説明

熱可塑性ポリウレタンを含有しエポキシドを基剤とする構造用フォーム

本発明は、以下のa)〜d)を含有する熱発泡性の熱硬化性材料を開示する:a)少なくとも1種のエポキシドプレポリマー;b)プレポリマー用の、少なくとも1種の熱活性化性硬化剤;c)少なくとも1種の発泡剤;およびd)ポリエステル鎖を含有するポリウレタンから選択される、少なくとも1種の熱可塑性の非反応性ポリウレタン。
また、本発明は、補強部材または強化部材としてこのような材料の使用と、並びにこのような材料から成る押出成型品または射出成形品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に金属中空構造体を強化する構造用フォームとして、発泡および硬化状態で使用できる発泡性の硬化性エポキシ樹脂配合物に関する。該配合物は粘着性が低いので、射出成型装置を用いて安価に成形でき、一方、それらの低減された粘着性のために、特殊な充填処理を必要としない。粘着性を減少させるために、未硬化の配合物が所望の低粘着性を示し、かつ、硬化させた配合物が所望の機械的性質を有するように選択された熱可塑性ポリウレタンを、エポキシ樹脂混合物へ添加した。
【背景技術】
【0002】
高い剛性と構造強度を備え、寸法的に一貫させて連続生産される軽量構成材が、種々の用途分野において要求されている。特に、そのような観点から軽量化が望まれる車両工学の場合、十分な剛性と構造強度を有する、薄肉構造物からなる軽量構成材が大いに要求されている。構成材の重量を最も低減でき、高い剛性と構造強度を得るための1つの方法は、比較的薄い金属シートまたはプラスチックパネルから製造される中空品を使用することである。しかしながら、薄肉の金属シートは、容易に変形する傾向がある。したがって、変形を防ぐあるいは最小限に抑えると共に、これらの部品の強度と剛性を向上させる構造用フォームを中空体構造の中空部で発泡させることが知られている。
【0003】
一般に、この種の発泡強化剤および剛化剤は、金属フォーム、または熱硬化性樹脂若しくはバインダー、例えば、エポキシ樹脂などを含有する金属フォームである。一般に、これらの組成物は、発泡剤、充填材および補強剤、例えばガラス製の中空微小球などを含有する。好ましくは、このようなフォームは、発泡および硬化した状態で0.3〜0.7g/cmの密度を有する。硬化した後、これらのフォームは、少なくとも短時間、破損することなく、130℃よりも高い温度(好ましくは150℃よりも高い温度)に耐えるものと考えられている。一般に、発泡性で、熱硬化性のこの種の組成物は、更なる成分、例えば硬化剤、加工助剤、安定剤、染料または顔料など、適当な場合、UV吸収剤および接着性向上成分を含有する。
【0004】
国際特許出願公開第96/37400号明細書には、強化される中空体内へ、熱発泡性の樹脂様材料をその硬化前に導入させたW型の強化構造体が記載されている。好ましくは、強化ポリマーマトリックスは、エポキシ樹脂を含有し、ペースト状の稠度を示す1成分系物質、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、充填材、高強度のガラス球、硬化剤および促進剤、およびアゾ化合物若しくはヒドラジド化合物に基づく発泡剤から構成される。
【0005】
国際特許出願公開第00/27920号明細書には、熱可塑性樹脂若しくは複数種の熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂の混合物である、発泡性シーリングおよび減衰性組成物が開示されている。これらは、射出成形性を有し、軽量で高い圧縮強度を有する。以下のものが熱可塑性樹脂の例として列挙されている:固形ゴム、例えばスチレン−ブタジエンゴムおよびニトリル−ブタジエンゴムなど、またはポリスチレンポリマー、例えばSBSブロックコポリマーなど。好ましくは、エポキシ樹脂は液体である。
【0006】
独国特許出願公開第102006048739号明細書には、以下のものを含有する、成形品を製造するための、発泡性の熱硬化性バインダーが開示されている:
少なくとも1種のエポキシ樹脂、
室温で固体の少なくとも1種のポリエステル、
少なくとも1種の発泡剤、
少なくとも1種の硬化剤、および
少なくとも1種の充填剤。
【0007】
更に、「軟化剤」を含有してもよい。例えば、固形ゴムが軟化剤として列挙されている。適当な固形ゴムの例には、以下のものが含まれる:ポリブタジエン、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、EPDM、合成若しくは天然イソプレンゴム、ブチルゴム、またはポリウレタンゴム。イソプレン−アクリロニトリルコポリマーまたはブタジエン−アクリロニトリルポリマーに基づく、部分架橋固形ゴムが特に適当である。
【0008】
国際特許出願公開第2007/004184号明細書には、以下の成分を含有する熱発泡性材料が開示されている:
a)実質的に液体または半固体のエポキシ樹脂を含有しない固体のエポキシ樹脂、
b)耐衝撃性改良剤、
c)硬化剤、および
d)熱活性化性発泡剤。
【0009】
耐衝撃性改良剤は、熱可塑性物質であってもよい。以下のものが列挙されている:例えば、1000〜10000g/モルの範囲に分子量を有するイソシアネートプレポリマー(例えば、イソシアネートで末端化されたポリエーテルポリオール)およびエポキシ−ポリウレタン混成物。また、複数種のブロックコポリマーも耐衝撃性改良剤として列挙されている。これらは、コア−シェル構造を有してもよい。
【0010】
国際特許出願公開第2007/025007号明細書には、以下の成分を有する組成物が開示されている:
a)少なくとも1種のエポキシ樹脂、
b)コア−シェル構造を有するゴム粒子
c)更なる耐衝撃性改良剤または靱性改良剤、および
d)熱活性化性潜在性硬化剤。
【0011】
さらに、該組成物は発泡剤を含有できるので、構造用フォームとして使用できる。成分c)として列挙されるものには、以下のものが含まれる:例えば、ヒドロキシル基で末端化されたポリオキシアルキレン、例えばポリプロピレングリコールまたはポリテトラヒドロフランジオールから誘導されるポリウレタン。これらは熱可塑性の挙動を示すはずである。これらの代わりまたはこれらに加えて、例えば、20℃未満、好ましくは0℃未満、−30℃未満または−50℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1種のポリマーブロック、例えばポリブタジエンブロック若しくはポリイソプレンブロックを含有するブロックコポリマーを存在させてもよい。ブロックコポリマーにおける少なくとも1種の別のブロック、例えばポリスチレンブロックまたはポリメチルメタクリレートブロックは、20℃よりも高い、好ましくは50℃よりも高い、または70℃よりも高いガラス転移温度を有する。スチレン-ブタジエン-メチルメタクリレートブロックコポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-メチルメタクリレートブロックコポリマー、およびブタジエン-メチルメタクリレートブロックコポリマーが、具体例として列挙されている。
【0012】
現在、構造用フォーム製の立体成形品は、通常、射出成型法を用いて製造される。30℃以上の温度における物質の粘着性に起因して、射出成型法を用いて部品を製造するための出発原料は、粒子状で使用できない。それにも拘わらず、射出成型法で部品を製造するために、射出成型機へ材料を供給するための系を、高価なやり方で改良しなければならない。特別な供給系が必要であるので、任意の市販されている常套の射出成型機を用いて部品を製造することは不可能である。
