説明

熱収縮性ラベルの装着方法およびその装置

【課題】 ペットボトルなどの容器に印刷などが施された熱収縮性ラベルを加熱収縮させて装着する場合の加熱の影響が容器に極力及ばないようにすることができ、特にラベルの装着不良が生じた比較的耐熱性の低い容器へのラベルの再装着もできる熱収縮性ラベルの装着方法およびその装置を提供すること。
【解決手段】 口部熱保護手段15で容器2の口部を熱保護した後、容器支持手段14で熱収縮性ラベル1が被嵌された容器2を倒立状態に支持し、加熱収縮手段18に相対移動手段13で容器2および熱収縮性ラベル1を挿入して底部側から口部側に向けて順次周囲を加熱して熱収縮性ラベル1を容器2に装着する。
これにより、加熱による影響を最も受ける容器口部への影響を防止でき、ボトル状の容器であってもラベルのシワやラベルの位置ズレを防止しながら装着でき、しかも容器を倒立状態とすることで、充填された内容物の熱容量を利用して口部への熱影響を確実に回避できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は熱収縮性ラベルの装着方法およびその装置に関し、ペットボトルなどの容器に印刷などが施された熱収縮性ラベルを加熱収縮させて装着する場合の加熱の影響が容器に極力及ばないようにするものであり、特に装着不良が生じた比較的耐熱性の低い容器へのラベルの再装着に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来から清涼飲料水などが充填されたペットボトルなどの容器には、内面に印刷などが施された筒状の熱収縮性ラベル(シュリンクラベル)を加熱収縮させて装着することが一般に行われており、大量の容器に高速で装着するためシュリンクラベルの装着装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されたシュリンクラベルの装着装置では、図4に示すように、筒状のシュリンクラベル1が被嵌された容器2を搬送する搬送装置3の搬送方向に沿ってシュリンクトンネル4を設けて内部を3つのゾーンA,B,Cに仕切り、第1加熱ゾーンAでシュリンクラベル1の容器下部位置を加熱収縮し、第2加熱ゾーンBでシュリンクラベル1の容器略全体部を加熱収縮し、さらに第3加熱ゾーンCでシュリンクラベル1の容器上部位置を加熱収縮するとともに、シュリンクラベル1の下部に冷却水を噴出して冷却するようにしている。
【0004】
同様な熱収縮性ラベルの装着装置や装着方法が特許文献2〜4などに種々提案されている。
【特許文献1】特開2000−326934号公報
【特許文献2】特開2001−158408号公報
【特許文献3】特開平7−187147号公報
【特許文献4】特開平1−111629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなシュリンクラベルの装着装置を用い、筒状に形成されたシュリンクラベルを容器に被せた後、容器ごとシュリンクトンネルを通過させ、加熱収縮させてシュリンクラベルを容器に装着するようにするが、シュリンクトンネル通過後、まれにシュリンクラベルにシワや曲がり、あるいは位置ズレなどの装着不良が生じる場合がある。
【0006】
従来、このようなシュリンクラベルの装着不良が生じた場合には、容器からシュリンクラベルを取り除いた後、再びシュリンクラベルの装着ラインに戻して再装着することが行われていた。
【0007】
ところが、加熱殺菌などを前提とする容器では、容器自体に耐熱性があり、シュリンクラベルの再装着のために再加熱することになんら支障はないが、無菌充填を前提とする容器などの比較的耐熱性の低い容器の場合には、シュリンクラベルの再装着のため再加熱すると、容器の変形が生じたり、容器口部の密封性の低下などの問題が生じる恐れがあるためボトルごと廃棄処分とせざるを得ず、無駄が多いという問題があった。
【0008】
また、これまでのいずれのシュリンクラベルの装着装置も再加熱による容器の変形などの影響を考慮したものはないのが現状である。
【0009】
