説明

熱分析装置

【課題】 試料と標準物質との両方を所定の測定位置へ搬送することをロボットアーム等といった搬送装置や、テーブル等といった試料支持装置等の移動形態を複雑にすることなしに、短時間に且つ正確に実現できる熱分析装置を提供する。
【解決手段】 試料Sと標準物質Rとを試料取出し位置P0において並置状態で支持するターンテーブル52と、試料Sと標準物質Rとを測定位置31b,31aに並置した状態でそれらを同時に加熱しながら標準物質Rに対する試料Sの変化を測定する測定装置2と、試料取出し位置P0に並置された試料S及び標準物質Rを同時に把持して測定位置31b,31aまで搬送する搬送装置3とを有する熱分析装置である。搬送装置3は把持部材6s、6sを備えた把持機構と、把持部材6r,6rを備えた把持機構とを有する。把持部材6s、6sによって試料Sを把持し、同時に、把持部材6r,6rによって標準物質Rを把持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料及び標準物質を同時に温度変化させたときの標準物質に対する試料の温度変化を測定する熱分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱分析装置において搬送機構を用いて試料を搬送する技術は知られている(例えば、特許文献1)。また、熱分析装置において測定対象である試料と標準物質との両方を搬送機構によって所定の測定位置まで搬送する技術が知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−078399号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開平5−052732号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された熱分析装置では、搬送機構によって搬送されるのは専ら測定対象の試料であり、標準物質を搬送する思想は開示されていない。また、特許文献2に開示された熱分析装置では、平面内で平行移動できるテーブル上に試料及び標準物質を載置し、それらの試料及び標準物質を平行移動可能且つ軸回転可能なロボットアームによって1つずつ把持して測定位置へ搬送している。
【0005】
特許文献2に開示された試料及び標準物質の搬送機構では、テーブル上の試料等を1つずつ把持して搬送しなければならないので、ロボットアームをテーブル内の種々の位置へ移動させるために、ロボットアーム及びテーブルの少なくとも一方を平面内及び立体空間内で複雑に動かさなければならなかった。また、試料と標準物質との両方を搬送するために長時間を必要とした。
【0006】
本発明は、従来の熱分析装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、試料と標準物質との両方を所定の測定位置へ搬送することを、ロボットアーム等といった搬送装置や、テーブル等といった試料支持装置等の移動形態を複雑にすることなしに、短時間に且つ正確に実現できる熱分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る熱分析装置は、試料と標準物質とを試料取出し位置において並置状態で支持する試料支持手段と、試料と標準物質とを測定位置に並置した状態でそれらを同時に加熱しながら標準物質に対する試料の変化を測定する測定手段と、前記試料取出し位置に並置された試料及び標準物質を同時に把持して前記測定位置まで搬送する搬送手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この熱分析装置によれば、試料と標準物質とを1つずつ個別に搬送するのではなく、前記搬送手段によってそれらを同時に把持して搬送するようにしたので、搬送手段の移動形態及び試料支持手段の移動形態を複雑にしなくても、試料と標準物質との両方を所定位置から他の所定位置へ搬送できるようになった。また、試料と標準物質とを1つずつ個別に搬送する場合に比べて、その搬送に要する時間が短時間になった。
【0009】
次に、本発明に係る熱分析装置において、前記搬送手段は、前記試料取出し位置と前記測定位置との間を移動する搬送用移動部材と、該搬送用移動部材に支持されていてそれぞれが開閉移動可能な一対の把持部材とを有し、前記一対の把持部材は閉状態時に前記試料及び前記標準物質を把持することが望ましい。この構成によれば、搬送用移動部材の単純な移動形態と、一対の把持部材の単純な移動形態との組合せによって、試料と標準物質との両方を短時間で正確に搬送できる。
【0010】
次に、本発明に係る熱分析装置において、前記搬送手段は、1つの駆動源と、該駆動源の動きを前記一対の把持手段へ同時に伝達してそれらの把持手段を同時に開閉移動させる動力伝達手段とをさらに有することが望ましい。ここで、1つの駆動源としては、電磁ソレノイド、回転ソレノイド等といった直線移動機器や、モータ等といった回転機器等が考えられる。
【0011】