【0013】
比較的高い融点を有する配合物を使用して、約40℃まで軟化点を上昇させる場合、射出成型機内の構造用フォーム部材をより高温で処理し、金型を充填させなければならない。この場合、組成物の硬化反応を開始させ成型機の閉塞を生じさせてしまうので、100℃より高い温度での処理はできない。
【0014】
エポキシ樹脂の融点よりすぐ上の温度における高い粘度、および特に、液化したエポキシ樹脂の粘着性に起因して、射出成形品の成型には技術的な複雑さをかなり要し、成形品は非常に不十分に製造されるにすぎない。このことは、通常、加工装置への特別な装備を必要とするので資本コストを上昇させる。
【0015】
溶融流延化合物の内在的な粘着性に起因して、射出成型機および射出成形金型内における流動性は非常に悪化する。エポキシ樹脂に基づく熱溶解性流延化合物の粘着性は、装置の汚染をもたらし得るので、保守および清掃費を極めて高く増加させる。対応策として離型剤が使用される。しかしながら、このことは、工具および機械の腐蝕をもたらし得るので、同様に保守要求を増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際特許出願公開第96/37400号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第00/27920号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102006048739号明細書
【特許文献4】国際特許出願公開第2007/004184号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開第2007/025007号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明により対処される目的は、上に列挙した問題を全く生じさせないか、または大幅に低減させる、エポキシ樹脂に基づく射出成形配合物を調製することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、以下のものを含有する熱発泡性の熱硬化性配合物に関する:
a)少なくとも1種のエポキシプレポリマー、
b)プレポリマー用の、少なくとも1種の熱活性化性硬化剤(heat-activatable hardener)、
c)少なくとも1種の発泡剤、
d)ポリエステル鎖を含有するポリウレタンから選択される、少なくとも1種の熱可塑性の非反応性ポリウレタン。
【発明を実施するための形態】
【0019】
熱可塑性ポリウレタンd)は、室温(22℃)で好ましくは固体であり、−20℃未満、好ましくは−30℃未満のガラス転移温度を有する。好ましくは室温で固体である熱可塑性ポリウレタンd)は、さらに、100℃より高い、好ましくは115℃より高い温度で開始する溶融領域または軟化領域(コフラー法)を有する。
【0020】
好ましくは室温で固体である適当なポリウレタンd)が、純物質として、さらに、少なくとも300%、好ましくは400%の破断伸び率を有することに注目すべきである。
【0021】
ゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される、適当なポリウレタンd)の数平均分子量は、好ましくは50000g/モル〜120000g/モル、特に55000g/モル〜90000g/モルの範囲である。
【0022】
上に列挙した性質を有する、ポリエステルを基剤とする熱可塑性ポリウレタンは、本発明による配合物に対して所望される低い粘着性をもたらし、射出成形によるそれらの加工をより容易にする一方で、硬化した配合物に対して必要とされる機械的安定性をもたらすので特に適当である。異なって選択された熱可塑性ポリウレタンは、未硬化の配合物に関して所望される低粘度をもたらさないか、または所望されない値まで硬化配合物の機械的性質を減少させてしまう。硬化状態において、少なくとも1000MPaの弾性率と少なくとも15MPaの圧縮強さを有する配合物が、これに関連して適当であるとされる一方で、これらよりも低い値を有する配合物は、対象とする用途に対して適当ではないとされる。
【0023】
上記基準を満たす適当な熱可塑性ポリウレタンは、市販されており、例えば、スペインのマーキュウインシャ(Merquinsa)社またはドイツのダンクインシャ(Danquinsa)社からのこれらに関する明細書に基づき製造することもできる。
【0024】
ポリカプロラクトンポリエステル鎖を含有するこれらの熱可塑性ポリウレタンは、上に列挙した性質を有する熱可塑性ポリウレタンd)として特に適当である。
【0025】
エポキシプレポリマー(以下「エポキシ樹脂」とも称する)は、原則として飽和、不飽和、環状若しくは非環式、脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環式のポリエポキシド化合物である。
【0026】
本発明と関連する適当なエポキシ樹脂系は、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ビスフェノールS型のエポキシ樹脂、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンと種々のフェノールを反応させることにより得られる、種々のジシクロペンタジエン変性フェノールのエポキシ化生成物、2,2'6,6'-テトラメチルビフェノールのエポキシ化生成物、芳香族エポキシ樹脂、例えばナフタレン基本骨格を有するエポキシ樹脂およびフルオレン基本骨格を有するエポキシ樹脂など、脂肪族エポキシ樹脂、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルおよび1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなど、脂環式のエポキシ樹脂、例えば3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよびビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペートなど、並びに複素環を有するエポキシ樹脂、例えば、トリグリシジルイソシアヌレートなどから好ましく選択される。特に、エポキシ樹脂には、例えばビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応生成物、フェノールおよびホルムアルデヒド(ノボラック樹脂)とエピクロロヒドリン、グリシジルエステルの反応生成物、並びにエピクロロヒドリンとp-アミノフェノールの反応生成物が含まれる。
【0027】
エピクロロヒドリン(またはエピブロモヒドリン)との反応により適当なエポキシ樹脂プレポリマーを生成する別のポリフェノールは、レソルシノール、1,2-ジヒドロキシベンゼン、ヒドロキノン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタン、4,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタン、および1,5-ヒドロキシナフタレンである。
【0028】
別の適当なポリエポキシドは、ポリアルコールまたはジアミンのポリグリシジルエーテルである。この種のポリグリシジルエーテルは、ポリアルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、またはトリメチロールプロパンから誘導される。
