説明

熱収縮チューブ成形体

【課題】自動車のハーネスや電線・ケーブルの接続部分、コンデンサー等の電気絶縁用途の熱収縮チューブに必要充分な強度と剛性と柔軟性を有すると共に、耐熱性、耐熱老化性に優れ、押出成形に適した熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブ成形体を提供する。
【解決手段】ポリエステルブロック共重合体(A)65〜5重量%と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)35〜95重量%とを混合してなる熱可塑性エラストマー100重量部に対して、耐熱剤(C)0.01〜10重量部を配合してなる耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブ

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジンルーム内など高い耐熱性と耐熱老化性が要求される部位に好適に使用できる充分な強度と剛性と柔軟性を有すると共に、耐熱性、耐熱老化性に優れ、押出成形に適した熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブ成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂肪族ポリエーテル単位および/またはポリラクトンのような脂肪族ポリエステル単位をソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体は、強度、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などの機械的性質や、低温、高温特性に優れ、さらに熱可塑性で成形加工が容易であることから、自動車のハーネスや電線・ケーブルの接続部分、コンデンサー等の電気絶縁用途の熱収縮チューブとして広く使用されている。
【0003】
一般的にポリエステルブロック共重合体の柔軟性は、ソフトセグメント比率が多いほど柔軟となる一方、その耐熱性はハードセグメント比率が高いほど良好となる性質がある。この性質により耐熱性の必要な用途では高硬度のポリエステルブロック共重合体が使用され、柔軟性の必要な用途には、耐熱性を犠牲にした低硬度のポリエステルブロック共重合体が使用されている。
【0004】
しかるに、近年では、自動車の高性能化に伴い、エンジンルーム内の発熱が高まると共に、電装部品への耐熱要求が従来以上に増してきたこと、および自動車部品においても環境問題への配慮から、耐熱性と柔軟性を兼ね備えた熱可塑性エラストマーの提供が求められていることから、熱収縮チューブにおいても、更なる耐熱性の向上要求が求められている。
【0005】
しかし、実際には柔軟性と耐熱性の必要な熱収縮チューブ用途には、未だ充分な耐熱性を満足する熱可塑性エラストマーは得られておらず、架橋ポリエチレンやフッ素系ポリマーによる熱収縮チューブが使用されているという状況にあり、柔軟なポリエステルブロック共重合体は耐熱性要求の低い部位への適用に留まっているのが実状である。
【0006】
この様な状況において、近年では、ポリエステルブロック共重合体を使用した、耐熱性と柔軟性を兼ね備えた熱収縮チューブの開発が種々報告されている。
【0007】
例えば、芳香族ポリエステル樹脂とポリステル系エラストマーとからなる熱収縮チューブ(例えば、特許文献1参照)、芳香族ポリステル樹脂とポリステル系エラストマーと大粒径不活性外部粒子からなる熱収縮チューブ(例えば、特許文献2参照)、ポリエチレンテレフタレートと芳香族ポリカーボネートとポリステル系エラストマーと大粒径粒子とからなる熱収縮チューブ(例えば、特許文献3)、およびポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとポリステル系エラストマーとからなる熱収縮チューブ(例えば、特許文献4)が提案されているが、かかる構成では、耐熱性の向上はできても、柔軟性と耐熱性を高いレベルで満足させることはできなかった。
【0008】
また、ポリステルブロック共重合体とエチレン−アクリル酸メチル2元共重合体とからなる樹脂組成物でチューブ成形体を形成した後に電子線照射などで架橋させた熱収縮チューブ(例えば、特許文献5参照)、および分子内に炭素―炭素不飽和結合を有する脂肪族ジカルボン酸をモノマーとして含有するポリエステルブロック共重合体組成物でチューブ成形体を形成した後に電子線照射などで架橋させた熱収縮チューブ(例えば、特許文献6参照)が提案されているが、かかる構成では、耐熱性と柔軟性を両立できたとしても、チューブ成形工程とは別にチューブ成形後に架橋工程が必須であること、環境負荷を低減するリサイクルが困難となることなどの点で、その経済性が劣るという問題があった。
【特許文献1】特開平10−25351号公報(第1〜2頁)
【特許文献2】特開平10−46014号公報(第1〜2頁)
【特許文献3】特開2004−52963(第1〜2頁)
【特許文献4】特開2002−264213(第1〜2頁)
【特許文献5】特開平6−145483(第1〜3頁)
【特許文献6】特開2000−95846(第1〜2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであり、必要充分な強度と剛性と柔軟性を有すると共に、耐熱性、耐熱老化性に優れ、押出成形に適した熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブ成形体の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため本発明によれば、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)65〜5重量%と、ポリアルキレンフタレートポリエステル重合体および/または共重合体(b1)10〜50重量%および架橋可能なポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレン/(メタ)アクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種の(共)重合体(b2)50〜90重量%との混合物を、ラジカル発生剤の存在下に押出成形機内で溶融混合する際に動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)35〜95重量%を混合してなる熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、耐熱剤(C)0.01〜10重量部を配合してなる耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮チューブ成形体が提供される。
