説明

熱化学プロセス用の誘導機構、ならびにそれに関するシステムおよび方法

熱化学プロセス用の誘導機構、ならびにそれに関するシステムおよび方法を提供する。特定の実施形態による方法は、第1および第2の基台を反応器内に配置するステップであって、各基台が互いに対面する表面を有するステップを含む。方法は、前駆ガスを反応器内に導くステップと、両基台の対面する表面に隣接する誘導コイルを起動するステップであって、それにより前駆ガスを解離するステップとをさらに含み得る。前駆ガスの成分が第1および第2の面上の両方に付着し、各面および/またはその面上に付着した成分から放射された熱が、他方の面および/または他方の面上に付着した成分において受け取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、一般に、熱化学プロセス用の誘導機構、ならびにそれに関するシステムおよび方法を対象とする。特定の実施形態では、誘導技法は、炭化水素を水素と炭素に解離するために使用することができ、炭素は基台上に付着して有用な耐久材の形成に使用され、水素は取り出されて燃料として使用される。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月13日出願の係属中の米国特許仮出願第61/304,403号明細書の優先権を主張する。本出願はまた、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,228号明細書[名称「GAS HYDRATE CONVERSION SYSTEM FOR HARVESTING HYDROCARBON HYDRATE DEPOSITS」]の一部継続出願であり、同出願は、2010年2月13日出願の米国特許仮出願第61/304,403号明細書[名称「FULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCE」]の優先権および特典を主張する。米国特許出願第12/857,228号明細書はまた、以下の出願のそれぞれの一部継続出願である。すなわち、それらは、2010年2月17日出願の米国特許出願第12/707,651号明細書[名称「ELECTROLYTIC CELL AND METHOD OF USE THEREOF」]、2010年2月17日出願のPCT出願PCT/US10/24497明細書[名称「ELECTROLYTIC CELL AND METHOD OF USE THEREOF」]、2010年2月17日出願の米国特許出願第12/707,653号明細書[名称「APPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING NUCLEATION DURING ELECTROLYSIS」]、2010年2月17日出願のPCT出願PCT/US10/24498明細書[名称「APPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING NUCLEATION DURING ELECTROLYSIS」]、2010年2月17日出願の米国特許出願第12/707,656号明細書[名称「APPARATUS AND METHOD FOR GAS CAPTURE DURING ELECTROLYSIS」]、および、2010年2月17日出願のPCT出願PCT/US10/24499明細書[名称「APPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING NUCLEATION DURING ELECTROLYSIS」]であり、それらのそれぞれが以下の出願の優先権および特典を主張する。すなわち、それらは、2009年2月17日出願の米国特許仮出願第61/153,253号明細書[名称「FULL SPECTRUM ENERGY」]、2009年8月27日出願の米国特許仮出願第61/237,476号明細書[名称「ELECTROLYZER AND ENERGY INDEPENDENCE TECHNOLOGIES」、2010年2月13日出願の米国特許仮出願第61/304,403号明細書名称「FULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCE」]である。これら出願のそれぞれは、その全体が参照により援用される。参照により本明細書に援用される上記の出願および/または他のいずれかの資料が本明細書に示される開示と矛盾する限りにおいて、本明細書の開示が優先する。
【0003】
太陽、風、波、落下水、バイオマスをベースとした供給源のような再生可能エネルギー供給源は、重要なエネルギー供給源として極めて大きな可能性を有するが、現時点では、広く採用されるのを妨げる様々な問題を抱えている。たとえば、発電への再生可能エネルギー供給源の使用は、そのエネルギー供給源の利用可能性に依存しており、それは間欠的であり得る。中でも、太陽エネルギーは陽光の利用可能性によって制約され(すなわち日中のみ)、風エネルギーは風の変動性によって制約され、落下水エネルギーは渇水によって制約され、バイオマスエネルギーは季節的変化によって制約される。これらおよび他の要因の結果として、再生可能供給源からの、捕捉されたまたは補足されなかった多量のエネルギーが、無駄になりやすい。
【0004】