この構成の熱分析装置によれば、一対の把持手段が1つの駆動源によって動かされるので、一対の把持手段の開閉タイミングを正確に同時に設定できる。このため、試料と標準物質との両方を確実に把持でき、それらの一方又は両方を把持することに失敗することがほとんどなくなる。
【0012】
次に、本発明に係る熱分析装置において、前記試料支持手段は、自らを通る軸線を中心として回転する回転台と、該回転台に設けられていて前記試料及び前記標準物質の位置を規定するための試料置き部を有し、前記試料置き部は前記試料及び前記標準物質を前記回転台の回転軸線から外方へ延びる線上に前記試料及び前記標準物質を並置させるための凹部又は突壁であることが望ましい。この構成によれば、試料と標準物質とを常に特定の位置関係に置くことができるので、試料支持手段は単に回転するだけの構成で十分である。しかも、搬送手段の構造も、把持部材を昇降移動させることと、把持部材を回転移動させることとの組合せという簡単な構造で十分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る熱分析装置を試料自動交換機能を持ったTG−DTA装置に適用した場合を例示して説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。
【0014】
図1は本発明に係る熱分析装置の一実施形態を示している。図2は図1の熱分析装置の主要部であるTG−DTA装置を示している。図3は図1の熱分析装置の他の主要部であるサンプルチェンジャを示している。また、図4は図3のサンプルチェンジャの主要部である容器の把持構造を示している。
【0015】
図1において、本実施形態の熱分析装置は、測定手段としてのTG−DTA装置2と、サンプルチェンジャ3とを有する。TG−DTA装置2は、一対の天秤ユニット26a及び26bを有する。個々の天秤ユニットは、支点を構成するトーションバンド27a,27bによって回転自在に支持された天秤ビーム28a,28bと、試料及び標準物質の温度を変化させるための電気炉29とを有する。
【0016】
それぞれの天秤ビーム28a,28bの先端には、測定位置を構成する試料載置部としての感熱板31a,31bが設けられる。測定対象である試料を収容した試料容器32は、一方の感熱板31bの上に載置されて測定に供される。他方の感熱板31aの上には標準物質Rが載せられる。標準物質Rは温度変化しても物性に変化が生じない物質である。
【0017】
天秤ビーム28a,28bのそれぞれの支点27a,27bの近傍には電磁補償装置34が設けられる。また、それぞれの天秤ビーム28a,28bの後端には振れ検知装置36が設けられる。電気炉29は通電によって発熱するヒータを内蔵すると共に感熱板31a,31bを収容できる容積を有する空間Kを有する。また、電気炉29には炉移動装置37が付設される。この炉移動装置37は、電気炉29を、感熱板31a,31bを覆う位置(図2の破線で示す位置)と、感熱板31a,31bを外部へ開放する位置(図2の実線で示す位置)との間で矢印Eで示すように平行移動させる装置である。図1では電気炉29が感熱板31a,31bを外部へ開放する位置に置かれた状態を示している。
【0018】
炉移動装置37は、従来から周知の任意の平行移動装置によって構成できるが、例えば、レール等といったガイド要素によって電気炉29を直線移動自在に支持すると共に、直進駆動装置によって電気炉29を直線的に往復移動させるといった構成を採用できる。この場合、直進駆動装置は、例えば、送りネジ軸にスライダをネジ嵌合させて、送りネジ軸の軸回転によってスライダを直線移動させるようにした直進駆動装置や、周回移動するワイヤを用いた直進駆動装置等が考えられる。
【0019】
電磁補償装置34は、図2に示すように、天秤ビーム28a,28bのうちの支点27a,27bの近傍の部分に固定された永久磁石38と、その永久磁石38の磁界領域内に配置されたコイル39と、電圧検出用の抵抗41とを有する。抵抗41の一端はTG出力信号Stgとして外部へ取り出される。このTG出力信号Stgはコイル39へ供給された電流、すなわち電力に対応した信号である。
【0020】
コイル39へ電流が供給されると、磁界が発生して磁石38に力が発生する。この力は天秤ビーム28a,28bへ伝達されて、それらの天秤ビームを平衡状態(本実施形態では水平状態)に保持するための力として機能する。TG信号StgはTG演算回路42へ伝送される。TG演算回路42はTG信号Stgに基づいて試料Sの重量変化を演算する。TG演算回路42による演算結果は表示装置43の画面上に画像として表示できる。
【0021】
図1の振れ検知装置36は、図2に示すように、天秤ビーム28a,28bの後端に固定された光遮蔽板44と、その光遮蔽板44へ向けて光を放射する光源46と、光遮蔽板44を挟んで光源46の反対側に配置された受光素子47とを有する。受光素子47の出力端子は電力制御手段としてのPID(比例、積分、微分)調節器48の入力端子に接続される。そして、PID調節器48の出力端子は電力増幅器49を介してコイル39の入力端子に接続されている。
