説明

熱収縮性チューブ

【課題】生産時に安定して延伸することができ、耐熱性および難燃性を同時に満足できるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブを提供する。
【解決手段】フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s未満であるようなポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)、熱可塑性エラストマー(B)、可塑剤(C)を含み、示差走査熱量測定(DSC)により求められるガラス転移温度Tgが50℃以上85℃以下であるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮性チューブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱収縮性チューブに関し、より詳しくは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンデンサなどの電子部品は、製品の軽薄短小化のため高密度化し、また自動車の電装部品など、使用温度の高い分野も急速に拡大しつつある。このようなニーズに伴い、コンデンサ被覆用途などで使用されている熱収縮性チューブに対しても良好な難燃性および耐熱性が求められている。
【0003】
従来、熱収縮性チューブで使用される材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンなどが広く知られている。
ポリ塩化ビニル製の熱収縮性チューブは難燃性に優れるが、耐熱性が不充分であり、また廃棄物処理の際、適切に処理されない場合にはダイオキシン発生などの環境問題を生じるおそれがある。一方、ポリエチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル樹脂からなる熱収縮性チューブは耐熱性に優れるが、難燃性が不充分である。
また、ポリオレフィン系樹脂を用いた熱収縮性チューブは、難燃性を付与するために臭素系難燃剤を添加するため、ポリ塩化ビニル製熱収縮性チューブと同じく廃棄物処理の際、適切に処理されなかった場合には環境問題が生じるおそれがある。また、ポリオレフィン系樹脂を用いた熱収縮性チューブは、耐熱性を付与するために電子線架橋を施すため、チューブを製造する際の工程が複雑になる等の問題点を抱えている。
【0004】
このような状況下、従来、難燃性と耐熱性とを同時に満たす材料としてポリフェニレンスルフィド系樹脂が知られている。ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、難燃性及び耐熱性の他、耐薬品性、耐電解液性などの特性を満たす優れた材料である。このような特性に着目して、ポリフェニレンスルフィド系樹脂やポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブが知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−157402号公報
【特許文献2】国際公開第2008/114731号
【0006】
ここで、コンデンサを基板にハンダ付けにて実装する方法としては、工業的にはハンダフロー形式及びハンダリフロー形式の二つを挙げることができる。ハンダリフロー形式においてはハンダの主成分を基板上に印刷し、コンデンサなどの電子部品をその上に載せ、150〜200℃程度の温度のリフロー炉を通すことで電子部品の基板上への実装を行なう。
しかしながら、特許文献1、2に記載されたポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブでは、この150〜200℃のリフロー炉を通す際、コンデンサに被覆した熱収縮性チューブの一部または外周全部が膨張し、チューブがコンデンサに密着しなくなるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためになされたものであり、その課題は、生産時に安定して延伸することができ、ハンダリフロー耐熱性、外観、および難燃性を同時に満足できるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブを提供することにある。
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の溶融粘度を有するポリフェニレンスルフィド系樹脂を含む、特定の樹脂組成物を用いることにより、生産時の延伸安定性、ハンダリフロー耐熱性、外観、難燃性を同時に満足できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[6]に存する。
[1]フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s未満であるようなポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)、熱可塑性エラストマー(B)、可塑剤(C)を含み、示差走査熱量測定(DSC)により求められるガラス転移温度Tgが50℃以上85℃以下であるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮性チューブ。
[2] 前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)が枝分かれ状であることを特徴とする上記[1]に記載の熱収縮性チューブ。
【0010】
[3] 上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂及び熱可塑性エラストマー(B)の重量の合計を100重量%としたときに、5重量%以上95重量%以下含有されることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の熱収縮性チューブ。
