説明

熱可塑性樹脂組成物及びその成形体

【課題】 新規な熱可塑性樹脂組成物及びその成形体を提供する。
【解決手段】(I)熱可塑性樹脂と(II)平均粒径3〜50μm、充填量50〜70体積%の球状アルミナを、セラミックコートを施したスクリューの押出機で混練することにより得られる色相の明度(L)が90以上で且つ、熱伝導率が1.5W/mK〜5W/mKであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を構成とする。更に、水酸化マグネシウム及び/又は、白色系着色剤を配合することを特徴とし、白色系着色剤が酸化チタン、酸化亜鉛、及び沈降性硫酸バリウムの少なくとも1種であることを特徴とする。該熱可塑性樹脂組成物からなる放熱部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発熱性電子部品の高密度化、高集積化により発熱量が増大し、電子部品の温度上昇を極力抑えるため、発生した熱を効率良く放熱する要求が益々高まっている。また、携帯用パソコンなどの電子機器は小型化、薄型化、軽量化が進み、これらに用いられる部材、筐体も良放熱性のものが要求されている。更にLEDを利用した照明機器の部材、筐体も高放熱性が必要とされている。従来、それらに用いられる部材の放熱性を向上させる方法として、例えば、部材をアルミニウム等の金属製にする方法や、部材表面に高熱伝導率塗料を塗布する方法、高熱伝導性フィラーとして酸化アルミニウム粉末を樹脂やゴムに高濃度で配合する方法等が提案されている(特許文献1、2、3参照)。更に、高熱伝導性フィラーとして特定の酸化アルミニウム粉末を樹脂に配合し、射出成形可能な熱可塑性樹脂とする技術も提案されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭64−24859号
【特許文献2】特開2006−057005号
【特許文献3】特開2005−281612号
【特許文献4】特開2006−117814号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新規な熱可塑性樹脂組成物及びその成形体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、(1)(I)熱可塑性樹脂と(II)平均粒径3〜50μm、充填量50〜70体積%の球状アルミナを、セラミックコートを施したスクリューの押出機で混練することにより得られる色相の明度(L)が90以上で且つ、熱伝導率が1.5W/mK〜5W/mKであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、(2)更に、水酸化マグネシウム及び/又は、白色系着色剤を配合することを特徴とする(1)記載の熱可塑性樹脂組成物、(3)水酸化マグネシウムの充填量が5〜20体積%であることを特徴とする(2)記載の熱可塑性樹脂組成物、(4)白色系着色剤が酸化チタン、酸化亜鉛、及び沈降性硫酸バリウムの少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物、(5)請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる放熱部材である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば容易に射出成形可能な耐熱性、放熱性、色相に優れた組成物及びその成形体を提供することができる。発熱性電子部品の放熱部材、例えばLED照明筐体、電源アダプター、パソコン用部品、携帯電話用部品、自動車部品、光学式ディスプレー装置、半導体及び熱を発する部分に接触している部品などの筐体用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<用語の説明>
本願明細書において、「〜」という記号は「以上」及び「以下」を意味する。例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。
【0008】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0009】
本発明のセラミックコートは、特開平8−35075号公報に開示されるように、第1ステップでは、金属部材を300〜650℃の温度に保持し、アンモニアガスと水素ガスを用い、金属部材の表面に0.001〜2.0mA/cm2 の電流密度のグロー放電を行いイオン窒化して窒化層を形成し、この窒化層の上に第2ステップにてPVD法によりTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta及びCrの少なくとも1種の窒化物、炭化物及び/又は炭窒化物からなる硬質被膜、あるいは前記硬質被膜の積層膜あるいは積層傾斜膜を形成するものである。
【0010】
硬質被膜はセラミックス膜であり、従来の金属材料に比べてビッカース硬度で1500〜3000と高硬度で、かつ低摩擦係数を示すため優れた耐摩耗性を発揮する。しかし、膜厚が5μmを超える厚膜になると、セラミックスの割れや欠け等を生じるため、硬質被膜の厚さは5μm以下が好ましい。2μm未満では硬質被膜としての特性が十分に発揮されない。硬質被膜の厚さは、2〜5μmが好ましい。
