説明

熱制御、電磁遮蔽、および加熱窓のために、代替使用または累加使用ができる透明基板

本発明は、例えばガラスから作製され、複数の機能層を含む薄い層の積層体を備える透明基板に関する。本発明は、(i)前述の薄い層の積層体が、少なくとも3つの銀ベースの機能層を含む、(ii)この積層体の平方当たり抵抗R<1.5Ωである、および(iii)この基板が熱制御および/または電磁防護具および/または加熱透明板を提供するために代替的または累加的に使用することが可能であるように、この基板を少なくとも500℃の温度で熱処理に伴う少なくとも1つの加工操作にかけることができることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3つの特定の用途、すなわち、熱制御(太陽遮熱および断熱)、電磁遮蔽、および加熱窓において代替的または累加的に使用することができ、さらに好ましくは、少なくとも500℃の温度での熱処理を伴う少なくとも1つの加工操作(特に、これは強化、焼きなまし、または曲げの操作の場合がある)を受けることができる透明板(glazing)の分野に関する。
【0002】
熱制御とは、太陽光線を外側へ反射させることによって(「太陽遮熱」透明板)、または5マイクロメートルを超える波長の赤外線を内部反射させることによって(具体的には「低輻射率透明板」と呼ばれる透明板による断熱)、屋外の環境を屋内の環境から隔てる透明板を通過する太陽光線および/または長波長の赤外線に対して作用することが可能であることをいう。
【0003】
電磁遮蔽とは、透明板中の電磁波の伝播を排除する、または少なくとも減少させることが可能であることをいう。こうした機能は、透明板中を通過する赤外線に対して作用する機能と組み合わせることが多い。この用途は、エレクトロニクス分野において、特に、例えば、プラズマ技術を使用するディスプレイスクリーンの画面上に設けるための「電磁フィルタ」とも呼ばれる、電磁遮蔽窓の製造のために有利である。
【0004】
加熱窓とは、電流をかけると温度を上昇させることができる窓をいう。このタイプの窓には、氷または霧の形成を防止するかまたは排除する、あるいはその他透明板近くでの寒冷感を抑えるガラス窓を製造するために、自動車または建造物においても用途がある。
【0005】
より詳細には、本発明は、複数の機能層を含む薄膜積層体を備え、特にガラスから作製された透明基板であって、前記基板が、熱制御、電磁遮蔽、および加熱窓のために代替的または累加的に使用することができる透明基板に関する。
【背景技術】
【0006】
熱制御、より正確には太陽遮熱を実現するための薄膜積層体を製造することが知られている。この積層体は、光学的な欠陥の発生を最小限にしながら、熱処理後の熱特性と光学特性とを同時に維持することが可能である。したがって、次に1つまたは複数の熱処理を受けるか否かにかかわらず、光学的/熱的な性能が一定である薄膜積層体を手にいれることが課題である。
【0007】
第1の解決策は、欧州特許出願第718 250号において提案された。これは、銀ベースの機能層の上に、酸素拡散障壁層、特に窒化ケイ素をベースにしたものを使用すること、ならびに下塗り層または金属の保護層を介在させることなく、下の誘電体コーティングの上に銀層を直接堆積させることを提言した。具体的には、この特許出願は、
基板/SiまたはAlN/ZnO/Ag/Nb/ZnO/Si
なるタイプの積層体を開示している。
【0008】
第2の解決策は、欧州特許出願第847 965号において提案された。これは、2つの銀層を含む積層体を利用し、銀層の上面の障壁層と(以前のように)、前記銀層に隣接しそれらの層が安定化するのを可能にする吸収剤層または安定化層との両方の使用を開示する。この特許出願は、特に、
基板/SnO/ZnO/Ag1/Nb/Si/ZnO/Ag2/Nb/SnO/Si
なるタイプの積層体を開示している。
【0009】
上記の2つの解決策では、銀層の上のこの場合ニオブ製またはチタン製でもよい吸収材である「上部保護層(overblocker)」金属層の存在によって、それぞれSnO層またはSi層を反応性スパッタリングによる堆積中に銀層が酸化または窒化性の反応性雰囲気と接触するのを防止することが可能になることに留意されたい。
【0010】
その後、第3の解決策が、国際特許出願WO03/01105号において開示された。これは、機能層(または各機能層)の上ではなく、下に吸収剤である「保護材」金属層を堆積させ、それにより機能層が熱処理中に安定化することが可能になり、熱処理後の積層体の光学的性質を改善することが可能になることを提案している。具体的には、この特許出願は、
基板/Si/ZnO/Ti/Ag1/ZnO/Si/ZnO/Ti/Ag2/ZnO/Si
なるタイプの積層体を開示している。
【0011】
しかし、開示された厚さの範囲内では、こうした積層体は、許容可能な外観(光学特性)を有する加熱窓または電磁遮蔽窓を製造するのに使用することができない。
【0012】
