説明

熱可塑性エラストマーおよびその製法

【課題】ポリオレフィンとオレフィン系ゴムの混合物中に硬化樹脂がよりよく分散した熱可塑性エラストマーを製造する方法を提供することにある。
【解決手段】オレフィン系ゴム(A)10〜90重量部及びポリオレフィン(B)90〜10重量部(但しオレフィン系ゴム(A)及びポリオレフィン(B)の合計量は100重量部である)を含有する混合物を動的架橋させて得られる熱可塑性エラストマー(C)の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする熱可塑性エラストマー(C)の製造方法:(a) オレフィン系ゴム(E)、硬化樹脂(D)およびフィラー(F)を混合して硬化用マスターバッチ(G)を製造する工程、 (b)オレフィン系ゴム(A)とポリオレフィン(B)を混合する工程、(c)(b)に前記のマスターバッチ(G)を添加する工程、
(d)(c)の混合物を混合する工程、(e)(d)に硬化促進剤(H)を添加する工程、(f)(e) の混合物を動的架橋する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエラストマーの製造方法に関し、さらに詳しくは物理的性質に優れた熱可塑性エラストマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られた熱可塑性エラストマーの製造方法としては、ポリオレフィンとオレフィン系ゴム(例えばエチレン−プロピレン−ジエン ターポリマー)との混合物を動的架橋化させる(dynamically vulcanizing)ものがある。前記製造方法は、例えばコラン (Coran)等に対する1978年12月19日に登録された米国特許第4,130,535 号及びアブドウ−セベト(Abdou-Sabet)等に対する1982年1月19日に登録された米国特許第4,311,628 号等に開示されている。
【0003】
一般的な熱可塑性エラストマーの製造方法では、ポリオレフィンを硬化又は溶融するのに十分な温度でポリオレフィンとオレフィン系ゴムを混合した後、好ましくはフェノール樹脂のような硬化剤を添加し、硬化促進剤を添加して硬化が完了するまで混合を続ける。混合装置としては、バンバリーミキサー (Bandury mixer)、ブラベンダーミキサー(Brabender mixer) 、又は混合用押出機(extruder)のような従来の混練装置を使用し得る。このように製造された熱可塑性エラストマーは、部分的に加硫され、かつイオウ又は過酸化物で硬化された組成物に比べて相対的に優れた耐油性及び物理的性質を有する。 しかしながら、前記方法により改良された熱可塑性エラストマーを製造し得るが、混合/硬化工程中にフェノール硬化樹脂の分散が十分でないことにより、物性は依然として十分ではない。動的架橋化の間のオレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂のブレンド中におけるフェノール硬化樹脂の分散は最終的な性質に影響を与える。従って、硬化促進剤が添加される前に硬化樹脂の分散を最適化しなければ望む物性を得ることができない。しかし、フェノール樹脂は低い溶融点を有し、また溶融状態で非常に低い粘度であるため、自己重合 (self-polymerization)のような望まない反応が起こらないほどの短い時間内に高粘度のゴムマトリクス中に分散させることは難しい。従って、熱可塑性エラストマーの機械的性質及び弾性を向上させるためにはフェノール樹脂を上記ブレンド中に分散する方法の改良が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,130,535 号
【特許文献2】米国特許第4,311,628 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ポリオレフィンとオレフィン系ゴムの混合物中に硬化樹脂がよりよく分散した熱可塑性エラストマーを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するために本発明者は鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、(1)オレフィン系ゴム(A)10〜90重量部及びポリオレフィン(B)90〜10重量部(但しオレフィン系ゴム(A)及びポリオレフィン(B)の合計量は100重量部である)を含有する混合物を動的架橋させて得られる熱可塑性エラストマー(C)の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする熱可塑性エラストマー(C)の製造方法である。
(a) オレフィン系ゴム(E)、硬化樹脂(D)およびフィラー(F)を混合して硬化用マスターバッチ(G)を製造する工程、
(b)オレフィン系ゴム(A)とポリオレフィン(B)を混合する工程、
(c)(b)に前記のマスターバッチ(G)を添加する工程、
(d)(c)の混合物を混合する工程、
(e)(d)に硬化促進剤(H)を添加する工程、
(f)(e) の混合物を動的架橋する工程。
オレフィン系ゴム(A)がエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体であることは、物性や耐熱性の点で好ましい。
ポリオレフィン(B)がポリプロピレンであることは耐熱性の点で好ましい。
硬化樹脂(D)がフェノール樹脂であることはゴム弾性に優れている点で特に好ましい。
フェノール樹脂がハロゲン化フェノール樹脂であることは架橋反応性が良好な点で好ましい。
マスターバッチ(G)がオレフィン系ゴム(A)100重量部に対して、硬化樹脂(D)が0.1〜33重量部、フィラー(F)が10〜200重量部含有することはマスターバッチの性状、架橋反応速度の点で好ましい。
フィラー(F)がタルク及び/またはクレーであることは樹脂との分散性が良好である点で好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、硬化樹脂、オレフィン系ゴムおよびフィラーを含有した硬化用マスターバッチを使用した熱可塑性エラストマーの製造方法であり、硬化用マスターバッチにフィラーを使用しているため、エラストマー中への硬化樹脂の分散性が良好であり、また、硬化樹脂のマイルドな架橋が実現されるため、過架橋が生じ難く、引張り特性とゴム弾性に優れた熱可塑性エラストマーが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明に使用する各成分を詳述する。