[4] UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1規格を満たす、上記[1]から[3]のいずれかに記載の熱収縮性チューブ。
[5] 上記[1]から[4]のいずれかに記載の熱収縮性チューブで被覆された部材。
[6] 電子機器又は電気機器の用途に用いられる、上記[5]に記載の部材。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生産時に安定して延伸することができ、ハンダリフロー耐熱性および難燃性に優れた、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブを提供することができる。
【0012】
フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s未満であるようなポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、可塑剤(B)、熱可塑性エラストマー(C)からなり、示差走査熱量測定(DSC)により求められるガラス転移温度Tgが50℃以上85℃以下であるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮性チューブは、被覆後、ハンダリフロー炉等において高熱の雰囲気にさらされても膨れ等を生じることがなく、ハンダリフロー耐熱性に優れている他、生産時に安定して延伸することができる。
【0013】
また、本発明の熱収縮性チューブは、UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1規格を満たすため、難燃性を要求される電子部品の被覆に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の熱収縮性チューブ、及び該チューブを用いた部材について詳細に説明する。
【0015】
<ポリフェニレンスルフィド系樹脂>
本発明で用いるポリフェニレンスルフィド(以下「PPS」と省略することがある。)系樹脂は、下記式(1)で表される繰返し単位を、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含む樹脂である。該繰返し単位が70モル%以上であれば、ポリマーの結晶性や熱転移温度などが必要以上に低下することを抑えることができ、また、PPS系樹脂を主成分とする樹脂組成物の特徴である耐熱性、難燃性、耐薬品性及び電気的特性などの諸特性を損なうことを抑えることができる。
【0016】
【化1】

【0017】
上記PPS系樹脂において、好ましくは30モル%未満、より好ましくは20モル%未満であれば、共重合可能な他のスルフィド結合を有する繰り返し単位が含まれていてもかまわない。前記繰り返し単位としては、例えば、メタ結合単位、オルト結合単位、3官能単位、エーテル単位、ケトン単位、スルホン単位、アルキル基などの置換基を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例として挙げられ、これらは、1種類のみを単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。この場合、これらの構成単位は、ランダム型又はブロック型などのいずれの共重合方式であってもかまわない。
【0018】
上記PPS系樹脂は、直鎖状の分子量50,000以上の高分子であることが好ましいがこれに限定されるものではなく、分岐鎖を有した高分子でも、一部架橋構造を有した高分子であっても用いることができる。
【0019】
上記PPS系樹脂は、低分子量オリゴマーを含んでいてもかまわないが、全質量に対して低分子量オリゴマーの含有量が1.5質量%程度以下であることが耐熱劣化性や機械的強度の点から好ましい。一般に低分子量オリゴマーの分子量は100以上2,000以下の範囲であり、PPS系樹脂中に含まれる低分子量オリゴマーは、ジフェニルエーテルなどの溶媒で洗浄することにより除去できる。
【0020】
上記PPS系樹脂の製造方法は、任意の製造方法を適用でき、特に限定されるものではないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略することがある。)等の非プロトン性有機溶媒中でp−ジクロロベンゼン等のジハロゲン化芳香族化合物と硫化ナトリウム等のナトリウム塩とを反応させるという方法が一般に用いられる。重合度を調整するために苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩などの重合助剤を添加して、230℃以上280℃以下の温度で反応させるのが好ましい。重合系内の圧力、重合時間は、所望する重合度、使用する重合助剤の種類や量などによって適宜決定すればよい。
【0021】
しかしながら、上記方法ではハロゲン化ナトリウムが副生し、このハロゲン化ナトリウムはNMP等の溶媒に不溶であるため樹脂中に取り込まれてしまい、重合後、多量の水でPPS系樹脂を洗浄しても、PPS樹脂中のハロゲン化ナトリウムを十分に取り除くことはできない。そこで、ナトリウム塩に代えてリチウム塩を用いて重合を行う方法も用いることができる。
【0022】
上記PPS系樹脂の市販品としては、例えば商品名:フォートロン(ポリプラスチック(株)製)、商品名:DIC−PPS(DIC(株)製)、商品名:トレリナ(東レ(株)製)などが挙げられる。
【0023】
<PPS系樹脂の溶融粘度>
本発明で用いるPPS系樹脂(Y)は、被覆後の耐熱性を高めるために、フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における見かけの溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における見かけ溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における見かけ溶融粘度の差が1500Pa・s未満であることが重要である。
