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熱傷した皮膚のための方法及び組成物
説明

熱傷した皮膚のための方法及び組成物

【課題】熱傷の治療に関し、痛みを軽減し、雑菌混入の予防に役立ち、熱源を除去し、熱傷の進行を阻止する組成物の提供。
【解決手段】熱傷治療用組成物の製造における、エチルアルコール、イソプロピルアルコール又はこれらの混合物から選択される薬剤及び局所的に許容されるポリマー担体の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、熱傷の治療のための、エタノール及び/又はイソプロパノール並びに好適な担体を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
熱傷による外傷は、真皮の血管損傷、表皮の破壊、浮腫及び火膨れの形成を生じる非特異的炎症反応を引き起こす。これらの反応は、皮膚組織に対する進行性の虚血性障害、血液灌流の低下及び組織の壊死をもたらす。熱傷後、皮膚組織の全てがすぐに破壊されるわけではないため、熱傷の深さは経時的に進行する。サイトカインIL6、IL1、TNFアルファ、他のプロ炎症性インターロイキン及びグロブリンは、熱傷した皮膚及び組織における微小血管の損傷の発生及び創傷発生において重要な因子である。薬剤によって熱傷による創傷を好ましい状態に変えようとする多くの試みは、通常はその効率が中程度である。熱傷した皮膚は、熱、光、紫外線、X線、レーザー、赤外線、摩擦、擦過、低温、液体窒素によってもたらされた影響の結果であり得る。
【0003】
熱傷による炎症及び痛みを軽減するための抗炎症剤及び局所麻酔剤の使用が知られている。ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、及び「天然の」抗炎症剤、例えばアロエなどの植物の抽出物を含む組成物が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱傷の治療に関し、主要な目的は、痛みを軽減し、雑菌混入の予防に役立ち、熱源を除去し、熱傷の進行を阻止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
第1の態様において、本発明は、熱傷治療用組成物の製造における、エチルアルコール、イソプロピルアルコール又はその混合物から選択される薬剤及び局所的に許容されるポリマー担体の使用に関する。
【0006】
本明細書において使用する「治療」という用語は、皮膚と熱傷形成条件との接触後の熱傷の発生の防止、皮膚と熱傷形成条件との接触後の小水疱の形成の阻止、未治療の対照と比較した、形成された熱傷の大きさの減少、未治療の対照と比較した熱傷の重篤性(一般的には熱傷の段階によって定義される)の減少、熱傷の治癒の速度の増大、熱傷によって生じた痛み又は瘢痕の減少、の少なくとも1つ、又は上記の2つ以上の組合せを指す。
【0007】
本明細書において使用する「熱傷」という用語は、皮膚と「熱傷形成条件」との接触による、少なくとも表皮を含む皮膚にもたらされた損傷、それに続く浮腫、炎症細胞の移動及び少なくとも1層の皮膚の層(表皮、基底、コラーゲン)の完全性の崩壊を指す。この条件は、極度の熱、低温又は照射、特にレーザー照射であり得る。
【0008】
本発明による組成物の製造において用いることができる、特に好適な局所的に許容される担体は、アルコールと共にゲル状マトリックスを形成するポリマーを含む。1つ又は複数の酸性ポリマー、さらに好ましくはアクリル基を含むポリマーを、この目的に好適に適用することが可能であり、ここで上記アクリルポリマー(例えば、カルボポール(carbopol)(登録商標))は、最も好ましくは、組成物の粘性を十分に出すため、本発明の組成物中に中和された形で存在する。
【0009】
本発明による担体としての役目を果たす、中和された形の酸性ポリマーは、アルカリ性の試薬をこのポリマーに導入することによって得られる。好適なアルカリ性試薬は無機塩基及び有機塩基の両方を含み、含窒素塩基がより好ましい。水酸化アンモニウム並びにジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)などのアミン誘導体は特に好ましい。
【0010】
本発明の組成物中のアルコール濃度は、組成物の総重量の、好ましくは15〜65%の範囲であり、より好ましくは20〜50%の範囲であり、最も好ましくは20〜40%の範囲である。本発明の組成物において、アクリルポリマー、及びこれを中和するために用いられるアルカリ性試薬の好適な濃度は、それぞれ、0.05〜5%の範囲及び0.1〜10%の範囲である。
【0011】
本発明により提供される、熱傷の治療において使用するための特に好ましいエタノール含有組成物は、エタノールを15〜65% w/wの濃度で、ポリアクリル酸ポリマーを0.05%〜5%の濃度で、水酸化アンモニウムを0.1〜10%の濃度で含む。本発明による別の好ましい組成物は、エタノールを25〜65% w/wの濃度で、ポリアクリル酸塩を0.05%〜5%の濃度で、トリエタノールアミンを0.1〜6%の濃度で含む。
【0012】
熱傷治療用に好適に用いることができる局所的に許容される組成物を提供するための、エタノール、イソプロパノール又はこれらの混合物を製剤するために用いることができる別のポリマーは、下記の群:キチン、グアー、キトサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ガム、シラスティック(silastic)、オイドラギット(eudragit)、ペクチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、ゼラチン、ゼラチン誘導体、寒天、接着性ポリマー、セルロース若しくはその誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又は上記賦形剤の混合物から選択することができる。