この発明は、上記従来技術の課題と要望に鑑みてなされたもので、ペットボトルなどの容器に印刷などが施された熱収縮性ラベルを加熱収縮させて装着する場合の加熱の影響が容器に極力及ばないようにすることができ、特にラベルの装着不良が生じた比較的耐熱性の低い容器へのラベルの再装着もできる熱収縮性ラベルの装着方法およびその装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来技術の有する課題と要求を解決するためこの発明の請求項1記載の熱収縮性ラベルの装着方法は、容器の外側に熱収縮性ラベルを保持するとともに、この容器の口部を熱保護した後、当該容器の底部側から口部側に向けて順次周囲を加熱して前記熱収縮性ラベルを収縮装着するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
この熱収縮性ラベルの装着方法によれば、容器の口部を熱保護した後、容器の底部側から口部側に向けて順次周囲を加熱して熱収縮性ラベルを容器に装着するようにしており、加熱による影響を最も受ける容器口部への影響を回避でき、ボトル状の容器であってもラベルのシワやラベルの位置ズレを防止しながら装着できるようになる。
【0012】
また、この発明の請求項2記載の熱収縮性ラベルの装着方法は、請求項1記載の構成に加え、前記容器を軸方向に相対的に移動させながら加熱するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この熱収縮性ラベルの装着方法によれば、容器を軸方向に相対的に移動させながら加熱するようにしており、このように軸方向に相対的に移動しながら加熱収縮することで、ラベルのシワや位置ズレを防止できるようになる。
【0014】
さらに、この発明の請求項3記載の熱収縮性ラベルの装着方法は、請求項1または2記載の構成に加え、前記容器を口部を下にした倒立状態として、前記熱収縮性ラベルの保持および加熱収縮を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
この熱収縮性ラベルの装着方法によれば、容器を倒立状態とするようにしており、この状態で加熱収縮することで、充填された内容物の熱容量を利用して口部への熱影響を一層容易に回避できるようになる。
【0016】
また、この発明の請求項4記載の熱収縮性ラベルの装着装置は、熱収縮性ラベルが装着される容器の口部を覆って熱保護する口部熱保護手段と、前記熱収縮性ラベルが被嵌された前記容器を倒立状態で支持する容器支持手段と、この容器支持手段に支持された容器および熱収縮性ラベルが挿入可能かつ当該熱収縮性ラベルを加熱収縮させる加熱収縮手段と、この加熱収縮手段と前記容器支持手段とのいずれか一方に設けられ倒立した前記容器の底部側から口部側に前記熱収縮性ラベルを加熱収縮させる相対移動手段とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
この熱収縮性ラベルの装着装置によれば、口部熱保護手段で容器の口部を熱保護した後、容器支持手段で熱収縮性ラベルが被嵌された容器を倒立状態に支持し、加熱収縮手段に相対移動手段で容器および熱収縮性ラベルを挿入して容器の底部側から口部側に向けて周囲を加熱して熱収縮性ラベルを容器に装着することで、加熱による影響を最も受ける容器口部への影響を防止でき、ボトル状の容器であってもラベルのシワやラベルの位置ズレを防止しながら装着でき、しかも容器を倒立状態とすることで、充填された内容物の熱容量を利用して口部への熱影響を確実に回避できるようになる。
【0018】
さらに、この発明の請求項5記載の熱収縮性ラベルの装着装置は、請求項4記載の構成に加え、前記容器支持手段に、前記容器の外側に前記熱収縮性ラベルを支持するラベル支持手段を設けて前記容器に前記熱収縮性ラベルを被嵌可能に構成したことを特徴とするものである。
【0019】
この熱収縮性ラベルの装着装置によれば、容器支持手段にラベル支持手段を設けて容器の外側に熱収縮性ラベルを支持することで、容器に対する熱収縮性ラベルの位置を規制でき、一層確実にラベルの位置ズレなどを防止して加熱装着できるようになる。
【0020】
また、この発明の請求項6記載の熱収縮性ラベルの装着装置は、請求項4または5記載の構成に加え、前記口部熱保護手段に、冷却流体を供給して冷却する冷却手段を設けたことを特徴とするものである。
【0021】
この熱収縮性ラベルの装着装置によれば、口部熱保護手段に冷却流体を供給して冷却する冷却手段を設けるようにしており、容器口部への熱影響を一層確実に回避でき、密封性の低下を防止できるようになる。
【0022】
