説明

熱効率が高い液滴吐出装置

【課題】熱効率が高い液滴発生器ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供することにある。
【解決手段】熱変換器(212)を有する基板部材(116)と、基板部材(116)に取り付けられ、その中にオリフィス(162)が形成され、熱変換器に隣接するチャンバ(170)を画定するオリフィス層(102)と、基板部材(116)内にあり、流体の供給源からチャンバ(170)内への流体チャネルを画定する流体注入口(168)と、熱変換器(212)上にある、亀裂が入らないパッシベーション層(220)とを備え、パッシベーション層(220)は約200nm未満の厚みを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化された液滴を生成して吐出することができる熱式液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物は多くの場合に、吸入エアロゾル、すなわち薬物を飛沫同伴する、非常に細かい液体粒子又は固体粒子からなる気体状の懸濁物の形で患者に送達されている。いわゆる、薬物の肺送達は、数多くの事例において、患者の血流に生体物質及び化学物質を送達するのに非常に効率的である。肺送達は、その薬物が「定量噴霧式吸入器」(「MDI」)、又は微小な液滴サイズを有するエアロゾルを生成するのに適した吐出器ヘッドを組み込む他のタイプの吸入器のようなデジタル制御装置で送達されるときに特に効率的である。多くの場合に、そのような吸入器を用いて、喘息治療薬は、その薬物が迅速な抗炎症性効果を有する場所である患者の肺に直接に送達されている。また、MDIは、薬物を系統的に送達するためにも用いることが可能であり、その場合には、薬物のエアロゾル化された液滴は、その薬物が患者の血流内に迅速に吸収される場所である肺組織内の深くまで送達されることになる。
【0003】
最も効率的な肺薬物送達は、薬物が微小のエアロゾル化された液滴で肺胞、すなわち肺胞上皮として知られている最内側肺組織内の小さな気嚢に直接に送達される場合に、行われることになる。これは、薬物が極めて迅速に患者の血流に移送されるためである。
【0004】
熱式液滴発生器を用いて、所望の小さな液滴サイズを有するエアロゾル化された薬物を生成することが可能である。このような液滴発生器は、通常、液滴発生器ヘッドを組み込んでおり、液滴発生器ヘッドは、流体薬物と抵抗体加熱素子との間に配置される誘電体層及び金属層を有し、抵抗体加熱素子は、流体を加熱して気化させ、その流体をノズルから吐出するようになっている。誘電体層、金属パッシベーション層及びキャビテーション防止層は、抵抗層に必要な機械的保護及び電気的保護を与えている。抵抗体への電源がオフされるとき、動作中に生成された気泡が潰れて、機械的損傷を引き起こす可能性がある。パッシベーション層が損傷を受ける場合には、流体が抵抗体加熱素子に接触し、結果として腐食などの種々のタイプの損傷が生じてしまう。パッシベーション層及びキャビテーション防止層によってもたらされる保護は必要ではあるが、薬物を気化できるようにそれらの層を加熱する際に著しいエネルギーが費やされる。すなわち、抵抗性加熱素子からのエネルギーは、加熱される対象となる媒体、すなわち流体薬物に直接に向けられるのではなく、必然的にパッシベーション層及びキャビテーション防止層に向けられなければならない。この結果として、そのような液滴発生器に電池で電源を供給するのが現実的でないような程度まで、液滴発生器のための電源入力条件が増加すること、及びそれに伴って、電源がオフされたときでも余熱によって流体薬物が沸騰する程度まで動作中に液滴発生器を加熱してしまうことを含む、いくつかの問題が生じる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、熱効率が高い液滴発生器ヘッドが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、熱変換器を有する基板部材と、 該基板部材に取り付けられ、その中にオリフィスが形成され、前記熱変換器に隣接するチャンバを画定するオリフィス層と、前記基板部材内にあり、流体の供給源から前記チャンバ内への流体チャネルを画定する流体注入口と、前記熱変換器上にある、亀裂が入らないパッシベーション層とを備え、該パッシベーション層は約200nm未満の厚みを有している。
また、本発明は、液滴吐出装置を製造する方法であって、(a)熱変換器層を有する基板を配設するステップと、(b)前記熱変換器層上に、亀裂が入らないパッシベーション層を堆積するステップであって、該パッシベーション層は約200nm未満の厚みを有するような、堆積するステップとを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための装置及び方法を以下に詳細に説明する。本発明の他の利点及び特徴は、本明細書の以下の部分及び図面を精査する際に明らかになるであろう。
【0008】