従来技術は、電流をかけると、熱制御および加熱窓のために使用することができる基板上の薄膜積層体も教示している。すなわち、国際特許出願WO01/14136号は、強化用の熱処理に耐える銀の二重層からなる積層体を開示する。この積層体は、太陽遮熱のために、使用することができ、電流にさらして、熱を生成するために使用することができる。しかし、この積層体の抵抗率では、真に有効な電磁遮蔽を実現することは不可能である。というのは、この平方当たり抵抗Rは、1.5オーム/□に近接させることましてや1.5オーム/□未満にすることができないからである。
【0013】
加えて、自動車の加熱窓の用途の場合、窓全体の高さにわたっての加熱を可能にするために、この高い平方当たり抵抗は、端子間電圧の高い蓄電池(約42ボルトであり、標準電圧品として市場で入手可能)の使用が必要となる。具体的には、式P(W)=U/(R×h)を適用して、R=1.5オーム/□ならば、P=600W/m(正常な加熱として消費される電力の見積もり値)を実現し、加熱高さh>0.8メートルを得るためには、U>24ボルトであることが必要である。
【0014】
良好な電磁保護を提供し、高い光透過率と併せて低い反射率のお陰でユーザーが画像ディスプレイを容易に見ることが可能である、電磁保護積層体を備えた基板を使用して電磁遮蔽用の薄膜積層体を製造することも知られている。
【0015】
電磁遮蔽を実現するために、従来技術は、国際特許出願WO01/81262号で、具体的に
基板/Si/ZnO/Ag1/Ti/Si/ZnO/Ag2/Ti/ZnO/Si
なるタイプの積層体も教示している。
【0016】
この積層体は、強化または曲げの熱処理に耐えることができる。しかし、この積層体では、許容可能であるとみなされる光学特性(T、R、色等)とともに、1.8オーム/□よりはるかに低い平方当たり抵抗を実現し、特に、可視光で低い光の反射率Rを実現することが不可能である。
【0017】
銀膜ベースの積層体は非常に複雑な製造ユニットで製造される。
【0018】
従来技術の主な欠点は、前に同じラインで製造された積層体と用途が異なる薄膜積層体を基板上に製造するために製造ラインを使用したいとき、製造ラインに大きな変更を加えることが必須であるという事実にある。
【0019】
一般に、この操作は、数時間から数日続く。これは長たらしく、この移行/調整期間中は透明板を製造することが不可能であるので、非常に大きな資金の損失を伴う。
【0020】
特に、ターゲット材料が製品ごとに異なるたびに、ターゲットを変更する前にチャンバを大気圧に戻し、次いでチャンバを真空までポンプ脱気しなければならず(10−6バール程度)、これは明らかに時間がかかり、長たらしい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的は、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱のために代替的または累加的に使用することができる製品を得ることが可能になる、薄膜積層体を備えた基板およびこの基板を製造する方法を提案することによってこうした欠点を解決することである。
【0022】
特に、本発明の目的は、ターゲットを変更するために堆積装置を開ける必要がなく、それにより大気に排気するのに必要な時間、とりわけターゲットを変更した後に装置内の真空を再現する時間を節約しながら、広い範囲の製品を製造することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
したがって、本発明は、こうした用途すべてに同時に使用することができる、様々な層の組成物およびそれらの厚さによって定義される具体的な積層体を提案するものであるが、特定の値の厚さが所与の用途での使用に好ましい、様々な層の組成物、厚さの範囲および/または光学特性によって定義されるあるタイプの積層体も提案するものである。この積層体は、平方当たり抵抗が低く(R<1.5Ω/□であり、または≦1.3Ω/□でさえある)、一方曲げまたは強化タイプの熱処理にかけても依然として実質的にこの特性を保持する点で注目すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
したがって、本発明によるこのタイプの積層体に基づいて、単一の具体的な用途、または2つだけの具体的な用途、または3つの具体的な用途を目的とした積層体を製造するために、ある層の厚さなど1つまたは複数の要因を変化させることができるが、組成は一般に同一のままである。したがって、製造ラインを変更し、1つまたは複数の好ましい用途を有する製品から1つまたは複数の好ましい他の用途を有する他の製品の製造に切り替えるのに数時間あれば十分である。
【0025】
したがって、本発明の一主題は請求項1に記載の、特にガラスから作製される透明基板である。この基板は、複数の機能層を含む薄膜積層体を備え、前記薄膜積層体が、少なくとも3つの銀ベースの機能層を含み、前記積層体が、抵抗R<1.5Ω/□、または≦1.3Ω/□でさえあり、前記基板が、少なくとも500℃の温度での熱処理を伴う少なくとも1つの加工操作を受けることができ、その結果この基板を使用して、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱を代替的または累加的に行うことができる。
【0026】
「前記基板が、少なくとも500℃の温度での熱処理を伴う少なくとも1つの加工操作を受けることができる」という表現は、少なくとも500℃または500℃より高い温度で曲げ、強化または焼きなましの操作を実施しても、この処理は光学的性質を低下させず、裸眼で見ることができる孔および/または透明度のかすみも引き起こさないことを意味すると理解されたい。