【0022】
試料容器32内の試料Sは、電気炉29によって加熱され、さらにその加熱が解除されることにより温度変化する。この温度変化の際、試料Sは自らの熱的物性に応じて重量変化する。試料Sに重量変化が発生すると、天秤ビーム28bが支点27bを中心として揺動、すなわち傾き移動してその後端が振れる。このように天秤ビーム28bに振れが生じると、振れ検知装置36内において受光素子47の受光量に変化が生じ、その受光素子47の出力信号が変化し、PID調節器48の出力端子にその変化に応じた信号が出力される。そして、この出力信号が電磁補償装置34内のコイル39へ供給されることにより、天秤ビーム28bに力が加わり、その結果、天秤ビーム28bが平衡状態に維持される。
【0023】
図2において、標準物質Rを支持する感熱板31aの底面に温度検知素子51a(例えば、熱電対の測温端子)が適宜の固着手法、例えばスポット溶接によって固着されている。また、試料Sを支持する感熱板31bの底面にも同様の温度検知素子51bが固着されている。図2では、2つの温度検知素子51a及び51bがそれぞれ感熱板31a及び31bの底面の異なる所に固着されているように示されているが、これは、説明を分かり易くするための措置であり、実際には、温度検知素子51a及び51bは互いに感熱板31a及び31bの底面における同じ位置に固着されている。
【0024】
温度検知素子51aは標準物質Rの温度を検知して温度信号Sdta1を出力する。また、温度検知素子51bは試料Sの温度を検知して温度信号Sdta2を出力する。これらの温度信号Sdta1,Sdta2は、DTA演算回路45へ伝送される。DTA演算回路45は温度信号Sdta1,Sdta2に基づいて標準物質Rに対する試料Sの温度変化を測定する。その測定結果は表示装置43の画面上に画像として表示できる。
【0025】
次に、図1のサンプルチェンジャ3は、複数の試料容器32が置かれる場所である回転台としてのターンテーブル52と、試料容器32を搬送する搬送用移動部材としての搬送アーム53とを有する。標準物質Rと測定対象である試料Sはそれらの適量が試料容器32の中に収容される。ターンテーブル52の表面には複数の凹部4が設けられている。試料容器32はこれらの凹部4の中に収容されて位置決めされた状態でターンテーブル52の上に載置されている。
【0026】
複数の凹部4は、ターンテーブル52の外周縁の近傍において軸線X0を中心とする円周方向に2列の状態で設けられている。また、これらの凹部4は軸線X0を中心として等角度間隔で設けられている。そして、軸線X0の周りの同じ角度位置に2つの凹部4,4が互いに所定の間隔を空けて並置されている。本実施形態では、試料Sを収容した複数の容器32が外側の円周軌跡上に並べられた複数の凹部4の中に載置され、標準物質Rを収容した複数の容器32が内側の円周軌跡上に並べられた複数の凹部4の中に載置されるものとする。容器32を位置決めするための凹部4を以上のように構成したことにより、本実施形態では、試料Sを収容した1つの容器32と標準物質Rを収容した1つの容器32との一対が、ターンテーブル52上で半径方向に沿って互いに並置されるようになっている。
【0027】
なお、試料Sを収容した試料容器32と標準物質Rを収容した試料容器32とを並置させるために、凹部4に替えて、試料容器32を取り囲む突壁をターンテーブル52の表面に形成するようにしても良い。
【0028】
ターンテーブル52にはテーブル回転装置54が付設される。このテーブル回転装置54はターンテーブル52をその中心軸線X0を中心として間欠的に回転させるための装置である。この間欠回転は、異なる試料容器32を順々に取出し位置P0へ運ぶための動作である。
【0029】
テーブル回転装置54は従来から周知の任意の回転駆動装置によって構成できるが、例えば、モータ等といった回転装置の回転を、ギヤ等といった動力伝達要素によってターンテーブル52へ伝達する構造を採用できる。この場合、ターンテーブル52の間欠的な回転を実現するために、動力源であるモータとしてステッピングモータやサーボモータを用いることが望ましい。また、ターンテーブル52の回転角度を測定するために、パルス発生器をターンテーブル52の回転軸に付設したり、あるいは、ターンテーブル52の回転軸の周りにフォトセンサを配置したりすることが望ましい。
【0030】
搬送アーム53は支軸56によって支持される。また、この支軸56にはアーム回転装置57及びアーム昇降装置58が付設される。アーム回転装置57は搬送アーム53を支軸56を中心として矢印Aのように回転させるための装置である。また、アーム昇降装置58は搬送アーム53を矢印Bのように昇降移動させるための装置である。
【0031】
