説明

熱収縮フィルムおよびこのフィルム内に包まれる物品

本発明は、物品を包むための熱収縮フィルムに関し、この熱収縮フィルムは、上表面および下表面を有するコア層、このコア層の上表面上の第一のスキン層、ならびにこのコア層の下表面の下に重なる第二のスキン層を備える。このコア層は、(i)少なくとも1つのポリテルペンと、(ii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーとのブレンドを含有し、このフィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年12月23日に出願された、米国仮出願番号60/638,490の利益を主張する。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、高い収縮および低い収縮張力を、高い幅方向(CD)引張弾性率および高いCD屈曲抵抗または堅さと組み合わせて有する、熱収縮フィルムに関する。より特定すると、本発明は、物品(例えば、電池、液体および粉末の食品および飲料の容器、ならびに不規則な形状の容器(玩具および容器のような、熱収縮の梱包および/またはラベル付けを必要とするもの))を包む際に有用な、熱収縮フィルムに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
収縮フィルムは、多年にわたって、物品を包むために使用されている。収縮フィルムは、滑らかな一貫したコーティングを提供するために充分に収縮し得なければならない。以前は、収縮フィルムは、ポリオレフィンおよびポリオレフィンブレンドであった。これらは、過去においても現在においても、物品を保護および保管するために、食品および梱包企業において、広範に使用されている。収縮フィルムはまた、容器にラベルを付けるために使用されている。初期には、ラベル付け作業は、熱収縮フィルムの管またはスリーブの形成を必要とするプロセスまたは方法を使用して、実施された。この管またはスリーブが、次いで、容器を覆って配置され、そしてこのフィルムを収縮させてこの容器の大きさおよび形状に一致させるために、加熱された。
【0004】
より最近の梱包プロセスは、予め形成されたスリーブを必要とせず、そしてフィルム材料の連続ロールから容器上への、直接のフィルムの適用を可能にする。高速連続運転は、一般に、二軸延伸ポリプロピレン収縮フィルムを使用する。このようなポリプロピレン収縮フィルムは、ASTM Method D 2732およびASTM Method D 1204に従って試験すると、約25%まで収縮する能力を有する。しかし、15%〜75%のうちのいずれかの収縮を得ることが、しばしば望まれる。
【0005】
ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムは、約40%の認容可能な収縮を提供する。しかし、このようなPVC収縮フィルムは、充分な熱安定性を有さない。収縮フィルムの形成後、このフィルムは、永続的には収縮しない。しばしば、このフィルムは、形成後に比較的高い温度に(例えば、輸送において)曝露される。収縮フィルムは、便または物品への熱の適用まで、収縮しないことが望ましい。PVC収縮フィルムの別の欠点は、PVCフィルムの潜在的な、環境に対する影響である。オゾン層に対するハロゲンの有害な影響に関する問題は、ハロゲンを含まない収縮フィルムを提供することの努力をもたらしている。
【0006】
さらなる問題として、高速連続運転は、容器とラベルとの間に充分な結合を形成する接着剤の使用を必要とする。より具体的には、この結合は、熱収縮工程の間にその繋ぎ目において分離しないようでなければならない。この結合はまた、適用の間に発泡もせずフィルムに皺もつけない、滑らかなパッケージを形成するべきである。望まれる収縮のレベルが増加すると、高速適用において使用される接着剤は、認容可能な外観(例えば、ひずみがない)を維持しながら、充分な結合を提供し得なければならない。この接着剤は、使用される特定の収縮フィルム材料と適合性でなければならない。
【0007】
ポリオレフィンおよびポリオレフィンフィルムブレンドに関する1つの問題は、フィルムへの印刷が困難であることである。印刷が成功するためには、このフィルムは、印刷を受け入れる表面を提供しなければならない。さらに、フィルムは、印刷プロセスの厳しさに絶えるために充分な引張弾性率を有さなければならない。多くのポリオレフィンフィルムは、グラビア印刷に耐える引張強度を有さない。このフィルムを一軸方向または二軸方向に延伸することにより、このフィルムの引張強度および堅さは、印刷プロセスに耐えるために充分に増加し得るが、収縮プロセスの間の、このフィルムの物品への適合性は、減少する。
【0008】
外観および構造的欠損にもまた、収縮フィルムが遭遇する。収縮フィルムが、円柱形物品(例えば、電池または液体飲料容器)を包むために使用される場合、このフィルムは、この物品を囲むために充分に収縮しなければならない。このような物品を包むことに関する共通の問題は、端部に襞が寄ることである。襞の寄りは、収縮フィルムが電池の端部で滑らかに包むフィルムを提供するために充分には収縮しない場合に、起こる。フィルムが折れ曲がって、「襞」を形成する。この襞の寄りは、消費者および製造業者にとって、認容不可能である。さらに、収縮フィルムは、フィッシュアイ欠損を有し得る。フィッシュアイ欠損とは、このフィルムの明らかに局在した均質な収縮に起因して、このフィルム上に形成し得る小さい円形の気泡またはリッジである。
【0009】
「襞」および「フィッシュアイ」に加えて、収縮フィルムにおける高い収縮力または収縮張力は、フィルムによる接着剤のせん断をもたらし得、その結果、接着の繋ぎ目が、同一面でなくなる。このことは、低せん断強度の接着剤の場合に、問題の収縮温度において起こるか、または収縮ラベル自体に対して小さい断面積の接着剤が塗布される場合に起こる。部分的かまたは完全な接着の失敗は、収縮フィルムの発生する力が、接着剤のせん断強度を超える場合に起こり得る。極端な状況においては、繋ぎ目の激しい引っ張りおよび摘みが、この繋ぎ目に引き裂きをもたらし、そして収縮フィルムが望ましいパッケージを覆う収縮の失敗をもたらす。以前には、収縮張力は、多量の1−ポリブテンの使用によって、制御されていた。収縮張力は、ASTM Method D2838によって測定される。しかし、この使用は、収縮張力を制御するが、製造費用を増加させる。この使用はまた、特定のポリオレフィンと組み合わせられる場合に、フィルムのヘーズおよび弾性率に、不利な影響を与える。このことにより、フィルムのヘーズが望ましいよりも高くなり、そして弾性率が、加工するためには低くなりすぎる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、高い収縮(例えば、少なくとも25%の収縮)を提供し、一方で、高いCD弾性率、極限CD引張堅さおよび屈曲硬さを与える、フィルムを有することが望ましい。高い収縮張力に感受性である用途において、フィルムの収縮力または収縮張力を最小にすることもまた、望ましい。望ましいフィルムは、物品を滑らかに包み、そして端部の皺寄りおよび接着繋ぎ目のせん断を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、物品を包むための多層熱収縮フィルムに関し、このフィルムは、上表面および下表面を有するコア層、このコア層の上表面上の第一のスキン層、およびこのコア層の下表面の下に重なる第二のスキン層を備え、このコア層は、(i)少なくとも1種のポリテルペンと、(ii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーとのブレンドを含有し、このフィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である。
【0012】
別の局面において、本発明は、物品を包むための熱収縮フィルムに関し、このフィルムは、(i)ポリプロピレンのホモポリマーと、(ii)少なくとも1種のポリテルペンと、(iii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーとのブレンドを含有し、このフィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である。