【0027】
さらに、特許請求されている抵抗Rは、別段の指示がなければ、こうした任意選択の熱処理の前に測定される。
【0028】
第1の用途では、自動車の窓の製造用として、本発明による基板は、光透過率T≧70%であり、抵抗R<1.5Ω/□、さらには≦1.3Ω/□、さらに良好には≦1.2Ω/□である。
【0029】
第2の用途では、建造物の窓の製造用として、本発明による透明基板は、光透過率T≧40%、または>50%でさえあり、好ましくは可視光の反射率R≦10%、または≦8%でさえあり、少なくとも1つの他の基板とあいまって透明板集成体を形成する場合、この透明板集成体の選択性が≧2、または>2でさえある。
【0030】
選択性は、光透過率(T)と日射透過率(SF)との比、すなわちT/SFによって定義され、日射透過率は、透明板の直接のエネルギー透過率(T)と、透明板によって吸収され建造物の内部に再透過するエネルギーとの和を表すことをこの場合想起されたい。
【0031】
第3の用途では、電磁遮蔽透明板の製造用として、本発明による透明基板は、光透過率T≧40%、さらには≧250%、さらに良好には≧55%でさえあり、抵抗R≦1.2Ω/□、さらには≦1Ω/□である。
【0032】
電磁遮蔽された基板が強化タイプなどの熱処理に耐えるという事実に由来する主な利点は、より軽量な基板の使用が可能であることである。さらに、工業的な見地から、熱処理に耐える積層体でコートされた基板を使用することは、熱処理を受けて次いで積層体を基板の最上部に堆積させた基板を使用するよりも常により実際的であることが、実験によって分かっている。
【0033】
積層体を堆積させる基板は、好ましくはガラスから作製される。
【0034】
通常、本発明の文脈内では、積層体は基板の上に堆積させるので、この基板はゼロレベルを定め、最上部に堆積させる層は、上のレベルを区別するために昇順で整数の番号をつけることができる上のレベルを定める。本書類では、番号付けは、機能層およびそれらの堆積の順序を区別するためにのみ使用される。
【0035】
「上方の層」または「下方の層」という用語は、積層体の生成中に機能層のそれぞれ厳密に上面に、または下に必ずしも堆積させるものではない層を意味し、1つまたは複数の層をそれらの間に挿入することが可能であることを意味するものと理解されたい。各機能層は、この機能層の下に、または上面に堆積させる1つまたは複数の層と結合し、この機能層が積層体内に存在することがこの機能層について正当化されるので、結合、すなわち、1つまたは複数の下層および/または上層を備えた機能層が「フィーチャ部」をもたらすと云うことができよう。
【0036】
本発明の変形形態によれば、基板は少なくとも4つの銀ベースの機能層を含む。
【0037】
銀ベースの機能層全体の厚さは、好ましくは25nm以上である。この全体の厚さは、好ましくは、積層体が3つの機能層を含む場合実質的に35〜50nm、積層体が少なくとも4つの機能層を含む場合実質的に28〜64nmである。一変形形態では、銀層の厚さの和は54nm未満である。
【0038】
本発明の一変形形態では、基板は少なくとも3つの同一の機能層フィーチャ部を含み、各機能層が各機能性フィーチャ部において少なくとも1つの下層および/または上層と結合している。
【0039】
本発明の他の一変形形態によれば、少なくとも1つの機能層、好ましくは各機能層が、少なくとも1つの下方の誘電体層と1つの上方の誘電体層との間に位置し、前記誘電体層が、好ましくは、場合によりアルミニウムでドープされていてもよいZnOをベースとする。
【0040】
本発明の一変形形態によれば、少なくとも1つの機能層、好ましくは各機能層が、Si、AlN、またはこの2種の混合物をベースとする上方の層を含む。
【0041】
本発明の一変形形態によれば、基板は、Si、AlN、またはこの2種の混合物をベースとする層で直接コートされる。
【0042】
本発明の一変形形態では、少なくとも1つの機能性フィーチャ部、好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースにした上方の吸収剤金属層(「上部保護層(overblocker)」と呼ばれる)が、銀ベースの機能層と少なくとも1つの上方の誘電体層との間に位置している。
【0043】
本発明の他の変形形態によれば、少なくとも1つの機能性フィーチャ部において、好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースにした下方の吸収剤金属層(「下部保護層(underblocker)」と呼ばれる)が、少なくとも1つの下方の誘電体層と銀ベースの機能層との間に位置している。
【0044】
上方または下方の吸収剤金属層は、ニッケル、クロム、ニオブ、ジルコニウム、タンタルまたはアルミニウムをベースとした金属または合金からなっていてもよい。
【0045】
本発明の一変形形態によれば、少なくとも1つの機能性フィーチャ部、好ましくは各機能性フィーチャ部が、以下の構造、すなわちZnO/Ag/...ZnO/Si、好ましくは以下の構造、すなわちZnO/Ag/Ti/ZnO/Siを有する。
