説明

熱収縮性チューブ

【課題】優れた耐衝撃性及び印刷適性を両立し、リチウムイオン電池などの二次電池の被覆に適した熱収縮性チューブを提供する。
【解決手段】ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステル系樹脂(A)50質量%以上81質量%以下、ポリアミド系樹脂(B)18質量%以上30質量%以下、及び熱可塑性エラストマー樹脂(C)1質量%以上20質量%以下を含んでなるポリエステル系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブであって、ASTM D 3763に基づく、ストライカの速度3m/sec、0℃におけるハイドロショット試験において、厚み0.11mmのサンプルのパンクチャー点の変位が9.0mm以上である、熱収縮性チューブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱収縮性チューブに関し、詳しくは、ポリエステル系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンデンサや二次電池被覆用途などに使用される電気絶縁材料としては、主としてポリ塩化ビニルからなる熱収縮性チューブが広く使用されてきた。しかし、ポリ塩化ビニル製の熱収縮性チューブは、燃焼時に塩化水素ガスが発生し、焼却等の廃棄処理をする際に焼却炉を傷めやすい等の問題点がある。そのため、ポリ塩化ビニル製チューブの代替として、ポリエステル樹脂製の熱収縮性チューブが使用されるようになってきている。
また近年になり、コンデンサなどの電子部品が、製品の軽薄短小化のため高密度化しており、電子部品の発熱に耐えうる耐熱性が要求されている。このため、ポリエステル樹脂製の熱収縮性チューブにおいても良好な耐熱性が求められている。
【0003】
一方で、リチウムイオン電池など各種の二次電池が携帯用電子機器の電力源として期待されており、このような電池の被覆材料としてもポリエステル樹脂製の熱収縮性チューブが多く用いられるようになってきている。
二次電池用の熱収縮性チューブと、コンデンサなどの電池以外の電子部品用の熱収縮性チューブとでは、要求される性能が異なる。例えば、コンデンサは通常、基板に固定されてから製品として最終消費者に引き渡されるが、一方、電池は最終消費者においても交換可能とするため、基板に固定するような電池の使用例は少なく、電池はコンデンサに比べて衝撃を受ける機会が多い。さらに、電池を使用する携帯用電子機器はさまざまな環境で作動することが求められる。したがって、電池被覆用の熱収縮性チューブには広い温度範囲での耐衝撃性が必要とされる。
【0004】
このような背景から、耐衝撃性を改良したポリエステル系樹脂製の熱収縮性チューブに関する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート樹脂99〜20重量%、芳香族ポリカーボネート樹脂1〜60重量%及びポリエステル系エラストマー樹脂0〜20重量%からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部と、粒径が4〜30μmの大粒径粒子0.05〜4重量部とから形成された樹脂組成物からなる熱収縮性熱可塑性樹脂チューブが開示されている。また、特許文献2には、1,4−シクロヘキサンジメタノールを特定の割合で含む非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂より主としてなる樹脂組成物から形成された熱収縮性チューブが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−052963号公報
【特許文献2】特開2004−042306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の熱収縮性チューブは、低温、例えば0℃における耐衝撃性が不十分である。
また、熱収縮性チューブを電子部品に被覆した際、熱収縮性チューブには通常、被覆した電子部品に関する情報が印刷されているが、コンデンサは輸送時には基板に固定されていることが多く、チューブ同士が接触する機会が少ないため、印刷のインクのりはそれほど重要ではなかった。しかし、電池の被覆材料としてのポリエステル樹脂製の熱収縮性チューブは、輸送時において、固定が不十分な電池がさまざまな物品と接触し、印刷が落ちてしまい、チューブに記載されたさまざまな情報が読み取れなくなるおそれがある。したがって、電池被覆用の熱収縮性チューブには、電池がこすれあってもインクが落ちないような印刷こすれ耐性が必要とされる。
すなわち、従来のポリエステル系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブでは、電池被覆用途の熱収縮性チューブに求められる耐衝撃性及び印刷適性の両方を十分満足させることはできなかった。
【0007】
本発明の課題は、優れた耐衝撃性及び印刷適性を両立し、リチウムイオン電池などの二次電池の被覆に適した熱収縮性チューブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1]ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステル系樹脂(A)50質量%以上81質量%以下、ポリアミド系樹脂(B)18質量%以上30質量%以下、及び熱可塑性エラストマー樹脂(C)1質量%以上20質量%以下を含んでなるポリエステル系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブであって、ASTM D 3763に基づく、ストライカの速度3m/sec、0℃におけるハイドロショット試験において、厚み0.11mmのサンプルのパンクチャー点の変位が9.0mm以上である、熱収縮性チューブ。