【0013】
なお別の局面において、本発明は、物品を包むための多層熱収縮フィルムに関し、このフィルムは、上表面および下表面を有するコア層、このコア層の上表面の上に重なる第一のスキン層、ならびにこのコア層の下表面の下に重なる第二のスキン層を備え、このコア層は、(i)ポリプロピレンのホモポリマーと、(ii)少なくとも1種のポリテルペンと、(iii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーとのブレンドを含有し、このフィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、熱収縮フィルムおよびこのフィルムから製造されるラベルに関する。これらのフィルムおよびラベルは、特定の用途での使用のために望ましい低い収縮張力で、約15%から約75%までの収縮を有する。この収縮は、ASTM Method D1204によって決定される。これらのフィルムは、1つの局面において、機械加工の方向で延伸され得る(例えば、一軸延伸)。別の局面において、このフィルムは、二軸延伸され得る。このフィルムは、単層フィルムであっても、2つ以上の層を含む多層フィルムであってもよい。このフィルムは、代表的に、約0.5ミル〜約12.0ミルの厚さを有する。この箇所ならびに本明細書および特許請求の範囲の他の箇所において、範囲および比の限界値は、組み合わせられ得る。
【0015】
用語「上に重なる」および同一語源の用語(例えば、「上に重なっている」など)は、1つの層または第一の層の、別の層または第二の層に対する関係を言う場合、この第一の層が、この第二の層の上に部分的にかまたは完全に重なるという事実をいう。第二の層の上に重なる第一の層は、この第二の層と接触していても接触していなくてもよい。例えば、1つ以上のさらなる層が、第一の層と第二の層との間に配置され得る。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「極限収縮」とは、ASTM Method D 1024によって測定される場合に、フィルムが特定の収縮温度において達成し得る最大収縮を意味する。用語瞬間収縮とは、フィルムが1秒未満にわたって収縮温度に曝露される場合に得られる収縮を意味する。特定のフィルムの瞬間収縮は、ASTM Method D 2732を使用して、10秒間、20秒間、40秒間、60秒間、120秒間および240秒間の浸漬時間にわたって、特定の収縮温度において、フィルムについて得られた収縮の百分率を外挿することによって、決定される。
【0017】
本発明のフィルムおよびラベルは、添付の図面を参照して説明される。図1は、本発明のフィルムの側面図の概略図である。フィルム100は、共押出物であり、コア層110(これは、第一の表面112および第二の表面114を有する)、コア層の上表面上の第一のスキン層120、ならびにコア層の下表面上の第二のスキン層130を備える。
【0018】
フィルム100の全体的な厚さは、約0.5ミル〜約12.0ミル、そして1つの実施形態においては、約1ミル〜約8ミル、そして1つの実施形態においては、約1.5ミル〜約4ミルの範囲であり得る。コア層の厚さは、多層フィルム100の全体的な厚さの約30%〜約90%、そして1つの実施形態においては、フィルム100の厚さの約40%〜約85%、そして1つの実施形態においては、約50%〜約80%の範囲であり得る。第一のスキン層120および第二のスキン層130は、フィルム100の全体的な厚さに対して、約5%〜約35%、そして1つの実施形態においては、フィルム100の全体的な厚さに対して約10%〜約30%、そして1つの実施形態において、15%〜約25%の厚さを有し得る。第一のスキン層120および第二のスキン層130は、同じ厚さであっても異なる厚さであってもよい。
【0019】
フィルム100の収縮張力は、ASTM D2838によって135℃で測定される場合、1つの実施形態において、3135kPa(キロパスカル)未満であり、そして1つの実施形態において、2653kPa未満であり、そして1つの実施形態において、2274kPa未満であり、そして1つの実施形態において、2067kPa未満である。
【0020】
(コア層)
コア層は、多層収縮フィルムの大部分を構成する。代表的に、コア層は、約0.6ミル〜約4ミル、または約0.8ミル〜約3ミル、または約1ミル〜約2.5ミル、または約1.2ミル〜約2ミルの厚さを有する。これらのフィルムは、フレキソグラフおよびグラビア印刷によって印刷されるために充分な強度を有する。これらのフィルムは、一般に、約60,000psi〜約500,000psi、または約100,000psi〜約400,000psi、または約150,000psi〜約300,000psiのヤング率を有する。ヤング率は、ASTM D882−61Tによって決定される。
【0021】
上記のように、多層収縮フィルムは、1つの実施形態において、コア層を有し、このコア層は、キャリア樹脂中の、ポリプロピレン樹脂およびポリテルペン添加剤からなり得る。このポリプロピレンは、一般に、ポリプロピレンホモポリマー、核生成ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、核生成ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの混合物を含有する。1つの実施形態において、ポリプロピレン樹脂は、核生成ポリプロピレンホモポリマーを含有する。使用され得る市販の核生成ポリプロピレンホモポリマーの例は、Hunstman製のP4GK−173Xである。この材料は、12g/10分のメルトフローレート(ASTM D1238)、0.9g/cmの密度(ASTM D1505)および1310MPaの曲げ弾性率(ASTM D790)を有すると同定される。市販の核生成ホモポリマーの他の例は、BP AmacoホモポリマーHF12G1およびDow H700−12NAである。
【0022】
ポリテルペン樹脂は、一般に、特定の樹脂(例えば、ポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマー)中の、ポリテルペンのブレンドまたは濃縮物を含有する。ポリプロピレンを含有するポリテルペン樹脂ブレンドは、得られるフィルムの改善された硬化作用、増加した弾性率および増加した強度を提供し、そしてフィルムの収縮力を低下させ得る濃密化成分として働く。ポリテルペン樹脂は、1種以上のテルペン炭化水素(例えば、脂環式テルペン、単環式テルペンおよび二環式テルペン、ならびにこれらの混合物であり、カレン(careen)、異性化ピネン、ジペンテン、テルピネン、テルピノレン、テレビン、テルペンの留分または画分、および種々の他のテルペンが挙げられる)の重合または共重合によって得られる、周知のクラスの樹脂材料である。
【0023】
1つの実施形態において、ポリテルペンは、水素化ポリテルペンを含有し、水素化ポリテルペンもまた、フィルムの特性を改善するために有効である。これらの水素化テルペンは、ポリテルペンを、有用な水素化プロセスのいずれかによって水素化することによって、生成する。一般に、水素化は、触媒(例えば、ニッケル、キーゼルグール担持ニッケル、亜クロム酸銅、アルミナ担持パラジウム、またはキーゼルグール担持コバルトおよびジルコニア)を利用して実施される。水素化は、不活性溶媒(例えば、メチルシクロヘキサン、トルエン、p−メタンなど)中で、500psi〜10,000psiの範囲の圧力および150℃〜300℃の温度を利用して、達成され得る。有用な水素化ポリテルペンとしては、190℃において8g/10分〜15g/10分のメルトインデックスを有する水素化ポリテルペンが挙げられる。市販の水素化ポリテルペン樹脂の例は、Exxon Mobil製のExxelor PA609Aである。この樹脂は、11g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238)および0.975g/cmの密度(ASTM D1505)を有するとして同定される。別の市販の水素化ポリテルペン樹脂の例は、Exxon Mobil製のExxelor PA609Nである。この樹脂は、11g/10分のメルトインデックスおよび0.975g/cmの密度を有するとして同定される。
