルド92に延在するとともに、出口マニホルドおよび入口マニホルドとして機能する中間マニホルド9に接続されている。この点について、図2に言及する。この図もまた、空気63が、軸流ファン5によって、ガス入口3を介してハウジング2内に吹かれる様子を明らかにしている。空気は、細管8に沿って流れ、ガス出口3を介して、ハウジング2から出る。矢印64を参照。細管を貫流する水は、空気63,64によって加熱される。この空気は、次に、水によって冷やされる。注意すべきことは、明確にするために、図1と図2では、細いワイヤーが描かれていないことである。この細いワイヤーは、本発明による熱交換器の必須構成部品を形成する。この点について、下記に記載された図に言及される。
【0068】
図3は、発明による熱交換器マットの一部を示す。細管8は、互に平行に、中心間距離約12mmの等距離に、配列される。細いワイヤー10は細管8を織り込んで配置される。
【0069】
図4は上記構造を明確にする。対応して配置された隣接するワイヤー10の中心間距離は、ワイヤー10の直径に等しいか、或いは、それよりも大きい。
【0070】
図5と図6は代替えを示す。この代替えでは、ワイヤー10は、織り込まれた配置はなされていない。ワイヤー10は、2つの群に配置され、且つ、細管の両側に互いに平行な関係に配置されている。
【0071】
図3および図4による形態では、紡織作業が必要であることは明白である。この紡織作業は、比較的遅く、熱交換器の大量生産を問題があるものにする。図5および図6による形態では、熱交換器の製造がより容易になる。これは、現時点では、大量生産に適していることになると思われる。
【0072】
細管8は銅から成り、その外側には錫層が設けられている。ワイヤーも銅から成り、錫層が設けられている。したがって、細管とワイヤーとの間の集中的金属的な熱伝導接触を短時間に実現するためには、局部加熱を伴う溶接作業で十分である。
【0073】
図3,図4における細管8の間の中心間距離が、図5,図6における細管8の間の
中心間距離より大きいにちがいないことに注目することは、重要である。何故なら、図3および4による構造とするための紡織作業が、技術的に定められる下限を課するからである。この下限は、図5および図6の形態では、存在しない。これにより、図5および図6に基づく熱交換器は、選択された設計基準に従って、より容易に寸法取りすることができる。
【0074】
図7は、細管8が、マニホルドとして機能する錫めっき銅管に差し込まれていることを示す。それら(細管)は、軟鑞付けによってそれ(銅管)に接続されている。図7の熱交換器マット21は、4つの部分22、23、24、25を含んでいる。入口マニホルド26は5本の細管8に接続され、細管8の中では、媒体が、矢印127の方向にマニホルド27に向かって流れる。マニホルド27は、部分23の5つの細管8の群に接続されている。媒体は、矢印128にしたがって、すなわち上述の方向とは反対の方向に、マニホルド29に向かって流れる。次に、5つの細管を介して、部分24のマニホルド30に流れる。そして、ここから、部分25、5つの細管、出口マニホルド31へと流れる。媒体の入口は、矢印32によって示されている。媒体の出口は、矢印33によって示されている。媒体は、マニホルド管内を流れるが、矢印によっても示されている。空気の流れは、参照番号64で示される。空気は、ワイヤー10の長手方向に、マット21の両側に流れる。
【0075】
図7Aは、1線上のマニホルド管の間に遮断が存在することを示す拡大詳細断面図である。これら遮断の位置では、当該管は、34で示されるプラグによって閉塞されている。管27,30も、端部において、このようなプラグを用いて閉塞されている。
【0076】
図8は、機能的に対応する変形例を示す。図示された熱交換器マット35は、マット21と同じように機能するが、マニホルド管41,42は、ポリエチレンまたはその他の低熱伝導の熱可塑性物質から成る。生産工程中に、各管は、長手方向一方の側で切断されて開口される。その後、細管8の端部が上記切断部に配置され、次に、管の材料がその位置において局部加熱により溶接される。溶接は、図8に示す如く、細管8が両マニホルド管41,42に対して実質的に密封されるようにおこなわれる。図7Aによる実施態様における遮断およびプラグ34の代わりに、図8Aの如く、プラグ43が局所的に差し込まれ、管41の端部もプラグによって閉塞される。
【0077】