エネルギーの捕捉および保存に関する前述の非効率性が、それら非効率性がしばしばエネルギー生成の高コスト化をもたらすので、世界の多くの地域向けに発展し得るエネルギー供給体へ再生可能エネルギー供給源が拡張することを制約している。したがって、少なくとも部分的には、化石燃料に関連する技術開発を支援する政府の助成金および他のプログラムが、その種燃料を使用することを一見好都合で見かけ上費用が掛からないとするので、世界は、主要なエネルギー供給源として石油および他の化石燃料に頼り続ける。同時に、使い果たされた資源に対する代替コスト、ならびに環境劣化、健康への影響、および化石燃料使用による他の副産物についてのコストは、これら燃料から生じるエネルギーの購入価格に含まれていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再生可能エネルギーを継続的に生じさせることに現時点で関連する前述および他の欠点を考慮すると、そのような資源により製品および燃料を製造することに関する効率および商業的成立性を改善する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.概要
化学反応器内で誘導機構により諸成分を処理する装置、システム、および方法のいくつかの例が以下に説明される。そのようなプロセスおよび関連する反応器は、水素燃料および/または他の有用な最終製品を製造するために使用することができる。したがって、それら反応器は清浄燃焼性燃料を生成することができ、ポリマーおよび炭素複合材を含む耐久財に使用するために、炭素および/または他の成分を再利用することができる。以下の説明は、当業者がそれらを実施し、製作し、使用することを可能にするのに十分なように、下記の例の多くの特定の細部を示すが、以下に説明されるいくつかの細部および利点は、本技術の一部の例を実施するために必要ないこともある。さらに、本技術は、特許請求の範囲には包含されるが、ここでは詳細には説明されていない他の例も含み得る。
【0007】
この明細書を通して「一例」、「例」、「一実施形態」、または「実施形態」という言及は、その例に関連して説明されている特定の特徴、構造、プロセス、または特性が、本技術の少なくとも1つの例に含まれていることを意味する。したがって、この明細書を通して様々な箇所で語句「一例では」、「例では」、「一実施形態」、または「実施形態」が現れたとき、必ずしもすべてが同じ例を指す訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、ルーチン、ステップ、または特性は、本技術の1つまたは複数の例において任意の適切な態様で組み合わせることができる。本明細書で示される見出しは、単に便宜的なものであり、特許請求の範囲に記載された技術の範囲または趣旨を限定または説明するものではない。
【0008】
以下で説明される本技術のいくつかの実施形態は、プログラマブルコンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含めて、コンピュータで実行可能な命令の形態を取ることができる。当業者は、本技術が、以下に示され説明されるもの以外のコンピュータまたはコントローラシステム上でも実施することができることを理解するであろう。本技術は、以下に説明される1つまたは複数のコンピュータで実行可能な命令を実行するように固有にプログラムされ、構成され、または構築された専用コンピュータ、コントローラ、またはデータプロセッサで具体化することができる。したがって、本明細書に全般的に使用されている用語「コンピュータ」および「コントローラ」は、あらゆるデータプロセッサを指し、インターネット機器、ハンドヘルドデバイス、多重プロセッサシステム、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス(programmable consumer electronics)、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含み得る。本技術はまた、タスクまたはモジュールが、通信ネットワークを介してリンクされているリモートプロセッシングデバイス(remote processing device)によって実行される分散環境で実施することもできる。以下に説明される本技術の態様は、磁気もしくは光学的に読み取り可能なコンピュータディスクまたはリムーバブルコンピュータディスク、ならびにネットワーク上で電子的に分散された媒体を含めて、コンピュータ可読媒体上に記憶されまたは分散処理することができる。特定の実施形態では、本技術の態様に特有なデータ構造およびデータ伝送もまた、本技術の範囲に包含される。本技術は、特定のステップを実施するためにコンピュータ可読媒体をプログラムする方法、ならびにそれらステップを実行する方法を共に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示技術の実施形態による、バッチモードで作動する、対面する基台を伴う反応器を有するシステムの部分的に概略化された図である。
【図2】本開示技術の別の実施形態による、連続方式で作動するように構成された、対面する基台を伴う反応器を有するシステムの部分的に概略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の実施形態により物質を形成する方法は、第1の基台を反応器内に配置するステップであって、第1の基台が第1の露出面を有するステップを含む。方法は、第2の基台を反応器内に配置するステップであって、第2の基台が、第1の面の方に向く第2の露出面を有するステップをさらに含み得る。前駆ガスが、反応器内に導かれ、誘導コイルを起動することによって解離される。方法は、前駆ガスの成分を第1の面上および第2の面上の両方に付着するステップをさらに含み得る。方法は、第1の面および/または第1の面上に付着した成分から放射された熱を、第2の面および/または第2の面上に付着した成分において受け取るステップをさらに含み得る。第2の面および/または第2の面上に付着した成分から放射された熱は、第1の面および/または第1の面上に付着した成分において受け取られる。この配置は、第1の生成物を形成している間に第1の生成物から放射されるエネルギーを、第2の生成物を形成しながら第2の生成物において受け取ることによって、プロセスを実行するために必要なエネルギーを節約することができる。