【0011】
なお、本発明の熱収縮チューブにおいては、
(A)、(B)、(C)成分に加え、更にポリカーボネート樹脂(D)0〜25重量部および/またはポリフェニレンエーテル樹脂(E)0〜25重量部を配合してなること、
前記ポリエステルブロック共重合体の高融点結晶性重合体セグメント(a1)と低融点重合体セグメント(a2)の重量比が30/70〜95/5であること、
前記ポリアルキレンフタレートポリエステル重合体および/または共重合体(b1)が、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンテレフタレート共重合体、ポリアルキレンイソフタレートのポリエーテルエステルおよびポリアルキレンテレフタレート共重合体のポリエーテルエステルから選ばれた少なくとも1種であること、
前記動的架橋されたポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレン/(メタ)アクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種の(共)重合体(b2)が、ポリアクリレートエラストマーおよび/またはポリエチレンアクリレートエラストマーであること、
前記耐熱剤(C)が、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤からなる群より選ばれた1種または2種以上および/またはポリアミド樹脂からなること、および
上記の耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物を押出成形することによって製造されたものであること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、一層優れた効果の取得を期待することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下に説明するとおり、必要充分な強度と剛性と柔軟性を有すると共に、耐熱性、耐熱老化性に優れ、押出成形に適した熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブ成形体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a1)は、主として芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから形成されるポリエステルであり、芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−4,4' −ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4' −ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、および3−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられる。主として芳香族ジカルボン酸を用いるが、必要によっては、芳香族ジカルボン酸の一部を、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4' −ジシクロヘキシルジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸や、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、およびダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸に置換してもよい。ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、たとえば低級アルキルエステル、アリールエステル、炭酸エステル、および酸ハロゲン化物などももちろん同等に用い得る。
【0015】
ジオールの具体例としては、分子量400以下のジオール、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール、およびキシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニルプロパン、2,2' −ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4' −ジヒドロキシ−p−ターフェニル、および4,4' −ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールが好ましく、かかるジオールは、エステル形成性誘導体、例えばアセチル体、アルカリ金属塩などの形でも用い得る。
【0016】
これらのジカルボン酸、その誘導体、ジオール成分およびその誘導体は、2種以上併用してもよい。そして、好ましい高融点結晶性重合体セグメント(a1)の例は、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと、1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位である。また、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位からなるものも好ましく用いられる。
【0017】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)は、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステル である。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールなどが挙げられる。また、脂肪族ポリエステル としては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステル のなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からは、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、およびポリエチレンアジペートなどの使用が好ましく、これらの中でも特にポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールの使用が好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(a2)の共重合量は、通常、5〜90重量%、好ましくは7〜85重量%である。
