説明

熱伝達機構を有する口用器具

装置ボデイに結合された細長い形の複数のブリスル(bristles)を有し、ユーザーの口内へ少なくとも部分的に嵌合する様な寸法と形状の口用光線療法アップリケーター(Oral phototherapy applicator)が開示される。該アップリケーターは該ユーザーの歯をブラシするよう適合され、更に該ブリスルと接触する組織より他の口腔の部分へ光線療法の放射を提供するため該ボデイに結合された少なくとも1つの放射エミッター(radiation emitter)を有する。1実施例では、該アップリケーターは例えば、流体ポンプの様な熱伝達要素を有する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2004年12月9日に出願され、その全体が引用によりここに組み入れられる、“光放射口用器具と使用法(Light Emitting Oral Appliance and Method of Use)”の名称の、米国特許仮出願第60/634,643号(特許文献1)の優先権を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に、歯科を含む口の疾病を治療する方法及び治療機器に関し、特にこれを放射及び温熱を用いて行う方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0003】
口腔(oral cavity)内では広範囲のバクテリア(bacteria)及び他の微生物(microorganisms)が見出される。微生物の存在は不健康な状態を示してはいないが、もし注意しないなら、これらの微生物は口の病気や美容的劣化(cosmetic degradation)を含む種々の望ましくない結果を引き起こすであろう。歯の変色(tooth discoloration)、カリエス形成(caries formation)、歯周炎(periodontitis)及び歯欠損(tooth loss)は全て起こり得る結果である。
【0004】
口のバクテリアはプラーク(plaque)、すなわちバクテリアの接着性無色膜を歯及び他の組織の表面に創り、これらのプラーク形成バクテリアは毒素(toxins)を創る。時間が経つと、該プラークは他の材料と組合わさり始め、粗く、多孔性の堆積物、カルクラス(calculus)となるよう硬化する。つまりの結果は歯肉膨らみ(gum swelling)、出血(bleeding)、そして該歯肉の繊維状の拡大を徴候とする歯肉痛(gingival irritation){歯肉炎(gingivitis)}となる。加えて、プラーク及びカルクラスの成長は該歯肉を該歯から離れるよう移動させ、該歯と歯肉の間に、バクテリアがはびこるポケットをもたらす。又該バクテリアの毒素は歯肉組織を壊し、骨の欠損(bone loss)にさえ導く。
【0005】
かくして、歯周炎歯肉疾病と早期のカリエスの予防と治療は該口腔の全領域内の有効なバクテリア殺菌と成長抑制を要する。特に、歯肉組織と歯根面(tooth root surface)の結合部(junction)内及びエナメル面下、のバクテリア殺菌は重要であるのみならず、従来の手段を使っては困難でもある。
【0006】
歯周病(periodontal disease)予防用の、市場で入手可能な、歯ブラシ(toothbrushes)、歯磨きペースト(toothpastes)、口洗浄溶液(mouth rinsing solutions)及び/又は化学的殺菌剤(chemical antibacterial agents)を含む灌注器(irrigators)の適用は部分的にしか成功していない。加えて、一旦組織損傷(tissue damage)がスタートすると、従来の治療(treatments)は結果を逆転させるには有効でない。
【0007】
加えて、該口腔は、舌疾患、唾液腺(salivary glands)及び小さな舌下管(small sublingual ducts)の炎症(inflammation)、神経破壊(damaged nerves)、口痛(oral pain)、咽喉炎(sore throat)/扁桃炎(tonsillitis)、歯過敏症(tooth hypersensitivity)、そして歯変色を含む、バクテリア成長の
直接的結果である又はそうでない、種々の他の状態のホストとなる(host)。これらの状態他は新規の口の治療養生法(novel oral treatment regimen)から利するであろう。
【0008】
かくして、微生物を有効に殺菌及び/又は抑制し、バクテリアの破壊効果を逆転することを助け、そして/又は口腔の中、その近く又はそれに関係する状態用の治療を提供する改良された口治療のニーヅが当該技術にある。
【特許文献1】米国特許仮出願公開第60/634,643号明細書、Light Emitting Oral Appliance and Method of Use、2004年12月9日出願
【発明の開示】
【0009】
本発明は光放射式口用アップリケーター(light emitting oral applicators)を用いた口腔(oral cavity)の中の、それを通した又はその回りの、組織(tissue)を治療するための方法と装置を提供する。1側面では、該装置は、ユーザーの口腔内に少なくとも部分的に嵌合するよう寸法取りされ形作られたボデイを有し、光線療法の放射で該口腔の部分を照射(irradiating)する少なくとも1つの放射放出要素(radiation emitting element)を有する口用光線療法アップリケーター(oral phototherapy applicator)を具備する。該アップリケーターは更に、該放射放出要素から該デバイスのもう1つの部分及び/又は外部環境(external environment)までの熱の伝達用の熱伝達用要素(heat transfer element)を有する。
【0010】
1実施例では、該口用アップリケーターは流体通路(fluid pathway)に沿って冷却用流体(cooling fluid)を動かす流体ポンプ(fluid pump)を有する。例えば、該流体通路は流体リザーバー(fluid reservoir)から放射放出要素に隣接する該デバイスの部分まで延びる。
【0011】
例えば、該口用器具(oral appliance)は複数のブリスル(bristles)と放射ソース(radiation source)とを有するヘッド部分(head portion)と冷却剤(coolant)を該ヘッド部分へ推進するポンプを有するボデイ部分(body portion)とを備える歯ブラシであってもよい。該歯ブラシは更に該ポンプと該ヘッド部分の間の冷却剤通路(coolant pathway)を有する。該ポンプの賦活(activation)は該流体通路に沿って流体を動かし、該放射ソースにより発生される廃棄熱(waste heat)を除去する。
【0012】
1側面では、該流体通路は閉ループ冷却システム(closed loop cooling system)であり、該冷却剤通路は戻り冷却剤通路(return coolant pathway)を有する。該閉流体通路は該放射ソースから、該冷却剤通路に熱的に接触する冷却用キャパシター(cooling capacitor)まで熱を動かす。1側面では、該冷却用キャパシターは相転移材料(phase change material)を含んでもよい。
【0013】
もう1つの側面では、該歯ブラシは、該デバイスの外部のソースから流体を受け、熱を吸収後流体を追い出す開いた流体通路を有する。該流体は、例えば、歯磨きペースト(toothpaste paste)の様な治療材料(thrapeutic material)であってもよい。
【0014】
ここで開示されるもう1つの実施例では、口用光線療法アップリケーターが提供される
。該アップリケーターは、ユーザーの口内に少なくとも部分的に嵌合する寸法取りされ、形作られたボデイと、該ボデイに結合され、少なくとも1つの望ましいスペクトルバンド内の光線療法用放射(phototherapeutic radiation)で口腔の部分を照射するよう適合された、少なくとも1つの放射エミッター(radiation emitter)と、を有する。該アップリケーターは更に、冷却剤を推進するポンプと、該ポンプと、該少なくとも1つの放射エミッターと熱的に接触する該本体の部分と、の間の冷却剤通路と、を有する。
【0015】
1側面では、該アップリケーターは光線療法時該口腔の部分に接触するのに好適な複数のブリスルを有する。例えば、該ブリスルは少なくとも1つの波長範囲内の光線療法の放射に実質的に透明でありそして、オプションでは、更に該放射を拡散(diffuse)させる散乱剤(scattering agent)が具備される。なおもう1つの側面では、該アップリケーターは、過熱条件(overheat condition)が検出されると、放射エミッターをオフに切り替えるよう適合された、ヒートセンサー(heat sensor)と通信する自動シャットオフ回路(auto−shutoff circuit)を有する。
【0016】
本発明の更に進んだ理解は、付随する図面と連携し、下記で簡潔に説明される、下記の詳細説明を参照することにより得られる。
【実施例1】
【0017】
本発明は一般的に、口腔(oral cavity)の、中の、それを通る及び/又はそれに関連する、状態(conditions)を治療(treat)するために、ユーザーの口腔を照射(irradiating)するため使われる光放射口用器具(light emitting oral appliances)に関する。本発明の口用器具(oral appliances)は、例えば、光放射歯ブラシ(light emitting toothbrush)、光放射マウスピース(light emitting mouthpiece)、又は口腔内挿入に好適な種々の他の種類の光放射プローブ(light emitting probes)を有する。
【0018】
図1、2A及び2Bを参照すると、本発明の開示の光放射歯ブラシ{エルイーテービー(LETB)}の1実施例はブリスル(bristles)14を有するヘッド部分(head portion){ブラシヘッド(brush head)}12又は光学的エネルギーの他の配送システム(delivery system)と、ハンドル部分(handle portion)16を備える。該ヘッド部分は好ましくは少なくとも1つの光学的放射ソース(optical radiation source)18を有するのがよく、高反射性面(highly reflective surface)20及びセンサー22の様な他の特徴をオプションとして有する。該光学的放射ソースは又該ハンドル部分に設置されることも出来る。
【0019】
或る実施例では、該ヘッド部分12とハンドル部分16はオプションでは1つのユニットとして形成されるが、他の実施例では、該ハンドル部分と該ボデイ部分は、クリーニングと交換を可能にするため、取り外し可能で、置換可能に、相互に嵌合(mated)される。ハンドル部分16はバッテリーの様な電源(electrical power supply)32,及び制御スイッチ(control switch)34そしてオプションで制御電子機器(control electronics)を有してもよい。図2Bはフレーム38を有するヘッド部分12の詳細図を示すが、該フレームは内部部品(internal components)を保護(protect)し、そして光源18から外部環境(external environments)への熱伝達(heat transfer)を提供するために、オプション的に、金属、セラミック、サフア
イア(sapphire)、カーボンフアイバーを有するプラスチックの様な高熱伝導性複合材料、の様な熱伝導材料で形成されることが出来る。又ヘッド部分12はブリスル14と、電源32から光学的放射ソース18まで電力を供給するためのリード39を有する。
【0020】
下記でより詳細に論じる様に、該放射ソース18は、単一バンド幅か又は多数の個別バンド幅か何れかで放射を発生する単一ソースとすることが出来る。代わりに、該放射ソース18は同様の又は異なるバンド幅内の放射を発生する複数の光ソース、例えば、発光ダイオード(light emmiting diodes)(LED)のマトリックス又は配列(array)を有することが出来る。該放射ソースはマルチカラー(multicolor)LEDの様な多数バンド光ソース(multi−band light source)とすることも出来る。或る実施例では、該放射ソースは、ランプの様な広帯域(broadbnad)のソースとすることも出来て、オプションでは1つ以上の望ましいバンド幅内の放射を選択するための1つ以上のフイルターと結合することが出来る。
【0021】
図3は光学的放射ソース18を有するボデイ部分26を備える光放射マウスピース{エルイーエムピー(LEMP)}24を図解する。示される様に、ボデイ部分26はユーザーの口腔内に少なくとも部分的に嵌合するように寸法取りされ、形作られる。加えて、該ボデイはユーザーの口腔の少なくとも一部分に適合するよう形作られた表面を有する。1実施例では、該光放射マウスピースは、切歯(incisors)、双頭歯(bicuspids)、及び/又は臼歯(molars)を含む歯28に対し位置付けるために形作られた表面を有し得る。又該表面は歯と口腔壁との間の口腔の部分に嵌合(fit)するよう形成され得る。該表面が適合され得る他のボデイ部分はユーザーの舌、ユーザーの口蓋(roof of a user’s mouth){硬及び/又は軟口蓋(hard
and/or soft palate)}及び/又は口腔床(floor of the oral cavity)(例えば、ユーザーの舌の下)を含む。
【0022】
マウスピース24は、好ましくはユーザーが該マウスピースを把握することを可能にするハンドル30を有するのがよく、そしてバッテリーの様な電源と制御スイッチとを有することが出来る。1実施例では、又該ハンドルは物質(substances)を送る又は該口腔から取り除くための通路31を有する。例えば、通路31は空気の入り口及び/出口(egress)、治療剤(treatment agents)及び/又は薬(drugs)の配送、そして水の排出(evacuation)を提供出来る。
【0023】
図4は、一般的に“U”型のボデイ部分を規定する2つの実質的に平行なプロング(prongs)27を有する光放射マウスピース24のもう1つの実施例を示す。各プロングは好ましくは少なくとも1つの光学的放射ソース18,そして好ましくは、該ボデイがユーザーの口腔内に位置付けられた時、頬(cheek)及び顔面組織(facial tissue)を照射するよう位置付けられた、多数の光学的放射ソースを有するのがよい。又、例えば、運動用マウスガード(athletic mouthguard)と同様な仕方でユーザーの歯の両側を囲むマウスピースを有する種々の他の形状が有用である。光学的放射ソースは、歯と歯肉に光線療法の放射を提供するためこの様なマウスピースの内部に配置されるか、又は頬又は顔面組織に光線療法を提供するために外部に向かって配置されてもよい。
【0024】
本発明の光放射口用器具内に配置される光学的放射ソースは、約1−50、000mW/cmの範囲の電力密度と1mW−10Wの合計電力を有し、約280nm−100、000nmの範囲で電磁放射を送ることが出来る種々の放射ソースを有するのが好ましい。1つの好ましい放射ソースは1から20の種々の波長で放射するLED又はLEDマトリックスイラディエーター(LED−matrix irradiator)である。口
用器具のための放射ソースは好ましくはコンパクトで、効果的で、低コストであり、必要な波長と電力を提供するのがよい。好ましい実施例では、この様な放射ソースの出力スペクトラム(output spectrum)は約280−12、000nmの範囲にあり約10mWから1Wの範囲の電力を有すべきである。この出願を通して、用語“光”及び“放射”は、例えば、約280nmから約100、000nmの範囲の様に、光線療法で有用な全スペクトル範囲の光学的放射を含むよう互換的に使われ、可視スペクトルに限定されない。該放射ソースの寸法は好ましくは口用器具内にパッケージするのに充分な程小さくあるべきで、少なくとも1−15分の間バッテリーにより電力を与えられるよう充分効率的であるべきである。
【0025】
1実施例では、光放射ソースは、発光ダイオード(LED)と、エッジ放射(edge