【0029】
市販されている別の好ましいエポキシ樹脂には、特に、オクタデシレンオキシド、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシドール、メタクリル酸グリシジル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル[例えば、商品名「Epon 828」、「Epon 825」、「Epon 1004」および「Epon 1010」(ヘキソン・スペシャリティー・ケミカルス社製)、「DER−331」、「DER−332」、「DER−334」、「DER−732」および「DER−736」(ダウケミカル社製)のもとで入手可能]、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ポリプロピレングリコールで変性させた脂肪族エポキシド、ジペンテンジオキシド、エポキシ化ポリブタジエン(例えば、サートマー社製のクラソール(Krasol)製品)、エポキシド官能基を含有するシリコーン樹脂、難燃性エポキシ樹脂(例えば、「DER−580」、ダウケミカル社から入手可能な、ビスフェノール型の臭素化エポキシ樹脂)、フェノール/ホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ダウケミカル社製の「DEN−431」および「DEN−438」)、ならびに、レゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、コッパーズ社製の「Kopoxite」、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサンメタジオキサン、ビニルシクロヘキセンモノキシド、1,2−エポキシヘキサデカン、アルキルグリシジルエーテル、例えば、C8−C10アルキルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー7」)、C12−C14-アルキルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー8」)、ブチルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー61」)、クレシルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー62」)、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー65」)、多官能化グリシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルなど(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー67」)、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー68」)、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー107」)、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー44」)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー48」)、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー84」)、ポリグリコールジエポキシド(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「へロキシ モディファー32」)、ビスフェノールFエポキシ(例えば、フンツマン社製の「EPN−1138」または「GY−281」)、9,9−ビス−4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルフルオレノン(例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「Epon1079」)が含まれる。
【0030】
別の好ましい商業的に入手可能な化合物は、以下のものから選択される:例えば、フンツマン社製の、AralditeTM6010、アラルダイトTMGY-281TM、アラルダイトTMECN-1273、アラルダイトTMECN-1280、アラルダイトTMMY-720、RD-2、ダウケミカル社製のDENTM 432、DENTM 438、DENTM 485、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のEponTM 812、826、830、834、836、871、872、1001、1031など、およびヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のHPTTM 1071、HPTTM 1079。さらに、ノボラック樹脂として、例えば、ヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のEpi−RezTM 5132、住友化学社製のESCN−001、ダウケミカル社製のQuatrex5010、日本化薬社製のRE 305S、大日本インキ化学工業社製のEpiclonTM N673、またはヘキシオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のEpicoteTM152が挙げられる。
【0031】
さらに、以下のポリエポキシドを少なくとも一部に使用してもよい:ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、例えば、グリシドール若しくはエピクロロヒドリンと、脂肪族若しくは芳香族ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸または脂肪酸二量体などとの反応生成物。
【0032】
適当なポリエポキシドのエポキシ当量は、150〜50000、好ましくは170〜5000の間で変動できる。例えば、エピクロロヒドリン/ビスフェノールAに基づく適当なエポキシ樹脂は、475〜550g/当量のエポキシ当量を有するか、1820〜2110mmol/gの範囲にエポキシ基含量を有する。RPM108-Cに従い決定される軟化点は、75〜85℃の範囲である。
【0033】
熱発泡性の熱硬化性配合物は、室温(22℃)にて液体である少なくとも1種のエポキシプレポリマー(a)を含有する。このことは、射出成型による該配合物の加工を容易にさせる。室温で液体であるこの種のエポキシプレポリマーの存在は、通常、所望ではない粘着性をもたらす。しかしながら、本発明において存在する熱可塑性ポリウレタンd)により、該粘着性は、射出成型法を使用して該配合物を容易に加工するのに十分な粘度まで再び低減される。
【0034】
エピクロルヒドリンとビスフェノールAまたはビスフェノールFの反応生成物は、室温で液体のエポキシプレポリマーとして好ましく使用される。これらは、一般的に、約150〜約480の範囲でエポキシ当量を有する。
【0035】