【0011】
また、基材表面に窒化層の第1層を設け、その上に第2層として硬質被膜を形成する複合処理により、基材表面での弾性変形又は塑性変形がほとんど起らない。このため、硬質被膜が破壊しない。
【0012】
熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率は、1.5W/mK〜5W/mKであることが必要であるが、好ましくは2W/mk〜5W/mKである。熱伝導率が小さいと放熱性が不十分となりやすく、熱伝導率を高めるためだけに高熱伝導率が高い無機フィラーを大量に配合すると、得られる熱可塑性樹脂組成物の射出成形性が劣る傾向となる。
【0013】
熱可塑性樹脂組成物の流動性の指標であるメルトマスフローレイト(MFR)30g/10分以上であることが成形加工性の点から好ましい。
【0014】
球形アルミナの平均球形度は、0.80〜1.0が好ましい。平均球形度が0.80未満では、熱可塑性樹脂組成物への充填するための溶融混練が困難となりやすく、得られる熱可塑性樹脂組成物の強度が低下する傾向がある。また、球状アルミナの分散性が悪くなり、得られた成形体の放熱効果が小さくなる傾向がある。
【0015】
なお、平均球形度は、実体顕微鏡(例えば、ニコン社製モデル「SMZ−10型」)、走査型電子顕微鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置(日本アビオニクス社製)に取り込み、以下に示す方法にて測定することができる。この方法以外にも、粒子像分析装置(例えば、シスメックス社製商品名「FPIA−1000」)にて定量的に自動計測された個々の粒子の新円度から、球形度=(新円度)により換算して求めることもできる。
すなわち、粒子像から粒子の投影面積(A)と周辺長(PM)を測定する。周辺長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr であるから、B=π×(PM/2π) となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM) として算出することができる。このようにして得られた任意の粒子の200個の球形度を求め、その平均値を平均球形度とした。
【0016】
球状アルミナの含有量は、50〜70体積%であり、好ましくは60〜70体積%である。含有量が50体積%より少ないと放熱性の向上効果小さくなりやすく、含有量が70体積%より多い射出成形が困難となる場合がある。
【0017】
球状アルミナの平均粒径は、3〜50μmであり、平均粒径が3μmより小さくなると放熱性の向上効果が小さくなりやすく、平均粒径が50μmより大きくなると、セラミックコートをしていても得られる熱可塑性樹脂組成物の色相L値が著しく低下する傾向がある。平均粒径が50μmより大きいと、セラミックコートを混練時に摩耗していると推察される。
【0018】
熱可塑性樹脂は、例えば、HIPS樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、SAS樹脂、SEBS樹脂、MBS樹脂、MES樹脂(メタクリル酸アルキル−エチレン・αオレフィン系ゴム−スチレン共重合体)及びACS樹脂等のゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂、メタクリル−スチレン共重合体、メタクリル樹脂、芳香族ビニル単量体単位、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体単位、及びこれらと共重合可能なビニル単量体単位からなるマレイミド系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ビスフェノールAや4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル等のビスフェノールとイソフタル酸、テレフタル酸等の2塩基酸又はその誘導体から合成される芳香族ポリエステルやp−ヒドロキシ安息香酸/ビスフェノール/テレフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸/テレフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸/ポリブチレンテレフタレート等の液晶性ポリエステル等の芳香族ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリアミド/酸変性エチレン−プロピレンゴム、ポリアミド/酸変性エチレン−プロピレンゴム/マレイミド系共重合体アロイ、ポリカーボネート、ABS/P
Cアロイ、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらの中で、相溶性又は混和性がよい樹脂同士であれば、混合して用いることもできる。
【0019】
熱可塑性樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤、酸化アンチモン、リン酸エステル系、水酸化マグネシウムの難燃剤等を含有させることにより難燃性を付与することができる。特に水酸化マグネシウムが好ましい。
【0020】