【0013】
本発明の組成物中に有利に含めることができる他の薬剤は、尿素及び植物由来物質であり、この物質は好ましくは植物抽出物、チンキ剤、油、及び/又は浸軟物(macerates)の形態である。植物は、好ましくはアルニカ(arnica)、シャゼンソウ(plantago)、トクサ(equisetum)、ラベンダー(lavender)、ヤネバンダイソウ(joubarbe)、マンサク(hamamelis)、イラクサ(urtica)、キンセンカ(calendula)、ダウクス(daucus)、ヒレハリソウ(symphytum)、ワレモコウ(sanguisorba)、ヒレハリソウ(symphytum)、アロエ(aloe vera)、ローマンカモミール(roman chamomile)、ティーツリー(tea tree)、ウィッチヘーゼル(witch hazel)及びマメルカ(mameluca)からなる群から選択することができる。
【0014】
本発明による組成物はまた、局所麻酔剤、抗生物質、植物抽出物、ビタミン、成長因子、タンパク質、ヒスタミン、カルノシン、インスリン、抗炎症剤、消毒剤、抗真菌剤、抗サイトカイン、インターロイキン、成長ホルモン及び再上皮化因子からなる群から選択される1つ又は複数の成分も含み得る。
【0015】
本発明による組成物は、ゲル、クリーム、乳剤、ローション剤、懸濁剤、リポソーム、エソソーム(ethosome)、マイクロカプセル又はミクロスフェアなどの任意の好適な形態で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1(A-D)は、熱傷後のin vivo治療の後の、ラットの皮膚切片の組織画像を示す:(A)対照-治療無し、t=24時間;(B)組成物の即時塗布、t=3時間;(C)非-即時治療(熱傷後1時間遅延)、t=24時間;及び(D)組成物の即時塗布、t=24時間。
【図2】図2は、熱傷を与えてから24時間後の、真皮の微小血管の破壊の深さの測定値を示す:熱傷を与えた直後に、4%の水酸化アンモニウム10%水溶液と20、30、50及び63% w/wエタノールとを含むカルボポールゲルを用いて動物を治療し、熱傷を与えた1時間後に、30%エタノールを含むゲルを用いて動物を治療した。熱傷は与えたが未治療のラットと結果を比較した。熱傷を与えてから3、6、及び24時間後に屠殺したラットで、深さのパラメータを測定した。
【図3】図3は、熱傷を与えてから24時間後に皮膚切片から得た組織学的パラメータを示す。ラットを、熱傷を与えた直後に20、30、50及び60%エタノールを含むゲルを用いて治療した。
【図4】図4は、熱傷を与えてから24時間後に皮膚切片から得た組織学的パラメータを示す。ラットを、熱傷を与えた直後に20、30、50及び70%エタノールを含む液体スプレーを用いて治療した。
【図5】図5は、ラットにおける皮膚熱傷の発生に対する本発明の組成物の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な実施形態
好ましい実施形態によれば、本発明は熱傷治療用のエタノール及び/又はイソプロパノールの使用に関し、該アルコールは、このアルコールとゲル状マトリックスを形成することができる好適な担体の使用により標的領域に送達される。粘稠化し、ゲル化した形態でアルコールが存在する組成物は、このアルコールが比較的低濃度(すなわち、組成物の総重量の約15〜65%、より好ましくは約20〜40%)であっても熱傷の治療に有効であることが見出されている。
【0018】
通常、ポリマー、好ましくは粉末状の形態で提供される酸性ポリマー、及びより好ましくはアクリルポリマー(カルボポール(carbopol)(登録商標))を、アルコール(最も好ましくはエタノール)溶液中で攪拌下で分散させる。好ましくは、無機塩基又は有機塩基のいずれか(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム及びジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミン例えばトリエタノールアミン、の群から選択される含窒素塩基)の、好適な量の中和剤を、連続攪拌下で混合物中に添加し、これによってポリマーが対応する塩に変換し、混合物の粘性が増し、ゲルが形成される。組成物中に好適に含まれ得る他の成分は、この成分をアルコール溶液中に添加する前にポリマー粉末と混合し、又はゲル形成後に混合物中に導入することができる。
【0019】
組成物又は送達系は、他の薬剤、例えば限定するものではないが抗生物質、植物抽出物、局所麻酔剤などをさらに含み得る。
【0020】
別の実施形態において、組成物又は送達系は、アルニカ(arnica)、シャゼンソウ(plantago)、トクサ(equisetum)、ラベンダー(lavender)、ヤネバンダイソウ(joubarbe)、マンサク(hamamelis)、イラクサ(urtica)、キンセンカ(calendula)、ダウクス(daucus)、ヒレハリソウ(symphytum)、ワレモコウ(sanguisorba)、アロエ(aloe vera)、ローマンカモミール(roman chamomile)、ティーツリー(tea tree)、ウィッチヘーゼル(witch hazel)、マメルカ(mameluca)、エミュー(emu)、ノゲイトウ(Celosia Argentea)などの植物抽出物/チンキ剤/油/浸軟物(macerates)をさらに含む。
【0021】
組成物はまた、抗生物質、サルファ誘導体、スルファジアジン銀及びマフェナイド、抗真菌剤、ヨード、抗ウイルス化合物等の、基本組成物の活性を補完し又は補助する抗菌剤を含み得る。好適な抗生物質としては、テトラサイクリン、ポリミキシン、エリスロマイシン、バシトラシン、ゲンタマイシン、バンコマイシン(vincomycin)、クリンダマイシン又は市販製剤を含む局所投与又は全身投与に使用される他の抗生物質が挙げられる。有用な抗真菌剤の例としては、トルナフテート、ニスタチン、ミカチン(micatin)が挙げられる。