さらに、この発明の請求項7記載の熱収縮性ラベルの装着装置は、請求項4〜6のいずれかに記載の構成に加え、前記加熱収縮手段に、加熱ゾーンを変更し得るゾーン変更手段を設けたことを特徴とするものである。
【0023】
この熱収縮性ラベルの装着装置によれば、加熱収縮手段に、加熱ゾーンを変更し得るゾーン変更手段を設けるようにしており、ラベルの大きさに応じて加熱できるようになり、無駄な加熱を回避できるようになる。
【0024】
また、この発明の請求項8記載の熱収縮性ラベルの装着装置は、請求項4〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記加熱収縮手段を固定する一方、前記容器支持手段を昇降可能に構成したことを特徴とするものである。
【0025】
この熱収縮性ラベルの装着装置によれば、加熱収縮手段を固定し、容器支持手段を昇降可能にすることで、容器の底部からの加熱が容易となるとともに、容器の装着や取り出しが容易にできるようになる。
【発明の効果】
【0026】
この発明の請求項1記載の熱収縮性ラベルの装着方法によれば、容器の口部を熱保護した後、容器の底部側から口部側に向けて順次周囲を加熱して熱収縮性ラベルを容器に装着するようにしたので、加熱による影響を最も受ける容器口部への影響を回避することができ、ボトル状の容器であってもラベルのシワやラベルの位置ズレを防止しながら確実に装着することができる。
【0027】
また、この発明の請求項2記載の熱収縮性ラベルの装着方法によれば、容器を軸方向に相対的に移動させながら加熱するようにしたので、容器を軸方向に相対的に移動しながら加熱収縮することで、ラベルのシワや位置ズレを防止することができる。
【0028】
さらに、この発明の請求項3記載の熱収縮性ラベルの装着方法によれば、容器を倒立状態とするようにしたので、この状態で加熱収縮することで、充填された内容物の熱容量を利用して口部への熱影響を一層容易に回避することができる。
【0029】
また、この発明の請求項4記載の熱収縮性ラベルの装着装置によれば、口部熱保護手段で容器の口部を熱保護した後、容器支持手段で熱収縮性ラベルが被嵌された容器を倒立状態に支持し、加熱収縮手段に相対移動手段で容器および熱収縮性ラベルを挿入して容器の底部側から口部側に向けて周囲を加熱して熱収縮性ラベルを容器に装着することで、加熱による影響を最も受ける容器口部への影響を防止することができ、ボトル状の容器であってもラベルのシワやラベルの位置ズレを防止しながら装着することができ、しかも容器を倒立状態とすることで、充填された内容物の熱容量を利用して口部への熱影響を一層確実に回避することができる。
【0030】
さらに、この発明の請求項5記載の熱収縮性ラベルの装着装置によれば、容器支持手段にラベル支持手段を設けて容器の外側に熱収縮性ラベルを支持することで、容器に対する熱収縮性ラベルの位置を規制することができ、ラベルの位置ズレなどを防止して一層確実に加熱装着することができる。
【0031】
また、この発明の請求項6記載の熱収縮性ラベルの装着装置によれば、口部熱保護手段に冷却流体を供給して冷却する冷却手段を設けるようにしたので、容器口部への熱影響を一層確実に回避することができ、容器の密封性の低下を確実に防止することができる。
【0032】
さらに、この発明の請求項7記載の熱収縮性ラベルの装着装置によれば、加熱収縮手段に、加熱ゾーンを変更し得るゾーン変更手段を設けるようにしたので、ラベルの大きさに応じて加熱することができ、無駄な加熱を回避することができる。
【0033】
また、この発明の請求項8記載の熱収縮性ラベルの装着装置によれば、加熱収縮手段を固定し、容器支持手段を昇降可能にすることで、容器の底部からの加熱が容易にできるとともに、機構を簡素化でき、容器の装着や取り出しを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、この発明の一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図3はこの発明の熱収縮性ラベルの装着装置の一実施の形態にかかり、図1は全体の概略正面図、図2は容器支持部分の拡大断面図、図3は容器支持部分の平面図、B−B矢視断面図およびC−C矢視断面図である。
【0035】