【0024】
ポリプロピレン樹脂とポリテルペン樹脂とのブレンドは、約10重量%〜約60重量%のポリプロピレン樹脂と、約40%〜約90%のポリテルペン樹脂とからなる。1つの実施形態において、このブレンドは、約20%〜約40%のポリプロピレン樹脂および約15%〜約40%のポリテルペン樹脂を含有する。
【0025】
ポリプロピレン樹脂およびポリテルペン樹脂に加えて、コア層は、1つの実施形態において、これらのプロピレン樹脂およびポリテルペン樹脂とブレンドされた、シンジオタクチックポリプロピレンを含有する。シンジオタクチックポリプロピレンとは、高い立体規則性を有し、その結果、NMRデータから得られるシンジオタクチックインデックスまたは[r]値は、少なくとも0.7である、ポリプロピレンである。このようなシンジオタクチックポリプロピレンは、米国特許第5,476,914号および同第6,184,326号(本明細書中に参考として援用される)に記載されている。本発明において有用な、市販のシンジオタクチックポリプロピレンとしては、AtofinaからFinaplas 1471、Finaplas 1571およびFinaplas 1251の商品名指定で入手可能なものが挙げられる。1つの実施形態において、コア層は、シンジオタクチックポリプロピレンを、コア層の総重量に基づいて、約20重量%〜約70重量%、別の実施形態において、約30重量%〜約60重量%、そして別の実施形態において、約35重量%〜約55重量%の量で含有する。
【0026】
1つの実施形態において、コア層は、1種以上の更なる熱可塑性ポリマーを含有する。熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、アルキレン−炭酸ビニルエステルコポリマー、アルケン−(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン−アクリル酸ブチルコポリマーもしくはエチレン−メタクリル酸ブチルコポリマー、グラフトポリオレフィンもしくは官能基化ポリオレフィン、インパクトポリマー(impact polymer)、イオノマー、またはこれらの組み合わせを含有し得る。
【0027】
1つの実施形態において、コア層は、プロピレンとαオレフィンとのコポリマーを含有する。プロピレンのコポリマーは、一般に、約0.5g/10分〜約12g/10分、または約4g/10分〜約12g/10分のメルトフローを有する。コア層110において利用され得るポリオレフィンとしては、約2個〜約12個の炭素原子、または約2個〜約8個の炭素原子を含有するオレフィンモノマー(例えば、エチレン、ポリピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなど)の、ポリマーおよびコポリマーが挙げられる。好ましいαオレフィンは、エチレンおよび1−ブテン、またはこのようなポリマーおよびコポリマーの混合物のブレンドである。1つの実施形態において、ポリオレフィンは、エチレンおよびプロピレンのポリマーおよびコポリマーを含有する。別の実施形態において、ポリオレフィンは、プロピレン−エチレンコポリマーおよびプロピレン−1−ブテンコポリマーのようなコポリマーを含有する。ポリプロピレンとポリエチレンとの、互いとのブレンド、またはこれらのいずれかもしくは両方の、ポリプロピレン−ポリエチレンコポリマーとのブレンドもまた、有用である。
【0028】
核生成ポリプロピレンホモポリマー樹脂およびポリテルペン樹脂に加えて、コア層はまた、他のフィルム形成ポリマー樹脂を、より少ない量(一般に、コア層の総重量に基づいて約5重量%〜約45重量%)で含有し得る。1つの実施形態において、コア層は、コア層の総重量に基づいて、約20重量%〜約40重量%、そして別の実施形態において、約20重量%〜約35重量%の、ポリマー樹脂を含有する。このようなポリマー樹脂としては、エチレンと別のαオレフィンとのコポリマー、官能基化ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンとプロピレンとのコポリマー、環状オレフィンコポリマー、またはこれらの2つ以上の混合物が挙げられる。エチレンと別のαオレフィンとのコポリマーとしては、エチル酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンアクリル酸ブチルコポリマー(EBA)、エチレンアクリル酸メチル(EMA)、官能基化ポリエチレンもしくはグラフトポリエチレン、およびヘキセンまたはオクテンの分枝を有するポリエチレン(例えば、Dow Affinity KC 8852)が挙げられる。有用なEVAコポリマーは、AT Plastics 1821Aである。有用なEMAの例は、Exxon Mobil製のTC−120であり、そしてEBAの有用な例は、Eastman KodakのAP 1802である。有用な官能基化ポリエチレンもしくはグラフトポリエチレンとしては、DuPont Bynel 3048(無水物修飾したエチレン酢酸ビニル)、DuPont Bynel 3101(酸/アクリレート修飾エチレン酢酸ビニル)、DuPont Bynel 4006(無水物修飾高密度ポリエチレン)、およびDuPont Bynel 41E556(無水物修飾線状低密度ポリエチレン)が挙げられる。利用されるポリエチレンは、一般に、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンである。有用な高密度ポリエチレンは、Huntsman製のHD2015である。有用な線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、Huntsmanから入手可能なL8148、Chevron Phillipsから入手可能なDynex(登録商標) D6053C、MarFlex(登録商標) PE7109LおよびVytek(登録商標) V208C6である。市販の超低密度ポリエチレン(VLDPE)またはメタロセンポリエチレンとしては、Dow Affinity KC 8852、Dow Attane 4402、Nova Sclair 10A、およびExxon Exact 4151が挙げられる。有用なエチレン−プロピレンコポリマーとしては、Huntsmanから入手可能なP5M4K−070X、BP Amaco製のAcclear 8359、ならびにDow Chemicalから入手可能なVersify 3000、Versify 3200およびVersify 3300が挙げられる。有用な環状オレフィンコポリマーとしては、Ticona Topaz 8007およびTopaz 9506が挙げられる。他の環状オレフィンは、Zeon Chemicals LPから、Zeonor 1020RおよびZeonor 1060Rとして見出され得る。
【0029】
1つの実施形態において、ブチレンのホモポリマーまたはブチレンとαオレフィンとのコポリマーが、上記プロピレンコポリマーとブレンドされる。ブチレンとαオレフィンとのコポリマーとしては、ブチレンと、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセンなどとのコポリマーが挙げられ得る。特に有用なものは、ブチレン−エチレンコポリマーである。ブチレン−エチレンコポリマーは、代表的に、約0.5%〜約12%のレベルでエチレンを含有する。有用なブチレン−エチレンコポリマーの例は、BasellからDP 8220の商品名指定で入手可能なもの(これは、2%のエチレン含有量および2.0g/10分のメルトフローを有する)、およびDP 8310の商品名指定で入手可能なもの(これは、6%のエチレン含有量および3.2g/10分のメルトフローを有する)が挙げられる。ブチレンホモポリマーの例としては、Basellから入手可能な、0300として同定されるもの(メルトフロー4.0g/10分)が挙げられる。ブチレンのコポリマーとしてはまた、エチレン−プロピレン−ブチレンターポリマーが挙げられ得る。