本願発明者らは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブを検討する中で、溶融時にこのような特性を示すPPS系樹脂を含有するPPS系樹脂組成物を用いて熱収縮性チューブを製造することにより、熱収縮性チューブにコンデンサ被覆後のハンダリフロー耐熱性を付与できることを見出した。
【0024】
また、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)の溶融粘度は、フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における見かけの溶融粘度が900Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における見かけ溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における見かけ溶融粘度の差が1300Pa・s未満であることがより好ましい。
【0025】
なお、本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物は、上記した粘度条件に当てはまらないような粘度を示すPPS系樹脂(A)を含有していてもよい。このような、PPS系樹脂(A)の粘度は、フローテスターによって求められるせん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s以上であり、また、せん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であることが好ましい。
【0026】
特定の粘度条件を有するポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)およびその他のPPS系樹脂(A)のブレンド比率は特には限定されず、任意の比率を取ることができる。
樹脂組成物中に含まれるPPS系樹脂(Y)の含有量は、PPS系樹脂(特定の溶融粘度を有さないPPS系樹脂(A)が含まれる場合には、それも含む)及び熱可塑性エラストマー(B)の重量の合計を100重量%としたときに、(Y)の比率が5重量%以上95重量%以下であることが好ましく、30重量%以上80重量%以下であることがより好ましい。
【0027】
<熱可塑性エラストマー(B)>
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー(B)を含有する。
熱可塑性エラストマー(B)としては、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、オレフィン系共重合体、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーや、一部熱可塑性も有するニトリル系ゴム、アクリル系ゴムなどが挙げられる。
【0028】
ポリエステル系エラストマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートといった芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールといったポリエーテル、又はポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンといった脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。
【0029】
また、ポリアミド系エラストマーとしては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などをハードセグメントとし、ポリエーテル又は脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。
【0030】
また、ポリウレタン系エラストマーとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートとエチレングリコール、テトラメチレングリコール等のグリコールとを反応させることによって得られるポリウレタンをハードセグメントとし、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル若しくはポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。
【0031】
また、オレフィン系共重合体としては、ブタジエン共重合体、イソプレン共重合体、クロロブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン共重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などが挙げられる。
一方、スチレン系エラストマーとしては、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム、ブロック、グラフトの各共重合体)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
【0032】
さらに、部分変性したゴム成分も用いることができ、例えば、部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、酸変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、部分水添スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。なかでも酸変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。ここでいう酸変性とは、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アクリル酸等の有機酸で変性されていることを言い、特にマレイン酸で変性されていること(例えば、マレイン酸変性SEBS)が好ましい。