この熱収縮性ラベルの装着装置10は、例えば熱収縮性ラベル装着ラインで容器をシュリンクトンネル内を搬送することで一度熱収縮性ラベルを装着したのち、装着不良によりラベルを除去した容器に対して、再加熱による影響を極力回避して再装着する装置として構成され、ここでは、容器ごとに再装着するように構成してある。
【0036】
この熱収縮性ラベルの装着装置10では、無菌充填用の容器として用いられる比較的耐熱性の低いPETボトルを熱収縮性ラベルの装着対象とし、ボトルを倒立状態にして支持し、ボトルの外側に筒状のラベルを被せるようにした後、加熱用のオーブン内に下方から上昇させて挿入し、ラベルを加熱収縮させて装着した後、下降させて製品を取り出すようになっている。
【0037】
このため、装置本体11に相対移動手段を構成する昇降板12が設けられて昇降駆動用エレベータ13によって昇降できるようになっており、容器であるボトル2の取り付け取り外し位置とオーブン内の加熱収縮位置との間を移動する。
【0038】
この昇降板12には、容器であるボトル2を倒立状態で支持する容器支持手段を構成する円柱状の容器支持台14が取り付けられ、この容器支持台14上に容器であるボトル2の口部を覆って熱保護する口部熱保護手段を構成するリング状の熱保護ブロック15が4本のボルトで連結されるようになっている。
【0039】
したがって、容器であるボトル2を倒立状態として熱保護ブロック15の中心部の孔にキャップを嵌合するように入れるとともに、キャップ上面を容器支持台14に当てるようにすることで、安定した状態で倒立させたボトルを支持することができ、ボトル2の口部の周囲を熱保護ブロック15で覆って外側からの加熱の影響を極力回避するようにしてある。
【0040】
また、この口部熱保護手段を構成する熱保護ブロック15には、冷却手段を構成する冷却流路16が形成され、熱保護ブロック15の底面に、図3(b)に示すように、円周等間隔に4つの円弧溝16aが形成されるとともに、各円弧溝16aの両端部から上方に上端部が塞がれた縦穴16bが形成され、縦穴16bの途中に側方に開口する排出穴16cが形成してある。
【0041】
そして、容器支持台14には、冷却流体供給孔16dが4つの円弧溝16aに連通するように形成してあり、容器支持台14と熱保護ブロック15との間には、2本のOリング16eが装着され、冷却流体をシールする。
【0042】
したがって、これら冷却流体供給孔16dから、たとえば冷却流体として冷却エアを供給し、各円弧溝16aから2本の縦穴16bを介して上下の排出穴16cから側方に排出することで、熱保護ブロック15を冷却することができ、ボトル2の口部が加熱されることを防止することができる。
【0043】
また、冷却流体を側方に開口した排出孔16cから排出することで、熱収縮性ラベルの加熱に悪影響を及ぼしたり、冷却流体により加熱収縮前の熱収縮性ラベルの位置ズレなどが生じないようにしている。
【0044】
さらに、この熱収縮性ラベルの装着装置10では、熱収縮性ラベル1を容器2に対して所定位置に保持し、位置ズレなどが生じないようにするためラベル支持手段17が設けてある。
【0045】
このラベル支持手段17は、図2に示すように、容器支持手段を構成する容器支持台14に支持柱17aがねじ込まれて立設され、この支持柱17aにコ字状の支持部材17bが上下2箇所に装着されて摺動可能とされ、図示しない止めねじによって支持柱17aに固定できるようにしてあり、熱収縮性ラベル1の大きさによって移動して使用する。
【0046】
このラベル支持手段17では、図3に示すように、筒状に形成された熱収縮性ラベル1の折り曲げ部1aを下方の支持部材17bに載せるようにするとともに、上方の支持部材17bで熱収縮性ラベル1の折り曲げ部1aを押えるようにする。
【0047】
次に、熱収縮性ラベル1が被嵌されたボトル2を加熱してラベル1を収縮させて装着する加熱収縮手段を構成するシュリンクオーブン18は、図1に示すように、装置本体11の上部に設けられ、下方が開口した状態にしてある。
【0048】
このシュリンクオーブン18は、二重円筒状のオーブン本体18aを備え、その内周面が多数の孔が形成されたパンチングプレート18bとされ、下端部の蒸気供給口18cから供給する蒸気を多数の孔から噴出させることで加熱できるようになっており、天面部に形成した蒸気排出口18dから蒸気を排出するとともに、下部開口18eから吸引される空気とで内部の温度を70〜100℃に調整することができ、二重円筒内の温度を温度計19で計測できるようにしてある。
