説明

熱可塑性樹脂を用いて摩擦熱により充填、成形する補修方法

【課題】高度な技術を有することなく、熟練した技術を有しない者が簡単に住宅建材の補修を行うことができる道具及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、充填剤、充填用ヘラからなる。充填剤は、充填用ヘラとの摩擦により生じる摩擦熱で軟化するように設計されており、摩擦力が生じやすいように樹脂が含まれており、さらに摩擦熱で形状が変化する為に、ワックスにて構成されており、摩擦充填用ヘラと充填剤の摩擦により生じる摩擦熱により、充填剤が軟化することによりキズの欠損部分に充填される。またその際、充填用ヘラは充填剤及び補修対象面に対して充填用ヘラが一定の角度を維持するように設計されており、摩擦熱による充填作業と同時に熟練した技術がなくとも平滑な表面を形成できるようになっている。キズにより欠損した木目を描画する為に、顔料及び溶剤を用いて描画し、それを保護する為に、コーティング剤にて仕上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性を有し、摩擦熱を用いることにより取り扱いが容易な熱可塑性樹脂を用いた補修方法及びヘラ、充填剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅建材や内装材、家具等の傷の補修、フローリングや階段などの部材間の隙間埋めなどを行う方法として、傷や隙間に顔料を高粘度の展色剤と練り合わせたパテ材を充填する方法や、樹脂及びワックス等の熱可塑性樹脂を電気コテ等を用いて軟化、溶融させて充填する方法がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、住宅建材や内装材、家具等の傷の補修、フローリングや階段などの部材間の隙間埋めなどを行う方法として、傷や隙間に顔料を高粘度の展色剤と練り合わせたパテ材を充填する方法や、樹脂及びワックス等の熱可塑性樹脂を電気コテ等を用いて軟化、溶融させて充填する方法、玩具用のクレヨンを改良した硬質クレヨンをそのまま傷に削り込む方法がある。従来の方法では、以下の様な問題点がある。(1)パテを用いた場合、研磨しなくてはいけない為、傷の周辺を傷つけてしまうおそれがある。(2)パテを用いた場合、パテは一般的なタモ白などはあるが、通常、傷の周辺に合わせて充填後色を塗る必要がある。(3)熱可塑性樹脂やワックスを用いる場合、電気コテを使い軟化、溶融させることで、火傷の危険性が生じるため、作業に対して熟練を要する。(4)熱可塑性樹脂やワックスを用いる場合、充填・成形の際も電気コテで行う為、傷の周辺が熱に弱い塩ビシートなどであった場合、溶かしてしまうおそれがあり、容易に使えるとはいえない。(5)熱可塑性樹脂やワックスを用いる場合、電気コテにて成形するため、溶かしながら成形するので、熟練した技術がないと平滑に充填するのが困難である。(6)玩具用クレヨンの改良品を用いる場合、傷にそのまま削り込む為、傷を埋めているのではなく、傷の上に乗っかっている状態であり、すぐにとれてしまう。(7)熱可塑性樹脂や玩具用クレヨンの改良品を用いる場合、充填した後、一般的なワックス等の保護材をはじく場合がある。(8)パテ及び熱可塑性樹脂、ワックス、玩具用クレヨンを改良した硬質クレヨンを用いる場合、耐衝撃性として硬度を優先しておる為、硬いが脆いという性質を有しており、限界を超えると割れてしまう。本発明は、以上のとおりの事情を鑑みてなされたものであり、衝撃に対しては硬度だけではなく、弾性を持たせることで割れにくくなっており、充填・成形においては、電気コテなどの火傷のおそれのある熱機器は用いず、専用ヘラと専用充填剤による摩擦による生じる摩擦熱を用いることで、安全に使用できる。また、専用ヘラと充填面が並行になるようにして用いる為、容易に平滑に充填することができるよう設計されたものである。さらに、摩擦熱を利用することで、熱機器を使用しないこと、紙ヤスリで研磨する必要がないことにより傷の周辺を傷つけることがなくなり容易にきれいに直せるようになる。以上の特徴を備えることで、熟練した技術が無くとも容易に傷を直せるようにする補修方法及び充填剤、ヘラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために本発明は、
【発明の効果】
【0005】