【0019】
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)は、公知の方法で製造することができる。その具体例としては、例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、およびジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法などのいずれの方法をとってもよい。また、樹脂の粘度を向上させるため、溶融重合後に固相重合を行うことはもちろん望ましいことである。
【0020】
このようなポリエステル系エラストマーの市販品としては、三菱化学株式会社製「プリマロイ」、東洋紡績株式会社製「ペルプレン」、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」等がある。
【0021】
本発明に用いられる動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)は、10〜50重量%のポリアルキレンフタレートポリエステル重合体および/または共重合体(b1)と、50〜90重量%の架橋可能なポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレン/(メタ)アクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種の(共)重合体(b2)との混合物を、ラジカル発生剤の存在下に押出成形機内で溶融混合する際に動的架橋させたものである。
【0022】
この場合に、ポリアルキレンフタレートポリエステル(共)重合体(b1)が10重量%未満では、ポリアルキレンフタレートポリエステル(共)重合体が連続相とならず、射出成形や押出成形等の熱加工性が著しく低下するため好ましくない。また、ポリアルキレンフタレートポリエステル(共)重合体(b1)が50重量%を超えると、耐熱水性、耐候性、耐熱性と柔軟性のバランスが低下するため好ましくない。
【0023】
ポリアルキレンフタレートポリエステル(共)重合体(b1)と、(共)重合体(b2)との動的架橋には、公知の方法を利用することができる。この動的架橋熱可塑性エラストマー(B)の形成方法としては、例えば、ポリアルキレンフタレートポリエステル(共)重合体(b1)と、(共)重合体(b2)と、適切な量の架橋剤としてラジカル発生剤、例えば2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシベンゾネート等と、架橋助剤、例えばジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、N,N’-m-フェニレンジマレイミド、トリアリルイソシアネート等の有機ジエン系架橋助剤と、酸化防止剤、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N、N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等、なかでも特に好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤等とを、押出成形機または射出成形機で溶融混練する時に動的架橋させる方法が使用できる。
【0024】
本発明に使用される動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)に用いられるポリアルキレンフタレートポリエステルまたはその共重合体(b1)は、高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体であり、高融点結晶性重合体セグメント(a1)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステル であり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルなどの芳香族ジオールなどとから誘導されるポリエステル 、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステル であっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
【0025】
これらのジカルボン酸及びその誘導体またはジオール成分を2種以上併用してもよい。そして好ましい高融点結晶性重合体セグメントの例は、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位である。また、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレーと1,4−ブタンジオールトとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位からなるものも好ましく用いられる。
【0026】
また、ポリエステルブロック共重合体の低融点重合体セグメントは、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステル である。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールなどが挙げられる。また、脂肪族ポリエステル としては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステル のなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からは、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、およびポリエチレンアジペートなどの使用が好ましく、これらの中でも特にポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールの使用が好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