【0049】
また、このシュリンクオーブン18には、加熱収縮すべき熱収縮性ラベルの大きさに応じて加熱ゾーンを変更するゾーン変更手段として図示しないスライドダンパーをオーブン本体18aのパンチングプレート18bの内側に設け、蒸気の噴出す孔の範囲を変えることで、加熱ゾーンを変更できるようにしたり、二重円筒内部を上下に複数に仕切り、各部に蒸気を供給したり、停止することで、加熱ゾーンを変えるようにする。
【0050】
次に、このように構成した熱収縮性ラベルの装着装置10の動作とともに、熱収縮性ラベルの装着方法について説明する。
まず、昇降駆動用エレベータ13により昇降板12を下降させ、装置本体11のドア11aを開けて容器支持台14および熱保護ブロック15に内容物が充填されたPETボトルなどの容器2を倒立状態としてキャップを押しこむように嵌合して取り付ける。
【0051】
そして、この容器2に被せるように熱収縮性ラベル1を配置して下端部を下方のラベル支持手段17の支持部材17bに載せるとともに、上端部を上方の支持部材17bで押えるようにし、容器2に対して所定の位置にラベル1を配置する。
【0052】
また、冷却手段を構成する冷却流路16に冷却流体供給孔16dから冷却エアなどを供給して熱保護ブロック15を冷却するようにし、容器2の口部に加熱の影響が及ばないようにしておく。
【0053】
なお、この冷却手段による冷却は、ラベルの再装着を繰り返す必要がある場合など、熱保護ブロック15が加熱の影響で温度が上昇する場合など必要に応じて行えば良く、必ずしも冷却する必要はなく、冷却手段自体を省略するようにしても良い。
【0054】
このような容器およびラベルの準備と平行して、シュリンクオーブン18では、蒸気供給口18cから蒸気を供給してパンチングプレート18bから噴出させるとともに、蒸気排出口18dからの蒸気の排出と、下部開口18eからの空気の吸引とでオーブン本体18a内を70〜100℃に保持し、温度計19で確認する。
【0055】
こうして準備が完了した後、昇降駆動用エレベータ13で昇降板12を上昇させることで、容器支持台14および熱保護ブロック15に倒立状態で取り付けた容器2をラベル支持手段17で支持したラベル1とともに、シュリンクオーブン18内に挿入する。
【0056】
すると、容器2の底部側からラベル1が加熱され、容器2の円筒部にラベル1が加熱収縮されて装着され、次第に容器2の口部側に向かって順次加熱されてラベル1が容器2のテーパ部分へもズレることなく装着される。
【0057】
この蒸気による加熱は、オーブン本体18aの内周がパンチングプレート18bで構成してあり、多数の孔から蒸気を噴出させ、ラベル1全体を均一に加熱できるので、シワの発生などを抑えることができる。
また、ラベル1をラベル支持手段17で支持しているので、ラベル1の容器2に対するズレや曲がりを防止することができる。
【0058】
そして、この容器2へのラベル1の再装着であっても容器2の口部が熱保護ブロック15で覆ってあるので、直接蒸気が当たらず加熱の影響を極力回避することができ、特に冷却手段を設けて冷却する場合には、一層効率的に加熱の影響を回避することができる。
【0059】
こうして容器2へのラベル1の加熱収縮による装着が完了した後、昇降駆動用エレベータ13により昇降板12を下降させ、装置本体11のドア11aを開けて容器支持台14および熱保護ブロック15からPETボトルなどの容器2を取り出して作業が完了する。
【0060】
このような熱収縮性ラベルの装着装置10を用いることで、これまでラベルの装着不良でボトルごと廃棄処分としていた容器に新たにラベルを装着することができ、再び製品とすることができる。
【0061】
また、この熱収縮性ラベルの装着装置10によれば、耐熱性が比較的低いとされたボトルなどの容器であっても、ラベルの部分だけを部分加熱するとともに、容器口部などの熱の影響を受けやすい部分を熱保護することができ、短時間に高効率で加熱してラベルの再装着ができる。
【0062】
なお、上記実施の形態では、加熱収縮手段として、蒸気によるシュリンクオーブンを例に説明したが、温風などの他の加熱源を用いるようにしたものであっても良く、容器およびラベルに対して加熱収縮手段を相対移動するように構成しても良い。
【0063】