図9は、重要な代替実施態様における熱交換器マット51を示す。この実施態様では、細管8は1つの細管の管からジクザグ状に形成される。各細管の各端部は、U字形湾曲部品52を介して隣接する細管の端部に接続される。マット51の両側のU字形湾曲部品は、装置内にあって、例えばプラスチックなどの低熱伝導性強化型材53,54によって、互いに機械的に接続される。
【0078】
細管8を形成する細管の入口ゾーン101および出口ゾーン102は、鑞付けによって耐圧性を有するように、各マニホルド(図示せず)に接続される。
【0079】
図10は、発明による熱交換器を備えた温室11を示す。温室11は床12を有して、植物95が、床12の上の植木鉢に植えられている。或いは、植物95は、床12から距離をおいて、例えばローラテーブルによって支持されている。植物95は、植物の特性や成長段階に依る林冠を形成する。様々な林冠は、一般に破線で示され、便宜上全て62の記号が付されている。林冠は限界近傍内に形成され得ないこと、また、例え一葉の林冠であっても、林冠は植物間で可成り高さの違いを示すことは明らかである。
【0080】
温室11は、半透明、好ましくは透明な屋根13を有し、日光96が上記屋根を通して林冠の上に照射可能となる。図1による熱交換器1は、植物95の間に配置されている。この実施態様では、空気は、これら熱交換器を用いて、床に近いところから吸引され、熱交換マットに沿って案内される(図1と2を参照)。空気は、垂直に延在する細いワイヤー10を介して、上記マットを貫流する水によって、冷却あるいは加熱される。なお、空気は、上記ワイヤーに沿って縦方向に流れる。次に、空気は、矢印64に示すように、温室11の上部に吹き上げられる。
【0081】
しかしながら、ファン5のない熱交換器を用いることも可能である。すなわち、一端が温室11の上部へと延在するとともに、他端が床12の近傍に位置する煙突状のハウジングを用いることによって、可能となる。このようなハウジングを用いると、自然通風が発生し、これにより、ファン5を運転するためのエネルギーが節約できる。
【0082】
図11は温室の細部を示している。この温室では、樋71が、透明な屋根13の間の遷移部の位置に在る。管72は、箔から成り、一列の穿孔73を有して、この樋の下に位置している。この管は、熱併給発電所に使用されるガスタービンの排ガスによって、膨張する。ガスタービン内のこれらのガスは、僅か4%の二酸化炭素を有し、タービン出口では、圧力3600Paの多量のガスが得られる。これは約50m/秒の流出速度に対応する。問題の空気は、矢印74に示すように、穿孔73から流出して、「逆煙突」75の中へ入る。本発明による熱交換器76は、上記「逆煙突」の上側部に位置している。その構造は、図7の熱交換器の構造と略一致している。冷水は、冷水供給導管77を経て、導管内に入り、加熱され、水出口78を経て、微温水として排出される。逆煙突75は、例えばポリエチレン箔から成る。
【0083】
自然下方通風によって、また、流出ガスによる支援によって、温室の上部側から引き込まれた熱い空気は効果的に冷却される。矢印79を参照願います。冷却された空気は、矢印80で示すように、底部において噴き出される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明による熱交換器の部分破断斜視図である。
【図2】図1の熱交換器の概略断面図である。
【図3】第1の実施態様における熱交換器マットの詳細斜視図であり、分かり易くするために、複数のワイヤーが省略されている。
【図4】図3のIV−IV断面を示す。
【図5】図3に対応する変形例の斜視図である。
【図6】図5のVI−VI断面を示す。
【図7】細管の群がジグザグ状に配列された熱交換器マットの斜視図である。
【図7A】矢印で示した図7の細部を縦断面で示す。
【図8】図7に対応する変形例の図である。
【図8A】矢印で示した図8の細部を縦断面で示す。
【図9】図7および図8に対応する別の実施態様の図である。
【図10】本発明による温室の一部の概略断面である。
【図11】本発明による熱交換器を有する冷却システムの適用例を概略表したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水のような液体或いは液体と蒸気との混合物のような液体を含む媒体と、空気のようなガスとの間で熱交換するために、ガスの入口およびガスの出口の付いたハウジングを備えるとともに、媒体入口と、媒体出口と、少なくとも1つの実質的に平坦な熱交換器マットとを備えた熱交換器であって、上記マットは、
互いに平行且つ互いに等距離の関係に配置された例えば錫めっきされた銅などの熱伝導材料からなる複数の細管と、
例えば錫めっきされた銅などの熱伝導材料からなる複数のワイヤーとを備え、