【0030】
コア層は、1つの実施形態において、ポリイソブチレン(PIB)を含有する。ポリイソブチレンは、アイソタクチックポリプロピレンの結晶性を低下させ、そして他のオレフィンとの特別な組み合わせで、収縮張力を低下させ、一方で、フィルムにおけるフィッシュアイ欠損を減少させることが見出されている。ポリイソブチレンは、35,000〜70,000の粘度平均分子量を有する、1種以上の低分子量ポリイソブチレンから選択され得る。このようなポリイソブチレンは、Vistanexの商品名で、Exxon Chemicalから、LMMS、LMMHおよびLMHの等級(それぞれ、45,000、53,000、および63,000の粘度平均分子量を有する)で市販されている。低分子量ポリイソブチレンは、コア層の約0.2重量%〜約5.5重量%に対応する量で存在し得る。高分子量ポリイソブチレンは、800,000〜2,500,000の範囲の粘度平均分子量の範囲で使用され得、そしてExxon Chemicalsから入手可能な、Vistanex MMシリーズの製品によって例示される。ポリイソブチレンは、一般に、1つの実施形態において、約0.2%〜約5.5%、そして1つの実施形態において、約0.5%〜約4%、そして1つの実施形態において、約1%〜約3%を構成する。
【0031】
表1は、本発明のフィルムのコア層の形成の例を含む。この箇所ならびに本明細書および特許請求の範囲全体にわたって、量は、他に明白に示されない限り、重量による。
【実施例】
【0032】
【表1】

SPPとは、シンジオタクチックポリプロピレンである。
HPPHとは、核生成ポリプロピレンホモポリマーである。
PIBとは、ポリイソブチレンである。
PTとは、ポリテルペンである。
PPCとは、ポリプロピレンコポリマーである。
PEHまたはPECとは、ポリエチレンホモポリマーまたはポリエチレンコポリマーである。
PBとは、ポリ(1−ブテン)である。
COCとは、環状オレフィンコポリマーである。
【0033】
(スキン層)
多層収縮フィルムは、1つ以上のスキン層を備え得る。このスキン層は、印刷可能なスキン層であり得る。1つの実施形態において、フィルム100は、コア層100の上表面112上の第一のスキン層120、およびコア層110のした表面114上の第二のスキン層130を有する。1つの実施形態において、スキン層120、130は、同じ組成を含む。別の実施形態において、スキン層120と130とは、異なる組成である。1つの実施形態において、120、130は、プロピレンまたはエチレンから誘導される、熱可塑性のポリマーまたはコポリマーを含有する。プロピレンおよびエチレンのホモポリマーおよびコポリマーは、上に記載されている。
【0034】
1つの実施形態において、スキン層は、上記αオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリブチレン、エチレン−ブチレンコポリマー、またはエチレン−プロピレン−ブチレンターポリマー;エチレン−アクリル酸メチルコポリマー;エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー;ナイロン;ポリブテン;ポリイソブチレン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリスルホン;ポリ(塩化ビニリデン);ポリカーボネート;ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー;スチレン−アクリロニトリルコポリマー;セルロース、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル;熱可塑性ポリエステル、またはこれらの混合物)のうちの1種以上を含有する。ポリオレフィンブレンドは、代表的に、1つの実施形態において、約20重量%〜約100重量%、そして1つの実施形態において、約40重量%〜約99重量%、そして1つの実施形態において、約30重量%から約70重量%までの量で、存在する。
【0035】
別の実施形態において、本発明の多層フィルムは、エチレン−不飽和カルボン酸のコポリマーもしくはエチレン−不飽和カルボン酸無水物のコポリマー、またはナトリウム、リチウムもしくは亜鉛と、エチレン−不飽和カルボン酸もしくはエチレン−不飽和カルボン酸無水物から誘導されるイオノマー、あるいはこれらの組み合わせの熱可塑性材料を含有する、少なくとも1つのスキン層を備える。有用なイオノマー樹脂としては、DuPontからSurlynの商品名で入手可能なものが挙げられる。これらの樹脂は、ナトリウム、リチウムもしくは亜鉛と、エチレンとメタクリル酸とのコポリマーとから誘導されるとして同定され、Surlyn 1605、Surlyn 7940およびSurlyn 9120が挙げられる。有用なエチレン−メタクリル酸コポリマーとしては、DuPontから、Nucrelの商品名で入手可能なものが挙げられる。例えば、Nucrel 0407が挙げられ、これは、4重量%のメタクリル酸含有量および109℃の融点を有する。有用なエチレン−アクリル酸コポリマーとしては、Dow ChemicalからPrimacorの商品名で入手可能なものが挙げられる。例えば、Primacor 1430であり、これは、9.5重量%のアクリル酸モノマー含有量および97℃の融点を有する。スキン層120中の上記熱可塑性ポリマーの濃度は、一般に、スキン層120の総重量に基づいて、約20%〜約100であり、そして1つの実施形態において、約30%〜約50%である。
【0036】
1つの実施形態において、スキン層のうちの少なくとも1つは、ブチレンのホモポリマーを含有する。ブチレンホモポリマーの例としては、Basellから入手可能な、上で同定されたものが挙げられる。ブチレンは、一般に、スキン層の総重量に基づいて、1つの実施形態において約5%〜約35%、そして1つの実施形態において、約15%〜約20%を構成する。
【0037】
別の実施形態において、スキン層のうちの少なくとも1つは、上記のようなポリテルペンを含有する。1つの実施形態において、スキン層は、約10%〜約90%のポリテルペン、を含有し、そして別の実施形態において、約30%〜約70%のポリテルペンを含有する。
【0038】
表2は、スキン層のための処方物の例を示す:
【0039】
【表2】

1つの実施形態において、スキン層のうちの少なくとも1つの表面を、高エネルギー放電(またはプラズマ)(例えば、産業において周知である、コロナ放電およびグロー放電により発生する高エネルギー放電)に曝露することが望ましい。コロナ放電は、コンデンサ(キャパシタ)のプレート間に高電圧が印加される場合に電極において発生する、高エネルギーの、高電離放電である。コロナ放電処理は、スキン層の上表面の表面エネルギーを改善し、そしてこの表面の印刷可能性を改善する。あるいは、少なくとも1つのスキン層の表面は、コロナ処理の変化(例えば、カバードロール(covered roll)技術、ユニバーサルロール(universal roll)技術(二重誘電としてもまた公知)およびベアロール(bare roll)技術)に曝露される。別の実施形態において、スキン層を処理するために、火炎処理が使用される。スキン層は、従来の印刷技術を使用して印刷され得る。例えば、グラビア印刷プロセス、フレキソグラフ印刷プロセス、およびUVフレキソグラフ印刷プロセスが、スキン層を印刷するために使用され得る。水ベースのインク、溶媒ベースのインクおよびUV硬化性インクが、スキン層を印刷するために使用され得る。1つの実施形態において、フィルムは、フィルムが適用される表面にスキンの印刷面が接触するように、図案、画像または文章を裏向きに印刷される。
【0040】
上記のように、コア層は、外側(例えば、スキン層)と比較して、比較的厚い。従って、コア層は、外側の層の各々の約2倍〜20倍厚くあり得る。コア層対合わせた外側の層の厚さの比の例としては、90:10、80:20、70:30などが挙げられる。スキン層対コア層対他方のスキン層の厚さの比は、1〜20:60〜90:1〜20、または5〜15:70〜90:5〜15である。三層フィルムの厚さの比としては、5:90:5、10:80:10、15:70:15、20:60:20などが挙げられる。2つのスキン層は、必ずしも等しい厚さを有する必要はない。