本発明は、流体供給システムからの流体を収容する液滴吐出装置を備える薬物エアロゾル発生器又は吸入システムと、液滴吐出装置の熱効率を高めるように液滴発生器ヘッドを製造するための工程とを含んでいる。液滴吐出装置はコントローラに接続され、複数又は多数の個別の液滴発生器を備え、各液滴発生器はコントローラの影響下でエアロゾル化された流体の液滴を吐出している。
【0009】
本発明の吸入システムは、液滴発生器に電気的に接続され、かつ各液滴発生器に液滴吐出パルスを与えるように構成される回路を備えている。例示的な実施形態によれば、液滴吐出パルスは、各液滴発生器に供給される電流パルス又は電圧パルスである。それらのパルスを各液滴発生器に供給することは、個別にアドレス指定することができる液滴発生器、又は並列又は直列の配列で結合され、個別にアドレス指定することができない液滴発生器に対してそれらのパルスを供給することができることを意味するものと理解されたい。
【0010】
また、本発明の吸入システムは、液滴発生器の近くで測定されるときに、或る制御された圧力レベルで液滴発生器に流体を供給するように構成される流体供給システムも備えている。別の言い方をすれば、液滴発生器には、或る制御された圧力レベル又は圧力レベルの範囲を有する流体が供給されるようになっている。液滴発生器設計、及び液滴発生器に供給される流体の特性の結果として、液滴発生器は、約−10インチ(約−25センチ)水柱未満のゲージ圧力に及ぶ安定した動作範囲を有している。ゲージ圧力動作範囲は、約−10インチ水柱未満から約−15インチ(約−38センチ)水柱までであることが最も好ましいが、液滴発生器は、約−10インチ水柱未満から約−45インチ(約−114センチ)水柱までの範囲内のどこにおいても、ゲージ圧力のための安定した動作範囲を有している。
【0011】
本明細書において用いられるように、ゲージ圧力は、対象となっている圧力と、外部の大気圧との間の圧力差を意味している。ゲージ圧力の大きさは比較的小さい傾向があるので、流体液滴発生器のためのゲージ圧力は水柱インチで測定されている(例えば、水銀又はPSIではない)。安定した動作範囲について言及する場合、それは気泡を吐出し損なうなどの問題を生じることなく、液滴発生器が確実に液滴を吐出することができる圧力の範囲を意味している。
【0012】
例示的な実施形態によれば、液滴発生器は熱式液滴発生器であり、各液滴発生器は1つのノズル又はオリフィスを備え、そのノズル又はオリフィスは、電流パルス又は電圧パルス起動式の抵抗体に隣接して配置されており、その間に流体が供給されるようになっている。パルスを受信するのに応答して、抵抗体は、ノズルからエアロゾル粒子又は液滴を吐出させる駆動気泡を流体内に生成している。しかしながら、本発明は、熱駆動気泡には限定されず、圧電起動式液滴発生器を組み込むことができる設計も含んでいる。
【0013】
例示的な実施形態によれば、本発明の吐出装置は少なくとも1000個の流体液滴発生器を備え、好ましくは9000個以上の流体液滴発生器を備えている。その回路は、少なくとも25kHzの周波数で、好ましくは少なくとも250kHzの周波数で、各液滴発生器に液滴吐出パルス(電流や電圧又は電荷パルスを意味する)を供給するようになっている。
【0014】
液滴サイズが正確に制御される場合には、肺薬物送達が最も効率的となる。エアロゾル化された液滴において送達される薬物が血流内に迅速に移送されるように実効的に肺送達を実現するには、液滴のいくつかの物理的な特性が重要である。これらの特性は、好ましくは約50フェムトリットル未満、さらに好ましくは約15フェムトリットル未満の極めて小さな液滴体積、及び標準偏差が約20%で、約0.1〜15μmにあることが好ましい、液滴サイズの狭い範囲の分布を含んでいる。約0.014μJ以下のターンオン・エネルギー(TOE)、液滴がノズルから吐出されるときの約10m/sec以上の液滴速度、少なくとも約25kHz、より好ましくは約250kHzのノズル発射周波数を含む、吸入システムの他の特性も同様に重要である。
【0015】
本発明は、本明細書において詳述されるような、これらの設計基準及び付加的な基準を満たすことができる吐出器ヘッド構成を備えている。その吐出器ヘッドを製造する方法は、熱効率が高い装置を製造し、結果として直接的にエネルギー消費を減らし、動作特性を改善することになる。
【0016】
背景技術を通して状況を説明するために、ここで具体的に図1を参照すると、薬剤送達装置10において具現されるような液滴吐出装置の例示的な実施形態が示されており、この場合には、その装置は定量噴霧式吸入器(MDI)として知られている手持ち式の肺送達機構であり、本明細書においてMDI10と呼ばれることもある。本明細書に記載されるMDI10のようなMDIは、喘息治療薬のようなエアロゾル化された薬物を送達するために用いられ、市場においては数多くの様々なMDI送達システムが存在している。MDIは通常、加圧することができる容器において薬物を噴霧剤と混合している。この薬物は、液体又は粉末の形をとることが可能である。その装置を作動させることにより、定量のエアロゾル化された薬物が放出され、それが患者によって吸入されることになる。