図3は、支軸56及びその周りの構成を示している。同図において、支軸56は旋回/昇降装置59に含まれている。旋回/昇降装置59は、軸部材61によって機枠62に回転可能に支持されたケーシング63を有する。このケーシング63の内部には、DC(すなわち、直流)モータ64と、そのDCモータ64の出力軸に接続されたギヤ列66と、そのギヤ列66の出力軸に接続された送りネジ軸67と、その送りネジ軸67に嵌合するスライドベース68とが設けられる。支軸56は、このスライドベース68に固定されると共にケーシング63の上部を貫通する。
【0032】
ケーシング63の底部に固定された軸部材61は機枠62の内部においてステッピングモータ69の出力軸に接続されている。ステッピングモータ69が作動してその出力軸が回転すると、軸部材61が回転し、それに応じてケーシング63が回転する。このケーシング63の回転により、搬送アーム53は図1において待機部Pwと測定部Pmとの間を回り移動する。
【0033】
図3において、DCモータ64が作動してその出力軸が回転すると、その回転がギヤ列66内のギヤ列を介して送りネジ軸67に伝えられて、その送りネジ軸67が回転する。送りネジ軸67が回転すると、それに嵌合しているスライドベース68が送りネジ軸67の軸方向、すなわち図3の上下方向へ平行移動する。この平行移動の際、スライドベース68に固定された支軸56が上下方向へ平行移動し、これにより、支軸56に固定された搬送アーム53が上下移動、すなわち昇降移動する。
【0034】
搬送アーム53は、支軸56に固定された昇降ベース10と、その昇降ベース10上に固定された把持駆動装置7と、その把持駆動装置7によって駆動される把持部材6s,6rと、把持駆動装置7を覆うカバー16とを有する。図4に示すように、把持部材6s及び把持部材6rはそれぞれ2本ずつ設けられている。そして、2本の把持部材6s,6sは1つの把持機構を構成し、2本の把持部材6r,6rは他の1つの把持機構を構成している。つまり、図1において、搬送アーム53の先端部には、把持部材6s,6sから成る1つの把持機構と、把持部材6r,6rから成る他の1つの把持機構という、一対の把持機構が設けられている。把持部材6sを有する把持機構は試料Sを収容した容器32を把持する。一方、把持部材6rを有する把持機構は標準物質Rを収容した容器32を把持する。
【0035】
図4において、把持部材6s,6s及び把持部材6r,6rは把持駆動装置7によって駆動されて矢印Cで示す方向へ開閉移動する。把持駆動装置7は、把持部材6s,6rを支持する支持板8と、支持板8を支持するブラケット9と、駆動源としてのリニア・ステッピング・アクチュエータ11と、そのリニア・ステッピング・アクチュエータ11の出力軸に固着された拡開部材12とを有する。拡開部材12及びブラケット9は、把持部材6s,6sから成る把持機構と把持部材6r,6rから成る把持機構とを同時に開閉させるための動力伝達手段を構成する。
【0036】
4つの把持部材6s,6rはそれぞれ適宜の締結手段、例えばネジによって4つの支持板8の個々に着脱可能に固定されている。4つの支持板8は適宜の締結手段、例えばネジ、溶接、半田付けによってそれぞれ1つのブラケット9に固着されている。4つのブラケット9の個々は、それぞれ、矢印Cで示す方向へ平行移動できるように適宜のガイド部材(図示せず)によって支持されている。
【0037】
一対の把持部材6s,6sを支持するブラケット9,9は機枠13に取り付けられたバネ14,14によって閉じる方向へ付勢されている。また、一対の把持部材6r,6rを支持するブラケット9,9も機枠13に取り付けられたバネ14,14によって閉じる方向へ付勢されている。ここで付勢とは、ある方向へ向けて弾性的な力が与えられている状態のことである。
【0038】
拡開部材12は二股に分かれた先端部分を有しており、それら2つの先端部分は左右の側面の両方にテーパ形状を有している。また、把持部材6s,6sから成る把持機構を支持する一対のブラケット9,9の間には空間が形成され、さらに、把持部材6r,6rから成る把持機構を支持する一対のブラケット9,9の間にも空間が形成されている。
【0039】
リニア・ステッピング・アクチュエータ11は通電によって作動してその出力軸11aが矢印Fで示す方向へ進退移動する。このような構造は、例えば、回転機器の回転出力をネジ嵌合によって直線移動に変換することによって達成できる。出力軸11aがそのように進退移動すると、それに固着された拡開部材12も同じ方向へ進退移動する。拡開部材12がそのように進退移動すると、その先端部は矢印Gで示すように、個々の把持機構を構成する一対のブラケット9,9の間の空間に入ったり、その空間から出たりする運動を行う。
【0040】
拡開部材12の先端部が一対のブラケット9,9の間の空間に入ると、ブラケット9,9がそのブラケット先端部によって押し広げられて、把持部材6s,6s同士及び把持部材6r,6r同士が開動作を行う。他方、拡開部材12の先端部がブラケット9,9の間の空間から出ると、ブラケット9,9はバネ14,14によって押されて閉動作を行う。ブラケット9,9が閉動作を行うと、把持部材6s同士及び把持部材6r同士が閉動作を行い、これにより、試料Sを収容した容器32及び標準物質Rを収容した容器32を把持部材6s及び把持部材6rのそれぞれによって把持できる。
