説明

熱可塑性ポリマー組成物および加工安定化剤

【課題】加工安定性が一層向上した熱可塑性ポリマー組成物が望まれる。
【解決手段】式(1)で示される化合物と、Cm2mmで示される化合物(2a)の少なくとも1個のヒドロキシ基がアルコキシ基で置き換わった化合物(2)と、熱可塑性ポリマーとを含有する熱可塑性ポリマー組成物は、優れた加工安定性を示す[式(1)中、各R1、各R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8アルキル基等を表す。各R3は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。L1は、単結合等を表す。L2は、C2-8アルキレン基等を表す。Z1およびZ2のいずれか一方は、ヒドロキシ基等を表し、他方は、水素原子等を表す。]。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工安定性に優れた熱可塑性ポリマー組成物およびその製造方法に関する。さらに本発明は、加工安定化剤にも関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリマーは透明性に優れ、耐衝撃性も良好であることから、食品包装容器、日用雑貨品などに広く使用されている。かかる製品の製造では、熱可塑性ポリマーは、添加剤を含む組成物として使用される。熱可塑性ポリマー用の添加剤として、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(これは6−t−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル]−2−メチルフェノールとも呼ばれる)などが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−273494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加工安定性が一層向上した熱可塑性ポリマー組成物が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の式(1)で示される化合物、化合物(2)および熱可塑性ポリマーを含有する熱可塑性ポリマー組成物は、優れた加工安定性を示すことを見出した。このような知見に基づき、以下の[1]〜[12]に記載の発明に至った。
【0006】
[1] 式(1):
【0007】
【化1】

【0008】
[式(1)中、
各R1、各R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各R3は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。
1は、単結合、硫黄原子または式(1a):
【0009】
【化2】

【0010】
{式(1a)中、R6は、水素原子、C1-8アルキル基またはC5-8シクロアルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
2は、C2-8アルキレン基または式(1b):
【0011】
【化3】

【0012】
{式(1b)中、L3は、単結合またはC1-8アルキレン基を表す。*は酸素原子側に結合していることを表す。}で示される2価の基を表す。
1およびZ2のいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基またはC7-12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。]
で示される化合物と、
m2mm(式中、mは3以上10以下の整数である)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびm−1個のヒドロキシ基を有する化合物(2a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−OR7(式中、R7は、C1-12アルキル基を表す)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(2)と、
熱可塑性ポリマーと
を含有することを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物。
[2] 式(1)で示される化合物および化合物(2)の合計量が、熱可塑性ポリマー100質量部に対して0.001〜3質量部である上記[1]に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
[3] 式(1):
【0013】
【化4】

【0014】
[式(1)中、
各R1、各R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各R3は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。
1は、単結合、硫黄原子または式(1a):
【0015】
【化5】

【0016】
{式(1a)中、R6は、水素原子、C1-8アルキル基またはC5-8シクロアルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
2は、C2-8アルキレン基または式(1b):
【0017】
【化6】

【0018】
{式(1b)中、L3は、単結合またはC1-8アルキレン基を表す。*は酸素原子側に結合していることを表す。}で示される2価の基を表す。
1およびZ2のいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基またはC7-12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。]
で示される化合物と、
m2mm(式中、mは3以上10以下の整数である)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびm−1個のヒドロキシ基を有する化合物(2a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−OR7(式中、R7は、C1-12アルキル基を表す)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(2)と
を含有することを特徴とする加工安定化剤。
[4] 式(1)で示される化合物が、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンである上記[3]に記載の加工安定化剤。
[5] mが6である上記[3]または[4]に記載の加工安定化剤。
[6] 化合物(2)が、メチル α−D−グルコピラノシドである上記[5]に記載の加工安定化剤。
[7] 化合物(2)の含有量が、式(1)で示される化合物および化合物(2)の合計中0.1〜95質量%である上記[3]〜[6]のいずれか一つに記載の加工安定化剤。
[8] さらに、式(3):
【0019】
【化7】

【0020】
[式(3)中、
各R8および各R9は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-6アルキル基を表す。
4は、ヘテロ原子を含んでいてもよいn価のC1-24アルコール残基を表し、nは1〜4の整数を表す。ここでアルコール残基とは、アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた残りの基を表す。]
で示される化合物を含有する上記[3]〜[7]のいずれか一つに記載の加工安定化剤。
[9] さらに、式(4)〜式(8)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有する上記[3]〜[8]のいずれか一つに記載の加工安定化剤。
【0021】
【化8】

【0022】
[式(4)中、各R10および各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。]
【0023】
【化9】

【0024】
[式(5)中、各R12は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。]
【0025】
【化10】

【0026】
[式(6)中、各R13は、それぞれ独立に、C1-18アルキル基、またはC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基を表す。]
【0027】
【化11】

【0028】
[式(7)中、
各R14および各R15は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各L5は、それぞれ独立に、単結合、硫黄原子または式(7a):
【0029】
【化12】

【0030】
{式(7a)中、R16およびR17は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1-7アルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
各L6は、それぞれ独立に、C2-8アルキレン基を表す。]
【0031】
【化13】

【0032】
[式(8)中、
各R18および各R19は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
20は、C1-8アルキル基、またはC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基を表す。
7は、単結合、硫黄原子または式(8a):
【0033】
【化14】

【0034】
{式(8a)中、R21およびR22は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1-7アルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。]
[10] さらに、式(4)で示される化合物を含有する上記[3]〜[8]のいずれか一つに記載の加工安定化剤。
【0035】
【化15】