【0022】
抗ウイルス剤の例としては、天然又は組換えのいずれかのインターフェロン及びヌクレオシド類似体、例えばアシクロビルが挙げられる。ショウノウ及びメントールなどの反対刺激剤、ベンジル・アルコール、レゾルシノール及びフェノールなどの乾燥剤、並びに硫酸亜鉛及びタンニンなどの収斂剤もまた、他の種類の薬剤、例えば日焼け止め剤、軟化剤、保存剤、香料、抗酸化剤、着色添加物、滑沢剤、保湿剤又は乾燥剤として組成物に加えることができる。例えば、日焼け止め剤を、紫外線により生じた熱傷用の処方に加えることができる。
【0023】
抗生物質の例として、グラム陰性菌及びグラム陽性菌に対して作用する、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、クリンダマイシン、クリオキノール、エリスロマイシン、フラマイセチン、グラミシジン、フシジン酸、ゲンタマイシン、マフェナイド、ムピロシン、ネオマイシン、ポリミキシンB、バシトラシン、スルファジアジン銀、テトラサイクリン及びクロルテトラサイクリン、ステロイド系抗生物質、トブラマイシン、ペプチド抗生物質、シクロスポリンA(CSA)が挙げられる。当業者は、医薬品の処方にリストされた抗生物質又は新たな抗生物質分子などの他の適当な抗生物質が存在することを理解するだろう。
【0024】
別の実施形態において、組成物又は送達系は、ティーツリーブレンドを含み得る。ティーツリーブレンドは、通常は天然に存在するテルペンとテルピノールとの混合物であるが、合成的に製造することができる。テルペン化合物及びテルピノール化合物は、天然油由来の純粋化合物、又はメラルーカ・アルターニフォリア(Melaleuca alternifolia)、メラルーカ・リニアリフォリア(Melaleuca lineariifolia)、メラルーカ・リューカデンドロン(Melaleuca leucadendron)、ユーカリプタス・ロンギロストリス(Eucalyptus longirostris)及び近縁の種の、植物由来成分の混合物のいずれかとして得ることができる。
【0025】
別の実施形態において、局所麻酔剤を加えることが可能である。麻酔剤は、好ましくはエステル、アミド、エーテル及びこれらの組合せ並びに、特に、麻酔剤及び本発明の好ましい実施形態により製剤し適用することができる他の麻酔剤、例えばプロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、プロポキシカイン、ベンゾカイン、コカイン、プロパラカイン、ブピバカイン、ジブカイン、エチドカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ジクロニン、プロマジン及びこれらの組合せ、からなる群から選択される。
【0026】
本発明による有用な抗炎症活性剤としては、ヒドロコルチゾンなどのステロイド系活性剤、及び非ステロイド系活性剤、例えばプロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、ビフェニルカルボン酸誘導体、及びフェナミン酸誘導体及びオキシカムが挙げられる。抗炎症活性剤の例としては、限定するものではないが、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム及び他の塩、イブプロフェン及びその塩、アセトアミノフェン、インドメタシン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキサン酸、エロコン(elocon)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
本発明により使用することができるビタミン活性剤としては、ビタミンA及び誘導体、例えばレチノイン酸、レチニルアルデヒド、レチンA、レチニル・パルミテート、アダパレン、及びβカロチン;ビタミンB(パンテノール、プロビタミンB5、パントテン酸(panthenic acid)、ビタミンB複合体因子);ビタミンC(アスコルビン酸及びその塩)並びにパルミチン酸アスコルビルなどの誘導体;ビタミンD例えばカルシポトリエン(ビタミンD3類似体);ビタミンE、例えばその個々の構成成分であるアルファ-、ベータ-、ガンマ-、デルタ-トコフェロール及びコトリエノール並びにそれらの混合物、並びにビタミンE誘導体、例えばビタミンEパルミテート、ビタミンEリノレート及びビタミンEアセテート;ビタミンK及び誘導体;ビタミンQ(ユビキノン);並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
この組成物はまた、1つ又は複数の付加的な薬剤、例えば緩衝剤、界面活性剤、抗酸化剤、透過促進剤、保存剤、パラベン、着色剤、香料、滑沢剤、保湿剤、日焼け止め剤、乾燥剤等も含み得る。界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性界面活性剤並びにこれらの組合せからなる群から選択することができる。好適なイオン性界面活性剤としては、一価の塩、例えば、アルキル、アリール及びアルキル-アリールの硫酸塩及びスルホン酸塩のナトリウム塩及びカリウム塩、特に約8〜22個の炭素原子を有する塩などのアニオン性界面活性剤、並びに第4級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、PEGアルキルエーテル、PEGアルコールエステル、脂肪アルコールのポリエチレンオキシド付加化合物、アルキル化ポリオキシエチレン、アルキル化ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、糖界面活性剤が挙げられる。