【0017】
図1に示されるMDI10は、本明細書に記載されるような熱式液滴発生器を組み込むことができる数多くの実現可能な薬剤容器及び送達システムのうちの1つを例示することのみを目的としていることは理解されよう。本明細書において用いられるとき、用語「薬物」は、病状の治療又は他の目的のいずれかのために患者に送達される、生物学的、化学的又は他の任意の流体又は化合物を指示するために包括的に用いられている。「薬剤」、「薬物」、「生物活性物質」及び類似の用語のような他の一般的な用語は、その用語の代わりに用いられる場合もある。
【0018】
液滴発生器を製造するための方法の詳細な説明に進む前に、引き続き図1を参照しながら、容器10の主な構成要素を概略的に説明することにする。
【0019】
容器10は、薬物のリザーバ又は供給源16を収容するように構成される吸入器ハウジング14を備え、その薬物は先に言及されたように、通常液体の形で、多くの場合に溶液として供給されるようになっている。薬物供給源16は、例えば針及び隔壁による相互接続、又は熱抵抗素子又は圧電素子のような他の空気流制御手段によって、ハウジング14内の導管18に接続され、供給源16内の薬物が、概略的に100で示され、以下に詳述される液滴吐出装置に向けられるようにし、液滴吐出装置は、複数の液滴発生器を支持し、薬物供給源16からの液体の適当なサイズにエアロゾル化された液滴を生成するように構成されている。図1の説明図は概略的であること、及びMDIは必然的に、薬物が混合された、かなりの量の空気を患者が吸入できるように設計されなければならないことは理解されよう。
【0020】
液滴吐出装置100は、MDI制御システム26の一部であるコントローラ24に、例えばフレキシブル回路22で電気的に相互接続されている。以下に説明される機能の中でも、コントローラ24は適当な条件付き制御信号を生成し、その信号を液滴吐出装置100に送信して、ノズルの発射、それゆえ薬物の供給を開始している。MDI制御システム26は、コントローラ24と、電源28(例えば電池)と、オペレータスイッチ30とを備えている。コントローラ24は、液滴吐出装置100に対して必要に応じて液滴発生器を発射するための制御された電流パルスを送信することにより、スイッチ信号に応答する、通常はCMOSチップ内にある集積回路である。制御システムは、複数の方法のうちの任意の方法で構成することができ、吸入器のハウジング14と一体に構成されることが最も好ましいことは理解されよう。コントローラ24は、適当なプロセッサ及びメモリ構成要素を含んでいる。状況によっては、コントローラ24を構成する集積回路をリアルタイムクロック回路に組み込むことができ、その逆にすることも可能である。
【0021】
MDI10が、患者の吸入によって薬物を送達するように構成される場合には、液滴吐出装置100がマウスピース又はノーズピース32の近くに配置されることになる。それゆえ、図1に示される液滴吐出装置100は、マウスピース32の内部に配置され、エアロゾル化された薬物が空気流と混合できるようにしている。ハウジング14内にある制御システム26、並びに液滴吐出装置100の配列及び向きによって、吐出される液滴の量、及び放出される薬物の量の両方が正確に計量されるようになり、さらに適当に小さな液滴が生成されるようになる。すなわち、薬物供給源16から薬物を放出するために、吐出される液体の体積を適当に小さな液滴まで縮小するための他の機構を追加する必要はない。エアロゾル化された薬物がマウスピース32から吐出される経路は、図1の一連の矢印で概略的に示されている。
【0022】
MDI10は制御センサ42を備えていてもよく、例えば、そのセンサには、薬物供給源16に動作可能に結合され、供給源リザーバ16内に収容される薬物の実際の温度を検出し、かつ監視することができる温度センサを用いることが可能である。また、MDI10は、液滴発生器に隣接する流体の圧力又はゲージ圧力を監視するために、液滴吐出装置100内に適当な回路のようなセンサを備えていることが好ましい。
【0023】
適当なセンサ42は、サーミスタ及び抵抗器、薄膜金属、金属酸化膜半導体温度センサ、CMOS又はMOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、ホイートストンブリッジを構成する回路などの集積回路温度センサを含んでいる。適当な圧力センサは、圧力に応答して電圧を生成する圧電デバイスのような変換器を含んでいる。具体的な使用法に応じて、2つ以上のセンサ42及び異なるタイプのセンサを用いることもできる。
【0024】
制御システム26は、コントローラ24に接続され、かつ外部のコンピュータに接続するためにハウジング14の後端において外部に露出されるプログラミングインターフェース44を備えている。プログラミングインターフェース44は、トレース(例えば、フレキシブル回路内にある)及び従来のバスインターフェースを通して、そのインターフェースをコントローラ24に相互接続する導体パッド46を含む従来のインターフェースである。プログラミングインターフェース44の例示的な実施形態は、例えば、赤外線対応のデータリンク又は他の類似のプログラミングインターフェースを含む、任意の適当なプログラミングインターフェースで置き換えることが可能である。