【0036】
[式(4)中、各R10および各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。]
[11] 上記[3]〜[10]のいずれか一つに記載の加工安定化剤および熱可塑性ポリマーを混合することを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物の製造方法。
[12] 熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性を向上させるための、上記[3]〜[10]のいずれか一つに記載の加工安定化剤の使用。
【発明の効果】
【0037】
本発明の加工安定化剤を用いれば、熱可塑性ポリマーの加工安定性を向上させることができる。
式(1)で示される化合物および化合物(2)を併用すれば、熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を順に説明する。なお、本発明において、「Ca-b」とは、炭素数がa以上b以下であることを意味する。また以下では、「式(1)で示される化合物」等を「化合物(1)」等と略称することがある。同様に、「式(1a)で示される2価の基」等を「2価の基(1a)」等と略称することがある。
【0039】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、本発明の加工安定化剤(即ち化合物(1)および化合物(2))を含有することを特徴とする。以下では、まず加工安定化剤について説明し、次いで熱可塑性ポリマー組成物を説明する。
【0040】
本発明の加工安定化剤は、化合物(1)を含有することを特徴の一つとする。化合物(1)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。以下、化合物(1)について順に説明する。
【0041】
式(1)中の各R1、各R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。R1は二つ存在するが、各R1は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R2も同様である。
【0042】
1-8アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1-8アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上5以下である。C1-8アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、イソオクチル基(6−メチルヘプチル基ともいう)、t−オクチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基ともいう)、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
【0043】
5-8シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。
【0044】
6-12アルキルシクロアルキル基としては、例えば、1−メチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0045】
7-12アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基(1−フェニルエチル基ともいう)、α,α−ジメチルベンジル基(1−メチル−1−フェニルエチル基またはクミル基ともいう)などが挙げられる。
【0046】
各R1およびR4は、それぞれ独立に、好ましくは、C1-8アルキル基(より好ましくは3級炭素原子を有するC4-8アルキル基)、C5-8シクロアルキル基(より好ましくはシクロヘキシル基)またはC6-12アルキルシクロアルキル基(より好ましくは1−メチルシクロヘキシル基)である。3級炭素原子を有するC4-8アルキル基としては、t−ブチル基、t−ペンチル基およびt−オクチル基がさらに好ましい。
【0047】
各R2は、それぞれ独立に、好ましくはC1-8アルキル基、C5-8シクロアルキル基またはC6-12アルキルシクロアルキル基であり、より好ましくはC1-5アルキル基である。C1-5アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1-5アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基などが挙げられる。各R2は、それぞれ独立に、メチル基、t−ブチル基またはt−ペンチル基であることがさらに好ましい。
【0048】
5は、好ましくは水素原子またはC1-5アルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル基である。なお、R5のC1-5アルキル基としては上述のものが挙げられる。
【0049】
式(1)中の各R3は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。R3は二つ存在するが、各R3は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R3は、好ましくは水素原子またはC1-5アルキル基であり、より好ましくはメチル基または水素原子である。なお、R3のC1-8アルキル基およびC1-5アルキル基としては上述のものが挙げられる。
【0050】
式(1)中のL1は、単結合、硫黄原子または式(1a)で示される2価の基を表し、式(1a)中のR6は、水素原子、C1-8アルキル基またはC5-8シクロアルキル基を表す。R6は、好ましくは水素原子またはC1-5アルキル基である。なお、R6のC1-8アルキル基、C1-5アルキル基およびC5-8シクロアルキル基としては上述のものが挙げられる。L1は、好ましくは単結合または2価の基(1a)であり、より好ましくは単結合である。
【0051】
式(1)中のL2は、C2-8アルキレン基または式(1b)示される2価の基を表し、式(1b)中のL3は、単結合またはC1-8アルキレン基を表す。C2-8アルキレン基およびC1-8アルキレン基は、いずれも、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。C2-8アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(−(CH3)CHCH2−、−CH2CH(CH3)−)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基などが挙げられ、C1-8アルキレン基としては、メチレン基および上述のC2-8アルキレン基などが挙げられる。
【0052】
2は、好ましくは、C2-8アルキレン基、L3が単結合である2価の基(1b)(即ちカルボニル基)、またはL3がエチレン基である2価の基(1b)であり;より好ましくはC2-8アルキレン基であり;さらに好ましくはトリメチレン基である。
【0053】
式(1)中のZ1およびZ2のいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基またはC7-12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。なお、Z1およびZ2のC1-8アルキル基としては上述のものが挙げられる。
【0054】
1-8アルコキシ基は、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。C1-8アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、t−ペンチルオキシ基、イソオクチルオキシ基(6−メチルヘプチルオキシ基ともいう)、t−オクチルオキシ基(1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ基ともいう)、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0055】
7-12アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジルオキシ基などが挙げられる。
【0056】
1およびZ2のいずれか一方がヒドロキシ基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
【0057】
置換基の好ましい組合せとしては、各R1およびR4が、それぞれ独立に、3級炭素原子を有するC4-8アルキル基、シクロヘキシルまたは1−メチルシクロヘキシル基であり、各R2が、それぞれ独立にC1-5アルキル基であり、各R3が、それぞれ独立に水素原子またはC1-5アルキル基であり、R5が水素原子またはC1-5アルキル基であり、L1が単結合であり、L2がC2-8アルキレン基であり、Z1およびZ2のいずれか一方がヒドロキシ基であり、他方が水素原子である組合せが挙げられる。この好ましい組合せにおいて、各R1は互いに同じものであることがより好ましい。各R2および各R3も同様である。また、この好ましい組合せにおいて、各R1、各R3およびR4は、共通して、t−ブチル基またはt−ペンチル基(特にt−ブチル基)であることがさらに好ましい。
【0058】
化合物(1)としては、例えば、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジエチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンなどが挙げられる。
【0059】
化合物(1)の中でも、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(以下「化合物(1−1)」と略称することがある)が好ましい。化合物(1−1)は「スミライザー(登録商標)GP」(住友化学社製)として市販されている。
【0060】
化合物(1)は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば特許文献1に記載の方法)に準じて製造することができる。
【0061】
本発明の加工安定化剤は、化合物(2)を含有することを特徴の一つとする。化合物(2)は、化合物(2a)の少なくとも1個のヒドロキシ基がアルコキシ基(−OR7;R7はC1-12アルキル基を表す)で置き換わった化合物である。化合物(2)は、水和物でもよく、無水和物でもよい。
【0062】
化合物(2a)は、Cm2mm(式中、mは3以上10以下の整数である)で表され、m−1個のヒドロキシ基を有する単糖である。化合物(2a)は、トリオース(m=3)、テトロース(m=4)、ペントース(m=5)、ヘキソース(m=6)、ヘプトース(m=7)、オクトース(m=8)、ノノース(m=9)またはデコース(m=10)である。mは、好ましくは4以上(より好ましくは5以上)、好ましくは8以下(より好ましくは7以下)であり、さらに好ましくは6である。
【0063】
化合物(2a)は、環状でも鎖状でもよく、好ましくは環状である。環状の化合物(2a)は、ピラノース型でもフラノース型でもよく、好ましくはピラノース型である。また化合物(2a)は、D体でもL体でもよく、好ましくはD体である。さらに化合物(2a)は、アルデヒド基(ホルミル基ともいう)を有するアルドースでも、ケトン基(カルボニル基ともいう)を有するケトースでもよく、好ましくはアルドースである。化合物(2a)は、上述した物の混合物でもよい。
【0064】