【0027】
本発明に使用される動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)に用いられるポリエステルブロック共重合体における低融点重合体セグメントの共重合量は、好ましくは15〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%の範囲である。
【0028】
本発明に使用される動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)に使用される(共)重合体(b2)は、アクリル系ゴムであり、その架橋体は一つ以上のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、さらにはそれら混合物の共重合体、またはエチレンと一つ以上のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルまたはそれら混合物の共重合体から生成された線状共重合体である。アクリルゴムはエチレンを主成分とし、アクリレートは6.5モル%でも架橋し得るが、圧縮永久歪みの観点からアクリレートは20モル%以上であることが好ましい。また、ポリ(メタ)アクリレートとポリエチレン/(メタ)アクリレートは、本来有機過酸化物と有機ジエン系架橋助剤により架橋可能な線状共重合体であり、特に架橋に必要な第三モノマーを必要としないが、フリーラジカル開始剤による動的架橋で到達する架橋度に影響を与えない範囲内であれば架橋サイトモノマーを添加することもできる。
【0029】
本発明に使用される動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)に用いられる未架橋アクリルゴムとしては、エチレンと一つ以上のアクリル酸、メタクリル酸またはその混合物のアルキルエステル、例えばアルキルアクリレートが40〜60重量%である共重合体が好ましい。
【0030】
本発明に使用される動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)の製造方法は、公知の方法で製造することができる。例えば、予めポリアルキレンフタレートポリエステル重合体および/または共重合体(b1)を含む熱可塑性樹脂成分と、未架橋アクリルゴムからなるゴム成分とを、2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成する熱可塑性樹脂中にゴム成分を分散相(ドメイン)として分散させる。次に、ゴム成分を架橋するには、混練下で架橋剤(フリーラジカル発生剤)と有機ジエン系架橋助剤とを添加し、ゴム成分を動的に架橋させる。また、熱可塑性樹脂またはゴム成分への各種配合剤は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。この際、架橋剤も予めゴム成分中に混合しておき、熱可塑性樹脂とゴム成分を混練中に、加硫を同時に行うこともできる。熱可塑性樹脂とゴム成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。なかでも熱可塑性樹脂とゴム成分の混練およびゴム成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。
【0031】
このようにして得られた動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)は、少なくとも一部が連続相となる熱可塑性樹脂相に、少なくとも一部が不連続相となる加硫ゴム相が微細に分散した状態となるため、この動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)は、架橋ゴムと同様の挙動を示し、かつ、少なくとも連続相が熱可塑性樹脂相であるため、その成形加工に際しては、熱可塑性樹脂に準じた加工が可能である。このような動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)の市販品としては、デュポン(Du Pont)社製「Du Pont TM ETPV」等がある。
【0032】
これらポリエステルブロック共重合体(A)と動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)との配合割合は、(A)/(B)が65〜5重量%/35〜95重量%、特に60〜10重量%/40〜90重量%とするのが好ましく、(B)が上記の範囲未満では耐熱性と柔軟性と押出加工性のバランスを高い水準に保つ事ができない、また上記の範囲を超えると流動性が低下し、押出加工性に劣るため好ましくない。
【0033】
本発明に用いられる耐熱剤(C)としては、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤からなる群より選ばれた1種、または2種以上および/または、ポリアミド樹脂が挙げられる。
【0034】
芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニルナフチルアミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、および4−イソプロポキシジフェニルアミンなどが挙げられるが、これらの中でもジフェニルアミン系化合物の使用が好ましい。
【0035】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの中でも特にテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものの使用が好ましい。
【0036】
イオウ系酸化防止剤とは、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、およびチオジプロピオンエステル系などのイオウを含む化合物である。これらの中でも、特にチオジプロピオンエステル系化合物の使用が好ましい。
【0037】
リン系酸化防止剤とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、およびジアルキルビスフェノールAジホスファイトなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物、あるいは分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物の使用が好ましい。