【0041】
詳しい図示は省略するが、図3の支軸56やケーシング63の周囲の適所には、把持部材6s,6rの高さ位置を検知するための位置センサや、搬送アーム53が図1の待機部Pwにあることを検知する位置センサや、搬送アーム53が測定部Pmにあることを検知する位置センサが設けられる。これらの位置センサは任意の構造のセンサによって構成できるが、例えば、マイクロスイッチ、フォトセンサ等によって構成できる。
【0042】
図1のアーム回転装置57は、図3のステッピングモータ69と、そのモータ69によって回転駆動されるケーシング63とを含む駆動系によって構成されている。また、図1のアーム昇降装置58は、図3のDCモータ64、ギヤ列66、送りネジ軸67、スライドベース68を含む駆動系によって構成されている。
【0043】
以下、上記構成より成る熱分析装置の動作を説明する。この熱分析装置はTG測定機能、DTA測定機能、及び試料自動交換機能の各機能を有するので、それらを個別に説明する。
【0044】
(TG測定機能)
TG測定を行う場合、図1において、トーションバンド27a,27bを支点として支持された天秤ビーム28a,28bは、そのトーションバンド27a,27bを中心として矢印D−D’方向に自由に回転して傾斜移動できる状態にセットされる。天秤ビーム28aの先端の感熱板31a上には標準物質Rが載置される。また、天秤ビーム28bの先端の感熱板31b上には測定対象である試料Sを収容した試料容器32が載置される。TG測定を行う場合、電気炉29は図2に破線で示す測定位置に置かれ、これにより、試料Sを収容した試料容器32及び標準物質Rを収容した試料容器32は共に電気炉29内に配置される。
【0045】
図2において、天秤ビーム28a,28bの後端に設けた光遮蔽板44は、光源46から受光素子47へ至る光路を遮っている。天秤ビーム28a,28bが水平位置(すなわち、平衡位置)から傾くと受光素子47の出力信号は基準信号から変化するので、この信号変化を検知することにより、天秤ビーム28a,28bの位置を検出できる。受光素子47の出力信号はPID調節器48及び電力増幅器49を通して電磁補償装置34のコイル39へ制御信号として加えられる。コイル電流iは検出用抵抗41によって電圧に変換され、その電圧はTG出力信号Stgとして出力される。
【0046】
電気炉29は所定の温度制御プログラムに従って温度変化し、それに応じて試料容器32内の試料S及び標準物質Rの温度が変化する。この温度変化の際、標準物質Rは熱的に安定な物質であるので通常は重量変化を生じないが、試料Sはその物性に応じて重量変化を生じる。試料Sに重量変化が生じると、天秤ビーム28bはD方向又はD’方向に振れる。この振れは受光素子47によって受光光量の変化として検出され、PID調節器48及び電力増幅器49は天秤ビーム28bの振れを元に戻すための電流をコイル39に流す。コイル39に電流が流れると磁石38に電磁力が発生し、この電磁力により磁石38が元の基準位置へ移動し、これにより、天秤ビーム28bの振れが補償される。
【0047】
標準物質Rは温度変化に対して重量変化を生じない物質であるので、その標準物質Rを支持した天秤ビーム28aは常に平衡状態を維持する。この標準物質Rは試料Sと同じ環境に置かれるので、試料Sを支持する天秤ビーム28bに関して標準物質Rを支持する天秤ビーム28aに対する挙動を測定すれば、試料Sの重量変化を正確に測定できる。
【0048】
天秤ビーム28bに対する上記の振れの補償動作の際、コイル39に供給された電流iは、天秤ビーム28bに作用した戻しモーメントに相当し、さらにその戻しモーメントは試料Sの重量の増減量に相当する。従って、電流iに対応するTG出力電圧Stgを測定することにより、試料Sの重量変化が測定、すなわち秤量される。こうして求められた試料Sの重量変化は、例えば、図2の表示装置43の画面内に図5に示すTG曲線のように表示される。図5の表示例では、横軸に温度変化をとり、縦軸に重量変化をとったグラフの形でTG測定の結果がTG曲線として表示されている。
【0049】
(DTA測定機能)
DTA測定を行う場合、図1において、天秤ビーム28aの先端の感熱板31a上に標準物質Rが載置される。また、天秤ビーム28bの先端の感熱板31b上に、測定対象である試料Sを収容した試料容器32が載置される。DTA測定を行う場合、電気炉29は図2に破線で示す測定位置に置かれ、これにより、試料Sを収容した試料容器32及び標準物質Rを収容した試料容器32は共に電気炉29内に配置される。
【0050】
DTA測定のためのプログラムが起動すると、図2において、電気炉29は所定の温度制御プログラムに従って温度変化し、それに応じて試料容器32内の試料S及び標準物質Rの温度が変化する。この温度変化の際、標準物質Rの温度は温度検知素子51aによって検知されて温度信号Sdta1として出力され、試料Sの温度は温度検知素子51bによって検知されて温度信号Sdta2として出力される。これらの出力信号は、DTA演算回路45へ伝送される。