【0041】
スキン層120および130は、押出し成形を容易にするために効果的な量の加工助剤を含有し得る。理論によって束縛されることを望まないが、これらの加工助剤は、金属表面に対して高い親和性を有し、従って、押出し成形されるポリマー組成物が、押出し成形設備の内壁に接着することを防止するか、またはこの傾向を減少させると考えられる。このことは、色の切り替えの間に押出し成形設備をパージすることを、より容易にする。これらの加工助剤としては、ヘキサフルオロカーボンポリマーが挙げられる。使用され得る市販の加工助剤の例は、Ampacet 401198であり、これは、ヘキサフルオロカーボンポリマーとして同定される、Ampacet Corporationの製品である。加工助剤は、代表的に、約0.1重量%まで、そして1つの実施形態において、約0.2重量%〜約0.5重量%の濃度で使用される。
【0042】
フィルム110は、顔料、充填剤、安定剤、光学光沢剤、酸化防止剤、暗所グロー(glow in the dark)濃縮物、核生成剤、清澄剤、加工助剤、酸素スカベンジャー、曇り止め剤、発泡剤、光保護剤または他の適切な改質剤を、望ましい場合には、含有し得る。顔料または色濃縮物は、色(例えば、白色、黒色、灰色、青色、赤色、橙色、黄色、または緑色)を加えるために、使用され得る。有用な顔料の例は、Ampacet 101359−B(白色TiO2濃縮物)、Ampacet 150425(赤色濃縮物)、Ampacet 13381−A(黄色濃縮物)、Ampacet 12083(銀色濃縮物)、Ampacet 17106(緑色濃縮物)、Ampacet 14445(橙色濃縮物)、Ampacet 161201(青色濃縮物)、およびAmpacet 190405(黒色濃縮物)である。有用な光学光沢剤の例は、Ampacet 40247である。有用なUV光安定剤の例は、Ampacet 10561である。有用な酸化防止剤の例は、Polyfil 0524Mである。有用な核生成剤としては、MilikenのMilad 3988ならびにAmfineのNA11およびNA21が挙げられる。
【0043】
フィルムはまた、粘着防止剤、スリップ添加剤および帯電防止剤を含有し得る。有用な粘着防止剤としては、無機粒子(例えば、粘土、滑石、炭酸カルシウムおよびガラス)が挙げられる。有用な粘着防止剤の例は、Ampacet 401960(Seablock−4)である。A.Schulman製の有用な合成シリカ粘着防止剤は、ABPP05−SCである。本発明において有用なスリップ添加剤としては、ポリシロキサン、蝋、脂肪アミド、脂肪酸、金属石鹸および粒子(例えば、シリカ、合成非晶質シリカおよびポリテトラフルオロエチレン粉末)が挙げられる。有用なスリップ添加剤は、A.Shulman製のSPER 6である。Ampacet製の他のスリップ添加剤としては、10025、100329、および100358−XLが挙げられる。本発明において有用な帯電防止剤としては、アルカリ金属のスルホン酸塩、ポリエーテル修飾されたポリジオルガノシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサンおよび第三級アミンが挙げられる。有用な帯電防止剤は、A.Shulman製のVLA55SFである。Ampacet製の他の有用な帯電防止剤は、10053および101710である。
【0044】
1つの実施形態において、フィルム100は、低い摩擦係数(COF)の表面を有し、これにより、このフィルムが物品上で収縮する間に、このフィルムの移動を可能にし得る。動きの欠如は、例えば、皺寄り、エアポケットおよびフィッシュアイのような欠損を引き起こし得る。1つの実施形態において、低COFの表面は、スリップ剤(例えば、エルカミドまたはオレオアミド)を含有し、このスリップ剤は、フィルムまたはスキン層に組み込まれる。1つの実施形態において、低COF表面は、固有に低いCOFのポリマー(例えば、高密度ポリオレフィン)を、フィルムまたはスキン層に含有する。
【0045】
1つの実施形態において、図2に示されるように、本発明の多層収縮フィルム100は、1つ以上のタイ層140、150を備え得る。タイ層140、150は、これらの層の接着を改善する、任意のポリマーであり得る。適切なタイ層の例としては、ポリエチレンコポリマー(高いαオレフィン含有量を有するものが挙げられる)、エチレンメタクリル酸コポリマー、酢酸エチルビニルコポリマー、無水物グラフト酢酸エチルビニルコポリマー、無水物グラフトエチレンポリマー、イオノマー、スチレンブタジエンコポリマー、および高いαオレフィンコモノマー含有量を有するC以上のポリオレフィンコポリマー(例えば、14重量%までの1−ブテン含有量を有するプロピレン−1−ブテンコポリマー)が挙げられる。
【0046】
別の実施形態において、フィルム100は、図3に示されるように、1つ以上のサブスキン層160、170を、スキン層120、130とタイ層140、150の間に備え得る。サブスキン層は、スキン層120および/またはスキン層130と同じ材料から構成され得る。
【0047】
熱収縮フィルムは、当業者に公知の手段によって調製され得る。フィルムは、注型ダイまたは環型ダイを通しての共押し出し、注型ダイまたは環型ダイを通しての押出しコーティング、コーティング、あるいは積層によって、調製され得る。1つの実施形態において、収縮フィルムは、2つの別々の多層フィルムの積層体である。別の実施形態において、フィルムは、多層フィルムと単層フィルムとの積層体、またはこれらの組み合わせである。1つの実施形態において、フィルムは、フィルムがロール形態で製造され、続いて機械加工方向の配向線で延伸される、注型プロセスによって製造される。1つの実施形態において、フィルムは、インフレーションフィルムまたはバブルプロセスによって作製され、続いて上記延伸が行われる。別の実施形態において、フィルムは、二重バブルプロセスによって製造され、そして2つのフィルムが、一緒に積層される。
【0048】
フィルムは、等しい厚さであっても異なる厚さであってもよく、そして同じ組成であっても異なる組成であってもよい。1つの実施形態において、積層は、感圧性接着剤を使用する、接着剤での積層である。別の実施形態において、積層は、熱シールによる積層である。
【0049】
フィルムはまた、二次プロセスに通され得る。これには、真空蒸着による金属化;ラベルの装飾性質を増強することが必要とされる場合に適用される印刷可能なトップコート、積層、またはラッカーのような保護コーティングが挙げられる。
【0050】
上で議論されたように、フィルムは、二方向に延伸され得る。1つの実施形態において、フィルムは、一軸延伸される。一軸延伸されたフィルムは、一方向のみに延伸される。機械加工の方向の配向は、当該分野において公知であるように、フィルムを延伸することによって達成される。1つの実施形態において、押出し成形されたシートは、機械加工の方向のみに、一段階延伸プロセスにおいて延伸される。図4は、本発明のフィルムの一段階延伸のために有用な装置10を図示する。押出し成形されたフィルムは、予熱ロール1および2を通って進み、次いで、延伸ロール3および4を通り、ここで、このフィルムは延伸される。次いで、このフィルムは、徐冷ロール5および6を通過し、次いで、冷却ロール7および8に進む。一段階延伸プロセスの1つの実施形態において、予熱ロール1および2は、220°F(104℃)に設定され、延伸ロール3および4は、230°F(110℃)に設定され、徐冷ロール5および6は、150°F(66℃)に設定され、そして冷却ロール7および8は、100°F(38℃)および75°F(24℃)に設定される。ロール3と4との間での延伸比は、約5.5:1である。一般に、本発明の多層フィルムは、一般に、約2〜約9、または約3.5〜約7、または約4〜約6の延伸比を有する。一般に、予熱ロールの温度範囲は、約180°F(82℃)〜約260°F(127℃)であり、延伸ロールの温度範囲は、約180°F(82℃)〜約260°F(127℃)であり、徐冷ロールの温度範囲は、約100°F(38℃)〜約260°F(127℃)であり、そして冷却ロールの温度範囲は、約75°F(24℃)〜約130°F(54℃)である。