エポキシ樹脂バインダー系用の熱的に活性可能または熱潜在的な硬化剤が硬化剤として使用される。これらは、以下の化合物から選択できる:グアニジン、置換グアニジン、置換尿素、メラミン樹脂、グアナミン誘導体、環状第三アミン、芳香族アミンおよび/またはそれらの混合物。硬化剤は、硬化反応において化学量論的に取り込まれてもよいが、触媒活性であってもよい。置換グアニジンの例には以下のものが含まれる:メチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、メチルイソビグアニジン、ジメチルイソビグアニジン、テトラメチルイソビグアニジン、ヘキサメチルイソビグアニジン、ヘプタメチルイソビグアニジン、および就中特に、シアノグアニジン(ジシアンジアミド)。列挙できる適当なグアナミン誘導体の代表例は、アルキル化ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、またはメトシキメチル/エトシキメチルベンゾグアナミンである。ジシアンジアミドが特に適当である。
【0036】
上述した硬化剤に加えてまたは代わりに、触媒活性な置換尿素を用いることができる。これらは、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モニュロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、または3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)である。原理的には、触媒活性な第三アクリルアミンまたはアルキルアミン、例えばベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)フェノール、ピペリジンまたはピペリジン誘導体などを用いることもできる。更に、種々の(好ましくは固体の)イミダゾール誘導体を触媒活性促進剤として使用できる。列挙できる代表例は、2−エチル−2メチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、およびN−C1〜−C12アルキルイミダゾールまたはN−アリールイミダゾールである。アミノ化合物とエポキシ樹脂の付加物も、上述の硬化剤に対する促進剤として適当である。適当なアミノ化合物は、第3脂肪族、芳香族または環状アミンである。適当なエポキシ化合物は、例えば、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFまたはレゾルシノールのグリシジルエーテルに基づくポリエポキシドである。このような付加物の具体例は、第3級アミン、例えば2-ジメチルアミノエタノール、N-置換ピペラジン、N-置換ホモピペラジン、N-置換アミノフェノールと、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFまたはレゾルシノールのジ-またはポリグリシジルエーテルとの付加物である。
【0037】
原理上は、適当な発泡剤は全ての既知な発泡剤、例えば、分解により気体を放出する「化学的発泡剤」、または「物理的発泡剤」すなわち、膨張性中空球などである。前者の発泡剤の例は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジ−ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホヒドラジド、ベンゼン-1,3-ジスルホヒドラジド、p-トルエンスルホニル-セミカルバミドである。ポリビニリデンクロリドコポリマーまたはアクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマーに基づく発泡性のプラスチック中空微小球が特に好ましい。これらは、例えばピアース・アンド・スティーブンズ社およびキャスコ・ノーベル社からそれぞれ市販されている「Dualite(登録商標)」および「Expancel(登録商標)」である。
【0038】
発泡剤の量は、活性化温度(または発泡温度)まで加熱する際に、配合物の体積が少なくとも10%、好ましくは20%、特に少なくとも50%不可逆的に増加するような量で好ましく選択される。このことは、一般的な可逆性熱膨張に加えて、活性化温度まで加熱した際に、物質の体積が、室温(22℃)での開始体積に比べて不可逆的に増加することにより、室温まで冷却した後の該体積が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも50%増加することを意味する。従って、記載された発泡度は、加熱前の室温での体積と、活性化温度まで一時的に加熱した後の室温における体積に基づく。膨張率、即ち不可逆的な体積増加の上限は、膨張率が300%未満、特に200%未満となるように、発泡剤の量を選択することにより調整できる。
【0039】
活性温度は、好ましくは120〜220℃の範囲である。好ましくは、この温度が10〜150分の期間において維持されることが好ましい。
【0040】
好ましくは、配合物は、少なくとも1種のブロックコポリマーを付加的な成分e)として含有する。これは、15℃未満、特に0℃未満のガラス転移温度を有する第1ポリマーブロックと、25℃より高い、特に50℃より高いガラス転移温度を有する第2ポリマーブロックを含有するものから選択されることが好ましい。これらのブロックコポリマーは、第1ポリマーブロックがポリブタジエンブロック若しくはポリイソプレンブロックから選択され、第2ポリマーブロックがポリスチレンブロック若しくはポリメチルメタクリレートブロックから選択されるものから選択されることが更に適当である。
【0041】
例えば、ブロックコポリマーe)は、以下のブロック構造を有するコポリマーから選択される:スチレン-ブタジエン-(メタ)アクリレート、スチレン−ブタジエン-(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸エステル-ブチルアクリレート-(メタ)アクリル酸エステル、好ましくはメチルメタクリレート-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート。
【0042】
上述したブロックコポリマーは、上述の国際特許出願公開第2007/025007号明細書において使用できるコポリマーに対応する。これらに関するより詳細な情報、および本発明との関連において適当な更なるブロックコポリマーは、該明細書の第25頁第21行〜第26頁第9行に集約されている。また、このようなブロックコポリマーの製造について相互参照される文献も該明細書に記載されている。
【0043】
これらのブロックコポリマーの組成は、各ブロックにおけるモノマーユニットを示すことにより上述した。このことは、各ブロックコポリマーが、列挙されたモノマー製のポリマーブロックを含有することを意味する。個々のポリマーブロックにおいて、列挙されたモノマーの20モル%以下を別のコモノマーに置き換えてもよい。このことは、特にポリメチルメタクリレート製のブロックに適用できる。
【0044】
上述のブロックコポリマーは、特に0℃未満の温度において、本発明による硬化配合物の衝撃強さを改善させる。
【0045】
上述のブロックコポリマーに加えて、またはその代わりに、本発明による配合物は別の成分f)としてゴム粒子を含有してもよい。同様に、これらも、特に0℃未満の温度において、硬化配合物の衝撃強さの改善に貢献する。好ましくは、これらのゴム粒子は、コア-シェル構造を有する。
【0046】
これに関連して、コア-シェル構造を有するゴム粒子は、0℃未満のガラス転移温度を有するポリマー材料製のコアと、25℃より高いガラス転移温度を有するポリマー材料製の外皮を含有することが好ましい。コア-シェル構造を有する特に適当なゴム粒子は、ジエンホモポリマー、ジエンコポリマー、またはポリシロキサンエラストマー製のコアと、および/またはアルキル(メタ)アクリレートホモポリマーまたはコポリマー製のシェルを含有する。