【0046】
この変形形態によれば、三層積層体の場合において前記フィーチャ部の成分層の厚さは、
ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、
5から15/10から17/...5から15/25から65nmおよび好ましくは5から15/10から17/0.2から3/5から15/25から65nm、または、7から15/10から17/...7から15/25から65nm、および好ましくは7から15/10から17/0.2から2/7から15/25から65nmであることが好ましい。
【0047】
またこの変形形態によれば、四層積層体の場合において前記フィーチャ部の成分層の厚さは、
ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、
5から15/7から15/...5から15/23から65nmおよび好ましくは5から15/7から15/0.2から3/5から15/23から65nm、または、7から15/7から15/...7から15/23から65nm、および好ましくは7から15/7から15/0.2から2/7から15/23から65nmであることが好ましい。
【0048】
また、本発明の主題は、複数の機能層を含む薄膜積層体を備えた、特にガラスから作製される透明基板を製造する方法であって、少なくとも3つの銀ベースの機能層が前記基板の上に堆積され、前記積層体が、抵抗R<1.5Ω/□、さらには<1.3Ω/□であり、前記基板が、少なくとも500℃の温度での熱処理を伴う少なくとも1つの加工操作を受けることができ、その結果この基板によって、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱を代替的または累加的に行うことが可能になる方法である。
【0049】
本発明の一変形形態によれば、少なくとも4つの銀ベースの機能層を前記基板の上に堆積させる。
【0050】
堆積させた銀ベースの機能層全体の厚さは、好ましくは25nm以上である。この全体の厚さは、好ましくは、積層体が3つの機能層を含む場合実質的に35〜50nm、積層体が少なくとも4つの機能層を含む場合実質的に28〜64nmである。
【0051】
本発明の一変形形態によれば、少なくとも3つの同一の機能層フィーチャ部を前記基板の上に堆積させ、各機能層が、各機能性フィーチャ部において少なくとも1つの下層および/または上層と結合している。
【0052】
本発明の一変形形態によれば、少なくとも1つの機能層、好ましくは各機能層では、少なくとも1つの下方の誘電体層を前記機能層の下に堆積させ、1つの上方の誘電体層を前記機能層の上に堆積させ、前記誘電体層が、好ましくは、アルミニウムでドープしてもよいZnOをベースとする。
【0053】
本発明の一変形形態によれば、Si、AlN、またはこの2種の混合物をベースとする上方の層を、少なくとも1つの機能層の上面に、好ましくは各機能層の上面に堆積させる。
【0054】
本発明の一変形形態によれば、他の層すべてを堆積させる場合、予め堆積させておいた、Si、AlN、またはこの2種の混合物をベースとする層で、前記基板を直接コートする。
【0055】
本発明の一変形形態によれば、少なくとも1つの機能性フィーチャ部において、好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースにした上方の吸収剤金属層を、銀ベースの機能層の上面に堆積させ、少なくとも1つの上方の誘電体層の下に堆積させる。
【0056】
本発明の他の変形形態によれば、少なくとも1つの機能性フィーチャ部において、好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースにした下方の吸収剤金属層を、少なくとも1つの下方の誘電体層の上面に堆積させ、銀ベースの機能層の下に堆積させる。
【0057】
本発明の一変形形態によれば、堆積させた少なくとも1つの機能性フィーチャ部、好ましくは堆積させた各機能性フィーチャ部が、以下の構造、すなわちZnO/Ag/...ZnO/Si、好ましくは以下の構造、すなわちZnO/Ag/Ti/ZnO/Siを有する。
【0058】
本発明のこの変形形態によれば、三層積層体の場合において前記フィーチャ部の成分堆積層の厚さは、
ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、
5から15/10から17/...5から15/25から65nmおよび好ましくは5から15/10から17/0.2から3/5から15/25から65nm、または7から15/10から17/...7から15/25から65nmおよび好ましくは7から15/10から17/0.2から2/7から15/25から65nmであることが好ましい。
【0059】
また、本発明のこの変形形態によれば、四層積層体の場合において前記フィーチャ部の成分堆積層の厚さは、
ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、
5から15/7から15/...5から15/23から65nmおよび好ましくは5から15/7から15/0.2から3/5から15/23から65nm、または7から15/7から15/...7から15/23から65nmおよび好ましくは7から15/7から15/0.2から2/7から15/23から65nmであることが好ましい。