【0051】
別の実施形態において、押出し成形されたシートは、二段階延伸プロセスを使用して一軸延伸される。このプロセスにおいて、押出し成形されたシートは、機械加工の方向に2回延伸される。図5は、本発明のフィルムの二段階延伸のために有用な装置20を図示する。押出し成形されたフィルムは、予熱21および22を通過し、次いで、延伸ロール23および24を通り、ここで、このフィルムは延伸される。次いで、このフィルムは、別のセットの予熱ロール25および26を通過し、次いで、第二のセットの延伸ロール27および28を通過し、ここで、このフィルムは、再度延伸される。次いで、このフィルムは、徐冷ロール29、30を通過し、次いで、冷却ロール31および32に通る。二段階延伸プロセスの1つの実施形態において、予熱ロール21および22は、230°F(110℃)に設定され、延伸ロール23および24は、245°F(118℃)に設定され、予熱ロール25は、260°F(127℃)に設定され、予熱ロール26ならびに延伸ロール27および28は、200°F(93℃)に設定され、徐冷ロール29および30は、150°F(66℃)に設定され、そして冷却ロール31および32は、それぞれ100°F(38℃)および75°F(24℃)に設定される。ロール23と24との間での延伸比は、約4.5:1であり、そしてロール27と28との間での延伸比は、約1.2〜1.5:1である。
【0052】
上記のように、フィルムは、物品(電池、アルミニウム製の炭酸水缶容器、エアロゾル缶、プラスチック製の液体飲料容器、プラスチック製のミルク容器、粉状製品の容器(例えば、粉末コーヒークリーマーまたは粉末レモネード)、食品および飲料品を入れるガラス容器、ならびに熱収縮梱包を必要とする不規則な形状の容器(例えば、玩具、美容健康補助製品、薬学/栄養学の用途(例えば、ビタミン、粉末栄養サプリメント、赤ん坊用処方物、化粧品(例えば、ファンデーションおよび口紅、リップクリームおよびハンドソープ、およびプラスチック容器に入った殺菌剤)))が挙げられる)を包むための多くの収縮フィルム用途において有用である。ラベル付けプロセスの1つの実施形態において、1ロールのフィルムが、ラベルアプリケータに供給され、ここで、輸送用供給ローラが、このフィルムを、切断ステーションへと方向付ける。この切断ステーションにおいて、切断ドラムがこのフィルムを断片にせん断により切断する。このフィルム断片(すなわち、ラベル)は、接着剤ステーションへと方向付けられ、ここで、接着剤ストリップが、ラベルの前端と後端との両方に塗布される。次いで、減圧により補助されるドラムが、このラベルを、ラベル付けされるべき物品の方へと移動させる。UVランプが、このラベルの前端および後端の接着剤を硬化させる。次いで、ラベルが固定された物品が、熱収縮トンネルに通され、ここで、このラベルが収縮して、物品に適合する。これらのトンネルは、熱空気、水蒸気またはIRにより加熱され得る。このラベル適用プロセスは、高速プロセスである。
【0053】
このような用途のために有用な接着剤としては、フィルムの外観に不利な影響を与えることなく、そして物品から剥がれることなく、収縮フィルムとともに少なくとも40%、そして1つの実施形態においては80%、収縮し得る接着剤が挙げられる。このような接着剤としては、ホットメルト接着剤および放射線硬化性接着剤が挙げられ得る。特に有用な放射線硬化性接着剤は、以下を含有する:
(a)ベース樹脂(例えば、エポキシド化ブロックコポリマー(例えば、米国特許第5,516,824号および米国特許第5,776,998号に記載される);ならびに/または脂環式エポキシ(例えば、Dow Chemicalから入手可能なCYRACURE UVI6110);オレフィン(骨格にペンダント状に結合するかまたは末端に結合するC−C二重結合を有するものが挙げられる)。このような材料は、オリゴマーであっても、ポリマーであっても、モノマーであってもよく、そしてその骨格は、極性が、脂肪族、ウレタン、ポリエステルおよびポリエーテルの順で並んで変化し得る。
【0054】
(b)光開始剤であって、光開始剤の型は、ベース樹脂の化学の型に依存し、例えば、カチオン性光開始剤は、エポキシド化ブロックコポリマー、脂環式エポキシおよびビニルエーテルオレフィンを硬化させるために適切であり、カチオン性光開始剤としては、スルホニウム塩またはヨードニウム塩(例えば、SARCAT CD1010、SARCAT CD1011およびSARCAT CD1012(Sartomerから入手可能)、ならびにCYRACURE UVI 6974(Dow Chemicalから入手可能))が挙げられる。フリーラジカル硬化系(例えば、オレフィン性硬化系またはチオール−エン硬化系)については、以下の光開始剤が適切であり得る:IRBACUR 651、184および1700ならびにDAROCURE 1173(CIBA−GEIGYから入手可能);ならびにRahnから入手可能なGENOCURE LBP;およびSartomerから入手可能なESACURE KIP150。使用され得る光開始剤の他の例としては、以下のうちの1種以上が挙げられる:ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、イソプロピル−チオキサントン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチル−アミノ)−1−4−(4−モルホリニル)フェニル−1−ブタノン、α,α−ジメトキシ−アルファ−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−4−(メチルチオ)フェニル−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−1−4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−メチル−1−プロパノン。
【0055】
(c)粘着付与剤(例えば、C〜C炭化水素樹脂、合成ポリテルペン、ロジン、ロジンエステル、天然テルペンなど)。より具体的には、有用な粘着付与樹脂としては、任意の適合性樹脂またはその混合物(例えば、天然ロジンおよび修飾ロジン(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジン、および重合ロジンが挙げられる);天然ロジンおよび修飾ロジンのグリセロールエステルおよびペンタエリトリトールエステル(ペールウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル、およびロジンのフェノール修飾ペンタエリトリトールエステルが挙げられる);天然テルペンのコポリマーおよびターポリマー(例えば、スチレン/テルペンおよびαメチルスチレン/テルペン);Friedel−Crafts触媒の存在下、適度に低い温度で、テルペン炭化水素の重合から一般的に生じるポリテルペンロジン(例えば、ピネンとして公知である二環式モノテルペン))が挙げられる。また挙げられるものは、水素化ポリテルペン樹脂;フェノール修飾テルペン樹脂およびそれらの水素化誘導体(例えば、二環式テルペンとフェノールとの、酸性媒体中での縮合から生じる樹脂生成物);オレフィンとジオレフィンとから本質的になるモノマーの重合から生じる脂肪族石油炭化水素樹脂;水素化脂肪族石油炭化水素樹脂;ならびに環式または非環式のC5樹脂、および芳香族修飾された脂環式樹脂または環式樹脂である。上記粘着付与樹脂の2つ以上の混合物が、必要とされ得る。市販の固体水素化粘着付与剤の例は、Exxon製のESCOREZ 5400である。有用な液体粘着付与樹脂の例としては、REGALITE R−10(Herculesから入手可能な、10℃の軟化点を有するC液体粘着付与剤)、およびWINGTACK 10(Goodyear Chemical Co.から入手可能な、10℃の軟化点を有する液体炭化水素樹脂)が挙げられる。
【0056】