【0047】
これらのコア−シェル粒子のコアは、例えば、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー、ブタジエンまたはイソプレンと1または複数のエチレン性不飽和モノマー、例えばビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリレート若しくは同様のモノマーとのコポリマーから選択されるジエンホモポリマーまたはジエンコポリマーを含有できる。シェルのポリマーまたはコポリマーは、例えば、(メタ)アクリレート、例えば特にメチルメタクリレートなど、ビニル芳香族モノマー(例えばスチレン)、ビニルシアニド(例えばアクリロニトリル)、不飽和酸または無水物(例えばアクリル酸)、(メタ)アクリルアミド、および適度に高いガラス転移温度を有するポリマーをもたらす同様のモノマーなどをモノマーとして含有できる。
【0048】
シェルのポリマーまたはコポリマーは、金属カルボン酸塩を生成することにより架橋し得る酸基、例えば二価の金属カチオンと共に塩を生じることにより架橋し得る酸基を含有できる。更に、シェルのポリマーまたはコポリマーは、1分子当り2または2以上の二重結合を有するモノマーを使用することにより、共有結合的に架橋できる。
【0049】
他のゴム様ポリマー、例えばポリ(ブチルアクリレート)、またはポリシロキサンエラストマー、例えばポリジメチルシロキサン、特に架橋したポリジメチルシロキサンをコアとして使用できる。
【0050】
一般的に、これらのコア-シェル粒子は、コアがコア-シェル粒子の50〜95wt%を占め、シェルが該粒子の5〜50wt%を占めるように構成される。
【0051】
好ましくは、これらのゴム粒子は比較的小さい。例えば、平均粒径(例えば光散乱法を用いて決定される)は、約0.03〜約2μm、特に約0.05〜約1μmの範囲である。しかしながら、より小さなコア-シェル粒子、例えば、平均粒径が約500nm未満、特に約200nm未満の粒子も使用できる。例えば、平均粒径は約25〜約200nmの範囲であってもよい。
【0052】
このようなコア-シェル粒子の製造は、当該技術分野において既知であり、例えば国際特許出願公開第2007/025007号明細書の第6頁、第16〜21行に記載される。
【0053】
この種のコア-シェル粒子に関する市販品の購入先は、この文献の第6頁の最終パラグラフから第7頁の第1パラグラフにかけて記載されている。該購入先の言及はこれによって開示される。このような粒子の製造方法に関する言及は、上述の文献の第7頁第2パラグラフから第8頁の第1パラグラフにかけて記載されている。適当なコア−シェル粒子に関するより詳細な情報は、上述した国際特許出願公開第2007/025007号明細書などにより開示され、該文献における詳細な記載は、第8頁第15行から第13頁第15行にかけて開示される。
【0054】
有機ポリマー製の外皮を含有する無機粒子は、コア-シェル構造を有する上述のゴム粒子と同様の機能をもたらすことができる。従って、本発明による別の好ましい実施態様は、本発明による配合物が、有機ポリマー製の外皮を含む無機粒子g)を、付加的な成分として含むことを特徴とする。
【0055】
この実施態様において、好ましくは、本発明における配合物は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマーから選択され、少なくとも30wt%がアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルで重合したポリマーにより構成される有機ポリマー製の外皮を含む無機粒子を含有する
【0056】
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルは、好ましくはメチルエステルおよび/またはエチルエステルであり、特に好ましくはエステルの少なくとも一部がメチルエステルとして存在する。さらに、該ポリマーは、無機粒子表面に対する有機ポリマーの結合性を改善できる非エステル化アクリル酸および/またはメタクリル酸を含有してもよい。従って、非エステル化アクリル酸および/またはメタクリル酸で構成されているモノマーユニットが、無機粒子の表面に結合するポリマー鎖末端に位置するまたは近接するような態様が特に好ましい。
【0057】
これに関連して、該有機ポリマーは少なくとも80wt%のアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルから構成されることが好ましい。特に、該ポリマーはそれらを90wt%、95wt%含有するか、あるいは完全にそれらから構成されてもよい。有機ポリマーが、アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルモノマー、あるいは非エステル化アクリル酸および/またはメタクリル酸モノマー以外のモノマーを含有する場合、好ましくは、それらは、エポキシ、ヒドロキシ、および/またはカルボキシル基を含有するコモノマーから選択される。
【0058】
外皮の有機ポリマーは、未架橋か、または1つの鎖のモノマー単位の5%未満を他の鎖のモノマー単位と架橋させるような弱い架橋が好ましい。これに関連して、ポリマーは、外皮の外方よりも無機粒子の表面付近でより多く架橋することが有利である。特に、外皮は、少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に好ましくは95%のポリマー鎖の一末端が、無機粒子の表面に結合するように構成されることが好ましい。
【0059】
無機粒子は、有機ポリマー製の外皮を施す前に、1〜1000nm、特に5〜30nmの範囲で平均粒径を有することが好ましい。該粒径を、光散乱法および電子顕微鏡法により決定できることが既知である。
【0060】
有機ポリマー製の外皮は、無機粒子自身の密度よりも低い密度を有する。好ましくは、有機ポリマー製の外皮は、有機ポリマー製の外皮に対する無機コアの重量比が2:1〜1:5、好ましくは3:2〜1:3の範囲となるような厚みを有する。このことは、無機粒子の上に有機ポリマー製の外皮を成長させる間の反応条件を選択することにより調製できる。
【0061】
一般に、無機粒子は金属、酸化物、水酸化物、カーボネート、スルフェートおよびホスフェートから選択できる。酸化物、水酸化物およびカーボネートの混合形態、例えば塩基性カーボネートまたは塩基性酸化物も使用できる。金属製の無機粒子は、鉄、コバルト、ニッケル、または少なくとも50wt%が該金属のうちの1種から構成される合金が好ましく適当である。好ましくは、酸化物、水酸化物、またはこれらの混合物形態は、ケイ素、セリウム、コバルト、クロミウム、ニッケル、亜鉛、チタニウム、鉄、イットリウム、ジルコニウムおよび/またはアルミニウムの該態様から選択される。これらの混合形態も可能であり、例えばアルミノシリケートまたはシリケートガラス製の粒子が挙げられる。酸化亜鉛、酸化アルミニウム若しくは水酸化アルミニウム、およびSiO、または「ケイ酸」若しくは「シリカ」と称されるケイ素の酸化物形態が特に好ましい。さらに、無機粒子は、カーボネート、例えばカルシウムカーボネート、またはスルフェート、例えばバリウムスルフェートから構成されてもよい。
【0062】
異なる組成物が相互に存在する無機コアを有する粒子も、勿論可能である
【0063】