上記ワイヤーは、上記細管に対して熱伝導接触好ましくは金属接触するとともに、互いに等距離の関係において上記細管を横断する方向に延在し、且つ、上記ワイヤーの直径の大きさ程度の相互距離を有し、
駆動手段の影響下において、ガスと上記細管を通って流れる媒体との間における上記細管の壁と上記ワイヤーとを介した熱交換のために、ガスが上記ワイヤーに沿って流れることができる熱交換器において、
上記熱交換器は、上記ガスが上記マットまたは各マットに沿って流れ、且つ、上記ガスの少なくとも実質的な部分が上記マットを貫いて流れるのが防止されるとともに、
上記ガスは上記ワイヤーの長手方向に流れるように、具体化されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器において、
入口マニホルドと出口マニホルドとを備え、これら2つのマニホルドの間には、媒介が上記細管を通って流れることができるように、上記細管が延在していることを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の熱交換器において、
上記ワイヤーは、一方の側と他方の側とにおいて交互に、隣接する細管と接触し、
隣接するワイヤーまたはワイヤーの群は、近接のワイヤーまたはワイヤーの群に対して、上記細管の別の側と接触して、上記ワイヤーまたはワイヤーの群は、互いに折込まれていることを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
請求項1または2に記載の熱交換器において、
2つの群のワイヤーが、互に平行な関係において2つの主要な平面内に延在し、各群のワイヤーは、上記細管の同一の側と接触していることを特徴とする熱交換器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の熱交換器において、
上記入口マニホルドは、少なくとも1つの遮断またはプラグを有し、上記出口マニホルドは、上記遮断またはプラグに対してオフセットして配置された少なくとも1つの遮断またはプラグを有して、
上記入口マニホルドの入口を通って収容された媒体は、第1入口マニホルドと、上記第1入口マニホルドに接続された細管の群と、第1中間マニホルドと、細管の第2群などと、そして最終的には、上記出口マニホルドとを通って、連続的に案内されて、上記媒体は、一群の細管内では一方向に、次の群の細管内では逆方向に、ジグザグ状に移動することを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
請求項1または4に記載の熱交換器において、
上記細管は、1つの細管の管からジクザグ状の細管に形成され、各細管の各端部は、U字形湾曲部品を介して、近接する細管の端部に接続され、細管の端部ゾーンは、マニホルドとして機能する管にそれぞれ接続されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項7】
請求項6に記載の熱交換器において、
上記マットの両側の上記U字形湾曲部品は、位置決め合わせをして、低熱伝導の強化形状物によってお互いに機械的に連結されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項8】
請求項2に記載の熱交換器において、
各マニホルドは穿孔の列が配置された管であり、上記穿孔には細管の端部が密封した状態に挿入されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項9】
請求項6または8に記載の熱交換器において、
上記管は、例えば錫めっきされた銅といった金属から成り、上記細管は、約300度Cの温度で半田付け、または500〜800度Cの温度で鑞付けすることによって、各管に接続されることを特徴とする熱交換器。
【請求項10】
請求項6または8に記載の熱交換器において、
各細管は錫メッキされた銅から成り、各細管の端部は、鑞付けに先立って、例えばNaOHまたはHClの水溶液での陽極処理によって、錫が奪取されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項11】
請求項1に記載の熱交換器において、
各マニホルドは、例えばPP、PE、ABS、EPDMなどの熱可塑性物質から成る管にであって、この管には、一方の側の長手方向に切り込みが入れられ、その後、上記細管の端部が上記切り込みの中に配置され、次に、局部加熱によって、上記管の材料はこの位置において溶融されて、上記細管が実質的に密封して上記管に接続されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項12】