【0029】
さらに、カチオン性界面活性剤は単独で用いることができる。例として、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、抗菌特性を有する正に荷電した第4級アンモニウム複合体が挙げられる。他の第4級塩は、界面活性を与えるための長鎖部分を有しているものもあれば有していないものもある。
【0030】
非イオン性界面活性剤は、例えばポリソルベート、ノノキシノール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンエステルなどである。他の一般的な非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアミン、ポリオキシエチレンアミド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、アルキルソルビトールが挙げられる。
【0031】
通常、製剤は幾つかの形態、例えば、クリーム、ゲル、スプレー、軟膏、「リップクリーム」、及び溶液の形態をとり得る。これらの製剤は各々、2つの活性成分及び微生物増殖阻害剤(保存剤)を含むことができる。これらの担体の多くは日常的に使用され、薬学の教科書を参照することによって得ることができる。例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレン共重合体(Pluronics)及び幾つかの水溶性ゲルが挙げられる。
【0032】
増粘剤は、天然型及び合成型を含み得る。使用される増粘剤としては、限定するものではないが、例えばキサンタンガム、カラヤガム、グアーガム、クレイ、トラガカント、多様な多糖類物質例えばデンプン、が挙げられる。増粘剤は、約0部〜約5部の量で存在し得る。
【0033】
保存剤(1つ又は複数)は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム及び、フェニルエチルアルコール、DMDMヒダントイン、ヨードプロピニルブチルカルバメート(iodopropybutylcarbamate)、ホウ砂からなる群から選択される。
【0034】
本発明の組成物と共に製剤し得る別の成分は、保湿剤である。本明細書において用いる「保湿剤」は、人体の皮膚の表面領域への水の保持を促進する成分である。本明細書において用いられる用語「保湿剤」は、水を皮膚へと送達する成分と、当技術分野において一般に「湿潤剤」と呼ばれる成分の両方を含む。本発明により用いられる保湿剤は、限定するものではないが、例えばグリセロール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、テトラグリコール、ソルビトール等を含むポリヒドロキシアルコール;乳酸及び乳酸塩、例えばナトリウム塩又はアンモニウム塩など; C3〜C6ジオール及びトリオール、例えばヘキシレングリコール、1,4ジヒドロキシヘキサン、1,2,6-ヘキサントリオール;任意の形のアロエ、例えばアロエゲル;糖及びデンプン; 糖及びデンプン誘導体、例えばアルコキシル化グルコース;ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;グリコール酸;アルファヒドロキシ酸及びベータヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸、サリチル酸)、が挙げられる。
【0035】
本発明の組成物と共に製剤し得る他の成分は、軟化剤である。軟化剤は、脂質及び天然油を人体の表面領域に加える、又は置換するために用いられる。本発明において用いることができる軟化剤は、天然油並びに植物由来の精油、エステル、シリコーン油、多価不飽和脂肪酸、ラノリン及びその誘導体からなる群から選択することができる。
【0036】
他の有用な軟化剤としては、シリコーン油、例えば非揮発性シリコーン及び揮発性シリコーンが挙げられる。本発明の組成物において用いることができるシリコーン油の例は、ジメチコーン;シクロメチコーン;ジメチコーンコポリオール;アミノ官能性シリコーン;フェニル変性シリコーン;アルキル変性シリコーン;ジメチルポリシロキサン及びジエチルポリシロキサン;混合C1〜C30アルキルポリシロキサン;及びこれらの混合物である。
【0037】
ここで留意すべきことは、ここに言及する成分は通常、軟化剤として定義されるが、これらは保湿などの他の特性、又は他のコンディショニング特性もまた保持することができる(上述の保湿剤参照)ということである。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、熱傷した皮膚及び周辺領域に塗布し、熱傷、やけど(熱、熱蒸気、低温、光、紫外線、X線、レーザー、赤外線、液体窒素により生じたもの)を治療し/進行を遅らせ/発生を防止するため、組成物は、エタノール20〜60% w/w、ポリアクリル酸ポリマー0.05%〜5%、水酸化アンモニウム0.1〜10%、水30〜79%を含み得る。
【0039】
本発明の別の実施形態において、熱傷、やけど(熱、熱蒸気、低温、光、紫外線、X線、レーザー、赤外線、摩擦、擦過(abrasion)、液体窒素により生じたもの)を治療し/進行を遅らせ/発生を防止するため、組成物は、エタノール25〜60% w/w、ポリアクリル酸ポリマー0.05%〜5% w/w、トリエタノールアミン0.1〜6%、水30〜75%を含み得る。
【0040】
別の実施形態において、熱傷、やけど(熱、蒸気、低温、光、紫外線、X線、レーザー、赤外線、液体窒素により生じたもの)を治療し/進行を遅らせ/発生を防止するため、組成物は、エタノール15〜60% w/w、ポリアクリル酸ポリマー0.05%〜5%、水酸化アンモニウム0.1〜10%、尿素0.05〜5%及び水30〜84%を含み得る。
【0041】