【0011】
本技術の特定の実施形態による反応器は、反応領域を有する反応容器と、反応領域の周りに配置された誘導コイルと、反応領域と流体連通に結合された反応体供給源とを備える。反応器は、反応領域に隣接して配置され、第1の基台を支持する第1の基台支持体と、反応領域に隣接して配置され、第1の基台支持体の方に対向する向きに第2の基台を支持する第2の基台支持体とをさらに備える。したがって、反応器は、一方の支持体によって担持される生成物によって射出される放射が他方の支持体によって担持される生成物によって受け取られる付着プロセスを促進することができる。
【0012】
2.代表的反応器および関連する方法
図1は、本開示技術の実施形態によって構成された反応器110を有するシステム100の、部分的に概略化した部分断面図である。この実施形態の一態様では、反応器110は、誘導コイル120によって加熱される反応または誘導領域123を有する反応容器111を備える。誘導コイル120は、適切な電力供給源121に接続された液体冷却式の高周波交流コイルであり得る。反応容器111は、前駆ガス供給源101に接続されて適切な前駆ガスを受け入れる入口ポート112、および使用済みガスおよび/または他の成分を容器111から取り除くために配置された出口ポート113をさらに備え得る。特定の実施形態では、前駆ガス供給源101には、炭化水素ガス(たとえばメタン)が入っており、そのガスは、誘導領域123で炭素と水素に解離される。次いで、炭素は、以下にさらに説明されるように、基台上に付着して生成物を形成し、水素および/または他の成分は、やはり以下にさらに説明されるように、さらに処理するために移送される。
【0013】
反応容器111は、第1の支持面115aを有する第1の支持体114aと、第1の支持面115aの方に向いた第2の支持面115bを有する第2の支持体114bとを収容する。各支持体114a、114bは、前駆ガスの1つまたは複数の成分がその上に付着する基台を担持することができる。たとえば、第1の支持体114aは第1の基台130aを担持し、第2の支持体114bは第2の基台130bを担持することができる。前駆ガスが炭素を付着するように選択された代表的実施形態では、第1および第2の基台130a、130bが、炭素を、たとえばグラファイトまたは鋼の成分の形態で含むこともある。前駆ガスが、異なる付着元素(たとえば窒素および/またはホウ素)を含むとき、第1の基台130aと第2の基台130bとの組成は異なり得る。基台130a、130bのそれぞれは、互いに向かい合い最初は露出している面を有し得る。したがって、第1の基台130aは、第2の基台130bの第2の露出面131bの方に向いた第1の露出面131aを有し得る。各基台130a、130bの残りの表面は、これら表面からの放射損失を防止しまたは大きく制約するために断熱することができる。支持体114a、114bは、基台130a、130bのそれぞれの少なくとも1つの表面を断熱することができる。その他の表面(露出された第1および第2の表面131a、131bを除いて)は、対応する断熱部132によって保護することができる。断熱部132は、適切な高温セラミックまたは他の材料から形成することができる。
【0014】
システム100は、システム100の様々なセンサ、変換器、および他の要素のいずれかから入力信号191を受け取り、これら要素から受け取った情報に応答して、システム100の作動パラメータを調節する信号192を送出するコントローラ190をさらに備え得る。これらパラメータは、とりわけ、ガス状成分が反応容器111に供給され、かつ/またはそこから取り除かれる圧力および流速、誘導コイル120および関連電力供給源121の作動状態、ならびに分離器103(下記で説明される)の作動状態を含み得る。
【0015】
作動に際し、前駆ガス供給源101が誘導領域123にガスを供給し、誘導コイル120が起動され、前駆ガスが、第1および第2の基台130a、130b上に付着する少なくとも1つの成分(たとえば炭素)に解離する。成分は、対応する基台130a、130bの結晶粒の方向を維持するエピタキシャル(epitaxial)プロセスで付着することができる。したがって、付着した成分は、結晶および/または自己組織化構造をやはり有し得る。成分が付着するにつれて、成分は、第1の基台130aに第1の形成構造体または生成物140aを形成し、第2の基台130bに第2の形成構造体または生成物140bを形成する。第1および第2の形成構造体140a、140bは、互いに対面する対応する露出面141a、141bをそれぞれ有する。構造体140a、140bは、選択された実施形態に応じて、同じもしくは異なる断面形状および/または面積を有し得、かつ/または非結晶、単結晶または多結晶組織を有し得る。第1の基台130aの第1の露出面131a、および/または第1の形成構造体140aの第1の露出面141aによって射出された放射(併せて矢印R1によって識別されている)が、第2の形成構造体140bの第2の露出面141b、および/または第2の基台130bの第2の露出面131bで受け取られる。同様に、第2の形成構造体140bの第2の露出面141b、および/または第2の基台130bの第2の露出面131bによって射出される放射(併せて矢印R2によって識別されている)が、第1の形成構造体140a、および/または第1の基台130aで受け取られる。
【0016】