以上述べて来た如く、本発明によれば、今迄のような危険を伴うことなく、また熟練した技術も必要とせず、誰でも容易に一定水準の補修を行うことが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明について、図1の補修一例を参照して順に説明する。本発明の熱可塑性充填剤の主成分の1つであるワックスの種類としては、融点が70度以上あるものであれば、特に制限はなく、天然ワックスでも、石油系ワックスでも合成ワックスでもよい。これらのうち、炭化水素系、特に飽和炭化水素系ワックスが好ましい。これらのワックスは、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることができる。ワックスの性状としては、軟化点が70度以上のものが適当である。ワックスの軟化点が70度未満であると夏場の室内において直射日光があたり高温になる場所において、軟化が生じてしまうおそれがある。ワックスの含有量については、熱可塑性充填剤の全量に対して20質量%以上、好ましくは、40質量%であることが好ましい。ワックスの含有量が20質量%未満であると、摩擦をして充填する際に、ヘラにくっついてしまい、充填が困難になる。また、成形においては、平滑にすることが困難になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
専用ヘラ及び専用充填剤を摩擦することにより生じる摩擦熱を利用して、住宅建材等のキズ及び隙間を埋めて直すことを特徴とする
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅建材などの木製品に生じたキズを補修する商品及び補修方法において、専用の熱可塑性樹脂及びワックスを主成分とする充填剤を専用ヘラにより摩擦する工程により生じる摩擦熱によって軟化させ充填及び成形する補修方法及びそれに必要な商品。住宅建材などの木製品に生じたキズを補修する商品及び補修方法において、専用の熱可塑性樹脂及びワックスを主成分とする充填剤を専用ヘラにより摩擦する工程により生じる摩擦熱によって軟化させ充填及び成形する補修方法及びそれに必要な商品。
住宅建材などの木製品に生じたキズを補修する商品及び補修方法において、専用の熱可塑性樹脂及びワックスを主成分とする充填剤を専用ヘラにより摩擦する工程により生じる摩擦熱によって軟化させ充填及び成形する補修方法及びそれに必要な商品。住宅建材などの木製品に生じたキズを補修する商品及び補修方法において、専用の熱可塑性樹脂及びワックスを主成分とする充填剤を専用ヘラにより摩擦する工程により生じる摩擦熱によって軟化させ充填及び成形する補修方法及びそれに必要な商品。
【請求項2】
さらに、無機顔料及び有機顔料を含む請求項1の熱可塑性樹脂を含む充填剤を用いて、専用ヘラとの摩擦による摩擦熱を利用した充填・成形方法。
さらに、無機顔料及び有機顔料を含む請求項1の熱可塑性樹脂を含む充填剤を用いて、専用ヘラとの摩擦による摩擦熱を利用した充填・成形方法。
【請求項3】
前記ワックスが、石油系、石灰系、及び天然ガスから製造されたワックス、例えばパラフィンワックス、フィッシャートロプスを用いる。ワックスについては、これに限定するものではない。ただし、充填剤を使用する環境において住宅室内における夏場に直射日光が当たる部分についてはに高温になることから、融点が70度以上のものを用いるのが好ましい。
前記ワックスが、石油系、石灰系、及び天然ガスから製造されたワックス、例えばパラフィンワックス、フィッシャートロプスを用いる。ワックスについては、これに限定するものではない。ただし、充填剤を使用する環境において住宅室内における夏場に直射日光が当たる部分についてはに高温になることから、融点が70度以上のものを用いるのが好ましい。
【請求項4】
前記熱可逆性樹脂がエチレンプロピレンブロックポリマー、ポリアクリル樹脂を用いたことを特徴とする。
前記熱可逆性樹脂がエチレンプロピレンブロックポリマー、ポリアクリル樹脂,エチレン酢酸ビニル共重合体を用いたことを特徴とする。
【請求項5】
配合される樹脂及びワックスの融点の差が50度以内であること。
配合される樹脂及びワックスの融点の差が50度以内であること。
【請求項6】
専用ヘラについては、専用充填剤との摩擦力を最大化させる為に摩擦面を鏡面加工する。
専用ヘラについては、専用充填剤との摩擦力を最大化させる為に摩擦面を鏡面加工する。
【請求項7】
専用ヘラによる摩擦熱による軟化で充填・成形する為には、熱可塑性充填剤の融点及び軟化点が70度から150度であること。好ましくは、85度から130度であることが良い。

【公開番号】特開2009−102963(P2009−102963A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297232(P2007−297232)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(507071039)株式会社茶茶工房 (3)
【Fターム(参考)】