本発明の組成物又は送達系は、ゲル、クリーム、乳剤、ローション剤、懸濁剤、リポソーム、エソソーム(ethosome)、マイクロカプセル及びミクロスフェアの形態であってよい。組成物は、包帯、有孔包帯、熱傷用包帯、パッチ、スプレー、バス、ブラシ、圧注器、エアロゾル、ジェットエアロゾル及び泡の使用により皮膚上に塗布することができる。
【0042】
本発明の別の目的は、上記の本発明の組成物を熱傷した領域に塗布することにより皮膚に対する熱傷による損傷を回避し又は最小化する方法を提供することである。従って、本発明は熱傷を治療し及び/又は進行を遅らせ及び/又は発生を防止するための上記組成物の使用を提供する。
【0043】
別の態様において、本発明は皮膚に対する熱傷による損傷を回避し又は最小化する方法を提供する。
【0044】
1つの実施形態において、治療は、熱傷の進行を阻止し、治癒(再上皮化、再血管新生等)を促進する組成物/装置による1段階の治療である。
【0045】
別の実施形態において、治療は2段階の治療を含み得る:第1段階治療は創傷の形成/熱傷の進行/熱傷の発生を防止し/阻止するための治療であり、第2段階治療は治癒-再上皮化のための治療である。
【0046】
別の実施形態において、本発明は、熱傷刺激の前又は後に、熱傷した皮膚、周囲の皮膚、膜又は器官に塗布される、付加的な薬剤を含む又は含まない、エタノール及びイソプロピルアルコールなどの短鎖揮発性アルコールを含む、創傷の発生を防止し得る送達系を提供する。
【0047】
別の実施形態において、本発明は、20〜65% w/wの濃度のエチルアルコール又はイソプロピルアルコールを含む組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0048】
別の実施形態において、本発明は、水酸化アンモニウムを含む組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0049】
別の実施形態において、本発明は、水酸化アンモニウム並びに20〜60% w/wの濃度のエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールを含む組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、ポリマーマトリックス並びに20〜60% w/wの濃度のエチルアルコール又はイソプロピルアルコールを含む送達系を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0051】
別の実施形態において、本発明は、ポリマーマトリックス及び水酸化アンモニウムを含む送達系を添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0052】
別の実施形態において、本発明は、ポリマーマトリックス、水酸化アンモニウム並びに20〜65%w/wの濃度のエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールを含む送達系を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0053】
別の実施形態において、本発明は、熱傷した皮膚及び周辺領域に塗布し、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止するため、エタノール20〜65% w/w、ポリアクリル酸ポリマー0.05%〜5%、水酸化アンモニウム0.1〜10%、水30〜80%を含む組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0054】
別の実施形態において、本発明は、熱傷した皮膚及び周辺領域に塗布し、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止するため、エタノール25〜60% w/w、ポリアクリル酸ポリマー0.05%〜5%w/w、トリエタノールアミン0.1〜6%、水30〜74%を含む組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、熱傷した皮膚及び周辺領域に塗布し、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止するため、エタノール15〜60% w/w、ポリアクリル酸ポリマー0.05%〜5%、水酸化アンモニウム0.1〜10%、尿素0.05〜5%及び水30〜84%を含む組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0056】
本発明の別の実施形態において、熱傷が与えられた領域(inflicted area)及びその周辺領域を有効量の本発明の組成物と接触させる段階を含む、熱傷が与えられた部位(infliction site)においてサイトカイン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、IL1、IL6、TNFの産生を妨げる方法を提供する。
【0057】
本発明の別の実施形態において、上記の組成物及び送達系は、使用前又は使用中に冷却される。
【0058】
本発明の別の実施形態において、上記の組成物及び送達系は、使用前に殺菌される。
【0059】
別の実施形態において、本発明は、皮膚の患部上の厚い層として上記の組成物を熱傷した領域に添加する段階を含む、熱傷を治療し及び/又は熱傷の進行を遅らせ及び/又は発生を防止する方法を提供する。
【0060】
局所用組成物は、治療上有効な量のアルコール含有ゲルの、治療対象の皮膚部位への塗布により投与される。本発明の組成物の「治療上有効な量」は、望ましい治療効果を生じるために十分な量であると、処方する医師又は他の医療専門家によって判断される量のアルコールを含む組成物の任意の重量として、1回量としても、又は反復投与法において繰り返し投与される場合でも、いずれも規定することができる。しかし通常は、本発明の組成物を20 mg/cm2〜2 g/cm2塗布することが必要である。その後、医療専門家の指示に従い、この投与量を一日当たり何回か反復投与することができる。