水酸化マグネシウムの量としては、2〜20体積%が好ましい。含有量が2体積%未満では難燃性が十分でなく、含有量が20体積%超では、熱伝導率が低下する。
【0021】
熱可塑性樹脂組成物は、白色系の着色剤を配合して更に色相値Lを上げることもできる。白色系の着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、沈降性バリウムが好適である。
【0022】
白色系の着色剤の含有量としては、0.5体積%〜5体積%が好ましい。
含有量0.5体積%未満では、配合による色相L値の改良効果が少なく、含有量5体積%超では、熱伝導率が低下する場合がある。
【0023】
熱可塑性樹脂組成物は、放熱性、強度、成形性に影響のない範囲であれば、外部滑剤、内部滑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強材、各色着色剤等を配合することができる。無機フィラーは、シラン系及び/又はチタネート系カップリング剤などの粉体表面改質剤で表面改質して使用することも可能である。
【0024】
熱可塑性樹脂組成物は、通常の溶融混練装置を用いて得ることができるが、好適に使用できる溶融混練装置としては、単軸押出機、噛合形同方向回転又は噛合形異方向回転二軸押出機、非又は不完全噛合形二軸押出機等のスクリュー押出機等がある。
【0025】
熱可塑性樹脂組成物は、成形して筐体に用いることができるが、その成形法は、熱可塑性樹脂を成形する方法が利用できる。例えば、プレス法、押出し法、射出成形法、二色成形等挙げられるが、量産性、デザイン性を勘案すると射出成形法が好適である
【0026】
射出成形機のスクリュウをセラミックコートすることも、色相L値を向上させる観点から、好ましい。
【0027】
特に、成形時に、成形体表面を低光沢あるいはシボ面になるような金型を用いることにより、より放熱性に優れた成形体を得ることができる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
球状アルミナは、下記のものを用いた(密度3.97)。
B−1:球状アルミナ 平均粒径1μm、平均球形度0.88
B−2:球状アルミナ 平均粒径3μm、平均球形度0.88
B−3:球状アルミナ 平均粒径20μm、平均球形度0.87
B−4:球状アルミナ 平均粒径50μm、平均球形度0.89
B−5:球状アルミナ 平均粒径60μm、平均球形度0.87
尚、球状アルミナの熱伝導率(W/mK)は30であった。
【0030】
熱可塑性樹脂は、下記のものを用いた。
A−1:ABS樹脂 電気化学工業社製、GR−2000(密度:1.05)
A−2:PA(ポリアミド6) 東レ社製 アミラン CM1017(密度1.14)
A−3:PC(ポリカーボネート) 三菱エンジニアリングプラスチック社製
E−2000(密度 1.20)
【0031】
水酸化マグネシウムは、下記のものを用いた。
C−1:神島化学工業社製 マグシーズ N−4
【0032】
白色系着色剤は、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、沈降性硫酸バリウムを用いた。
【0033】
スクリュウのセラミックコートは以下のように実施した。特開平8−35075号公報の実施例1に準じて、ダルメージスクリュー(鋼材SCM435)にセラミックコートを行った。このセラミックTiN膜厚は、3〜4μmであった。
【0034】
[実施例1〜16及び比較例1〜13]
表1〜表4に示した配合になるように、ヘンシェルミキサーに各無機フィラーと各熱可塑性樹脂を仕込み、低速回転で3分間混合した。この混合物を真空ベント付きの40mm単軸押出し機・ダルメージスクリュー(IKG製、MS40−32V)で下記設定温度及び、スクリュー回転数80〜100rpmで、溶融混練し、ペレットを得た。
熱可塑性樹脂 溶融混練時の温度設定
A−1 250〜280℃
A−2 250〜280℃
A−3 300〜330℃
このペレットを使用して、射出成形機により評価用試験片を作成し、各種物性を評価した。結果を表1〜4に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
【表4】

【0039】
表1、表2の実施例1〜実施例16に示すように、熱可塑性樹脂と平均粒径3〜50μm、充填量50〜70体積%の球状アルミナを、セラミックコートを施したスクリューの押出機で混練することにより得られる色相の明度(L)が90以上で且つ、熱伝導率が1.5W/mK〜5W/mKである物性バランスと色相のバランスが優れた樹脂組成物が得られる。表3、表4の比較例1〜9ではセラミックコートの無いスクリューの押出機で混練することで、色相の明度(L)が65〜72と低くなり、灰色になってしまう。特に、比較例8、9では白色顔料である酸化チタンを配合しているが、特に大きな効果は無く、色相の明度(L)は70までしか向上せず、灰色であった。
比較例11では、球状アルミナの充填量が70体積%を超えているので、放熱性は良好であるが、色相の明度(L)が56に低下し、灰色になってしまい、射出成形性も著しく低下する。比較例12では水酸化マグネシウムの配合量が5体積%未満なので、水酸化マグネシムを配合した難燃性付与効果が発現しない。比較例13では水酸化マグネシウムの配合量が20体積%を超えているため、難燃性付与効果はあるが射出成形性が著しく低下する。比較例14では、球状アルミナの平均粒径が50μmを超えているため、セラミックコートしたスクリューの押出機で混練しているにも関わらず色相の明度(L)が58に低下し、灰色になってしまう。