【0038】
ポリアミド樹脂とは、分子鎖中にアミド結合を有する高分子化合物であり、ラクタムからの重合体や、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などと、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミンなどとの反応により得られる塩の重合体、または、ω−アミノカルボン酸からの重合体などが挙げられる。これらのポリアミド樹脂は共重合体でも良いし、異なる重合体を2種類以上組み合わせて使用してもよい。これらのポリアミド樹脂の中でも、ナイロン6および/または2元あるいは3元以上の共重合ポリアミド樹脂を用いた場合に、さらに高い効果が得られる。
【0039】
これらの耐熱剤(C)の合計配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)と動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)とを混合してなる熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜7重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
【0040】
耐熱剤(C)の合計配合量が0.01重量部未満では、目的とする改良効果の得られる度合いが小さく、また10重量部を超えると、ブルーミングを生じたり、熱可塑性エラストマーの機械的強度を低下させたりするため好ましくない。
【0041】
本発明のポリエステルブロック共重合体(A)と動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)とを混合してなる熱可塑性エラストマー組成物には、さらにポリカーボネート樹脂(D)および/またはポリフェニレンエーテル樹脂(E)を添加することにより耐熱性、強度・剛性、加工性、熱収縮特性などと柔軟性をより高いレベルでバランスさせることができる。
【0042】
ポリカーボネート樹脂(D)は、公知のポリカーボネート樹脂であり、好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂、更に好ましくは二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂である。これらは公知の重合方法、例えば溶液法、溶融法により得ることがきる。
【0043】
二価フェノールは、例えばビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物であり、好ましくはビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等があげられる。特に好ましくはビスフェノールAである。二価フェノールは単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0044】
カーボネート前駆体は、例えばカルボニルハライド、カーボネート、ハロホルメートであり、代表的な具体例としてはホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
また、芳香族カーボネートの製造に際して適当な分子量調整剤、分岐剤、触媒などを使用することができる。
【0046】
ポリカーボネート樹脂(D)の配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)と動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)とを混合してなる熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0〜25重量部、好ましくは0〜20重量部である。ポリカーボネート樹脂(D)の配合量が25重量部を超えると、熱可塑性エラストマーの本来有している柔軟性やゴム弾性が損なわれることになるため好ましくない。
【0047】
ポリフェニレンエーテル樹脂(E)とは、具体的にはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルなどが例示できるが、特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6ージメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体およびこれらにスチレンをグラフト重合したグラフト共重合体等が好ましい。また、該ポリフェニレンエーテル と不飽和脂肪族カルボン酸もしくはその酸無水物を反応させて得られる変性ポリフェニレンエーテルも使用できる。
【0048】
ポリフェニレンエーテル樹脂(E)の配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)と動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)とを混合してなる熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0〜25重量部、好ましくは0〜20重量部である。ポリフェニレンエーテル樹脂(F)の配合量が25重量部を超えると、熱可塑性エラストマーの本来有している柔軟性やゴム弾性が損なわれることになるため好ましくない。
【0049】
さらに、本発明の耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物には、上記添加剤(C)〜(E)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤を添加することができる。例えば公知の結晶核剤や滑剤などの成形助剤、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系化合物である耐光剤、耐加水分解改良剤、顔料や染料などの着色剤、帯電防止剤、導電剤、ハロゲン系やリン系や金属水和物等の難燃剤、ガラス繊維や炭素繊維などの補強材、ミネラル粒子などの充填材、可塑剤、ワックスなど離型剤などを任意に含有することができる。
【0050】