(オレフィン系ゴム(A))
本発明で使用するオレフィン系ゴム(A)は、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムであり、好ましくはエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム及びエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムである。
【0009】
上記のα−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレンが好ましい。また、非共役ジエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエンが好ましい。
【0010】
オレフィン系ゴム(A)のエチレン/α−オレフィンの比率(重量比)は、好ましくは90/10〜30/70である。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを混合して用いてもよい。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの更に好ましい例として、エチレン/プロピレンの重量比率が85/15〜45/55のエチレン−プロピレン共重合体ゴムをあげることができる。
【0011】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、100℃のムーニー粘度(ML1+4100℃)が10〜350のものが好ましく、更に好ましくは30〜300である。該ムーニー粘度が低すぎると機械的強度に劣ることがあり、一方該ムーニー粘度が高すぎると成形品の外観が損なわれることがある。
【0012】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いる場合の非共役ジエンの含有量は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%である。エチレン含有量が90重量%を超える場合は、得られる組成物の柔軟性が失われ、50重量%未満の場合は機械的強度が低下する傾向にある。また、非共役ジエン含有量が1重量%未満の場合は、得られる組成物の架橋度が上がらないために機械的強度が低下し、30重量%を超える場合は、射出成形性等が劣る傾向を示し、コストの点でも不利になる。
【0013】
なお、オレフィン系ゴム(A)は、油展ゴム及び非油展ゴムのいずれでもよい。なお、油展ゴム中の伸展油の含有量は、共重合体ゴム100重量部あたり好ましくは20〜200重量部である。
【0014】
伸展油は熱可塑性エラストマー組成物の低硬度化、耐油性の向上等の効果をもたらす。油展ゴムを用いる場合、伸展油はオレフィン系ゴム(A)の一部とみなして重量を適用する。
【0015】
(ポリオレフィン(B))
本発明のポリオレフィン(B)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどの単独重合体又は共重合体があげられ、なかでもポリプロピレンが好ましい。
【0016】
ポリプロピレンは公知の重合体であり、公知の重合方法によって重合される。プロピレンを重合する際、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンを共重合してもよい。立体構造としては、アイソタクチック構造が好ましいが、シンジオタクチック構造のものやこれらの構造の混ざったもの、一部アタクチック構造を含むものも用いることができる。また、ポリプロピレンはプロピレンを主体とする重合体であり、プロピレンホモポリマー、プロピレン―α―オレフィンのランダムコポリマーやブロックコポリマー等である。ポリプロピレンのメルトフローレート(JIS K6758に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定する。)は0.05〜100g/10分であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜50g/10分である。
【0017】
ポリオレフィン(B)は、オレフィン系ゴム(A)10〜90重量部に対して、90〜10重量部使用する(但しオレフィン系ゴム(A)およびポリオレフィン(B)の合計量は100重量部である)。
【0018】
(マスターバッチ(G))
本発明の硬化用マスターバッチ(G)は、オレフィン系ゴム(E)、硬化樹脂(D)、フィラー(F)からなるものである。
【0019】
(オレフィン系ゴム(E))
マスターバッチ中のオレフィン系ゴム(E)は、熱可塑性エラストマーの主成分であるオレフィン系ゴム(A)と同じであっても良いし、異なっていても良い。このマスターバッチ中のオレフィン系ゴム(E)は、液状となる低分子量体の使用は、最終的な熱可塑性エラストマー(C)の引張り物性やゴム弾性に対して悪影響を与えるので好ましくない。
【0020】
本発明のオレフィン系ゴム(E)は、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム及びエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをあげることができる。
【0021】
上記のα−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレンが好ましい。また、非共役ジエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエンなどが挙げられる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエンが好ましい。
【0022】
オレフィン系ゴム(E)のエチレン/α−オレフィンの比率(重量比)は、好ましくは90/10〜30/70である。より好ましくは85/15〜45/55のエチレン−プロピレン共重合体ゴムである。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを混合して用いてもよい。