【0033】
PPS系樹脂と上記エラストマーとをブレンドまたはアロイ化することにより、PPS系樹脂組成物の耐衝撃性などを高めることができる。溶融成形の際、310℃以上の高温に曝されることや、低温での耐衝撃性向上の観点から、エラストマーとしてはオレフィン系共重合体が特に好ましく用いられる。また、PPSとの接着性を高めるため、これらのオレフィン系共重合体に、無水マレイン酸基や、エポキシ基、シラン基などを官能基として分子鎖中に導入することもでき、無水マレイン酸グラフト共重合ポリオレフィン、無水マレイン酸共重合ポリオレフィンなどが好ましく、より好ましくはエチレン/アクリル酸/無水マレイン酸ターポリマーを挙げることができる。
【0034】
上記の無水マレイン酸を共重合したオレフィン系共重合体の市販品としては、例えばモディック(酸変性ポリオレフィン樹脂、三菱化学製)、アドマー(酸変性ポリオレフィン樹脂、三井化学製)、ボンダイン(エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸ターポリマー、仏アルケマ社製)などが挙げられる。
【0035】
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物におけるエラストマー(B)の含有量は、PPS系樹脂(Y)、(A)およびエラストマー(B)の合計の重量を100重量%とした場合、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、好ましくは35重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下であることが好ましい。PPS系樹脂に混合するエラストマーの割合が少なすぎると、その添加効果を期待できず、耐衝撃性が不足する。また、多すぎると難燃性などのPPS系樹脂の特徴が損なわれるおそれがあるほか、PPS系樹脂組成物と他の樹脂が十分に混ざり合わず、やはり耐衝撃性等、熱収縮性チューブの機械特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0036】
<可塑剤(C)>
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物は、樹脂組成物のガラス転移温度Tgを下げ、低温収縮性を発現させるために可塑剤(C)を含有する。本発明で用いられ得る可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ホスホニトリル酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ラクタム系可塑剤、スルホンアミド系可塑剤、グリコール酸系可塑剤、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ポリオレフィン及びポリシロキサンなどの公知の各種可塑剤が挙げられる。中でもリン酸エステル系可塑剤、ホスホニトリル酸エステル系可塑剤をはじめとする難燃剤としての機能も有する化合物が、PPS系樹脂の特徴である難燃性を損なうことがないため好ましい。
【0037】
上記可塑剤(C)は、熱重量分析(TGA)により窒素雰囲気下10℃/分の昇温速度で20℃から加熱し、質量減少率5%(質量が5%減少すること)となる温度が260℃以上であることが好ましく、270℃以上であることがさらに好ましい。上限の温度は可塑剤の種類により定まるが、450℃以下であることが好ましい。
【0038】
本発明において好ましい、難燃剤としての機能も有し、耐熱性の高い可塑剤(C)の具体例としては、リン酸エステル系可塑剤では芳香族縮合リン酸エステル、ホスホニトリル酸エステル系可塑剤ではホスホニトリル酸フェニルエステルなどが挙げられる。これらの難燃剤兼可塑剤を用いることにより、PPS樹脂の優れた難燃性を損なうことなく樹脂のガラス転移温度を下げることができ、その結果、チューブに低温収縮性を付与できる。
【0039】
本発明で用いられるPPS系樹脂組成物中に添加する可塑剤の添加量は、PPS系樹脂、他の樹脂、及び、エラストマーの合計100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは3重量部以上であって、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは8重量部以下である。可塑剤の添加量が0.5重量部以上あれば、可塑化効果が得られ、低温収縮性が得られる。また、含有率が15重量部以下であると、溶融粘度の下がりすぎや、厚み精度の悪化を抑えられる。
【0040】
上記可塑剤の市販品としては、例えばホスホニトリル酸フェニルエステル(株式会社伏見製薬所製、商品名:ラビトルFP−110)、4,4‘−ビフェニリレンホスホン酸テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)(大八化学工業株式会社製、商品名:PX−202)などが挙げられる。
【0041】
<PPS系樹脂以外の樹脂>
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物は、PPS系樹脂(Y)、(A)およびエラストマー(B)以外に本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の樹脂を含んでいてもよい。