【0060】
本発明の一変形形態によれば、機能性のフィーチャ部は、単一の製造装置の中を前記基板を数回通過させることによって堆積させる。
【0061】
本発明のこの変形形態によれば、前記積層体が4つの銀ベースの機能層を含む場合、2回の通過に対して実質的に同一であり、好ましくはこの2回の通過の間基板を真空に保つ堆積条件下で、単一の製造装置の中を前記基板を2回通過させることによって、前記フィーチャ部を対で堆積させる。
【0062】
また、本発明のこの変形形態によれば、堆積層の厚さは、それぞれ2回の通過の間中実質的に同一であることが好ましい。
【0063】
さらに、本発明による基板が、少なくとも500℃の温度での熱処理を伴う加工操作を受ける場合、抵抗Rは少なくとも10%、または少なくとも15%減少することが好ましい。
【0064】
また、本発明の主題は、本発明による少なくとも1つの基板を組み込む、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱のための透明板である。
【0065】
また、本発明の主題は、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱を代替的または累加的に行うための、本発明による基板の使用である。
【0066】
有利には、本発明による積層体を製造する場合本発明による方法を実施することによって生ずる節約は多大である。というのは1つまたは複数の異なる用途の積層体を製造することが望まれるとき数日または少なくともかなりの時間製造ラインを停止することはもはや必要ではないからである。ラインの製造条件を変更し、所望の用途の販売可能な製品を得るのに数時間で十分である。
【0067】
やはり有利には、本発明による基板は、一体型透明板、二重もしくは三重の透明板、または積層透明板を製造し、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱を代替的または累加的に実現するために使用することができる。
【0068】
したがって、自動車用途では、本発明による基板を組み込む積層透明板を製造することが可能であり、この透明板は、
− 熱制御(より正確には、車両の外側に対する太陽光線を反射するための太陽遮熱)と、
− 外部の電磁輻射から車両の内部を保護するための電磁遮蔽と、
− 氷の溶解または凝縮物の蒸発のための加熱とを同時に実現する。
【0069】
同様に、建造物用途では、本発明による基板を組み込む二重透明板を製造することが可能であり、この透明板は、
− 熱制御(透明板を備えた部屋の外側に対する太陽光線を反射するための太陽遮熱および/または透明板を備えた部屋の中へ内部輻射を反射するための断熱)と、
− 外部の電磁輻射から透明板を備えた部屋の内部を保護するための電磁遮蔽と、
− 凝縮の除去または凝縮の形成の防止のための加熱、および透明板の近くの寒冷感を防止するための加熱と
を同時に実現する。
【0070】
有利には、本発明による基板を組み込むこうした透明板は、透過および反射における魅力的な色彩を有する。
【0071】
非限定的な実施例についての以下の詳細な説明を読み、本明細書に添付された図を検討すると、本発明はよりはっきりと理解されよう。
【実施例】
【0072】
1.加熱窓、より詳細には12V供給されたフロントガラス用の積層体の実施例
的確な加熱をするための消費電力は、一般に600W/mと見積もられる。
【0073】
具体的には、P(W)=U/(R×h)である。U=12Vなら、h=50cmに対してR=1オーム/□であることが必要である。hは、凝縮および/または氷の形成を防止するために加熱が実施される「窓」の高さに相当する(実際には、この電圧Uは12から14Vであり、現在製造されている大部分の自動車両用蓄電池の端子間の電圧に相当する。しかし、この電圧は12〜24Vであり得るはずである)。
【0074】
自動車用の用途では、以下の特性(積層透明板として)を有する積層体が必要であると見なされている。すなわち、
・ R≦1.2オーム/□
・ 曲げの後、品質良好(裸眼で認知可能な欠陥はない)
・ T≧70%、および限定されたR
・ 魅力的であるとみなされる反射の色(好ましくは、a≦0およびb≦0)
・ 十分な機械的耐久性および化学的耐久性。
【0075】
誘電体内にカプセル封入された2つの銀層を有する解決策では、T≧70%と抵抗R≦1.2Ω/□との両方、および許容可能な色を得ることは不可能である。
【0076】
所望の結果を実現するには、以下のことが好ましいと思われる。すなわち、
・ 機能層を含む薄膜積層体を面3上に設けること(面1は車両の最も外側に面した面であり、面4は最も内側の面である)、および
・ 銀層全体の必要な厚さを考慮に入れながら、2つを超える銀層を堆積させること。
【0077】
本発明による積層体の構築の実施例を、3つの機能層を含む積層体(実施例11,12および14)、および4つの機能層を含む積層体(実施例15および16)について以下に示す。620℃で約8分間の強化操作の後に、結果を測定した。
【0078】
(実施例11)本発明による三層
【0079】
【表1】