emitting)LED{イーイーエルイーデー(EELED)}、面放射(surface emitting)LED{エスイーエルイーデー(SELED)}、又は高輝度(high brightness)LED{エイチビーエルイーデー(HBLED)}の様なLED変型品(variations)を含む、固体ライティング(solid−state lighting){エスエスエル(SSL)}である。該LEDはAlInGaN/AlN(285nmから放射する)、SiC、AlInGaN、GaAs、AlGaAs、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、BaN、InBaN、AlGaInP{近赤外線(NIR)及び赤外線(IR)で放射する}、他の様な種々の材料に基づいている。又LEDは、活性材料としてポリマーで作られ、広いスペクトルの放射を有する有機(organic)LEDsを含む。該放射ソースは、LEDダイから作る様なLED(LED such as shaping of LED dies)、透明な制限領域(transparent confinement region)を有するLED、フォトニクス結晶構造体(photonics crystal structure)、又はリゾナントキャビテイ発光ダイオード(resonant−cavity light−emitting diodes){アールシーエルイーデー(RCLED)}とすることが出来る。
【0026】
他の可能性は、好ましくは広い放射スペクトルソースを提供するのがよいスーパールミネッサントダイオード(superluminescent diode){エスエルデー(SLD)}又はLEDを含む。加えて、レーザーダイオード(LD)、導波路レーザーダイオード(waveguide laser diode){ダブリュージーエルデー(WGLD)}、そして垂直キャビテイ面放射レーザー(vertical cavity surface emitting laser){ブイシーエスイーエル(VCSEL)}も利用可能である。LED用に使われる同じ材料がダイオードレーザー用に使われる。他の可能性はレーザーダイオードポンピング(pumping)を有するフアイバーレーザー(fiber laser){エフエル(FL)}を含む。LD、LED又は電流ソース/電圧ソースからの電気的又は光のポンピング(electro or light pumping)を有する蛍光固体光ソース(Fluorescence solid−state light source){エフエルエス(FLS)}も放射ソースである。該エフエルエスは電気的ポンピングを有する有機フアイバーとすることが出来る。
【0027】
白熱灯、蛍光灯、微小ハロゲンランプ(micro halide lamps)又は他の適当なランプの様なランプも本発明で使われる。ランプは白、赤、近赤外及び赤外照射用放射ソースを提供する。5−100μmの範囲用では量子カスケードレーザー(quantum cascade lasers){キューシーエル(QCL)}又は遠赤外線放射ダイオード(far infrared emitting diodes)が使われ得る。当業者は、種々の放射ソースが、寸法、要求電力、望まれる治療養生法(treatment regimen)、及びそれらの組み合わせにより、該光学的器具に必
要な光学的放射を提供することを評価するであろう。
【0028】
LED、レーザーダイオード、又はマイクロランプは発生される光学的エネルギーより20倍までの高い熱エネルギーを発生する。望ましくない無駄な熱に適合するために、該光放射口用器具は熱伝達及び/又は冷却用機構を有する。例えば、例示的光放射歯ブラシのヘッド部分12は、放射ソースにより発生される熱を放散ために少なくとも部分的には熱伝導材料で形成される。例えば、図2Bを参照すると、ヘッド部分12はヘッドフレーム38を有し、該ヘッドフレームは高熱伝導率及び/又は良好なヒートキャパシタンス(heat capacitance)を有する材料で作られ、放射ソース18に熱的に結合され、そこから熱を抽出(extract)する。このフレームは該ヘッドの外面まで延び、該外面は、該歯ブラシの使用時、唾液(saliva)又は組織と接触する。当業者は、例えば、アルミニウム、銅又はそれらの合金を含む金属、セラミックそしてカーボンフアイバーの様な高熱伝導部品を有するプラスチックの様な複合材料(composite materials)の様な、種々の材料が必要な熱伝達を提供することを評価するであろう。1実施例では、熱は該フレームから、該光放射歯ブラシ又は光放射マウスピースに接触する隣接組織及び/又は唾液への、熱伝達により除去される。この熱は、追加の又は向上した治療効果(therapeutic effects)を提供するために口の組織、及び/又は口の組織の1部分に塗布されたペーストの穏やかな加熱(gentle heating)に使われる。
【0029】
本発明のもう1つの側面では、熱は該光放射歯ブラシのヘッド部分に沿ってハンドル部分に伝達され、周囲環境、例えば、操作者の手に放散(dissipated)される。図5は、ヘッド部分12,ハンドル部分16そして該ヘッド部分内に組み込まれた少なくとも1つの放射ソース18を有する本発明の1実施例の光放射歯ブラシを図解する。例えば、高熱伝導率を有する材料で作られた、例えば、ヒートパイプ(heat pipe)の様な細長い要素の形の、熱伝達要素19が、該ソースにより発生された熱を該ハンドルへ伝達するために、1端で該放射ソースに、もう1端で該ハンドルの部分に、熱的に結合される。該熱伝達要素が結合される該ハンドルの部分は、周囲環境(ambient environment)、例えば、ユーザーの手への熱伝達を実現するためにオプションでコルゲートされた面(corrugated surface)を有してもよい。
【0030】
図6を参照すると、もう1つの実施例で、本発明の開示の光線療法の口用器具は放射ソースにより発生された熱を、相転移材料(phase transfer material)が中に貯蔵されるリザーバー72に伝達する熱伝達要素70を有する。該相転移材料、例えば、氷、ワックス又は他の適当な材料、はその相(phase)を変える、例えば液体から気体に又は固体から液体に変えるために該熱を吸収し、それにより該熱を放散する。好ましくは、該相転移材料は約30から50℃の範囲内に溶融又は気化温度(melting or evaporation temperature)を有するのがよい。
【0031】
熱伝達要素の上記論議された例は光放射歯ブラシを参照して行われたが、当業者は、該熱伝達要素が本発明の口用器具の何れでも使用され得ることを評価するであろう。特に、これらの熱伝達要素は該光放射マウスピース内の放射ソースから隣接する組織、ハンドル及び/又は周囲環境への熱の蓄積又は伝達を提供する。
【0032】
或る実施例では、該光放射口用器具は、例えば目標部分に治療用放射を適用しながら、該口腔の目標部分を加熱するためにヒーターを有する。熱的治療法は、光線療法と組み合わされた時、幾つかの治療養生法で有用であり、追加的又は共生的(symbiotic)効果を提供する。図7は本発明の1実施例の光放射歯ブラシのヘッド部分12内に位置付けられた電気ヒーター40を示す。該ヒーターから隣接組織への熱伝達を容易にするた
め、ヘッドフレーム38は図8に示すコルゲートされた形状を有してもよい。
【0033】
或る実施例では、加熱は放射ソースにより提供される。本発明の1側面では、該ヒーター40は、治療放射を発生する放射ソース、例えば放射ソース18とは異なる(distinct)放射ソースである。もう1つの側面では、加熱は治療放射を提供するため使われる同じ放射ソースにより提供されてもよい。例えば、この様な実施例では、該放射ソースは、少なくとも1つのバンド幅が口腔組織を加熱するのに好適なように、広帯域の放射又は2つ以上のバンド幅の放射を発生出来る。代わりに、その少なくとも1つが組織の深い加熱用に好適な波長範囲の放射を提供する多数放射ソース(multiple radiation sources)が使われることも可能である。例示的深部加熱放射は約0.38から0.6μmの範囲又は約0.8から100μmの範囲の波長を有する放射を備える。当業者は種々の電気的又は非電気的ヒーターが本発明の口用器具と共に使われ得ることを評価するであろう。
【0034】
望まれる治療養生法に依り、本発明の口用器具から送られる光学的放射は口腔の種々の領域へ選択的に向けられる。図9−16は種々の組織範囲を選択的に治療するために本発明が開示する光放射歯ブラシの種々の実施例を図解する。図9は単一指向性の実施例(unidirectional embodiment)を図解するが、そこでは放射ソースにより発生される光学的放射は、例えば、ブリスル自体を通して、組織に接触している複数のブリスルと実質的に同じ範囲内に向けられる。使用時、該放射は主として硬組織(hard tissue)、例えばユーザーの歯、の方に向けられる。代わりに、図10は、主として顔面組織の様な軟組織、例えば頬内組織、を照射(illuminate)するために該光学的放射がブリスルの方向から離れるよう向けられる実施例を示す。図11は本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解するが、該歯ブラシは該デバイスの前部から放射する光学的エネルギーを、例えば該ブリスルと実質的に直角の方向の、ユーザーの口腔の選択された部分内へ向ける光ソースを有する。この実施例はユーザーの咽喉領域(throat region)の軟組織を選択的に照射するのに特に好適である。
【0035】
本発明の1側面では、該放射の少なくとも1部分は歯の硬組織の方向より他の方向に放射される。これはブリスル又はその延長を囲む周囲により規定される断面範囲により表されるものより他の方向に放射を放出することにより本発明の光放射歯ブラシで達成され得る。図11Aはブリスル14を有する光放射歯ブラシのヘッド部分12を図解する。示される様に、該ブリスルの周囲は範囲82を規定し、該範囲はカラム(column)84を創るよう該ブリスルから外方へ延ばされ得る。好ましくは、主に軟組織を治療するため光放射歯ブラシにより放射される光学的放射はカラム84と交叉しないのがよい。
【0036】
もう1つの実施例では、光学的放射は同じ口用器具から多方向に向けられる(種々の図で方向矢印5で示される様に)。例えば、本発明の光放射歯ブラシは、2つのLEDグループの、1グループは該ブリスルに実質的に平行な方向に放射することが出来る一方、もう1つのグループは反対方向に放射することが出来るよう、図12に示す様に、2グループのLEDを有する。
【0037】
図14はそのデバイスの両側から出る放射を有するもう1つの多方向光放射歯ブラシ(multidirectional light emitting toothbrush)を示す(ブリスルは紙面から出てくる)。図15はその前部に向かって、及びブリスルの方向へ、向けられた放射を示す。最後に、図16と17は2つより多い方向に向けられた放射を有する多方向光放射歯ブラシの他の側面を図解する。図16は3方向性の実施例を図解し、一方図17は5方向性の光放射歯ブラシを示す(前部、両側、頂部そして底部)。
【0038】
多方向性の光放射口用器具の図解された例は本発明の光放射マウスピースに同様に適用される。図3と4に示す様に、光学的放射は、光放射マウスピース24のボデイ部分26から、口腔内の又はそれを囲む種々の構造体又は組織の種類に向かって向けられる。図18は舌の回りに放射を向けるよう設計された光放射マウスピースを示す。この実施例は、過剰バクテリア成長(excessive bacterial growth)の様な、舌の疾病を治療するのに有用である。もう1つの実施例では、光放射マウスピース24は歯、歯肉、及び/又は頬組織を治療するよう設計され得る。例えば、図19は歯と頬組織の間に位置付けられたボデイ部分26を示す。この実施例では、光学的エネルギーは、頬(口腔の壁)、歯肉、そして歯組織の方に選択的に向けられる。なお更に進んだ実施例では、該光放射マウスピースからの光学的放射は、図20に示す舌の下の軟組織、又は例えば口内薬(oral drug)又はビタミンの配送をサポートする口腔の他の部分、に向かって向けられる。薬(drug)又はビタミン23は、例えば、液体の形で開口部31を通して粘膜(mucosa)へ配送される一方、光ソース18は該薬及び粘膜上に放射を向ける。この放射は、該薬の該口腔組織内への向上した摂取(uptake)と貫入用に該粘膜の浸透性(permeability)を高めるよう選択される。代わりに、又は加えて、該放射はより良い治療効果用に該薬を賦活(activate)する。この様な薬配送方法は医者のオフイス又は家庭で使われる。
【0039】
光学的放射が放出される方向は種々の方法で制御される。1実施例では、光学的放射ソース18は、それが作る放射が目標組織に向かって進むように配置される。これは光学的放射ソースを該口用器具の表面に、又はその近くに位置付け、該表面を目標組織(target tissue)に隣接して置くことにより達成される。もう1つの実施例では、光学的要素、例えば、反射又は屈折要素、はそのソースにより放出される放射を選択的に向けるために該放射ソースに結合される。該光学的要素は、該光学的放射を目標組織へ向ける、例えば、回転可能な(rotatable)ミラー、プリズム、及び/又は拡散体(diffuser)を含んでもよい。例えば、図20Aを参照すると、本発明の1実施例の光放射歯ブラシ10は回転可能なミラー11と光学的に結合された放射ソース18を有するが、該ミラーはソース18によって放出された放射を、矢印5aに示される様に複数のブリスル14に沿うようにか、或いは矢印5bに示される様に該ブリスルと実質的に反対の方向にか、何れかに向ける。
【0040】
単一方向又は多方向の光学的放射を提供するのに加えて、本発明の口用器具は単一又は多数のバンドの光学的放射を供給出来る。例えば、或る治療養生法は、単一青色(single blue color)(400−430nmの中心波長)、単一緑色(single green color)(540−560nmの中心波長)、単一赤色(single red color)(中心波長620−635、660nm)又は近赤外線単一色(NIR single color)(中心波長800−810nm)の様な単一波長バンド(single wavelength band)を要求する。代わりに、光学的放射の2つ、3つ又はより多くの個別バンド(distinct bands)を含む、これらの又は他の個別波長の組み合わせが適用されてもよい。例えば、もっと有効に同じ状態を治療する又は2つの異なる状態を治療するために2つの別々の波長バンドが使われてもよい。
【0041】
多数の個別波長バンドは種々の方法で達成される。本発明の1側面では、広帯域放射ソースが、望まれない波長を濾し去る(filter out)光学的要素と共に用いられる。例えば、フイルター又は複数フイルターはそのスペクトラムの青と赤の部分のそれらを除いて広帯域スペクトラム(broad spectrum)から全波長を取り除く。本発明のもう1つの側面では、多数の個別バンドは、各ソースが望まれるバンドの光学的放射を提供する多数の放射ソースで達成される。そしてなおもう1つの側面では、多数の
個別バンドを作る1つの放射ソースが使われてもよい。例として、単一LEDが2つ以上の個別波長バンドを作るために使われてもよい。追加の波長を発生するために放射エネルギーの蛍光変換(Fluorescence conversion)が使われてもよい。もう1つの例として、ダイオードでポンプされたフアイバーレーザー(diode pumped fiber laser)が2つの波長を発生するため使われてもよく、そこでは1つは該フアイバーをポンプするダイオードレーザー(the diode laser pumping the fiber)に対応し、もう1つは該フアイバーレーザー波長(the fiber laser wavelength)に対応する。
【0042】
該口用器具の或る実施例では、波長バンドを変えることが望ましい。これは、取り外し可能なヘッド部分を使うことにより本発明の光放射歯ブラシで達成される。各ヘッド部分は種々の波長の光を作る放射ソースを有することが出来る。ユーザーは取り外し可能なヘッド部分の中で選択することにより望ましい波長バンドを選ぶことが出来る。代わりに、ハンドル部分が広帯域光ソースを有し、該取り外し可能なヘッド部分は望ましい波長バンドを分離するフイルターを有してもよい。
【0043】