有機ポリマー製の外皮を含有する無機粒子を製造するために、例えば、アルキレンエーテルカルボン酸でコートした酸化亜鉛を例として使用する国際特許出願公開第2004/111136A1号明細書における記載のように行うこともできる。この方法によると、未処理の無機粒子を無極性溶媒または弱極性溶媒中に懸濁させ、次いで外皮の単量体またはプレ重合性(prepolymeric)成分を添加し、溶媒を除去し、例えばラジカル的または光化学的に重合を開始させる。更に、外皮材のモノマーまたはプレポリマーを粒子用の有機コーティング成分として使用する、欧州特許出願公開第1469020号A1号明細書に記載される製造方法と同様のやり方でおこなうこともできる。また、ケイ酸ナノ粒子上にn-ブチルアクリレートを重合させることを例示する、G.キャロット、S.ディアマンティ、M.マヌスザック、B.カールレックス、J-P.バイロンによる「シリカナノ粒子からのn-ブチルアクリレートの原子移動ラジカル重合」J.polym.Sci.,第A部:ポリマー化学、第39巻、第4294頁〜第4301頁(2001年)に開示されるような、「原子移動ラジカル重合」により被覆粒子を製造することも可能である。
【0064】
国際特許出願第2006/053640号明細書に記載されているような製造方法を用いてもよい。本発明に関連して選択される無機コアは、その製造方法と共に国際特許出願第2006/053640号明細書の第5頁第24行〜第7頁第15行に記載されている。これらのコアのコーティングは、この文献の第10頁第22行〜第15頁の第7行に開示されるような方法で行うことができる。この文献の提案(第15頁、第9行〜第24行)によると、被覆工程の前に、無機粒子を予備処理に付してもよい。前述の記載箇所における、この件に関する記載内容は以下のとおりである。
【0065】
「特に、無機コアを使用する場合、コア上に外皮を重合させる前に、外皮の結合を可能とする予備処理をコアに施すことも好ましい。通常、これは、無機粒子に関する極めて広範囲の文献から既知である、粒子表面の化学的官能化において行われる。これに関して、化学的官能基、例えば、外皮ポリマーをグラフト化させる反応性末端基を、該表面上に施すことが特に好ましい。特に一例として、末端二重結合、エポキシ官能基、および重縮合性基をここに記載できる。ポリマーのヒドロキシル基を用いる表面官能化が、例えば欧州特許出願公開第337144号A明細書に記載されている。」
【0066】
一般に、本発明において有用な物質混合物は、それ自体が既知の充填剤、例えば種々の粉砕白亜若しくは沈降白亜、カーボンブラック、カルシウム−マグネシウムカーボネート、タルク、バライト、特に、アルミニウム−マグネシウム−カルシウムシリケート型のシリケート充填材、例えば珪灰石、クロライトを更に含有する。マイカを含有する充填剤も好ましく使用できる。この場合、就中特に好ましくは、重金属含有量が低い水晶およびモスコバイトマイカ性のいわゆる2成分系充填剤である。
【0067】
重量減少のために、配合物は、上述の「標準的な」充填剤に加えて、いわゆる軽量充填剤を含有してもよい。これらは、以下の金属中空球から成る群から選択できる:例えば、スチール中空球、ガラス中空球、フライアッシュ(フィライト)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステルに基づくプラスチック中空球、(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、ポリスチレン、スチレン/(メタ)アクリレートコポリマー、および特にポリビニリデンクロリド並びにアクリロニトリルおよび/または(メタ)アクリル酸エステルを有するビニリデンクロリドのコポリマー製の壁材を有する膨張中空微粒子、セラミック中空球、または天然起源、例えば粉砕した木の実殻などの有機軽量充填剤、例えばカシューナッツ殻、ココナッツ殻、またはピーナッツ殻、ならびに、コルク粉末またはコークス粉末。これに関連して、硬化した配合物において高い圧縮強さを保証する中空微粒子に基づく軽量充填剤が特に好ましい。
【0068】
特に好ましい実施態様において、熱的に硬化できる配合物は、例えば、アラミド繊維、カーボン繊維、金属繊維(例えばアルミニウム製)、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、またはポリエステル繊維に基づく繊維を付加的に含有する。好ましくは、これらの繊維は、0.5〜6mmの間の繊維長と5〜20μmの間の直径を有するステープル繊維またはパルプ繊維である。これに関連して、アラミド繊維型のポリアミド繊維、またはポリエステル繊維が特に好ましい。
【0069】
本発明による硬化性配合物は、常套の付加的な助剤および添加剤、例えば、可塑剤、レオロジー助剤、湿潤剤、接着促進剤、老化防止剤、安定剤、および/または着色顔料などを更に含有できる。各成分の定量比は、加工特性、柔軟性、要求される補強効果、および支持体に対する接着接合性に関して要求されるプロファイルに依存して、比較的幅広い範囲内で変化することができる。
【0070】
妥当な場合、本発明による配合物は、流動挙動を調整するために反応性希釈剤を含有できる。本発明の目的のための反応性希釈剤は、エポキシ基を含有し、脂肪族構造または芳香族構造を有する低粘度物質(グリシジルエーテルまたはグリシジルエステル)である。反応性希釈剤の代表例には以下のものが含まれる:C〜C14モノアルコールまたはアルキルフェノールのモノ−、ジ−またはトリグリシジルエーテル、およびカシュー殻オイルのモノグリシジルエーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、およびC〜C24カルボン酸のグリシジルエステル、またはこれらの混合物。
【0071】
全配合物の重量に基づきwt%で表される、本質的な成分に関する含有量は、以下のとおりである:
a)エポキシプレポリマー:10〜65%、好ましくは20〜60%、
b)該プレポリマー用の熱活性化性硬化剤:1〜10%、好ましくは2〜8%、
c)発泡剤:0.5〜10%、好ましくは1〜5%、
d)熱可塑性の非反応性ポリウレタン:1〜50%、好ましくは5〜35%、特に10〜20%、
e)ブロックコポリマー:0〜50%、好ましくは5〜30%、
f)ゴム粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%および最大で25%、
g)有機ポリマー製の外皮を含む無機粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%および最大で25%、
h)充填剤:0〜50%、好ましくは少なくとも5%および最大で30%、
ただし、全成分の合計は100wt%と同等である。
【0072】
本発明による配合物は、粒状形態に容易に製造でき、その結果、常套の容器、大型の袋、樽、または輸送袋で一時的な貯蔵を容易におこなえ、運搬できる。更に、それらは、特別な貯蔵装置、調合装置、および運搬装置を用いることなく、常套の射出成型システムで加工できる。これらの配合物から製造できる構造用フォームは、従来既知のエポキシに基づく配合物の圧縮強さまたは曲げ強さと品質的に匹敵する、圧縮強さまたは曲げ強さ特性を有する。驚くべきことに、本発明による配合物は、車両製造における基本骨格の製造過程において、射出成型機中での良好な流動作用を有するにもかかわらず、65℃の洗浄バスおよび前処理バス中で流出または洗い出されることなく、同時に流動応力を示す。更に、成型要素または粒子は、45℃未満の温度で粘着性を示さない。
【0073】
好ましくは、金属部材の補強および/または強化に使用できる熱発泡性成型要素は、低圧および低温の条件下、射出成型法により、発泡性の熱硬化性組成物から調製される
【0074】