【実施例】
【0061】
実施例1
エタノール 35% w/wを含有するカルボマーを用いたゲル化マトリックス
% w/w
エタノール 35
水酸化アンモニウム溶液(10%) 4
カルボポール 940 2.2
注射用蒸留水 100まで
調製品は、使用まで冷蔵保存(摂氏4度)した。
【0062】
組成物1を、30歳女性の左手皮膚上の第2度熱傷(175℃の熱いオーブンへの短時間の接触の結果)に塗布し、約1時間皮膚上に残した。この治療は、熱傷の発生を完全に防止した。
【0063】
実施例2
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
植物のエタノール抽出物 10
水酸化アンモニウム10%溶液 2
エチルアルコール 22
カルボマー 1
DDW(再蒸留水) 65
実施例3
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
水酸化アンモニウム10%溶液 3
アルコール性アロエゲル 57
カルボポール 934 1
精製水 100%まで
総エタノール 20%
実施例4
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
トケイソウ(Passiflora)抽出物 5
10%水酸化アンモニウム溶液 3
尿素 1
エタノール 35
ポリアクリル酸塩 1
グリセロール 7
DDW 48
実施例5
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
エチルアルコール 30
カルボマー 2
水酸化アンモニウム10%溶液 4
蒸留水 100まで
実施例6
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
アルコール含有ゲル基材中の、植物のエタノール抽出物
エタノール濃度が60% w/wの場合
実施例7
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
エタノール 22%
カルボポール 934 2.2%
水酸化アンモニウム10%溶液 4%
DDW 71.8%
調製物を、熱湯で負傷した35歳男性の腕の約5センチメートル四方の表面上に極めて厚い層として塗布して20分間そのままにした。実施例7の組成物の塗布後、痛みは完全に軽減された。この治療の後、小水疱又は創傷は生じなかった。
【0064】
実施例8
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
エタノール 30%
カルボポール 2%
水酸化アンモニウム10%溶液 4%
植物抽出物 7%
植物チンキ剤 1%
精製水 68%
実施例9
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
エタノール 20%
カルボポール 2.5%
水酸化アンモニウム10%溶液 4%
植物チンキ剤 5%
精製水 68.5%
実施例10
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
エタノール 45%
カルボポール 2%
水酸化アンモニウム10%溶液 4%
トリエタノールアミン 1%
植物チンキ剤 5%
精製水 43%
実施例11
熱傷による創傷の進行を阻止するための組成物
% w/w
エタノール 20
カルボポール 1.5
水酸化アンモニウム10%溶液 3
DDW 68.5
実施例12
熱傷後の、創傷組織及び熱傷の深さに対する治療効果
実験の目的は、熱傷後の、創傷組織及び熱傷の深さに対する治療効果を測定することであった:
背中の毛を剃った(実験の24時間前に)Sprague Dawleyラットに、ウォーターバス中で75℃まで加熱した銅シリンダー(R=1cm、H=1cm、W=100g)を使用して、標準化された中間層熱傷を与えた。
【0065】
実施例5の組成物を、熱傷の直後又は1時間後に、外傷より大きい範囲に塗布した。治療の後ラットを屠殺し、日常的な方法により創傷組織及び隣接する正常組織を採取し、固定し、処理して、ヘマトキシリン及びエオシンを用いて染色した。創傷の進行を様々な時間に評価し、未治療の対照群と比較した。熱傷の進行の阻止についての治療効果を、血管網の損傷の評価用プログラムを用いて、また皮膚の解剖学的要素の組織学的分析によって熱傷の深さを測定することにより評価した。ANOVAテストでデータを分析した。
【0066】
動物実験は、動物管理法に従った。
【0067】
実験結果
熱傷による損傷の進行は、実験前に5℃で保存した、実施例5に記載の組成物を用いて治療したラットにおいて著しく阻止され又は減少した。
【0068】
図1は、熱傷後の、治療有(図1B〜D)及び治療無し(図1A)のラットの皮膚構造(コラーゲン、表皮、筋肉)の組織画像を示す。
【0069】
実施例13
前記の通り(実施例12)熱傷を与えた皮膚に組成物を塗布した:
下記の組成物を用いた:
-エタノールを20〜63% w/wの濃度で含むゲル形態のカルボポール送達系。
【0070】
-エタノールを20〜70% w/wの濃度で水性溶媒中に含むスプレー液。
【0071】
熱傷の進行の評価:
熱傷の進行を、血管網損傷の評価用プログラムであるGalay CUE 2を用いて熱傷の深さを測定することにより評価した。
【0072】
組織学的な熱傷の深さを、熱傷試料中の閉塞血管及び開存血管のレベルを測定することにより計算した。組織学的組織切片は、熱傷領域から採取した。最深の閉塞血管の深さ及び最も表層の、損傷を受けていない血管の深さを、Galay CUE 2アドバンスドソフトを用いて熱傷の表面から顕微鏡で測定した。得られた値を総皮膚厚の百分率として表し、その平均値を熱傷の深さの百分率とみなした。これらの評価を、熱傷の3、6及び24時間後に行った。これらの測定値を総皮膚厚の百分率(%)として表した。