形成構造体140a、140bが成長するにつれて、出口ポート113が開口し、それを通して解離前駆ガスからの残りの成分および/または前駆ガスの非解離量を送り出すことができる。これら成分は、収集システム102に導かれ、そのシステムは、諸成分を2つ以上の流動流に分離するように構成された分離器103を備え得る。たとえば、分離器103は、成分の1つの流れを第1の生成物収集器104aに導き、成分の第2の流れを第2の生成物収集器104bに導くことができる。特定の実施形態では、第1の生成物収集器104aは、純粋または実質的に純粋な水素を収集することができ、その水素は、水素ベースの燃料電池105、または比較的高レベルの純度の水素を必要とする他の装置に送出され得る。第2の生成物収集器104bに導かれた成分の第2の流れは、他の元素または化合物が混合した水素を含み得る。そのような元素または化合物は、メタンもしくは別の未解離前駆ガス、および/または第1の基台130aもしくは第2の基台130b上に付着しなかった炭素(もしくは付着を狙った別の元素または化合物)を含み得る。これら成分は、エンジン106、たとえば水素と他の成分との混合物を燃焼することができるタービンエンジンまたは別のタイプの内燃機関へ導くことができる。エンジン106および/または燃料電池105は、誘導コイル120への電力供給源121を含めて、いくつもの装置へ電力を供給することができる。この実施形態の別の態様では、第2の収集器104bに受け入れられた少なくとも一部の成分(たとえば未解離前駆ガス)を、入口ポート112を経由して反応器110内に導き戻すことができる。
【0017】
前述の配置の利点は、ある表面から射出される放射が、やはり付着を目的とする別の表面によって受け取られることを可能にするように複数の基台を配置することによって、化学的気相成長装置において通常生じる放射損失を回避することができることである。図1に示された特定の実施形態では、2つの基台が示されており、それぞれが、互いに向き合った単一の露出面を有する。他の実施形態では、追加の基台を配置(たとえば図1の面に対して内側および/または外側に横向きに延在する面内に)することができて、追加の形成生成物の露出面が、対応する他方の形成生成物の表面へ熱を放射することが可能になる。
【0018】
前述の配置の別の利点は、その配置が、構造構築ブロックおよび/または建築用構造体、あるいは水素供与体から清浄燃焼性水素燃料を生成するために使用することができることである。前駆ガスが炭化水素を含むとき、建築用構造体は、グラフェンおよび/または別の炭素含有物質、たとえばさらに加工して炭素ベースの複合材もしくは炭素ベースのポリマーを形成することができる物質を含み得る。他の実施形態では、前駆ガスは、その元素を含む構造構築ブロック、および/またはそれら構築ブロックから形成される建築用構造体を形成するためにやはり用いることができるもの以外の他の元素(たとえばホウ素、窒素、硫黄、珪素、および/または遷移金属)を含み得る。適切なプロセスおよび代表的建築用構造体が、それらのすべてが本明細書と同時に出願され、参照により本明細書に援用される共願の以下の米国特許出願にさらに説明されている。すなわち、それらは、米国特許出願[整理番号69545.8601US]明細書[名称「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、米国特許出願[整理番号69545.8701US]明細書[名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」]、米国特許出願[整理番号69545.9002US]明細書[名称「CARBON-BASED DURABLE GOODS AND RENEWABLE FUEL FROM BIOMASS WASTE DISSOCIATION」]である。
【0019】
図1を参照して上記で説明された実施形態の1つの特徴は、その実施形態をバッチプロセスで実施することができることである。たとえば、第1および第2の形成構造体140a、140bのそれぞれは、特定の量だけ成長させ、次いで、反応容器111から取り除くことができる。図2を参照して下記に説明される別の実施形態では、生成物を取り除くために反応を停止する必要なしに、生成物を連続方式で形成することができる。
【0020】
図2は、本開示技術の別の実施形態により連続流れ方式で作動するように構成された反応容器211を有する反応器210を備えるシステム200を示す。この実施形態の一態様では、反応器210は、第1の基台230a(たとえば円筒状基台)を担持する第1の基台支持体214aと、第2の基台230bを担持する第2の基台支持体214bとを備える。各基台230a、230bは、互いに向かい合う、対応する(最初は)露出した表面231a、231bを有する。露出面231a、231bは、図2にその断面が示されている対応する誘導コイル220によって加熱される誘導領域223に配置されている。誘導コイル200によって供給される熱は、場合によっては、追加の熱供給源222、たとえば燃焼器によって補足することができる。解離成分(たとえば炭素)が、基台230a、230bの露出面231a、231b上に付着するにつれて、その成分が、対応する生成物240a、240bを形成し、そのそれぞれが、対応する基台230a、230bの外周まで延在し得る対応する露出面241a、241bを有する。基台230a、230bは、矢印A1およびA2によって示されるように、誘導領域223から互いに反対方向に引き抜かれる。これにより、誘導領域223において、基台230a、230bによって担持された生成物240a、240bの新しく形成された露出面241a、241b上に追加の生成物を形成することが可能になる。この作動を容易にするために、反応器210は、基台230a、230bの対応する1つの周りにそれぞれ配置された対応するシール280a、280bを備え得る。シール280a、280bは、基台230a、230b、および基台によって担持された対応する生成物240a、240bを、反応容器211内に存在するガスに顕著な損失なしに、反応容器211から引き抜くことを可能にする。代表的実施形態では、シール280a、280bは、高温ラビリンスシールを備え得、他の実施形態では、他の構成を備え得る。