上記の様に、本発明の光放射歯ブラシの種々の実施例は、硬及び軟組織の機械的クリーニング、マッサージ、血液循環の賦活、改良された光貫入のための軟組織の圧縮(compression of soft tissue for improved light penetration)、そして改良された光配送(improved light delivery)、を含むが、それらに限定されない、機能を行うためのブリスルを有する。例えば、本発明の光放射歯ブラシのヘッド部分12の切開側面図である図21は、ヘッド部分12に結合された複数のブリスル14を示すが、該ヘッド部分は放射ソース18により作られるバンド幅の少なくとも1つ内の放射に実質的に透明な材料で作られるのが好ましい。加えて、ブリスル14は、好ましくは最小損失で、組織へ光学的エネルギーを向け、そして/又はそれへの該光学的放射の伝達を実現する、のを助けるのがよい。放射ソースにより発生されるエネルギーの口腔組織内との結合を最小損失でもたらすことは、該放射ソースの利用効率を高め、本発明の光放射歯ブラシとマウスピースの操作に付随するコストを最小にする。
【0044】
図22は透明材料で形成された細長いボデイ48を有する、ここでは’活性ブリスル(active bristle)’とも呼ばれるブリスルを示すが、該ブリスルは、LED又はダイオードレーザーの様な放射ソース18と近位の端部49で嵌合し、透明材料で形成された細長いボデイ48と,基盤50と,そして光学的反射要素52と,を有する。該ブリスルの該放射ソース18との、例えば、光学的糊(optical glue)又は他の適当な機構を介した、直接の光学的結合は、該ブリスル内への放射の結合を有利に高め、該ブリスルは翻ってユーザーの口腔への配送用に該放射をその遠位の端部62へ伝送する導波路(waveguide)として機能する。反射性光学的要素(reflective optical element)52、例えば、ミラー、は該ブリスルの方向とは異なる方向に放出された光を、該ブリスル内に導き、それにより該ブリスルの該光ソースとの光学的結合を高める。例えば、反射性要素52はLEDからのエッジ放出される放射(edge emitting radiation)を該ブリスル内に結合するため使われる。1実施例では、基盤50と光学的要素52はそれらの高反射性表面により光学的エネルギーを導く。この設計はLEDからの光の抽出と、それの口腔組織への配送と、を有利に最大化する。
【0045】
1実施例では、各ブリスルは放射ソース18と光学的に結合され、更に進んだ実施例では、各ブリスルは個別LEDに結合される。例えば、各ブリスルは1つの放射ソース18と実質的に位置合わせされる(in substantial register)(図22)。この様な嵌合を実現するために、ブリスル14はその近位の端部49で、放射ソ
ース18の放出面を受けるよう形作られる。
【0046】
或る実施例では、ブリスル14は、放射ソースからユーザーの口腔の部分へ放射を導く導波路(waveguide)として作用する。例えば、図23は高屈折性コア(highly refractive core)54と低屈折性の被覆(low refractive cladding)56を有するブリスルを略図で図解する。光学的放射はコア54を通るよう導かれ、被覆56により収容される。光学的エネルギーが開いたブリスル先端58に達すると、該放射はリリース(released)される。この実施例は放射がブリスル先端58と接する組織に導かれることを可能にする。光学的放射の組織への伝達の面で更に助けとなるよう、該ブリスル先端と目標組織との屈折率はマッチさせられる。例えば、屈折率のブリスルと空気の間の差のために、該ブリスル14は内部反射により光学的放射を殆ど収容する。該ブリスルが組織に接する時だけ、解放される光学的放射の量の増加がある。
【0047】
本発明の或る実施例では、該ブリスルは選択された点での放射の制御された漏洩を可能にするよう形作られる。例えば、図24は光学的ループの形のブリスル14のもう1つの実施例を図解する。該ループの両端は光学的放射のソース18に接続される。光は、そのベンド(bend)に於いてを除いて、該ループ内に概ね収容されるが、該ベンドでは妨害された完全又は殆ど完全な内部反射効果が光漏洩を可能にする。該ベンドは光学的放射を送るため目標組織範囲内に位置付けられる。又この様なブリスルは、それらが光が選択部分、例えば、口腔組織と接触する部分、に於いてのみ放出されることを保証するので、そのデバイスの眼の安全特性(eye safety characteristics)を高める。完全内部反射(complete internal reflection)を通して、それと接触する組織内への光の抽出(extraction)を可能にするこの様な活性ブリスルは、眼の安全が特に心配される時、高電力光放射歯ブラシ(high power light emitting tooth brushes)用で特に有用である。本発明の光放射歯ブラシは従って上記活性ブリスルで形成されたブリスル束(bundle of bristles)を有する。
【0048】
該ブリスルは、光学的放射の制御された漏洩を実現する他の形状を有することが出来る。図25はスパイラルブリスル(spiral bristle)を有するが、該ブリスルは最大曲率(maximum curvature)を有する点に於いて光漏洩60を可能にする。図26はベースから制御された先端角度を有する小さい先端62まで延びる円錐型ブリスルを図解する。放射光線がベースから該先端へ向かって該ブリスルをトラバース(traverses)すると、該ブリスルと周囲環境のインターフエースでのその入射角は、点60a、60b、60c、そして60dの様な或る点で放射が該ブリスルの外へ洩れるように、増加する。
【0049】
もう1つの実施例では、該ブリスルをドープ(doping)するか、又は該放射ソースの放射スペクトルを改良することにより、分散されたパターンで該光学的エネルギーをリリースし、ホットスポット(hot spot)の形成を低減することが望ましい。例えば、該ブリスルは光学的放射に露光された時蛍光を発する分散された蛍光材料を中に有してもよい。代わりに、染料(dye)の様なレーザー作用する材料(lasing material)が該ブリスルをドープするため使われてもよい。
【0050】
又本発明の光放射マウスピースのボデイは、該ブリスルに関して説明した概念に基づき、放射の制御された漏洩又は分散を可能にするよう設計されてもよい。例えば、選択点を除いて、光がマウスピースボデイ26内に収容される、そして/又は該ボデイが光分散材料(light dispersing material)を含むことが可能である。
【0051】
本発明の口用器具は口腔内で治療をモニターし、そして/又は状態を診断するためのセンサーを追加的に有してもよい。図27Aと27Bは、1つ以上の蛍光検出モジュール42を有する診断用光放射歯ブラシのヘッドの、それぞれ切開側面図と底面図を示す。各モジュールは、好ましくは、光学的フイルターと、電子的検出システムに接続された感光性マイクロチップと、を有するのがよい。該検出モジュールにより検出された蛍光信号は、歯の漂白及び光沢化に関する情報のみならず、歯周ポケット内のバクテリア濃度、硬組織(hard tissue){カリエス病変(carious lesion)}、唾液又は真菌症(mycosis)に関する情報を提供する。追加の蛍光信号は癌を含む種々の粘膜疾患の早期の診断用に使われる。1実施例では、該口用器具は、該蛍光信号に基づいてユーザーに、何時治療が完了したか、又は状態が検出されたか、を示す信号機構を有してもよい。もう1つの実施例では、反射率計(reflectometer)が本発明のエルイーテービー又はエルイーエムピーに組み込まれてもよい。例えば、LEDを通しての光誘起電流が反射光検出用に使われ得る。他の実施例では、分離したLEDと光検出器が種々の波長での反射を測定するために使われる。反射は硬組織のカリエス、漂白、光沢化及び/又は粘膜疾患の診断用に使われる。他の実施例では、エルイーテービー又はエルイーエムピーからの光が前歯のカリエスの半透明度診断(translucence diagnostic)用に使われる。約450から約800nmの範囲の波長がこの目的用に使われる。
【0052】
又センサーは、何時治療セション(treatment session)が完了したか、何時口用器具が適当に位置付けられたか、何時口用器具が組織と接触したか、及び/又は、治療範囲の温度が予め決められたレベルの上に昇ったかどうかを検出し、ユーザーに警報する様な、種々の他の情報をユーザーに提供出来る。又センサーは治療期間(複数を含む)の自動フイードバック制御を提供する制御器と共に使われる。1例示的実施例では、該センサーからの信号に基づき放射ソースを制御する制御器が診断用センサーと接続される。もう1つのオプションの実施例では、該口用器具が組織と接触している時だけ放射を放出するよう制御器はセンサーと組み合わされる。
【0053】
図27Aと27Bは本発明の光放射歯ブラシ内に配置された制御器43を図解する。当業者は、例えば、マイクロスイッチ、マイクロプロセサー、そして他のアナログ又はデジタルデバイスの様な種々の制御器が、光放射口用器具の種々の特徴と治療パラメーターを調整するために使われることを評価するであろう。
【0054】
もう1つの実施例では、本発明の該口用器具は治療の面で助ける種々の特徴を有する。例えば、該光放射歯ブラシ又は光放射マウスピースは、機械的クリーニングで助けるために、機械的又は超音波加振器(mechanical or ultrasonic vibrators)の様な振動機構を有することが出来る。図28は機械的加振器44を有する光放射歯ブラシを図解する。該加振器により発生される振動は、より良い歯のクリーニング用のみならず光線療法の向上用にも使われる。例えば、該振動は軟組織内への光貫入を増加させ、そして/又は、細胞及び/又はバクテリアへの光治療の効果を増加させる。この様な向上の1機構は光治療される目標へのより良い酸素配送である。図29は、電場、磁場、化学的実現(chemical realize)、及び/又は低レベル非定常同位体放射(low level non stable isotope radiation)を創るための追加部品46を有する光放射歯ブラシを示す。部品46は電気的に荷電される要素(electrically charged element)、磁石、化学的コンテナー(chemical container)、同位体コンテナー(isotope container)他とすることが出来る。
【0055】
なおもう1つの実施例では、本発明は放射を組織へより効率的に配送する反射面を有してもよい。放射が目標範囲へ配送されると、放射の幾らかは組織面で反射され、失われた
放射(lost radiation)に帰着する。この反射エネルギーを節約するために、本発明の口用器具は、該反射された放射の少なくとも1部分をその組織へ戻す高度に反射性の面を有してもよい。例えば、図1に描かれた光放射歯ブラシは放射配送効率(radiation delivery efficiency)を高める反射面20を有する。光放射マウスピースの組織に面する面は同様に反射性である。
【0056】
本発明の口用器具は光ソースを駆動する電源32(図28)、及び/又は使い捨てバッテリー(disposable battery)、再充電可能なバッテリー(rechargeable)、及び/又はキャパシターと組み合わせた太陽電池(solar battery)を含んでもよい他の部品、を有する。代わりに、該電力は部分的に又は完全に該口用器具の運動(motion)から得られてもよい。例えば、図30はコイル35内部に運動可能に配置された磁気ロッド(magnetic rod)33を有する光放射歯ブラシを図解する。ブラシング中の該光放射歯ブラシの前後運動(back and forth motion)は、光ソース、他の部品、及び/又は再充電可能なバッテリーの電気的需要を供給するための電気エネルギーを発生出来る。
【0057】
本発明の開示の口用器具は1回の及び/又は多数回の治療手順(single−wise and/or multi−wise treatment procedures)の適用に、例えば、2,3週又は1月の間に1日当たり2回、使われてもよい。本発明の口用器具は、有効性を改良するために、発色団(chromophores)及び光学的カップラー(optical couplers)、の様な種々の治療剤(treatment agents)と共に使用されてよい。これらの薬剤は、口腔と、光放射歯ブラシ又は光放射マウスピースの様な口用器具と、に塗布(applying)するための治療剤を含む口用器具システム(oral appliance system)の1部分とすることが出来る。1実施例では、該治療剤はペースト、フイルム、液体リンス(liquid rinse)、スプレー、又はそれらの組み合わせの形で口腔に塗布される。
【0058】
発色団{又は光増感剤(photosensitizer)}は歯の漂白及び光沢化のみならず微生物の光力学的(photodynamic)及び光熱的(photothermal)な殺菌作用(killing)の向上用の治療剤として有用である。発色団は固有(inrinsic)の光アクセプター(light acceptors)を有し、該アクセプターは組織内で窒素酸化物、シングレット酸素(singlet oxygen)、そして他の基(radicals)の発生へ導く連鎖光化学反応を誘起しそして/又は高める。好ましい発色団は非毒性のそれらを含む(すなわち、それより下では特定の光無しではバクテリア又は組織への作用がない濃度で提供される発色団)。本発明で使われる例示的で外因的発色団(exogenous)は染料(dyes):メチレンブルー(methylene blue)、インドシアニングリーン(indocyanine)、エイエルエイ(ALA)−増殖する細胞内のポルフィリンの誘導体−、鉱物性の光触媒(photocatalysts)及び光増感剤(photosensitizers):TiO、ナノ粒子(nanoparticle)、フラーレン(fullerenes)、チューブレン(tubulene)、カーボンブラック、及び他の同様な治療薬剤を含む。
【0059】
又内因性発色団(Endogenous chromophores)が口腔及び周囲組織の中にある。これらの発色団は自然に発生(occurring)する物質で、該物質は、それらの吸収バンドの光学的放射に曝された時、上記の外因的種と同様な基発生をもたらす。例示的固有発色団はプロトポルフィリン(protoporphyrins)、コープロポルフィリン(coproporphyrins)そして亜鉛−プロトポルフィリン(Zn−protoporphyrins)の様なポルフィリンである。ポルフィ
リン用吸収バンドは青色光、そしてより低い程度で、緑色光及び赤色光である。他の固有発色団はシトジェム(cytogem)の様なシトクローム(cytochromes)、シトポルフィリン(cytoporphyrin)、ビリルビン(bilirubin)、そして分子性酸素を含む。
【0060】
本発明で使用されるもう1つの治療剤は光学的カップリング剤(optical coupling agents)である。これらの化合物は組織表面での光散乱(light scattering)の量を減じることにより下にある組織(underlying tissue)内への増加した光学的アクセス(increased optical access)を提供する。例示される光学的カップリング剤はグリセロール(glycerol)、ブドウ糖、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、X線コントラスト剤(x−ray contrasting agents){トラゾグラフ(Trazograph)−60、トラゾグラフ−76、ベログラフイン(Verografin)−60、ベログラフイン−76、そしてハイペーク(Hypaque)−60}、タンパク質{ヘモグロビン(hemoglobin)、アルブミン(albumin)}、そしてそれらの組み合わせを含む。又該光学的カップリング剤はエタノール及び水の様な添加剤(additives)(例えば、エタノール、グリセロールそして水)と共に用いられてもよい。図31は点滴(dropping)によりブドウ糖溶液投与時のウサギの眼について生体内で測定された強膜の(scleral)組織の後方散乱(backscattering)の可成りの減少{光学的透過率(optical transmittance)の増加}を図解する。歯肉組織の同様な構造により、光学的カップリング剤を含む歯磨きペーストを使用する歯のクリーニング過程で、同じ光学的カップリングが数分で(2−3分)で達成出来る。幾つかのカップリング剤、それらの屈折率、そしてpH値が図32で提示される。或る光学的カップリング剤の塗布は、散乱の効果的減少の上に、その口腔内のpHを正常化(normalize)し(6.5−6.9)、従って、歯肉と歯肉膨らみ(gingival and gum swelling)を最小化することが図32から見られる。
【0061】