他の樹脂としては、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、AES樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとの共重合体及び/又は混合物、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホンなどを例示できる。これらの樹脂とブレンド及びアロイ化することによりPPS樹脂とインキなどとの異種材料密着性を高めるなどの効果が得られる。
【0042】
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物における他の樹脂の含有量は、PPS系樹脂(Y)、(A)およびエラストマー(B)の合計の重量を100重量部とした場合、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上であり、好ましくは55重量部以下、より好ましくは25重量部以下、さらに好ましくは18重量部以下であることが好ましい。PPS系樹脂に混合する他の樹脂の割合が少なすぎると、その添加効果を期待できず、また多すぎると難燃性などのPPS系樹脂の特徴が損なわれるおそれがあるほか、PPS系樹脂組成物と他の樹脂が十分に混ざり合わず、耐衝撃性等、熱収縮性チューブの機械特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0043】
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で任意の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【0044】
<PPS系樹脂組成物のガラス転移温度Tg>
本発明のPPS系樹脂組成物は、熱収縮性チューブの低温収縮性を発現させるため、示差走査熱量測定(DSC)により求められるガラス転移温度Tgが50℃以上85℃以下であることが必要である。ここで、Tgが85℃以下であれば、十分な低温収縮性を付与することができ、一方、Tgが50℃以上であれば、使用前の保管時の自然収縮を抑制できる。これらのことから、本発明の熱収縮性成形体のガラス転移温度Tgは、好ましくは53℃以上、より好ましくは55℃以上であり、83℃以下、より好ましくは80℃以下である。
【0045】
本発明の熱収縮性チューブを構成するPPS系樹脂組成物は、通常の公知の製造方法を用いて製造することができる。例えば、PPS系樹脂、あるいはこれにその他の樹脂および/またはエラストマー、可塑剤、必要に応じて他の添加剤を予備混合して、単軸あるいは2軸の押出機、タンブラー、V型ブレンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して280℃以上360℃以下程度の温度で混練する方法や、2ケ所以上の供給口を有する押出機の各供給口に別々に計量した成分を供給する方法などが挙げられる。
【0046】
また、原料の混合順序にも特に制限はなく、使用するPPS系樹脂に直接他の樹脂、エラストマー、可塑剤、添加剤などを混合し、溶融混練する方法、他の樹脂、エラストマー、可塑剤、添加剤をPPS系樹脂に高濃度(代表的な含有量としては5〜60質量%程度)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これをPPS系樹脂に濃度を調整して混合する方法、一部の原材料を上記の方法により溶融混練しさらに残りの原材料を溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を単軸あるいは二軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練し、ペレット化した後、成形前に添加して成形に供することもできる。
【0047】
本発明の熱収縮性チューブは、UL224 Optional VW−1 Flame TESTにより評価した難燃性がVW−1規格を満たすことが好ましい。難燃性がVW−1規格を満たすことで、自動車や家電製品において、難燃性が必要とされる電気部品の被覆に好適に用いることができる。この難燃性は、ベース樹脂にPPS、各種エラストマー、可塑剤としてリン系の難燃剤を用いること等により達成できる。
【0048】
本発明の熱収縮性チューブを製造する場合、製造方法は、各種の方法を用いることができるが、通常単軸または二軸押出機を用いて原料を融解させ、丸ダイを用いて未延伸チューブを押出し、ついで延伸してシームレスの熱収縮性チューブとする方法が好ましい方法として挙げられる。その他、TダイやIダイを用いて押出・延伸したフィルムを融着、溶着または接着などにより貼合せてチューブ形状とする方法、さらに前記チューブまたはフィルムをスパイラル状に貼合せてチューブ形状とする方法などが挙げられる。
【0049】
溶融押出工程において、各種の単軸押出機または二軸押出機が用いることができるが、成形されたフィルム、シート、チューブの厚みの精度の点で、単軸押出機にペレットを入れる方法が好ましく用いられる。
【0050】
ここで、丸ダイを用いて未延伸チューブを押出し、次いで延伸して熱収縮性チューブとする方法についてさらに詳細に説明する。前記した樹脂組成物は、溶融押出装置により結晶融解ピーク温度以上の温度に加熱溶融され、丸ダイから連続的に押し出した後、強制的に冷却され未延伸チューブに成型される。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方法、冷風による方法等を用いることができる。中でも低温の水に浸漬する方法が、冷却効率が高く有効である。この未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよく、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロールを次の延伸工程の原反として用いてもよい。製造効率や熱効率の点から未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給する方法が好ましい。