【0025】
液滴吐出装置100内に形成される個々のノズルから液体を吐出するための仕組みは、以下に詳述されるように、液滴吐出装置に組み込まれる熱変換器に電圧を印加し、液体で満たされたチャンバ内に蒸気気泡を生成することによるものである。熱によって液体を膨張させることにより、オリフィスを通して液体が吐出されることになる。
【0026】
図2〜図6は、本発明による液滴吐出装置100を製造する際に用いるのに適した、いくつかのノズル配列又は構成を示している。
【0027】
図2は、オリフィス130を有するオリフィス層102、オリフィス130の下に位置する熱変換器132、及びオリフィスの両側に配置される注入口134の配列を平面図で示している。液体がチャンバ110(図4)から注入口134及びチャンバ114に流れ込み、熱変換器132に電圧を印加することによって蒸発し、オリフィス130を通って吐出されるようになっている。
【0028】
図3は、単一のオリフィス140がオリフィス層102内に形成される別の配列を図2に類似の平面図で示している。熱変換器144は、先に詳述されたような、オリフィス140の下にある制御層106内に配置されている。流体が単一の注入口146を通ってチャンバ114に流れ込むようになっている。
【0029】
図4は、本発明に従って形成されるような、オリフィス、抵抗体及び例示的な一対のチャンバ114の注入口構成要素のさらに別の代替の配列を平面図で示している。図4に示される実施形態では、相対的に大きな抵抗体148が用いられ、抵抗体の4つの角部分の上に位置する4つのオリフィス150を備えるオリフィス層102が形成されている。抵抗体148に供給される液体は、抵抗体148のそれぞれの側に1つずつある一対の注入口152を通って流れるようになっている。
【0030】
図5は、オリフィス層上にノズルの小グループを配列するいくつかの方法のうちのさらに別の1つの方法を示す概略図である。図5は、オリフィス154が抵抗体156上に位置する平面図である。抵抗体156は、制御層106によって制御システム126に接続されている。この実施形態では、注入口158は断面が正方形であり、少なくとも2つの注入口158が各抵抗体156に隣接するように配列されている。
【0031】
図6は、オリフィス層上のノズルのいくつかの代替の配列のうちの別の1つの配列を示すさらに別の概略図である。2つのオリフィス160及び162は抵抗体164及び166の上に位置し、それらの抵抗体は熱変換器とも呼ばれている。流体が、注入口168のような注入口を通ってチャンバに供給されるようになっている。
【0032】
図2〜図6に示されるオリフィス及び抵抗体の空間的な配列及び相対的な配置は例示にすぎず、他の配列も考えられる。
【0033】
上記の全ての事例では、オリフィス(例えば104,130,140,150,154)の水力直径は約2.0μm〜4.0μmであることが好ましく、約2.6μmであることがさらに好ましい。このオリフィスサイズの場合、各オリフィスを通して放出される平均液滴サイズは約3μmである。
【0034】
上記の説明から、液滴吐出装置100がノズル101のような何千ものノズルを組み込む半導体ダイを備えて入ることは理解されよう。そのノズルは図2〜図6に示されるタイプからなることが可能であり、液滴吐出装置100の構造は以下に詳述される。
【0035】
[製造方法]
ここで、液滴吐出装置100を製造する例示的な方法を、図7〜図17の図を参照しながら説明することにする。図7〜図17の全ての図はかなり概略的であり、基本的には図6に示される液滴吐出装置100の断面及び図7に示される液滴吐出装置100の断面を示すことは理解されたい。
【0036】
具体的に図7の断面図を参照すると、完成した液滴吐出装置100の概略図が示されている。本発明の一態様に従って形成される液滴吐出装置100において用いることが可能なタイプの一対の液滴発生器102が示されている。液滴発生器102は断面図で示されている。図7には、2つの液滴発生器だけが取り出して示されているが、所与の応用形態において十分な液滴を生成するために、液滴吐出装置100は数千もの液滴発生器を備えていることは理解されよう。
【0037】
引き続き図7を参照すると、その中に一対のノズル又はオリフィス102を画定したオリフィス層104が構成されている。オリフィス層104は、全体として106で示され、抵抗性熱変換器素子108(本明細書において抵抗体とも呼ばれる)を含む制御層の上に位置しており、素子108は後に詳述することとする。熱変換器素子108はさらに、液滴発生器102のゲージ圧力を監視するための回路及び/又はセンサ能力を含むことが可能である。2つの注入口168(「供給穴」又は「IFH」とも呼ばれる)が制御層106内に画定され、液体がチャンバ170に流れ込むことができるようにし、チャンバ170は、オリフィス160を通してそのチャンバから液体を吐出する前に、液体を保持するための小さなリザーバを画定している。制御層106は固体基板部材116の上に位置し、固体基板部材116の一方の面118は、例えば供給源16からの流体と接触し、また固体基板部材116は、流体が注入口168に流れ込むために通る注入口チャンバ120を画定している。参考として、チャンバ170の内部の高さ寸法は約2μmであることが好ましい。