[2]前記ポリエステル系樹脂(A)のジオール成分が、全ジオール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール31〜70モル%を含む、上記[1]に記載の熱収縮性チューブ。
[3]前記ポリアミド系樹脂(B)がポリアミド6であり、1000sec-1において測定した前記ポリエステル系樹脂(A)の粘度(ηA)と前記ポリアミド系樹脂(B)の粘度(ηB)との比(ηB/ηA)が1以上である、上記[1]又は[2]に記載の熱収縮性チューブ。
[4]前記熱可塑性エラストマー樹脂(C)が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱収縮性チューブ。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱収縮性チューブを用いて被覆された電子部品。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱収縮性チューブを用いて被覆された電池。
【発明の効果】
【0009】
本発明の熱収縮性チューブは、優れた耐衝撃性及び印刷適性を両立でき、リチウムイオン電池などの二次電池の被覆に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱収縮性チューブは、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステル系樹脂(A)50質量%以上81質量%以下、ポリアミド系樹脂(B)18質量%以上30質量%以下、及び熱可塑性エラストマー樹脂(C)1質量%以上20質量%以下を含んでなるポリエステル系樹脂組成物からなり、ASTM D 3763に基づく、ストライカの速度3m/sec、0℃におけるハイドロショット試験において、厚み0.11mmのサンプルのパンクチャー点の変位が9.0mm以上である。
【0011】
[ポリエステル系樹脂組成物]
<ポリエステル系樹脂(A)>
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)は、耐衝撃性及び印刷適性の観点から、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、「CHDM」と略すこともある)を含有する。1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は、低温での耐衝撃性及び成形加工性の観点から、ポリエステル系樹脂(A)の全ジオール成分100モル%中、好ましくは10モル%以上90モル%以下、より好ましくは31モル%以上70モル%以下、更に好ましくは35モル%以上65モル%以下である。
上記ポリエステル系樹脂(A)のジオール成分が、全ジオール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール31〜70モル%を含む場合は、とりわけ低温での耐衝撃性に優れた熱収縮性チューブを提供することができる。
【0012】
ポリエステル系樹脂(A)のジオール成分中に含まれる1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は、各種の方法を用いて調整することができる。例えば、下記に示すようなジオール成分及びジカルボン酸成分を共重合させることで、所定量の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステルを製造することができる。また、熱収縮性チューブの製造において、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量が既知である各種共重合ポリエステルを溶融混練すること等、各種の手法でポリエステルのエステル交換反応を生じさせ、全体として所定量の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステルを製造することもできる。
【0013】
本発明で用いる1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステル系樹脂(A)は1,4−シクロヘキサンジメタノール以外に種々のジオール成分を含有することができる。ポリエステル系樹脂(A)に用いられるジオール成分の例としては、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−又はシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などが挙げられる。1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のジオール成分は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のジオール成分としては、工業的に安価であり、結晶性及びガラス転移温度を制御しやすいという理由から、エチレングリコールが特に好ましい。
【0014】
ポリエステル系樹脂(A)に用いられるジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。本発明においては、工業的に安価であり、また化学的に安定であり、重合したポリエステル樹脂のガラス転移温度を温水で延伸加工ができる70℃前後に調整することができるという理由から、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸が特に好ましい。
【0015】
かかるジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステル系樹脂(A)としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチルテレフタレート共重合樹脂等が挙げられる。また、ハードセグメントとして高融点高結晶性の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテルなどから構成される熱可塑性ポリエステル系エラストマーも適宜混合してもかまわない。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