【0080】
(実施例12)本発明による三層
実施例11と同じ積層体であるが、各機能層の上面にチタンの上部保護層(overblocker)(厚さ約0.5nmから1nm)をも有する。
【0081】
(実施例13)二層の比較例
【0082】
【表2】

【0083】
(実施例14)本発明による三層
【0084】
【表3】

【0085】
【表4】

【0086】
(実施例15)本発明による四層
【0087】
【表5】

【0088】
(実施例16)本発明による四層
【0089】
【表6】

【0090】
この実施例16は、2つの銀層を有する積層体を堆積させるユニットの中を基板を2回通過させることによって得られる。
【0091】
【表7】

【0092】
Nagyデバイスを使用する非接触測定によって得られた平方当たり抵抗から計算された積層体の抵抗率は、本発明による三層の実施例である実施例11および12では、約4.2×10−6ohms.cmであり、二層の比較例である実施例13では約7×10−6ohms.cmである。
【0093】
本発明による実施例11、12、14、15、および16では、T、R、および測色値は比較的安定である。
【0094】
エネルギー反射率の値は非常に高かったが、これは銀の累積厚さ(3×12.75nm)から期待されることであった。優れた選択性(積層試験体の場合で、T/FSは2に近いかまたは2を超えるものさえあった)が得られた。
【0095】
厚さ約13nmである銀層を含む三層積層体に含まれる銀層の抵抗率は、厚さ約8から9nmである銀層を含む二層の積層体で得られた値に比較して驚くほど低い。
【0096】
曲げ操作後の本発明による4つの実施例の光学的な性質は、十分であり、通常の条件下で観察可能なかすみまたは腐食孔はない。
【0097】
本発明によるこれらの積層体の化学的耐久性および機械的耐久性も非常に良好である。
【0098】
2.熱制御、特に太陽遮熱のための積層体、建造物用透明板の実施例
太陽制御された製品の性能は、「選択性」基準、すなわち、透明板の光透過率(T)と建造物の内部に侵入する太陽エネルギーの百分率量(日射透過率つまりSF)との比に基づいて評価される。光透過率を良好なレベルに保持しながら(室内の居住者の快適性に必要である)、可能な限りの最高の選択性を得るためには、可視領域と赤外領域との間の透過率のカットオフを可能な限り鋭くする透明板を見出し、それにより透過するこの部分のスペクトル(Parry−Moon(PM)曲線)に含まれるエネルギーを抑制することが重要である。したがって、太陽遮熱された透明板の理想的なスペクトルは、可視光を透過するが赤外光を完全にカットオフする階段関数である。
【0099】
本発明による3つの銀層および4つの銀層を有する積層体の定義により、この選択性を向上させることが可能になる。これは、銀の厚さと誘電体の厚さを良好に選択することにより、積層体を含む透明板の透過スペクトルは階段関数に近づき、したがって同じレベルの透過率で選択性が実質的に増加することが可能になるからである。これは、透明板が、色の透過および反射両方での色の中立性を失うことなしに実現することができる。
【0100】
積層体の構造の実施例を、3つの機能層を含む積層体(実施例21および23)、および4つの機能層を含む積層体(実施例24)について以下に示す。これらを2つの機能層を有する積層体(実施例22および25)と比較し、それぞれ、透過率レベル50%(実施例21および22)、透過率レベル60%(実施例23から25)、および最適な選択性を得る。
【0101】
これらの実施例はすべて、以下の様式、すなわち、アルゴン90%と乾燥空気10%の混合物を満たした空間を有する、外側/ガラス(6mm)/積層体/空間(15mm)/ガラス(6mm)/内側に従って製造した。以下に示す結果は、620℃で約8分間の強化操作の後に測定した。
【0102】
(実施例21)本発明による三層
(実施例22)二層による比較例
実施例21、22共に、光透過率50%。(層厚さはnm)
【0103】
【表8】

【0104】
【表9】

【0105】
(実施例23)本発明による三層
(実施例24)本発明による四層
(実施例25)二層による比較例
実施例23、24、25共に、光透過率60%。(層厚さはnm)
【0106】
【表10】

【0107】
【表11】

【0108】
図2から4に示したように、太陽光スペクトル全体について、本発明による実施例21、23および24のスペクトルと比較例22および25のスペクトルとを比較すると、三層積層体により階段関数に近づく(可視領域の終点であり赤外領域の始点である約780nmで透過率が突然低下する)ことが可能になることがはっきりとわかる。同じことが四層積層体にもあてはまる。さらに、選択性のこの増加は、透明板の比色分析の応答を損なうほどには大きくはなく、透明板の外への反射の色は中立(L系において)であり、aおよびbは負で、絶対値は小さい。加えて、透過色の純度は高くならないので、室内の居住者が真の色の屋外の環境を楽しむことが可能である。実施例21および22のスペクトルとヒトの目の感受性が重なり合っていることを示す図3において、この点を理解することができる。実際、このグラフは、実施例21の薄膜積層体を使用して製造した光フィルタが、ヒトの目の感受性の分布よりも波長の広がりが大きいことを示している。
【0109】
3.電磁遮蔽された透明板、より具体的にはプラズマスクリーン用の積層体の実施例
電磁遮蔽の場合における本発明の利点を証明するために製造された積層体の構造は以下の通り、すなわち、
− 透明なガラス基板(2mm)/少なくとも3つの機能層を有する薄膜積層体である。
【0110】
測定の前に実施された強化は、約620℃で5分間積層体を備えた基板を焼きなますことによって実施された。
【0111】
(実施例31)本発明による四層
【0112】
【表12】