【0023】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、100℃のムーニー粘度(ML1+4100℃)が10〜350のものが好ましく、更に好ましくは30〜300である。該ムーニー粘度が低すぎると機械的強度に劣ることがあり、一方該ムーニー粘度が高すぎると成形品の外観が損なわれることがある。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いる場合の非共役ジエンの含有量は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%である。エチレン含有量が90重量%を超える場合は、得られる組成物の柔軟性が失われ、50重量%未満の場合は機械的強度が低下する傾向にある。また、非共役ジエン含有量が1重量%未満の場合は、得られる組成物の架橋度が上がらないために機械的強度が低下し、30重量%を超える場合は、射出成形性等が劣る傾向を示し、コストの点でも不利になる。
なお、オレフィン系ゴム(E)は、油展ゴム及び非油展ゴムのいずれでもよい。油展ゴム中の伸展油の含有量は、共重合体ゴム100重量部あたり好ましくは20〜200重量部である。 伸展油は熱可塑性エラストマー組成物の低硬度化、耐油性の向上等の効果をもたらす。油展ゴムを用いる場合、伸展油はオレフィン系ゴム(E)の一部とみなして重量を適用する。
【0024】
(硬化樹脂(D))
本発明の硬化樹脂(D)は、オレフィン系ゴム(A)およびオレフィン系ゴム(E)を架橋できる樹脂であれば、有機過酸化物系でも硫黄系であってもよいが、フェノール樹脂系硬化樹脂が特に好ましい。
【0025】
好ましいフェノール樹脂系硬化樹脂は、レゾール樹脂でありアルキル置換フェノール又は非置換フェノールのアルカリ媒体中のアルデヒドでの縮合、好ましくはホルムアルデヒドでの縮合、又は二官能性フェノールジアルコール類の縮合により製造される。アルキル置換フェノールは1乃至約10の炭素原子のアルキル基置換体が好ましい。さらにはp−位において1乃至約10の炭素原子を有するアルキル基で置換されたジメチロールフェノール類又はフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂系硬化樹脂は、典型的には、熱架橋性樹脂であり、フェノール樹脂架橋剤またはフェノール樹脂とも呼ばれる。熱可塑性加硫ゴムのフェノール樹脂による架橋の具体的な例としては、米国特許第4,311,628号、米国特許第2,972,600号及び米国特許第3,287,440号に記載され、これらの技術も本発明で用いることができる。
好ましいフェノール樹脂系硬化樹脂の例としては、下記一般式が挙げられる。
【0026】
【化1】

【0027】
(式中、Qは、−CH2−及び−CH2−O−CH2−から成る群から選ばれる二価の基であり、mは0又は1乃至20の正の整数であり、R'は有機基である)
好ましくは、Qは、二価基−CH2−O−CH2−であり、mは0又は1乃至10の正の整数であり、R'は20未満の炭素原子を有する有機基である。より好ましくは、mは0又は1乃至5の正の整数であり、R'は4乃至12の炭素原子を有する有機基である。具体的にはアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、メチロール化アルキルフェノール樹脂、ハロゲン化アルキルフェノール樹脂等があげられ、好ましくはハロゲン化アルキルフェノール樹脂であり、さらに好ましくは、末端の水酸基を臭素化したものである。
【0028】
【化2】

【0029】
上記フェノール系硬化樹脂の製品例としては、タッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)社製)、タッキロール250−I(臭素化率4%の臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)社製)、タッキロール250−III(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業(株)社製)、PR−4507(群栄化学工業(株)社製)、Vulkaresat510E(Hoechst社製)、Vulkaresat532E(Hoechst社製)、Vulkaresen E(Hoechst社製)、Vulkaresen 105E(Hoechst社製)、Vulkaresen 130E(Hoechst社製)、Vulkaresol 315E(Hoechst社製)、Amberol ST 137X(Rohm&Haas社製)、スミライトレジンPR−22193(住友デュレズ(株)社製)、Symphorm−C−100(Anchor Chem.社製)、Symphorm−C−1001(Anchor Chem.社製)、タマノル531(荒川化学(株)社製)、Schenectady SP1059(Schenectady Chem.社製)、Schenectady SP1045(SchenectadyChem.社製)、CRR−0803(U.C.C社製)、Schenectady SP1055(Schenectady Chem.社製)、Schenectady SP1056(Schenectady Chem.社製)、CRM−0803(昭和ユニオン合成(株)社製)、Vulkadur A(Bayer社製)が挙げられ、その中でもタッキロール250−III(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)を好ましく使用できる。
【0030】
本発明で使用する硬化樹脂(D)の硬化用マスターバッチ(G)中の含有量は、オレフィン系ゴム(E)100重量部に対して0.1〜33重量部、好ましくは0.5〜31重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。この量より硬化樹脂(D)の量が多くなると、得られるマスターバッチがブロッキングしたり、フィラー(F)を添加できなくなる場合がある。
【0031】
(フィラー(F))