【0051】
このようにして得られた未延伸チューブは、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、延伸する。延伸方法は特に限定されるものではないが、例えば未延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水または赤外線ヒーター等により加熱し、径方向の延伸倍率を規制するために冷却された円筒管の中を通して固定倍率の延伸を行う。円筒管の適当な位置で延伸される様に温度条件等を調整する。円筒管で冷却された延伸後のチューブは、一対のニップロールにより挟んで延伸張力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻取られる。延伸は、長さ方向又は径方向のいずれの順序でもよいが、同時に行うのが好ましい。
【0052】
延伸条件は、使用する樹脂組成物の特性や目的とする熱収縮率などにより調整される。
長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決められ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持する方法も採用できる。
【0053】
本発明の熱収縮性チューブは、未延伸チューブを径方向および長さ方向に延伸して作製される。このとき径方向の延伸倍率は、上記の通り1.2〜2.0倍が好ましく、1.4〜1.9倍がより好ましく、さらに好ましくは1.5〜1.8倍である。また、長さ方向には未延伸でもよいが、好ましくは1.02倍以上で2.0倍以下、好ましくは1.05倍以上1.1倍以下の範囲の倍率で延伸させて得られたものが好ましい。ここで、熱収縮性チューブの長さ方向の延伸倍率が2.0倍以下であれば、長さ方向の収縮量が大きくなりすぎて、電子部品等を被覆加工したときに被覆位置がずれる現象や、カット長さを長くする必要もないためコストアップを抑えることができる。
【0054】
上記のようにして得られる熱収縮性チューブの厚さは特に限定されないが、一般にコンデンサに使用されるチューブの厚みは、コンデンサの定格電圧に応じて、おおよそ0.05mmから1.0mmまでの範囲、代表的には0.07mmから0.3mmまでの範囲のものが使用されている。また、チューブを折り畳んだ状態の幅(以下「折径」という)が4mmから300mmまでの範囲のものが汎用コンデンサや電池の被覆、汎用の電池のパッケージング全般に対応できる点で好ましい。
【0055】
本発明の熱収縮性チューブは、主にアルミ電解コンデンサなどの電子部材やニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの各種電池の被覆用部材として好適に用いることができる。また、他の用途、例えば、電線(丸線、角線)、乾電池、鋼管又はモーターコイルエンド、トランスなどの電気機器や小型モーター、あるいは電球、蛍光灯、ファクシミリやイメージスキャナーの蛍光灯被覆用チューブとしても利用可能である。
【実施例】
【0056】
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示される熱収縮性チューブについての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。
<使用する原料>
以下の評価に供される熱収縮性チューブを構成する樹脂組成物の実施例、比較例、及び参考例で使用した原料を以下に示す。
PPS系樹脂(Y):ポリフェニレンスルフィド樹脂[ポリプラスチックス社製、商品名:フォートロンW540、結晶融解ピーク温度Tm:276℃、溶融粘度(310℃、剪断速度1200sec−1):900Pa・s]
PPS系樹脂(A1):ポリフェニレンスルフィド樹脂[ポリプラスチックス社製、商品名:フォートロンW300、結晶融解ピーク温度Tm:280℃、溶融粘度(310℃、剪断速度1200sec−1):500Pa・s]
PPS系樹脂(A2):ポリフェニレンスルフィド樹脂[ポリプラスチックス社製、商品名:フォートロン0220C9、結晶融解ピーク温度Tm:278℃、溶融粘度(310℃、剪断速度1200sec−1):245Pa・s]
PPS系樹脂(A3):ポリフェニレンスルフィド樹脂[ポリプラスチックス社製、商品名:フォートロン0316C1、結晶融解ピーク温度Tm:280℃、溶融粘度(310℃、剪断速度1200sec−1):170Pa・s]
・ エラストマー:エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸ターポリマー(ARKEMA(アルケマ)社製、商品名:ボンダインTX8030)
・ 可塑剤:ホスホニトリル酸フェニルエステル(株式会社伏見製薬所製、商品名:FP−110)
【0057】
<溶融粘度測定>
ポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)、および(A)の溶融時の粘度測定は、島津製作所社製、高化式フローテスターCFT−500Cを用いて測定した。ノズルはφ1×L10mmとし、温度は300℃、310℃、及び、340℃の3点で測定した。予熱時間は5分とした。また測定するサンプルはあらかじめ120℃×12時間以上熱風乾燥機で乾燥させた。溶融粘度の測定結果は、表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
<ガラス転移温度測定>
熱的性質は、パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7を用いて測定した。測定中は、乾燥窒素を50ml/分で流して、窒素雰囲気で行った。サンプルは、約10mg用い、アルミニウムパンに入れて測定した。DSCチャートは、サンプルを30℃ から10℃/分の昇温速度で加熱して測定・記録した。これらの結果より、ガラス転移温度を測定した。