【0021】
システム200はまた、反応器210内で発生した熱を再利用する特徴を有し得る。たとえば、システム200は、生成物、および反応容器211から取り除かれる成分から熱を捕捉し、その熱を反応容器211に入る前駆ガスに戻す1つまたは複数の熱交換器250(図2には、第1の熱交換器250a、第2の熱交換器250b、および第3の熱交換器250cとして、3つが示されている)を備え得る。この配置は、誘導領域223を加熱するために誘導コイル220によって必要とされる電力の量を削減する。特定の実施形態では、第1のおよび第2の熱交換器250a、250bはそれぞれ、基台230a、230bの対応する1つ、およびこれら基台の端部に形成される生成物240a、240bと緊密な熱伝達関係に配置されている。第1および第2の熱交換器250a、250bのそれぞれは、熱交換器流体を流す対応する熱交換器コイル251(それらの断面が図2に示されている)を備え得る。熱交換器流体は、1つまたは複数のポンプ255によって流路252を巡って送られる。特定の実施形態では、熱交換器流体は、水/蒸気を含み得、他の実施形態では、他の適切な熱移送媒体を含み得る。熱交換器流体は、第1および第2の熱交換器250a、250bのそれぞれにおいてコイル251の中を通り、そこでその流体は、基台230a、230bおよび付随する生成物240a、240bによって加熱され、この熱を第3の熱交換器250cに供給する。第3の熱交換器250cで、流路252を巡って進む熱交換器流体によって供給された熱は、前駆ガスが前駆ガス供給源201から容器211の入口ポート212への前駆ガス流路253に沿って流れる間に前駆ガスに伝達される。そのような配置は、前駆ガスを解離温度に近い温度まで再生的に加熱する。解離のための追加の熱が、次いで、容器211内の誘導加熱によって供給される。
【0022】
上記で論じたように、解離および付着プロセスは、ガス状生成物、残余および未利用反応体、ならびに他の生成物を生じ得る。これら加熱された成分は、出口ポート213を経由して反応容器211から出て、第3の熱交換器250cを通る生成物流路254に沿って送られる。第3の熱交換器250cにおいて、生成物流路254は、前駆体流路253と緊密な伝達関係に配置され、それにより、反応容器211に入る前駆ガスへ熱を伝達する。
【0023】
反応容器211から取り除かれた生成物は、第3の熱交換器250cから出た後、分離器203を備え得る収集システム202に入る。分離器203は、生成ガスを、たとえば、第1の生成物収集器204aへ送出される第1の生成物と、第2の生成物収集器204bへ送出される第2の生成物とに分離することができる。特定の例では、前駆ガスがメタンを含むとき、第1の生成物収集器204aは純粋な水素を収集することができ、第2の生成物収集器204bは、水素、未解離メタン、および/または未付着炭素の混合物を収集することができる。純粋な水素は、上記で論じたように、たとえば燃料電池のような特定のレベルの水素純度を必要とする発電装置に使用することができる。第2の生成物(たとえば水素およびメタンの混合物)は、同様なレベルの純度を必要としない他の発電装置へ送出することができる。そのような発電装置には、やはり上記で論じたような、タービンエンジンおよび/または内燃機関が含まれ得る。特定の実施形態では、メタンを含有する生成物の少なくとも一部分が、バルブ207を経由して前駆ガス供給源201へ送り戻されて、反応器210で解離される。
【0024】
いくつかの前述の実施形態の一特徴は、それらが、エネルギーおよび/または再生成分を保全する配置を備えることである。たとえば、上記に論じたように、支持体および支持体によって担持される付着生成物の対面する表面同士は、システム内の全体放射熱損失を減少させる。熱交換器は、前述の特徴に加えまたはその代わりに、生成物形成プロセスによって生成された熱を、入って来る反応体へ戻し、システムによって消費されるエネルギーの全体量をやはり減少させることができる。反応器での、耐久財を形成するのに使用される耐久財又は元素以外の生成物は、他の目的、たとえば発電目的に使用することができる。
【0025】
上記により、本技術の特定の実施形態が例示のために本明細書に説明されてきたが、本技術から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。たとえば、他の実施形態では、反応器へ送出される前駆ガスは、メタン以外の炭化水素化合物を含み得る。そのような化合物には、様々な炭化水素燃料および/またはアルコールが含まれ得る。さらに別の実施形態では、前駆体は、水素を含んでいない炭素含有供与体を含み得、さらに別の実施形態では、前駆ガスは、炭素以外の供与体を含み得る。そのような場合、前駆ガスは、窒素または他の化合物を含み、それにより、炭素以外の元素に基づく耐久財または耐久財成分を形成することができる。
【0026】
特定の実施形態に関連して説明された本技術のいくつかの態様は、他の実施形態において組み合わされ、または省略され得る。たとえば、図2に示された連続式流れの実施形態に上記では関連させて説明した熱交換器は、図1を参照して上記で説明したバッチ式流れプロセスにも適用することができる。さらに、本技術のいくつかの実施形態に伴う利点が、それら実施形態に関連して説明されているが、他の実施形態もそのような利点を示し得、また、本開示の範囲に包含されるために、すべての実施形態がそのような利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明らかに示しまたは説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【0027】