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体(A)と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)に所定の耐熱剤(C)を配合した原料、あるいはポリエステルブロック共重合体(A)と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)に所定の耐熱剤(C)とポリカーボネート樹脂(D)および/またはポリフェニレンエーテル樹脂(E)を配合した原料を、スクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まずポリエステルブロック共重合体(A)と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B)を供給して溶融し、さらに他の供給口より耐熱剤(C)や他の配合物を供給して混練し、さらに他の供給口よりポリカーボネート樹脂(D)および/またはポリフェニレンエーテル樹脂(E)を供給混練する方法などを適宜採用することができる。
【0051】
また、本発明の熱収縮チューブの製造方法としては、リングダイを用いて未延伸チューブを押出成形し、ついで延伸して熱収縮性チューブとする方法が好ましい方法として挙げられる。その他、TダイやIダイを用いて押出・延伸したシートを融着、溶着または接着により貼合せてチューブ状とする方法、さらに前記シートをスパイラル状に貼合せてチューブ状とする方法などがある。
【0052】
ここで、リングダイを用いて未延伸チューブを押出成形し、ついで延伸して熱収縮性チューブとする方法をさらに詳細に説明する。前記した耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、溶融押出装置により融点以上の温度に加熱溶融され、リングダイから連続的に押し出した後、強制的に冷却され未延伸チューブに成形される。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方法、冷却風による方法等を用いることができる。中でも低温の水に浸漬する方法は冷却効率が高く有効である。この未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよく、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロールを次の延伸工程の原反として用いてもよい。製造効率や熱効率の点から未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給する方法が好ましい。
【0053】
このようにして得られた未延伸チューブは、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、二軸延伸する。延伸法は特に限定されるものではないが、例えば未延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水または赤外線ヒーター等により予熱し、径方向の延伸倍率を規制する延伸温度に加熱した延伸管の中に入れ二軸延伸を行う。延伸管の適当な位置で延伸される様に温度条件等を設定する。延伸後冷却し、一対のニップロールで挟んで延伸圧力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻取られる。延伸は、長さ方向または径方向のいずれの順序でもよいが、同時に行なうのが好ましい。
【0054】
長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決められ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持する方法も採用できる。
【0055】
このようにして得られた熱収縮チューブ成形体は、特にその硬度、強度・剛性、耐熱性が優れることから好ましく適用される。
【実施例】
【0056】
以下に、実施例および比較例により本発明をより詳しく説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、この発明の要旨の範囲内で、適宣変更して実施することができる。
【0057】
なお、以下の実施例でいう部および%は、特に断らない限りは重量単位を示す。
【0058】
また、以下の実施例における耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブの耐熱老化性、および押出成形性の評価は、次の方法により行った。
【0059】
[耐熱老化性]
本発明の耐熱熱可塑性エラストマー組成物ペレットを90℃で3時間以上熱風乾燥した後に、φ30単軸押出成形機を用いて、200〜240℃の温度条件で、水冷バキュームサイジングを用いて、外径φ10mm、内径φ9mmの未延伸チューブを成形した。この未延伸チューブを95℃温水浴に導入し、内径16mmφの延伸管を使用し、圧縮空気によりチューブに内圧を掛けながら延伸し、延伸熱収縮チューブを得た。この延伸熱収縮チューブに外径16mmのアルミパイプ管を挿入し、160℃の熱風オーブンに500時間放置した後取り出し、カッターなどで切り開いた後にJIS K 7113 小形試験片を打ち抜き小型試験片を得た。この打ち抜かれた小型試験片をJIS K 7113に従って引張特性を測定し、○:引張破断伸び50%以上、×:引張破断伸び50%未満のランクで評価した。
【0060】
[押出成形性]
本発明の耐熱熱可塑性エラストマー組成物ペレットを90℃で3時間以上熱風乾燥した後に、φ30単軸押出成形機を用いて、200〜240℃の温度条件で、水冷バキュームサイジングを用いて、外径φ10mm、内径φ9mmの未延伸チューブを成形した。この未延伸チューブを95℃温水浴に導入し、内径16mmφの延伸管を使用し、圧縮空気によりチューブに内圧を掛けながら延伸し、延伸熱収縮チューブを得た。この延伸熱収縮チューブ成形品の肉厚を測定した。
○:チューブの偏肉量が0.1mm以下、×:チューブの偏肉量が0.1mm超のランクで評価した。
【0061】
[ポリエステルブロック共重合体(A−1)の製造]
テレフタル酸302部、1,4−ブタンジオール327部および数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール216部を、チタンテトラブトキシド0.15部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレットとした。取り出したペレットは次いで固相重合に供した。
【0062】