アルドースとしては、例えば、アルドトリオース(グリセルアルデヒド);アルドテトロース(エリトロース、トレオース);アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース);アルドヘキソース(グルコース、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース);およびアルドヘプトース(例えばD−グリセロ−D−ガラクト−ヘプトースなど)が挙げられる。
【0065】
ケトースとしては、例えば、ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン);ケトテトロース(エリトルロース);ケトペントース(リブロース、キシルロース);ケトヘキソース(プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース);およびケトヘプトース(例えばセドヘプツロース、D−マンノ−ヘプツロースなど)が挙げられる。
【0066】
化合物(2a)は、好ましくはヘキソース(六炭糖ともいう)であり、より好ましくはアルドヘキソースであり、さらに好ましくはグルコースである。アルドヘキソースは、好ましくはピラノース型である。以下、「ヘキソースのヒドロキシ基が−OR7基で置き換わった化合物」等を「ヘキソース−化合物(2)」等と呼ぶことがある。
【0067】
化合物(2)中の−OR7基の数は、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1である。複数の−OR7基が存在する場合、各R7は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。−OR7基は、好ましくは、化合物(2a)の1位の炭素原子と結合している。−OR7基が環状の化合物(2a)の1位の炭素原子と結合している場合、−OR7基の結合方向は、αでもβでもよく、好ましくはαである。なお、結合方向および位置番号の付け方は単糖の基準に従う。
【0068】
7は、C1-12アルキル基を表す。C1-12アルキル基は、鎖状または環状のいずれでもよく、好ましくは鎖状(直鎖状または分枝鎖状)、より好ましくは直鎖状である。C1-12アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上8以下である。C1-12アルキル基としては、例えば、直鎖状C1-12アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基)、分枝鎖状C3-12アルキル基(例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基など)、環状C3-12アルキル基(即ちC3-12シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基など)が挙げられる。C1-12アルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基、またはオクチル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0069】
化合物(2)は、好ましくはヘキソース−化合物(2)であり、より好ましくはアルドヘキソース−化合物(2)(即ちグルコース−化合物(2)、マンノース−化合物(2)、ガラクトース−化合物(2)、アロース−化合物(2)、アルトロース−化合物(2)、グロース−化合物(2)、イドース−化合物(2)、またはタロース−化合物(2))である。前記アルドヘキソースは、いずれも、ピラノース型であることが好ましい。
【0070】
グルコース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−グルコピラノシド、エチル α−D−グルコピラノシド、プロピル α−D−グルコピラノシド、ブチル α−D−グルコピラノシド、ペンチル α−D−グルコピラノシド、ヘキシル α−D−グルコピラノシド、ヘプチル α−D−グルコピラノシド、オクチル α−D−グルコピラノシド、ノニル α−D−グルコピラノシド、デシル α−D−グルコピラノシド、ウンデシル α−D−グルコピラノシド、ドデシル α−D−グルコピラノシドなどが挙げられる。
【0071】
マンノース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−マンノピラノシド、エチル α−D−マンノピラノシド、プロピル α−D−マンノピラノシド、ブチル α−D−マンノピラノシド、ペンチル α−D−マンノピラノシド、ヘキシル α−D−マンノピラノシド、ヘプチル α−D−マンノピラノシド、オクチル α−D−マンノピラノシド、ノニル α−D−マンノピラノシド、デシル α−D−マンノピラノシド、ウンデシル α−D−マンノピラノシド、ドデシル α−D−マンノピラノシドなどが挙げられる。
【0072】
ガラクトース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−ガラクトピラノシド、エチル α−D−ガラクトピラノシド、プロピル α−D−ガラクトピラノシド、ブチル α−D−ガラクトピラノシド、ペンチル α−D−ガラクトピラノシド、ヘキシル α−D−ガラクトピラノシド、ヘプチル α−D−ガラクトピラノシド、オクチル α−D−ガラクトピラノシド、ノニル α−D−ガラクトピラノシド、デシル α−D−ガラクトピラノシド、ウンデシル α−D−ガラクトピラノシド、ドデシル α−D−ガラクトピラノシドなどが挙げられる。
【0073】
アロース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−アロピラノシド、エチル
α−D−アロピラノシド、プロピル α−D−アロピラノシド、ブチル α−D−アロピラノシド、ペンチル α−D−アロピラノシド、ヘキシル α−D−アロピラノシド、ヘプチル α−D−アロピラノシド、オクチル α−D−アロピラノシド、ノニル α−D−アロピラノシド、デシル α−D−アロピラノシド、ウンデシル α−D−アロピラノシド、ドデシル α−D−アロピラノシドなどが挙げられる。
【0074】
アルトロース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−アルトロピラノシド、エチル α−D−アルトロピラノシド、プロピル α−D−アルトロピラノシド、ブチル α−D−アルトロピラノシド、ペンチル α−D−アルトロピラノシド、ヘキシル α−D−アルトロピラノシド、ヘプチル α−D−アルトロピラノシド、オクチル α−D−アルトロピラノシド、ノニル α−D−アルトロピラノシド、デシル α−D−アルトロピラノシド、ウンデシル α−D−アルトロピラノシド、ドデシル α−D−アルトロピラノシドなどが挙げられる。
【0075】
グロース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−グロピラノシド、エチル
α−D−グロピラノシド、プロピル α−D−グロピラノシド、ブチル α−D−グロピラノシド、ペンチル α−D−グロピラノシド、ヘキシル α−D−グロピラノシド、ヘプチル α−D−グロピラノシド、オクチル α−D−グロピラノシド、ノニル α−D−グロピラノシド、デシル α−D−グロピラノシド、ウンデシル α−D−グロピラノシド、ドデシル α−D−グロピラノシドなどが挙げられる。
【0076】
イドース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−イドピラノシド、エチル
α−D−イドピラノシド、プロピル α−D−イドピラノシド、ブチル α−D−イドピラノシド、ペンチル α−D−イドピラノシド、ヘキシル α−D−イドピラノシド、ヘプチル α−D−イドピラノシド、オクチル α−D−イドピラノシド、ノニル α−D−イドピラノシド、デシル α−D−イドピラノシド、ウンデシル α−D−イドピラノシド、ドデシル α−D−イドピラノシドなどが挙げられる。
【0077】
タロース−化合物(2)としては、例えば、メチル α−D−タロピラノシド、エチル
α−D−タロピラノシド、プロピル α−D−タロピラノシド、ブチル α−D−タロピラノシド、ペンチル α−D−タロピラノシド、ヘキシル α−D−タロピラノシド、ヘプチル α−D−タロピラノシド、オクチル α−D−タロピラノシド、ノニル α−D−タロピラノシド、デシル α−D−タロピラノシド、ウンデシル α−D−タロピラノシド、ドデシル α−D−タロピラノシドなどが挙げられる。
【0078】
前記具体例では−OR7基の結合方向がαである化合物(2)を列挙したが、同じ−OR7基を有し、結合方向がβであるアルドヘキソース−化合物(2)も具体例として挙げられる。なお以下では「−OR7基の結合方向がαである化合物(2)」等を「α体」等と略称することがある。同様に、前記具体例ではD体を列挙したが、同じ−OR7基を有するL体も具体例として挙げられる。
【0079】
アルドヘキソース−化合物(2)の中でも、グルコース−化合物(2)が好ましく、C1-12アルキル D−グルコピラノシド(α体およびβ体の両方)がより好ましく、メチル
α−D−グルコピラノシド(以下「化合物(2−1)」と略称することがある)およびオクチル β−D−グルコピラノシド(以下「化合物(2−2)」と略称することがある)がさらに好ましく、化合物(2−1)が特に好ましい。
【0080】
化合物(2)は、1種のみを使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。化合物(2)の混合物としては、例えば、化合物(2a)の平衡混合物(例えばグリセルアルデヒドとジヒドロキシアセトンとの平衡混合物であるグリセロース)から、公知の製造方法で得られる化合物(2)の混合物などが挙げられる。またα体とβ体との混合物、およびD体とL体との混合物も使用することができる。
【0081】
化合物(2)は、公知の方法(例えば、新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V(丸善株式会社、昭和53年7月20日発行)第2426頁に記載の方法)に準じて製造することができる。例えば、(i)化合物(2a)(即ち単糖)を、−OR7基に対応するアルカノールに溶解させ、−10℃〜室温の温度で該溶液に塩化水素ガスを流通させることによって、化合物(2a)をアルコキシ化する方法;(ii)化合物(2a)、−OR7基に対応するアルカノールおよび塩酸の混合溶液を加熱還流することによって、化合物(2a)をアルコキシ化する方法;などが挙げられる。また化合物(2)は市販されている。例えば、化合物(2−1)および(2−2)は東京化成工業株式会社から入手することができる。
【0082】
本発明の加工安定化剤における化合物(2)の含有量は、化合物(1)および化合物(2)の合計中、好ましくは0.1質量%以上(より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、特に好ましくは5質量%以上)、好ましくは95質量%以下(より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下、特に好ましくは50質量%以下)である。
【0083】
本発明の加工安定化剤は、化合物(1)および化合物(2)からなるものであってもよく、或いは他の成分を含有していてもよい。例えば、本発明の加工安定化剤は、さらに、化合物(3)を含有していてもよい。化合物(3)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。以下、化合物(3)について順に説明する。
【0084】