【0038】
液滴を吐出するための図7に示される構造のようなものを包括的に記述するために、本明細書において用語「液滴発生器」が用いられており、それゆえ、用語「液滴発生器」は、ノズル又はオリフィス及び抵抗体、並びに関連する構成要素のような構造を含むことは理解されよう。
【0039】
チャンバ170から液体を吐出するための仕組みは、熱変換器164に電圧を印加して、液体で満たされたチャンバ内に蒸気気泡を生成することによるものである。気泡を急速に膨張及び蒸発させることにより、オリフィス162を通して液体が小さな液滴の形で吐出されることになる。計算上、熱変換器164は平坦な部材(たとえば薄膜抵抗器)とみなされ、作動時にチャンバ内の液体を加熱して、非常に急速に液体を膨張させ、それによりオリフィスを通して、その液体を小さな液滴の形で吐出することになる。
【0040】
図8で開始され、図17まで続く一連の図面は、図7に示される液滴吐出装置100を製造する際に関連する一連のステップを詳細に示している。
【0041】
図8に概略的に示される固体基板部材116は、製造工程の初期段階を表している。基板部材116は、液滴発生器が形成される土台になる部材である。固体基板部材116はトレンチ200,202,204を含み、これらトレンチは、シリコンドライエッチングを用いて基板部材116内にエッチングされており、そのエッチングは、トレンチの上縁部において形成される可能性があるオーバーハングを全て除去することが好ましい。図8の基板部材116を形成する際に関連する処理ステップは、0.1μm熱SiO2成長、酸化物ドライエッチング、レジスト除去、トレンチ200,202,204の約10μmの深さまでのSiドライエッチング、並びに酸化物ウエットエッチングを含んでいる。
【0042】
図9は、基板部材116の両面における1μm熱SiO2成長206を示しており、層206がトレンチ200,202,204を含む表面全体に見られている。次に、約12μmのポリシリコン208が基板部材116の上側表面上に堆積されている(ここで「上側」とは、図中の部材116の向きを指している)。ポリシリコン材料は、トレンチ200,202,204を満たしている。トレンチのアスペクト比によっては、トレンチ内に堆積されるポリシリコン材料内に小さな間隙が形成される場合もあるが、図9にはそのような間隙は示されていない。
【0043】
製造工程において次に示される続きのステップは、基板部材116の元の上側表面を露出させるポリCMP/酸化物CMP(化学機械研磨/平坦化)処理によって、基板部材116の上側表面から余分な材料を除去することを含んでいる。この処理ステップの結果が図10に示されており、研磨処理によって基板部材116の上側表面からポリシリコン材料208が除去されていることが明らかであり、結果として基板部材116の上側表面が概ね平坦になり、かつトレンチ200,202,204がポリシリコン208で満たされたままになることが好ましい。
【0044】
ここで図11を参照すると、次に続く処理ステップはTEOS(テトラエチルオルトシリケート)分離層210を堆積することを含み、その層は約8μm厚であることが好ましい。その後、複合的な抵抗体/導体二重層212が分離層210上に堆積される。抵抗体層212には、約0.04μmのタンタルアルミニウム(TaAl)を用いることが可能である。抵抗体エッチングの前に、上に位置する導体層214が除去され、傾斜付き導体フォトエッチングが行われて、上に位置する導体層214の傾斜付きの側壁部分216が残され、図示されるように抵抗体層212が画定される。
【0045】
傾斜付き導体フォトエッチングの結果として、好ましくはオーバーハング部分を生じることなく、傾斜のある上向きの側面を有する小さな、好ましくは約3μm×3μmの抵抗体サイズになる。傾斜付き導体フォトエッチング及び抵抗体プレスパッタエッチングは、後に詳述されるように、次の処理ステップにおいて上側表面上に堆積されるパッシベーション層の一体性を改善したものである。さらに、傾斜付きの側壁部分216は、亀裂が入らないように薄いパッシベーション層を堆積する能力を高めている。
【0046】