例えば、このことを遂行するために、物質混合物は、50℃〜100℃の範囲の温度で押出機を用いてダイを通過させることにより押出され、次いで50℃未満の温度へ冷却した後、細かく切断される。強化されるキャビティの形態に適合した成型要素は、適当な形態のダイを通過させる押出しにより製造でき、所望の長さに切断することにより得ることができる。例えば、このようにして得られるものは、120℃〜220℃の範囲の温度で少なくとも20%が発泡できる反応性で架橋性の配合物から構成される成型要素である。
【0075】
上述したような物質混合物から成型体を製造する方法の別の例は、物質混合物を、押出機を用いて50℃〜100℃の範囲の温度で、射出成型機内へ導入し、次いで、50℃未満の温度まで冷却させた後に離型するような方法が選択される。
【0076】
押出工程は、予備混合されているが未成型の配合物として押出機内へ供給される物質混合物から開始することができ、あるいは、個々の原料物質自体を押出機内で最初に相互に混合させて得られる混合物質から開始することができる。しかしながら、上述したような粒状形態で物質混合物を使用してもよい。粒状物を押出機内へ導入する前に溶融させるか、または、好ましくは押出機内でこれらを溶融させた後、溶融物を射出成型機内へ押出す。
【0077】
この方法変形例は、以下の本質的な工程を含む方法により特徴づけられる:
a)100℃未満、好ましくは80℃〜95℃の間の温度で、上述した配合物成分を混合し、
b)100℃未満、好ましくは80℃〜95℃の間の温度で該配合物を押出し、所望により冷却した金属ベルト上で、粒質を形成させ、
c)このようにして形成した粒質を冷却し、
d)適当な場合、好ましくは容器、大型の袋、樽、または輸送袋により該粒質を一時的に貯蔵し、
e)該粒質を射出成型機内へ搬送し、
f)該粒質を100℃未満の温度で溶融させ、溶融物を、射出成型機の所定の金型内へ射出し、
g)成型した成型要素を冷却し、該金型から該成型要素を取り出す。
【0078】
熱可塑性ポリウレタンの含有により、工程d)において、エポキシ樹脂を含有する配合物の粘着性を十分に減少させることができ、押出工程または射出成型工程に利用される離型剤を必要としない。
【0079】
更に、本発明は、上述した熱発泡性の熱硬化性配合物から成る押出成型要素または射出成型要素を包含する。
【0080】
本発明による成型要素の主な用途は、構成部品、特に大型家電製品の構成部品、または自動車技術における車体部品、例えば車台フレーム、ドア、トランクの蓋、エンジンルームのフード、および/または屋根部を補強および強化することである。したがって、本発明は、押出成型および射出成型により得られる上述した成型要素のうちの少なくとも1種で補強または強化された車両部品または金属部材を包含する。
【0081】
本発明は、特に中空部品を強化、絶縁、減衰および/または封止するための方法を包含し、該方法において、本発明により得られる成型要素は、該中空部品を完成させる前に、該中空部品の内壁に固定され、該中空部品は閉鎖され、次いで、好ましくは10〜150分の期間、120〜220℃の範囲の温度まで加熱される。
【0082】
この方法は、車両工学における伸長中空構造物、例えばパッセンジャー・コンパートメントを包囲する骨格に関する通常の製造工程を利用する。通常、これらの中空構造は、金属から2つの対応する形状の半殻(half shells)を製造し、次いで、中空フレーム構造または該構造の一部をもたらすように、これらの半殻を相互に接合させることによって製造される。この種の中空構造物または中空支持材は、例えば、屋根構造を支持する車体のA-、B-またはCピラー、天井枠、敷居、およびホイールハウジングまたはエンジン支持物の部品である。この種の中空構造において、所謂「ピラー充填剤」または「バッフル」を使用することは、既存の技術においてよくあることであるが、本発明により得られる成型要素は、該半殻を他の半殻と接合させて中空構造をもたらす前に、後に空洞の内壁となる1つの半殻の表面上に、締結要素または粘着性の表面部を用いて固定することができる。
【0083】
好ましくは、本発明により得られる成型要素は、(長手方向の軸に対して垂直な方向を示す)断面が空洞の断面形状に一致するような方法で成型される。しかしながら、成型要素は、発泡前に、それが1または数カ所のみで中空部の内壁と接触するように寸法化される。これらの点に加えて、約1〜約10mm、好ましくは約2〜約4mmの幅を有する流れギャップは、成型要素の長手方向軸に対して平行に位置する境界面と中空部材の内壁との間に生じる。この流れギャップは、種々のプロセス流体で一般的な車体を処理する際に、中空壁の内側のあらゆる箇所を湿潤させることができる。該流れギャップは、成型要素の熱発泡によってのみ閉鎖され、その結果、該成型要素は、中空部品を強化、絶縁、減衰および/または封止する目的を果たす。成型要素上のスペーサーは、該成型素子の発泡前にこの流れギャップを確実に生じさせると共に、発泡までの間、該流れギャップを維持することを保証できる。
【実施例】
【0084】
実施態様の提示
本発明に係る成分d)(ポリエステル鎖を含むポリウレタンから選択される、熱可塑性の非反応性ポリウレタン)の有効性を、以下の基本配合を使用して調べた。これに関連して、さまざまな熱可塑性の非反応性ポリウレタン(以下単に「TPU」と要約する場合がある)を使用した。
【0085】
基本配合
1. エポキシ樹脂:40wt%
2. TPU:15wt%
3. カルシウムカーボネート:11wt%
4. ガラス球:24.6wt%
5. ジシアンジアミド+促進剤(Ajicure AH300、フェヌロン誘導体):6wt%
6. 物理的発泡剤(Expancel 091 DU 140、Akzo Nobel社):2wt%
7. 熱分解ケイ酸:1wt%
8. カーボンブラック:0.4wt%
【0086】
これらの成分を、以下のようにして相互に混合した:120℃で、プラネタリーミキサーを用い、予め調製した成分1の中へ成分2を混合させた。次いで、該混合物を80℃まで冷却し、そこに成分3および成分4を添加し、30分間混合させた。最後に、成分5、成分6、成分7および成分8を添加し、10分間混合させた。その後、真空条件下で5分間混合させた。
【0087】
本発明による混合物は、若干の粘着性を有するか、または粘着性を有さないので、以下の加工パラメータを用いて射出成形品を製造できた:温度20℃〜80℃、吐出速度15m/分、背圧5bar、吐出体積8cm、射出圧350bar。
【0088】
150℃で発泡および硬化させた後、該配合物は、48〜85%の広範囲において膨張率を示し、概して、60〜80%の狭い範囲で膨張率を示す。
【0089】
配合物の射出成型適合性を、粘着性に基づいて評価した。本質的な機械的パラメータを成す、硬化および発泡させた配合物の弾性率と圧縮強さ(MPa単位でそれぞれ測定した)を測定した。硬化状態の配合物は、少なくとも1000MPaの弾性率と少なくとも15MPaの圧縮強さを有することが適当である。一方、該配合物がこれらの値よりも低い値を有することは、対象とする用途に対して不適当である。適当な混合物は、未硬化の状態で低い粘着性を示すことに対する要求と、硬化および発泡状態において、上述の機械的特性に対する要求を共に満足する。
【0090】
TPUを含有しない配合物を、比較対象物として調製した。上述の記載に基づく他の成分を、合計100wt%となるよう相応に再計算した。この比較対象物は、発泡および硬化後(膨張率69%)に、1237MPaの弾性率と26.5MPaの圧縮強さを有した、即ち、機械的要求を満たしたが、それにもかかわらず、その高い粘着性に起因して、射出成型性をもたらさないことが判明した。