本発明で使用するフィラー(F)は、タルク、ワラストナイト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、カーボンファイバー、クレ−、有機化クレイ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが上げられるが、製造時の取り扱いや分散性、物性を考慮するとタルク、クレーが好ましい。
【0032】
本発明のフィラー(F)の硬化用マスターバッチ(G)中の含有量としては、オレフィン系ゴム(E)100重量部に対して10〜200重量部、好ましくは15〜180重量部、さらに好ましくは20〜150重量部である。
【0033】
本発明の硬化用マスターバッチ(G)は、硬化樹脂、オレフィン系ゴムおよびフィラーを含有する混合物を従来使用されている混合装置で硬化樹脂の反応温度以下にてバンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、又は様々の押出機を使用して製造することができる。混練温度としては、硬化樹脂が反応しない温度以下であり、通常常温から100℃以下であり、好ましくは30℃〜95℃、さらに好ましくは35℃〜90℃である。
【0034】
本発明の硬化用マスターバッチ(G)の使用量としては、硬化樹脂がオレフィン系ゴム(A)およびオレフィン系ゴム(E)を架橋するに十分な量であれば問題ない。好ましい使用量としては、最終ゴム組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜8重量部である。硬化樹脂の量が多いと伸びなどが実際の使用に耐えられないほど著しく低下する場合がある。
【0035】
(架橋促進剤(H))
本発明の架橋促進剤(H)は、硬化樹脂(D)の機能をより効果的に向上させるために用いる。硬化樹脂(D)として、フェノール樹脂を用いる場合は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二塩化スズ等が挙げられる。なお、酸化亜鉛を架橋促進剤として用いる際には、分散剤として、ステアリン酸金属塩等を併用することが好ましい。上記促進剤の中でも酸化亜鉛が特に好ましい。
【0036】
本発明の架橋促進剤(H)は、硬化用マスターバッチ(G)投入後に添加される。但し、硬化用マスターバッチ(G)添加の前に十分混合が可能であれば、添加前に添加してもよい。
【0037】
硬化促進剤(H)の配合量は、最終ゴム組成物100重量部に対して、0.01〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。硬化促進剤(H)の配合量が前記上限値を超えると架橋が均一に起こらなくなり、また、得られる熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下し製造・成形が困難となり、折り曲げ白化性、耐屈曲疲労性、耐オイルブリード性が悪化し、同時に圧縮永久歪みが悪化する傾向にある。一方、前記下限値未満では架橋効率が低下し、得られる熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みが悪化する傾向にある。
【0038】
本発明では、硬化樹脂(D)としてハロゲン系硬化樹脂、硬化促進剤(H)として酸化亜鉛の組み合わせが好ましく、ハロゲン系フェノール硬化樹脂と酸化亜鉛との組み合わせが特に好ましい。
【0039】
(熱可塑性エラストマー(C))
本発明の熱可塑性エラストマー(C)は、以下の各工程を含む製造方法により得ることができる。
(a) オレフィン系ゴム(E)、硬化樹脂(D)およびフィラー(F)を混合して硬化用マスターバッチ(G)を製造する工程、
(b)オレフィン系ゴム(A)10〜90重量部およびポリオレフィン(B)90〜10重量部を混合する工程(但しオレフィン系ゴム(A)及びポリオレフィン(B)の合計量は100重量部である)、
(c)(b)に前記のマスターバッチ(G)を添加する工程、
(d)(c)の混合物を混合する工程、
(e)(d)に硬化促進剤(H)を添加する工程、
(f)(e) の混合物を動的架橋する工程。
【0040】
動的架橋する工程の後に、さらに(g)軟化剤を添加する工程と(h)混合物を混合する工程を行っても良い。
【0041】
(f)の動的架橋をする工程は、混合物の溶融状態を維持し得、かつ動的架橋化反応による硬化が促進されるのに十分な温度で、従来使用されている混合装置であるバンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、又は様々の押出機を使用して製造される。
【0042】
本発明において、その効果を損なわない範囲で、各種目的に応じ他の成分を使用することが出来る。この様な成分としては、例えば、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、粘着付与剤、着色剤、中和剤、滑剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、抗菌剤、殺菌剤、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ等の無機フィラー類、ガラス繊維、炭素繊維、プロセスオイル、軟化剤等が挙げられる。軟化剤として、具体的には、
プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤; コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ、(ファクチス);蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;ナフテン酸;パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの軟化剤の配合量は、熱可塑性エラストマーの用途により適宜選択される。
【0043】
(熱可塑性エラストマー(C)の用途)