これまで本明細書に参照によって援用されなかった範囲に至るまで、本出願は、下記の資料のそれぞれの内容を、それら全体として参照により援用する。すなわち、それらは、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書[名称「SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY, MATERIALS RESOURCES, AND NUTRIENT REGIMES」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書[名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,554号明細書[名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,502号明細書[名称「ENERGY SYSTEM FOR DWELLING SUPPORT」]、2011年2月14日出願の米国特許出願整理番号69545−8505.US00明細書[名称「DELIVERY SYSTEMS WITH IN-LINE SELECTIVE EXTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF OPERATION」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第61/401,699号明細書[名称「COMPREHENSIVE COST MODELING OF AUTOGENOUS SYSTEMS AND PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF ENERGY, MATERIAL RESOURCES AND NUTRIENT REGIMES」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8601.US00]明細書[名称「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8602.US00]明細書[名称「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8603.US00]明細書[名称「CHEMICAL REACTORS WITH RE-RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8604.US00]明細書[名称「THERMAL TRANSFER DEVICE AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14に出願の米国特許出願[整理番号69545−8605.US00]明細書[名称「CHEMICAL REACTORS WITH ANNULARLY POSITIONED DELIVERY AND REMOVAL DEVICES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8606.US00]明細書[名称「REACTORS FOR CONDUCTING THERMOCHEMICAL PROCESSES WITH SOLAR HEAT INPUT, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8611.US00]明細書[名称「COUPLED THERMOCHEMICAL REACTORS AND ENGINES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2010年9月22日出願の米国特許出願第61/385,508号明細書[名称「REDUCING AND HARVESTING DRAG ENERGY ON MOBILE ENGINES USING THERMAL CHEMICAL REGENERATION」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8616.US00]明細書[名称「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8701.US00]明細書[名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」]、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/806,634号明細書[名称「METHODS AND APPARATUSES FOR DETECTION OF PROPERTIES OF FLUID CONVEYANCE SYSTEMS」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8801.US01]明細書[名称「METHODS, DEVICES, AND SYSTEMS FOR DETECTING PROPERTIES OF TARGET SAMPLES」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9002.US00]明細書[名称「SYSTEM FOR PROCESSING BIOMASS INTO HYDROCARBONS, ALCOHOL VAPORS, HYDROGEN, CARBON, ETC.」