【0113】
(実施例32)本発明による四層
【0114】
【表13】

【0115】
(実施例33)本発明による四層
【0116】
【表14】

【0117】
【表15】

【0118】
強化操作は、銀の抵抗率を低下させ、積層体の光学的特性をわずかに変更することが理解されよう。具体的には、実施例31の場合では、焼きなまし前のこの積層体の抵抗は、R=1.1Ω/□(抵抗率5.5×10−6ohms.cmに対して)であり、すなわち約18%減少した。実施例32の場合では、焼きなまし前のこの積層体の抵抗は、R=0.9Ω/□(抵抗率5.0×10−6ohms.cmに対して)であり、すなわち約22%減少した。実施例33の場合では、焼きなまし前のこの積層体の抵抗は、R=1.5Ω/□であり、すなわち約20%減少した。しかし、強化操作は色に対する大きな変化はもたらさない。
【0119】
本発明による積層体は、プラズマ技術を使用してスクリーン用の電磁フィルタを製造するために、例えば、図5に示す構造を有する組立て体において使用することができる。この組立て体は
1−任意選択の反射防止層と、
2−透明なガラスから作製されるが、着色することもできる基板と、
3−少なくとも3つの機能層を有する薄膜積層体と、
4−PVBから作製されるが、場合によってはPSAから作製することもできるプラスチックシートと、
5−任意選択のPETフィルムとを
含む。
【0120】
したがって、薄膜積層体は、組立て体の面2の上に設けられる。
【0121】
積層体を受け取る基板は、積層体を堆積させてから強化することができる。
【0122】
上記のように、本発明を実施例によって説明した。もちろん、当分野の技術者なら、特許請求の範囲によって画定される本特許の範囲を逸脱することなく、本発明の様々な代替実施形態を実現することが可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】波長λの関数として、実施例11および13の外側への光の反射率の値を示す図である。
【図2】波長λの関数として、それぞれ本発明による実施例21および比較例22の光透過率の値、ならびに波長λの関数として、太陽エネルギー密度DのParry−Moon曲線を示す図である。
【図3】波長λの関数として、それぞれ本発明による実施例21および比較例22の光透過率の値、ならびに規格化された目盛Hで、ヒトの目に対する感度Yを示す図である。
【図4】波長λの関数として、それぞれ本発明による実施例23および24、および比較例25の光透過率の値、ならびに波長λの関数として、太陽エネルギー密度DのParry−Moon曲線を示す図である。
【図5】本発明による基板を使用する電磁遮蔽透明板の組立て体を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜積層体が少なくとも3つの銀ベースの機能層を含み、前記積層体が抵抗R<1.5Ω/□であり、基板が少なくとも500℃の温度で熱処理を伴う少なくとも1つの加工操作を受けてよいことを特徴とする、複数の機能層を含む薄膜積層体を備えた、特にガラスから作製される透明基板。
【請求項2】
光透過率T≧70%であることを特徴とする請求項1に記載の透明基板。
【請求項3】
光透過率T≧40%であり、および少なくとも1つの他の基板と結合して透明板集成体を形成する場合、この透明板集成体の選択性が≧2であることを特徴とする請求項1に記載の透明基板。
【請求項4】
光透過率T≧40%であり、および抵抗R≦1.1Ω/□であることを特徴とする請求項1に記載の透明基板。
【請求項5】
少なくとも4つの銀ベースの機能層を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項6】
銀ベースの機能層全体の厚さが25nm以上であり、好ましくは、積層体が3つの機能層を含む場合は35から50nm、積層体が少なくとも4つの機能層を含む場合は28から64nmであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項7】
少なくとも3つの同一の機能層フィーチャ部を含み、各機能層が各機能性フィーチャ部において少なくとも1つの下層および/または上層と結合していることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項8】
少なくとも1つの機能層、好ましくは各機能層が、少なくとも1つの下方の誘電体層と1つの上方の誘電体層との間に位置し、前記誘電体層が、好ましくは、アルミニウムでドープされていてもよいZnOをベースとすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項9】
少なくとも1つの機能層、好ましくは各機能層が、Si、AlN、または前記2種の混合物をベースとする上方の層を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項10】
Si、AlN、または前記2種の混合物をベースとする層で直接にコートされていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項11】
少なくとも1つの機能性フィーチャ部、好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースとした上方の吸収剤金属層が、前記銀ベースの機能層と少なくとも1つの上方の誘電体層との間に位置していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項12】
少なくとも1つの機能性フィーチャ部、好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースとした下方の吸収剤金属層が、少なくとも1つの下方の誘電体層と前記銀ベースの機能層との間に位置していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項13】
少なくとも1つの機能性フィーチャ部、好ましくは各機能性フィーチャ部が、以下の構造、すなわち、ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくは以下の構造、すなわち、ZnO/Ag/Ti/ZnO/Siを有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の透明基板。
【請求項14】
三層積層体の場合において、前記フィーチャ部の各成分層の厚さが、ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、5から15/10から17/...5から15/25から65nmおよび好ましくは5から15/10から17/0.2から3/5から15/25から65nmであることを特徴とする請求項13に記載の透明基板。