本発明によりえられる熱可塑性エラストマー(C)は、一般に使用される成型法例えば、射出成型法、押出成型法、中空成型法、圧縮成型法等により成形される。用途としては自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、シート調整ツマミ、フラッパードアシール、ワイヤーハーネスグロメット、ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションカバーブーツ、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド 、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション、フードシール、グラスランチャンネル、セカンダリーシール、各種パッキン類など)、土木・建材部品(止水材、目地材、建築用窓枠など)、スポーツ用品(ゴルフクラブ、テニスラケットのグリップ類など)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類など)、医療用機器部品、電線、雑貨などの広汎な分野での資材として使用される。
【実施例】
【0044】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0045】
実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマーの硬度、引張り強度、シート圧縮永久歪は、次の方法に従って行った。
〔1〕ショアーA硬度
JIS K6253に準拠して、プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
〔2〕引張り強度、伸び
JIS K6251に準拠して、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号ダンベルにて、測定した。
〔3〕シート圧縮永久歪
JIS K6262に準拠して、プレス成形機によりシートを作製し、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×22時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定した。
【0046】
以下、実施例で使用した使用材料を示す。
〔オレフィン系ゴム(A)および(E)〕
(エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1)
コ゛ム[η]=3.34dl/g、エチレン成分含量67wt%、シ゛エン成分含量4.7wt%、油展量:コ゛ム100重量部に対して40重量部
(エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-2)
コ゛ム[η]=4.0dl/g、エチレン成分含量66wt%、シ゛エン成分含量4.5wt%、油展量:コ゛ム100重量部に対して75重量部
(エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-3)
コ゛ム[η]=4.1dl/g、エチレン成分含量57wt%、シ゛エン成分含量7.3wt%、油展量:コ゛ム100重量部に対して48重量部
【0047】
〔ポリオレフィン(B)〕
ポリプロピレン(ホモタイプ、MFR(230℃、2.16kgf)=2、融点160℃)
【0048】
〔硬化樹脂(D)〕
臭素化フェノール樹脂(タッキロール250-III:田岡化学工業(株)社製)
【0049】
〔フィラー(F)〕
タルク(ミストロンヘ゛ーハ゜ータルク:日本ミストロン(株)社製)
【0050】
〔硬化促進剤(H)〕
酸化亜鉛
【0051】
[タルクマスターバッチ]
ミストロンヘ゛ーハ゜ータルク/ホ゜リフ゜ロヒ゜レン(ホモタイプ、MFR(230℃、2.16kgf)=2、融点160℃)=80/20(重量比)
【0052】
[硬化用マスターバッチの調製]
(マスターバッチG−1の調製)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1140重量部、硬化樹脂(D)30重量部、フィラー(F)100重量部をラボプラストミル(75C100:東洋精機(株)社製)を設定温度70℃にてスクリュー回転数30〜70rpmにて100℃を超えないように5分間混練し、硬化用マスターバッチG-1を得た。得られたマスターバッチをペレタイザーによりペレット化した。得られたペレットは、ブロッキングや融着など問題なかった。
【0053】
(マスターバッチG−2の調製)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1140重量部、硬化樹脂(D)30重量部をラボプラストミル(75C100:東洋精機(株)社製)を設定温度80℃にてスクリュー回転数30〜70rpmにて100℃を超えないように5分間混練し、硬化用マスターバッチG-2を得た。得られたペレットは、粘着性が有り、製造時、ブロッキングを生じていた。
【0054】
(マスターバッチG−3の調製)
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1140重量部、硬化樹脂(D)140重量部、フィラー(F)100重量部をラボプラストミル(75C100:東洋精機(株)社製)を設定温度70℃にてスクリュー回転数30〜70rpmにて100℃を超えないように5分間混練し、硬化用マスターバッチG-3を得た。得られたペレットは、粘着性が有り、製造時、ブロッキングを生じていた。
【0055】
[実施例1]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1121重量部、ポリオレフィン(B)47重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、1分後硬化用マスターバッチG-1を36重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-1を製造し、物性を評価した。
【0056】
[比較例1]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1140重量部、ポリオレフィン(B)47重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、硬化樹脂(D)を4重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-2を製造し、物性を評価した。実施例1と比較して、伸び、強度が低下し、CSも上昇した。