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9004.US00]明細書[名称「CARBON RECYCLING AND REINVESTMENT USING THERMOCHEMICAL REGENERATION」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9006.US00]明細書[名称「OXYGENATED FUEL」]、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,419号明細書[名称「CARBON SEQUESTRATION」]、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,425号明細書[名称「OXYGENATED FUEL PRODUCTION」]、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9102.US00]明細書[名称「MULTIPURPOSE RENEWABLE FUEL FOR ISOLATING CONTAMINANTS AND STORING ENERGY」]、2010年12月8日出願の米国特許出願第61/421,189号]明細書[名称「LIQUID FUELS FROM HYDROGEN, OXIDES OF CARBON, AND/OR NITROGEN; AND PRODUCTION OF CARBON FOR MANUFACTURING DURABLE GOODS」]、および2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9105.US00]明細書[名称「ENGINEERED FUEL STORAGE, RESPECIATION AND TRANSPORT」]である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を形成する方法であって、
第1の基台を反応器内に配置するステップであって、前記第1の基台は第1の露出面を有するステップと、
第2の基台を前記反応器内に配置するステップであって、前記第2の基台は、前記第1の面の方に向く第2の露出面を有するステップと、
前駆ガスを前記反応器内に導くステップと、
前記第1の面および前記第2の面に隣接する誘導コイルを起動するステップであって、それにより前記前駆ガスを解離するステップと、
前記前駆ガスの成分を前記第1の面上および前記第2の面上の両方に付着するステップと、
(a)前記第1の面および前記第1の面上に付着した前記成分の少なくとも1つから放射された熱を(b)前記第2の面および前記第2の面上に付着した前記成分の少なくとも1つにおいて受け取るステップと、
(a)前記第2の面および前記第2の面上に付着した前記成分の少なくとも1つから放射された熱を(b)前記第1の面および前記第1の面上に付着した前記成分の少なくとも1つにおいて受け取るステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の面以外の、前記第1の基台の他の露出した表面を断熱するステップであって、それにより、前記第1の面を除き、前記第1の基台からの放射を少なくとも制限するステップと、
前記第2の面以外の、前記第2の基台の他の露出した表面を断熱するステップであって、それにより、前記第2の面を除き、前記第2の基台からの放射を少なくとも制限するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前駆ガスを導くステップは、メタンを導くステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
成分を付着するステップは、炭素を付着するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記前駆ガスは水素化合物を含み、
前記方法は、前記化合物から水素を解離するステップをさらに含み、
成分を付着するステップは、前記水素を解離後に残る前記化合物の成分を付着するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水素を前記反応器から取り除くステップと、
前記水素を燃料として供給するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水素を、第1のレベルの純度を有する第1の部分と、前記第1のレベルの純度より低い第2のレベルの純度を有する第2の部分とに分離するステップをさらに含み、
前記第1の部分を用いて燃料電池で電気エネルギーを生成するステップと、
前記第2の部分をエンジンで燃焼するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記成分が前記第1および第2の基台上に付着している間、前記第1の基台および前記第2の基台を前記反応器から連続方式で引き抜くステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
引き抜くステップは、前記第1の基台および前記第2の基台を反対方向に引き抜くステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
引き抜くステップは、
前記第1の基台を前記反応器の第1のシールを通して引き抜くステップと、
前記第2の基台を前記反応器の第2のシールを通して引き抜くステップと、
を含み、それにより、前記反応器からガスが漏れるのを少なくとも制限することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記成分を付着する前記プロセスを停止するステップと、
前記成分を付着する前記プロセスが停止されている間に、前記反応器から前記第1の基台および前記第2の基台を取り外すステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
物質を形成する方法であって、
第1のグラファイト基台を反応器の誘導領域に配置するステップであって、前記第1のグラファイト基台は第1の露出面を有するステップと、
第2のグラファイト基台を前記反応器の前記誘導領域に配置するステップであって、前記第2のグラファイト基台は、前記第1の面の方に向く第2の面を有するステップと、