請求項1に記載の熱交換器において、
上記細管の各々は、約1.8mm±30%の外径および約0.4mm±40%の壁厚を有することを特徴とする熱交換器。
【請求項13】
請求項3に記載の熱交換器において、
上記細管の中心間距離は、約10mm±40%になっていることを特徴とする熱交換器。
【請求項14】
請求項4に記載の熱交換器において、
上記細管の中心間距離は、約4〜16mmの範囲内にあることを特徴とする熱交換器。
【請求項15】
請求項1に記載の熱交換器において、
上記ワイヤーは、0.12mm±50%の直径を有していることを特徴とする熱交換器。
【請求項16】
請求項11に記載の熱交換器において、
上記媒体の主要な流れ方向は、上記ガスの流れ方向の反対であることを特徴とする熱交換器。
【請求項17】
請求項1に記載の熱交換器において、
上記熱交換器は、互に平行且つ等距離の関係において、スペーサーによって保持された複数の熱交換器マットを備えていることを特徴とする熱交換器。
【請求項18】
請求項17に記載の熱交換器において、
上記スペーサーは、相互に隣接する請求項2による入口マニホルドおよび出口マニホルドであることを特徴とする熱交換器。
【請求項19】
請求項17に記載の熱交換器において、
上記スペーサーは、相互に隣接した請求項7による形状物であることを特徴とする熱交換器。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかに記載の熱交換器において、
上記ガスは、送風手段によって駆動されることを特徴とする熱交換器。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれかに記載の熱交換器において、
上記ハウジングは、ガスが自然対流によって駆動されるような煙突として機能するように具体化され、配置されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項22】
地表面と、
植木鉢や運搬テーブルや菜園樋のような支持手段を用いて上記地表面によって支持されるとともに、一緒になって林冠を形成する植物と、
請求項1乃至21のいずれかに記載の少なくとも1つの熱交換器を有する加熱冷却手段とを備え、
上記ガスの入口と上記ガスの出口とのどちらか一方は上記林冠の高さよりの上に位置しているとともに、どちらか他方は上記林冠の高さよりの下に位置しているか、或いは両方とも上記林冠に位置していることを特徴とする温室。
【請求項23】
請求項22に記載の温室において、
過剰な熱を一時的に蓄えるための熱貯蔵庫を備えていることを特徴とする温室。
【請求項24】
請求項23に記載の温室において、
上記熱貯蔵庫は、層をなす形式のものであることを特徴とする温室。
【請求項25】
請求項22に記載の温室において、
上記加熱冷却手段は、帯水層すなわち水分を含有する浸透層に接続されるようになっていることを特徴とする温室。
【請求項26】
請求項1乃至21のいずれかに記載の熱交換器を少なくとも1つ有する加熱冷却手段を備えていることを特徴とする空気処理プラント。
【請求項27】
使用者側に設置された多数の熱交換器を備え、上記熱交換器は請求項1乃至21のいずれかに記載された型式の熱交換器であることを特徴とする都市加熱システム。
【請求項28】
請求項1乃至21のいずれかに記載の熱交換器を備えていることを特徴とするヒートポンプシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図8】
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【図8a】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−537088(P2008−537088A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503981(P2008−503981)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050071
【国際公開番号】WO2006/104390
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(505434054)フィウィヘックス・ベスローテン・フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】Fiwihex B.V.
【Fターム(参考)】