なお、その際、ポリエステル系樹脂(A)の説明において記した「全ジオール成分」とは、ポリエステル系樹脂(A)として1種の樹脂しか用いない場合には、その樹脂のジオール成分を示すが、ポリエステル系樹脂(A)として複数の樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)と1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエチレンテレフタレート(PETG)とを用いた場合、PETのジオール成分及びPETGのジオール成分の合計のジオール成分を示す。そして、その合計のジオール成分を100モル%として、その内のCHDMの比率を算出する。
【0016】
ポリエステル系樹脂(A)の製造方法については、常法に従い、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、又はアルミニウム(Al)の化合物等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながら前記のジカルボン酸成分とジオール成分とを重合させ、副生する水又は低級アルコールを系外に排出することにより行われる。
Sb化合物の具体例としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリウム、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレート、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。
【0017】
Ge化合物の具体例としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末又はエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液又はこれにエチレングリコールを添加し加熱処理した溶液等が使用される。
Ti化合物の具体例としては、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート及びそれらの部分加水分解物、シュウ酸チタニル、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸チタニルナトリウム、シュウ酸チタニルカリウム、シュウ酸チタニルカルシウム、シュウ酸チタニルストロンチウム等のシュウ酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン等が挙げられる。
【0018】
Al化合物の具体例としては、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム等のカルボン酸塩、酸化物、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム等の無機酸塩、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート等とのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物及びこれらの部分加水分解物等が挙げられる。
【0019】
また、Al化合物の場合には、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を併用してもよい。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物は、これら元素の酢酸塩等のカルボン酸塩、アルコキサイド等が挙げられ、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液等として反応系に添加される。
【0020】
ここで、本発明においては、用いるポリエステル系樹脂(A)の重合触媒が特に限定されるわけではなく、アンチモン系、チタニウム系、ゲルマニウム系、アルミニウム系の触媒、さらにこれらの触媒とアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン系化合物などを併用したものなど、各種触媒により重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることができる。また本発明においては、従来公知の重縮合の前段階であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、及びエステル交換反応終了後にリン酸又は亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法は、バッチ式、連続重合式のいずれの方法をとることも可能である。また、溶液重合法、固相重合法のいずれの重合法を採用することも可能である。
【0021】
ポリエステル系樹脂(A)の固有粘度は、チューブの機械特性、破断強度、伸度、溶融加工性、生産性、コスト等の観点から、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した場合に、0.4〜1.5dl/gの範囲、好ましくは0.5〜1.2dl/g、特に好ましくは0.7〜1.0dl/gの範囲であることが好ましい。
【0022】
本発明に用いられるポリエステル系樹脂組成物におけるポリエステル系樹脂(A)の含有量は、50質量%以上81質量%以下であり、好ましくは65質量%以上70質量%以下である。ポリエステル系樹脂(A)の含有量が50質量%未満である場合、耐熱性を付与することができず、また、成形加工も不安定になる。また、81質量%を超えると、樹脂(B)及び樹脂(C)を樹脂組成物中に十分に含有させることができず、耐衝撃性及び印刷適性の改善効果が小さくなる。