また、ラベルを装着する容器としては、ボトル状のものに限らず、熱収縮性ラベルを装着する必要のある容器に広く適用することができ、ラベルの再装着に限るものでない。
【0064】
さらに、一つずつの容器に対してラベルを装着する場合を例に説明したが、同一構成の装置を並べて配置することで、複数の容器に同時にラベルを装着するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の熱収縮性ラベルの装着装置の一実施の形態にかかる全体の概略正面図である。
【図2】この発明の熱収縮性ラベルの装着装置の一実施の形態にかかる容器支持部分の拡大断面図である。
【図3】この発明の熱収縮性ラベルの装着装置の一実施の形態にかかる容器支持部分の平面図、B−B矢視断面図およびC−C矢視断面図である。
【図4】従来のシュリンクラベルの装着ラインの概略斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ラベル(熱収縮性ラベル)
1a 折り曲げ部
2 ボトル(容器)
10 熱収縮性ラベルの装着装置
11 装置本体
11a ドア
12 昇降板(相対移動手段)
13 昇降駆動用エレベータ(相対移動手段)
14 容器支持台(容器支持手段)
15 熱保護ブロック(口部熱保護手段)
16 冷却流路(冷却手段)
16a 円弧溝
16b 縦穴
16c 排出穴
16d 冷却流体供給孔
16e Oリング
17 ラベル支持手段
17a 支持柱
17b 支持部材
18 シュリンクオーブン(加熱収縮手段)
18a オーブン本体
18b パンチングプレート
18c 蒸気供給口
18d 蒸気排出口
18e 下部開口
19 温度計


【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の外側に熱収縮性ラベルを保持するとともに、この容器の口部を熱保護した後、当該容器の底部側から口部側に向けて順次周囲を加熱して前記熱収縮性ラベルを収縮装着するようにしたことを特徴とする熱収縮性ラベルの装着方法。
【請求項2】
前記容器を軸方向に相対的に移動させながら加熱するようにしたことを特徴とする請求項1記載の熱収縮性ラベルの装着方法。
【請求項3】
前記容器を口部を下にした倒立状態として、前記熱収縮性ラベルの保持および加熱収縮を行うようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の熱収縮性ラベルの装着方法。
【請求項4】
熱収縮性ラベルが装着される容器の口部を覆って熱保護する口部熱保護手段と、
前記熱収縮性ラベルが被嵌された前記容器を倒立状態で支持する容器支持手段と、
この容器支持手段に支持された容器および熱収縮性ラベルが挿入可能かつ当該熱収縮性ラベルを加熱収縮させる加熱収縮手段と、
この加熱収縮手段と前記容器支持手段とのいずれか一方に設けられ倒立した前記容器の底部側から口部側に前記熱収縮性ラベルを加熱収縮させる相対移動手段とを備えることを特徴とする熱収縮性ラベルの装着装置。
【請求項5】
前記容器支持手段に、前記容器の外側に前記熱収縮性ラベルを支持するラベル支持手段を設けて前記容器に前記熱収縮性ラベルを被嵌可能に構成したことを特徴とする請求項4記載の熱収縮性ラベルの装着装置。
【請求項6】
前記口部熱保護手段に、冷却流体を供給して冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の熱収縮性ラベルの装着装置。
【請求項7】
前記加熱収縮手段に、加熱ゾーンを変更し得るゾーン変更手段を設けたことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の熱収縮性ラベルの装着装置。
【請求項8】
前記加熱収縮手段を固定する一方、前記容器支持手段を昇降可能に構成したことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の熱収縮性ラベルの装着装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−82834(P2006−82834A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268466(P2004−268466)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)