【0073】
図2は、熱傷を与えた後最初の24時間以内(3、6及び24時間後)の、真皮の微小血管における破壊の深さの測定値を示す:動物は、熱傷を与えた直後に20、30、50及び63% w/wのエタノールを含むカルボポールゲルを用いて治療され、また熱傷を与えた1時間後に、30%エタノールを含むカルボポールゲルを用いて治療されている。結果を、未治療の、熱傷を与えたラットと比較した。熱傷を与えた後3、6、及び24時間後に屠殺したラットにおける深さパラメータを測定した。
【0074】
図2の結果は、皮膚に熱傷を与えた後3、6及び24時間後に測定されたパラメータを示す:20〜63% w/wエタノールを含むカルボポールゲルを用いた治療はすぐに、熱傷を与えた動物である未治療のラットと比較して微小血管の破壊及び熱傷の進行を大きく妨げた。熱傷を与えてから1時間後の、30%w/wのエタノールゲルを用いた治療もまた極めて有効であった。
【0075】
皮膚の解剖学的要素の組織学的分析:
治療後、動物を屠殺し、日常的な方法により創傷組織及び隣接する正常組織を採取し、固定し、処理して、ヘマトキシリン及びエオシンを用いて染色した。調査したパラメータとしては、例えば浮腫形成、炎症細胞移動、及び皮膚構造(表皮、基底層、コラーゲン、筋肉及び付属器)の維持が挙げられる。全ての組織学的パラメータは、0〜4のスケールを用いてスコア化されている。数字は、損傷したパラメータと維持されたパラメータとの間のバランスを表す。正常なパラメータのスコアは「0」である。損傷が増すにつれて、パラメータはより大きな数字で表される。数字「4」は、完全な損傷を表す。スコア化されたパラメータ全ての和は、あらゆる治療についての熱傷後の、皮膚の維持又は破壊を表す。完全な損傷を表している、スコア化された数字は「28」である。これらの評価は、熱傷を与えてから3、6及び24時間後に行った。
【0076】
図3は、熱傷を与えてから24時間後に皮膚の切片から得た組織学的パラメータを示す。
【0077】
図3は、エタノールを含むゲルを用いた治療が熱傷の進行を阻止したことをはっきりと示す。熱傷による創傷が進行した未治療の動物のパラメータ値24と比較して、最も有効なゲルを用いた場合のパラメータ値は5であった。
【0078】
これらの実験において、20〜50%のエタノールを含む調製物及び送達系が、熱傷の進行の阻止において最も有効であった。
【0079】
図4:熱傷を与えたラットを、20、30、50及び70%エタノールを含む液体スプレーを用いて治療した。結果は、70%エタノールを用いた場合には、熱傷による創傷は対照である未治療のラットにおける創傷と同様に進行し続けたが、一方、低アルコール濃度においては若干の影響が測定されたことを示している。
【0080】
実施例14
この実験において、14匹のラットに前記のとおり熱傷を与えた。2匹のラットを対照とし、他の動物(各グループにつき3匹のラット4グループ)を以下のとおりに速やかに治療した:
対照-未治療
グループ1 - 水中のポリマーゲルから成る「冷却ゲル」
グループ2 - 2.2%のカルボポール 934P、4%の水酸化アンモニウム10%溶液及び水を含む2.2%カルボポールゲル中の15%w/wエタノール。
【0081】
グループ3 - 2.2%のカルボポール 934P、4%の水酸化アンモニウム10%溶液及び水を含むカルボポール性ゲル中の30%w/wエタノール。
【0082】
グループ4 - 2.2%のカルボポール 934P、4%の水酸化アンモニウム10%溶液及び水を含むカルボポール性ゲルにおける60% w/wエタノール。
【0083】
評価した組織学的パラメータの平均値
対照 - 23
グループ1 - 19
グループ2 - 17
グループ3 - 5
グループ4 - 17
この実験の結果は、エタノール及び水酸化アンモニウムを含む組成物が、対照である未治療の動物又は水性ゲルで治療した動物での結果と比較して、熱傷の発生の防止において有効であったことを示している。
【0084】
実施例15
熱傷防止クリーム:
植物油 8 %
レシチン 0.4 %
Tween 20 2.2%
Span 20 1%
カルボポール 980 2%
エタノール 96 35%
水酸化アンモニウム10% 2%
水 100% w/wまで
実施例16
芳香油を含む熱傷防止クリーム:
芳香油 5%
Tween 20 4%
Span 20 7%
カルボポール 980 2%
エタノール 96 35%
水酸化アンモニウム10% 2%
水 100%まで
実施例17
%、w/w
エタノール 96 20
カルボポール 934 2.2
水酸化アンモニウム10%溶液 4
DDW 71.8%
組成物は使用前に冷却し、極めて厚い層として熱傷領域に塗布する。
【0085】
実施例18
ラットの熱傷した皮膚に対する本発明の組成物の効果
方法:
実験開始の24時間前に、ラットの背面皮膚を剃った。
【0086】
熱傷:100gの銅シリンダーで75℃/3秒
動物:オスSDラット(250〜300g)
組成物:
ゲル:
エタノール 95 30%
カルボポール 934 2.2%
水酸化アンモニウム溶液(10%) 4.4%
蒸留水 100% w/wまで。
【0087】
治療:
熱傷を与えた直後にゲルを塗布(1つの厚い層)。ゲルを皮膚上に40〜45分間置いた。
【表1】

【0088】
結果は図 5a、5b各々に示され、本発明の組成物を用いた治療が、熱傷の24時間後に創傷の臨床的治癒をもたらしたことを理解することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱傷治療用組成物の製造における、エチルアルコール及び局所的に許容されるポリマー担体の使用であって、エチルアルコール濃度が組成物の総重量の15〜50%の範囲である使用。