【0023】
<ポリアミド系樹脂(B)>
ポリアミド系樹脂(B)の種類については特に制限はなく、各種のポリアミド樹脂を用いることができる。例としてはポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド6,66、ポリアミド6,6T、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド66、ポリアミド6T、ポリアミド9T、非晶質ポリアミド、芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、ポリアミドMXD6などを挙げることができる。中でも、コストの低さ、耐薬品性、高結晶性、ガソリン・オイル等の有機溶剤に対する耐性、強靭性、耐衝撃性、柔軟性などの観点からポリアミド6が好ましい。
【0024】
ポリアミド系樹脂(B)の製造方法についても特に制限はなく、公知の原料、公知の製造方法を用いて製造することができる。例としてはε−カプロラクタム(炭素数6)を重縮合することによりナイロン6を、ウンデカンラクタム(炭素数11)を重縮合することによりナイロン11を、ラウリルラクタム(炭素数12)を重縮合することによりナイロン12を、それぞれ得ることができる。また、ヘキサメチレンジアミン(炭素数6)+アジピン酸(炭素数6)の組合せで共重縮合することによりナイロン66を、ヘキサメチレンジアミン(炭素数6)+セバシン酸(炭素数10)の組合せで共重縮合することによりナイロン610を、ヘキサメチレンジアミン(炭素数6)+テレフタル酸の組合せで共重縮合することによりナイロン6Tを、ヘキサメチレンジアミン(炭素数6)+イソフタル酸の組合せで共重縮合することによりナイロン6Iを、ノナンジアミン(炭素数9)+テレフタル酸の組合せで共重縮合することによりナイロン9Tを、メチルペンタジアミン(メチル基+炭素数5)+テレフタル酸の組合せで共重縮合することによりナイロンM5Tを得ることができる。
【0025】
ポリアミド系樹脂(B)の市販品としては、三菱エンジニアリングプラスチックス社製の商品名「ノバミッド」や、ユニチカ社製の商品名「ユニチカナイロン」、宇部興産社製の商品名「UBESTA」などを使用することができる。
【0026】
本発明の熱収縮性チューブは、印刷こすれ耐性の観点から、上記ポリアミド系樹脂(B)がポリアミド6であり、270℃、1000sec-1において測定したポリエステル系樹脂(A)の粘度(ηA)とポリアミド系樹脂(B)の粘度(ηB)との比(ηB/ηA)が1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。また、ηB/ηAの値の上限は5程度であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。樹脂(A)と樹脂(B)との粘度の比ηB/ηAの値がこの範囲にある場合には、熱収縮性チューブの表面に細かな凹凸を形成することができ、印刷インキがその凹凸に入り込むため、チューブ同士の摩擦により印刷インキが落ちることがなくなる。また、チューブ同士の摩擦力が低下するため、コンデンサ等に被覆する際の工程において、チューブの取り回しが良好になるといった副次的効果も期待できる。
【0027】
本発明に用いられるポリエステル系樹脂組成物におけるポリアミド系樹脂(B)の含有量は、18質量%以上30質量%以下であり、好ましくは19質量%以上25質量%以下である。ポリアミド系樹脂(B)の含有量が18質量%未満であると、チューブに印刷加工を施した際に印刷がはがれやすくなり、また、30質量%を超えると、成形加工も不安定になる。
【0028】
<熱可塑性エラストマー樹脂(C)>
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー樹脂(C)は、常温では加硫ゴムと同様な性質を示し、弾性を有し、高温では普通の熱可塑性樹脂と同様の挙動を示し、既存の成形機をそのまま使える高分子材料である。
【0029】
熱可塑性エラストマー樹脂(C)は、分子中に、弾性をもつゴム成分=ソフトセグメント(軟質相)と、塑性変形を防止するための分子拘束成分=ハードセグメント(硬質相)との両成分を有している。熱可塑性エラストマー樹脂としては、ソフトセグメント及びハードセグメントの種類、分子量、配列を組み合せた多種類の樹脂が市販されている。
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー樹脂(C)としては、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ニトリル系ゴム、アクリル系ゴムなどが挙げられる。中でも衝撃改良特性の面で有利な性質を得やすいことから、ポリウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ニトリル系ゴム、アクリル系ゴムなどが好ましく用いられ、オレフィン系共重合体、ポリスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーは、成形加工の容易さの面で、とりわけ好ましく用いられる。
熱可塑性エラストマー樹脂(C)としては、常温での耐衝撃性の観点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)が特に好ましく用いられる。
【0030】
オレフィン系共重合体及びスチレン系エラストマーの例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(ランダム、ブロック、グラフトの各共重合体)、イソプレン共重合体、クロロブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン共重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