次に、図12及び図13を参照すると、パッシベーション層220及びキャビテーション防止層230(図13)が堆積される。パッシベーション層220は1μmSiNx/0.1 SiCxであることが好ましいが、他のパッシベーション材料を用いることも可能である。パッシベーション層220は、SiCx/SinXドライエッチングでドライエッチングされ、レジストが除去されている。結合されたパッシベーション層220には亀裂が入らず、下に位置する抵抗体層212に対して重要な機械的及び電気的保護を与えている。また、パッシベーション層220は、約200nm厚未満であることが好ましく、約100nm未満であることがさらに好ましい。本明細書において用いられるときに、用語「亀裂が入らない」とは、流体を抵抗体/導体層のような下側の層と接触させてしまうことになる間隙又は穴がパッシベーション層220に概ね存在しないことを意味している。したがって、パッシベーション層は有効な障壁層である。パッシベーション層220が200nm未満の厚みを有する場合、抵抗体212によって生成される多くの熱エネルギーが加熱されている流体に伝達されるので(相対的に厚みのあるパッシベーション層を加熱するのに比べて)、熱効率が大幅に改善されることになる。さらに、パッシベーション層において加熱される質量が少ないので、液滴発生装置内に残留する熱が少なくなる。
【0047】
さらに、パッシベーション層220が薄いことは、エネルギー要件が低減されることに直結し、それにより液滴発生装置が電池で確実に駆動されるようになる。その装置への加熱が少なく、保持される熱が少ないので、「沸騰」の発生率が低減されることになる。先に言及されたように、抵抗素子に電源が供給されない場合であっても、液体薬物が沸騰する点まで液滴発生装置が加熱されるときに「沸騰」が生じる。これは、例えば、抵抗素子に長時間にわたって電圧を印加することによって、基板部材及び他の構造が熱くなるときに起こる可能性がある。
【0048】
次に図13を参照すると、第2の導体として、Taの0.05μmの層230/1.2μmAuが堆積されている。タンタルの薄い層は、接着剤及びエッチング停止層としての役割を果たし、従来では、保護膜で覆われた抵抗体の上側にキャビテーション防止層として残されるが、さらに熱効率が高いこの液滴発生器の一実施形態では、熱効率をさらに改善するために、装置の製造の終了時に、抵抗体上のタンタルが除去されるようになっている。タンタルを薄くすると、熱効率が高くなり、相対的に厚みのある金層が寄生問題を最小限に抑えることになる。キャビテーション防止層は、より大きな液滴の熱式発生器において標準的に用いられ、下側にあるパッシベーション層及び抵抗体層をさらに保護し、パッシベーション層に起こり得る劣化と、その劣化に伴う抵抗体への損傷とを防いでいる。キャビテーション防止層内の金属は、衝撃又は応力に起因するクラックの発生を阻止し、それによりパッシベーション層の機械的な亀裂及び損傷を防ぐのを助けている。
【0049】
先に言及されたように、抵抗体上の適所にキャビテーション防止層230を残すことは任意(オプション)であるが、その層が残る場合には、約50nm厚未満であることが好ましい。
【0050】
図14は、同図において層232として特定される、Tiの0.05μm厚の層を堆積する製造工程の次のステップを示している。
【0051】
図15は、層234として示され、SiNx/SiCxDSOの層の堆積を概略的に表している。引き続き図15を参照すると、基板部材116の下側から抵抗体層206が除去されており、シリコン基板が露出している。これにより、作業中のさらに後続の処理ステップのために基板部材116が準備されることになる。
【0052】
図15では、注入口168が分離層210内に形成されている。これらの注入口168は、液体薬物がその中を通って液滴発生器ヘッドに流れ込む供給穴を画定している。
【0053】
次に続く処理ステップが図16に示されている。このステップでは、0.2μmTi/2μmAlCuが堆積され、支持母材250が形成され、最終的にはその上にチャンバ170が形成されることになる。支持母材250は、その後に、オリフィス層が堆積された後に除去されることになり、図16に示されるように、支持母材250が堆積された場所に、空所(すなわち「チャンバ」)が残されることは理解されよう。
【0054】
図17に示される最終的な処理ステップのうちの1つでは、同図において層252の番号が付される、PECVD TEOSの2μm層が支持母材250上に堆積されている。母材250上にある層252内には、オリフィス160が形成されている。
【0055】
ここで、基板部材116は、図7に示されるような流体経路を形成するための準備ができている。これは、Siドライエッチングで基板部材116を画定するシリコン材料を除去し、それにより注入口チャンバ120(図7を参照)を画定することにより達成されるものである。
【0056】
最後に、チャンバ170のための支持母材150がロストワックスエッチングで除去され、図7に示される完成した液滴発生装置が製造されることになる。
【0057】
表1は、液滴発生器100のために選択された設計仕様基準を提供するものである。
【0058】
【表1】

【0059】
ただし、ターンオン・エネルギーは、図2〜図6に示されるようなノズル構成に応じて異なっている。
【0060】
200kHzの周波数で9000個のノズルを有する本明細書に記載される液滴発生器100を発射する結果として、毎秒18億個の液滴が生成されることになる。本明細書の目的の場合、流束又は全粒子束は、液滴吐出装置100から単位時間当たりに吐出される液滴の数を指している。より多くのノズルを同時に発射することにより、流束が増加することになる。適当な流束は、少なくとも約100KHzの周波数で少なくとも約4000個のノズルを発射する液滴発生器で達成される。これらの条件の中で動作する液滴発生器は、手持ち式MDI10において薬物の正確な投与量制御及び送達を提供するものである。