【0060】
<ハンダリフロー耐熱性評価>
熱収縮性チューブのハンダリフロー耐熱性については、実施例・比較例で得た折径129mm、厚さ0.3mmの熱収縮性チューブを直径76mm、長さ114mmのアルミ製の円筒にかぶせ、ヒートガンを用いて、400℃の熱風を5秒間当てて被覆した後、85℃の熱風乾燥機で60分間アニーリング処理を行なった。その後、サンプルを、200℃の熱風乾燥機に5分間入れ、チューブのゆるみ、膨らみの有無を観察した。
(○):熱風乾燥機に入れても、チューブのゆるみ、膨らみは生じなかった。
(×):熱風乾燥機に入れた後、チューブのゆるみ、膨らみが観察された。
【0061】
<外観>
実施例で得られた熱収縮性チューブの外観を次のような基準で評価した。
(○):チューブの表面が平滑である。
(×):チューブの表面が痘痕状である。
【0062】
<延伸安定性>
溶融押出と冷却により得られた原チューブを90℃の熱水に通して予熱し、さらに高温の蒸気を外側から吹きかけながら、圧縮空気を挿入し、チューブラー延伸を行なった時の延伸性を次のような基準で評価した。
(◎):圧縮空気を挿入した後は特に問題なく延伸が連続的に行なわれた。
(○):圧縮空気を挿入した後に破裂が生じることもあったが、熱水の温度をなるべく一定に保つことで、問題なく延伸が連続的に行なわれた。
(△):圧縮空気を挿入した後に断続的に破裂が生じた。熱水の温度を一定になるように調整しても変化はなく、短い熱収縮性チューブしか得ることができない。
(×):圧縮空気を挿入してもすぐに破裂が生じ、連続的に延伸が不可能であった。
【0063】
<難燃性評価>
熱収縮性チューブの難燃性をUL224 Optional VW−1 Flame Testに基づいて評価した。
(○)…VW−1規格を満たす。
(×)…VW−1規格を満たさない。
【0064】
(実施例1〜4、比較例1〜4)
上記に記載した樹脂を用いて、表2の通りに配合した樹脂組成物を、290℃から320℃の範囲で温度勾配があるようにシリンダー温度を設定した押出機で溶融させ、丸ダイを通してチューブラー成型加工し、折径59mm、厚さ0.3mmのチューブを得た。得られたチューブについて特性を評価した結果を表2に示した。
【0065】
【表2】

【0066】
表2からわかるように、フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s未満であるようなポリフェニレンスルフィド系樹脂を含有するポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブは(実施例1〜4)、ハンダリフロー耐熱性試験において、膨れが生じず、外観、延伸安定性、難燃性などすべての評価項目において良好な結果が得られた。
しかし、フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s未満であるようなポリフェニレンスルフィド系樹脂を含有しないポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなる熱収縮性チューブは(比較例1〜4)、いずれもハンダリフロー耐熱性試験において膨れが生じ、また延伸が安定して行えないものもある等の問題が生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローテスターによって求められるせん断速度1200s−1、310℃における溶融粘度が400Pa・s以上であり、せん断速度100s−1、300℃における溶融粘度と、せん断速度100s−1、340℃における溶融粘度の差が1500Pa・s未満であるようなポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)、熱可塑性エラストマー(B)、及び、可塑剤(C)を含み、示差走査熱量測定(DSC)により求められるガラス転移温度Tgが50℃以上85℃以下であるポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物からなることを特徴とする熱収縮性チューブ。
【請求項2】
前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)が枝分かれ状であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性チューブ。
【請求項3】
前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(Y)は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂及び熱可塑性エラストマー(B)の重量の合計を100重量%としたときに、5重量%以上95重量%以下含有されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱収縮性チューブ。
【請求項4】
UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1規格を満たす、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱収縮性チューブ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の熱収縮性チューブで被覆された部材。
【請求項6】
電子機器又は電気機器の用途に用いられる、請求項5に記載の部材。

【公開番号】特開2013−6919(P2013−6919A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139201(P2011−139201)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】