【0031】
さらに、部分変性した熱可塑性エラストマーも用いることができ、例えば、部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、酸変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。ここでいう酸変性とは、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アクリル酸等の有機酸で変性されていることを言い、特にマレイン酸で変性されていること(例えば、マレイン酸変性SEBS)が好ましい。また、アミンで変性したものも用いることができ、例えば、アミン変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アミン変性イソブチレン共重合体、アミン変性イソブチレン−ブタジエン共重合体、アミン変性イソブチレン−イソプレン共重合体、アミン変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アミン変性エチレン−アクリル酸−マレイン酸共重合体などが挙げられる。
本発明においては、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステル系樹脂(A)との接着性や分散性の観点から、マレイン酸変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体や、アミン変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体がとりわけ好ましく用いられる。
【0032】
本発明に用いられるポリエステル系樹脂組成物における熱可塑性エラストマー樹脂(C)の含有量は、1質量%以上20質量以下であり、好ましくは10質量%以上18質量%以下である。熱可塑性エラストマー(C)の含有量が1質量%未満である場合、常温での耐衝撃性が劣り、また、20質量%を超えると、成形加工が不安定になったり、熱収縮性チューブの耐熱性が低下する。
【0033】
本発明に用いられるポリエステル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、各種添加剤を含有することができる。酸化防止剤、加水分解防止剤、難燃剤、その他を目的に応じて適宜含有することができる。
【0034】
[熱収縮性チューブの製造]
本発明の熱収縮性チューブは、上記ポリエステル系樹脂組成物からなる。本発明の熱収縮性チューブを製造する場合、製造方法は、各種の方法を用いることができるが、通常単軸又は二軸押出機を用いて原料を融解させ、丸ダイを用いて未延伸チューブを押出し、ついで延伸してシームレスの熱収縮性チューブとする方法が好ましい方法として挙げられる。その他、TダイやIダイを用いて押出・延伸したフィルムを融着、溶着又は接着などにより貼合せてチューブ形状とする方法、さらに前記チューブ又はフィルムをスパイラル状に貼合せてチューブ形状とする方法などが挙げられる。
【0035】
溶融押出工程において、各種の単軸押出機又は二軸押出機が用いることができるが、成形されたフィルム、シート、チューブの厚みの精度の点で、単軸押出機にペレットを入れる方法が好ましく用いられる。
【0036】
ここで、丸ダイを用いて未延伸チューブを押出し、次いで延伸して熱収縮性チューブとする方法についてさらに詳細に説明する。前記した樹脂組成物は、溶融押出装置により結晶融解ピーク温度以上の温度に加熱溶融され、丸ダイから連続的に押し出した後、強制的に冷却され未延伸チューブに成型される。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方法、冷風による方法等を用いることができる。中でも低温の水に浸漬する方法が、冷却効率が高く有効である。この未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよく、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロールを次の延伸工程の原反として用いてもよい。製造効率や熱効率の点から未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給する方法が好ましい。
【0037】
このようにして得られた未延伸チューブは、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、延伸する。延伸方法は特に限定されるものではないが、例えば未延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水又は赤外線ヒーター等により加熱し、径方向の延伸倍率を規制するために冷却された円筒管の中を通して固定倍率の延伸を行う。円筒管の適当な位置で延伸される様に温度条件等を調整する。円筒管で冷却された延伸後のチューブは、一対のニップロールにより挟んで延伸張力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻取られる。延伸は、長さ方向又は径方向のいずれの順序でもよいが、同時に行うのが好ましい。
【0038】
延伸条件は、使用する樹脂組成物の特性や目的とする熱収縮率などにより調整される。
長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決められ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持する方法も採用できる。
【0039】