[ポリエステルブロック共重合体(A−2)の製造]
テレフタル酸348部、1,4−ブタンジオール340部および数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール645部を、チタンテトラブトキシド0.15部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレットとした。取り出したペレットは次いで固相重合に供した。
【0063】
[ポリエステルブロック共重合体(A−3)の製造]
テレフタル酸384部、1,4−ブタンジオール416部および数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール101部を、チタンテトラブトキシド0.15部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜230℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレットとした。取り出したペレットは次いで固相重合に供した。
【0064】
このようにして得られたポリマA−1、A−2、A−3の組成と物性を表1に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
[動的架橋熱可塑性エラストマー(B―1)の製造]
エチレンと63重量%のメチルアクリレートを共重合させて得られたポリエチレン/アクリレートエラストマー(例えば、デュポン社製 ベイマック)100部を、45mmφのスクリューを有する2軸押出機前段部へ定量的にフィードし、100〜130℃の温度下で混練した。その後、架橋剤(パーオキサイド架橋剤:例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3)2.9部と助剤(有機ジエン系架橋助剤:例えば、ジメチレングリコールジメタクリレート)4.3部とを2軸押出機へポンプにて定量的に添加した。次にバレル温度を240〜250℃に昇温させた2軸押出機中段部にポリエステルブロック共重合体(A−1)33部と”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を予めドライブレンドした配合物をフィーダーにて定量的に2軸押出機へフィードしながら、前段部で混練したポリエチレン/アクリレートエラストマー溶融物と混合し、混練しながらポリエチレン/アクリレートエラストマーを架橋させると同時にその後段部で強力に混練・分散させた。更に最後段部にて脱揮処理をした後三穴ストランドダイを通して押出機より排出し、水冷後カッティングを行ってペレットとした。
【0067】
この様にして得られた動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物の融点は、207℃、硬度は60Aであった。
【0068】
[動的架橋熱可塑性エラストマー(B―2)の製造]
エチレンと63重量%のメチルアクリレートを共重合させて得られたポリエチレン/アクリレートエラストマー(例えば、デュポン社製 ベイマック)100部を、45mmφのスクリューを有する2軸押出機前段部へ定量的にフィードし、100〜130℃の温度下で混練した。その後、架橋剤(パーオキサイド架橋剤:例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3)2.9部と助剤(有機ジエン系架橋助剤:例えば、ジメチレングリコールジメタクリレート)4.3部とを2軸押出機へポンプにて定量的に添加した。次にバレル温度を240〜250℃に昇温させた2軸押出機中段部にポリエステルブロック共重合体(A−3)100部と”イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を予めドライブレンドした配合物をフィーダーにて定量的に2軸押出機へフィードしながら、前段部で混練したポリエチレン/アクリレートエラストマー溶融物と混合し、混練しながらポリエチレン/アクリレートエラストマーを架橋させると同時にその後段部で強力に混練・分散させた。更に最後段部にて脱揮処理をした後三穴ストランドダイを通して押出機より排出し、水冷後カッティングを行ってペレットとした。
【0069】
この様にして得られた動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物の融点は、215℃、硬度は95Aであった。
【0070】
[耐熱剤]
下記実施例において使用した酸化防止剤(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)および(C−5)の略号と構造式を表2に示す。また、ポリカプロラクタムとポリヘキサメチレンアジパミドの組成比が約65/35からなる共重合体(ポリアミド樹脂(C−6))、およびポリカプロラクタムとポリヘキサメチレンアジパミドおよびポリヘキサメチレンセバカミドの組成比が約45/35/20からなる3元共重合体(ポリアミド樹脂(C−7))を製造した。
【0071】
更に、ポリアミド樹脂(C−8)として、東レ株式会社製 アミラン CM1016を使用した。
【0072】
【表2】

【0073】
[ポリカーボネート樹脂]
ポリエステル樹脂(D−1)として、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 ユーピロン S−2000Rを使用した。
【0074】
[ポリフェニレンエーテル樹脂]
ポリフェニレンエーテル樹脂(E−1)として、旭化成ケミカル株式会社製 ザイロン X9108を使用した。
【0075】
(実施例1〜11)
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B−1)、(B−2)に、耐熱剤(C)とポリカーボネート樹脂(D−1)および/またはポリフェニレンエーテル樹脂(E−1)を、いずれも表3に示すような配合比率でドライブレンドし、45mmφのスクリューを有する2軸押出機を用いて、220℃〜240℃の温度設定で溶融混練したのちペレット化した。このペレットを80℃で6時間乾燥し、熱可塑性エラストマーペレットを得た。この熱可塑性エラストマーペレットを用い、所定の条件にて、耐熱老化性、押出成形性を評価した。これらの結果を表3に示す。
【0076】
(比較例1〜10)