追加の治療剤は更に、知覚鈍麻剤(desensitizing agent)(例えば、クエン酸ナトリウム及び硝酸カリウム)、ゲル化剤(例えば、塩化ナトリウム及びグリセロール)、接着性マトリックス材料(sticky matrix material){例えば、カーボッポル974エヌエフ(CARBOPPOL 974 NF)}そして従来の歯磨きペーストを含む。口腔内のpHレベルを安定化させる又は調整する材料も治療剤として追加されてもよい。
【0062】
本発明の口用器具は口腔の中及び回りの種々の光力学的及び光線療法的治療用に使用される。これらの治療は、約1から10000mW/cmの範囲の電力密度で、約280から3000nmの範囲の光エネルギーを送ることで生じ、集合的に生体刺激(biostimulation)と呼ばれる、幾つかの生物物理学的現象に基づく。好ましい実施例では、生体刺激は1J/cmから1000J/cmの範囲のエネルギーフラックス(energy flux)で、そしてもっと好ましい実施例では、約10J/cmから100J/cmの範囲のそれでもたらされる。
【0063】
生体刺激は、例えば、内因性ポルフィリン、シトクローム、そして分子性酸素による光吸収に依っての、歯肉、舌、唾液腺及び管、扁桃腺(tonsils)、声帯(vocal cords)、唇、頬、口周囲の顔面皮膚(perioral facial skin)そして他の組織の、血液及びリンパ(lymph)の微小循環(microcirculation)の増加を含む。光吸収は、血管及び/又はリンパ官の拡張(dilatation)を引き起こす光励起窒素酸化物(photo stimulated n
itric oxide)(NO)を誘起し、又細胞ミトコンドリア内のCa2+蓄積と、光で減衰した交感神経性血管神経活動(sympathetic vasomotor
nerve activity)を引き起こす血管平滑筋細胞内のCa2+依存のエイテーピーアーゼ(ATPase)の賦活と、を誘起する。これらの過程は、組織ドレイン機能(tissue drainage function)、内皮細胞及び内皮白血球の増殖能(endothelium cells and endothelial leukocyte proliferative potency)、そして口腔上皮(oral cavity epithelium)、歯肉組織、神経組織、皮膚コラーゲン(skin collagen)そして他の組織の再生を助ける新毛細血管網(new
capillary net)の形成、を賦活する。加えて、光線療法の加熱との組み合わせ作用は又上記組織及び腺(gland)の血液及びリンパの微小循環の賦活を引き起こす。
【0064】
他の効果は、エナメル及びぞうげ質(dentine)を通しての導波路光伝播により引き起こされる歯髄(tooth pulp)内光集中による歯髄内血液微小循環の賦活と、ハイドロオキシアパタイト(hydroxyapatite)構造体内の空洞(vacancies)を充たすようカルシウムイオンを助ける、歯髄からタンパク質マトリックスを通ってエナメル(enamel)までのカルシウムイオンフラックス(calcium ion flux)の対応する増加を含む。
【0065】
又生体刺激は、局所的(口及び周囲組織)マクロファージ(macrophage)活動の増加と、線維芽細胞(fibroblast)、骨芽細胞(osteoblast)そしてぞうげ芽細胞(odontoblast)の増殖(proliferation)と、を有する。これは上皮、コラーゲン、神経組織、そして硬い歯の組織再生に帰着する。又追加の重要利点はバクテリア、かび(fungi)、そしてウイルスの死滅である。この効果は内因性ポルフィリン、分子性酸素、組み合わされた外因的染料(exogenous dyes)、鉱物性光増感剤(mineral photosensitizer)、及び/又は光触媒(photocatalysts)への光の作用により誘起される。
【0066】
もう1つの望ましい効果は、バクテリア活動減少により引き起こされる口腔pHの正常化と、口の組織の膨らみと浸透圧(osmotic pressure)との減少に導く口の損傷{口内炎(stomatitis)}の快癒(healing)である。
【0067】
又、体系的利益(生体刺激)効果は血液及びリンパの照射を介して改良された免疫適格性(immunocompetence)を提供する。特に生体刺激は血液とリンパのマクロファージの光改良された免疫適格性を引き起こし、それは超酸化物(superoxide)と窒素酸化物、赤血球(erythrocyte)膜弾性、そしてリンパ細胞増殖活動を引き起こす。他の全身体効果は人間日周期リズム(human circadian rhythms)の光誘起された制御を含む。
【0068】
本発明の口用器具は、光学的放射を用いた口腔範囲の直接照射を含む種々の他の療法の治療用に用いられる。光放射歯ブラシと光放射マウスピースの両者は、加熱、加振、そして発色団及び光学的カップリング剤の様な治療剤の塗布、の様な追加的治療過程を用いて又は用いずに、口腔内の硬及び/又は軟組織を照射するため使われる。
【0069】
1実施例では、該光放射歯ブラシ及び/又は光放射マウスピースは、硬及び/又は軟口組織を照射することにより、歯肉出血(gum bleeding)、歯の超敏感性(hypersensitivity)、歯痛、骨問題、エナメル退化(enamel degeneration)、カリエス、歯根管炎症(root canal inflam
mation)、そして歯周問題の様な歯科の問題を治療するため使われる。該治療法は問題範囲の直接照射、そして或る場合は治療で助けるために熱又は発色団の使用を含む。
【0070】
本発明の更に進んだ特徴として、該口用器具は、該治療の要素(part)として多数の個別波長を使用するが、それは多数のバンドは、或る場合、より大きい全体的有効性を提供するからである。例えば、青色光はポルフィリン励起(porphyrin excitation)で非常に有効であるが、青色光の貫入深さ(penetration depth)は血液吸収と生物学的組織による光散乱とのために大きくない。青色光を、より容易に組織に貫入するが、ポルフィリン励起効果がより少ない、緑色及び赤色の様な他の波長バンドと組み合わせることにより、全体的治療はもっと効果的になり得る。又多数波長バンドは種々の物質を励起し、幾つかのソースからの生体刺激を作るため使われる。1実施例では、青色及び緑色光はポルフィリンを刺激するため使われる(400−430nm)一方赤色光(例えば、630nm)及び/又は近赤外線(NIR)(例えば、1060nm又は1268nm)は分子性酸素を光活性化するため使われる。或る場合には、この結果はシナージー効果(synergistic effect)を提供する幾つかの療法的治療に依存することによりもっと効果的な全体治療に帰着する。
【0071】
又本発明の口用器具は、それらが低い線量(dose)で繰り返し使われるので、利点を有する。最小回数で行われる高電力治療と異なり、本発明は通常の個人的看護養生法(personal care regimen)の部分として使われてもよい。治療を提供するのに有効で、医者又は歯科医を訪問する時間と費用を要しない全体的線量が結果として得られる。
【0072】
従って、本発明の口用器具により提供される光線療法は多数の異常(abnormalities)及び疾患からの回復及び/又は予防(prophylaxes)を提供する。特に、ここで使われる用語“光線療法(phototherapy)”は異常の治療とユーザーの生理学の改良との両者を含むよう意図されている。この様な利点のある改良は更に下記で論じられる様に健康と美容の両改良を含む。
【0073】
歯科(Dental)
歯肉出血(gum bleeding)の低減。歯肉出血は殆どが上皮細胞及び他の連結組織(connective tissue)の乏しい増殖により引き起こされる。本発明の口用器具は、増加した線維芽細胞増殖を賦活するため光照射とソフトな加熱を提供し、歯肉出血の停止に役立つ上皮、コラーゲンそして他の連結組織の再生を引き起こす。光アクセプターは内因性ポルフィリン、シトクローム、そして分子性酸素を有し、従ってポルフィリン、シトクロームそして分子酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度そして0.06−30J/cmの1日当たり線量での口の粘液及び下にある組織の照射が好ましい。青色光(400−430nm)はポルフィリン励起(porphyrin excitation)用に非常に有効であり、又緑色光(540−580nm)と赤色光(600−650nm)もポルフィリンを賦活出来る。特に、コープロポルフィリン(coproporphyrin)は402±20{最大吸光度(extinction at maximum)≒480}(以下≒は英語原文の
【数1】

を表す)、495±20、540±30(最大吸光度≒17)、580±30(最大吸光度≒6)、623±20nmの波長で、そしてシトクローム(cytochroms):シトジェム(cytogem){シトクロームオキシダーゼ(cytochromoxidase)のプロテーゼグループ(prosthetic group)}は414±20(最大吸光度≒70)、439±20(最大吸光度≒117)、446±20(最大吸光度≒10)、534±20(最大吸光度≒11)、598±20(最大吸光度≒16)
、635±20nm(最大吸光度≒9)の波長で、そしてシトポルフィリン(cytoporphyrin)は415±20(最大吸光度≒160)、520±20(最大吸光度≒9)、560±20(吸光度≒21)、580±20(最大吸光度≒11)、617±20、646±20nm(最大吸光度≒1)の波長で励起(excited)され得る。バクテリアで見出されるシトポルフィリンは非常に光感応性(photosensitive)である。バクテリア及びかびに含まれるプロトポルフィリンIX(Protoporphyrin IX)は波長410±20(最大吸光度≒270),504±20(最大吸光度≒15),556±20(最大吸光度≒15),600±20(最大吸光度≒6)、631±20nm(最大吸光度≒5)で励起され得る。
【0074】
分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20,1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の、歯のクリーニング手順中の43℃までのヒーターにより提供される中位の高熱(Moderate hyperthemia)も、血液及びリンパの微小循環にシナージー効果を提供するのに望ましい。
【0075】
歯過敏症の減少(Reduction of tooth hypersensitivity)。歯の敏感さは殆ど、飲料及び/又は唾液成分により誘起される浸透圧のために、歯内の神経末端に向かってのぞうげ管(dentinal tubes)を通る増加した流体移動から生じる。歯過敏症は口内液体pHの低い値により誘起される1時的又は恒久性のエナメルの鉱物質除去(demineralization)により引き起こされるエナメル多孔質性に依る。口内液のより酸性pH(4.0−5.0)では、エナメル透過性(enamel permeability)は3−4倍増加する(increased 3−4−fold)。従って、エナメルの光誘起された再鉱物質化(remineralization)の過程が歯過敏症の低減に役立つ。バクテリア殺菌も、pH正常化と、低下する歯肉膨張と、そして過敏な歯化合物に印加される低下した浸透圧と、により歯過敏症の低減へ導く。従って、ポルフィリン、シトクローム、そして分子性酸素に対応する波長での、1−1000mW/cmの電力密度で1日当たり線量0.06−30J/cmでの歯表面への照射が好ましい。青色光(400−430nm)はバクテリアポルフィリン励起に非常に効果的であり、緑色光(530−580nm)と赤色光(600−700nm)も又バクテリア内のポルフィリンを賦活出来て、基発生を介してそれらを殺菌することが出来る。緑色光(540−580nm)と赤色光(600−650nm)は歯髄ポルフィリンを賦活し、歯髄内の血液及びリンパの微小循環を増すことが出来て、ハイドロオキシアパタイト構造内の空虚を充たすようカルシウムイオンを助ける、歯髄からタンパク質マトリックスを通りエナメルへのカルシウムイオンフラックスの対応する増加を来す。組織及び歯髄内に熔けた分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20,1060±20そして1268±20nmで光活性化される。又ヒーターにより提供される中位の高熱は血液及びリンパの微小循環にシナージー効果を提供する。より有効なバクテリア殺菌は、外因的発色団の塗布と該発色団に対応する波長での照射により達成され、特に、0.01−1.0%濃度のメチレンブルー(Methylene Blue){エムビー(MB)}染料についての660±10nmで5−1000mW/cmの電力密度での照射、又は0.01−1.0%の濃度のインドシアニングリーン(Indocyanine Green){アイシージー(ICG)}染料についての805±5nmで5−1000mW/cmの電力密度での照射で達成される。
【0076】
歯の痛み低減(Pain reduction in tooth)は、管壁の内皮細胞への光励起のNOの作用と、光減衰された交感神経性血管神経活動と、により誘起される血管及び/又はリンパ管の拡張により引き起こされる改良された歯髄の血液及びリンパ微小循環に殆ど依存する。直接光で誘起される神経活動の阻止も可能である。従って、ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長での1−1000mW/cmの電力密度で、1日当たり線量0.06−30J/cmの歯表面照射が必要である。
緑色(530−580nm)及び赤色(600−650nm)の光は歯髄ポルフィリンを賦活し、歯髄内の血液及びリンパの微小循環を増すことが出来る。組織及び歯髄内に溶解した分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の歯クリーニング手順中の43℃までの電気ヒーター(又はLED放射加熱)により提供される中位の高熱は、血液及びリンパの微小循環へのシナージー効果を得るのに望ましい。
【0077】
歯周及び骨の再生(Periodontal and bone regeneration)とインプラント結合(implant connection)は光及び/又は光と熱の組み合わせ作用により誘起される、マクロフアージ活動、線維芽細胞、骨芽細胞そしてぞうげ芽細胞増殖、の増加により殆どが引き起こされる。又増加した血液及びリンパの微小循環は組織の成長及び再生を改善する。ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長での、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での歯及び歯周組織の照射は、増加したマクロフアージ活動、増加した線維芽細胞、骨芽細胞そしてぞうげ芽細胞の増殖、そして増加した血液及びリンパの微小循環の責めを負う基を作る。青色光(400−430nm)はポルフィリン励起に非常に効果的であり、緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)はポルフィリンを賦活することが出来る。緑色(530−580nm)及び赤色光(600−650nm)は歯髄ポルフィリンを賦活することが出来る。分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20,1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の歯クリーニング手順中の、43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、マクロフアージ活動、線維芽細胞、骨芽細胞そしてぞうげ芽細胞の増殖、そして増加した血液及びリンパの微小循環、でシナージー効果を得るために望ましい。
【0078】