前記誘導領域内にメタンを導くステップと、
前記誘導領域の周りの誘導コイルを起動するステップであって、それにより、前記メタンを炭素および水素に解離するステップと、
炭素を前記第1の面および前記第2の面上でエピタキシャル的に(epitaxially)成長させるステップと、
(a)前記第1の面および前記第1の面上に成長した前記炭素の少なくとも1つから放射された熱を(b)前記第2の面および前記第2の面上に成長した前記炭素の少なくとも1つにおいて受け取るサブステップと、
(a)前記第2の面および前記第2の面上に成長した前記炭素の少なくとも1つから放射された熱を(b)前記第1の面および前記第1の面上に成長した前記炭素の少なくとも1つにおいて受け取るサブステップと、
前記第1の面以外の前記第1のグラファイト基台のあらゆる表面からの放射を少なくとも制限するサブステップと、
前記第2の面以外の前記第2のグラファイト基台のあらゆる表面からの放射を少なくとも制限するサブステップと、
によって前記誘導領域内で熱を再生するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記第1の基台および前記第2の基台ならびにエピタキシャル的に成長した炭素を、対応する第1のシールおよび第2のシールを通して反対方向に前記反応器から引き抜くステップであって、
それにより、ガスが前記反応器から漏れるのを少なくとも制限するステップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の基台および前記第1の基台上に成長した炭素の少なくとも1つから第1の熱を受け取るステップと、
前記第2の基台および前記第2の基台上に成長した炭素の少なくとも1つから第2の熱を受け取るステップと、
解離した水素を前記誘導領域から取り除くステップと、
前記誘導領域から取り除かれた前記水素から第3の熱を受け取るステップと、
前記第1の熱、前記第2の熱、および前記第3の熱の少なくとも一部分をある量のメタンに伝達するステップと、
解離するために前記量のメタンを前記誘導領域内に導くステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
物質を形成する反応器システムであって、
反応領域を有する反応容器と、
前記反応領域の周りに配置された誘導コイルと、
前記反応領域と流体連通に結合された反応体供給源と、
前記反応領域内に配置され、第1の基台を支持する第1の基台支持体と、
前記反応領域内に配置され、前記第1の基台の方に対向する向きに第2の基台を支持する第2の基台支持体と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記誘導コイルは作動し、前記反応体供給源は反応体を前記反応領域へ送出している間、前記第1の支持体を前記反応領域から引き抜くことができるように配置された第1のシールと、
前記誘導コイルは作動し、前記反応体供給源は反応体を前記反応領域へ送出している間、前記第2の支持体を前記反応領域から引き抜くことができるように配置された第2のシールと、
をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記容器に隣接して配置され、前記第1の支持体が前記反応領域から引き抜かれるにつれて前記第1の支持体を受け入れる第1の熱交換器と、
前記容器に隣接して配置され、前記第2の支持体が前記反応領域から引き抜かれるにつれて前記第2の支持体を受け入れる第2の熱交換器と、
前記反応体供給源と前記反応領域との間に配置された第3の熱交換器と、
前記第1の熱交換器、前記第2の熱交換器、および前記第3の熱交換器の間に結合され、前記第1の熱交換器および前記第2の熱交換器で受け取った熱を、前記第3の熱交換器で反応体へ伝達する熱交換器流路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記反応容器は、前記容器内からガス状の成分を受け入れるように配置された出口ポートを備え、
前記システムは、
前記出口ポートと前記第3の熱交換器との間に接続され、前記第3の熱交換器において熱を前記ガス状の成分から前記反応体へ伝達する生成物流路、
をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記反応容器は、前記容器内からガス状の成分を受け入れるように配置された出口ポートを備え、
前記システムは、
前記出口ポートに接続され、前記出口ポートを通過する他の成分から水素を分離するように配置された分離器、
をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記反応容器は、前記容器内からガス状の成分を受け入れるように配置された出口ポートを備え、
前記システムは、
前記出口ポートに接続され、第1のレベルの純度を有する水素を、前記第1のレベルの純度より低い第2のレベルの純度を有する水素から分離するように配置された分離器
をさらに備える、
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−519621(P2013−519621A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553088(P2012−553088)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024802
【国際公開番号】WO2011/100722
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511201174)マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】