(d)希釈剤(例えば、可塑化油または増量油であり、オレフィンオリゴマーおよび低分子量ポリマー、ならびに植物油および動物油、ならびにこれらの誘導体が挙げられる)。使用され得る石油由来の油は、比較的高い沸点の材料であり、小さい割合のみ(好ましくは、油の重量の30重量%未満であり、そしてより特定すると、15重量%未満)の芳香族炭化水素を含有する。あるいは、この油は、完全に非芳香族であり得る。適切なオリゴマーとしては、約350と約10,00との間の平均分子量を有する、ポリプロピレン、ポリブテン、水素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエンなどが挙げられる。有用な鉱油の例としては、精製炭化水素油(例えば、WitcoからKAYDOLの商品名指定で、およびArcoからTUFFLOの商品名指定で、などで入手可能な、パラフィン油、芳香族油およびナフタレン油)が挙げられる。
【0057】
(e)蝋(例えば、石油由来のパラフィン蝋または微結晶蝋(Citgoから入手可能なPACEMAKER 53が挙げられる)が、最終組成物の粘度、圧粉体強さを変更するため、および粘着を減少させるために、有用である。
【0058】
(f)適合性ポリマー(例えば、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリ(α−メチル−スチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチル−スチレン)、ポリ(α−メチル−スチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)、ならびにこれらの水素化修飾物(例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン)が挙げられるブロックコポリマー)。これらのポリマーは、例えば、米国特許第3,239,478号;同第3,247,269号;同第3,700,633号;同第3,753,936号および同第3,932,327号において教示される方法によって、調製され得る。より極性が高い系については、ポリマー(例えば、ポリエステル(Hulsから入手可能なDYNAPOL材料)ならびにスルホン化ポリエステル(AQシリーズでEastmanから入手可能)およびアクリルポリマー(例えば、BASFから入手可能なACRONAL AC205およびACRONAL AC 258)(これらはまた、フリーラジカル系と反応性である)および非反応性のアクリル(例えば、Schenectady Chemicalから入手可能なもの))である。さらなる材料の他の非限定的な例としては、以下が挙げられる:低い(20%未満)ビニル含有量または高い(20%を越える)ビニル含有量のSBRランダムコポリマー(DURADENEの商品名でFirestoneから入手可能)(これらの高ビニルコポリマーは、反応性であり、系の架橋に寄与する);EPDMコポリマー(これらは、不飽和部位を介してポリマー網目構造内に反応し得る)および飽和アナログ(例えば、EPゴム)(これらは、接着剤の薄利および粘着を改変し得る)。これらは、Exxonから、VISTALONの商品名で入手可能である。ブチルゴム(これは、イソプレンとイソブチレンとのコポリマーであり、Exxon ChemicalからVISTANEXの商品名で入手可能である);ならびに液体ポリイソプロピレン(例えば、Kuraray,Inc.からLIRの商品名で入手可能なもの)。
【0059】
(g)カチオン性硬化系のためのアルコール含有共反応剤(これはしばしば、架橋密度、Tg、粘度および非接着を調節するために添加される)。例としては、ポリエステルポリオール(Stepan Chemical CompaniおよびDow Chemicalから入手可能);ポリアルキレンオキシドポリオール(例えば、PEGおよびPPG(Dow Chemicalから入手可能);脂肪族ジオール(例えば、Shellから入手可能なL−2203(これは、エチレンブチレンジオールである));ならびにL−1203(Shellから入手可能なエチレンブチレンモノ−オール)が挙げられる。また有用なものは、Atochemから入手可能なポリブタジエンポリオール;アルコールについては、エポキシド化ポリブタジエンポリオールもまた使用され得る。
【0060】
(h)当業者に公知の他の添加剤。これらの添加剤としては、顔料、充填剤、蛍光添加剤、流動性添加剤およびレベリング添加剤、湿潤剤、界面活性剤、消泡剤、レオロジー改質剤、安定剤、ならびに酸化防止剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。好ましい添加剤は、目的の波長での顕著な吸収を有さない添加剤である。
【0061】
1つの実施形態において、放射線硬化性接着剤は、(a)約5重量%〜約60重量%の、少なくとも1種のエポキシド化ブロックコポリマー;(b)約20重量%〜約85重量%の、少なくとも1種の固体水素化粘着付与剤;(c)約0.02重量%〜約5重量%の、少なくとも1種のカチオン性光開始剤;(d)約0重量%〜約40重量%の、少なくとも1種の鉱油;(e)約0重量%〜約40重量%の、少なくとも1種の液体粘着付与剤;および(f)約0重量%〜約3重量%の酸化防止剤を含有する。
【0062】
別の実施形態において、放射線硬化性接着剤は、(a)約10重量%〜約50重量%の、少なくとも1種のエポキシド化脂環式ベース樹脂;(b)約0.1重量%〜約2.0重量%の、少なくとも1種のカチオン性光開始剤;(c)約0重量%〜約80重量%の、少なくとも1種の固体または液体のポリエステルジオール;および(d)約0重量%〜約60重量%の、少なくとも1種の極性粘着付与剤を含有する。このような放射線硬化性接着剤は、欧州特許出願公開EP 1130070に記載されている。
【0063】
特に有用な放射線硬化性接着剤は、National Starchから入手可能な、ContourTM接着剤である。
【0064】
接着剤は、熱収縮ラベルを、物品または容器に、従来の梱包設備を使用して固定するために使用される。梱包設備およびラベルアプリケータの例は、米国特許第4,749,428号;同第4,844,760号;同第4,923,557号;同第5,512,120号;5,855,710号;5,858,168号および同第5,964,974号(本明細書中に参考として援用される)に開示されている。接着剤は、公知の方法によって、スキン層の少なくとも1つの外側表面の一部に塗布され得る。例えば、接着剤は、スプレー技術、浸漬技術、ロール技術、グラビア技術またはフレキソグラフ技術によって、塗布され得る。
【0065】
あるいは、接着剤は、ラベル付けされるべき物品または容器に直接塗布され得る。次いで、このラベルは、物品に適用され、そしてこのラベルを容器上に収縮させるために熱に曝露されて、このラベルはこの容器に固定される。
【0066】
1つの実施形態において、フィルムは、ライナーを有する感圧性接着剤に積層される。このフィルムは、ダイカットされて、個々のラベルを形成し、そしてこのラベルを囲むマトリックスが、除去される。次いで、得られたラベルは、電池に適用され、そして熱トンネル内で収縮ラップされる。この熱トンネルの温度は、約250°F〜260°Fである。これらのラベルは、例えば、電池の電荷の強度を決定するために使用される回路をさらに備え得る。
【0067】
表3は、本発明の多層フィルムの例を含む。これらのフィルムは、共押出しにより調製され、そして2ミルのゲージを有するフィルムを提供するように、5.5:1の延伸比まで一軸延伸される。
【0068】
【表3】

表3の共押出しされたフィルムは、以下の表4に列挙される特性を有した。
【0069】
【表4】

ASTM Method D2732に従う、135℃の油中での瞬間収縮。
ASTM Method D1204に従う、135℃のオーブン中での極限収縮。
ASTM Method D2838に従う、収縮張力。
ASTM Method D882に従う、引張弾性率。
L&W装置による屈曲抵抗(ミリニュートン)。
【0070】
表5は、サンプル2および3の本発明のフィルム(それぞれ、XRFSおよび1030−178−1であり、これらは、パイロットライン共押出し成形機および製造ライン共押出し成形機で調製された、表3のフィルム1に対応する)と、市販の延伸ポリスチレンフィルム(Fasson OPS)、市販の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(Mobil Roso)、ならびにシンジオタクチックポリプロピレンおよびポリプロピレンコポリマーのコア層を備える延伸ポリオレフィンフィルム(EFD−A)との、最大収縮張力および収縮力の比較を提供する。