エナメルの再鉱物質化(Remineralization of enamel)。エナメルの鉱物質除去(demineralization)は殆どは口内液体pHの低い値により誘起される。光とソフト加熱(soft heating)は歯肉の血液及びリンパの微小循環を賦活し、従って唾液からタンパク質マトリックスを通りエナメルまでのカルシウムイオンフラックスを増加させ、カルシウムイオンがハイドロオキシアパタイト構造内の空虚を充たす。バクテリア殺菌はpH正常化へ導き、従ってエナメル鉱物質除去を防止する。それ故、ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での歯表面照射が必要である。青色光(400−430nm)はバクテリアポルフィリン励起用に非常に効果的であり、緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)も又バクテリア内のポルフィリンを賦活し、基発生を介してそれらを殺菌することが出来る。緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)は歯髄ポルフィリンを賦活し、歯髄内の血液及びリンパの微小循環と、カルシウムイオンがハイドロオキシアパタイト構造の空虚を充たすのを助ける、歯髄からタンパク質マトリックスを通りエナメルまでのカルシウムイオンフラックスの対応する増加と、を高めることが出来る。組織及び歯髄内に熔けた分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の歯クリーニング手順中の43℃までの、特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、血液及びリンパの微小循環へのシナージー効果を得るため望ましい。音響泳動(Sonophoresis)及び/又は電気泳動(electrophoresis)は、血液及びリンパの流れの増大と、硬歯組織内のCa及びP元素のよりスムーズな配分と、に役立つ。より有効なバクテリア殺菌(必要ならば)は、外因的発色団の塗布と、該発色団に対応する波長での照射と、により達成され、特に、0.01−1.0%濃度のメチレンブルー(Methylene Blue){エムビー(MB)}染料についての660±10nmで5−1000mW/cm2の電力密度での照射、又は0.01ー1
.0%の濃度のインドシアニングリーン(Indocyanine Green){アイシージー(ICG)}染料についての805±5nmで5−1000mW/cm2の電力密度での照射で達成される。
【0079】
ストレプトコクスムタント(Streptococcus mutants)バクテリアにより通常殆どが引き起こされるカリエスの予防(Prevention of caries)。光と、内因性ポルフィリン、及び/又はシトクローム、及び/又は分子性酸素、及び/又は外因的染料、及び/又は鉱物性光増感剤(mineral photosensitizers)、及び/又は口腔内に組み込まれた鉱物性光触媒、により誘起される光力学的効果を介したバクテリア殺菌が、カリエスの予防と治癒のための技術である。光及び熱で誘起された歯髄及び歯肉内の血液及びリンパの微小循環と、唾液からエナメルまでの増加したカルシウムフラックス(calcium flux)と、も又カリエスを防止する。従って、ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長での、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での歯表面の照射が必要である。青色光(400−430nm)はバクテリアポルフィリン励起用に非常に効果的であり、緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)も又バクテリア内のポルフィリンを賦活し、基発生を介してそれらを殺菌することが出来る。緑色光(540−580nm)と赤色光(600−650nm)は歯髄ポルフィリンを賦活し、歯髄内の血液及びリンパの微小循環と、カルシウムイオンがハイドロオキシアパタイト構造の空虚を充たすのを助ける歯髄からタンパク質マトリックスを通りエナメルまでのカルシウムイオンフラックスの対応する増加と、を高めることが出来る。組織及び歯髄内に熔けた分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の歯クリーニング手順中の43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、血液及びリンパの微小循環へのシナージー効果を得るため望ましい。音響泳動及び/又は電気泳動は、血液及びリンパの流れの拡大と、硬歯組織内のCa及びP元素のよりスムーズな配分と、に役立つ。より有効なバクテリア殺菌(もし必要なら)が、外因的発色団の塗布と該発色団に対応する波長での照射と、により達成され、特に、0.01−1.0%濃度のメチレンブルー(Methylene Blue){エムビー(MB)}染料についての660±10nmで5−100mW/cmの電力密度での照射、又は0.01ー1.0%の濃度のインドシアニングリーン(Indocyanine Green){アイシージー(ICG)}染料についての805±5nmで5−100mW/cmの電力密度での照射で達成される。非常に有効で非特定的なシングレット酸素(singlet oxygen)及び他の基(radical)の生産が、カーボンブラック、フラーレン(fullerene)、又はチューブレン(tubulene)の様なカーボンナノ粒子又はナノチューブの広帯域(300−900nm)励起、及び/又はエムビー(MB)及び/又はアイシージー(ICG)染料との混合物でのTiOナノ粒子の様な光触媒の塗布、で提供される。
【0080】
歯根管殺菌(Root canal sterilization)と炎症予防(inflammation prevention)も又、光と、内因性ポルフィリン、特にプロトポルフィリンIX、及び/又は分子性酸素、及び/又は歯髄内に組み込まれた外因的染料と、により誘起される光力学的効果で、局所的血液及びリンパ微小循環を介して実現される。導波路伝播(waveguide propagation)により、光は、歯髄に集中され、従って光力学的効率を高め、歯髄の血液及びリンパの微小循環を賦活する。又光は微生物に対しホスト防御(host defense)の責めを負うSO及びNOを作る、マクロフアージの免疫適格性を改善する。従って、ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での歯表面の照射が必要である。緑色光(540−580nm)と赤色光(600−650nm)は、バクテリアの殺菌、マクロフアージ免
疫適格性の改善そして歯髄内の増加した血液及びリンパの微小循環、のための基を作るよう歯髄ポルフィリンを賦活することが出来る。組織及び歯髄内に熔けた分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の歯クリーニング手順中の43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、血液及びリンパの微小循環へのシナージー効果を得るため望ましい。音響泳動及び電気泳動は血液及びリンパの流れの増大に役立つ。歯根管とアペックス範囲に貫入する光はバクテリア成長に付随する炎症を予防又は減少させる。
【0081】
歯周炎問題の予防と治癒(Periodontal problem prevention and healing)も又、歯周部病変(periodontal lesions)に組み込まれた、内因性ポルフィリン、及び/又は分子性酸素、及び/又は外因的染料、及び/又は鉱物性光増感剤、及び/又は鉱物性光触媒、の励起により、活性(シングレット)酸素及び他の基の生産を介した、バクテリアへの光の致命的効果(lethal effect)に依る。又光は、微生物に対しホスト防護の責めを負うSOとNOを作るマクロフアージの免疫適格性を改善する。光とソフトな加熱とは血液とリンパの微小循環を賦活し、従って内皮細胞増殖能(endotheliocytes proliferative potency)と、歯に取り付けられた歯肉の維持を助ける新しい網細血管の形成と、を賦活する。従って、光電力密度、1日当たり線量そして波長はカリエスの予防用に用いられたと同じである(カリエスの予防参照)。
【0082】
軟組織治療(Soft Tissue Treatments)
本発明の口用器具のもう1つの利点は、それらが方向性放射(directional
radiating)を可能にしたことである。下記で論じられる幾つかの場合では、舌組織、神経組織、咽喉組織(throat tissue)、血管組織(vascular tissue)、毛包(hair follicles)、皮脂腺(sebaceous follicles)、脂腺(sebaceous gland)、顔面皮下脂肪、顔面筋肉組織、リンパシステム、コラーゲン、色素沈着スポット(pigmented spot)及び/又は他の顔面組織及び他の口の組織を含む他の組織、の様な主として軟組織を光学的に照射することが望ましい。該口用器具は、その光学的放射が放出される方向を選ぶことにより放射をこれらの組織範囲に向けることを可能にする。例えば、顔面組織を照射するために、光学的放射ソースは光放射歯ブラシ又は光放射マウスピースの外周上に位置付けられる。ブリスルの方向のみに放射する(波の硬組織に向かって)従来の歯ブラシと異なり、これらの器具により提供される放射は、放出される放射が、ユーザーの柔らかい顔面組織内の領域へ光線療法を送ために口腔の粘膜ライニング(mucosal lining)に貫入するよう向けられ得る。
【0083】
加えて、本発明の口用器具は、過去には口腔の外から治療されて来た、幾つかの状態が、該口腔の内部の光学的放射ソースを使うことにより治療されることを可能にした。例えば、影響される皮膚を照射することによりアクネ(acne)を治療する代わりに、該口用器具は口腔内から目標組織に向かって直接照射する。これは、口腔の組織壁内に含まれるコラーゲンの限られた量のために、口腔内の組織は貫入するのがより容易であるので、有利である。結果として、光学的エネルギーはより容易に組織に貫入し、より低いエネルギーレベルで治療を提供し、組織損傷の危険を減じる。このタイプの治療用に好ましい波長範囲は約280nmから1400nmの範囲に、なおもっと好ましくは590nm−1300nmの範囲にある。
【0084】
口の粘液病変(oral mucus lesions)に組み込まれた、内因性ポルフィリン、及び/又は分子性酸素、及び/又は外因的染料、及び/又は鉱物性光増感剤、及び/又は鉱物性光触媒、の励起により、活性(シングレット)酸素及び他の基の生産を
介したウイルス及びバクテリアへの光の致命的効果に依る口の粘液の炎症疾患(oral
mucus inflammatory disease)の改善{口内炎(stomatitis)−口の角の皮相的浸食と裂溝(fissuring)、ヘルペスシンプレックスウイルス(herpes simplex virus)による嚢(vesicle)形成を伴う口粘膜の急性感染(acute infection)、頬、舌及び唇上の浅い潰瘍(ulcers)を伴う口内炎}。又光は、微生物に対しホスト防護の責めを負うSOとNOを作る、マクロフアージの免疫適格性を改善する。光とソフトな加熱とは血液とリンパの微小循環を賦活し、従って上皮細胞増殖能を賦活する。光電力密度、1日当たり線量そして波長はカリエスの予防用に用いられたと同じである(カリエスの予防参照)。
【0085】
舌病変(tongue lesion)に組み込まれた、内因性ポルフィリン、及び/又は分子性酸素、及び/又は外因的染料、及び/又は鉱物性光増感剤、及び/又は鉱物性光触媒、の励起により、活性(シングレット)酸素及び他の基の生産を介した、微生物への光の致命的効果に依る舌疾患(Tongue diseases){黒舌症(black tongue)−微生物と幾らかの色素を有する肥大性糸状乳頭(hypertrophied filiform papillae)から成る茶色の白苔状パッチ(fur−like patch)の舌背(dorsum of the tongue)上の存在、コートされた舌(coated tongue)−剥離上皮(desquamated epithelium)、残屑(debris)、バクテリア、黴他から成る白気味又は黄色気味の層でカバーされた舌}の改善。光は又、微生物に対しホスト防護の責めを負うSOとNOを作る、マクロフアージの免疫適格性を改善する。光とソフトな加熱と、は血液とリンパの微小循環を賦活し、従って上皮細胞増殖能を賦活する。光電力密度、1日当たり線量そして波長はカリエスの予防用に用いられたと同じである(カリエスの予防参照)。
【0086】
唾液腺(salivary gland)と、口内で舌下ひだ(sublingual
fold)上に開く小舌下管(small sublingual ducts){リビナス(Rivinus)の管}の炎症からの回復。口内炎及び舌損傷に関すると同じ回復機構が期待される。光電力密度、1日当たり線量、そして波長はカリエスの予防用に使われたと同じである(カリエスの予防参照)。
【0087】
口組織の痛さ低減は、管壁の内皮細胞への光励起されたNOの作用と、光減衰された交感神経性血管神経活動と、により誘起される血管及び/又はリンパ管の拡張により引き起こされる改良された血液及びリンパの微小循環から大抵は生じる。神経活動の直接光誘起された阻止も可能である。光電力密度、1日当たり線量、及び波長は歯痛低減用に用いられたと同じである(歯の痛み低減参照)。
【0088】
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)バクテリアの成長により殆どが引き起こされる咽喉炎(sore throat)、アンギナ(angina)、急性及び慢性扁桃炎(acute and chronic tonsillitis)、の改善{扁桃腺(tonsils)、特に口蓋扁桃(palatine tonsils)の扁桃炎炎症(tonsillitis inflammation)、小包扁桃炎(follicular tonsillitis)、特に陰窩(crypt)に影響する扁桃炎、実質(parenchymatous)の扁桃炎、扁桃の全物質に影響する急性扁桃炎、膿包性扁桃炎(pustular tonsillitis)、膿包(postules)の形成に依り特徴付けられる種類}。この様な改善は、扁桃腺病変(tonsil lesions)に組み込まれた、内因性ポルフィリン、及び/又は分子性酸素、及び/又は外因的染料、及び/又は鉱物性光増感剤、及び/又は鉱物性光触媒、の励起により、活性(シングレット)酸素及び他の基の生産を介したバクテリアへの光の致
命的効果に依る。又光は、微生物に対しホスト防護の責めを負うSOとNOを作るマクロフアージの免疫適格性を改善する。光とソフトな加熱と、は血液とリンパの微小循環を賦活し、従って上皮細胞増殖能を賦活する。光電力密度、1日当たり線量そして波長はカリエスの予防用に用いられたと同じである(歯科、6参照)。増殖する細胞内でポルフィリンの誘導体、エイエルエイ(ALA)の低濃度を用いた、620−640nm励起での、エイエルエイ関連治療(ALA related treatment)が口組織(歯肉、腺、舌、咽喉他)内の非正常増殖、又は口粘膜上皮細胞、腺成長、微生物コロニーの抑制に使われる。特に、咽頭真菌症(pharyngomycosis)の治療が提供される。
【0089】
大抵、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)バクテリアにより引き起こされる副鼻腔炎(Sinusitis)。アンギナ及び扁桃炎用と同じ回復機構。光電力密度、1日当たり線量、及び波長はカリエスの予防用に用いられたと同じである(カリエスの予防参照)。
【0090】
咽頭炎(laryngitis)及び声帯(vocal cord)の他の炎症からの回復。アンギナ、扁桃炎そして副鼻腔炎用と同じ回復機構。光電力密度、1日当たり線量、及び波長はカリエス用に用いられたと同じである(カリエスの予防参照)。
【0091】
光及び/又は光と熱の作用の組み合わせにより誘起された、増加したマクロフアージと線維芽細胞増殖活動と新コラーゲン生産を介した唇及び頬付近の、皮膚の組織(skin
texture)、弾性(elasticity)の改良及びしわ減少(wrinkle reduction)。増加した血液及びリンパの微小循環は又組織成長と再生を改善する。光電力密度、1日当たり線量、及び波長は歯周及び骨の再生とインプラント結合用に用いられたと同じである(歯周及び骨の再生とインプラント結合を参照)。
【0092】
アクネ(acne)の改善。赤色光の大きい貫入深さにために、皮脂腺(sebaceous glands)内に集中しアクネを引き起こすバクテリアへの致命的光効果用に、頬組織を通して必要な照射線量を皮脂腺へ提供することは可能である。バクテリアポルフィリンの光励起はこれらバクテリアを選択的に殺菌する活性(シングレット)酸素と他の基を発生する。従って、バクテリアポルフィリンに対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での口腔内の頬の照射が望ましい。緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)は頬組織を通して貫入し、バクテリアを殺菌する基を作るためアクネバクテリアポルフィリンを賦活する。アクネ治療効率は赤色及び/又は近赤外線放射の使用と組み合わせた該アクネ損傷への適当な光増感剤{例えば、メチレンブルー、インドシアニングリーン、エイエルエイ(ALA)、他}の塗布により高められる。