【請求項15】
四層積層体の場合において、前記フィーチャ部の各成分層の厚さが、ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、5から15/7から15/...5から15/23から65nmおよび好ましくは5から15/7から15/0.2から3/5から15/23から65nmであることを特徴とする請求項13に記載の透明基板。
【請求項16】
少なくとも3つの銀ベースの機能層が基板の上に堆積され、積層体が抵抗R<1.5Ω/□であり、前記基板が少なくとも500℃の温度で熱処理を伴う少なくとも1つの加工操作を受けてよいことを特徴とする、複数の機能層を含む薄膜積層体を備えた、特にガラスから作製される透明基板を製造するための方法。
【請求項17】
少なくとも4つの銀ベースの機能層が前記基板の上に堆積されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
堆積された銀ベースの機能層全体の厚さが25nm以上であり、好ましくは、積層体が3つの機能層を含む場合は35から50nm、積層体が少なくとも4つの機能層を含む場合は28から64nmであることを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも3つの同一の機能層フィーチャ部が、前記基板の上に堆積され、各機能層が、各機能性フィーチャ部において少なくとも1つの下層および/または上層と結合していることを特徴とする請求項16から18の一項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの機能層、好ましくは各機能層に対して、少なくとも1つの下方の誘電体層が前記機能層の下に堆積され、1つの上方の誘電体層が前記機能層の上に堆積され、前記誘電体層が、好ましくは、アルミニウムでドープされていてもよいZnOをベースとすることを特徴とする請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
Si、AlN、または前記2種の混合物をベースとする上方の層が、少なくとも1つの機能層の上面に、および好ましくは各機能層の上面に堆積されることを特徴とする請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記基板が、Si、AlN、または前記2種の混合物をベースとする層で直接にコートされることを特徴とする請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの機能性フィーチャ部、および好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースとする上方の吸収剤金属層が、銀ベースの機能層の上面および少なくとも1つの上方の誘電体層の下に堆積されることを特徴とする請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの機能性フィーチャ部、および好ましくは各機能性フィーチャ部において、好ましくはTiをベースとする下方の吸収剤金属層が、少なくとも1つの下方の誘電体層の上面で、銀ベースの機能層の下に堆積されることを特徴とする請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの堆積された機能性フィーチャ部、および好ましくは堆積された各機能性フィーチャ部が、以下の構造、すなわちZnO/Ag/...ZnO/Si、および好ましくは以下の構造、すなわちZnO/Ag/Ti/ZnO/Siを有することを特徴とする請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
三層積層体の場合において前記フィーチャ部の各成分層の厚さが、ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、5から15/10から17/...5から15/25から65nmおよび好ましくは5から15/10から17/0.2から3/5から15/25から65nmであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
四層積層体の場合において前記フィーチャ部の各成分層の厚さが、ZnO/Ag/...ZnO/Siおよび好ましくはZnO/Ag/Ti/ZnO/Siで、5から15/7から15/...5から15/23から65nmおよび好ましくは5から15/7から15/0.2から3/5から15/23から65nmであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
単一の製造装置の中を前記基板を数回通過させることによって、機能性フィーチャ部を堆積させることを特徴とする請求項16から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記積層体が4つの銀ベースの機能層を含む場合、単一の製造装置の中を前記基板を2回通過させることによって、前記フィーチャ部を対で堆積させることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
堆積層の厚さが、2回の通過中それぞれ実質的に同一であることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記基板が、少なくとも500℃の温度で熱処理を伴う加工操作を受ける時に、抵抗Rが少なくとも10%だけ、または少なくとも15%も減少することを特徴とする請求項16から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
請求項1から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの基板を組み込む、熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱のための透明板。
【請求項33】
熱制御および/または電磁遮蔽および/または加熱を代替的または累加的に行うための請求項1から15のいずれか一項に記載の基板の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−512218(P2007−512218A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540561(P2006−540561)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050614
【国際公開番号】WO2005/051858
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】