【0051】
上記の温度変化の際、標準物質Rは熱的に安定な物質であるので通常は温度変化を生じないが、試料Sはその物性に応じて温度変化を生じる。例えば、融解、蒸発等といった物性変化に応じて温度変化を生じる。DTA演算回路45は、温度が変化する際の標準物質Rと試料Sとの温度差を求める。そして、必要に応じてその結果を表示装置43の画面内に図5に示すDTA曲線のように表示する。図5の表示例では、横軸に温度変化をとり、縦軸に温度差をとったグラフの形でDTA測定の結果がDTA曲線として表示されている。図5に示すように、TG曲線とDTA曲線とを1つの画面上に同時に表示すれば、試料の特性を正確且つ迅速に分析できる。
【0052】
(試料自動交換機能)
1つの試料に対してTG−DTA測定が終了すると、次いで、異なる試料に関してTG−DTA測定が行われる。この場合には、図1の感熱板31b上の試料Sを交換する必要がある。本実施形態ではその交換を自動的且つ連続して行うことができるようにしてある。なお、標準物質Rは必ずしも試料Sごとに交換する必要はない。すなわち、1つの標準物質Rを用いて複数の試料Sに関する測定を行っても良い。しかしながら、本実施形態では、高精度の測定を企図して、試料Sごとに標準物質Rも一緒に交換するものとする。このため、本実施形態では、試料Sを収容した容器32と標準物質Rを収容した容器32とを、ターンテーブル52の上において中心軸線X0へ向かう半径方向に沿って並置状態にセットしている。
【0053】
試料交換の作業が開始されると、まず、図1の搬送アーム53をホームポジションに置く。このホームポジションは必要に応じて適宜の位置に設定できるが、本実施形態では、図1の待機部Pwをホームポジションとして設定する。この処理は、アーム回転装置57及びアーム昇降装置58を適宜に作動させることによって行われる。なお、搬送アーム53が既にホームポジションにあるときには、搬送アーム53をホームポジションへ移動させるための操作は行われない。
【0054】
搬送アーム53がホームポジションに置かれると、TG−DTA装置2内の感熱板31bの上に試料容器32があるか否かがチェックされる。これは、図2の電磁補償装置34を流れる電流をチェックしたり、あるいは、専用のセンサを感熱板31bの近傍に設けることによって実行できる。感熱板31b上に容器32があれば、その容器32を回収するための処理を行う。一方、感熱板31b上に容器32が無ければ、次の試料容器32をターンテーブル52から取り出す処理を行う。
【0055】
容器32をターンテーブル52から取り出す場合は、搬送アーム53を降下させて把持部材6sの先端部を試料Sを収容した容器32の側方まで降ろし、同時に、把持部材6rの先端部を標準物質Rを収容した容器32の側方まで降ろす。次に、把持部材6s,6rを矢印C方向において閉移動させてそれらの容器32を把持部材6s同士及び把持部材6r同士によってそれらの両側から把持する。次に、搬送アーム53を上昇させて容器32,32をターンテーブル52から持ち上げる。次に、搬送アーム53を待機部Pwから測定部Pmまで矢印Aで示すように旋回させて、把持部材6s,6rによって把持する一対の容器32を感熱板31a,31bの上方位置にセットする。
【0056】
次に、搬送アーム53が降下して把持部材6s,6rの先端がそれぞれ感熱板31b,31aの近くまで降ろされる。このとき、把持部材6s,6rによって把持される容器32は感熱板31b,31aには接触しないが、それらの近傍位置まで降ろされる。容器32が感熱板31b,31aの近傍位置にセットされると、把持部材6s,6rが矢印C方向において開移動して容器32が把持部材6s,6rから落下し、これにより、容器32が感熱板31b,31a上に載せられる。
【0057】
その後、搬送アーム53が上昇して所定の高さ位置で停止し、さらに測定部Pmから待機部Pwまで矢印Aのように旋回し、待機部Pwすなわちホームポジションへセットされる。以上により、新しい試料Sが感熱板31bに載置され、新しい標準物質Rが感熱板31aに載置され、その後、試料Sに対して上述したTG測定及びDTA測定が実行される。
【0058】
新しい試料に対して測定を行う際、感熱板31a,31b上に古い容器があると判定されたときには、新しい容器32を感熱板31a,31b上に載置するのに先立って、感熱板31a,31b上にある古い容器を回収しなければならない。その際には、まず、感熱板31a,31b上にある容器32を回収するために把持部材6s,6rをホームポジションPwから容器32のところまで搬送し、それらの把持部材6s,6rによって容器32を把持する。そして、感熱板31a,31b上の容器32を把持した把持部材6s,6rを感熱板31a,31bの上方の所定の高さ位置まで持ち上げる。そして、そのように持ち上げられた把持部材6s,6rを搬送アーム53によって測定部Pmから待機部Pwまで矢印Aのように搬送し、さらに、把持部材6s,6rを降下させて容器32をターンテーブル52上に戻す。これにより、試料容器32がターンテーブル52上に回収される。