【0093】
毛の成長制御は光及び/又は光と熱の作用の組み合わせにより、毛の小包(hair follicles)内の血液及びリンパの微小循環の正常化で提供される。ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での口腔組織の照射は、脈管拡張と、血液及びリンパの微小循環の対応する増大の責めを負う基を作る。緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)は頬組織を通るよう貫入し、ポルフィリン及びシトクロームを賦活する。分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の歯クリーニング手順中の43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、血液及びリンパの微小循環の増加でのシナージー効果を得るために望ましい。毛の成長制御は、例えば、放射の1つ又は時間依存のシーケンスを用いて、多数の毛の小包を選択的に破壊することによる、例えば、毛の除去又は低減を含んでいる。
【0094】
脈管の改善(Vascular improvement)は、光及び/又は光と熱の作用の組み合わせにより誘起される、増加したマクロフアージ及び線維芽細胞増殖の活動と、新コラーゲン及び上皮生産と、に付随している。ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での口腔組織の照射はマクロフアージ活動の増加、線維芽細胞増殖、及びコラーゲン成長の責めを負う基を作る。緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)は頬組織を通るよう貫入し、組織ポルフィリンとシトクロームを賦活する。分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の手順中の43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、マクロフアージ活動、線維芽細胞増殖、及びコラーゲン成長のシナージー効果を得るために望ましい。
【0095】
口周囲(Perioral)の皮膚炎(darmatitis)治療はマクロフアージの光改善された免疫適格性と、光賦活された血液及びリンパ微小循環で引き起こされた表皮(epidermal)細胞増殖能に依る。ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での口腔組織の照射は、増加するマクロフアージ活動と増加する血液及びリンパの微小循環の責めを負う基を作る。緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)は頬組織を通るよう貫入し、ポルフィリンとシトクロームを賦活する。分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の手順中の43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、マクロフアージ活動と血液及びリンパの微小循環の増加とのシナージー効果を得るために望ましい。
【0096】
歯肉、歯、唇そして舌を含む口腔組織及び口の組織の機能を制御する他の神経の中の損傷した三叉顔面神経(trigeminal facial nerve)周辺レセプター(peripheral receptors)の修復は神経細胞ミトコンドリア(neural cell mitochondria)内のCa2+蓄積により引き起こされ、これら細胞内のCa2+依存のエイテーパーゼ(ATPase)の賦活により追随される。光及び/又は光と熱の組み合わされた作用、により誘起される血液及びリンパの微小循環の増加も神経組織再生に重要である。光電力密度、1日当たり線量そして波長は口周囲(perioral)の皮膚炎(dermatitis)治療用で使われたと同じである(口周囲の顔面皮膚を参照)。
【0097】
口の組織の痛み低減は、大抵は、脈管壁の内皮細胞への光で刺激されたNO作用と、光で減衰された交感神経性血管神経活動と、により誘起される血管及び/又はリンパ管の拡張により引き起こされる改善された血液とリンパの微小循環から生じる。又直接光に誘起される神経活動阻止も起こり得る。下記神経がその過程に含まれるが、それらは、口の隅(nook)の口粘膜及び頬皮膚を神経支配(innervate)する頬神経(buccal nerve)、歯、骨膜(periosteum)及び歯肉を神経支配する下、上歯槽神経(inferior and superior alveolar nerves)、咽喉(gullet)、舌及びおとがい−舌筋肉(chin−tongue muscle)そして口腔底粘膜(oral cavity bottom mucosa)を神経支配する舌咽、舌下及び舌神経(glossopharyngeal、hypoglossal and lingual nerves)、咽喉筋肉(gullet
muscles)及び粘膜を神経支配する下、反回及び上咽喉神経(inferior,recurrens and superior laryngeal nerves)、そしゃく筋(masticatory muscle)を神経支配する咬筋神経(m
asseteric nerve)、である。光電力密度、1日当たり線量そして波長は歯科痛み低減用で使われたと同じである(歯の痛み低減を参照)。
【0098】
特に超酸化物及び一酸化窒素、赤血球(erythrocyte)膜弾性及びリンパ球(lymphcyte)増殖活動、をもたらす血液及びリンパマクロフアージの光で改善された免疫適格性、に依る人間生物免疫適格性(human organism immunocompetence)への有利な影響。光アクセプターは内皮ポルフィリン、シトクローム及び分子性酸素である。従って、血管により良く供給された口の粘液と下にある組織との照射はポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量で行われるべきである。青色光(400−430nm)はポルフィリン励起用に非常に有効であり、又緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)もポルフィリンを賦活出来る。特に、コープロポルフィリンは波長、402±20(最大吸光度≒480)、495±20、540±30(最大吸光度≒17)、580±30(最大吸光度≒6)、623±20nmで、そしてシトクローム:シトジェムは414±20(最大吸光度≒70)、430±20(最大吸光度≒117)、446±20(最大吸光度≒10)、534±20(最大吸光度≒11)、598±20(最大吸光度≒16)、635±20nm(最大吸光度≒9)で、そしてシトポルフィリン{ポルフィリンa}は415±20(最大吸光度≒160)、520±20(最大吸光度≒9)、560±20(吸光度≒21)、580±20(最大吸光度≒11)、617±20、646±20nm(最大吸光度≒1)、で励起され得る。プロトポルフィリンIXは波長、410±20(最大吸光度≒270),504±20(最大吸光度≒15),556±20(最大吸光度≒15),600±20(最大吸光度≒6)、631±20nm(最大吸光度≒5)で励起され得る。分子性酸素は波長、580±20,630±20,760±20,1060±20,そして1268±20nmで光活性化される。
【0099】
日周期リズム(circadian rhythm)の制御。470nmの青色光は人間の日周期リズムに影響し、生物学的リズムの破壊を受けたどんな人にも適用可能である。起こり得る光アクセプターは血液ビリルビン及び/又はコープロポルフィリンである。血管により良く供給された口内粘液及び下にある組織の光照射は、ビリルビン吸収(455±20nm)及び/又はコープロポルフィリンI及びII吸収(402±20,470±20,540±30,580±30,623±20nm)に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量に於けるのが望ましい。本発明の或る実施例では、そのユーザーの日周期サイクルの調整を助けるために、朝には、選択された波長、例えば青色光{又は他の生体刺激光(biostimulating light)}を有する放射でユーザーの口腔を照射し、夜は、もう1つの波長、例えば、赤色光{又は鎮静効果(sedative effect)を有する光}で該口腔を照射するため使われ得る光放射歯ブラシが提供されている。
【0100】
赤血球の正常な又は病理学的衰退(pathological decay)により血流中に表れる、血液の代謝成分(metabolic components)、特にビリルビン、の制御された破壊は、ビリルビン血症(bilirubinemia)の様な疾病の予防を可能にする。血管により良く供給された口内粘液と下にある組織との、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量を用いた、450−460nmでの、光照射が好ましい。
【0101】
エイエルエイ(ALA)、ヘマトポルフィリン(hematoporphyrin)、他の様な適当な光力学的薬剤の、局所的塗布(topical application)(例えば、口内粘膜)又は静脈内注射(intravenous injection)による、光力学的効果を介した血液微小循環システム内のウイルスの殺菌。この治療用
に、血管により良く供給された口内粘液及び下にある組織の光照射は、好ましくは、使われる光力学的薬剤の吸収スペクトルに対応した波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量であるのがよい。エイエルエイ(ALA)塗布用では、これらの波長はプロトポルフィリンIXの吸収バンド(409±20,503±20,538±20,555±20,576±20,600±20,632±20nm)に対応するが、一方ヘマトポルフィリン誘導体(Hematoporphyrin derivatives){エイチピーデー(HPD)}用では該波長は620±20nmである。
【0102】
唇(lip)の疾病も又、光及び/又は組み合わされた光と熱の作用、で治療される。ポルフィリン、シトクロームそして分子性酸素に対応する波長で、1−1000mW/cmの電力密度と0.06−30J/cmの1日当たり線量での口腔組織の照射は、マクロフアージ活動の増大、線維芽細胞増殖、そしてコラーゲン成長の責めを負う基を作る。緑色光(530−580nm)と赤色光(600−650nm)は頬組織を通るよう貫入し、組織ポルフィリンとシトクロームを賦活する。分子性酸素は波長580±20,630±20,760±20、1060±20そして1268±20nmで光活性化される。時間で0.5−3分の手順中の43℃までの特殊ヒーター(又はLED電流加熱)により提供される中位の高熱は、マクロフアージ活動、線維芽細胞増殖、そしてコラーゲン成長のシナージー効果を得るために望ましい。
【0103】
薬配送(Drug delivery)。口腔内、特に舌の下の範囲内、の軟組織の照射はその血流内への薬配送の効率を改善する。光学的放射はNO種(NO species)を創り、該種は今度は血管を拡張させ、それにより該組織表面に置かれた調薬剤(pharmaceutical agents)の吸収速度と効率を高める。1実施例では、薬が舌の下に置かれ、隣接軟組織に向かって光学的放射が向けられた。もう1つのより複雑な薬配送は、不活性状態で口腔組織内に容易に拡散(diffuse)出来る化学療法成分の、放射による原位置賦活(in situ activation)を含む。例えば、不活性形式のこの様な薬剤は患者の口腔組織へ投与され、続いて選択された波長での照射を介する賦活が行われる。
【0104】
本発明の器具のもう1つの使用は歯の漂白(whitening)と光沢化(brightening)である。全ての現在の歯白化技術は過酸化物(peroxides)の化学的漂白効果(chemical bleaching seffect)に基づく。歯のカラーは取得された周皮(pellicle)、エナメル、ぞうげ質(dentin)の構造と光学特性により規定される。一般に全てのこれらの要素(components)には汚れた外観(stained appearance)を示すことに責めがある。図33は歯の中の例示的光分布を示す。30%以上の光がぞうげ質に達し、30%以上の光が歯髄に達する。歯の美容的外観(Cosmetic appearance)はエナメル及びぞうげ質からの反射に依る。付帯的(extrinsic)及び/又は本質的(intrinsic)汚れが歯のカラーに帰着する。歯の表面上のタンパク性層(proteinaceous layer)内に捉えられた又はそれに堅く結ばれた、タンニン(tannins)、他の食料色素、及び煙のポリフエノール成分(poly−phenolic components)、の様な化合物が、取得された周皮の付帯的汚れを起こし、典型的には歯ブラシを使って機械的に除去される。歯の自然のカラーは、ぞうげ質と、エナメル−ぞうげ質接合(enamel−dentine junction)と、の光の散乱及び吸収特性で決まる。老化と共に、ぞうげ質に含まれる、コラーゲンを含む、多くのタンパク質は、分子構造の変化により、もっと黄色気味となる。この様な年齢依存のカラー化は本質的カラー化(intrinsic coloration)の例である。ヘビースモーカー、コーヒー愛飲者及び赤ワイン愛飲者については、食品カララント(food colorants)が歯深部(tooth depth)、エナメルそ
してぞうげ質にさえも貫入し、従って、機械的クリーニングにより除去は出来ず、本質的(intrinsic)と考えられるべきである。飲料水中の過剰なフッ素(surplus fluorine)又はテトラサイクリン(tetracycline)の長い使用、により引き起こされる或るシステム的病変(systematic lesion)は本質的カララントの他の例である。本質的歯の汚れを漂白(bleach)するために、酸化又は酵素応用に基づく、化学的方法が通常使われる。
【0105】
本発明の口用器具からの光学的放射の使用は有効な歯の漂白及び光沢化を提供する。光放射歯ブラシ使用の追加的利益は、歯周病、カリエス及び他の口の疾病をユーザーの家庭で同時的に予防及び/又は治療することであり、それは殆どは有効なバクテリア殺菌と傷の治癒に基づいている。
【0106】
該口用器具はエナメル及びぞうげ質のカラーセンター漂白の下記の例示的機構に基づく光学的な歯の漂白及び光沢化を提供するが、該機構は、1)短波長(300−500nm)の直接光漂白、2)範囲960±20nm、及び/又は1200−12000nm、もっと好ましくは1450±150nm、及び/又は1890±250nm及び/又は2400−3200nm、9000−12000nm、の波長の光熱漂白(photo thermal bleaching)用への使用、そして3)580±20,630±20,760±20,1060±20,そして1268±20nmでの組織内酸素による光吸収、及び/又は、内因性及び/又は外部から塗布された光増感剤及び/又は光触媒、への光力学効果により、光増感剤の吸収バンドに対応する300−900nmの範囲内の選択波長での光吸収、を使ってのエナメル及びぞうげ質内の直接的な光及び光化学的シングレット酸素生産、である[米国食品医薬品局(FDA)は染料、及び/又はカーボンブラック{移植片(graft)コーポリマー}、フラーレン(カーボンナノ粒子)、及び/又はチューブレン(tubulenes)(カーボンナノチューブ)、及び/又はTiOナノ粒子を認可した]。
【0107】