式(3)中の各R8および各R9は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-6アルキル基を表す。nが2以上である場合、各R8は互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R9も同様である。C1-6アルキル基は、鎖状または環状のいずれでもよく、鎖状は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1-6アルキル基としては、直鎖状C1-6アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、分枝鎖状C3-6アルキル基(例えば、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基)、環状C3-6アルキル基(即ちC3-6シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)が挙げられる。各R8および各R9は、それぞれ独立に、好ましくは直鎖状C1-6アルキル基または分枝鎖状C3-6アルキル基、より好ましくはメチル基またはt−ブチル基である。さらに好ましくは、各R8および各R9が全てt−ブチル基である。
【0085】
式(3)中のL4は、ヘテロ原子を含んでいてもよいn価のC1-24アルコール残基を表し、nは1〜4の整数を表す。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子または窒素原子などが挙げられ、これらヘテロ原子が、n価のC1-24アルコール残基中の炭素原子と置き換わっていてもよい。即ち、n価のC1-24アルコール残基は、−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子または他の置換基(例えばC1-6アルキル基)を表す。)などを有していてもよい。ヘテロ原子としては、酸素原子が好ましい。
【0086】
n価のC1-24アルコール残基(n=1〜4)は、鎖状または環状のいずれでもよく、これらの組合せでもよい。鎖状は、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。
【0087】
1価のC1-24アルコール残基としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等の残基が挙げられる。
【0088】
2価のC1-24アルコール残基としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等の残基が挙げられる。
【0089】
3価のC1-24アルコール残基としては、例えば、グリセロール等の残基が挙げられる。
【0090】
4価のC1-24アルコール残基としては、エリスリトール、ペンタエリスリトール等の残基が挙げられる。
【0091】
化合物(3)としては、例えば、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸、または3−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコールとのエステルが挙げられる。前記の一価または多価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンおよびこれらの混合物などが挙げられる。
【0092】
好ましい化合物(3)は、オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(以下「化合物(3−1)」と略称することがある)、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下「化合物(3−2)」と略称することがある)およびペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](以下「化合物(3−3)」と略称することがある)である。化合物(3−1)は「イルガノックス(登録商標)1076」(BASF社製)として、化合物(3−2)は「スミライザー(登録商標)GA−80」(住友化学社製)として、化合物(3−3)は「イルガノックス(登録商標)1010」(BASF社製)として市販されている。
【0093】
化合物(3)は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば米国特許第330859号、米国特許第3644482号または特開昭59−25826号公報に記載の方法)に準じて製造することができる。
【0094】
本発明の加工安定化剤は、さらに、化合物(4)〜化合物(8)からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有していてもよい。化合物(4)〜化合物(8)は、いずれも1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。以下、化合物(4)〜化合物(8)について順に説明する。
【0095】
式(4)中の各R10および各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。R10は三つ存在するが、各R10は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R11も同様である。R10およびR11の位置は、2位および4位であることが好ましい。
【0096】
1-9アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1-9アルキル基の炭素数は、好ましくは3以上5以下である。C1-9アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
なお、R10およびR11のC5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。
【0097】
各R10および各R11は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子またはC1-9アルキル基、より好ましくは水素原子、t−ブチル基またはノニル基、さらに好ましくはt−ブチル基である。
【0098】
化合物(4)としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(以下「化合物(4−1)」と略称することがある)、トリフェニルホスファイト、トリス(4−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジノニルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、化合物(4−1)が好ましい。化合物(4−1)は、「イルガフォス(登録商標)168」(BASF社製)として市販されている。
【0099】
式(5)中の各R12は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。R12は四つ存在するが、各R12は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。なお、R12のC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。各R12は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子またはC1-9アルキル基、より好ましくは水素原子である。
【0100】
化合物(5)としては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスホナイト(以下「化合物(5−1)」と略称することがある)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスホナイト(以下「化合物(5−2)」と略称することがある)などが挙げられる。これらの中でも、化合物(5−1)が好ましい。化合物(5−1)は、「サンドスタブ(登録商標)P−EPQ」(クラリアント社製)として、化合物(5−2)は、「ヨシノックス(登録商標)GSY−P101」(API社製)として市販されている。
【0101】
式(6)中の各R13は、それぞれ独立に、C1-18アルキル基またはフェニル基を表す。R13のフェニル基は、置換基として、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。なお、これらのフェニル基の置換基としては、上述のものが挙げられる。また、R13は二つ存在するが、各R13は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。
【0102】
1-18アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1-18アルキル基の炭素数は、好ましくは12以上18以下である。C1-18アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
【0103】
1-9アルキル基で置換されているフェニル基としては、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2−ノニルフェニル基、4−ノニルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−ノニルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、2−t−ブチル−4−メチルフェニル基、2−t−ブチル−4−エチルフェニル基、2,5−ジ−t−ブチルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル基などが挙げられる。
【0104】
5-8シクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、2−シクロペンチルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジシクロヘキシルフェニル基などが挙げられる。
【0105】
6-12アルキルシクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、2−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基、2,4−ジ−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基などが挙げられる。
【0106】
7-12アラルキル基で置換されているフェニル基としては、2−ベンジルフェニル基、2−クミルフェニル基、4−クミルフェニル基、2,4−ジクミルフェニル基などが挙げられる。
【0107】
1-9アルキル基およびC5-8シクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、2−メチル−4−シクロへキシルフェニル基などが挙げられる。C1-9アルキル基およびC6-12アルキルシクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、2−メチル−4−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基などが挙げられる。C1-9アルキル基およびC7-12アラルキル基で置換されているフェニル基としては、2−ベンジル−4−メチルフェニル基などが挙げられる。
【0108】