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B−1)、(B−2)の樹脂組成物の原料を表3に示した各配合比率でドライブレンドし、実施例1と同様にペレット化を行った。これらのペレットと、参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)と、動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物(B−1)、(B−2)そのものから、実施例と同様条件にて成形し、同様に評価した。これらの結果を表3に併せて示す。
【0077】
【表3】

【0078】
表3の結果から明らかなように、ポリエステルブロック共重合体と動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物を混合してなる熱可塑性エラストマーに、耐熱剤(芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤の一種以上とおよび/またはポリアミド樹脂)を配合した本発明の耐熱熱可塑性エラストマ樹脂組成物(実施例1、2、5〜11)は、押出成形性に優れると共に、それからなる熱収縮チューブの耐熱老化性も優れている。また、ポリエステルブロック共重合体と動的架橋された熱可塑性エラストマー組成物を混合してなる熱可塑性エラストマーに、耐熱剤(芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤の一種以上とおよび/またはポリアミド樹脂)と、さらにポリカーボネート樹脂および/またはポリフェニレンエーテル樹脂を配合した本発明の耐熱熱可塑性エラストマ樹脂組成物(実施例3、4)は、押出成形性に優れると共に、それからなる熱収縮チューブの耐熱老化性も優れている。
【0079】
一方、本発明の条件を満たさない比較例1〜10の樹脂組成物およびそれからなる熱収縮チューブは、本発明の樹脂組成物およびそれからなる熱収縮チューブに比較して、耐熱老化性、押出成形性のいずれかまたは全てが劣っている。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブは、上記した通り熱収縮チューブとしての充分な耐熱性と押出成形性を持つことから、自動車部品、電機機器、工業用品等の特に柔軟且つ耐熱性の必要な熱収縮チューブ製品に好適である。
【0081】
特に、本発明の耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる熱収縮チューブ成形体は、柔軟性と従来以上の耐熱寿命を兼ね備えていることから、自動車、電機機器、工業用途において広く応用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)65〜5重量%と、ポリアルキレンフタレートポリエステル重合体および/または共重合体(b1)10〜50重量%および架橋可能なポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレン/(メタ)アクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種の(共)重合体(b2)50〜90重量%との混合物を、ラジカル発生剤の存在下に押出成形機内で溶融混合する際に動的架橋された熱可塑性エラストマー(B)35〜95重量%を混合してなる熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、耐熱剤(C)0.01〜10重量部を配合してなる耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮チューブ成形体。
【請求項2】
前記熱可塑性エラストマー組成物100重量部対して、更にポリカーボネート樹脂(D)0〜25重量部および/またはポリフェニレンエーテル樹脂(E)0〜25重量部を配合してなることを特徴とする請求項1記載の熱収縮チューブ成形体。
【請求項3】
前記ポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a1)と低融点重合体セグメント(a2)の重量比が30/70〜95/5であることを特徴とする請求項1または2記載の熱収縮チューブ成形体。
【請求項4】
前記ポリアルキレンフタレートポリエステル重合体および/または共重合体(b1)が、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンテレフタレート共重合体、ポリアルキレンイソフタレートのポリエーテルエステルおよびポリアルキレンテレフタレート共重合体のポリエーテルエステルから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱収縮チューブ成形体。
【請求項5】
前記動的架橋されたポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレン/(メタ)アクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種の(共)重合体(b2)が、ポリアクリレートエラストマーおよび/またはポリエチレンアクリレートエラストマーであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の熱収縮チューブ成形体。
【請求項6】
前記耐熱剤(C)が、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤からなる群より選ばれた1種または2種以上および/またはポリアミド樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の熱収縮チューブ成形体。
【請求項7】
前記耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物を押出成形することによって製造されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の熱収縮チューブ成形体。

【公開番号】特開2009−204097(P2009−204097A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47841(P2008−47841)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000219266)東レ・デュポン株式会社 (288)
【Fターム(参考)】