図34は歯の構造と、エナメルプリズム(enamel prisms)とぞうげ管(dentinal tubes)の導波路効果によるエナメル及びぞうげ質内の光通路と、を図解する。1側面では、本発明は、ぞうげ質構造及び歯髄内での本質的汚れ(intrinsic stains)を治療するために放射を歯内に深く導くようにこの効果を利用する。或る実施例では、本発明の口用器具はぞうげ質内の汚れを光学的に照射する。本発明の主な利点の1つは歯表面上のみならず、硬組織(エナメル及びぞうげ質)内深くでも、シングレット酸素の様な活性基を作り、従って本質的カララント(intrinsic colorants)を効果的に漂白する可能性である。ぞうげ質の導波(waveguiding){ホトニック結晶(photonic crystal)}構造は光を、有機(コラーゲン)材料で囲まれ、水とぞうげ芽細胞とで充たされた狭いぞうげ細管(dentin tubules)(直径で1−5μm)内に集中する可能性を与える。嵩張る光吸収体を漂白する本発明の特殊な特徴は歯の漂白のみならず、光の大部分の吸収の減少と後方散乱の増加による歯の光沢化を提供する。又、光生体刺激(Photobiostimulation)はぞうげ芽細胞と歯髄を狙う放射により新ぞうげ質成長を引き起こすため使われ、それにより深い歯構造の美容的外観を高める。更に、毎日低い線量の放射しか使用しないことは歯の若返り(rejuvenation)を引き起こし得る。
【0108】
もう1つの実施例では、本発明の光学的器具はぞうげ質とエナメル内の汚れを減らすために歯を照射するよう使用され、それにより該歯は漂白され、光沢化される。1実施例では、歯は約300と1350nmの間の波長バンド内の放射で光学的的に照射される。該口用器具は又より良きクリーニング用の機械的加振器と光増感剤の電気泳動用電極を有する。加えて、エナメルからの反射される、及び/又は蛍光の光の検出用の光検出器とマイ
クロチップが歯のカラーをモニターするため使われる。
【0109】
漂白及び光沢化を容易にするために電気ヒーター、又は約800nmから上で約100000nm(100μm)までの波長範囲の放射、を用いた加熱が使われる。光学的放射の使用は、それが深い、選択的加熱を可能にするので、特に有利である。適当な波長を選ぶことにより、歯は予め決められた深さまで加熱され、熱的に誘起された漂白と拡散によりカラーセンターは破壊され、エナメルから除去される。該汚れは歯から拡散し、唾液又は塩水(もしあれば)中に溶解される。好ましい波長範囲は960±20nm、及び/又は1200−100000nm、より好ましくは1450±150nm、及び/又は1890±250nm及び/又は2400−3200nmを含む。
【0110】
又、本発明の口用器具は本質的光吸収器のみを用いて歯を直接光漂白することも出来る。代わりに上記で論じた外因性発色団が歯の漂白及び光沢化の効果を改善するため使われる。該発色団(及び他の治療薬剤)は歯に塗布され、次いで該歯は照射される。
【0111】
茶、コーヒー又は赤ワインの作用により引き起こされる外的色素(foreign pigments)の漂白作用についてエムビー(MB)及び赤色光照射の効率の直接的実験モデル化(Direct experimental modeling)が行われた。適当なモデルとして、義歯装具(denture prosthesis)用に使われるアクリルのプラスチック材料が選ばれた。厚さ3mmのスラブ(slab)が使われた。スラブの汚し方は茶、コーヒー又は赤ワインの滴下により行われ,それに1−2時間の該サンプルの自然乾燥が続いた。該サンプルが絶対的な乾燥はされるべきでなく、幾らか湿り気が残っているべきことは光漂白(photobleaching)用に重要である。
【0112】
速い準備期間を提供するもっと簡単なモデルは高品質の白いペーパーの使用に基づく。この様なモデルについては、茶、コーヒー又は赤ワインの溶液の数滴が数分の塗布用に充分である。汚れた歯の説明した実験モデルの準備の後、光漂白実験が行われた。最初に、該汚れたサンプルは数分間1%エムビー(MB)染料溶液を含浸(impregnated)された。この様なサンプルの後方反射スペクトルが、光フアイバーCCDグレーティング(grating)スペクトロメーターエルイーエスエイ(LESA)−7を使って400から800nmの範囲で測定された。これらのスペクトルは光漂白されるサンプル用のベースラインとして役立った。光漂白されるサンプルは20mW/cmの電力密度を提供するヘリウム−ネオンレーザー(633nm)により10分間照射を受けた。
【0113】
コーヒー汚れ用の結果は図35と36に示される。照射前に受けたスペクトルは450nmの最大を有するコーヒーと650nm付近の2つの最大を有するエムビーの吸収バンドを示す。10分のレーザー照射の後、スペクトルは劇的に変わった。両発色団の光漂白と、かくしてコーヒー抽出物(coffee extract)とエムビーとによる遙かに少ない吸収により、該スペクトルは可視範囲で約2倍の反射(散乱)を有しスムーズになった。従って、サンプルの漂白と光沢化が起こっている。
【0114】
図36に示す差の見掛けの光学密度(optical density)スペクトルは人が光漂白効率(photobleaching efficiency)を評価することを可能にし、それはコーヒー抽出物とエムビーの吸収バンドについて遙かに大きい。その負の値はモデルの反射が照射下で増加したことを意味する。
【0115】
全てのテストされた食品(コーヒー、茶、そして赤ワイン)色素について、同様な結果を受けたことは注意すべきである。又白いペーパーモデルも良く作動し、種々の元の目標汚れを漂白する光増感剤活動の速いテスト用に推奨され得る。
【0116】
もう1つの実施例では、ぞうげ質汚れが該汚れの吸収範囲内の直接の光学的放射により選択的に光漂白された。従来の歯の漂白と異なり、本発明はユーザーが、約280から約800nmの範囲内にあるその汚れの吸収スペクトル付近に中心のある波長範囲を選択使用することを可能にする。結果は非常に特定的な波長バンドを伴う漂白及び光沢化となる。
【0117】
図37を参照すると、もう1つの側面では、本発明は、適当な波長の照射により賦活される少なくとも1つの発色団80と組み合わされる柔軟な薄膜(flexible thin film)78として形成された歯漂白ストリップ(tooth−whitening strip)76を提供する。該薄膜78は対象の歯の上にそれを置くことを可能にする程充分柔軟であり、治療セション(treatment session)中それの歯との接触を容易にするために当業者に公知の接着剤を有するのが好ましい。当該技術で公知の材料を使うことにより形成される該薄膜78は約20から約1500μmの範囲、より好ましくは約50から1000μmの範囲、の厚さを有するのがよい。或る実施例では、該薄膜は、可塑剤、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、をオプションで含むことが出来る重合体のマトリックス(polymeric matrix)、例えば、エチレン酸化物(ethylene oxide)のマトリックスである。好ましくは、非過酸化物発色団(non−peroxide chromophore)であるのがよい該発色団80は、例えば、歯漂白用に上記で説明した発色団の何れかとすることが出来る。該発色団80は種々の異なる方法で薄膜78内に組み入れられる。例えば、それは該フイルムの重合体のマトリックス内に分散されるか、又は膜面上の薄い層として配置されてもよい。
【0118】
本発明のもう1つの側面で生体刺激的及び/又は歯科的光線療法は光線療法放射の既知電力密度に正常に応ずる状態について開示される(1−30日を隔て1−10回治療)。しかしながら、本発明では1連の暫定的に間を隔てた治療セションが患者に供給され、そこでは各セションは従来のプロトコルで状態を治療するに必要な典型的電力密度より低い電力密度の療法的放射が提供される。該方法は、光線療法的放射の既知電力密度の口への適用に正常に応答する条件を選択する過程と、患者に1連の暫定的に隔てられた治療セションを供給する過程とを具備する。各セションは患者状態を治療するに必要な典型的電力密度より低い電力密度の療法的放射を提供する。該暫定的に隔てられた治療セションのシリースは、患者の状態が該1連の治療セションの累積効果により改善(ameliorated)されるまで続けられる。患者の皮膚面に適用された電力密度は約1mW/cmと約100W/cmの間にあり、少なくとも治療される状態と放射の波長とに依る。好ましくは、歯又は粘膜面でのエネルギーが10mW/cmと10W/cmの間にあるのがよい。該放射は1秒から1時間の持続時間(duration)の間適用される。エネルギーフラックス(energy flux)は1J/cmから1000J/cmの範囲に、好ましくは約10J/cmから100J/cmの範囲にあるのがよい。多くの実施例では、エルイーテービー(LETB)又はエルイーエムピー(LEMP)の放射範囲は約0.1から約100cm2の範囲にあり、送られる電力は約1mWから約10Wの範囲、好ましくは約10mWから約1Wの範囲内にあるのがよい。この電力は、バッテリー程に小さい電源又は壁のプラグの電源を用いる、上記で説明したそれらの様な、高効率の光ソースを使い供給される。
【0119】
本発明の開示の光放射器具を形成するために種々の製造技術が使われてよい。例えば、図38を参照すると、該複数の光放射ソース18は当該技術で公知の仕方で、基盤74、例えば、GaAs基盤上にエピタキシアル式(epitaxially)に形成されてもよい。例えば、各光ソースは、1つ以上の望まれる波長バンド内の放射を発生するようその組成が当該技術で公知の仕方で選択される、繰り返しユニット(repeat uni
ts)を有する半導体ヘテロ構造(semiconductor heterostructure)として形成される。ブリスルに実質的に平行な方向に放射を放出する追加の光ソースが同様な仕方で該ウエーハの反対側上に形成される。該ブリスル14は直接にか、又は仲介の要素を介してか、何れかで該基盤面に結合される。次いで該基盤はブラシヘッド12の部分内に少なくとも部分的に収容されるが、該ヘッドは該ソースにより発生される放射に実質的に透明な材料で形成されるのが好ましい。又該ブラシヘッドを形成する材料は、該放射ソースの冷却を容易にするために好ましくは高熱伝導性を示すのがよい。LED構造体は個別LEDの2次元マトリックスか、又はダイオードレーザーバーと同様なLEDの1次元バーとして該ウエーハからクリーブ(cleaved)される。もう1つの実施例では、ブリスルのバンドルは個別活性ブリスル(individual active bristles)から形成されてもよい。
【0120】
ここで開示した光放射口用器具のもう1つの実施例では、該器具内に配置された熱伝達要素が廃棄熱(waste heat)の除去の面で助ける。上記で説明しLED、レーザーダイオード又はマイクロランプ(microlamp)の様な放射ソースは過剰な熱エネルギーを発生する。或る場合、該放射ソースにより発生される熱は発生される光学的エネルギーより20倍までも高い。望まれない廃棄熱に適合するために、光放射口用器具は熱を該放射ソースからヒートシンク(heat sink)へ伝達する熱伝達機構(heat transfer mechanism)を有する。
【0121】
1側面では、廃棄熱は熱伝導材料の使用で伝達される。例えば、該光放射歯ブラシのヘッド部分12は該放射ソースにより発生された熱を放散するために、少なくとも部分的には熱伝導材料で形成される。図2Bはヘッドフレーム(head frame)38を有するヘッド部分12を図解するが、該フレームは高い熱伝導率及び/又は良好なヒートキャパシタンス(heat capacitance)を有する材料で作られ、それから熱を抽出するため放射ソース18に熱的に結合されている。該フレームは外部環境(external environment)への熱の配送のため該デバイスの外面まで延ばされている。例えば、熱はユーザーの口腔へ伝達される(例えば、該熱伝導材料は該歯ブラシの使用時、唾液又は組織に接触することが出来る)。
【0122】
当業者は、その口用アップリケーター、そして特に熱伝達要素が、例えば、アルミニウム、銅、又はそれらの合金を含む金属、セラミック、そしてカーボンフアイバー(carbon fiber)の様な高い熱伝導性の部品を有するプラスチックの様な複合材料(composite materials)、の様な熱伝達を可能にする(又は促進する)種々の材料を含むことが出来ることを評価するであろう。1実施例では、該光放射歯ブラシ又は光放射マウスピースは、熱を放射ソースから口用器具に接触する組織及び/又は唾液へ導くよう適合された材料を有する。1実施例では、その伝達された熱は、口の組織、及び/又は該口の組織の部分に塗布されたペースト、を穏やか(gently)に加熱することにより追加的又は向上した治療効果を提供する。
【0123】
本発明のもう1つの側面では、熱は該光放射歯ブラシのヘッド部分、に沿い又はそれを通して、ハンドル部分へ伝達され、周囲環境、例えば、操作者の手、の中へ放散される。図5は本発明の1実施例の光放射歯ブラシを略図で図解するが、それはヘッド部分12,ハンドル部分16,そして該ヘッド部分内に組み込まれた少なくとも1つの放射ソース18を有する。例えば、高熱伝導率を有する材料で作られた、ヒートパイプの様な、例えば、細長い要素の形の、熱伝達要素19は、該ソースにより発生された熱を該ハンドルに伝達するため、1端で該放射ソースに、もう1端で該ハンドル部分に、熱的に結合される。該熱伝達要素が結合される該ハンドル部分は、環境(例えば、ユーザーの手)への熱伝達を実現するためにコルゲート化した表面(corrugated surface)を有してもよい。
【0124】
図6を参照すると、もう1つの実施例では、該光線療法の口用器具は放射ソースにより発生された熱をデバイス内のリザーバー72へ伝達する熱伝達要素70を有する。該リザーバーは、例えば、液体から気体へ又は固体から液体へ、その相を変え、それによりその熱を蓄積するため、熱を吸収する、例えば、氷、ワックス、又は他の適当な材料の様な、相転移材料(phase transfer material)を有する。好ましくは、該相転移材料は約30から50℃の範囲内に溶融又は気化温度(melting or
evaporation tmperature)を有するのがよい。
【0125】
もう1つの側面では、光放射歯ブラシは熱伝達の面で助けるポンプを有する。図39及び40は光放射口用器具10,特に歯ブラシを図解するが、該歯ブラシはブリスル14を有する近位のヘッド12と、放射ソース18を備える。1側面では、該近位のヘッドは取り外し可能なので、近位のヘッド12(ブリスル14を含めて)は周期的に換えられる。
【0126】
歯ブラシ10は放射ソースを有する上記説明の口用器具の種々の特徴を有する。1つの例示的実施例では、該放射ソース18は約0.1から10mWの範囲の光学的電力(optical power)を発生することが出来て、該LEDの放出スペクトルは約200から3000nmの範囲にある。
【0127】
歯ブラシ10のボデイ16は冷却ポンプ200{例えば、スクリューポンプ(screw pump)}を有し、該ポンプは放射ソース18からもう1つの場所への熱の伝達用に、流体通路201に沿って冷却剤(coolant)202{例えば、冷却流体(coolng fluid)、ペースト、スラリー(slurry)他}を駆動する。放射ソース18から冷却剤202への廃棄熱の移転で助けるために、ヘッド12は又流体通路201と放射ソース18の間に配置され、それらと熱的に接触する熱スプレッダー(heat spreader)203(例えば、熱交換器)を有する。歯ブラシ10は又冷却用キャパシター(cooling capacitor)204、冷却剤リザーバー205,該ポンプ駆動用のモーター206及びシャフト207、制御電子機器208,そして該ポンプへの給電用バッテリー209を有する。
【0128】
冷却用ポンプ200は冷却剤202を該歯ブラシの冷却剤リザーバー205から放射ソース18へ移転させる。1実施例では、該冷却剤は閉ループシステム(closed loop system)内を進み、ポンプ200は冷却剤リザーバー205と該放射ソース18(又は該放射ソースに隣接する点)の間のループ内で該冷却剤にポンプ作用する。該ループは冷却剤リザーバー205から、ポンプ200を通り、放射ソース18へ、そして該冷却剤リザーバーへ戻る流体通路(fluid pathway)を規定する。
【0129】
該閉ループシステムからの熱の除去を助けるために、該流体通路は冷却用キャパシター204と熱的に接触している。例えば、冷却剤リザーバー205は冷却用キャパシター204に隣接して配置され、該冷却用キャパシターへ熱を移転するよう適合されている。廃棄熱は次いで該放射ソースから、該冷却用流体を経由して、該冷却用キャパシターへ行く。
【0130】
冷却用キャパシター204は廃棄熱を受け取りそして/又は配分するヒートシンク(heat sink)を提供する。1実施例では、該冷却用キャパシターは熱スプレッダーを有しそして/又は上記で論じた相転移材料(phase−change material)で充たされてもよい。該相転移材料はその相を変えることにより該冷却剤の熱エネルギーを吸収する(該冷却剤は相変化、例えば、溶融、のための熱を提供する)。例示的相転移材料は約30℃と50℃の範囲の温度で相を変化する材料を含む。該冷却用キャパシターは代わりに熱蓄積材料を有し、該材料は、例えば、水、ガラスフアイバー、金属(