本発明の熱収縮性チューブは、未延伸チューブを径方向及び長さ方向に延伸して作製される。このとき径方向の延伸倍率は、1.3〜1.8倍が好ましく、1.4〜1.7倍がより好ましく、さらに好ましくは1.4〜1.6倍である。また、長さ方向には未延伸でもよいが、好ましくは1.02倍以上で2.0倍以下、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは1.3倍以下の範囲の倍率で延伸させて得られたものが好ましい。ここで、熱収縮性チューブの径方向の延伸倍率が1.3倍以上であれば被覆するのに足りる収縮量が得られ、また1.8倍以下であれば、コンデンサを基板に実装する工程において、熱収縮性チューブが熱膨張する現象を抑えることができる。一方、熱収縮性チューブの長さ方向の延伸倍率が1.8倍以下であれば、長さ方向の収縮量が大きくなりすぎて、電子部品等を被覆加工したときに被覆位置がずれる現象や、カット長さを長くする必要もないためコストアップを抑えることができる。
【0040】
上記のようにして得られる熱収縮性チューブの厚さは特に限定されないが、一般にコンデンサに使用されるチューブの厚みは、コンデンサの定格電圧に応じて、おおよそ0.05mmから1.0mmまでの範囲、代表的には0.07mmから0.3mmまでの範囲のものが使用されている。また、チューブを折り畳んだ状態の幅(以下「折径」という)が4mmから300mmまでの範囲のものが汎用コンデンサや電池の被覆、汎用の電池のパッケージング全般に対応できる点で好ましい。
【0041】
[熱収縮性チューブの特性・用途]
本発明の熱収縮性チューブは、ASTM D 3763に基づく、ストライカの速度3m/sec、0℃におけるハイドロショット試験において、厚み0.11mmのサンプルのパンクチャー点の変位が9.0mm以上であることが重要であり、9.5mm以上であることがより好ましい。前記ハイドロショット試験におけるパンクチャー点の変位が9.0mm以上であれば、二次電池被覆用の熱収縮チューブに求められる、低温での耐衝撃性を十分満足させることができる。
【0042】
前記ハイドロショット試験におけるパンクチャー点の変位を9.0mm以上に制御するために、種々の方法を用いることができる。例えば、ポリエステル樹脂の分子量を増大させる方法や、延伸倍率を高める方法、ポリエステル樹脂のジオール中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量を高める方法、熱可塑性エラストマーを含有させる方法などが挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂のジオール中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量を高めること、熱可塑性エラストマーを含有させることは、熱収縮性チューブとしての性能に悪影響を与えにくいため好ましい。
【0043】
本発明の熱収縮性チューブは、優れた印刷適性を有し、こすれてもインクが落ちないような印刷こすれ耐性を有する。したがって、種々の製品の表面を被覆し、該表面に種々の印刷を施すことができる。
【0044】
本発明の熱収縮性チューブは、主にアルミ電解コンデンサなどの電子部材の被覆用部材や、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの各種電池の被覆用部材として好適に用いることができる。また、他の用途、例えば、電線(丸線、角線)、乾電池、鋼管又はモーターコイルエンド、トランスなどの電気機器や小型モーター、あるいは電球、蛍光灯、ファクシミリやイメージスキャナーの蛍光灯被覆用チューブとしても利用可能である。
【実施例】
【0045】
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
【0046】
実施例1〜4及び比較例1〜6
表1に示した種類及び配合量の各種樹脂のペレットをドライブレンドしたのち、60℃に保った真空乾燥機で12時間乾燥させた。乾燥させた樹脂を先端に丸ダイを装着した単軸押出機を用いて溶融成形し、直ちに冷水に浸漬させ、チューブ状の成形物を得た。得られたチューブ状の成形物は連続的に次の延伸工程に供給された。延伸工程において、チューブ状の成形物は、一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出され、次いで90℃の温水により加熱され、径方向の延伸倍率を規制するために冷却された円筒管の中を通され、固定倍率で延伸された。延伸速度が径方向で約3000%/minになるように、各種条件等を調整した。円筒管で冷却された延伸後のチューブは、一対のニップロールにより挟んで延伸張力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻き取った。
【0047】
熱収縮性チューブを構成する樹脂組成物の原料を以下に示す。
<ポリエステル系樹脂(A)>
・PET:ポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製、商品名:ノバペックスBK2180、粘度:300Pa・s)
・PETG:1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル(イーストマンケミカル社製、商品名:コポリエステルPETG6763、組成:ジカルボン酸;テレフタル酸100モル%、ジオール成分;エチレングリコール70モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%、粘度:250Pa・s)
・PCTG:1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル(エスケーケミカル社製、商品名:SkygreenJ2003、組成:ジカルボン酸;テレフタル酸100モル%、ジオール成分;エチレングリコール40モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール60モル%、粘度:270Pa・s)