【請求項2】
エチルアルコール濃度が20〜50%の範囲である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
局所的に許容される担体が、アルコールと共にゲル状マトリックスを形成するポリマーを含む、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
ポリマー形成ゲル状マトリックスが、酸性ポリマー又はその塩である、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
酸性ポリマーがアクリルポリマーである、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
アクリルポリマーがカルボポール(carbopol)(登録商標)である、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
アクリルポリマーが、少なくとも部分的に塩基で中和されてその塩を形成している、請求項5に記載の使用。
【請求項8】
塩基が含窒素塩基である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
塩基が、水酸化アンモニウム、ジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンからなる群から選択される、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
組成物が、エタノールを15〜50% w/wの濃度で、ポリアクリル酸塩を0.05%〜5%の濃度で、及び水酸化アンモニウムを0.1〜10%の濃度で含む、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
組成物が、エタノールを20〜50% w/wの濃度で、ポリアクリル酸塩を0.05%〜5%の濃度で、及びトリエタノールアミンを0.1〜6%の濃度で含む、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
組成物がさらに尿素を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
前記組成物がさらに植物由来物質を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
植物由来物質が植物抽出物、チンキ剤、油、及び/又は浸軟物(macerates)の形態である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
植物が、アルニカ(arnica)、シャゼンソウ(plantago)、トクサ(equisetum)、ラベンダー(lavender)、ヤネバンダイソウ(joubarbe)、マンサク(hamamelis)、イラクサ(urtica)、キンセンカ(calendula)、ダウクス(daucus)、ヒレハリソウ(symphytum)、ワレモコウ(sanguisorba)、ヒレハリソウ(symphytum)、アロエ(aloe vera)、ローマンカモミール(roman chamomile)、ティーツリー(tea tree)、ウィッチヘーゼル(witch hazel)、エミュー(Emu)、ノゲイトウ(Celosia Argentea)及びマメルカ(mameluca)からなる群から選択される、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
組成物が、ゲル、クリーム、乳剤、ローション剤、懸濁剤、リポソーム、エソソーム、マイクロカプセル又はミクロスフェアの形態で提供される、請求項1に記載の使用。
【請求項17】
組成物が、局所麻酔剤、抗生物質、植物抽出物、ビタミン、成長因子、タンパク質、ヒスタミン、カルノシン、インスリン、抗炎症剤、消毒剤、抗真菌剤、抗サイトカイン、インターロイキン、成長ホルモン及び再上皮化因子からなる群から選択される1つ又は複数の成分をさらに含む、請求項1に記載の使用。
【請求項18】
局所的に許容される担体が、下記のポリマー:キチン、グアー、キトサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ガム、シラスティック(silastic)、オイドラギット(eudragit)、ペクチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、ゼラチン、ゼラチン誘導体、寒天、ポリマー接着剤、ポラクソマー(polaxomer)、セルロース誘導体例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、又は上記賦形剤の混合物を1つ又は複数含む、請求項1に記載の使用。
【請求項19】
エチルアルコール及び局所的に許容されるポリマー担体を含む熱傷治療用組成物であって、エチルアルコール濃度が組成物の総重量の15〜50%の範囲である組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−236845(P2012−236845A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172974(P2012−172974)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2007−501445(P2007−501445)の分割
【原出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(504157910)イッサム リサーチ ディヴェロップメント カンパニー オブ ザ ヘブリュー ユニバーシティー オブ エルサレム (4)
【Fターム(参考)】