【0091】
本発明による以下の実施例は、全ての要求を満たす。
【0092】
実施例1
TPU=ポリエステルを基剤とするポリウレタン、数平均分子量:62150+/-100、融解範囲(コフラー法):155〜165℃、DIN53504に基づく引張り強さ:35MPa、DIN53504に基づく破断伸び:420%、ガラス転移温度(DSC、10℃/分):−22℃。
【0093】
配合物は若干の粘着性を示したが、付着することなく射出成型できた。発泡および硬化後の値は以下のとおりである:膨張率74%、弾性率1109MPa、圧縮強さ22MPa。
【0094】
上記混合物において10%の該TPUを使用し、他の成分の割合を、これらの合計が100%となるよう相応に再計算した場合、以下の結果が得られた:配合物は、付着することなく射出成型できた、硬化後の膨張率:74%、弾性率:1163MPa、圧縮強さ:25MPa。
【0095】
実施例2
TPU=ポリエステルを基剤とするポリウレタン、数平均分子量:110000+/-2000、融解範囲(コフラー法):120〜130℃、引張り強さ:25MPa、破断伸び:700%、ガラス転移温度(DSC、10℃/分):−32℃。
【0096】
未硬化の配合物は粘着性を示さなかった。発泡および硬化後84%の膨張率が得られた。弾性率は1199MPa、圧縮強さは15MPaであった。
【0097】
実施例3
TPU=ポリカプロラクトンポリエステルに基づく熱可塑性ポリウレタン。融解範囲(コフラー法):127〜137℃、引張り強さ:30MPa、破断伸び:700%、ガラス転移温度(DSC、10℃/分):−32℃、数平均分子量:88500+/-500。
【0098】
未硬化の配合物は粘着性を示さず、問題なく押出すことができた。発泡および硬化の後、膨張率72%、弾性率:1442MPa、圧縮強さ:25MPaであった。
【0099】
比較例
比較例のために、上述の基本配合におけるTPUとして、様々なポリエーテルを基剤とするTPUを使用した。その結果、幾つかの例において、得られた配合物は所望の低い粘着性を示したが、あらゆる場合において、発泡および硬化後に必要とされる機械的特性を満たさなかった。3種の異なる例によると、以下の結果が得られた:
【0100】
比較例1
弾性率:855MPa、圧縮強さ:13MPa。
【0101】
比較例2
弾性率:801MPa、圧縮強さ:10MPa。
【0102】
比較例3
弾性率:396MPa、圧縮強さ:16MPa。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分a)〜d)含有する熱発泡性の熱硬化性配合物:
a)少なくとも1種のエポキシプレポリマー、
b)該プレポリマー用の、少なくとも1種の熱活性化性硬化剤、
c)少なくとも1種の発泡剤、
d)ポリエステル鎖を含有するポリウレタンから選択される、少なくとも1種の熱可塑性の非反応性ポリウレタン。
【請求項2】
熱可塑性ポリウレタンd)が、22℃で固体であり、−20℃未満、好ましくは−30℃未満のガラス転移温度を有する請求項1に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項3】
熱可塑性ポリウレタンd)が、22℃で固体であり、100℃より高い温度、好ましくは115℃より高い温度で開始する融解範囲または軟化範囲(コフラー法)を有する請求項1または2に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項4】
熱可塑性ポリウレタンd)が、22℃で固体であり、純物質として、少なくとも300%、好ましくは少なくとも400%の破断伸び率を有する請求項1から3のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項5】
熱可塑性ポリウレタンd)が、50000g/モル〜120000g/モルの範囲の数平均分子量を有する請求項1から4のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項6】
ポリウレタンd)がポリカプロラクトンポリエステル鎖を含有する請求項1から5のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項7】
少なくとも1種のエポキシプレポリマーa)が22℃で液体である請求項1から6のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項8】
少なくとも1種のブロックコポリマーe)を更に含有する請求項1から7のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項9】
ブロックコポリマーe)が、15℃未満のガラス転移温度を有する第1ポリマーブロックと、25℃より高いガラス転移温度を有する第2ポリマーブロックを含有するブロックコポリマーから選択される請求項8に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項10】
ゴム粒子f)を更に含有する請求項1から9のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項11】
ゴム粒子がコア-シェル構造を有する請求項10に記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項12】
有機ポリマー製の外皮を有する無機粒子g)を更に含有する請求項1から9のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物。
【請求項13】
全配合物の重量に基づくwt%で表示される下記の含有量で成分a)〜g)を含有する請求項1から12のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物:
a)エポキシプレポリマー:10〜65%、好ましくは20〜60%、
b)該プレポリマー用の、熱活性化性硬化剤:1〜10%、好ましくは2〜8%
c)発泡剤:0.5〜10%、好ましくは1〜5%
d)熱可塑性の非反応性ポリウレタン:1〜50%、好ましくは5〜35%
e)ブロックコポリマー:0〜50%、好ましくは5〜30%、
f)ゴム粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%で最大25%
g)有機ポリマー製の外皮を有する無機粒子:0〜40%、好ましくは少なくとも5%で最大25%、
h)充填剤:0〜50%、好ましくは少なくとも5%で最大30%。
【請求項14】
補強部材または強化部材としての請求項1から13のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物の使用。
【請求項15】
請求項1から13のいずれかに記載の熱発泡性の熱硬化性配合物から、押出し成形または射出成形される造形品。

【公表番号】特表2012−506919(P2012−506919A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532559(P2011−532559)
【出願日】平成21年9月23日(2009.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062311
【国際公開番号】WO2010/049221
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】