【0071】
【表5】

図6は、0.005Nの一定の力を使用した、表5の5つのフィルムについての収縮の%または寸法変化を、20℃〜160℃までの温度の変化に対して図示する。
【0072】
図7は、表5のフィルムについての収縮力を、ニュートン(N)で、20℃から180℃までの温度の変化とともに図示する。この図から、表5についての最大収縮および収縮張力が得られた。
【0073】
本発明の収縮フィルムは、市販の公知のフィルムと比較した場合、高い収縮の%、および等価かまたは低い収縮力または収縮張力を有する。
【0074】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されたが、本発明の種々の改変が、本明細書を読むと、当業者に明らかになることが理解されるべきである。従って、本明細書中に開示された本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る場合、このような改変を網羅することを意図されることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、本発明を特定の形態で実施する、多層フィルムの側面図の概略図である。
【図2】図2は、タイ層を含む本発明の多層フィルムの実施形態の側面図の概略図である。
【図3】図3は、サブスキン層を含む本発明の多層フィルムの実施形態の側面図の概略図である。
【図4】図4は、本発明の一軸延伸フィルムのための、一段階延伸のための装置の図である。
【図5】図5は、本発明の一軸延伸フィルムのための、二段階延伸のための装置の図である。
【図6】図6は、本発明のフィルムおよび市販のフィルムについての、20℃から160℃までの温度変化に対する収縮の百分率(寸法変化)のプロットである。
【図7】図7は、本発明のフィルムおよび市販のフィルムについての、20℃から160℃までの温度変化に対する最大収縮力(N)のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を包むための多層熱収縮フィルムであって、該フィルムは、
上表面および下表面を有するコア層;
該コア層の該上表面上の、第一のスキン層;ならびに
該コア層の該下表面の下に重なる、第二のスキン層、
を備え;
該コア層は、(i)少なくとも1種のポリテルペンと、(ii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーとのブレンドを含有し、該フィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である、フィルム。
【請求項2】
前記ポリテルペンが、水素化ポリテルペンを含有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記コア層が、ポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーをさらに含有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項4】
前記ポリプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーが、核生成ポリプロピレンを含有する、請求項3に記載のフィルム。
【請求項5】
前記コア層が、ポリイソブチレンをさらに含有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項6】
前記コア層が、1種以上の熱可塑性ポリマーをさらに含有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項7】
前記コア層が、ポリプロピレンと別のαオレフィンとのコポリマー、ポリエチレンと別のαオレフィンとのコポリマー、ポリエチレン、およびこれらの組み合わせのうちの1種以上をさらに含有する、請求項6に記載のフィルム。
【請求項8】
前記第一のスキン層および第二のスキン層が、1種以上のポリオレフィンを含有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項9】
前記1種以上のポリオレフィンが、ブチレンのホモポリマー、ポリプロピレンと別のαオレフィンとのコポリマー、ポリエチレンと別のαオレフィンとのコポリマー、ポリエチレン、官能基化ポリエチレン、およびこれらの組み合わせのうちの1種以上を含有する、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
前記第一のスキン層および第二のスキン層が、水素化ポリテルペンをさらに含有する、請求項9に記載のフィルム。
【請求項11】
少なくとも1つのスキン層が、エチレン−不飽和カルボン酸のコポリマーもしくはエチレン−不飽和カルボン酸無水物のコポリマー、またはナトリウム、リチウムもしくは亜鉛と、エチレン/不飽和カルボン酸もしくはエチレン/不飽和カルボン酸無水物とから誘導されるイオノマー、あるいはこれらの組み合わせである熱可塑性材料をさらに含有する、請求項8に記載のフィルム。
【請求項12】
前記フィルムの収縮張力が、135℃において約3135kPaより低い、請求項1に記載のフィルム。
【請求項13】
物品を包むための熱収縮フィルムであって、該フィルムは、
(i)ポリプロピレンのホモポリマー;
(ii)少なくとも1種のポリテルペン;および
(iii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマー、
のブレンドを含有し、該フィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である、フィルム。
【請求項14】
前記ポリプロピレンホモポリマーが、核生成ポリプロピレンを含有する、請求項13に記載のフィルム。
【請求項15】
前記ポリテルペンが、水素化ポリテルペンである、請求項13に記載のフィルム。
【請求項16】
前記フィルムが、1種以上の熱可塑性ポリマーをさらに含有する、請求項13に記載のフィルム。
【請求項17】
前記フィルムが、機械加工の方向のみに一軸延伸される、請求項13に記載のフィルム。
【請求項18】
前記フィルムの収縮張力が、135℃において約3135kPa未満である、請求項13に記載のフィルム。
【請求項19】
前記フィルムが、単層フィルムまたは多層フィルムである、請求項13に記載のフィルム。
【請求項20】
物品を包むための多層熱収縮フィルムであって、
上表面および下表面を有するコア層;
該コア層の該上表面の上に重なる、第一のスキン層;
該コア層の該下表面の下に重なる、第二のスキン層;
を備え、該コア層は、(i)ポリプロピレンのホモポリマーと、(ii)少なくとも1種のポリテルペンと、(iii)シンジオタクチックポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーとのブレンドを含有し、該フィルムの極限収縮は、135℃において少なくとも25%である、フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−525235(P2008−525235A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548566(P2007−548566)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/046964
【国際公開番号】WO2006/071826
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(594177391)エーブリー デニソン コーポレイション (26)
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
【Fターム(参考)】