複数を含む)又は他の密度の高い材料の様な高い熱蓄積容量(high thermal
storage capacity)を有する。加えて、冷却用キャパシター204は熱をハンドル部分16及び/又は環境(例えば、ユーザーの手)へ分布させるよう適合している。
【0131】
1実施例では、該ポンプはシャフト207の外面に配置されたねじ220を有するヘリカルポンプ(helical pump)である。ねじ220の回転運動は水を冷却剤リザーバーから近位のヘッド12の熱スプレッダー203へ加圧する。運転時、光ソース18により作られる熱は熱スプレッダー203へ導かれる。過剰な熱は熱スプレッダー203から流体通路201を通るよう循環する流体へ伝達される。加熱された流体は次いでシャフト207内の開口部222に流入するが、該シャフトはヘッド12からハンドル部分16まで縦軸線に沿って走る内部ルーメン(inner lumen)を有する。該加熱水はシャフト207を通るよう流れ、シャフト207の内部から、冷却用キャパシター204に隣接して配置される孔224を通るよう押し出される。この点で該加熱水は方向を逆転し、そして冷却用キャパシター(及び付随熱スプレッダー)に沿って流れ、該流体から冷却用キャパシター204へ熱をもっと効率よく伝達する。水は次いでシャフト207の外部付近を冷却剤リザーバー205内へ戻るよう流れる。
【0132】
水が閉じた冷却システムから外へ流れるのを防止するため、該冷却システムは、例えば、冷却用キャパシター204とモーター206の間のシール228を用いるのを含め、適切にシールされている。加えて、近位のヘッド12が取り外し可能(detachable)な所では、歯ブラシ10は合理的な流体通路を有する。ヘッド部分12とボデイ16の間の接合(junction)も歯ブラシを漏れから防止するようシールされている。例えば、これは、相互にスナップ(snaps)し、冷却システムを有効にシールする、ヘッド及びネック部分間の嵌合(fit)を設計することにより達成される。
【0133】
代わりの実施例では、冷却ポンプ200は開ループ(open loop)システムで動作し、該システムでは冷却剤は1回以上の使用後該、光放射器具から捨てられる(discarded)。例えば、冷却剤はヘッド部分12へ汲み上げられ、1つ以上のノズル(示されてない)を経由して該歯ブラシから出る。該冷却剤がヘッド部分12を通って進む時、それは放射ソース18から廃棄熱を吸収し、該熱を周囲環境(例えば、ユーザーの口腔)内へ運ぶ。該開ループシステムで使われる冷却剤は、例えば、生体適合性材料を含むが、該材料は好ましくは高熱容量を有するのがよい。1例示的実施例では、該冷却剤は相転移材料で充たされた浮遊マイクロカプセル(suspended microcapsuls)を有する。該冷却剤は追加的に又は代わりに口用治療剤を含むことが出来る。例えば、該冷却剤は歯磨きペースト又はフッ素化物(fluoride)を含む溶液であってもよい。ポンプは歯磨きペーストを、歯ブラシヘッドに提供されたノズルを通り、治療範囲へ推進する。該歯磨きペースト配送の速度は、該歯磨きペーストが、快適な感覚(comforting sensation)を提供し、そして/又は、歯磨きペーストの治療効果を高めるべき望ましい温度レベルまで加熱されるよう、設計される。
【0134】
開ループシステム内の冷却剤のソースは光放射歯ブラシの外部である。例えば、冷却用ポンプ200は水を該光放射歯ブラシのハンドル部分16内へ引き、それをヘッド部分12を通るよう押し出す(expel)。代わりに、該開ループ冷却剤は該光放射歯ブラシ内に蓄積される。例えば、該歯ブラシは冷却剤を込められた使い捨てカートリッジを有してもよい(例えば、歯磨きペーストカートリッジ)。
【0135】
もう1つの側面では、開ループシステムの冷却剤はヘッド部分12の他の該デバイスの部分を通り該流体通路を出ることも出来る。例えば、該冷却剤は1回以上使われ、次いで該光放射口用器具のハンドル部分の流体出口(fluid egress)を開くことに
より空にされてもよい。
【0136】
該冷却剤を汲むため使われる冷却用ポンプは歯ブラシハンドル部分16内に配置されることが出来る既知の種類のポンプを有してもよい。1つのこの様な例示的ポンプは図39に示す電気スクリューポンプ(electric screw pump)である。当業者は種々のポンプが代わりに使われることを評価するであろう。
【0137】
1実施例では、該スクリューポンプは振動するよう適合されてもよい。例えば、該ポンプシャフトは、シャフト207の回転時、歯ブラシを振動させる偏心(eccentricity)を具備してもよい。該振動は該ヘッド部分12へ進み、歯のクリーニングを助けそして/又は口の組織をマッサージする。
【0138】
熱伝達要素の上記で論じた例の幾つかは光放射歯ブラシを参照して行われたが、当業者は該熱伝達要素(冷却用ポンプ200を含む)がここで説明した口用器具の何れでも使われる得ることを評価するであろう。特に、これらの熱伝達要素は該光放射マウスピース内の放射ソースから、隣接組織、ハンドル、及び/又は周囲環境への、熱の蓄積又は伝達を提供する。
【0139】
上記説明の冷却の特徴に加えて、又は1つの代替えとして、該口用器具は過熱(overheating)に対して保護する自動シャットオフ(auto−shutoff)の特徴を有することが出来る。例えば、感熱スイッチ(thermal switch)(示されてない)が上記説明の口用器具の部分と熱的に接触して設置されてもよい。例示的場所(locations)は、流体通路、ヒートシンク、放射ソース、デバイスフレーム、そしてそれらの組み合わせ、と熱的に接触する場所である。運転時の該デバイスの過熱を防止するため、感熱スイッチは該温度をモニターし、もし過大な温度(excess
temperatures)が検出されたら、放射ソースへの電力をカットする。1実施例では、該スイッチは、もしそれが70℃以上の温度を検出したなら、該口用アップリケーターへの電力をシャットオフする。代わりに、感熱スイッチは光ソースへの電力のみをカットして、出来るだけ速く過大な温度を減じるために該デバイスは冷却用システムを動作させる電力を供給し続けることが出来る。
【0140】
当業者は上記説明の実施例に基づき本発明の特徴と利点を更に評価するであろう。従って、本発明は、付属する請求項に示される所を除き、特に示し説明されたことに限定されない。ここに引用された全ての刊行物と参照物はそれらの全体で引用により明示した形でここに組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
本発明は付属する図面と連携して行われる上記詳細説明からより完全に理解される。
【図1】本発明の光放射歯ブラシを図解する。
【図2A】本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図2B】図2Aに示す実施例のもう1つの図である。
【図3】本発明の光放射マウスピースを図解する。
【図4】本発明の光放射マウスピースのもう1つの実施例を図解する。
【図5】本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図6】熱伝達要素を有する光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図7】ヒーターを有する光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図8】熱伝達用に形作られたヘッドフレームを有する光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図9】放射を1方向に向ける光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図10】放射を種々の方向に向ける図9の光放射歯ブラシを図解する。
【図11】放射を種々の方向に向ける図9の光放射歯ブラシを図解する。
【図11A】本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図12】放射を2つ以上の方向に向けることが出来る本発明の光放射歯ブラシを図解する。
【図13】放射を多方向に向ける本発明の光放射歯ブラシを図解する。
【図14】図13の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図15】図13の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図16】図13の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図17】図13の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図18】放射を舌に向けることが出来る本発明の光放射マウスピースのもう1つの実施例を図解する。
【図19】歯と頬の間に位置付けられ得る本発明の光放射マウスピースのもう1つの実施例を図解する。
【図20】放射を口腔の床(floor of the oral cavity)に送ることが出来る本発明の光放射マウスピースのもう1つの実施例を図解する。
【図20A】光学的要素を有する本発明の光放射歯ブラシを図解する。
【図21】活性光学的ブリスルを有する本発明の光放射歯ブラシを図解する。
【図22】本発明の活性光学的ブリスルを図解する。
【図23】本発明の活性光学的ブリスルのもう1つの実施例を図解する。
【図24】本発明の活性光学的ブリスルのなおもう1つの実施例を図解する。
【図25】本発明の活性光学的ブリスルのなおもう1つの実施例を図解する。
【図26】本発明の活性光学的ブリスルのなおもう1つの実施例を図解する。
【図27A】センサーと制御器を有する本発明の光放射歯ブラシのなおもう1つの実施例を図解する。
【図27B】図27Aの光放射歯ブラシのもう1つの図である。
【図28】振動機構を有する本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図29】本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図30】発電手段を有する本発明の光放射歯ブラシのもう1つの実施例を図解する。
【図31】反射率対波長のグラフを図解する。
【図32】光学的カップリング剤のチャートである。
【図33】光の歯構造体内への進入の略図である。
【図34】歯のエナメル、ぞうげ質、及び歯髄内への放射の進入を図解する。
【図35】照射前後の反射率対波長のグラフである。
【図36】種々の見掛けの光学密度対波長のグラフである。
【図37】本発明の光放射口用器具で使う歯漂白用ストリップを図解する。
【図38】本発明の光放射口用器具のもう1つの実施例を図解する。
【図39】流体ポンプを有する口用器具の1実施例を図解する。
【図40】図39で図解された口用器具の近位部分のクローズアップ図を図解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシに於いて、該歯ブラシが
複数のブリスルと、1つの放射ソースと、を備えるヘッド部分と、
冷却剤を該ヘッド部分へ推進するポンプを備えるボデイ部分と、そして
該ポンプと該ヘッド部分との間の冷却剤通路と、を具備しており、
該放射ソースにより発生された廃棄熱が、該歯ブラシを通るよう進む冷却剤により、該ヘッド部分から除去され得ることを特徴とする該歯ブラシ。
【請求項2】
該歯ブラシが閉ループ冷却システムを具備し、該冷却剤通路が戻り冷却剤通路を備えることを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項3】
該歯ブラシが冷却剤リザーバーと熱的に接触する冷却用キャパシターを具備することを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項4】
該冷却剤通路が該冷却剤リザーバーまで延びることを特徴とする請求項3の該歯ブラシ。
【請求項5】
更に冷却剤を具備することを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項6】
該冷却剤が相転移材料であることを特徴とする請求項5の該歯ブラシ。
【請求項7】
該冷却剤が治療用ペーストであることを特徴とする請求項5の該歯ブラシ。
【請求項8】
該冷却剤がフッ化物であることを特徴とする請求項5の該歯ブラシ。
【請求項9】
該歯ブラシが、該ポンプが動作している時振動するよう適合させられていることを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項10】
該歯ブラシが開ループ冷却システムを具備し、該ヘッド部分が該冷却剤通路と流体的に連通するオリフイスを備えることを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項11】
該冷却剤通路が該ボデイ部分の外部の冷却剤ソースから延びることを特徴とする請求項10の該歯ブラシ。
【請求項12】
該ポンプがスクリューポンプであることを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項13】
該ヘッド部分が取り外し可能であり、置換可能であることを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項14】
更に、該流体通路の部分を規定する内部ルーメンを備えるシャフトを具備することを特徴とする請求項1の該歯ブラシ。
【請求項15】
口用光線療法アップリケーターに於いて、該アップリケーターが
ユーザーの口内に少なくとも部分的に嵌合する様な寸法と形状のボデイと、
該ボデイに結合され、少なくとも1つの望まれるスペクトルバンド内の光線療法の放射で口腔の部分を照射するよう適合された少なくとも1つの放射エミッターと、
冷却剤を推進するポンプと、そして
該ポンプと、該少なくとも1つの放射エミッターに熱的に接触する該ボデイの部分と、の間の冷却剤通路と、を具備することをことを特徴とする該アップリケーター。
【請求項16】
該装置が更に光線療法時、該口腔の部分に接触するのに好適な複数のブリスルを具備することを特徴とする請求項15の該装置。
【請求項17】
該ブリスルが少なくとも1つの波長範囲内の光線療法の放射に実質的に透明であり、そして、オプションで、更に該放射を拡散させる散乱用薬剤を具備することを特徴とする請求項16の該装置。
【請求項18】
更に冷却剤を具備することを特徴とする請求項15の該装置。
【請求項19】
更にヒートセンサーと通信する自動シャットオフ回路を具備することを特徴とする請求項15の該装置。
【請求項20】
該ボデイが柔軟であることを特徴とする請求項15の該装置。
【請求項21】
光放射する口用器具を操作する方法に於いて、該方法が、
放射ソースと、冷却剤を推進するポンプと、を有する光放射する口用器具で対象の口腔の少なくとも1部分を照射する過程と、そして
該デバイスを通るよう流体を駆動する該ポンプを賦活することにより該放射ソースから離れるよう熱を輸送する過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項22】
該口用器具が複数のブリスルを有することを特徴とする請求項21の該方法。
【請求項23】
更に、該放射ソースから冷却用キャパシターへ熱を輸送する過程を具備することを特徴とする請求項21の該方法。
【請求項24】
更に、該流体を追い出す過程を具備することを特徴とする請求項21の該方法。
【請求項25】
該流体を閉ループで循環させる過程を具備することを特徴とする請求項21の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図20A】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公表番号】特表2008−522762(P2008−522762A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545696(P2007−545696)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/044808
【国際公開番号】WO2006/063318
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507185406)パロマー・メデイカル・テクノロジーズ・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】