【0061】
TOEが表1において規定される範囲内にあるとき、MDI10において用いるために構成される電池のような標準的な電源28が、十分な電池寿命を提供している。
【0062】
液滴発生器100に供給される薬物の流体特性は、MDI10の性能及びその中を通って送達される液滴に大きな影響を及ぼすことができる。例えば、ノズル発生器100を通して送達するための流体薬物の例示的な範囲は、約20〜70dyne/cm2の範囲内の表面張力を有している。本明細書において開示されるタイプの液滴吐出装置100では、液滴発生器101を実効的に動作させるために許容可能なゲージ圧力動作範囲は、液滴発生器101の直ぐ近くで測定されて、約−10インチ水柱未満(先に言及された20〜70dyne/cm2の範囲内の表面張力を有する薬物の場合)に及ぶことが好ましい。試験によって、この範囲の下限、すなわち20dyne/cm2又はその下限近くの表面張力を有する薬物の場合、かつ約3.0μmのノズルオリフィスサイズの場合、約−13インチ(約−33センチ)水柱のゲージ圧力動作範囲が達成されることが示されている。ノズルオリフィスサイズを小さくすると、実効的なゲージ圧力動作範囲が大きくなる。言及された範囲の上限、すなわち70dyne/cm2又はその上限近くの表面張力を有する薬物の場合、かつ約3.0μmのノズルオリフィスサイズの場合、約−45インチ水柱のゲージ圧力動作範囲が達成されることになる。
【0063】
こうして、液滴発生器100が上記のタイプのオリフィス構成で製造されるとき、液滴発生器101は、薬物が20dyne/cm2程度の低い表面張力を有する場合であっても、約−10インチ水柱未満のゲージ圧力で動作することができる。許容可能なゲージ圧力範囲が広いことは、MDI10の信頼性にとって非常に有利に作用している。例えば、その液滴発生器は耐衝撃性が非常に高く、衝撃による液滴発生器の始動不良の発生及び気泡吸込みが著しく低減されることになる。また、その液滴発生器は、表面張力のような薬物流体特性及び送達圧力の広い範囲において動作することもできる。
【0064】
本発明の例示的な実施形態が説明されてきたが、本発明の範囲内で、当業者が、それらの実施形態に対する変更を行うことができることは理解されたい。したがって、本発明の精神及び範囲はそれらの実施形態には限定されず、添付の特許請求の範囲に規定されるような種々の変更形態及び均等物にまで及ぶことを理解及び認識されたい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の液滴発生器ヘッドの例示的な実施形態が組み込まれる薬物送達装置の一例であり、定量噴霧式吸入器装置の概略的な側面図である。
【図2】本発明の液滴発生器ヘッドにおいて用いるのに適している種々のノズル配列を示しており、具体的には図1に示されるタイプの吸入器内の液滴吐出装置において用いるための、1つノズル及び2つの注入口を備える液滴発生器の1つだけを取り出した部分の平面図である。
【図3】本発明の液滴発生器ヘッドにおいて用いるのに適している種々のノズル配列を示しており、具体的には図1に示されるタイプの吸入器内の液滴吐出装置において用いるための、1つのノズル及び1つの注入口を備える液滴発生器の1つだけを取り出した部分の平面図である。
【図4】本発明の液滴発生器ヘッドにおいて用いるのに適している種々のノズル配列を示しており、具体的には図1に示されるタイプの吸入器内の液滴吐出装置において用いるための、4つのノズル及び2つの注入口を備える液滴発生器の2つだけを取り出した部分の平面図である。
【図5】本発明の液滴発生器ヘッドにおいて用いるのに適している種々のノズル配列を示しており、具体的には図1に示されるタイプの吸入器内の液滴吐出装置において用いることができるタイプの例示的な液滴発生器のノズルのアレイの一部を取り出した部分の平面図である。
【図6】本発明の液滴発生器ヘッドにおいて用いるのに適している種々のノズル配列を示しており、具体的には本発明による液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分の平面図であり、1つのノズル及び2つの注入口を備える、一対の液滴発生器を具体的に例示する図である。
【図7】例示される本発明による完成した液滴発生器ヘッドを示す、図6の線7−7に沿って見た断面図である。
【図8】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、その中にトレンチが形成されたシリコン基板層を示す図である。
【図9】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、二酸化シリコン層及びポリシリコン再充填材料を示す図である。