各R13は、それぞれ独立に、好ましくは、オクタデシル基(ステアリル基ともいう)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基または2,4−ジクミルフェニル基である。
【0109】
化合物(6)としては、例えば、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(以下「化合物(6−1)」と略称することがある)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(以下「化合物(6−2)」と略称することがある)、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(以下「化合物(6−3)」と略称することがある)、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(以下「化合物(6−4)」と略称することがある)、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、化合物(6−1)、化合物(6−2)および化合物(6−3)が好ましい。化合物(6−1)は「アデカスタブ(登録商標)PEP−36」(アデカ社製)として、化合物(6−2)は「ウルトラノックス(登録商標)626」(GEプラスチック社製)として、化合物(6−3)は「ドーヴァーフォスS9228T」(ドーヴァーケミカル社製)として、化合物(6−4)は「アデカスタブ(登録商標)PEP−8」(アデカ社製)として市販されている。
【0110】
式(7)中の各R14および各R15は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。R14およびR15のC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。R14は六つ存在するが、各R14は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R15も同様である。R14およびR15の位置は、L5が結合しているベンゼン環の炭素原子の位置をそれぞれ1位とした場合、3位および5位であることが好ましい。各R14および各R15は、それぞれ独立に、好ましくはC1-9アルキル基、より好ましくはt−ブチル基である。
【0111】
式(7)中の各L5は、それぞれ独立に、単結合、硫黄原子または式(7a)で示される2価の基を表し、式(7a)中のR16およびR17は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1-7アルキル基を表す。L5は三つ存在するが、各L5は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。
【0112】
1-7アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1-7アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上3以下である。R16およびR17の炭素数合計は、好ましくは3以下である。C1-7アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などが挙げられる。
【0113】
2価の基(7a)としては、例えば、−CH2−、−CH(CH3)−、−CH(C25)−、−C(CH32−、−CH(n−C37)−などが挙げられる。
【0114】
各L5は、好ましくは−CH2−または単結合、より好ましくは単結合である。
【0115】
式(7)中の各L6は、それぞれ独立に、C2-8アルキレン基を表す。L6は三つ存在するが、各L6は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。C2-8アルキレン基としては、上述のものが挙げられる。各L6は、それぞれ独立に、好ましくは、エチレン基またはトリメチレン基、より好ましくはエチレン基である。
【0116】
化合物(7)としては、6,6’,6”−[ニトリロトリス(エチレンオキシ)]トリス(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン)(以下「化合物(7−1)」と略称することがある)が好ましい。化合物(7−1)は「イルガフォス(登録商標)12」(BASF社製)として市販されている。
【0117】
式(8)中の各R18および各R19は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。R18およびR19のC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。R18は二つ存在するが、各R18は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R19も同様である。R18およびR19の位置は、L7が結合しているベンゼン環の炭素原子の位置をそれぞれ1位とした場合は3位および5位であること、即ち、Oが結合しているベンゼン環の炭素原子の位置をそれぞれ1位とした場合は2位および4位であることが好ましい。各R18および各R19は、それぞれ独立に、好ましくはC1-9アルキル基、より好ましくはt−ブチル基である。
【0118】
式(8)中のR20は、C1-8アルキル基またはフェニル基を表す。R20のフェニル基は、置換基として、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。R20のC1-8アルキル基および置換基を有するフェニル基としては、上述のものが挙げられる。但し、R20のC1-8アルキル基の炭素数は、好ましくは4以上8以下である。R20は、好ましくはC1-8アルキル基、より好ましくはオクチル基である。
【0119】
式(8)中のL7は、単結合、硫黄原子または式(8a)示される2価の基を表し、式(8a)中のR21およびR22は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1-7アルキル基を表す。R21およびR22のC1-7アルキル基としては、上述のものが挙げられる。R21およびR22の炭素数合計は、好ましくは3以下である。2価の基(8a)の具体例としては、2価の基(7a)と同じものが挙げられる。L7は、好ましくは−CH2−または単結合、より好ましくは−CH2−である。
【0120】
化合物(8)としては、例えば、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(以下「化合物(8−1)」と略称することがある)および2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイトが挙げられる。これらの中で化合物(8−1)が好ましい。化合物(8−1)は「アデカスタブ(登録商標)HP−10」(アデカ社製)として市販されている。
【0121】
化合物(4)〜化合物(8)の中では、化合物(4)が好ましく、化合物(4−1)がより好ましい。
【0122】
加工安定化剤が化合物(3)〜化合物(8)を含有する場合、化合物(3)〜化合物(8)の各含有量は、化合物(1)および化合物(2)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上(より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上)、好ましくは200質量部以下(より好ましくは90質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下)である。
【0123】
本発明の加工安定化剤は、化合物(1)〜化合物(8)以外の添加剤(以下「他の添加剤」と略称する)を含んでいてもよい。他の添加剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、安定剤、滑剤、金属不活性化剤、造核剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、顔料、無機充填剤などが挙げられる。
【0124】
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0125】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、以下の[1]〜[16]に記載するものなどが挙げられる。
[1]2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシル−1’−イル)フェノールなどのアルキル化モノフェノール。
【0126】
[2]2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−t−ブチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−エチルフェノール、2,6−ビス(ドデシルチオメチル)−4−ノニルフェノールなどのアルキルチオメチルフェノール。
【0127】
[3]2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−イソブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタンなどのアルキリデンビスフェノールおよびその誘導体。
【0128】
[4]4−ヒドロキシラウリル酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバネートなどのアシルアミノフェノール誘導体。
【0129】
[5]β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンまたはこれらの混合物など)とのエステル。
【0130】
[6]2,2’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのビス(ヒドロキシ化フェニル)スルフィド。
【0131】
[7]3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートなどのO−ベンジル誘導体、N−ベンジル誘導体およびS−ベンジル誘導体。
【0132】
[8]2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−n−オクチルチオ−4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−n−オクチルチオ−4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−フェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレートなどのトリアジン誘導体。
【0133】
[9]ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートなどのヒドロキシベンジル化マロネート誘導体。
【0134】
[10]1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノールなどの芳香族ヒドロキシベンジル誘導体。
【0135】
[11]ジメチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩などのベンジルホスホネート誘導体。
【0136】
[12]β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンまたはこれらの混合物など)とのエステル。
【0137】