【0059】
(まとめ)
以上に説明したように、本実施形態では、互いに並置された一対の把持機構を用いて試料Sと標準物質Rの両方を同時に把持してターンテーブル52からTG−DTA装置2の測定位置、すなわち感熱板31a,31bまで搬送するようにした。このため、搬送アーム53を図1の矢印A方向へ旋回移動させること及び矢印B方向へ昇降移動させること、という非常に簡単な操作を行うだけで、試料Sと標準物質Rの両方を交換できるようになった。また、試料Sと標準物質Rとを同時に搬送するので、それらを個々に搬送する場合に比べて、それら2つを交換するのに要する時間を短縮できるようになった。
【0060】
(第2実施形態)
図6は本発明に係る熱分析装置の他の実施形態の要部を示している。この実施形態が上述した先の実施形態と異なるのは、図4に示した把持構造に改変を加えたことである。把持構造以外の構成は図1、図2、図3に示した構成を用いることができるので、それらの構成についての説明は省略する。
【0061】
図4に示した実施形態では、一対の把持部材6s、6sが互いに矢印C方向において開閉移動できるように構成されていた。また、一対の把持部材6r、6rが同様にして互いに矢印C方向において開閉移動できるように構成されていた。これに対し、図6に示す本実施形態では、一対の把持部材6s、6sのうち外側の把持部材6sはバネ14によって閉じる方向へ付勢されているが、内側の把持部材6sは機枠13に直接に固定されている。また、一対の把持部材6r、6rに関しても、外側の把持部材6rはバネ14によって閉じる方向へ付勢されているが、内側の把持部材6sは機枠13に直接に固定されている。
【0062】
また、本実施形態において、リニア・ステッピング・アクチュエータ11の出力軸11aに固着された拡開部材22の先端が二股に分かれていることは図4の実施形態と同じである。しかしながら、図4に示した拡開部材12の先端部はその両側の側面にテーパ面を持っていたが、図6に示す本実施形態の拡開部材22の先端部は片側だけにテーパ面を有している。具体的には、外側に位置する面だけにテーパ面を有している。
【0063】
以上のように、本実施形態では、一対の把持部材6s,6rのうちの内側の把持部材を固定状態にすることと、拡開部材22の先端の外側の面だけにテーパ面を設けることとの組合せの構成を採用することにより、把持部材6s,6rを拡開部材22によって開閉動作させる際には、内側の把持部材6s,6rは動かない状態に保持して、外側の把持部材6s,6rを動かすことによって開閉動作を実現している。この開閉構造によれば、試料Sを収容した容器32と標準物質Rを収容した容器32との間隔が狭い場合でも、それらの容器32を把持部材6s,6rによって同時に把持できる。
【0064】
(第3実施形態)
図7は本発明に係る熱分析装置のさらに他の実施形態の要部を示している。この実施形態が上述した先の実施形態と異なるのは、図4や図6に示した把持構造に改変を加えたことである。把持構造以外の構成は図1、図2、図3に示した構成を用いることができるので、それらの構成についての説明は省略する。図4や図6に示した実施形態では、把持部材6s,6r及び支持板8が直線的に延びる形状を有していた。これに対して図7に示す本実施形態では、支持板8が内側へ折れ曲がる形状を有している。この構造を採用すれば、容器32の形状が小さくい場合でも、把持部材6s,6rによってそれらの容器32を把持できる。
【0065】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載した発明の範囲内で種々に改変を行うことができる。
【0066】
例えば、図1においてTG測定とDTA測定の両方を行うTG−DTA装置2は測定手段の一例であるが、測定手段はDTA測定だけを行う装置であっても良い。また、測定手段はDSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量測定)装置であっても良い。
【0067】
また、図1に示したターンテーブル52は試料支持手段の一例であるが、試料Sと標準物質Rとを並置状態で支持できる構造でありさえすれば、試料支持手段は図1のターンテーブル52以外の任意の構成とすることができる。例えば、図1の実施形態では軸線X0を中心として回転するターンテーブル52を用いたが、ターンテーブル52に替えて平行運動するXYテーブルを用いることもできる。また、図1の実施形態ではターンテーブル52の表面に設けた凹部4によって容器32を位置決めするようにしたが、凹部4に替えて、容器32を取り囲む突壁をターンテーブル52上に形成することにより、その突壁によって容器32をターンテーブル52上で位置決めすることもできる。
【0068】
また、図1、図3、図4に示した構造のサンプルチェンジャ3は搬送手段の一例であるが、搬送手段は試料Sを収容した容器32と標準物質Rを収容した容器32とを同時に把持できる構造であれば、任意の構造とすることができる。