【図10】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、余分なポリシリコン再充填材料が除去された後の図9に示されるヘッド断面を示す図である。
【図11】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、抵抗層及び導体層とともに、図10に示されるヘッド断面上に堆積されるTEOS(テトラエチルオルトシリケート)層を示す図である。
【図12】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、パッシベーション層が堆積された後の先行する一連の図面に示される断面を示す図である。
【図13】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、液滴発生器ヘッドの製造時の次のステップ、すなわちタンタル層の堆積を示す図である。
【図14】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、図8ないし図17に示される一連の製造ステップにおける次の層、すなわちチタンの堆積を示す図である。
【図15】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、ノズルオリフィスを形成するステップを示す図である。
【図16】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、流体チャンバの形成を示す図である。
【図17】図6に示される液滴発生器ヘッドの一部を取り出した部分に対応し、液滴発生器ヘッドの製造時の選択された一連のステップを概略的に示す断面図であり、低応力の二酸化シリコン(PECVD TEOS−化学気相成長テトラエチルオルトシリケート)を堆積し、チャンバの形成を完了した後の液滴発生器ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
【0066】
101 液滴発生器
102 オリフィス層
116 基板部材
162 オリフィス
170 チャンバ
212 熱変換器
220 パッシベーション層
230 キャビテーション防止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱変換器を有する基板部材と、
該基板部材に取り付けられ、その中にオリフィスが形成され、前記熱変換器に隣接するチャンバを画定するオリフィス層と、
前記基板部材内にあり、流体の供給源から前記チャンバ内への流体チャネルを画定する流体注入口と、
前記熱変換器上にある、亀裂が入らないパッシベーション層とを備え、該パッシベーション層は約200nm未満の厚みを有している、液滴吐出装置。
【請求項2】
約100nm厚の前記パッシベーション層をさらに備えている、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記パッシベーション層上にキャビテーション防止層をさらに備えている、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記キャビテーション防止層は少なくともタンタルを含んでいる、請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
少なくとも1000個の液滴発生器をさらに備えている、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
液滴吐出装置を製造する方法であって、
(a)熱変換器層を有する基板を配設するステップと、
(b)前記熱変換器層上に、亀裂が入らないパッシベーション層を堆積するステップであって、該パッシベーション層は約200nm未満の厚みを有するような、堆積するステップとを含む、液滴吐出装置を製造する方法。
【請求項7】
前記パッシベーション層上にキャビテーション防止層を堆積するステップであって、該キャビテーション防止層は少なくともタンタルによって画定されるような、堆積するステップを含む、請求項6に記載の液滴吐出装置を製造する方法。
【請求項8】
前記パッシベーション層上に堆積される前記キャビテーション防止層は約0.05μm厚以下である、請求項7に記載の液滴吐出装置を製造する方法。
【請求項9】
前記液滴吐出装置内にオリフィスを形成し、それにより液滴発生器を画定するステップを含む、請求項7に記載の液滴吐出装置を製造する方法。
【請求項10】
前記液滴吐出装置内に、1平方ミリメートル当たり少なくとも約250個のオリフィスの密度でオリフィスを形成するステップを含む、請求項9に記載の液滴吐出装置を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−110544(P2006−110544A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299983(P2005−299983)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】