[13]β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンまたはこれらの混合物など)とのエステル。
【0138】
[14]3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価または多価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンまたはこれらの混合物)とのエステル。
【0139】
[15]N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]トリメチレンジアミンなどのβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド。
【0140】
[16]α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどのトコフェロール。
【0141】
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、トリデシル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル ステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ネオペンタンテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などが挙げられる。
【0142】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナンなどが挙げられる。
【0143】
ヒドロキノン系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ペンチルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル ステアレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペートなどが挙げられる。
【0144】
紫外線吸収剤としては、例えば、以下の[1]〜[3]に記載する物などが挙げられる。
【0145】
[1]フェニル サリシレート、4−t−ブチルフェニル サリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニル サリシレート、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、ヘキサデシル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどのサリシレート誘導体。
【0146】
[2]2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどの2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体。
【0147】
[3]2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールの混合物、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[4−t−ブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)と2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールとの縮合物、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)とメチル 3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物、2−エチルヘキシル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、オクチル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、メチル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸などの2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール。
【0148】
光安定剤としては、例えば、以下の[1]〜[5]に記載する物などが挙げられる。
[1]ヒンダードアミン系光安定剤、例えば、以下の[a]〜[c]に記載する物。
[a]ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) 2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル メタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート。
【0149】
[b]1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよび1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物。
【0150】
[c]ジメチルスクシネートと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重縮合物、N,N’,4,7−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、N,N’,4−トリス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、N,N’,4,7−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、N,N’,4−トリス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン。
【0151】
[2]エチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンなどのアクリレート系光安定剤。
【0152】
[3]2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、ケトキシムのニッケル錯体などのニッケル系光安定剤。
【0153】
[4]4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルアニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルアニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキシアニリド、2−エトキシ−5,4’−ジ−t−ブチル−2’−エチルオキサニリドなどのオキサミド系光安定剤。
【0154】
[5]2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン系光安定剤。
【0155】
安定剤としては、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシアミン、N,N−ジエチルヒドロキシアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシアミンなどのヒドロキシルアミン類などが挙げられる。
【0156】
滑剤としては、例えば、パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、C8-22高級脂肪酸、C8-22高級脂肪酸の金属(Al、Ca、Mg、Zn)塩、C8-22脂肪族アルコール、ポリグリコール、C4-22高級脂肪酸とC4-18脂肪族1価アルコールとのエステル、C8-22高級脂肪族アミド、シリコーン油、ロジン誘導体などが挙げられる。
【0157】
上述した他の添加剤の中でも、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
【0158】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤としては、以下のものが挙げられる:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−t−ブチルフェノール、2,2’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−フェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩、n−オクタデシル
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)、チオジエチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)、トリエチレングリコール ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルシンナメート)、3,9−ビス[2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン。
【0159】
特に好ましいリン系酸化防止剤としては、以下のものが挙げられる:2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン。
【0160】
特に好ましい紫外線吸収剤としては、以下のものが挙げられる:フェニル サリシレート、4−t−ブチルフェニル サリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール。
【0161】
特に好ましいヒンダードアミン系光安定剤としては、以下のものが挙げられる:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル メタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよび1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、ジメチルスクシネートと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]。
【0162】
本発明の加工安定化剤の製造方法としては、例えば、化合物(1)および化合物(2)、並びに必要に応じて化合物(3)〜化合物(8)および他の添加剤を、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、ハイスピードミキサなどの混合機で混合する方法などが挙げられる。このようにして得た混合物(加工安定化剤)を、さらに押出成形または撹拌造粒に付してもよい。
【0163】
次に本発明の熱可塑性ポリマー組成物について説明する。本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、上記加工安定化剤(化合物(1)および化合物(2)、並びに必要に応じて化合物(3)〜化合物(8)および他の添加剤)と、熱可塑性ポリマーとを含有する。熱可塑性ポリマーは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0164】
熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)など)、ポリプロピレン系樹脂(結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分とからなるポリプロピレン系ブロック共重合体など)、メチルペンテンポリマー、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン(PS)、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)などのポリスチレン類、アクリロニトリル−スチレン共重合体(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、特殊アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS)など)、ポリブタジエン系樹脂(ポリブタジエン;ポリブタジエンゴム(BR);スチレン−ブタジエン共重合体(SB);スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS);ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体またはSBSで改質した耐衝撃性ポリスチレン(HI−PS)など)、塩素化ポリエチレン(CPE)、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール(POM)、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリスルホン(PPSU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル、ジアリルフタレートプレポリマー、シリコーン樹脂(SI)、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(NBR)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)などが挙げられる。
【0165】
これらの中で、成形加工性の良さから、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリブタジエン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂およびポリブタジエン系樹脂がより好ましく、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)およびスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)がさらに好ましい。
【0166】
使用する熱可塑性ポリマーの重量平均分子量(Mw)に特に限定は無い。熱可塑性ポリマーのMwは、一般に1000以上、30万以下である。このMwは、例えばポリスチレンを標準とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
【0167】
熱可塑性ポリマー組成物中の加工安定化剤の含有量は、化合物(1)および化合物(2)の合計量で定められる。熱可塑性ポリマー組成物中の化合物(1)および化合物(2)の合計量は、熱可塑性ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上(より好ましくは0.02質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上)、好ましくは3質量部以下(より好ましくは2質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下)である。
【0168】
化合物(3)〜化合物(8)を含む加工安定化剤を使用する場合、熱可塑性ポリマー組成物中の化合物(3)〜化合物(8)の各含有量は、熱可塑性ポリマー組成物100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上(より好ましくは0.02質量部以上)、好ましくは3質量部以下(より好ましくは2質量部以下)である。
【0169】
本発明の熱可塑性ポリマー組成物の製造方法としては、例えば、上述のようにして製造した加工安定化剤と熱可塑性ポリマーとを混合する方法などが挙げられる。この製造方法には、例えば、熱可塑性ポリマーを混錬する際に、化合物(1)および化合物(2)、並びに必要に応じて化合物(3)〜化合物(8)および他の添加剤を熱可塑性ポリマーに別々に配合した後、これら(即ち本発明の加工安定化剤と熱可塑性ポリマーと)を混合する方法も含まれる。
【0170】
加工安定化剤と熱可塑性ポリマーとの混合方法としては、例えば、(a)加工安定化剤と熱可塑性ポリマーとをドライブレンドし、次いで一軸または多軸押出し機で溶融混練した後、押出しを行って熱可塑性ポリマー組成物のペレットを得る方法;(b)シクロへキサンなどの溶剤に加工安定化剤を溶解させて、加工安定化剤の溶液を調製し、この溶液を熱可塑性ポリマー重合終了後のポリマー溶液に添加し、脱溶媒する方法;などが挙げられる。
【0171】
得られた熱可塑性ポリマー組成物は、冷却することなく溶融状態のまま成形機に供給して成形してもよい。成形方法は特に限定されるものではなく、例えば、射出成形法、押出成形法、押出ブロー成形法、射出ブロー成形法、二軸延伸ブロー成形法などの成形方法を用いることができる。
【0172】
成形後に冷却することによって、本発明の熱可塑性ポリマー組成物からなる熱可塑性ポリマー成形体が得られる。得られる熱可塑性ポリマー成形体の用途としては、例えば、電子部品(例えばコイルボビン、コネクター、スイッチ、抵抗器部品、ソケット、リレー、コンデンサーケース、ヒューズ、モーター、オーブンレンジ、プリント基盤、IC製造装置、ランプなど)、自動車部品(例えばエアーアウトレットガーニッシュ、フードベント、ディストリビューターキャップ、排ガスコントロールバルブなど)、時計部品(例えばギア、カムなどの機械部品、地板など)、カメラ部品(例えば底蓋、鏡胴、レバーなど)、レジャー用品の部品(例えばリールなど)、家電機器ハウジング、照明配線器具、フィルム、ボトル、繊維、浄化槽、便槽、バスタブ、ユニットバス、水タンク、船舶、薬品タンク、パイプ、波板、平板、塗料、化粧版、電気部品封入材、レジンコンクリートなどが挙げられる。
【実施例】
【0173】
以下、実施例等を挙げて本発明をより詳細に説明する。以下の「部」および「%」は、特に説明がない限り、質量基準を意味する。また「メルトフローレート」を「MFR」と記載する。
以下、実施例等を挙げて本発明をより詳細に説明する。以下の「部」および「%」は、特に説明がない限り、質量基準である。また「メルトフローレート」を「MFR」と記載する。
【0174】
[1]原料
以下の実施例および比較例で使用する原料は、以下の通りである。
化合物(1−1):6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(住友化学社製「スミライザー(登録商標)GP」)
化合物(2−1):メチル α−D−グルコピラノシド(東京化成工業社製)
化合物(3−1):オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製「イルガノックス(登録商標)1076」)
化合物(3−2):3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学社製、スミライザー(登録商標)GA−80」)
化合物(3−3):ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製「イルガノックス(登録商標)1010」)
化合物(4−1):トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASF社製「イルガフォス(登録商標)168」)
化合物(5−1):テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスホナイト(クラリアント社製「サンドスタブ(登録商標)P−EPQ」)
化合物(6−1):ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ社製「アデカスタブ(登録商標)PEP−36」)
化合物(6−2):ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(GEプラスチック社製「ウルトラノックス(登録商標)626」)
化合物(6−3):ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(ドーヴァーケミカル社製「ドーヴァーフォスS9228T」)
化合物(7−1):6,6’,6”−[ニトリロトリス(エチレンオキシ)]トリス(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン)(BASF社製「イルガフォス(登録商標)12」)
化合物(8−1):2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(アデカ社製「アデカスタブ(登録商標)HP−10」)
【0175】
[2]熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性の評価
以下の実施例および比較例で得られた熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性を以下のようにして評価した。まず、熱可塑性ポリマー組成物のペレットを用いて、滞留MFR試験を行った。該試験はJIS K 7210に準拠し、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を、シリンダー内の温度270℃および荷重2.16kgの条件で用いて、滞留前MFR(g/10分)と滞留後MFR(g/10分)とを測定した。滞留前MFRは、該シリンダー内に熱可塑性ポリマー組成物のペレットを充填して5分間の予熱時間を取った後に測定した。滞留後MFRは、熱可塑性ポリマー組成物のペレットを該シリンダー内で予熱時間を含めて合計30分間滞留させた後に測定した。このようにして得られた滞留前MFRと滞留後MFRとから、下記式に基づきMFR変動率を計算した:
MFR変動率(%)
=(滞留後MFR−滞留前MFR)の絶対値×100/(滞留前MFR)
MFR変動率が小さいほど、熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性が良好である。
【0176】
実施例1:加工安定化剤の製造
化合物(1−1)および化合物(2)を混合して、加工安定化剤を製造した。
【0177】
実施例2:熱可塑性ポリマー組成物の製造
実施例1で得られた加工安定化剤0.11部と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製「エバールF171B」)100部とをドライブレンドした後、得られた混合物をスクリュー径30mmの単軸押出機(田辺プラスチック社製「VS30−28型押出機」)を用いて温度230℃およびスクリュー回転数50rpmの条件で混練押出してストランドを得て、このストランドをペレタイザーで切断することによって、熱可塑性ポリマー組成物のペレットを得た。
【0178】
比較例1:熱可塑性ポリマー組成物の製造
実施例1で得られた加工安定化剤に替えて、化合物(1−1)0.1部のみを使用したこと以外は実施例2と同様にして、熱可塑性ポリマー組成物のペレットを得た。
【0179】
実施例1で得られた加工安定化剤の組成を表Iに、実施例2および比較例1で得られた熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性の結果を、表IIに示す。
【0180】
【表1】