【0069】
また、図1に示した実施形態ではターンテーブル52の上に必ず試料Sと標準物質Rとを一対で互いに並置状態で載せることにした。つまり、TG−DTA装置2の測定位置(すなわち、感熱板31a,31b上)に置いた試料Sを交換する際には、必ず標準物質Rも常に一緒に交換するものとした。しかしながら、仮に、ターンテーブル52上の試料Sに関して標準物質Rを交換する必要が無いと判断されるものがある場合には、その試料Sの内側に標準物質Rを並置させなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る熱分析装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の熱分析装置で用いるTG−DTA装置を示す図である。
【図3】図1の熱分析装置で用いるサンプルチェンジャを示す断面図である。
【図4】図3のサンプルチェンジャの主要部である把持装置を示す斜視図である。
【図5】図1の熱分析装置を用いた測定の結果の一例を画面表示した図である。
【図6】本発明に係る熱分析装置の他の実施形態の要部を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る熱分析装置のさらに他の実施形態の要部を示す正面図である。
【符号の説明】
【0071】
2.TG−DTA装置(測定手段)、 3.サンプルチェンジャ、
4.凹部(試料置き部)、 6s,6r.把持部材、 7.把持駆動装置、
8.支持板、 9.ブラケット、 10.昇降ベース、
11.リニア・ステッピング・アクチュエータ(駆動源)、 12,22.拡開部材、
13.機枠、 14.バネ、 16.カバー、 26a,26b.天秤ユニット、
27a,27b.トーションバンド、 28a,28b.天秤ビーム、 29.電気炉、
31a,31b.感熱板(試料載置部、測定位置)、 32.試料容器、
38.永久磁石、 39.コイル、 41.抵抗、 44.光遮蔽板、 46.光源、
47.受光素子、 48.PID(比例、積分、微分)調節器、 49.電力増幅器、
51a,51b.温度検知素子、 52.ターンテーブル(回転台)、
53.搬送アーム(搬送用移動部材)、 56.支軸、 59.旋回/昇降装置、
61.軸部材、 62.機枠、 63.ケーシング、 64.モータ、 66.ギヤ列、
67.送りネジ軸、 68.スライドベース、 69.ステッピングモータ、
K:空間、 P0:取出し位置、 Pw:待機部、
Pm:測定部、 R:標準物質、 S:試料、 X0:中心軸線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料と標準物質とを試料取出し位置において並置状態で支持する試料支持手段と、
試料と標準物質とを測定位置に並置した状態でそれらを同時に加熱しながら標準物質に対する試料の変化を測定する測定手段と、
前記試料取出し位置に並置された試料及び標準物質を同時に把持して前記測定位置まで搬送する搬送手段と
を有することを特徴とする熱分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の熱分析装置において、
前記搬送手段は、
前記試料取出し位置と前記測定位置との間を移動する搬送用移動部材と、
該搬送用移動部材に支持されていてそれぞれが開閉移動可能な一対の把持手段とを有し、前記一対の把持手段は閉状態時に前記試料及び前記標準物質を把持する
ことを特徴とする熱分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の熱分析装置において、
前記搬送手段は、
1つの駆動源と、
該駆動源の動きを前記一対の把持手段へ同時に伝達してそれらの把持手段を同時に開閉移動させる動力伝達手段と
をさらに有することを特徴とする熱分析装置。
【請求項4】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の熱分析装置において、
前記試料支持手段は、
自らを通る軸線を中心として回転する回転台と、
該回転台に設けられていて前記試料及び前記標準物質の位置を規定するための試料置き部を有し、
前記試料置き部は前記試料及び前記標準物質を前記回転台の回転軸線から外方へ延びる線上に前記試料及び前記標準物質を並置させるための凹部又は突壁である
ことを特徴とする熱分析装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−349545(P2006−349545A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−177350(P2005−177350)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000250339)株式会社リガク (206)
【Fターム(参考)】