【0057】
[比較例2]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1121重量部、ポリオレフィン(B)43.7重量部、タルクマスターバッチ16.6重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、硬化用マスターバッチG-2を22.7重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-3を製造し、物性を評価した。C-3はC-1と最終組成が同じにも関わらず、実施例1と比較して、伸び、強度が低下した。
【0058】
[比較例3]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1140重量部、ポリオレフィン(B)43.7重量部、タルクマスターバッチ16.6重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、硬化樹脂(D)を4重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-4を製造し、物性を評価した。C-4はC-1と最終組成が同じにも関わらず、実施例1と比較して、伸び、強度が低下した。
【0059】
[実施例2]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-2175重量部、ポリオレフィン(B)47重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、1分後硬化用マスターバッチG-1を36重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-5を製造し、物性を評価した。
【0060】
[実施例3]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-3148重量部、ポリオレフィン(B)47重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、1分後硬化用マスターバッチG-1を36重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-6を製造し、物性を評価した。
【0061】
[比較例4]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1140重量部、ラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、1分後硬化用マスターバッチG-3を36重量部添加したが、粉状の物が出来、次の段階に進むことが出来なかった。
【0062】
[比較例5]
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム-1121重量部、ポリオレフィン(B)47重量部をラボプラストミルにてスクリュー回転数30rpm、温度170℃にて混練し、1分後硬化用マスターバッチG-3を36重量部添加し、さらに10s後、酸化亜鉛1重量部、ステアリン酸1重量部を投入して、6分間スクリュー回転数90rpmにて混練して熱可塑性エラストマーC-7を製造し、物性を評価した。実施例1と比較して、強度、CSは、優れるものの、伸びが使用出来ないレベルまで低下した。
【0063】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン系ゴム(A)10〜90重量部及びポリオレフィン(B)90〜10重量部(但しオレフィン系ゴム(A)及びポリオレフィン(B)の合計量は100重量部である)を含有する混合物を動的架橋させて得られる熱可塑性エラストマー(C)の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする熱可塑性エラストマー(C)の製造方法:
(a) オレフィン系ゴム(E)、硬化樹脂(D)およびフィラー(F)を混合して硬化用マスターバッチ(G)を製造する工程、
(b)オレフィン系ゴム(A)とポリオレフィン(B)を混合する工程、
(c)(b)に前記のマスターバッチ(G)を添加する工程、
(d)(c)の混合物を混合する工程、
(e)(d)に硬化促進剤(H)を添加する工程、
(f)(e) の混合物を動的架橋する工程。
【請求項2】
(f)動的架橋する工程の後に、さらに(g)軟化剤を添加する工程と(h)混合物を混合する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項3】
オレフィン系ゴム(A)がエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項4】
ポリオレフィン(B)がポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項5】
硬化樹脂(D)がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項6】
フェノール樹脂がハロゲン化フェノール樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項7】
マスターバッチ(G)がオレフィン系ゴム(A)100重量部に対して、硬化樹脂(D)が0.1〜33重量部、フィラー(F)が10〜200重量部含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項8】
フィラー(F)がタルク及び/またはクレーであることを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性エラストマー(C)の製造方法。
【請求項9】
請求項1または2の製造方法により得られた熱可塑性エラストマー(C)。

【公開番号】特開2011−202136(P2011−202136A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73658(P2010−73658)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】