【0181】
【表2】

【0182】
実施例2と比較例1との対比から、化合物(1)を単独で使用する場合に比べて、化合物(1)と化合物(2)とを併用することによって、加工安定性が向上することが分かる。
【0183】
実施例3〜89:加工安定化剤の製造
表III−1〜III−3に記載の原料を混合することによって、加工安定化剤が得られる。
【0184】
【表3】

【0185】
【表4】

【0186】
【表5】

【0187】
実施例90〜163:熱可塑性ポリマー組成物の製造
表IV−1〜IV−3に記載の熱可塑性ポリマーおよび加工安定化剤を使用すること以外は実施例2と同様にして、熱可塑性ポリマー組成物のペレットが得られる。
【0188】
表IV−1〜IV−3に記載の熱可塑性ポリマーの略号の意味は、以下の通りである。
P−1:高密度ポリエチレン(HDPE)
P−2:低密度ポリエチレン(LDPE)
P−3:直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
P−4:エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)
P−5:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
P−6:結晶性プロピレン単独重合体
P−7:プロピレン−エチレンランダム共重合体
P−8:プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
P−9:プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体
P−10:ポリスチレン(PS)
P−11:アクリロニトリル−スチレン共重合体(SAN)
P−12:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)
P−13:特殊アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体
P−14:アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS)
P−15:ポリブタジエンゴム(BR)
P−16:スチレン−ブタジエン共重合体(SB)
P−17:スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)
P−18:塩素化ポリエチレン(CPE)
P−19:ポリクロロプレン
P−20:塩素化ゴム
P−21:ポリ塩化ビニル(PVC)
P−22:ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
P−23:メタクリル樹脂
P−24:フッ素樹脂
P−25:ポリアセタール(POM)
P−26:グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂
P−27:ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)
P−28:ポリウレタン(PU)
P−29:ポリアミド(PA)
P−30:ポリエチレンテレフタレート(PET)
P−31:ポリブチレンテレフタレート(PBT)
P−32:ポリ乳酸(PLA)
P−33:ポリカーボネート(PC)
P−34:ポリアクリレート
P−35:ポリスルホン(PPSU)
P−36:ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
P−37:ポリエーテルスルホン(PES)
P−38:芳香族ポリエステル
P−39:ジアリルフタレートプレポリマー
P−40:シリコーン樹脂(SI)
P−41:1,2−ポリブタジエン
P−42:ポリイソプレン
P−43:ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(NBR)
P−44:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)
【0189】
【表6】

【0190】
【表7】

【0191】
【表8】

【産業上の利用可能性】
【0192】
化合物(1)および化合物(2)を含有する本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、優れた加工安定性を示す。本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、例えば、電子部品、自動車部品、時計部品、カメラ部品、レジャー用品の部品などの製造に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

[式(1)中、
各R1、各R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各R3は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。
1は、単結合、硫黄原子または式(1a):
【化2】

{式(1a)中、R6は、水素原子、C1-8アルキル基またはC5-8シクロアルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
2は、C2-8アルキレン基または式(1b):
【化3】

{式(1b)中、L3は、単結合またはC1-8アルキレン基を表す。*は酸素原子側に結合していることを表す。}で示される2価の基を表す。
1およびZ2のいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基またはC7-12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。]
で示される化合物と、
m2mm(式中、mは3以上10以下の整数である)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびm−1個のヒドロキシ基を有する化合物(2a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−OR7(式中、R7は、C1-12アルキル基を表す)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(2)と、
熱可塑性ポリマーと
を含有することを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項2】
式(1)で示される化合物および化合物(2)の合計量が、熱可塑性ポリマー100質量部に対して0.001〜3質量部である請求項1に記載の熱可塑性ポリマー組成物。
【請求項3】
式(1):
【化4】

[式(1)中、
各R1、各R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、C1-8アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各R3は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。
1は、単結合、硫黄原子または式(1a):
【化5】

{式(1a)中、R6は、水素原子、C1-8アルキル基またはC5-8シクロアルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
2は、C2-8アルキレン基または式(1b):
【化6】

{式(1b)中、L3は、単結合またはC1-8アルキレン基を表す。*は酸素原子側に結合していることを表す。}で示される2価の基を表す。
1およびZ2のいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基またはC7-12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1-8アルキル基を表す。]
で示される化合物と、
m2mm(式中、mは3以上10以下の整数である)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびm−1個のヒドロキシ基を有する化合物(2a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−OR7(式中、R7は、C1-12アルキル基を表す)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(2)と
を含有することを特徴とする加工安定化剤。
【請求項4】
式(1)で示される化合物が、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンである請求項3に記載の加工安定化剤。
【請求項5】
mが6である請求項3または4に記載の加工安定化剤。
【請求項6】
化合物(2)が、メチル α−D−グルコピラノシドである請求項5に記載の加工安定化剤。
【請求項7】
化合物(2)の含有量が、式(1)で示される化合物および化合物(2)の合計中0.1〜95質量%である請求項3〜6のいずれか一項に記載の加工安定化剤。
【請求項8】
さらに、式(3):
【化7】

[式(3)中、
各R8および各R9は、それぞれ独立に、水素原子またはC1-6アルキル基を表す。
4は、ヘテロ原子を含んでいてもよいn価のC1-24アルコール残基を表し、nは1〜4の整数を表す。ここでアルコール残基とは、アルコールのヒドロキシ基から水素原子を除いた残りの基を表す。]
で示される化合物を含有する請求項3〜7のいずれか一項に記載の加工安定化剤。
【請求項9】
さらに、式(4)〜式(8)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有する請求項3〜8のいずれか一項に記載の加工安定化剤。
【化8】

[式(4)中、各R10および各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。]
【化9】

[式(5)中、各R12は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。]
【化10】

[式(6)中、各R13は、それぞれ独立に、C1-18アルキル基、またはC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基を表す。]
【化11】

[式(7)中、
各R14および各R15は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各L5は、それぞれ独立に、単結合、硫黄原子または式(7a):
【化12】

{式(7a)中、R16およびR17は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1-7アルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
各L6は、それぞれ独立に、C2-8アルキレン基を表す。]
【化13】

[式(8)中、
各R18および各R19は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。
20は、C1-8アルキル基、またはC1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基およびC7-12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基を表す。
7は、単結合、硫黄原子または式(8a):
【化14】

{式(8a)中、R21およびR22は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1-7アルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。]
【請求項10】
さらに、式(4)で示される化合物を含有する請求項3〜8のいずれか一項に記載の加工安定化剤。
【化15】

[式(4)中、各R10および各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1-9アルキル基、C5-8シクロアルキル基、C6-12アルキルシクロアルキル基、C7-12アラルキル基またはフェニル基を表す。]
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか一項に記載の加工安定化剤および熱可塑性ポリマーを混合することを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物の製造方法。
【請求項12】
熱可塑性ポリマー組成物の加工安定性を向上させるための、請求項3〜10のいずれか一項に記載の加工安定化剤の使用。

【公開番号】特開2012−31367(P2012−31367A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252068(P2010−252068)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】