【0040】
尚、実施例で得られた熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られた成形体を用いた電源アダプター、パソコン用部品、携帯電話用部品、自動車部品、光学式ディスプレー装置、半導体材料、LED照明筐体を作成したところ従来製品に比較して良好な放熱性の優れた製品が得られた。
【0041】
各種物性の評価測定法は下記の通りである。
(1)流動性:JIS K−7210に従い、メルトマスフローレイト(MFR)を測定した。
(2)衝撃強度:JIS K−7111に従い、ノッチ有りシャルピー衝撃強度を測定した。
(3)耐熱性:JIS K−7106に従い、50N荷重、ビカット軟化点を測定した。
(4)難燃性:射出成形機・東芝IS80G−2Aにより、長さ5インチ×幅1/2インチ×厚さ1/16インチの試験片を作成し、米国におけるアンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)で規格化されたサブジェクト94号(略称UL−94)に基づき難燃性の判定を行った。
(5)明度(L):ペレットを260℃で熱プレス成形を行い、30mm×30mm×2mmの試験片を作成した。この試験片を日本電色社製測色色差計ZE6000にてJISZ8729に準じて明度(L)を測定した。
(6)放熱性評価:次の方法に従って評価した。
射出成形機:東芝機械社製IS50EPNにより、外寸100mm×50mm×高さ15mm(2mm厚)の箱型成形品を射出成形し、得られた成形品を2個貼り合わせ、外寸100mm×50mm×高さ30mm(2mm厚)の半密閉六面体筐体(温度測定用熱電対及び発熱部電子部品への通電用リード線用に50mm×30mm面側面中央部に約8mmφの穴を開けてある)を作成した。横置き(100×50面下側)した半密閉筐体内部に発熱体としてNEC製IC素子(C2335、K34S)をハンダで取り付けたアルミニウム板(40mm×30mm×2mm)を筐体内側底部中央部壁面に密着させた。半密閉筐体温度23℃(室温23℃)から測定を開始し、IC素子に1.5W負荷で通電を行い、通電開始後から上記発熱体直近アルミニウム(以下発熱部)の温度を測定した。発熱部温度がほぼ一定化する30分後の温度を比較し、放熱性の評価とした。発熱部温度が低いほど(温度上昇が低いほど)外部への熱放出が多く、熱可塑性樹脂組成物の放熱性が優れることとなる。
(7)熱伝導率:熱伝導率測定装置(アグネ社製「ART−TC−1型」)を用い、射出成形したプレートを直径28mm、厚さ3mmの円盤状サイズに加工後、室温において温度傾斜法で測定した。
(8)射出成形性:射出成形機・東芝機械IS50EPNにより、一点ピンゲート(1mmφ)外寸100mm×50mm×15mm(2mm厚)の箱型成形品を下記設定温度で射出成形し成形性をA〜Dランク評価した。
熱可塑性樹脂 射出成形時の温度設定
A−1 250〜280℃
A−2 250〜280℃
A−3 300〜330℃
<射出成形性の評価>
A:特に問題なく容易に箱型成形品が成形可能。
B:箱型成形品に多少フラッシュ等の外観不良が見られるが成形可能。
C:箱型成形品にフラッシュ、焼け、フローマーク等の外観不良が目立つが成形可能。
D:樹脂組成物が金型に完全に充填できず射出成形により箱型成形品得られない。
(9)平均粒径
本発明の平均粒径はレーザー散乱光法による粒度測定法に基づく値であり。コールター粒度測定器(モデルLS−230;コールター社製)により測定した平均径である。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)熱可塑性樹脂と(II)平均粒径3〜50μm、充填量50〜70体積%の球状アルミナを、セラミックコートを施したスクリューの押出機で混練することにより得られる色相の明度(L)が90以上で且つ、熱伝導率が1.5W/mK〜5W/mKであることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【請求項2】
更に、水酸化マグネシウム及び/又は、白色系着色剤を配合することを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
水酸化マグネシウムの充填量が5〜20体積%であることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
白色系着色剤が酸化チタン、酸化亜鉛、及び沈降性硫酸バリウムの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる放熱部材。






【公開番号】特開2010−248342(P2010−248342A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98156(P2009−98156)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】