<ポリアミド系樹脂(B)>
・ポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッド1030CA6、粘度:380Pa・s)
<熱可塑性エラストマー樹脂(C)>
・変性SEBS:アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン ブロックポリマー(JSR社製、商品名:ダイナロン8630P)
<その他成分>
・シリカPET樹脂マスターバッチペレット(シリカ3wt%含有、三菱化学社製、商品名:ノバペックスMAT)
【0048】
[評価]
得られた熱収縮性チューブについて、以下に示す測定及び評価を行った。
<耐衝撃特性>
(ハイドロショット試験)
ASTM D 3763に基づいて、ストライカの速度を3m/secとし、厚み0.11mmのサンプルに対して、23℃及び0℃におけるハイドロショット試験をそれぞれ行い、下記の基準で評価を行った。
○:0℃におけるハイドロショット試験において、パンクチャー点の変位が9.0mm以上である。
×:0℃におけるハイドロショット試験において、パンクチャー点の変位が9.0mm未満である。
【0049】
(落下試験)
実施例又は比較例で得られた折径29.5mm、厚み0.11mmの熱収縮性チューブを、直径18mm、長さ100mmのステンレス製の円柱に、ヒートガンを用いて、ヒートガンの表示温度で400℃の熱風を5秒間当てることで被覆させ、0℃に保った恒温槽内に3時間静置したのち、コンクリート製の床に高さ2mの高さから30回落下させ、30回落下させ終わるまでに熱収縮性チューブに亀裂が生じるかどうか目視観察し、下記の基準で評価した。
○:30回落下させ終わるまでに熱収縮性チューブに亀裂が生じることはなかった。
×:30回落下させ終わるまでに熱収縮性チューブに亀裂が生じた。
【0050】
<印刷適性評価>
実施例又は比較例で得られた折径29.5mm、厚み0.11mmの熱収縮性チューブを巻き出しながら、インクジェットプリンターにより文字を印刷した。印刷機としてはDOMINO社製工業用インクジェットプリンターを用い、インキとしてはDOMINO社製「191BK」(商品名)を用いた。文字が印刷された熱収縮性チューブを、直径18mm、長さ100mmのステンレス製の円柱に、ヒートガンを用いて、ヒートガンの表示温度で400℃の熱風を5秒間当てることで被覆させた。この円柱に1cm角の立方体にカットした消しゴムを荷重0.7kgで押し付け、往復速度60サイクル/分で円柱を振動させた。10サイクル振動させたところで円柱を取り出し、印刷の様子を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:若干消えかけた部分もあるが、元の印刷内容を判読することができる。
×:印刷の消え方がひどく、元の印刷内容がほとんど判読できない。
【0051】
【表1】

【0052】
表1から明らかなように、本発明の熱収縮性チューブは、優れた耐衝撃性及び印刷適性を両立することができる。一方で、ポリエステル系樹脂(A)の1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量が少ないものや、熱可塑性エラストマー樹脂(c)を全く含有しないものは、耐衝撃性が不足しやすい(比較例1,2,3)。また、ポリアミド系樹脂(B)を含有していなかったり、含有量が少ないものは、印刷適性が劣る(比較例4,5,6)。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の熱収縮性チューブは、優れた耐衝撃性及び印刷適性を両立し、電子部品、特にリチウムイオン電池などの円筒形二次電池の被覆用として好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有するポリエステル系樹脂(A)50質量%以上81質量%以下、ポリアミド系樹脂(B)18質量%以上30質量%以下、及び熱可塑性エラストマー樹脂(C)1質量%以上20質量%以下を含んでなるポリエステル系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブであって、ASTM D 3763に基づく、ストライカの速度3m/sec、0℃におけるハイドロショット試験において、厚み0.11mmのサンプルのパンクチャー点の変位が9.0mm以上である、熱収縮性チューブ。
【請求項2】
前記ポリエステル系樹脂(A)のジオール成分が、全ジオール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール31〜70モル%を含む、請求項1に記載の熱収縮性チューブ。
【請求項3】
前記ポリアミド系樹脂(B)がポリアミド6であり、270℃、1000sec-1において測定した前記ポリエステル系樹脂(A)の粘度(ηA)と前記ポリアミド系樹脂(B)の粘度(ηB)との比(ηB/ηA)が1以上である、請求項1又は2に記載の熱収縮性チューブ。
【請求項4】
前記熱可塑性エラストマー樹脂(C)が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性チューブ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性チューブを用いて被覆された電子部品。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性チューブを用いて被覆された電池。

【公開番号】特開2012−92209(P2012−92209A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239984(P2010−239984)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】